1 00:00:34,968 --> 00:00:37,638 (うみ)私は 飛び続ける。 2 00:00:37,638 --> 00:00:43,644 羽ばたくほど 飛び続けるほど どんどんとこぼれていく。 3 00:00:43,644 --> 00:00:47,314 あんなにも たくさんの夏を繰り返してきて➨ 4 00:00:47,314 --> 00:00:52,319 たくさんの思い出と 大切な気持ちをもらったのに。 5 00:00:52,319 --> 00:00:55,989 すべてが… おぼろげになっていく。 6 00:00:55,989 --> 00:00:59,993 だけど 誰かが背中を支えてくれた。 7 00:00:59,993 --> 00:01:02,329 手を引いてくれた。 8 00:01:02,329 --> 00:01:04,665 失ったはずの体が➨ 9 00:01:04,665 --> 00:01:08,669 さまざまな記憶で 補われていくようだった。 10 00:01:08,669 --> 00:01:14,675 そして どの記憶も まるで祈りかのようで…。 11 00:01:20,013 --> 00:01:23,350 (七海)んっ… ちょ くすぐったい…。 12 00:01:23,350 --> 00:01:26,653 いや 痛い 痛いから…。 13 00:01:31,692 --> 00:01:34,628 鶏小屋? 14 00:01:34,628 --> 00:01:36,630 起こしてくれたの? 15 00:01:36,630 --> 00:01:40,634 ええと… ありがとう キャサリン。 16 00:01:40,634 --> 00:01:44,338 あぁ 僕は…。 17 00:01:52,312 --> 00:01:59,620 あの… ここはどこで 僕は誰でしょうか? 18 00:02:11,999 --> 00:02:15,002 (小鳩)自分が誰で どこから来たか…。 19 00:02:15,002 --> 00:02:17,671 (小鳩)まったく覚えていないだと。 20 00:02:17,671 --> 00:02:20,374 はい… ん? 21 00:02:22,342 --> 00:02:26,346 挨拶をしなさい。 22 00:02:26,346 --> 00:02:29,683 こ こんにちは? 23 00:02:29,683 --> 00:02:32,019 これ しろは! 24 00:02:32,019 --> 00:02:35,288 しろはちゃん ですか。 あぁ。 25 00:02:35,288 --> 00:02:39,292 そして わしは 鳴瀬… 小鳩だ。 26 00:02:39,292 --> 00:02:41,294 小鳩 さん…。 27 00:02:41,294 --> 00:02:43,296 記憶喪失というのなら➨ 28 00:02:43,296 --> 00:02:46,967 本土の専門的な病院で しっかり診てもらえ。 29 00:02:46,967 --> 00:02:50,303 飯を食べたら 行けるよう手配してやろう。 30 00:02:50,303 --> 00:02:52,305 すみません。 31 00:03:06,987 --> 00:03:08,989 (しろは)フゥー。 32 00:03:08,989 --> 00:03:12,659 (七海)ありがとう… しろは ちゃん? 33 00:03:12,659 --> 00:03:15,996 な な な なんで… 名前知ってるの…。 34 00:03:15,996 --> 00:03:20,333 いや さっき お父さんが…。 35 00:03:20,333 --> 00:03:25,672 お父さんは… いない。 えっ。 36 00:03:25,672 --> 00:03:28,075 死んだから…! 37 00:03:31,011 --> 00:03:35,282 こら 何を泣かせていた。 すみません。 38 00:03:35,282 --> 00:03:39,286 って お父さん!? あなたは死んでるはずじゃあ…! 39 00:03:39,286 --> 00:03:43,957 わしは あの子の祖父だ。 見たらわかるだろうが。 40 00:03:43,957 --> 00:03:47,294 ほれ あったかいうちに 食べてしまえ。 41 00:03:47,294 --> 00:03:50,964 はい。 42 00:03:50,964 --> 00:03:52,966 いただきます。 43 00:03:57,304 --> 00:04:00,640 おいしいですね このから揚げ。 44 00:04:00,640 --> 00:04:05,645 あぁ 今朝 しめたばかりのやつだからな。 45 00:04:05,645 --> 00:04:08,048 それは新鮮です。 46 00:04:10,650 --> 00:04:13,653 (七海)キャサリーン!? 47 00:04:13,653 --> 00:04:17,324 (ニワトリの鳴き声) 48 00:04:17,324 --> 00:04:24,331 忘れ物はないか? ええと… あっ。 