1 00:01:42,336 --> 00:01:44,338 (阿鳥)んっ? 2 00:01:46,673 --> 00:01:49,176 (ルリ)んっ…。 3 00:01:49,176 --> 00:01:51,178 (音子)エヘヘ~。 4 00:01:51,178 --> 00:01:53,180 ボーッとして どうしたの? あっ。 5 00:01:53,180 --> 00:01:59,186 あ… ルリさんって働き者ですよね。 仕事が好きなんだろうね。 6 00:01:59,186 --> 00:02:02,789 お給料のためっていうのも あるだろうけど。 フゥ… あっ。 7 00:02:02,789 --> 00:02:06,793 お給料って どうなってるんですか? 8 00:02:06,793 --> 00:02:09,296 支配人に聞いてみたら? 9 00:02:09,296 --> 00:02:14,301 でも その前に 一人前の仕事が できるようにならないとね。 10 00:02:14,301 --> 00:02:16,303 フム…。 11 00:02:16,303 --> 00:02:19,306 支配人! (支配人)塚原さん。 12 00:02:19,306 --> 00:02:22,976 ちょうどよかった。 新しいお客様のようですよ。 13 00:02:22,976 --> 00:02:27,147 今日は私一人で ご案内します。 えっ いいの!? 14 00:02:27,147 --> 00:02:30,484 じゃ頼んだよ! ビ~ル ビ~ル! 15 00:02:30,484 --> 00:02:33,320 ハァ… あっ。 16 00:02:33,320 --> 00:02:35,322 (ドアベル) 17 00:02:35,322 --> 00:02:37,324 あっ。 18 00:02:41,828 --> 00:02:44,498 パンジー頭… あっ。 19 00:02:44,498 --> 00:02:47,501 ここは? ようこそ 黄昏ホテルへ。 20 00:02:47,501 --> 00:02:49,503 黄昏ホテル? 21 00:02:49,503 --> 00:02:54,341 ここは あの世とこの世の 狭間に存在するホテルでございます。 22 00:02:54,341 --> 00:02:56,343 フム…。 23 00:02:56,343 --> 00:03:00,280 つまり臨死体験ってことか。 24 00:03:00,280 --> 00:03:04,951 おもしろい。 三途の川ではなく まさかホテルだとはね。 25 00:03:04,951 --> 00:03:09,289 ここから どこへ行けるんだい。 現世か死後の世界です。 26 00:03:09,289 --> 00:03:12,092 現世か死後…。 あっ…! 27 00:03:14,127 --> 00:03:16,129 あ… んっ! 28 00:03:16,129 --> 00:03:19,466 《一人でしっかり ご案内してますよ》 29 00:03:19,466 --> 00:03:24,971 お客様はこちら 2階のお部屋になりまして…。 30 00:03:27,474 --> 00:03:30,811 ハッ… たそ… かれ…。 31 00:03:30,811 --> 00:03:32,979 ウウッ… んっ! 32 00:03:32,979 --> 00:03:37,984 たそかれ? あぁ たしか 黄昏の語源になった言葉だね。 33 00:03:37,984 --> 00:03:41,321 えっ? 「あなたは誰ですか」 って意味だよね。 34 00:03:41,321 --> 00:03:44,825 黄昏時って 相手の顔が見えづらいから。 35 00:03:44,825 --> 00:03:49,029 はい… いろいろ見間違えますね。 36 00:03:50,997 --> 00:03:54,167 こちらが お客様のお部屋でございます。 37 00:03:54,167 --> 00:03:56,169 いい部屋じゃないか。 38 00:03:56,169 --> 00:03:58,839 客室はすべて お客様ごとに違っていて➡ 39 00:03:58,839 --> 00:04:02,943 お客様の記憶にまつわる ものによって形成されています。 40 00:04:02,943 --> 00:04:05,112 僕の記憶? はい。 41 00:04:05,112 --> 00:04:07,614 この部屋にある物を 調べていくうちに➡ 42 00:04:07,614 --> 00:04:10,450 ご自身の記憶を取り戻せるかと。 43 00:04:10,450 --> 00:04:14,788 なるほど。 