1 00:00:02,356 --> 00:00:05,192 (アン)お願いします。 公爵様に お目通りを願えませんか? 2 00:00:05,192 --> 00:00:08,362 (アン)砂糖菓子作りに 必要なことです。 3 00:00:08,362 --> 00:00:12,362 できれば公爵様と私 2人きりで。 4 00:01:55,402 --> 00:01:59,907 (アン)砂糖菓子を作るために お伺いしたいことがあります。 5 00:01:59,907 --> 00:02:06,680 あの肖像画の方の 名前を教えてください。 6 00:02:06,680 --> 00:02:09,183 (アルバーン)なぜ 名が必要だ? 7 00:02:09,183 --> 00:02:11,685 (アン)あの方を形にするために。 8 00:02:11,685 --> 00:02:14,521 肖像画には 描ききれていないことも 9 00:02:14,521 --> 00:02:17,357 私は知らなくてはいけないと 思うんです。 10 00:02:17,357 --> 00:02:20,360 それで作れるのか? 11 00:02:20,360 --> 00:02:23,197 わかりません。 12 00:02:23,197 --> 00:02:27,868 今の質問は 私の思い出に踏み込むものだ。 13 00:02:27,868 --> 00:02:32,372 むやみに立ち入り かき乱し 結局作れぬのならば 14 00:02:32,372 --> 00:02:34,708 死をもって償ってもらう。 15 00:02:34,708 --> 00:02:38,378 その覚悟があるか? 16 00:02:38,378 --> 00:02:41,215 死ぬ覚悟はできません。 17 00:02:41,215 --> 00:02:43,884 私には友人との約束があります。 18 00:02:43,884 --> 00:02:46,720 それに 伝えたいことも。 19 00:02:46,720 --> 00:02:48,722 だから死にません。 20 00:02:48,722 --> 00:02:53,422 その覚悟があるから 私は絶対に作品を作り上げます。 21 00:02:55,395 --> 00:02:57,731 クリスティーナ。 22 00:02:57,731 --> 00:03:01,001 それが あの方の名前ですか? 23 00:03:01,001 --> 00:03:05,339 そうだ。 妖精本来の名前は? 24 00:03:05,339 --> 00:03:08,342 レアリス・シール・エリル。 25 00:03:08,342 --> 00:03:11,178 なぜ 本当の名前で 呼ばれないのですか? 26 00:03:11,178 --> 00:03:14,181 あれが そう望んだ。 27 00:03:14,181 --> 00:03:17,017 人間のような名で 呼んでほしいから 28 00:03:17,017 --> 00:03:19,353 名前をつけてくれと。 29 00:03:19,353 --> 00:03:23,453 あれは まだ 生まれたばかりだった。 30 00:03:25,859 --> 00:03:30,197 ぼんやりと 自分が生まれ出た 波頭を見つめていた。 31 00:03:30,197 --> 00:03:33,367 あれも いずれ人間に捕らわれ 32 00:03:33,367 --> 00:03:37,537 傷つけられると思うとふびんで 城に連れ帰った。 33 00:03:37,537 --> 00:03:40,874 今 クリスティーナ様は? 34 00:03:40,874 --> 00:03:43,377 消滅した。 35 00:03:43,377 --> 00:03:46,880 1年半前のことだ。 36 00:03:46,880 --> 00:03:49,216 《愛していたんだ。 37 00:03:49,216 --> 00:03:52,719 そして 今もずっと 38 00:03:52,719 --> 00:03:56,556 心のどこかで その名前を呼び続けてる》 39 00:03:56,556 --> 00:04:00,060 (ヒュー)様子がおかしいとは 聞いていたが 40 00:04:00,060 --> 00:04:01,995 あれほどとはな。 41 00:04:01,995 --> 00:04:05,499 しかも クリスティーナ様が 一緒にいないのが気にかかる。 42 00:04:05,499 --> 00:04:09,503 (シャル)愛人か? 43 00:04:09,503 --> 00:04:11,505 妖精のな。 44 00:04:11,505 --> 00:04:13,840 青い髪のか? 45 00:04:13,840 --> 00:04:17,844 そうだが 城で見かけたか? 肖像画をな。 