49 00:04:24,331 --> 00:04:26,333 しろはちゃん! 50 00:04:28,335 --> 00:04:32,005 さっきは ごめん。 えっ なんで。 51 00:04:32,005 --> 00:04:35,609 (七海)その… デリカシーがなかったから。 52 00:04:35,609 --> 00:04:37,611 デリカシー? 53 00:04:37,611 --> 00:04:41,948 なんて言うか… そう 無神経だった。 54 00:04:41,948 --> 00:04:43,950 無神経? 55 00:04:43,950 --> 00:04:46,953 うかつだった。 うかつ? 56 00:04:46,953 --> 00:04:49,623 いや あの つまり…。 57 00:04:49,623 --> 00:04:53,627 国語の授業は もうええかの。 は はい。 58 00:04:53,627 --> 00:04:55,629 じゃあね。 59 00:04:57,631 --> 00:05:00,634 じゃあ ね。 60 00:05:07,307 --> 00:05:09,309 アハハハ…。 61 00:05:09,309 --> 00:05:13,647 なにゆえ…。 なにゆえと言われましても…。 62 00:05:13,647 --> 00:05:15,649 船が怖いそうだ。 63 00:05:15,649 --> 00:05:18,652 (七海)船に乗ろうとして 海を見たら➨ 64 00:05:18,652 --> 00:05:21,655 なぜか その場から動けなくなって…。 65 00:05:21,655 --> 00:05:25,659 いやぁ お恥ずかしい…。 まったくだ…。 66 00:05:25,659 --> 00:05:29,663 うかつだった? (七海)それは… ちょっと違う? 67 00:05:29,663 --> 00:05:33,266 違うの? うかつは難しい…。 68 00:05:33,266 --> 00:05:37,270 プッ… あっ ごめん つい…。 69 00:05:37,270 --> 00:05:42,275 そういうの 無神経。 だよね。 70 00:05:42,275 --> 00:05:44,277 そういうわけで➨ 71 00:05:44,277 --> 00:05:46,947 しばらく こいつを うちで預かることにした。 72 00:05:46,947 --> 00:05:48,949 ふえ? 73 00:05:48,949 --> 00:05:52,285 (七海)あの… 本当にいいんですか? 74 00:05:52,285 --> 00:05:55,288 この家は わしとあの子の2人だけ。 75 00:05:55,288 --> 00:05:58,625 わしは 仕事で家を空けることが多い。 76 00:05:58,625 --> 00:06:02,295 あんたがいてくれるのは そう悪いことじゃない。 77 00:06:02,295 --> 00:06:04,297 だが 1つだけ。 78 00:06:04,297 --> 00:06:07,634 あの子の前で親の話…。 79 00:06:07,634 --> 00:06:12,973 特に 母親の話を持ち出すのだけは やめてもらいたい。 80 00:06:12,973 --> 00:06:15,642 もしかして お母さんも? 81 00:06:15,642 --> 00:06:20,647 1か月前 あの子の父親が 事故で亡くなった。 82 00:06:20,647 --> 00:06:23,650 それから ほどなく しろはの母親…。 83 00:06:23,650 --> 00:06:28,321 わしの娘が姿を消した。 84 00:06:28,321 --> 00:06:32,325 両親が一度にいなくなり まだ1か月。 85 00:06:32,325 --> 00:06:35,929 お前には難しい子に 見えるかもしれないが➨ 86 00:06:35,929 --> 00:06:38,265 立派な子だ。 87 00:06:38,265 --> 00:06:41,601 わしの前でも ほとんど泣いたりしない。 88 00:06:41,601 --> 00:06:45,939 いや… あるいは 度が過ぎた悲しみの前には➨ 89 00:06:45,939 --> 00:06:51,278 人は泣くことも できないのかもしれないな。 90 00:06:51,278 --> 00:06:55,282 それはそれとして お前の名前だ。 えっ? 91 00:06:55,282 --> 00:06:58,618 一緒に住む以上 ないと困るだろう。 92 00:06:58,618 --> 00:07:03,623 何か思い出したりしないのか? う~ん…。 93 00:07:03,623 --> 00:07:08,962 海… 七つの海…。 94 00:07:08,962 --> 00:07:10,964 どうした? 95 00:07:10,964 --> 00:07:14,968 頭に浮かんだんです… 七つの海って。 