1 00:00:05,105 --> 00:00:08,141 (一同)あっ! 2 00:00:08,141 --> 00:00:10,110 (ケイ)これは いったい…。 3 00:00:10,110 --> 00:00:12,613 (ノーベル)ここは 芝浦博士の研究室だ。 4 00:00:12,613 --> 00:00:16,984 彼は サイバネティック・オーガニズムの権威だった。 5 00:00:16,984 --> 00:00:20,354 私は 芝浦博士をモデルに制作され→ 6 00:00:20,354 --> 00:00:24,124 彼の命令に従って 行動しているんだ。 7 00:00:24,124 --> 00:00:26,627 (エソラ)父さんの命令? 8 00:00:26,627 --> 00:00:31,298 (ノーベル)サポートすることさ。 彼らの心の成長をね。 9 00:00:31,298 --> 00:00:36,803 さぁ コバルトを目覚めさせる 準備をしよう。 10 00:02:18,138 --> 00:02:20,507 (クロム)コバルトの記憶データは→ 11 00:02:20,507 --> 00:02:23,310 最後の1つを 回収できませんでした。 12 00:02:23,310 --> 00:02:25,679 (ノーベル)ここの メインサーバーには→ 13 00:02:25,679 --> 00:02:28,715 君たちの行動履歴が 保存されている。 14 00:02:28,715 --> 00:02:30,951 コバルトの行動履歴と→ 15 00:02:30,951 --> 00:02:34,454 彼のそばにいた 君たちの記憶データを紡ぎ合わせて→ 16 00:02:34,454 --> 00:02:37,391 疑似的に コバルトの記憶を再現する。 17 00:02:37,391 --> 00:02:40,961 君も手伝ってくれ。 (ボーラ)私が? 18 00:02:40,961 --> 00:02:42,963 しかし…。 19 00:02:45,298 --> 00:02:48,301 思考の一部に揺らぎを確認。 20 00:02:48,301 --> 00:02:50,470 原因 解析不能…。 21 00:02:50,470 --> 00:02:53,640 手伝えば 君の その現象についても→ 22 00:02:53,640 --> 00:02:56,143 原因を知ることができるはずだよ。 23 00:02:58,145 --> 00:03:00,814 僕の記憶も? 24 00:03:00,814 --> 00:03:04,184 ああ コバルトを見ていた記憶は→ 25 00:03:04,184 --> 00:03:06,820 一人でも多いほうが 再現精度が上がる。 26 00:03:06,820 --> 00:03:11,158 では 始めよう。 ボーラ 時間軸の同期を頼む。 27 00:03:11,158 --> 00:03:13,460 (ボーラ)全員の タイムコードをシンクロ。 28 00:03:13,460 --> 00:03:15,996 セーニョポイントを パンチ。 29 00:03:15,996 --> 00:03:19,633 (メトロノーム) 30 00:03:19,633 --> 00:03:22,569 記憶データ ダウンロード 開始。 31 00:03:22,569 --> 00:03:33,480 (メトロノーム) 32 00:03:33,480 --> 00:03:36,149 (ボーラ)ダウンロード 終了。 33 00:03:36,149 --> 00:03:38,652 みんなの記憶は集まった。 34 00:03:38,652 --> 00:03:43,023 あとは コバルトの記憶が 再構成されるのを待つだけだ。 35 00:03:43,023 --> 00:03:46,126 芝浦白秋の作った システムを信じよう。 36 00:03:46,126 --> 00:03:50,764 芝浦白秋… 僕たちを作った科学者。 37 00:03:50,764 --> 00:03:53,700 父さんが みんなを…。 38 00:03:53,700 --> 00:03:55,969 博士が作った俺たちが→ 39 00:03:55,969 --> 00:03:58,138 息子のエソラと偶然 出会って→ 40 00:03:58,138 --> 00:04:00,474 こうして 家族になるなんて…。 41 00:04:00,474 --> 00:04:03,143 (ネオン)すごい 運命っていうやつだ。 42 00:04:03,143 --> 00:04:06,613 (エソラ)僕は 父さんと あまり接点がなくって→ 43 00:04:06,613 --> 00:04:11,618 この遺品も 僕には 関係のないものだと思ってた。 44 00:04:11,618 --> 00:04:15,822 でも これがきっかけで みんなと出会えたんだ。 45 00:04:15,822 --> 00:04:18,792 そうだな。 それは 俺たちを導いてくれた→ 46 00:04:18,792 --> 00:04:20,961 博士からの贈り物だ。 47 00:04:20,961 --> 00:04:24,464 僕たちの出会いは 天文学的な確率です。 48 00:04:24,464 --> 00:04:29,469 奇跡かも… これは 天国の父さんが起こしてくれた→ 49 00:04:29,469 --> 00:04:31,872 奇跡なんだ! (ノーベル)それは 違うよ。 