1 00:00:07,508 --> 00:00:09,610 《ルリ:フーッ…》 2 00:00:12,346 --> 00:00:14,515 (音子)ふわぁ…。 3 00:00:14,515 --> 00:00:19,019 あっ おはようございます。 (ルリ)おはよう。 4 00:00:19,019 --> 00:00:21,688 《朝イチ ルリさん…。 5 00:00:21,688 --> 00:00:24,892 今日も爽やか… おん?》 6 00:00:26,860 --> 00:00:29,029 どわっ! あぁ。 7 00:00:29,029 --> 00:00:34,368 私 あのトラックにひかれたのよ。 えぇっ…。 8 00:00:34,368 --> 00:00:37,204 じゃあ 現世のルリさんは…。 9 00:00:37,204 --> 00:00:40,374 生きてるわよ。 でも植物状態。 10 00:00:40,374 --> 00:00:42,876 じゃあ いつでも現世に戻れますね。 11 00:00:42,876 --> 00:00:46,880 うん。 でも もっとお給料ためないと。 12 00:00:46,880 --> 00:00:49,883 さすが しっかりしてる… んっ? 13 00:00:49,883 --> 00:00:53,220 お給料って 現世に 持って帰れるんでしたっけ? 14 00:00:53,220 --> 00:00:57,891 アンタ まだそんなこと言ってんの。 ここのお給料はお金じゃない。 15 00:00:57,891 --> 00:01:00,327 「時間」で支払われるのよ。 16 00:01:00,327 --> 00:01:02,996 時間? あっ。 (ドアベル) 17 00:01:02,996 --> 00:01:06,500 あっ… お客様よ。 18 00:01:11,004 --> 00:01:13,607 メリケンサック…。 19 00:02:55,208 --> 00:02:58,712 (メリケン女)えっ? あの世とこの世の間!? 20 00:02:58,712 --> 00:03:03,483 普通 三途の川だろ! もしかしてアンタ鬼? その顔で!? 21 00:03:03,483 --> 00:03:05,652 ウケる! アハハハ…! 22 00:03:05,652 --> 00:03:08,655 鬼ねぇ アハハ。 テンション高っ。 23 00:03:13,660 --> 00:03:19,166 こちらが お客様の記憶をもとに ホテルが用意したお部屋です。 24 00:03:19,166 --> 00:03:23,003 早速 探索してみましょう。 私もお手伝いします。 25 00:03:23,003 --> 00:03:25,338 アンタやっといて。 えっ? 26 00:03:25,338 --> 00:03:28,341 アタシ 下のバーで とりあえず1杯やってくる。 27 00:03:32,012 --> 00:03:34,614 しかたない。 一人でもやるか。 28 00:03:39,186 --> 00:03:42,856 退職届… 宛先は➡ 29 00:03:42,856 --> 00:03:45,158 「スナックローゼ」? 30 00:03:48,528 --> 00:03:51,198 これってお客様の名前かなあ? 31 00:03:51,198 --> 00:03:53,200 ん~っ んっ? 32 00:03:58,538 --> 00:04:01,141 このボケてる女性がお客様かな? 33 00:04:01,141 --> 00:04:04,644 なんでこっちの男の人も ボケてるんだろうなぁ? 34 00:04:06,646 --> 00:04:09,483 んっ…。 35 00:04:09,483 --> 00:04:11,985 名簿だ。 36 00:04:11,985 --> 00:04:15,989 写真の人たちの連絡先? (大外)へぇ…。 37 00:04:15,989 --> 00:04:18,825 なっ! (大外)なんだか庶民的な部屋だね。 38 00:04:18,825 --> 00:04:21,161 フン…。 39 00:04:21,161 --> 00:04:23,830 んんっ…。 40 00:04:23,830 --> 00:04:26,333 (笑い声) 41 00:04:26,333 --> 00:04:29,836 (支配人)いや~ お客様は実に楽しい方ですね。 42 00:04:29,836 --> 00:04:33,340 ねぇ ママも一緒に飲もうよ。 (瑪瑙)結構ですわ。 43 00:04:33,340 --> 00:04:36,510 じゃ何か歌ってよ ママ。 あっ いいですね! 44 00:04:36,510 --> 00:04:38,512 私もママの歌 聞きたい! 45 00:04:38,512 --> 00:04:41,848 お酒は静かに楽しまれては? (メリケン女)えぇ~。 46 00:04:41,848 --> 00:04:45,552 (メリケン女)酒は騒いでナンボでしょ! (支配人)ですよね~。 47 00:04:47,521 --> 00:04:51,024 あ~ なんか腹減ったわ~。 (阿鳥)あっ。 