46 00:04:17,844 --> 00:04:22,349 ヤツは それをモデルに 砂糖菓子を作れと命じていた。 47 00:04:22,349 --> 00:04:25,519 彼女自身ではなく? 48 00:04:25,519 --> 00:04:29,856 シャル 海から生まれた妖精の寿命は どのくらいだ? 49 00:04:29,856 --> 00:04:33,527 (シャル)水の妖精の寿命は 不安定で まちまちだ。 50 00:04:33,527 --> 00:04:37,531 数百年生きる者もいれば 数年で消える者もいる。 51 00:04:37,531 --> 00:04:42,035 砂糖菓子は? 食べ続ければ 妖精の寿命は延びるものだろう。 52 00:04:42,035 --> 00:04:45,706 それほどの力を持つ砂糖菓子は めったにない。 53 00:04:45,706 --> 00:04:48,709 お前の作るものなら 可能性はあるが 54 00:04:48,709 --> 00:04:51,545 それも数週間から数か月…。 55 00:04:51,545 --> 00:04:56,550 そうか 彼女は消えたんだ。 56 00:04:56,550 --> 00:04:59,386 それで公爵は…。 57 00:04:59,386 --> 00:05:02,990 フン 人間が それくらいで気にするものか。 58 00:05:02,990 --> 00:05:07,890 代わりの愛玩妖精を買って それで満足するだろう。 59 00:05:09,830 --> 00:05:12,666 愛玩妖精じゃないんだよ。 60 00:05:12,666 --> 00:05:16,837 彼女の代わりは 誰にもできない。 61 00:05:16,837 --> 00:05:21,508 水の妖精は 寿命が自分でもはかれないと 62 00:05:21,508 --> 00:05:23,908 常に言っていた。 63 00:05:26,346 --> 00:05:29,182 《アン:私 わかってなかった。 64 00:05:29,182 --> 00:05:32,686 公爵様が 本当に欲しいものを》 65 00:05:32,686 --> 00:05:36,189 ここに 道具を持ち込んでも かまいませんか? 66 00:05:36,189 --> 00:05:39,359 公爵様の御前で 作業をさせていただきます。 67 00:05:39,359 --> 00:05:43,359 クリスティーナ様のお話を伺いながら 形にします。 68 00:05:45,365 --> 00:05:49,870 (ヒュー)公爵が一人抱えてきた思いは 計り知れない。 69 00:05:49,870 --> 00:05:53,707 アルバーン家は ミルズランド家に反逆することもなく 70 00:05:53,707 --> 00:05:58,712 エドモンド2世陛下のために戦った。 なのに どうだ? 71 00:05:58,712 --> 00:06:01,815 貿易で得た利益は すべて王家に吸い上げられ 72 00:06:01,815 --> 00:06:05,819 月に一度のご機嫌伺いを 義務とされている。 73 00:06:05,819 --> 00:06:10,157 自分たちに下された処置に どれほど憤ったか。 74 00:06:10,157 --> 00:06:15,829 それを癒やせるのは彼女 ただ一人だった。 75 00:06:15,829 --> 00:06:19,166 鬱憤を受け止めるお相手か? 76 00:06:19,166 --> 00:06:22,002 その妖精は さぞ幸せだったろうな。 77 00:06:22,002 --> 00:06:25,338 (ヒュー)ああ 幸せだったと思う。 78 00:06:25,338 --> 00:06:29,176 俺は公爵に たくさんの砂糖菓子を作った。 79 00:06:29,176 --> 00:06:33,346 それらは すべて 彼女に与えられたと聞いている。 80 00:06:33,346 --> 00:06:35,682 それに 彼女も言っていた。 81 00:06:35,682 --> 00:06:40,854 公爵のために 少しでも 寿命を延ばしたいんだとな。 82 00:06:40,854 --> 00:06:43,356 (シャル)公爵のために? 83 00:06:43,356 --> 00:06:45,358 彼女は たぶん 84 00:06:45,358 --> 00:06:47,527 こうなることを心配していたんだ。 85 00:06:47,527 --> 00:06:51,198 (いななき) 86 00:06:51,198 --> 00:06:53,200 (ヒュー)何事だ? 87 00:06:53,200 --> 00:06:57,037 (サリム)子爵 街道の先に ダウニング伯爵の手勢が。 