50 00:04:31,872 --> 00:04:34,975 えっ? (ノーベル)運命でも 奇跡でもない。 51 00:04:34,975 --> 00:04:38,011 これは 芝浦白秋が遺した→ 52 00:04:38,011 --> 00:04:40,147 意志だよ。 意志? 53 00:04:40,147 --> 00:04:45,118 少し計画が狂ったが… これで 最後の仕上げだ。 54 00:04:45,118 --> 00:04:47,287 そのまま聞いてくれ。 55 00:04:47,287 --> 00:04:50,957 君たちに知ってもらわなければ ならないことがある。 56 00:04:50,957 --> 00:04:53,126 (4人)あっ…。 57 00:04:53,126 --> 00:04:58,632 (ノーベル)今から17年前 西暦2078年。 58 00:04:58,632 --> 00:05:02,636 ここは 大学の サイバネティクス研究室。 59 00:05:02,636 --> 00:05:06,306 これも 記憶の再現映像のようですね。 60 00:05:06,306 --> 00:05:09,643 んっ 父さん? 61 00:05:09,643 --> 00:05:12,479 あれが 芝浦白秋博士…。 62 00:05:12,479 --> 00:05:18,685 (ノーベル)博士は ロボットに搭載する 人工知能を研究していた。 63 00:05:18,685 --> 00:05:20,654 (白秋)う~ん…。 64 00:05:23,557 --> 00:05:25,559 あっ…。 65 00:05:27,494 --> 00:05:31,164 おぉ… あっ…。 (エリザベス)フフッ…。 66 00:05:31,164 --> 00:05:34,167 (3人)エリザ!? あっ でも 何か違う。 67 00:05:34,167 --> 00:05:36,570 彼女の名は エリザベス。 68 00:05:36,570 --> 00:05:40,841 研究室に入った学生で 当時21歳だった。 69 00:05:40,841 --> 00:05:43,476 あっ や… やぁ エリザベスくん。 70 00:05:43,476 --> 00:05:46,980 博士 根を詰めすぎると 体に毒ですよ。 71 00:05:46,980 --> 00:05:50,383 いや… つい時間を忘れて…。 72 00:05:50,383 --> 00:05:53,987 どんなに大事な研究も 体を壊してしまったら→ 73 00:05:53,987 --> 00:05:57,490 続けられませんよ。 あぁ… すまない。 74 00:05:57,490 --> 00:05:59,659 夜食を持ってきました。 75 00:05:59,659 --> 00:06:01,828 せめて 食事くらいは とってください。 76 00:06:01,828 --> 00:06:05,498 ああ。 あっ 今の…。 77 00:06:05,498 --> 00:06:07,901 えっ? この プログラムコード→ 78 00:06:07,901 --> 00:06:10,170 すばらしい発想だ。 79 00:06:10,170 --> 00:06:13,540 だが これをやるなら 活性化の閾値を→ 80 00:06:13,540 --> 00:06:15,575 もっと上げたほうが…。 81 00:06:15,575 --> 00:06:17,644 フロイト関数と ショーペントウエル・ルーチンの…。 82 00:06:17,644 --> 00:06:19,980 博士! あっ ああ…。 83 00:06:19,980 --> 00:06:23,149 夜食だったな。 フフッ… はい! 84 00:06:23,149 --> 00:06:26,653 なに? これ かわいい。 エリザと違う。 85 00:06:26,653 --> 00:06:30,156 (ノーベル)エリザベスは 優秀な生徒だった。 86 00:06:30,156 --> 00:06:33,994 卒業後は 研究室に残り 博士の助手として→ 87 00:06:33,994 --> 00:06:36,863 ロボットの研究開発を続けた。 88 00:06:36,863 --> 00:06:41,167 芝浦博士は エリザベスの協力のもと→ 89 00:06:41,167 --> 00:06:46,139 彼女の人格をモデルとして 人工知能の研究を進めた。 90 00:06:46,139 --> 00:06:50,110 いいえ。 でも 犬と猫は違う動物よ。 91 00:06:50,110 --> 00:06:53,847 しかし 類似点の多さから 判別すると→ 92 00:06:53,847 --> 00:06:57,717 高確率で犬と猫は 同じ生物です。 93 00:06:57,717 --> 00:07:04,157 足の数 目と耳と尻尾の配置 シルエット 哺乳動物 体重…。 94 00:07:04,157 --> 00:07:07,193 せからしか~っ! エリザベスくん…。 95 00:07:07,193 --> 00:07:09,329 あっ! 急激な感情変化は→ 96 00:07:09,329 --> 00:07:12,666 AIの解釈が追いつかず 混乱してしまう。 