しかし 何から調べればいいのか…。 44 00:04:14,788 --> 00:04:18,125 でしたら 私も お手伝いさせていただきます。 45 00:04:18,125 --> 00:04:20,627 じゃあ よろしく頼むよ。 46 00:04:25,465 --> 00:04:28,969 う~ん… ハァ…。 47 00:04:28,969 --> 00:04:30,971 あっ。 48 00:04:32,973 --> 00:04:34,975 家族の写真? 49 00:04:36,977 --> 00:04:38,979 あっ。 50 00:04:40,981 --> 00:04:43,150 何かあったかい? 51 00:04:43,150 --> 00:04:45,152 あっ! 52 00:04:50,490 --> 00:04:53,493 あっ! ウゥ…。 53 00:04:53,493 --> 00:04:58,999 あぁ そんなに警戒しないで。 僕も今 いろいろ思い出したよ。 54 00:04:58,999 --> 00:05:02,435 これは被害者リストだ。 被害者リスト? 55 00:05:02,435 --> 00:05:04,604 通り魔の被害者だよ。 56 00:05:04,604 --> 00:05:07,941 通り魔…。 57 00:05:07,941 --> 00:05:12,112 どうして それをお客様が? もちろん犯人じゃないよ。 58 00:05:12,112 --> 00:05:16,783 実は… 僕は 通り魔や暴行専門の探偵なんだ。 59 00:05:16,783 --> 00:05:20,587 探偵? ほら そこに それらしき物が。 60 00:05:23,623 --> 00:05:27,627 証明にならないか… そうだ。 61 00:05:32,632 --> 00:05:34,634 よかった~。 62 00:05:34,634 --> 00:05:38,138 昔 しおり代わりに名刺を 使っていたことがあったから。 63 00:05:38,138 --> 00:05:42,809 「大外探偵事務所 大外」…。 64 00:05:42,809 --> 00:05:45,645 聖生だ。 65 00:05:45,645 --> 00:05:58,158 ♬~ 66 00:05:58,158 --> 00:06:02,262 僕は大外聖生。 よろしく。 67 00:06:02,262 --> 00:06:04,264 おぉ~! 68 00:06:04,264 --> 00:06:06,266 探偵さんだったんですね。 69 00:06:06,266 --> 00:06:10,570 失礼しました。 私は従業員の塚原音子です。 70 00:06:13,940 --> 00:06:16,109 少し休憩しようか。 71 00:06:16,109 --> 00:06:21,014 食堂はあるかな? あっ はい ご案内します。 72 00:06:26,953 --> 00:06:29,789 通り魔は年々増えていてね。 73 00:06:29,789 --> 00:06:35,962 正直 警察だけでは解決できない。 おかげで大忙しだよ。 74 00:06:35,962 --> 00:06:40,133 犯人たちは なぜこんなことを。 いろいろだよ。 75 00:06:40,133 --> 00:06:43,803 暴力 快楽 征服欲…。 76 00:06:43,803 --> 00:06:47,307 使命感や万能感を 得たいタイプもいる。 77 00:06:47,307 --> 00:06:49,609 そうですか…。 78 00:06:53,813 --> 00:06:55,815 (2人)あっ。 79 00:06:55,815 --> 00:06:58,652 いらっしゃいませ。 80 00:06:58,652 --> 00:07:02,756 お客様が お飲み物をご希望です。 81 00:07:02,756 --> 00:07:06,559 コーヒーを。 かしこまりました。 82 00:07:11,765 --> 00:07:16,436 もしかして 現世のご家族のことが 気になっているんですか? 83 00:07:16,436 --> 00:07:19,606 えっ? あっ 違ってたらすみません。 84 00:07:19,606 --> 00:07:22,942 さっき お部屋に 写真が飾ってあったので。 85 00:07:22,942 --> 00:07:26,613 僕の幼いころのだ。 両親は医者でね。 86 00:07:26,613 --> 00:07:30,450 世界でもトップクラスの 優秀な外科医なんだ。 