88 00:06:57,037 --> 00:06:59,037 チッ あのじいさん! 89 00:07:00,974 --> 00:07:03,810 (ヒュー)ダウニング伯爵! (ダウニング)マーキュリーか。 90 00:07:03,810 --> 00:07:06,980 お前の説得は 無駄骨だったようだな。 91 00:07:06,980 --> 00:07:09,316 ご存じでしたか。 92 00:07:09,316 --> 00:07:12,819 お前がアルバーン家に縁があるのは 承知のうえで 93 00:07:12,819 --> 00:07:14,988 銀砂糖子爵にしたのだ。 94 00:07:14,988 --> 00:07:18,658 しかし これ以上の邪魔は許さん。 95 00:07:18,658 --> 00:07:21,495 王国最後の火種は消さねばならん。 96 00:07:21,495 --> 00:07:23,497 邪魔はしません。 97 00:07:23,497 --> 00:07:25,999 しかし 城の中に アン・ハルフォードがいます。 98 00:07:25,999 --> 00:07:30,337 お? あの…。 運のないことだ。 99 00:07:30,337 --> 00:07:33,006 うまく隠れているよう 願うしかあるまい。 100 00:07:33,006 --> 00:07:35,006 しかし! 101 00:07:40,013 --> 00:07:42,182 (シャル)アイツは…。 102 00:07:42,182 --> 00:07:46,520 おい コイツはお前の知り合いか? 103 00:07:46,520 --> 00:07:51,691 騎兵の一人が捕まえたそうだ。 開けてみろ。 104 00:07:51,691 --> 00:07:54,694 (ミスリル)よっ! とととととと… はっ! 105 00:07:54,694 --> 00:07:56,863 ミスリル・リッド・ポッド? 106 00:07:56,863 --> 00:08:00,467 ソイツが 中に入っていたスープを 全部食べたらしい。 107 00:08:00,467 --> 00:08:03,970 いや そうじゃない! そうだけど そうじゃないんだ! 108 00:08:03,970 --> 00:08:07,641 俺は役目を果たそうとして けど腹が減っちゃって…。 109 00:08:07,641 --> 00:08:10,477 アイツはどうした? ハッ! そうだよ! 110 00:08:10,477 --> 00:08:13,313 俺はアンのために お前を捜しに来たんだ! 111 00:08:13,313 --> 00:08:15,315 俺を? 112 00:08:15,315 --> 00:08:17,484 アンがお前を呼んでるから。 113 00:08:17,484 --> 00:08:20,987 戻ってきてほしいって そう思ってるから…。 114 00:08:20,987 --> 00:08:23,657 バカか。 アイツが出ていけと言ったんだ。 115 00:08:23,657 --> 00:08:27,160 アンが本気で出ていけなんて 言うと思うのかよ? この…。 116 00:08:27,160 --> 00:08:30,997 あれは ジョナスのヤツがアンを脅して そう言わせたんだ! 117 00:08:30,997 --> 00:08:33,833 何? ジョナスは俺の羽を奪って 118 00:08:33,833 --> 00:08:35,835 アンからお前を引き離して 119 00:08:35,835 --> 00:08:38,338 それで自分だけ 逃げ出しやがったんだ! 120 00:08:38,338 --> 00:08:41,838 アンはずっと お前を呼んでるんだよ! 121 00:08:43,843 --> 00:08:47,013 アンは まだ城に残って 砂糖菓子を作ってる。 122 00:08:47,013 --> 00:08:51,851 公爵は 気に入るものができるまで アンを外に出さないつもりだ。 123 00:08:51,851 --> 00:08:54,521 アンもそのつもりで意地になってる。 124 00:08:54,521 --> 00:08:56,856 あの バカが。 125 00:08:56,856 --> 00:09:00,293 えっ! おい! なんだ なんだ おい おい! 126 00:09:00,293 --> 00:09:02,796 あとで取りにくる! (ミスリル)なんだなんだ! 出せ! 127 00:09:02,796 --> 00:09:05,465 うぅ~! なんで俺がこんなものを。 128 00:09:05,465 --> 00:09:09,135 (ミスリル)こんなものとはなんだ! 俺は ミスリル・リッド・ポッ…。 129 00:09:09,135 --> 00:09:13,306 (アルバーン)職人 何をするつもりだ? 