48 00:04:51,024 --> 00:04:54,127 ねぇ レストランどこ? ご案内いたします。 49 00:04:58,365 --> 00:05:01,968 あの~ 勝手に入んないでくれますかね。 50 00:05:01,968 --> 00:05:05,305 いいじゃないか。 他の客の部屋を見ることで➡ 51 00:05:05,305 --> 00:05:08,308 僕が記憶を取り戻す きっかけになるかも。 52 00:05:08,308 --> 00:05:12,145 塚原さんが仕事をしてるのも そういう理由からだろ。 53 00:05:12,145 --> 00:05:15,815 それはそう… いや 納得するな私。 54 00:05:15,815 --> 00:05:17,817 ゴホン…。 55 00:05:17,817 --> 00:05:22,155 というか 仕事の邪魔を しないでいただきたいんですが。 56 00:05:22,155 --> 00:05:24,157 ハァ…。 57 00:05:24,157 --> 00:05:27,827 さっき 庶民的な部屋と言ったが 取り消すよ。 58 00:05:27,827 --> 00:05:30,497 どうもここは犯罪のにおいがする。 59 00:05:30,497 --> 00:05:34,834 はあ? いきなりなんですか 犯罪? 60 00:05:34,834 --> 00:05:37,170 君にもわかるはずだよ。 61 00:05:37,170 --> 00:05:39,339 認めたくないが➡ 62 00:05:39,339 --> 00:05:43,343 僕らは ものの考え方が 似ているようだからね。 63 00:05:43,343 --> 00:05:45,679 いったい なんの話だ? 64 00:05:45,679 --> 00:05:49,182 暇を持て余して 思考回路が狂ったのか? 65 00:05:52,185 --> 00:05:54,187 あっ。 66 00:05:56,856 --> 00:05:59,359 お客様! んっ? 67 00:05:59,359 --> 00:06:03,296 お部屋のことなんですが…。 音子ちゃん。 68 00:06:03,296 --> 00:06:05,632 今 食堂へご案内中だから。 69 00:06:05,632 --> 00:06:09,302 あっ すみません… では私が代わりに。 70 00:06:09,302 --> 00:06:12,606 もういいよ あそこでしょ。 自分で行くって。 71 00:06:16,810 --> 00:06:19,312 なんか あの調子なんですよ。 72 00:06:19,312 --> 00:06:22,315 まるで自分のことを 思い出したくないみたいな。 73 00:06:22,315 --> 00:06:25,819 そう まっ 積極的に声かけてみて。 74 00:06:25,819 --> 00:06:28,822 はい。 お客様~。 75 00:06:30,824 --> 00:06:34,160 はぁ~ うまかった~。 76 00:06:34,160 --> 00:06:36,496 お水 つぎますね。 77 00:06:36,496 --> 00:06:38,498 ねぇ シェフいる? 78 00:06:38,498 --> 00:06:41,334 お礼言わせてよ。 あっ はい 奥に。 79 00:06:41,334 --> 00:06:45,672 今 お呼びいたしま… へっ? 80 00:06:45,672 --> 00:06:49,342 (メリケン女)えっ アンタがシェフ? あっ はい…? 81 00:06:49,342 --> 00:06:52,345 いくつ? 14歳です。 82 00:06:52,345 --> 00:06:54,681 どこで料理覚えたの? 83 00:06:54,681 --> 00:07:00,954 あ… 現世でその… 本で…。 本? アンタ一人で? 84 00:07:00,954 --> 00:07:04,291 (ルリ)はい…。 親は… 何してんの? 85 00:07:04,291 --> 00:07:08,795 んっ… あの すみません やることがありますので。 86 00:07:08,795 --> 00:07:11,131 んっ。 87 00:07:11,131 --> 00:07:16,636 あの子 親で苦労してそうだね。 えっ なんですか? 88 00:07:16,636 --> 00:07:19,973 ふだんから なんでも自分でやるタイプだろ。 89 00:07:19,973 --> 00:07:22,142 親がだめだと 子どもは➡ 90 00:07:22,142 --> 00:07:24,644 自分がしっかりしなきゃと 頑張るもんなんだ。 91 00:07:24,644 --> 00:07:27,314 ははあ… なるほど。 92 00:07:27,314 --> 00:07:32,319 でも その反面 実はメチャクチャ ストレスもためてるんだ。 93 00:07:32,319 --> 00:07:36,489 どうして そう思うんですか? さあ…。 94 00:07:36,489 --> 00:07:40,660 なんとなく 昔のアタシに 似てる気がして。 