87 00:07:30,450 --> 00:07:32,452 へぇ すごいですね。 88 00:07:32,452 --> 00:07:35,455 当然 僕にも医者になることを 望んでいたけど…。 89 00:07:35,455 --> 00:07:40,460 探偵になったんですね。 親不孝者だよね。 90 00:07:40,460 --> 00:07:45,298 まぁ 同じ医者を目指したところで 両親にはかなわないからね。 91 00:07:45,298 --> 00:07:48,635 医者なんて 医者になる前から忙しいし➡ 92 00:07:48,635 --> 00:07:55,141 学生生活は すべて勉強漬け。 僕はそんなのごめんだよ。 93 00:07:55,141 --> 00:08:00,580 あぁ よく聞きますよね 医学部ってメチャクチャ忙しいって。 94 00:08:00,580 --> 00:08:03,583 お待たせいたしました。 95 00:08:03,583 --> 00:08:05,585 ごゆっくりどうぞ。 96 00:08:08,254 --> 00:08:11,091 彼 スタイルがいいね。 97 00:08:11,091 --> 00:08:14,594 阿鳥先輩ですか? 私もそう思います。 98 00:08:14,594 --> 00:08:18,431 阿鳥さんか…。 99 00:08:18,431 --> 00:08:20,734 羨ましいなぁ。 100 00:08:22,769 --> 00:08:26,439 (瑪瑙)音子ちゃん。 おっ? (鼻歌) 101 00:08:26,439 --> 00:08:29,275 (瑪瑙)お客様のお相手は もういいの? 102 00:08:29,275 --> 00:08:33,279 お疲れのようで 少しお休みになるそうです。 103 00:08:33,279 --> 00:08:35,281 そう… あっ。 104 00:08:35,281 --> 00:08:38,284 じゃあ ちょっと 仕事をお願いできるかしら。 105 00:08:38,284 --> 00:08:40,286 なんでしょう! 106 00:08:40,286 --> 00:08:43,623 さっ どうぞ。 107 00:08:43,623 --> 00:08:47,027 おぉ これが阿鳥先輩の部屋。 108 00:08:50,130 --> 00:08:52,799 音楽が好きなんですね。 109 00:08:52,799 --> 00:08:56,136 これはいわゆる 音楽オタクというやつでは…。 110 00:08:56,136 --> 00:08:59,139 あぁ それについては すぐに思い出したよ。 111 00:08:59,139 --> 00:09:01,908 他は さっぱりだけどね。 112 00:09:01,908 --> 00:09:04,744 で 瑪瑙さんは どんなレコードがいいって? 113 00:09:04,744 --> 00:09:07,914 バーの雰囲気に合うものなら なんでもと。 114 00:09:07,914 --> 00:09:10,750 う~ん… そうだなぁ…。 115 00:09:10,750 --> 00:09:13,920 いいですねぇ 選べるほどたくさんあって。 116 00:09:13,920 --> 00:09:17,424 私の部屋なんて 娯楽要素まったくなし。 117 00:09:17,424 --> 00:09:20,593 もう サンキューのチケット半券を見ながら➡ 118 00:09:20,593 --> 00:09:22,929 妄想ライブするしかない! 119 00:09:22,929 --> 00:09:25,098 神セトリに激萌えのトークコーナー。 120 00:09:25,098 --> 00:09:27,100 かわいい最高 たまらないが溢れてて➡ 121 00:09:27,100 --> 00:09:30,937 あぁ~ これを永遠に 浴びていたいと エヘヘ…。 122 00:09:30,937 --> 00:09:33,440 まだ決められないんですか? 123 00:09:33,440 --> 00:09:38,111 この辺りは すべてオススメだから 逆に選べないんだよ。 124 00:09:38,111 --> 00:09:42,615 オタクあるあるですね。 もう私が適当に決めます。 125 00:09:42,615 --> 00:09:44,617 う~ん…。 126 00:09:44,617 --> 00:09:46,619 これ! あっ! 127 00:09:46,619 --> 00:09:49,289 阿鳥先輩? あぁ…。 