130 00:09:13,306 --> 00:09:15,809 クリスティーナ様と同じに作ります。 131 00:09:15,809 --> 00:09:20,647 背丈も 顔も 表情も すべて。 132 00:09:20,647 --> 00:09:24,150 公爵様は クリスティーナ様を思い出される時 133 00:09:24,150 --> 00:09:28,989 どんな姿を 一番に思い浮かべますか? 134 00:09:28,989 --> 00:09:33,326 私が ある人を思うと…。 135 00:09:33,326 --> 00:09:35,996 なんだか 機嫌悪そうに 見下ろされるところを 136 00:09:35,996 --> 00:09:39,666 思い出します。 137 00:09:39,666 --> 00:09:43,837 力を抜いて 壁にもたれている。 138 00:09:43,837 --> 00:09:46,673 そして ほほ笑んでいる。 139 00:09:46,673 --> 00:09:48,673 (アン)わかりました。 140 00:09:51,845 --> 00:09:53,847 (デール)公爵。 141 00:09:53,847 --> 00:09:55,849 何だ? 142 00:09:55,849 --> 00:09:59,185 (デール)300あまりの騎兵が 城を囲んでいます。 143 00:09:59,185 --> 00:10:02,022 ダウニング伯爵の手勢です。 144 00:10:02,022 --> 00:10:05,358 それで? 開城を要求してきました。 145 00:10:05,358 --> 00:10:08,862 そして公爵の 身柄の拘束をと。 146 00:10:08,862 --> 00:10:10,864 待たせろ。 147 00:10:10,864 --> 00:10:13,867 私は これを見たい。 148 00:10:13,867 --> 00:10:16,870 なぜ ダウニング伯爵が公爵様を? 149 00:10:16,870 --> 00:10:20,540 1年半 ルイストンへ行かなかった。 150 00:10:20,540 --> 00:10:24,878 恭順の態度なしと 私を討つには最適の口実だろう。 151 00:10:24,878 --> 00:10:27,714 ハッ どうしてなんです? そんなことをしたら…。 152 00:10:27,714 --> 00:10:31,217 うるさいぞ 職人。 お前は それを作れ。 153 00:10:31,217 --> 00:10:33,553 でも どうして…。 154 00:10:33,553 --> 00:10:35,555 お前にはわかるまい。 155 00:10:35,555 --> 00:10:37,891 すべての尊厳を剥ぎ取られ 156 00:10:37,891 --> 00:10:41,394 卑屈に振る舞うことを 強要される者の気持ちなど! 157 00:10:41,394 --> 00:10:44,064 わかってくれるのは 彼女…。 158 00:10:44,064 --> 00:10:46,064 ハッ。 159 00:10:53,907 --> 00:10:58,912 《公爵様にとって クリスティーナ様だけが…。 160 00:10:58,912 --> 00:11:02,182 でも その彼女は消えてしまった。 161 00:11:02,182 --> 00:11:10,690 この方も 自分は独りぼっちだと そう思ってる。 162 00:11:10,690 --> 00:11:14,527 作りたい。 163 00:11:14,527 --> 00:11:19,532 そんな公爵様が唯一望んだものを。 164 00:11:19,532 --> 00:11:23,703 その人の思いを そのまま写して…》 165 00:11:23,703 --> 00:11:25,705 (扉の開く音) 166 00:11:25,705 --> 00:11:29,876 ハァ ハァ… 返してもらおう。 167 00:11:29,876 --> 00:11:33,046 シャル? 168 00:11:33,046 --> 00:11:36,549 えっ あっ あっ? 169 00:11:36,549 --> 00:11:40,053 ハァ ハァ…。 170 00:11:40,053 --> 00:11:43,890 シャル 本物? 171 00:11:43,890 --> 00:11:48,228 フッ お前のバカさには呆れる。 172 00:11:48,228 --> 00:11:51,731 うっ… シャル。 173 00:11:51,731 --> 00:11:55,568 (シャル)ミスリル・リッド・ポッドから 話は聞いた。 