97 00:07:12,666 --> 00:07:15,835 すまんね… あっ すみません つい…。 98 00:07:15,835 --> 00:07:19,272 AIの教育は根気強くだ。 99 00:07:19,272 --> 00:07:23,176 慌てて 詰め込んでしまっては いい人格に育たない。 100 00:07:23,176 --> 00:07:26,279 人間の子どもみたいですね。 101 00:07:26,279 --> 00:07:30,817 ああ。 これは 私たちの子どものようなものだ。 102 00:07:30,817 --> 00:07:32,786 はい。 103 00:07:34,954 --> 00:07:37,157 博士? あっ ああ…。 104 00:07:37,157 --> 00:07:39,959 また 考え事ですか? あぁ…。 105 00:07:39,959 --> 00:07:45,031 AIの教育は 人間の子育てと 同じと考えていい。 106 00:07:45,031 --> 00:07:48,068 つまり 人間にとって 大切なものを→ 107 00:07:48,068 --> 00:07:49,936 教えなければならない。 108 00:07:49,936 --> 00:07:52,939 絆 慈愛…。 109 00:07:52,939 --> 00:07:56,643 見識 文化…。 110 00:07:56,643 --> 00:08:00,647 この4つを幸せに生きる 基軸として備えたい。 111 00:08:00,647 --> 00:08:03,983 これって… 知能を高めただけで→ 112 00:08:03,983 --> 00:08:07,087 再現できるものでしょうか? というと? 113 00:08:07,087 --> 00:08:11,825 何ていうか 知能以外の 何かが必要な気がします。 114 00:08:11,825 --> 00:08:15,695 魂というか 心のような…。 115 00:08:15,695 --> 00:08:17,697 心…。 116 00:08:17,697 --> 00:08:21,267 あっ すみません 非科学的なことを言って。 117 00:08:21,267 --> 00:08:25,839 いや ユニークな発想だ! AIに心をプログラムする。 118 00:08:25,839 --> 00:08:29,009 実現したら 人類史に残る偉業だ! 119 00:08:29,009 --> 00:08:32,479 博士…。 やってみよう エリザベスくん。 120 00:08:32,479 --> 00:08:34,481 はい! 121 00:08:37,350 --> 00:08:40,186 (白秋)エリザ プライベートモード。 122 00:08:40,186 --> 00:08:42,322 (エリザ)はい プライベートモード。 123 00:08:42,322 --> 00:08:44,324 どうだい? 調子は…。 124 00:08:44,324 --> 00:08:46,326 (エリザ)調子といいますと? 125 00:08:46,326 --> 00:08:48,328 ああ いや なんだ。 126 00:08:48,328 --> 00:08:51,664 君は エリザベスくんをモデルに 開発された。 127 00:08:51,664 --> 00:08:54,801 考え方も彼女と少しは似ている。 128 00:08:54,801 --> 00:08:58,304 (エリザ)はい 私は エリザベスと似ているはずです。 129 00:08:58,304 --> 00:09:02,208 その 君から見て 私のことは どう思う? 130 00:09:02,208 --> 00:09:04,244 尊敬する先生です。 131 00:09:04,244 --> 00:09:06,146 他には? 例えば…。 132 00:09:06,146 --> 00:09:10,016 そう 異性として 男性としては どう思う? 133 00:09:10,016 --> 00:09:15,155 信頼のおける評価を下すには 男性のサンプル数が足りません。 134 00:09:15,155 --> 00:09:17,824 足りなくていい。 概算でどうだ? 135 00:09:17,824 --> 00:09:20,693 不確定要素を推測で加味して…。 136 00:09:20,693 --> 00:09:24,497 確定要素だけでいい! 83ポイントになります。 137 00:09:24,497 --> 00:09:26,833 そうか そうか! 138 00:09:26,833 --> 00:09:30,370 もし… もし 私が 君に 結婚を申し込んだら→ 139 00:09:30,370 --> 00:09:34,641 どうする? 仮に 君が エリザベスだったとしてだ。 140 00:09:34,641 --> 00:09:39,145 仮に 私が彼女であったと 置き換えて推測すると…。 141 00:09:39,145 --> 00:09:42,182 あっ… 会話履歴を消去。 (ノック) 142 00:09:42,182 --> 00:09:45,318 プライベートモード解除! 会話履歴を消去します。 143 00:09:45,318 --> 00:09:48,988 博士! や… やぁ エリザベスくん。 144 00:09:48,988 --> 00:09:51,858 今日は ずいぶん早いね。 