95 00:07:40,660 --> 00:07:44,164 んっ… 何か思い出されましたか? 96 00:07:44,164 --> 00:07:46,666 いや 何も。 97 00:07:49,169 --> 00:07:51,671 ふわぁ~。 98 00:07:51,671 --> 00:07:54,507 昼寝してくるわ。 邪魔すんなよ。 99 00:07:54,507 --> 00:07:58,511 かしこまりました。 (ドアの開閉音) 100 00:07:58,511 --> 00:08:02,782 私 ルリさんのこと 何も知らないんですよね。 101 00:08:02,782 --> 00:08:07,620 現世で トラックにひかれたってことも 今朝 知ったばかりで。 102 00:08:07,620 --> 00:08:10,123 いくつか 聞いてることはあるけど…。 103 00:08:10,123 --> 00:08:13,626 俺がここに来たのは ルリさんのあとだから➡ 104 00:08:13,626 --> 00:08:17,630 支配人のほうが詳しいはずだよ 聞いてみたら? 105 00:08:17,630 --> 00:08:21,801 それが… さっきから 姿が見えないんですよ。 106 00:08:21,801 --> 00:08:23,803 あっ。 107 00:08:25,805 --> 00:08:28,308 あっ。 (いびき) 108 00:08:28,308 --> 00:08:30,643 起きてください 支配人。 (いびき) 109 00:08:30,643 --> 00:08:33,480 んっ? あぁ 塚原さん。 110 00:08:33,480 --> 00:08:36,649 いやぁ… 飲んだなぁ…。 111 00:08:36,649 --> 00:08:40,820 あっ でも 僕はただ お客様のご要望に従っただけで。 112 00:08:40,820 --> 00:08:42,822 支配人。 あっ? 113 00:08:42,822 --> 00:08:46,159 真面目な話をしていいですか? というと? 114 00:08:46,159 --> 00:08:51,331 その話は… 少し長くなるよ。 115 00:08:51,331 --> 00:08:54,167 回転木馬。 (2人)んっ? 116 00:08:54,167 --> 00:08:58,004 最初 そのお客様には てこずった。 117 00:08:58,004 --> 00:09:01,608 《いや! こっち来ないで!》 118 00:09:01,608 --> 00:09:04,110 (支配人)警戒心が強くてね。 119 00:09:09,282 --> 00:09:12,285 《友達なんて いない。 120 00:09:14,954 --> 00:09:18,958 お母さんがくれた。 たぶん パチンコの景品。 121 00:09:18,958 --> 00:09:20,960 (2人)あっ? (クラクション) 122 00:09:20,960 --> 00:09:22,962 あっ? (ブレーキ音) 123 00:09:22,962 --> 00:09:24,964 (衝突音) 124 00:09:29,302 --> 00:09:32,305 そうだ 私…。 125 00:09:34,641 --> 00:09:37,043 トラックにひかれて…。 126 00:09:41,147 --> 00:09:43,149 ルリ…。 127 00:09:43,149 --> 00:09:45,819 そう… 私は…。 128 00:09:45,819 --> 00:09:49,823 《あなたは私のプリンセスよ》 129 00:09:52,992 --> 00:09:55,662 んっ…。 130 00:09:55,662 --> 00:09:58,498 《わぁ~。 131 00:09:58,498 --> 00:10:02,001 ルリ~ こっち向いて笑って! 132 00:10:02,001 --> 00:10:04,170 エヘヘ。 133 00:10:04,170 --> 00:10:06,840 ウフフ。 《ルリ:どうしたの? お母さん。 134 00:10:06,840 --> 00:10:11,845 ずっと家にいなかったのに 突然 遊園地に行くなんて。 135 00:10:11,845 --> 00:10:14,013 どうしたの? お父さん。 136 00:10:14,013 --> 00:10:19,352 久しぶりに3人一緒なのに そんな悲しそうな顔をして》》 137 00:10:19,352 --> 00:10:22,021 その日を最後に➡ 138 00:10:22,021 --> 00:10:25,191 あの女は蒸発しました。 139 00:10:25,191 --> 00:10:30,697 ギャンブルで作った借金と 男が原因だと思います。 140 00:10:32,699 --> 00:10:35,368 《いってらっしゃい》 141 00:10:35,368 --> 00:10:41,207 お父さんは あの女の借金を 返すために必死で働いて。 