174 00:11:55,568 --> 00:11:58,905 知らせてくれたんだ。 175 00:11:58,905 --> 00:12:02,675 シャル ごめんね 私 あの時…。 176 00:12:02,675 --> 00:12:04,844 詫びは必要ない。 177 00:12:04,844 --> 00:12:07,514 それよりも行くぞ。 この城を出る。 178 00:12:07,514 --> 00:12:12,852 え? でも私 砂糖菓子が…。 179 00:12:12,852 --> 00:12:15,522 この職人が行くことは許さない。 180 00:12:15,522 --> 00:12:20,026 私が望むものを作り上げるまで ここに留めおく。 181 00:12:20,026 --> 00:12:22,862 ならば 今ここで貴様を斬る。 182 00:12:22,862 --> 00:12:26,032 待って シャル! 公爵様も 待ってください! 183 00:12:26,032 --> 00:12:28,868 私は このまま仕事を続けます。 だから…。 184 00:12:28,868 --> 00:12:30,870 正気か? 本気よ。 185 00:12:30,870 --> 00:12:34,040 私はこの妖精の砂糖菓子を 作りたいの。 186 00:12:34,040 --> 00:12:38,878 お前は 何を…。 引き受けたの! だから…。 187 00:12:38,878 --> 00:12:41,548 この城は兵士に囲まれている! 188 00:12:41,548 --> 00:12:44,551 ヤツらが突入してくれば…。 わかってる。 189 00:12:44,551 --> 00:12:47,220 危険だ! それもわかってる。 190 00:12:47,220 --> 00:12:51,420 でも 仕事を途中で放り出すなんて できない! 191 00:12:55,395 --> 00:12:57,895 フッ 呆れる。 192 00:13:02,001 --> 00:13:06,401 作れ。 ただし 俺もここにいる。 193 00:13:08,508 --> 00:13:11,845 よろしいでしょうか? 194 00:13:11,845 --> 00:13:15,345 いいだろう 作れ。 195 00:13:20,353 --> 00:13:22,353 くっ。 196 00:13:26,693 --> 00:13:29,863 よく 似ている。 197 00:13:29,863 --> 00:13:33,032 だが 瞳の色が違う。 198 00:13:33,032 --> 00:13:37,871 銀だ。 光をはじくような 透明感のある…。 199 00:13:37,871 --> 00:13:41,374 その瞳があれば 彼女は…。 200 00:13:41,374 --> 00:13:43,543 (シャル)フッ。 201 00:13:43,543 --> 00:13:45,879 それは砂糖菓子だ。 202 00:13:45,879 --> 00:13:48,381 そんなものを作らせて何になる? 203 00:13:48,381 --> 00:13:51,718 (アルバーン)妖精は 生き物の視線によって 204 00:13:51,718 --> 00:13:54,888 もののエネルギーが凝縮し生まれる。 205 00:13:54,888 --> 00:13:59,392 私が これを見つめていれば ここから何が生まれるか? 206 00:13:59,392 --> 00:14:01,661 可能性はあると思わないか? 207 00:14:01,661 --> 00:14:07,166 まさか もう一度 ここから クリスティーナ様が生まれ出る と? 208 00:14:07,166 --> 00:14:11,838 (アルバーン)妖精が消える瞬間を 見たことがあるか? 209 00:14:11,838 --> 00:14:19,345 彼女を形づくっていたものは 光の粒となり 宙に溶けて消えた。 210 00:14:19,345 --> 00:14:22,849 ならば もう一度 211 00:14:22,849 --> 00:14:27,353 宙に溶けたものを 形にすることができればいい。 212 00:14:27,353 --> 00:14:29,355 (シャル)ありえない。 213 00:14:29,355 --> 00:14:31,691 なくしたものは よみがえらない。 214 00:14:31,691 --> 00:14:34,527 どんなに泣きわめき 求めたとしてもな。 215 00:14:34,527 --> 00:14:38,031 そんなものを見つめていても えたいのしれない 216 00:14:38,031 --> 00:14:40,867 いびつな妖精が 生まれてくるのがオチだ。 217 00:14:40,867 --> 00:14:43,369 それ以上言うことは許さぬ! 