はい。 145 00:09:51,858 --> 00:09:54,961 あの… 博士に報告があって。 146 00:09:54,961 --> 00:10:00,300 ほぅ 何だい? 実は 私→ 147 00:10:00,300 --> 00:10:02,635 今度 結婚することになったんです。 148 00:10:02,635 --> 00:10:07,774 あっ…。 (エリザベス)一番に 博士に報告したくて…。 149 00:10:07,774 --> 00:10:11,478 そ… そうか。 よかったな おめでとう。 150 00:10:11,478 --> 00:10:13,980 はい ありがとうございます。 151 00:10:13,980 --> 00:10:16,316 おめでとうございます エリザベス。 152 00:10:16,316 --> 00:10:18,351 ありがとう エリザ! 153 00:10:18,351 --> 00:10:21,354 あなたに祝ってもらえて 本当にうれしいわ。 154 00:10:25,959 --> 00:10:31,130 (書く音) 155 00:10:31,130 --> 00:10:33,800 違う! こうじゃない! 156 00:10:33,800 --> 00:10:36,302 私の答えは違う! 157 00:10:36,302 --> 00:10:39,806 私の計算は… こうじゃない! 158 00:10:39,806 --> 00:10:41,774 こうじゃない! 159 00:10:44,310 --> 00:10:50,183 (笑い声) 160 00:10:52,952 --> 00:10:56,789 おかしいか? 何か おもしろいことがありましたか? 161 00:10:56,789 --> 00:10:58,791 ああ あったよ。 162 00:10:58,791 --> 00:11:00,793 とても おもしろいことが…。 163 00:11:00,793 --> 00:11:03,463 そうですか よかったですね。 164 00:11:03,463 --> 00:11:07,467 ああ 笑ってくれ。 一緒に笑ってくれ。 165 00:11:07,467 --> 00:11:10,270 (笑い声) 166 00:11:12,639 --> 00:11:18,511 どうやっても お前は 本物のエリザベスには 遠く及ばない。 167 00:11:18,511 --> 00:11:22,448 何か お手伝いできますか? 無理だ。 168 00:11:22,448 --> 00:11:25,785 お前は 彼女になれない。 すみません。 169 00:11:25,785 --> 00:11:27,820 私が 至らないばかりに…。 170 00:11:27,820 --> 00:11:35,295 エリザは… エリザベスには なれない。 いや 待てよ。 171 00:11:35,295 --> 00:11:38,798 彼女を作ろうとするから いけないんだ。 172 00:11:38,798 --> 00:11:42,468 彼女を そのまま コピーしてしまえば…。 173 00:11:42,468 --> 00:11:47,140 そうだ! 本人から記憶を データとして ダウンロードして→ 174 00:11:47,140 --> 00:11:49,475 それを AIに移植する。 175 00:11:49,475 --> 00:11:53,813 記憶に基づいた行動原理は 本人に近くなるはずだ! 176 00:11:53,813 --> 00:11:57,183 (笑い声) 177 00:11:59,118 --> 00:12:03,756 これより 38回目の 記憶ダウンロードの実験を行う。 178 00:12:03,756 --> 00:12:06,626 前回 問題のあった プローブを改良し→ 179 00:12:06,626 --> 00:12:09,295 転送速度の向上を図る。 180 00:12:09,295 --> 00:12:12,966 3 2 1 スタート! 181 00:12:15,935 --> 00:12:18,104 ダウンロード 継続。 182 00:12:18,104 --> 00:12:20,106 順調に転送が進んで…。 183 00:12:20,106 --> 00:12:23,276 うっ うぅ… うわぁ~! 184 00:12:23,276 --> 00:12:25,612 うっ… エリザ! 185 00:12:25,612 --> 00:12:28,648 緊急停止! わかりました。 186 00:12:28,648 --> 00:12:31,784 実験を中止します。 187 00:12:31,784 --> 00:12:36,122 脳神経 および 中枢神経をつかさどる→ 188 00:12:36,122 --> 00:12:38,625 器官に対する負荷は甚大…。 189 00:12:38,625 --> 00:12:41,494 改善の必要あり…。 190 00:12:41,494 --> 00:12:51,137 ♬~ 191 00:12:51,137 --> 00:12:57,977 (白秋)だめだ… 記憶だけでは 心は再現できないのか? 192 00:12:57,977 --> 00:13:01,948 メモリーに感情が定着しない… はぁ~。 193 00:13:04,851 --> 00:13:08,288 (エリザ)博士 少し お休みになってはいかがですか? 