128 00:09:49,289 --> 00:09:51,291 じゃあ これを。 129 00:09:51,291 --> 00:09:54,794 はい。 あ~ というか➡ 130 00:09:54,794 --> 00:09:57,297 窓の外が黄昏じゃないんですね。 131 00:09:57,297 --> 00:10:00,300 実は 俺の部屋だけ ずっと夜なんだよ。 132 00:10:00,300 --> 00:10:03,136 ここに来て3日目ぐらいからかな。 133 00:10:03,136 --> 00:10:06,139 なんで夜なんですか? さあ。 134 00:10:09,976 --> 00:10:11,978 んっ? (踏切の警報音) 135 00:10:11,978 --> 00:10:17,317 (踏切の警報音) 136 00:10:17,317 --> 00:10:20,153 電車だ。 電車が走ってる。 (踏切の警報音) 137 00:10:20,153 --> 00:10:22,155 うおぉ! (踏切の警報音) 138 00:10:22,155 --> 00:10:24,491 鉄オタ…。 たぶん違う。 (踏切の警報音) 139 00:10:24,491 --> 00:10:26,493 特に電車が好きってことはない。 (踏切の警報音) 140 00:10:26,493 --> 00:10:28,661 何か他に覚えていることは? (踏切の警報音) 141 00:10:28,661 --> 00:10:32,665 朝 家を出たところまでは覚えて いるんだけど。 (踏切の警報音) 142 00:10:32,665 --> 00:10:35,001 電車に乗ったかどうかも わからない。 (踏切の警報音) 143 00:10:35,001 --> 00:10:37,170 そうですか…。 (踏切の警報音) 144 00:10:37,170 --> 00:10:39,172 (踏切の警報音) 145 00:10:39,172 --> 00:10:41,174 ♬(レコード) 146 00:10:41,174 --> 00:10:44,677 いいわね。 阿鳥くんにお礼しなくちゃ。 147 00:10:44,677 --> 00:10:46,679 瑪瑙さん。 んっ? 148 00:10:46,679 --> 00:10:51,684 自分のことを思い出すって… 結構 難しいですね。 149 00:10:51,684 --> 00:10:54,354 まぁ焦らないことよ。 150 00:10:54,354 --> 00:10:59,192 そうだ 音子ちゃんにも 何かお礼をあげたいわ。 あっ? 151 00:10:59,192 --> 00:11:01,194 ちょっとついてきて。 152 00:11:03,296 --> 00:11:06,799 好きなものをどうぞ。 と言われても…。 153 00:11:06,799 --> 00:11:09,969 遠慮はいらないわ。 さっ どうぞ。 154 00:11:09,969 --> 00:11:13,139 あっ!? あら…。 155 00:11:13,139 --> 00:11:15,141 あっ。 156 00:11:19,479 --> 00:11:22,148 気に入ったなら それをあげるわ。 157 00:11:22,148 --> 00:11:25,818 いいんですか? ありがとうございます! 158 00:11:25,818 --> 00:11:27,987 ヘヘヘ~。 159 00:11:27,987 --> 00:11:31,658 さて 大外様はどうしたかな。 160 00:11:31,658 --> 00:11:33,660 あっ! 161 00:11:36,329 --> 00:11:41,000 驚いたよ。 起きたらなんだか 部屋の中が少し変わってて。 162 00:11:41,000 --> 00:11:43,169 すみません。 163 00:11:43,169 --> 00:11:46,005 お伝えするのを忘れてました。 164 00:11:46,005 --> 00:11:49,509 実は お客様が 記憶を取り戻しやすいように➡ 165 00:11:49,509 --> 00:11:52,845 ホテルが部屋の中を変えることが 時々あるんです。 166 00:11:52,845 --> 00:11:54,847 そういうことか。 167 00:11:54,847 --> 00:11:57,350 じゃあ また手伝って。 はい。 168 00:11:59,519 --> 00:12:02,288 う~ん… はぁ~。 169 00:12:02,288 --> 00:12:04,290 あっ。 170 00:12:06,793 --> 00:12:09,629 学生証と成績表…。 