96 00:07:14,968 --> 00:07:17,637 (小鳩)海にも 出られないやつがか? 97 00:07:17,637 --> 00:07:21,975 ふむ 七つの海… 七海か…。 98 00:07:21,975 --> 00:07:24,978 ななみ… 七海。 99 00:07:24,978 --> 00:07:28,982 とりあえず そうしておくか。 はい…。 100 00:07:34,921 --> 00:07:39,225 ななみ… それが僕の名前? 101 00:07:43,263 --> 00:07:47,267 これは… 羽 かな? 102 00:07:47,267 --> 00:07:49,269 ん? 103 00:07:53,606 --> 00:07:56,276 チョウ? 104 00:07:56,276 --> 00:07:58,278 (しろは)七海。 105 00:07:58,278 --> 00:08:00,613 えっ? ごめん。 106 00:08:00,613 --> 00:08:03,950 そういう名前だって聞いたから…。 107 00:08:03,950 --> 00:08:06,953 ごはんができたって。 108 00:08:14,961 --> 00:08:18,298 <七海:鳴瀬家のお世話になり 早数日。 109 00:08:18,298 --> 00:08:21,968 僕は 記憶を求めて 島内を散策したが➨ 110 00:08:21,968 --> 00:08:25,638 あいにくと 記憶が戻る気配はなかった。 111 00:08:25,638 --> 00:08:28,308 小鳩さんは 漁師の仕事。 112 00:08:28,308 --> 00:08:31,311 しろはちゃんは 朝から1人で出かけて➨ 113 00:08:31,311 --> 00:08:36,249 お昼ごはんを食べたら夕方まで また1人で どこかに行く。 114 00:08:36,249 --> 00:08:39,252 そして そんな日々が続くなか…> 115 00:08:39,252 --> 00:08:41,588 (3人)いただきます。 116 00:08:41,588 --> 00:08:45,592 わ~ 小鳩さん 今日も大漁だ~。 117 00:08:45,592 --> 00:08:50,597 毎日 豪華海鮮なんて うれしいね しろはちゃん。 118 00:08:53,933 --> 00:08:58,938 いくら新鮮で豪華でも 毎日お刺身っていうのは➨ 119 00:08:58,938 --> 00:09:01,608 子どもには やっぱり ちょっとつらいよ。 120 00:09:01,608 --> 00:09:06,279 あの無表情な食事… あれはよくない。 121 00:09:06,279 --> 00:09:10,283 ちょっとは 食事を 楽しんでくれるといいんだけど…。 122 00:09:10,283 --> 00:09:12,952 よし 完成! 123 00:09:12,952 --> 00:09:16,956 お~ あり合わせにしては いい感じ。 124 00:09:16,956 --> 00:09:19,626 というか 記憶がないのに➨ 125 00:09:19,626 --> 00:09:22,295 なんで作れるなんて 思ったんだろう。 126 00:09:22,295 --> 00:09:24,297 チャーハン? 127 00:09:24,297 --> 00:09:27,967 なに作ったの? しろはちゃん。 128 00:09:27,967 --> 00:09:30,970 チャーハンだよ。 焼き飯のこと? 129 00:09:30,970 --> 00:09:35,241 (七海)違うよ チャーハン。 焼き飯? 130 00:09:35,241 --> 00:09:39,579 ふむ… じゃあ 間を取って やーはん。 131 00:09:39,579 --> 00:09:42,582 やーはん! そう やーはん。 132 00:09:42,582 --> 00:09:44,584 やーはん! 133 00:09:44,584 --> 00:09:48,588 (2人)やーはん! やーはん! やーはん! やーはん! 134 00:09:48,588 --> 00:09:50,590 (2人)やーはん! 135 00:10:00,600 --> 00:10:04,270 おいしい。 よかった。 136 00:10:04,270 --> 00:10:08,942 いくら豪華で新鮮でも お刺身ばかりだと飽きるよね。 137 00:10:08,942 --> 00:10:13,613 それは悪かったな。 うわぁ! 138 00:10:13,613 --> 00:10:16,950 七海が作ったのか。 は はい。 139 00:10:16,950 --> 00:10:20,253 あっ 小鳩さんの分もありますよ。 140 00:10:23,957 --> 00:10:27,293 うむ うまい。 141 00:10:27,293 --> 00:10:29,629 しかし これは…。 