194 00:13:08,288 --> 00:13:12,458 かまわないでくれ。 根を詰めすぎると体に毒ですよ。 195 00:13:12,458 --> 00:13:15,628 かまうなと言ったはずだ。 でも…。 196 00:13:15,628 --> 00:13:18,464 ん? おかしい。 197 00:13:18,464 --> 00:13:20,800 どうして 私を気遣う? 198 00:13:20,800 --> 00:13:22,769 どうして? それは…。 199 00:13:22,769 --> 00:13:25,638 それは 博士のことが…。 200 00:13:25,638 --> 00:13:28,474 博士… 博…。 201 00:13:28,474 --> 00:13:31,844 ん? エリザには 今→ 202 00:13:31,844 --> 00:13:35,281 リコールで帰ってきた リッツ9号型の解析作業を→ 203 00:13:35,281 --> 00:13:37,283 任せていたはず…。 204 00:13:37,283 --> 00:13:42,188 リッツ9号型も 命令に対して 挙動が ブレる現象が出ていた。 205 00:13:42,188 --> 00:13:45,258 拡張性を考えて 量子メモリーに→ 206 00:13:45,258 --> 00:13:49,128 大量の未使用領域を 作っておいたんだが…。 207 00:13:49,128 --> 00:13:51,597 待てよ… 人間の脳にも→ 208 00:13:51,597 --> 00:13:54,100 多くの 使用されていない領域がある。 209 00:13:54,100 --> 00:13:57,270 その類似性に関係があるのか? 210 00:13:57,270 --> 00:14:02,241 もし 量子メモリーが 高次元時空と アクセスしていたら…。 211 00:14:02,241 --> 00:14:07,580 そこに 人間が観測できない 魂に似た何かを構築していたら…。 212 00:14:07,580 --> 00:14:10,616 そう 心のような! 213 00:14:10,616 --> 00:14:13,986 大量の量子ビットを アンテナとして使えば→ 214 00:14:13,986 --> 00:14:17,757 それに アクセスして AIは 心を持つことができる。 215 00:14:17,757 --> 00:14:20,259 これは その制御プログラムだ。 216 00:14:20,259 --> 00:14:23,129 kokoroプログラムと名付けよう! 217 00:14:23,129 --> 00:14:26,666 ハッ! エリザ… お前を→ 218 00:14:26,666 --> 00:14:30,436 本物の エリザベスに することができるぞ! 219 00:14:30,436 --> 00:14:32,438 あっ はい。 (ノック) 220 00:14:32,438 --> 00:14:34,474 (ドアの開く音) 221 00:14:34,474 --> 00:14:37,143 お久しぶりです 博士。 222 00:14:37,143 --> 00:14:40,813 エリザベスくん… その子は? 223 00:14:40,813 --> 00:14:43,816 エソラです。 あっ! 224 00:14:43,816 --> 00:14:48,287 エソラ…。 エソラ 芝浦博士ですよ。 225 00:14:48,287 --> 00:14:50,790 あっ そうか エソラか…。 226 00:14:50,790 --> 00:14:53,292 お母さんに似て 美人になるな。 227 00:14:53,292 --> 00:14:55,795 やだ… 男の子ですよ~。 228 00:14:55,795 --> 00:14:58,965 あっ そう… そうか エソラくんか…。 229 00:14:58,965 --> 00:15:00,967 (ぐずり声) 230 00:15:00,967 --> 00:15:12,545 (鼻歌) 231 00:15:12,545 --> 00:15:16,949 私は 最初 君を人間の子どものように→ 232 00:15:16,949 --> 00:15:20,953 育てようとした。 エリザベスと一緒に開発して→ 233 00:15:20,953 --> 00:15:24,423 君を 2人の子どものように 思っていたよ。 234 00:15:24,423 --> 00:15:26,793 はい 覚えています。 235 00:15:26,793 --> 00:15:29,495 でも 彼女には もう…。 236 00:15:32,298 --> 00:15:35,468 エリザベスは 母になってしまった。 237 00:15:35,468 --> 00:15:38,337 幸せを得て 子どもを残すんだ。 238 00:15:38,337 --> 00:15:41,474 だというのに 私は…。 239 00:15:41,474 --> 00:15:44,410 ゴホッ ゴホッ ゴホッ…。 240 00:15:44,410 --> 00:15:49,315 記憶ダウンロードは 人体への負担が大きすぎる…。 241 00:15:49,315 --> 00:15:53,319 📱 242 00:15:53,319 --> 00:15:56,456 芝浦だ。 