事実だ! 218 00:14:43,369 --> 00:14:45,705 やめて シャル! (衝撃音) 219 00:14:45,705 --> 00:14:49,375 (兵士たちの掛け声) 220 00:14:49,375 --> 00:14:52,045 間に合わなかったか。 221 00:14:52,045 --> 00:14:56,049 公爵様。 222 00:14:56,049 --> 00:14:59,218 何をしている? 銀色を作れるかもしれない。 223 00:14:59,218 --> 00:15:02,322 この状況で まだ作る気か? 224 00:15:02,322 --> 00:15:05,491 お前が この男の妄想に つきあう必要はない! 225 00:15:05,491 --> 00:15:09,162 つきあうんじゃない。 これは私の仕事なの! 226 00:15:09,162 --> 00:15:13,962 私に唯一できることで 誇りだから。 227 00:15:17,170 --> 00:15:19,172 お前はバカだ。 228 00:15:19,172 --> 00:15:23,843 そうだと思う。 でも やり遂げたいの! 229 00:15:23,843 --> 00:15:29,943 それが望みなら… 納得できるまで 作れ。 230 00:15:33,353 --> 00:15:35,688 フィラックス公は あの上の部屋だ! 231 00:15:35,688 --> 00:15:38,358 (シャル)止まれ。 232 00:15:38,358 --> 00:15:41,158 ここを通すわけにはいかない。 233 00:15:50,036 --> 00:15:52,036 つっ…。 234 00:15:55,875 --> 00:15:58,878 フィラックス公の戦士妖精か? 235 00:15:58,878 --> 00:16:00,813 (ヒュー)お~い やめやめ! 236 00:16:00,813 --> 00:16:02,815 銀砂糖子爵!? 237 00:16:02,815 --> 00:16:04,984 ダウニング伯爵に 許可をいただいている。 238 00:16:04,984 --> 00:16:08,821 シャル 勝手にアンを助けに行ったとは 聞いてるが 239 00:16:08,821 --> 00:16:11,824 どうして お前が アルバーンを守っている? 240 00:16:11,824 --> 00:16:13,993 ヤツを守っているわけじゃない。 241 00:16:13,993 --> 00:16:16,663 だが しばらくここは通さない。 242 00:16:16,663 --> 00:16:19,499 フゥ わかってくれ。 243 00:16:19,499 --> 00:16:21,668 時間がかかれば かかるほど 244 00:16:21,668 --> 00:16:24,337 アルバーンは抵抗したと見なされ 不利になる。 245 00:16:24,337 --> 00:16:27,837 悪いが アイツが望んでいる。 246 00:16:34,347 --> 00:16:38,147 《アン:ここに この銀砂糖に…》 247 00:16:41,020 --> 00:16:43,856 《お願い 現れて!》 248 00:16:43,856 --> 00:16:45,856 (物音) 249 00:16:51,531 --> 00:16:53,731 これは…。 250 00:17:08,815 --> 00:17:11,315 彼女だ。 251 00:17:16,823 --> 00:17:20,827 職人 お前の名を聞いていなかった。 252 00:17:20,827 --> 00:17:24,497 ハルフォードです。 アン・ハルフォードと申します。 253 00:17:24,497 --> 00:17:29,669 私は これが欲しかったのだ ハルフォード。 254 00:17:29,669 --> 00:17:33,840 どんなに愚かな考えでも 欲しかった。 255 00:17:33,840 --> 00:17:36,140 ただ 欲しかった。 256 00:17:38,177 --> 00:17:40,847 彼女に会いたかった。 257 00:17:40,847 --> 00:17:43,850 誰も証明したわけじゃありません。 258 00:17:43,850 --> 00:17:47,854 公爵様が クリスティーナ様を思って 見つめ続けていれば 259 00:17:47,854 --> 00:17:50,523 いつか 何かが起きるかもしれません。 260 00:17:50,523 --> 00:17:54,423 起きないと 誰も証明したわけじゃないです。 261 00:17:56,362 --> 00:18:00,800 慰めでも うれしいことだな。 