171 00:12:09,629 --> 00:12:12,131 今年のだ。 172 00:12:12,131 --> 00:12:15,468 あっ? それは…? 173 00:12:15,468 --> 00:12:19,272 クローゼットから出てきた。 なぜか濡れてる。 174 00:12:22,475 --> 00:12:25,478 あっ これも濡れてる…。 175 00:12:28,815 --> 00:12:30,817 あっ! 176 00:12:34,320 --> 00:12:36,322 あっ…。 177 00:12:36,322 --> 00:12:38,658 うわわっ! 驚かせてすまない。 178 00:12:38,658 --> 00:12:42,328 それは彼女だよ。 あの日はたしか…。 179 00:12:42,328 --> 00:12:44,998 デートをする日で…。 180 00:12:44,998 --> 00:12:48,835 雨が…。 そう 雨が降っていた。 181 00:12:48,835 --> 00:12:52,839 そうだ この服は あの日 僕が着ていたものだ。 182 00:12:57,677 --> 00:13:00,613 大外様 ここにパンジーがあります。 183 00:13:00,613 --> 00:13:03,283 パンジー? 184 00:13:03,283 --> 00:13:05,284 うわっ! 185 00:13:08,288 --> 00:13:10,289 あっ ああっ! 186 00:13:10,289 --> 00:13:12,292 大外様!? 187 00:13:12,292 --> 00:13:14,293 あっ…。 188 00:13:17,630 --> 00:13:19,799 うおぉ… どっ どうしよう! 189 00:13:19,799 --> 00:13:23,102 誰か! 誰か来てください! 190 00:13:29,475 --> 00:13:31,577 んっ… あっ…。 191 00:13:33,646 --> 00:13:35,648 大外様 大丈夫ですか? 192 00:13:35,648 --> 00:13:38,317 ご安心ください。 腹部の出血は➡ 193 00:13:38,317 --> 00:13:40,987 現世での記憶が 再現されたものです。 194 00:13:40,987 --> 00:13:43,823 当ホテルでケガをされたわけでは ございません。 195 00:13:43,823 --> 00:13:47,994 記憶の再現… なるほど。 196 00:13:47,994 --> 00:14:12,618 ♬~ 197 00:14:14,620 --> 00:14:17,623 お茶をどうぞ。 落ち着きますよ。 198 00:14:17,623 --> 00:14:21,961 大外様… 黄昏の語源の話をしましたよね。 199 00:14:21,961 --> 00:14:25,798 たそかれ あなたは誰ですか と…。 200 00:14:25,798 --> 00:14:30,636 私 大外様が誰なのか なんとなくわかりました。 201 00:14:30,636 --> 00:14:33,806 ほう… 僕が誰だかわかったと。 202 00:14:33,806 --> 00:14:37,477 はい。 かまわないよ。 話して。 203 00:14:37,477 --> 00:14:41,481 あの… もしかして なんですけど。 204 00:14:41,481 --> 00:14:44,984 大外様って 犯罪者じゃないですか? 205 00:14:44,984 --> 00:14:47,653 犯罪者? 僕が? 206 00:14:47,653 --> 00:14:49,822 何言ってるのよ アンタ。 207 00:14:49,822 --> 00:14:53,659 お客様 塚原は 少々疲れているようで…。 208 00:14:53,659 --> 00:14:57,997 これから塚原さんの推理ショーが 始まるみたいですよ。 209 00:14:57,997 --> 00:15:00,433 みんなで楽しもうじゃないですか。 210 00:15:00,433 --> 00:15:03,770 では 大外様の お部屋の記憶をもとに➡ 211 00:15:03,770 --> 00:15:06,272 話をさせてください。 212 00:15:06,272 --> 00:15:08,274 (雷鳴) 213 00:15:10,276 --> 00:15:12,945 大外様は私に 3つウソをついています。 