142 00:10:41,207 --> 00:10:43,409 《んっ! 143 00:10:45,879 --> 00:10:48,181 あ… あぁ? 144 00:10:51,217 --> 00:10:53,219 あっ》 (話し声) 145 00:10:53,219 --> 00:10:56,723 同級生とは 距離を置いてました。 146 00:10:56,723 --> 00:11:01,661 だってうちは貧乏で スマホもテレビもなかったし。 147 00:11:01,661 --> 00:11:04,664 こんな姿 見られたくなくて…。 148 00:11:04,664 --> 00:11:06,666 《あっ。 (クラクション) 149 00:11:06,666 --> 00:11:09,669 あぁ…。 (ブレーキ音) 150 00:11:11,671 --> 00:11:14,073 あっ…》》 151 00:11:18,344 --> 00:11:24,851 (寝息) 152 00:11:24,851 --> 00:11:29,689 お母さんとの最後の思い出が 顔だったなんて…。 153 00:11:29,689 --> 00:11:34,694 私 何かできないでしょうか。 何ができるか…。 154 00:11:34,694 --> 00:11:39,699 一緒にアイドル活動…。 押しつけはだめだよ。 155 00:11:39,699 --> 00:11:42,702 ホント バカだったよな~。 156 00:11:42,702 --> 00:11:46,039 メリケンつけて イキがって。 157 00:11:46,039 --> 00:11:49,375 《クソ親のことで さんざん泣いてたオメエが➡ 158 00:11:49,375 --> 00:11:53,046 まさか親になるとはな~。 まぁな。 159 00:11:53,046 --> 00:11:57,050 旦那には逃げられちまったけどよ。 ハッハッハ。 160 00:11:57,050 --> 00:11:59,552 なぁ ところでよ…》 161 00:11:59,552 --> 00:12:02,155 ダチか…。 162 00:12:04,157 --> 00:12:08,061 もっと大事なものが あったような…。 163 00:12:11,164 --> 00:12:13,566 あっ いけない! 寝坊した! 164 00:12:16,002 --> 00:12:19,339 ハァ ハァ…。 (2人)んっ。 165 00:12:19,339 --> 00:12:22,175 あっ あぁ…。 166 00:12:22,175 --> 00:12:24,344 (ルリ)そこで何をしてるんですか…。 167 00:12:24,344 --> 00:12:27,847 チャーハン作ってるんだ。 はぁ!? 168 00:12:27,847 --> 00:12:31,684 ここは私の仕事場です 勝手なことしないでください! 169 00:12:31,684 --> 00:12:33,853 そうツンツンすんなよ。 170 00:12:33,853 --> 00:12:37,190 なんか無性に 料理作りたくなってさ。 171 00:12:37,190 --> 00:12:39,692 んっ… なんとかしてよ! 172 00:12:39,692 --> 00:12:42,362 アンタの担当でしょ! うぅ…。 173 00:12:42,362 --> 00:12:44,530 できたぜ。 174 00:12:44,530 --> 00:12:48,534 食べな おいしいって よく言われる。 175 00:12:48,534 --> 00:12:51,704 お客様 このチャーハン➡ 176 00:12:51,704 --> 00:12:54,374 誰のために作ったんですか? えっ? 177 00:12:54,374 --> 00:12:57,543 このチャーハン プチトマトが入っていますけど…。 178 00:12:57,543 --> 00:13:00,647 阿鳥先輩 普通 入れますかね? 179 00:13:00,647 --> 00:13:04,150 いや 入れない… かな。 ですよね。 180 00:13:04,150 --> 00:13:07,820 お客様 これは 誰かのために作っていた➡ 181 00:13:07,820 --> 00:13:09,822 特別なレシピではないですか? 182 00:13:09,822 --> 00:13:12,325 誰かのため…? 183 00:13:16,329 --> 00:13:21,000 そうだ… あの子はトマトが嫌いで…。 184 00:13:21,000 --> 00:13:23,336 でも焼くと食べられるから➡ 185 00:13:23,336 --> 00:13:27,006 チャーハンに入れたりして 工夫してたんだ。 186 00:13:27,006 --> 00:13:29,108 ゆい! 187 00:13:35,848 --> 00:13:37,850 あのチャーハンは➡ 188 00:13:37,850 --> 00:13:41,521 お子さんのために作っていた 特別なレシピだったんですね。 