142 00:10:29,629 --> 00:10:33,299 ど どうかしましたか? いや…。 143 00:10:33,299 --> 00:10:39,305 それよりも 世話をかけた。 そうか 七海は料理ができるのか。 144 00:10:39,305 --> 00:10:42,308 よかったら しろはのために…。 145 00:10:42,308 --> 00:10:46,980 いや 七海は 客人だ。 今後 料理などする必要はない。 146 00:10:46,980 --> 00:10:50,984 はっ? 別に料理くらい…。 147 00:10:50,984 --> 00:10:54,654 ごちそうになった。 わしは 少し寝る。 148 00:10:54,654 --> 00:10:59,659 ごちそうさま。 あ うん お粗末さま。 149 00:10:59,659 --> 00:11:02,996 (しろは)これ お父さんの味に似てる。 150 00:11:02,996 --> 00:11:05,665 (七海)えっ? あの…。 151 00:11:05,665 --> 00:11:09,002 作り方 教えてほしい! 152 00:11:09,002 --> 00:11:14,340 い いいけど… でも 僕も感覚で作っただけだし…。 153 00:11:14,340 --> 00:11:16,342 それに おじいさん➨ 154 00:11:16,342 --> 00:11:20,346 僕が料理するの よく思ってないみたいだし…。 155 00:11:20,346 --> 00:11:26,686 じゃあ あのね 私の秘密の場所も教えてあげる。 156 00:11:26,686 --> 00:11:29,088 秘密の場所? 157 00:11:32,358 --> 00:11:35,295 (七海)今はやってないの? (しろは)うん…。 158 00:11:35,295 --> 00:11:38,298 ここでお父さんが作ってたの。 159 00:11:38,298 --> 00:11:41,301 お母さんは あんまり料理できなくて…。 160 00:11:41,301 --> 00:11:44,304 それ以外のこと手伝っていたの。 161 00:11:44,304 --> 00:11:47,974 けど お父さんは 事故で死んじゃった。 162 00:11:47,974 --> 00:11:50,310 お母さんも どこかに行った。 163 00:11:50,310 --> 00:11:54,647 どこかって…。 (しろは)わからない。 164 00:11:54,647 --> 00:11:58,318 でも たぶん お父さんを探しにいったの。 165 00:11:58,318 --> 00:12:03,323 とても仲よしだったから。 しろはちゃん…。 166 00:12:07,327 --> 00:12:11,998 そうか。 しろはちゃん 毎日 掃除しにきてたんだ。 167 00:12:11,998 --> 00:12:15,001 お母さんがやってたから…。 168 00:12:18,004 --> 00:12:23,009 僕も手伝うよ。 えっ? 169 00:12:23,009 --> 00:12:25,011 うん。 170 00:12:32,018 --> 00:12:34,621 (七海)どうかな しろはちゃん。 171 00:12:34,621 --> 00:12:38,625 んっ おいしい。 味付けもそっくり。 172 00:12:38,625 --> 00:12:42,629 でも… お父さんが作ったのは もっとおいしかった…。 173 00:12:42,629 --> 00:12:44,631 う~ん… やっぱり➨ 174 00:12:44,631 --> 00:12:48,301 完全に再現するには レシピが必要かぁ。 175 00:12:48,301 --> 00:12:50,637 あったはず。 えっ? 176 00:12:50,637 --> 00:12:53,640 お母さんが書いた秘伝のレシピ。 177 00:12:55,975 --> 00:12:57,977 ん? 178 00:12:57,977 --> 00:12:59,979 これは しろはちゃんの…。 179 00:12:59,979 --> 00:13:02,649 七海 あったよ。 180 00:13:02,649 --> 00:13:05,652 ホント? 見せて見せて。 181 00:13:05,652 --> 00:13:10,990 なになに? 「胡椒 人参 レタス 河の主」? 182 00:13:10,990 --> 00:13:17,330 ん? 「君は見たことがあるか。 日没の頃だけに現れる幻の山菜」。 183 00:13:17,330 --> 00:13:21,334 「山の頂にわき出る 渡り鳥が愛した天然水」。 184 00:13:21,334 --> 00:13:25,004 「渡り鳥が愛した 猛々しき獣の死肉」。 185 00:13:25,004 --> 00:13:27,006 ちょっと待って。 