214 00:15:12,945 --> 00:15:15,448 ほう… 一つ目は? 215 00:15:15,448 --> 00:15:17,950 大外様は探偵ではありません。 216 00:15:17,950 --> 00:15:21,954 名刺を見せたじゃないか。 これだけでは証明になりません。 217 00:15:21,954 --> 00:15:25,792 私だって ライブ会場で会って 意気投合した子に➡ 218 00:15:25,792 --> 00:15:27,994 お手製名刺ぐらい渡してますよ。 219 00:15:29,962 --> 00:15:33,966 疑いを持つきっかけは この部屋で これを見つけたからです。 220 00:15:33,966 --> 00:15:37,804 大外様の大学の成績表です。 221 00:15:37,804 --> 00:15:40,640 学生と探偵を兼ねているんだよ。 222 00:15:40,640 --> 00:15:44,977 履修科目のすべてがS… 優秀だ。 223 00:15:44,977 --> 00:15:49,649 この成績で学生と探偵を 兼ねることは可能ですか? 224 00:15:49,649 --> 00:15:53,152 無理だね。 医学部の5年生って書いてある。 225 00:15:53,152 --> 00:15:55,154 そう そこです。 226 00:15:55,154 --> 00:15:58,658 医者は医者になる前から忙しいと 大外様はおっしゃいました。 227 00:15:58,658 --> 00:16:00,927 医学部の5年生って➡ 228 00:16:00,927 --> 00:16:03,095 それこそ クソ忙しいんじゃないですか? 229 00:16:03,095 --> 00:16:06,265 そのとおりだ。 名刺は小学生のころ➡ 230 00:16:06,265 --> 00:16:09,435 父が僕に お遊びで作ってくれたものだよ。 231 00:16:09,435 --> 00:16:13,539 そう 僕は探偵じゃない。 続けて。 232 00:16:15,608 --> 00:16:19,111 2つ目のウソは 被害者リストです。 233 00:16:19,111 --> 00:16:21,614 探偵でも警察でもないあなたが➡ 234 00:16:21,614 --> 00:16:23,950 なぜ こんな写真を 持っているのか。 235 00:16:23,950 --> 00:16:26,285 それは犯人だからです。 236 00:16:26,285 --> 00:16:29,956 これは記念写真というか… 戦果ですよね。 237 00:16:29,956 --> 00:16:31,958 3つ目のウソは…。 238 00:16:34,126 --> 00:16:36,629 この写真の女性。 239 00:16:36,629 --> 00:16:41,300 この方は大外様の恋人ではなく ターゲットだと思います。 240 00:16:41,300 --> 00:16:45,304 たぶん この女性を 襲いにいく途中で事故に遭った。 241 00:16:45,304 --> 00:16:48,140 証拠は? ないです! 242 00:16:48,140 --> 00:16:52,311 記念写真の女性たちと この写真の女性の雰囲気が➡ 243 00:16:52,311 --> 00:16:56,482 似てるってことぐらいですかね。 なるほど…。 244 00:16:56,482 --> 00:17:02,088 かっこいいなぁ塚原さん まるで ミステリー小説の探偵だ。 245 00:17:02,088 --> 00:17:05,258 ククッ…。 246 00:17:05,258 --> 00:17:10,263 でもね。 好奇心は猫を殺すよ。 247 00:17:10,263 --> 00:17:12,265 (雷鳴) 248 00:17:12,265 --> 00:17:14,600 ああっ… あっ。 ヒッ! 249 00:17:14,600 --> 00:17:17,603 (2人)あっ! ウゥ…。 250 00:17:17,603 --> 00:17:20,940 さっき部屋の探索中に これを見つけたんだ。 251 00:17:20,940 --> 00:17:23,609 ベッドに隠しておいて正解だったよ。 252 00:17:23,609 --> 00:17:27,613 助けて…。 全部 正解だよ 名探偵さん。 253 00:17:27,613 --> 00:17:31,951 だが君のせいで 君たち全員 死ぬことになった。 あっ。 254 00:17:31,951 --> 00:17:35,288 現世に戻ったら 警察に通報するだろう? 