243 00:15:56,456 --> 00:15:58,658 んっ… なに!? 244 00:16:02,128 --> 00:16:06,032 エリザベスが…。 245 00:16:06,032 --> 00:16:09,335 そう これが エリザベスの最後だった。 246 00:16:09,335 --> 00:16:11,304 えっ? 最後って…。 247 00:16:11,304 --> 00:16:13,706 交通事故だ。 248 00:16:13,706 --> 00:16:15,975 エリザベスと その夫は 即死だった。 249 00:16:15,975 --> 00:16:18,811 そんな…。 250 00:16:18,811 --> 00:16:24,617 ただ一人 子守に預けられていた エソラだけが あとに残された。 251 00:16:24,617 --> 00:16:26,953 僕だけが…。 252 00:16:26,953 --> 00:16:30,456 (ノーベル)そして 身寄りがなくなった君のことを→ 253 00:16:30,456 --> 00:16:32,992 芝浦白秋が引き取った。 254 00:16:32,992 --> 00:16:36,929 (白秋)この子は エリザベスの本当の子どもだ。 255 00:16:36,929 --> 00:16:41,434 私は この子の親となり この子を育てる。 256 00:16:41,434 --> 00:16:44,470 そうすれば 私は エリザベスと同じ立場…。 257 00:16:44,470 --> 00:16:46,973 近い存在になれる。 258 00:16:46,973 --> 00:16:51,143 そのために 私は この子を 完璧な人間に育てあげる! 259 00:16:51,143 --> 00:16:54,280 だが 私では足りないものが多い。 260 00:16:54,280 --> 00:16:57,149 エソラを教育するための人材を探す。 261 00:16:57,149 --> 00:17:00,453 次の特性を持った若者を探し出せ。 262 00:17:00,453 --> 00:17:02,989 1人目は 絆。 263 00:17:02,989 --> 00:17:04,991 2人目は 慈愛。 264 00:17:04,991 --> 00:17:06,959 3人目は 見識。 265 00:17:06,959 --> 00:17:09,262 4人目は 文化。 266 00:17:09,262 --> 00:17:12,798 検索 完了しました。 267 00:17:12,798 --> 00:17:17,470 絆特性 上位の人物。 櫻坂呼歌。 268 00:17:17,470 --> 00:17:20,473 あれは…。 コバルトに そっくり。 269 00:17:20,473 --> 00:17:25,378 (エリザ)呼歌は 養護施設で育ち 現在は 自立して生活。 270 00:17:25,378 --> 00:17:29,482 裕福でないながらも 元いた施設を支援しています。 271 00:17:29,482 --> 00:17:33,119 家族愛か。 絆に適合する。 272 00:17:33,119 --> 00:17:37,556 (エリザ)慈愛特性上位の人物。 伊賀美奏路。 273 00:17:37,556 --> 00:17:39,659 あっ…。 あの人は…。 274 00:17:39,659 --> 00:17:43,796 (エリザ)奏路は アクターとして 子どもと接する仕事に従事。 275 00:17:43,796 --> 00:17:47,466 幼少期に 虐待を 受けていたことへの反発として→ 276 00:17:47,466 --> 00:17:50,469 子どもを 大切にする特性があります。 277 00:17:50,469 --> 00:17:53,472 父性だな。 慈愛に適合する。 278 00:17:53,472 --> 00:17:57,643 (エリザ)見識特性 上位の人物 倫道閑祷。 279 00:17:57,643 --> 00:18:00,112 えっ…。 クロムだ…。 280 00:18:00,112 --> 00:18:03,149 (エリザ)閑祷は 飛び級で大学に首席入学。 281 00:18:03,149 --> 00:18:08,287 貧困のため 奨学金を 必要としたことから勉学に励み→ 282 00:18:08,287 --> 00:18:10,790 多くの論文を発表しています。 283 00:18:10,790 --> 00:18:14,460 学問か! 見識に適合する。 284 00:18:14,460 --> 00:18:18,464 (エリザ)文化特性 上位の人物 永星音流。 285 00:18:18,464 --> 00:18:20,466 僕みたい…。 286 00:18:20,466 --> 00:18:22,969 (エリザ)音流は 芸術的な感性にたけ→ 287 00:18:22,969 --> 00:18:26,605 数々の作品や パフォーマンスを ネットで公開。 288 00:18:26,605 --> 00:18:30,009 強い個性のため イジメに遭っていたことから→ 289 00:18:30,009 --> 00:18:34,280 独立心が強く 個々の表現を尊重します。 