186 00:13:27,006 --> 00:13:29,342 なんか謎の材料が 混じってるけど…。 187 00:13:29,342 --> 00:13:32,011 全部 この島にある食材。 188 00:13:32,011 --> 00:13:34,947 お母さんが集めて お父さんが作るの。 189 00:13:34,947 --> 00:13:39,619 で 私も一緒に お母さん手伝った。 偉いね。 190 00:13:39,619 --> 00:13:44,023 じゃあ 今から探しに行くから 手伝ってくれる? うん! 191 00:14:32,338 --> 00:14:34,941 材料 そろったね。 192 00:14:34,941 --> 00:14:38,277 ん? 193 00:14:38,277 --> 00:14:41,614 (七海)フフッ やーはんの試作は 明日かな。 194 00:14:41,614 --> 00:14:44,283 今日は お疲れさま しろはちゃん。 195 00:14:44,283 --> 00:14:46,953 ただいま戻りました~。 196 00:14:46,953 --> 00:14:49,622 (小鳩)よほど 楽しかったのだろうな。 197 00:14:49,622 --> 00:14:52,291 うれしそうな顔をしていた。 198 00:14:52,291 --> 00:14:55,294 いったい 島を回って 何していたんだ? 199 00:14:55,294 --> 00:14:58,631 あぁ… まぁ いろいろと。 200 00:14:58,631 --> 00:15:02,301 そうだ 小鳩さんのお友達にも 会いましたよ。 201 00:15:02,301 --> 00:15:07,306 たしか 青龍 朱雀 白虎 玄武さん。 202 00:15:07,306 --> 00:15:11,144 待て 玄武は わしの称号だぞ! 203 00:15:11,144 --> 00:15:14,313 えぇ…。 おのれ あの青二才➨ 204 00:15:14,313 --> 00:15:16,649 また勝手に名乗りおって! 205 00:15:16,649 --> 00:15:18,651 (せきばらい) 206 00:15:18,651 --> 00:15:21,320 七海よ しろはと よく遊んでくれて➨ 207 00:15:21,320 --> 00:15:23,990 なんというか… 助かる。 208 00:15:23,990 --> 00:15:26,659 いえいえ これくらいなんてこと。 209 00:15:26,659 --> 00:15:30,329 だが お前のことは いろいろ調べているが➨ 210 00:15:30,329 --> 00:15:33,933 何も手がかりはないというのに…。 211 00:15:33,933 --> 00:15:38,604 あぁ 僕の記憶! アハハ 気にしないでください。 212 00:15:38,604 --> 00:15:40,606 お前は気にしろ。 213 00:15:40,606 --> 00:15:42,608 それよりも この島だが➨ 214 00:15:42,608 --> 00:15:47,280 港近くの坂道の手前に 食堂があってな。 215 00:15:47,280 --> 00:15:50,283 島のどこに行くのも自由だが➨ 216 00:15:50,283 --> 00:15:53,619 そこだけは しろはが 行きたがっても断ってくれ。 217 00:15:53,619 --> 00:15:55,955 悲しい思いをするからな。 218 00:15:55,955 --> 00:15:57,957 《小鳩さん…》 219 00:15:57,957 --> 00:16:02,962 あの… しろはちゃんのお母さんは 友達とかいなかったんですか? 220 00:16:02,962 --> 00:16:08,968 そうだな。 友達は たくさんいたが 特に仲がよかったのは…。 221 00:16:08,968 --> 00:16:11,304 (鏡子)は~い。 222 00:16:11,304 --> 00:16:14,974 加藤… 鏡子さんでしょうか? 223 00:16:14,974 --> 00:16:17,310 (鏡子)鏡子は私だけど…。 224 00:16:17,310 --> 00:16:21,314 あなたはたしか 鳴瀬さんのところの。 七海です。 225 00:16:21,314 --> 00:16:25,651 その しろはちゃんの お母さんのことでお話が。 226 00:16:25,651 --> 00:16:29,989 私も不思議なの。 あの子… 瞳が➨ 227 00:16:29,989 --> 00:16:32,325 しろはちゃんを置いて いなくなるなんて。 228 00:16:32,325 --> 00:16:36,929 何も相談とかなかったんですか? う~ん…。 229 00:16:36,929 --> 00:16:39,265 あっ そういえば➨ 230 00:16:39,265 --> 00:16:43,936 瞳がいなくなる少し前 話を聞きにきたわ。 