255 00:17:35,288 --> 00:17:37,623 そんなことはさせない。 ウゥ…。 256 00:17:37,623 --> 00:17:40,793 ルリさん まずは君からだ。 あっ…。 257 00:17:40,793 --> 00:17:43,129 ヒッ…! 258 00:17:43,129 --> 00:17:45,798 地獄です! 259 00:17:45,798 --> 00:17:48,801 このホテルで人を殺せば 地獄へ行くそうです! 260 00:17:48,801 --> 00:17:51,304 現世には戻れません。 261 00:17:51,304 --> 00:17:53,472 地獄? 262 00:17:53,472 --> 00:17:57,310 ここを出たあとに 行く先は現世か死後…。 263 00:17:57,310 --> 00:18:00,079 それに地獄もあるんですか? 264 00:18:00,079 --> 00:18:03,482 詳しい話は 支配人から聞いてください。 265 00:18:06,919 --> 00:18:09,255 (雷鳴) 266 00:18:09,255 --> 00:18:12,425 ウッ! ああっ! 267 00:18:12,425 --> 00:18:14,427 すみません! 268 00:18:17,597 --> 00:18:20,433 クッ…。 269 00:18:20,433 --> 00:18:23,602 ルリさん 大丈夫ですか? わ~ん! 270 00:18:23,602 --> 00:18:25,604 (泣き声) 271 00:18:25,604 --> 00:18:27,940 さて どうするか。 272 00:18:27,940 --> 00:18:31,777 とりあえず 大外様… 「様」はもういいか。 273 00:18:31,777 --> 00:18:34,113 大外さんを どこかに閉じ込めて➡ 274 00:18:34,113 --> 00:18:37,783 彼よりも先に現世に戻って 警察に通報を…。 275 00:18:37,783 --> 00:18:39,952 それはできないよ~ん! 276 00:18:39,952 --> 00:18:41,954 支配人? 277 00:18:41,954 --> 00:18:44,457 皆さんが現世に戻ったら ここでの記憶は➡ 278 00:18:44,457 --> 00:18:47,293 きれいさっぱり 忘れてしまいます。 えっ? 279 00:18:47,293 --> 00:18:49,795 あっ…。 えっ…。 280 00:18:49,795 --> 00:18:52,298 だって 現世にいたとき➡ 281 00:18:52,298 --> 00:18:55,468 このホテルについてのうわさを 聞いたことがありますか? 282 00:18:55,468 --> 00:18:58,804 ないでしょう? では現世に戻ったら➡ 283 00:18:58,804 --> 00:19:02,742 僕たちは全員 知らない人同士に なるということですか。 284 00:19:02,742 --> 00:19:07,046 さぁ阿鳥くん お客様を解放して差し上げなさい。 285 00:19:09,081 --> 00:19:11,417 フフッ…。 何がおかしいんですか。 286 00:19:11,417 --> 00:19:15,755 失礼。 君たち従業員でも ホテルのルールについて➡ 287 00:19:15,755 --> 00:19:18,958 知らないことがあるんだなと 思いましてね。 フッ。 288 00:19:21,427 --> 00:19:25,765 支配人。 地獄は 本当にあるんですか? はい。 289 00:19:25,765 --> 00:19:30,936 発狂することすら許されない 永遠の苦痛と聞いております。 290 00:19:30,936 --> 00:19:34,440 死が一瞬ではなく永遠に続くと…。 291 00:19:34,440 --> 00:19:37,109 それは遠慮しておきたいですね。 292 00:19:37,109 --> 00:19:41,947 大外さん 今すぐ ここから出ていってください。 293 00:19:41,947 --> 00:19:46,452 ここは生死のわからない人が たどりつくホテルですから。 294 00:19:46,452 --> 00:19:50,122 名残惜しいが… お別れだ。 295 00:19:50,122 --> 00:19:53,459 (支配人)お客様 チェックアウトです! 