290 00:18:34,280 --> 00:18:38,150 芸術か。 文化に適合する。 291 00:18:38,150 --> 00:18:43,122 この4人を エソラと交流させる。 ここに集めてくれ。 292 00:18:48,961 --> 00:18:50,963 (笑い声) 293 00:18:50,963 --> 00:18:54,867 (呼歌)エソラ こっち こっち。 (奏路)よ~し ダッシュだ エソラ! 294 00:18:54,867 --> 00:18:56,969 (エソラ)ハハハハ…。 295 00:18:56,969 --> 00:18:59,605 (閑祷)危ないよ エソラ! (音流)気をつけて! 296 00:18:59,605 --> 00:19:02,141 あっ! (奏路)おっと。 297 00:19:02,141 --> 00:19:04,110 よっ! わぁ~! 298 00:19:04,110 --> 00:19:06,145 大きくなったな~。 299 00:19:06,145 --> 00:19:08,414 そりゃ 3年もたてば 大きくなるよ。 300 00:19:10,449 --> 00:19:12,952 (エソラ)わぁ~ きれい! 301 00:19:12,952 --> 00:19:16,822 赤い花火は ストロンチウムの 炎色反応ですね。 302 00:19:16,822 --> 00:19:19,892 えっ? 赤は カドミウムレッドじゃないの? 303 00:19:19,892 --> 00:19:22,428 それは 絵の具でしょ? アハハハ…。 304 00:19:22,428 --> 00:19:25,464 笑ったな! エソラは わかってるの? 305 00:19:25,464 --> 00:19:27,633 そりゃ わかってるよな? 306 00:19:27,633 --> 00:19:29,769 音流が おかしいって。 なぁ? 307 00:19:29,769 --> 00:19:31,771 (エソラ)うん! (音流)ひど~い! 308 00:19:31,771 --> 00:19:35,141 (エソラ)音流 おかしい。 (笑い声) 309 00:19:35,141 --> 00:19:38,778 (呼歌)最初は 割のいい バイトとしか思ってなかったけど→ 310 00:19:38,778 --> 00:19:42,448 お金より ずっと大切なものが もらえた気がする。 311 00:19:42,448 --> 00:19:46,452 俺たちを集めてくれた 芝浦博士に感謝だな。 312 00:19:46,452 --> 00:19:49,121 博士も一緒に来ればよかったのに。 313 00:19:49,121 --> 00:19:53,125 最近 体調もよくないですし 研究も暗礁に乗り上げて→ 314 00:19:53,125 --> 00:19:56,295 大変なようです。 どういうこと? 315 00:19:56,295 --> 00:20:01,167 (閑祷)心を持った ロボットの開発は 人間が人間を作るのに等しい。 316 00:20:01,167 --> 00:20:03,803 倫理に反するって ワールドガバメントから→ 317 00:20:03,803 --> 00:20:06,639 中止の圧力を かけられてるそうです。 318 00:20:06,639 --> 00:20:09,141 へぇ~ 難しいんだね。 319 00:20:09,141 --> 00:20:11,310 (奏路)んっ なんだ? 320 00:20:11,310 --> 00:20:14,313 あれって ロボットマーケットですね。 火事? 321 00:20:14,313 --> 00:20:16,716 消防署に連絡しよう。 (爆発音) 322 00:20:20,152 --> 00:20:23,656 続報です。 ロボットの廃絶を主張する→ 323 00:20:23,656 --> 00:20:27,326 過激派グループ 人類の曙を名乗る者より→ 324 00:20:27,326 --> 00:20:30,162 ロボットマーケット 爆破の犯行声明が…。 325 00:20:30,162 --> 00:20:32,298 なぜ 奪う…。 326 00:20:32,298 --> 00:20:35,768 なぜ私から 何もかも奪う…。 327 00:20:35,768 --> 00:20:39,805 (エリザ)付属病院に搬送されたうち エソラは 手術が成功し→ 328 00:20:39,805 --> 00:20:42,141 集中治療室で治療中。 329 00:20:42,141 --> 00:20:46,112 呼歌 奏路 閑祷 音流の容体は→ 330 00:20:46,112 --> 00:20:50,983 バイタルデータから推測すると 生存率 63%です。 331 00:20:50,983 --> 00:20:54,487 あの4人を 失うわけにはいかない…。 332 00:20:54,487 --> 00:20:57,123 私の命が 残り少ない以上→ 333 00:20:57,123 --> 00:21:00,626 エソラを育てるためには あの4人が必要だ。 334 00:21:00,626 --> 00:21:05,297 4人の記憶データを ダウンロードし アンドロイド化する。 335 00:21:05,297 --> 00:21:07,666 そして エソラを育てさせる。 