231 00:16:43,936 --> 00:16:46,606 あの 話とは!? 232 00:16:46,606 --> 00:16:48,608 白羽の伝承。 233 00:16:48,608 --> 00:16:50,610 しろはね? 234 00:16:50,610 --> 00:16:52,612 鳥白島の伝承よ。 235 00:16:52,612 --> 00:16:55,948 私は そういうのが好きで 調べているの。 236 00:16:55,948 --> 00:16:57,950 どういった話なんですか? 237 00:16:57,950 --> 00:17:02,955 女の人が蝶になって 愛する人に会いにいくお話ね。 238 00:17:02,955 --> 00:17:05,291 彼女は 海に身を投げ➨ 239 00:17:05,291 --> 00:17:09,295 海の神様に命を捧げることで 力を得て➨ 240 00:17:09,295 --> 00:17:13,966 白い羽の蝶になり 愛する人のもとへ飛んでいく。 241 00:17:13,966 --> 00:17:17,970 けれど 代わりに 他のすべてを失ってしまう…。 242 00:17:17,970 --> 00:17:20,640 愛する人のもと…。 243 00:17:20,640 --> 00:17:23,643 その話を瞳さんに? えぇ。 244 00:17:23,643 --> 00:17:27,980 今思えば 伝承にでも すがりたかったのかもしれない…。 245 00:17:27,980 --> 00:17:30,316 (七海)瞳さんは どんな人だったんですか? 246 00:17:30,316 --> 00:17:32,919 瞳? パワフルだったよ。 247 00:17:32,919 --> 00:17:35,922 彼女がいると どんな小さなことも➨ 248 00:17:35,922 --> 00:17:38,591 すっごく楽しいことに思えたわ。 249 00:17:38,591 --> 00:17:41,594 そうそう 口癖みたいに言ってたっけ。 250 00:17:41,594 --> 00:17:44,931 ⸨瞳:私はね 過去を懐かしむ暇もないくらい➨ 251 00:17:44,931 --> 00:17:46,933 今を楽しむんだ!⸩ 252 00:17:46,933 --> 00:17:48,935 って。 253 00:17:51,270 --> 00:17:56,609 結局 何もわからずじまいかぁ…。 254 00:17:56,609 --> 00:18:00,012 白羽の伝承… か。 255 00:18:02,949 --> 00:18:07,253 今のは いったい… あっ。 256 00:18:13,292 --> 00:18:15,294 チョウ…。 257 00:18:15,294 --> 00:18:18,998 君なら 僕に何か教えてくれるの? 258 00:18:22,301 --> 00:18:25,004 (七海)さぁ 食べてみて。 259 00:18:29,308 --> 00:18:32,912 おいしい。 お父さんの味とそっくり。 260 00:18:32,912 --> 00:18:36,248 じゃあ…。 261 00:18:36,248 --> 00:18:38,584 しろはちゃん? 262 00:18:38,584 --> 00:18:44,590 ごめん… でも違うの。 すごくすごく近いんだけど…。 263 00:18:44,590 --> 00:18:48,260 う~ん レシピどおりなんだけど…。 264 00:18:48,260 --> 00:18:50,930 具体的には 何が足りないかわかる? 265 00:18:50,930 --> 00:18:55,935 えっと… もう少し甘かった。 甘いかぁ…。 266 00:18:55,935 --> 00:18:58,604 しろはちゃん お父さんが作ったとき➨ 267 00:18:58,604 --> 00:19:00,606 何か入れてなかった? 268 00:19:00,606 --> 00:19:05,277 ええと… そうだ! 黒くて細かいの 最後に入れてた。 269 00:19:05,277 --> 00:19:08,614 黒くて細かい… ごま? 270 00:19:08,614 --> 00:19:11,951 ごまじゃなかった。 そっかぁ…。 271 00:19:11,951 --> 00:19:16,622 でも レシピには これ以上何も書いて… ん? 272 00:19:16,622 --> 00:19:18,624 なんだこれ? 273 00:19:18,624 --> 00:19:21,293 発電所? よく知ってるね。 274 00:19:21,293 --> 00:19:24,296 でも これ どっちかっていうと…。 275 00:19:24,296 --> 00:19:26,632 太陽なんじゃないかな。 276 00:19:26,632 --> 00:19:29,301 太陽なんか どうやって入れるの? 