262 00:18:00,800 --> 00:18:02,802 約束の金貨だ。 263 00:18:02,802 --> 00:18:06,139 それを持って お前の妖精の所へ帰るがいい。 264 00:18:06,139 --> 00:18:08,139 行け。 265 00:18:10,143 --> 00:18:13,813 ハルフォード。 266 00:18:13,813 --> 00:18:17,613 お前は最高の砂糖菓子職人だ。 267 00:18:19,652 --> 00:18:22,822 (アン)シャル! 268 00:18:22,822 --> 00:18:26,325 シャル! 269 00:18:26,325 --> 00:18:28,325 あっ。 アン。 270 00:18:40,339 --> 00:18:44,010 シャル あ ありがとう。 271 00:18:44,010 --> 00:18:46,012 ケガはないか? アン。 272 00:18:46,012 --> 00:18:49,182 ヒュー どうしてこんな所にいるの? 273 00:18:49,182 --> 00:18:51,184 いろいろ事情があってな。 274 00:18:51,184 --> 00:18:55,188 フィラックス公の身柄を拘束しに来た。 彼は上か? 275 00:18:55,188 --> 00:18:59,358 うん 砂糖菓子と一緒に。 276 00:18:59,358 --> 00:19:01,294 そうか。 277 00:19:01,294 --> 00:19:03,294 行くぞ。 278 00:19:05,798 --> 00:19:07,798 あっ。 279 00:19:10,303 --> 00:19:13,639 シャル? しばらく動くな。 280 00:19:13,639 --> 00:19:15,808 だけど… あっ。 281 00:19:15,808 --> 00:19:20,146 あまり心配させるな。 ごめん。 282 00:19:20,146 --> 00:19:23,316 でも 私は砂糖菓子職人だから。 283 00:19:23,316 --> 00:19:26,319 アン…。 284 00:19:26,319 --> 00:19:30,656 二度目。 私のことを また名前で呼んでくれた。 285 00:19:30,656 --> 00:19:33,826 数を覚えているのか? 286 00:19:33,826 --> 00:19:35,926 (アン)だって うれしいから。 287 00:19:39,332 --> 00:19:41,500 シャル。 288 00:19:41,500 --> 00:19:46,700 一緒にいてほしいの これからも… いい? 289 00:19:58,184 --> 00:20:00,186 (アン)こんにちは おばさん! 290 00:20:00,186 --> 00:20:02,855 アンタ聞いたよ すごいじゃないか! 291 00:20:02,855 --> 00:20:06,525 すごいって? フィラックス公の砂糖菓子さ! 292 00:20:06,525 --> 00:20:10,196 公爵様が拘束されたと聞いた時は 驚いたよ。 293 00:20:10,196 --> 00:20:13,532 厳しい処罰を下されても おかしくないっていうのに 294 00:20:13,532 --> 00:20:16,369 ダウニング伯爵監視の下で蟄居だろ? 295 00:20:16,369 --> 00:20:19,705 ずいぶん寛容な処分だって 話じゃないか。 296 00:20:19,705 --> 00:20:22,375 それもこれも お嬢ちゃんが作った砂糖菓子を 297 00:20:22,375 --> 00:20:26,379 手に入れたおかげだってうわささ。 298 00:20:26,379 --> 00:20:31,679 砂糖菓子は幸福をもたらす っていうのは ホントなんだねぇ。 299 00:20:41,560 --> 00:20:44,397 (シャル)祈りは済ませたか? 300 00:20:44,397 --> 00:20:47,066 (アン)うん。 301 00:20:47,066 --> 00:20:50,736 愛する人の死を受け入れるために。 302 00:20:50,736 --> 00:20:56,409 残された人が いつまでも 悲しみにとらわれないように。 303 00:20:56,409 --> 00:20:58,411 (ミスリル)アン! 304 00:20:58,411 --> 00:21:02,181 あっちの出店に うまそうなものが たくさんあった! 305 00:21:02,181 --> 00:21:06,352 3人で食おうぜ! うい やっほ~! 306 00:21:06,352 --> 00:21:08,352 行くか。 うん!