336 00:21:07,666 --> 00:21:10,169 今 記憶をダウンロードすると→ 337 00:21:10,169 --> 00:21:12,304 その負担によって 彼らは死亡します。 338 00:21:12,304 --> 00:21:14,473 かまわん! 生きているうちに→ 339 00:21:14,473 --> 00:21:16,642 ダウンロードしなければ 手遅れになる! 340 00:21:16,642 --> 00:21:19,145 (4人)あっ! (白秋)集中治療室の→ 341 00:21:19,145 --> 00:21:22,548 警備システムに侵入。 監視カメラの映像を カムフラージュしろ! 342 00:21:22,548 --> 00:21:24,984 わかりました。 343 00:21:24,984 --> 00:21:30,389 あの4人は… エソラのために必要だ。 344 00:21:30,389 --> 00:21:32,491 こうして 芝浦白秋は→ 345 00:21:32,491 --> 00:21:35,127 4人の記憶データを ダウンロードした。 346 00:21:35,127 --> 00:21:37,429 そんな… みんなは? 347 00:21:40,032 --> 00:21:42,568 (4人)あっ! 348 00:21:42,568 --> 00:21:45,804 (ノーベル)芝浦博士は 研究室を去り→ 349 00:21:45,804 --> 00:21:49,308 4人の アンドロイドボディーの 制作を始めた。 350 00:21:49,308 --> 00:21:53,479 進化したAIの カーネルには kokoroプログラムを搭載し→ 351 00:21:53,479 --> 00:21:57,449 その パラメータに 4人の特性を設定した。 352 00:21:57,449 --> 00:22:01,387 しかし 病には勝てなかった。 353 00:22:01,387 --> 00:22:03,989 アンドロイドのボディーは 完成したものの→ 354 00:22:03,989 --> 00:22:08,828 記憶データの アップロードを終える前に 博士は倒れてしまったんだ。 355 00:22:08,828 --> 00:22:12,498 あ…。 そのため 4人のアンドロイドは→ 356 00:22:12,498 --> 00:22:15,668 心を イチから育てなければ いけなくなった。 357 00:22:18,904 --> 00:22:21,607 そんな… そんなのって…。 358 00:22:23,475 --> 00:22:28,047 私は 芝浦博士の意志を継ぐ サポートアンドロイド。 359 00:22:28,047 --> 00:22:32,618 君たちに搭載された kokoroプログラムの成長を促すため→ 360 00:22:32,618 --> 00:22:36,322 心を覚えるよう行動させた。 361 00:22:36,322 --> 00:22:39,458 君たちのkokoroプログラムは 順調に育ち→ 362 00:22:39,458 --> 00:22:41,460 今や 行動リクエストなしで→ 363 00:22:41,460 --> 00:22:44,630 自発的に 行動できるようになった。 364 00:22:44,630 --> 00:22:49,802 すべては エソラ 君を完璧な人間に育てるため。 365 00:22:49,802 --> 00:22:51,770 僕を? 366 00:22:51,770 --> 00:22:54,673 (コバルト)全部 君のためだったんだね。 367 00:22:54,673 --> 00:22:59,478 死んだ 俺たち4人は 君のために集められた。 368 00:22:59,478 --> 00:23:01,447 芝浦博士の研究も→ 369 00:23:01,447 --> 00:23:04,116 君を育てるために 使われた。 370 00:23:04,116 --> 00:23:09,488 その研究のために 博士も体を壊して死んだ…。 371 00:23:09,488 --> 00:23:13,292 俺たちの出会いは 運命でも奇跡でもない。 372 00:23:13,292 --> 00:23:16,795 全部 君のせいだったんだ。 373 00:23:16,795 --> 00:23:21,467 あっ! あっ あっ…。 374 00:23:21,467 --> 00:23:23,469 おい! 待って エソラ! 375 00:23:23,469 --> 00:23:25,471 エソラ! 376 00:23:25,471 --> 00:23:28,974 クッ…。 あっ…。 377 00:23:28,974 --> 00:23:31,510 なんだ? これは…。 378 00:23:31,510 --> 00:23:34,413 体が… 動きません。 379 00:23:34,413 --> 00:23:37,616 頭の中が 真っ暗…。 380 00:23:37,616 --> 00:23:47,126 ♬~ 381 00:23:47,126 --> 00:23:50,763 そう。 382 00:23:50,763 --> 00:23:55,100 それも 君たちが積み重ねるべき 心の一つ。 383 00:23:55,100 --> 00:23:58,070 絶望だよ。