277 00:19:29,301 --> 00:19:31,971 わからない。 でも きっと これは➨ 278 00:19:31,971 --> 00:19:35,574 材料の手がかりなんだよ。 ってなわけで…。 279 00:19:35,574 --> 00:19:40,579 太陽を探しに出発! お~っ! 280 00:19:40,579 --> 00:20:06,272 ♬~ 281 00:20:06,272 --> 00:20:09,942 (七海)太陽に近い感じの場所とか 行ってみたけど➨ 282 00:20:09,942 --> 00:20:13,612 材料っぽいものはなかったね…。 うん…。 283 00:20:13,612 --> 00:20:16,315 (蒼)あっ しろは! 284 00:20:19,952 --> 00:20:22,288 (蒼)久しぶり! 元気? 285 00:20:22,288 --> 00:20:24,957 (藍)夏休みに入って 一度も会えてなかったから➨ 286 00:20:24,957 --> 00:20:27,293 寂しかった。 287 00:20:27,293 --> 00:20:31,630 そうだ 君たちに ちょっと聞きたいんだけど…。 288 00:20:31,630 --> 00:20:35,634 この島で 太陽と関係ありそうな場所? 289 00:20:35,634 --> 00:20:38,637 う~ん… 藍 知ってる? 290 00:20:38,637 --> 00:20:41,640 蒼ちゃんが私の太陽。 はえ? 291 00:20:41,640 --> 00:20:44,310 (良一)太陽… 太陽…。 292 00:20:44,310 --> 00:20:46,979 (美希)そういえば 前に しろはさん➨ 293 00:20:46,979 --> 00:20:49,315 それっぽいこと 言ってませんでしたか? 294 00:20:49,315 --> 00:20:51,984 たしか おひさまがどうとか…。 295 00:20:51,984 --> 00:20:56,322 あっ。 どうしたの? 何か思い出した? 296 00:20:56,322 --> 00:21:00,326 行ったこと あるかもしれない。 ホント? 297 00:21:03,996 --> 00:21:06,999 (七海)うわぁ~! 298 00:21:06,999 --> 00:21:11,003 太陽って そういうことか…。 299 00:21:11,003 --> 00:21:15,007 これを潰して 細かくして…。 300 00:21:15,007 --> 00:21:17,676 うん ほのかに甘い。 301 00:21:17,676 --> 00:21:22,348 見つけたよ しろはちゃん! 思い出のやーはんの最後の材料。 302 00:21:22,348 --> 00:21:27,353 初めて来た。 えっ? 前に来たって…。 303 00:21:27,353 --> 00:21:32,958 お母さんがいなくなってから 初めて… 来たの…。 304 00:21:32,958 --> 00:21:35,961 しろは… ちゃん…。 305 00:21:35,961 --> 00:21:41,634 戻りたい… 1年前に… 戻りたいよ。 306 00:21:41,634 --> 00:21:44,303 だって… いないんだよ。 307 00:21:44,303 --> 00:21:49,308 ここで お母さんと… 肩車してくれて…。 308 00:21:49,308 --> 00:21:53,979 お店に戻ったら お父さんが料理してて…。 309 00:21:53,979 --> 00:21:57,983 3人で食べて。 あったかかった。 310 00:21:57,983 --> 00:22:02,655 でも いない… 今年はいないの…。 311 00:22:02,655 --> 00:22:10,663 う う… うわぁ~。 312 00:22:10,663 --> 00:22:14,667 《七海:しろはちゃんが望むものを 取り戻したかった…。 313 00:22:14,667 --> 00:22:18,671 でも 本当にしろはちゃんが 望むものはもう…》 314 00:22:21,340 --> 00:22:25,010 《覚えている… 僕も いつか誰かと➨ 315 00:22:25,010 --> 00:22:28,013 こうして 大きな花を見上げていた》 316 00:22:30,015 --> 00:22:33,619 《なのに 思い出せない…》 317 00:22:33,619 --> 00:22:36,956 ごめん… ごめんね…。 318 00:22:36,956 --> 00:22:39,291 《こんな気持ちを しろはちゃんにも➨ 319 00:22:39,291 --> 00:22:41,293 させてしまったこと…。 320 00:22:41,293 --> 00:22:44,964 だから せめて…。 321 00:22:44,964 --> 00:22:50,569 僕がいる間は しろはちゃんが 笑えるようにしてあげたい!》