296 00:19:53,459 --> 00:19:55,461 はぁ…。 297 00:19:55,461 --> 00:19:58,798 音子ちゃん よく見抜いたね すごいよ。 298 00:19:58,798 --> 00:20:02,468 お疲れさま。 あ… あの。 あっ? 299 00:20:02,468 --> 00:20:05,137 さ さっきは その…。 300 00:20:05,137 --> 00:20:07,640 ありがとう。 一応 言っとく。 301 00:20:07,640 --> 00:20:09,642 おぉっ! 302 00:20:09,642 --> 00:20:13,479 でも 別にアンタに助けてもらって うれしいとか そんなことは…。 303 00:20:13,479 --> 00:20:15,481 だいたい もとはといえば➡ 304 00:20:15,481 --> 00:20:18,484 アンタが探偵気取って 推理なんて始めるから! 305 00:20:20,986 --> 00:20:23,089 フム…。 306 00:20:25,658 --> 00:20:29,495 さぁ そろそろ仕事に戻らないと。 307 00:20:29,495 --> 00:20:31,831 (ドアベル) 308 00:20:31,831 --> 00:20:34,166 (ルリ/音子)あっ? 309 00:20:34,166 --> 00:20:36,669 大外さん!? あっ…! 310 00:20:36,669 --> 00:20:39,004 お帰りなさいませ。 えっ…。 311 00:20:39,004 --> 00:20:43,008 どうして戻ってきたんですか? どこへ行けばいいかわからない。 312 00:20:43,008 --> 00:20:47,680 そもそも僕は 自分が生きてるか 死んでるかわからないんだ。 313 00:20:47,680 --> 00:20:51,016 では ここに戻ってくるのは 当然のこと。 314 00:20:51,016 --> 00:20:54,186 顔を取り戻しても ご自身の生死がわからなければ➡ 315 00:20:54,186 --> 00:20:56,188 行き先もわかりませんからね。 316 00:20:56,188 --> 00:21:00,793 なっ 支配人! ソイツは犯罪者よ! ここに泊めないで! 317 00:21:00,793 --> 00:21:04,296 僕は決して君たちに 危害を加えたりしないよ。 318 00:21:04,296 --> 00:21:08,968 そもそも 子どもはタイプじゃないし 地獄にも行きたくないしね。 319 00:21:08,968 --> 00:21:11,303 現世で接点もないのに➡ 320 00:21:11,303 --> 00:21:14,640 無意味に争う必要はないですよね 阿鳥さん。 321 00:21:14,640 --> 00:21:16,642 しかし…。 322 00:21:16,642 --> 00:21:20,312 当ホテルでは お客様による貴賤は ございません。 323 00:21:20,312 --> 00:21:24,650 それが善良な市民であろうと 殺人鬼であろうと。 324 00:21:24,650 --> 00:21:28,654 それがホテルのルールなら しかたないですね。 325 00:21:28,654 --> 00:21:31,490 一時休戦… ということにしましょう。 326 00:21:31,490 --> 00:21:33,492 わかってくれるかい? 327 00:21:33,492 --> 00:21:39,498 えぇ 少なくとも このホテルの中だけの話ですけどね。 328 00:21:41,500 --> 00:21:46,839 あぁもちろん。 このホテルの中での話だとも。 329 00:21:46,839 --> 00:21:51,844 では チェックインのお手続きを… あっ その前に一つご忠告を。 330 00:21:51,844 --> 00:21:55,347 このホテルに永遠にいられる 魂はございません。 331 00:21:55,347 --> 00:21:58,184 時が来たら消失してしまいます。 332 00:21:58,184 --> 00:22:00,953 皆様には 記憶を取り戻したら➡ 333 00:22:00,953 --> 00:22:04,456 速やかに出ていかれることを オススメします。 334 00:22:07,459 --> 00:22:10,763 顔は その人のアイデンティティーか。 335 00:22:14,466 --> 00:22:17,570 でも なんでパンジーだったんだろう。