189 00:13:41,521 --> 00:13:44,691 ご自身のことは 思い出されましたか? 190 00:13:44,691 --> 00:13:47,694 私は…。 191 00:13:47,694 --> 00:13:52,031 武藤… あかり! 192 00:13:52,031 --> 00:13:59,372 ♬~ 193 00:13:59,372 --> 00:14:04,977 (あかり)ゆいは まだ6歳なんだ。 夜は うちにいてやりたい。 194 00:14:04,977 --> 00:14:07,814 だから水商売はやめた。 195 00:14:07,814 --> 00:14:13,820 アタシ… なんでこんな大事なこと 思い出そうとしなかったんだろ。 196 00:14:13,820 --> 00:14:17,156 う~ん…。 (大外)もしかして ここに来たのは➡ 197 00:14:17,156 --> 00:14:19,158 お子さんに関することじゃ ないですか? 198 00:14:19,158 --> 00:14:21,494 あっ! (あかり)えっ。 199 00:14:21,494 --> 00:14:23,496 ウッ…。 (大外)ああ すみません。 200 00:14:23,496 --> 00:14:26,499 少し話が 聞こえてしまったので つい。 201 00:14:26,499 --> 00:14:30,169 あの…。 子どもに関することって? 202 00:14:30,169 --> 00:14:33,172 (大外)よくある話じゃないですか。 203 00:14:33,172 --> 00:14:36,843 見たところ生活も 決して楽ではないようですし➡ 204 00:14:36,843 --> 00:14:38,845 例えば 子どもを➡ 205 00:14:38,845 --> 00:14:41,347 道連れに無理心中とか。 ちょっと! 206 00:14:41,347 --> 00:14:43,850 アタシは 子どもを手にかけたりしない! 207 00:14:43,850 --> 00:14:47,186 確かに 余裕のない生活だった。 208 00:14:47,186 --> 00:14:50,022 でも… 子どものことは ちゃんとやってた! 209 00:14:50,022 --> 00:14:52,024 ホントだ! 210 00:14:52,024 --> 00:14:54,026 この台所を見ればわかります。 211 00:14:54,026 --> 00:14:57,697 ちゃんとごはんを作って 生活しているってこと。 212 00:14:57,697 --> 00:14:59,699 地に足をつけて➡ 213 00:14:59,699 --> 00:15:02,468 しっかり暮らしている 母子家庭だと思う。 214 00:15:02,468 --> 00:15:05,304 もしかして ルリさんも ひとり親なのかな? 215 00:15:05,304 --> 00:15:07,306 んっ…。 気を悪くしないでくれ。 216 00:15:07,306 --> 00:15:10,143 ただの可能性の話だ。 217 00:15:10,143 --> 00:15:13,813 ハッ… えっ? (風の音) 218 00:15:13,813 --> 00:15:17,650 あっ。 風…? あっ。 (風の音) 219 00:15:17,650 --> 00:15:19,652 (風の音) 220 00:15:19,652 --> 00:15:21,988 新聞ですね。 221 00:15:21,988 --> 00:15:28,161 記事は… 痴漢が捕まったことと 高齢者への注意喚起コラム。 222 00:15:28,161 --> 00:15:32,665 武藤様には関係なさそうですが。 (2人)あっ…。 223 00:15:32,665 --> 00:15:36,002 ハァ…。 あの…。 224 00:15:36,002 --> 00:15:39,806 少し休憩されますか? そうする。 225 00:15:42,341 --> 00:15:48,181 ここは他のお客様のお部屋です 大外様もご退室いただけますか? 226 00:15:48,181 --> 00:15:50,183 ええ 失礼。 227 00:15:50,183 --> 00:15:52,852 阿鳥さんのお仕事を 邪魔するつもりはありませんよ。 228 00:15:52,852 --> 00:15:54,854 待ってください。 229 00:15:54,854 --> 00:15:58,191 大外さんの言ってた 犯罪のにおいって➡ 230 00:15:58,191 --> 00:16:01,127 無理心中のことだったんですか? いいや違う。 231 00:16:01,127 --> 00:16:06,132 もうだいたい わかってるんだろ。 僕も同じ考えだよ。 232 00:16:14,307 --> 00:16:17,810 勝手に厨房に立って 悪かったね。 233 00:16:17,810 --> 00:16:22,148 いえ 私こそすみません 事情も知らずに。 234 00:16:22,148 --> 00:16:25,651 やっぱりアンタも ひとり親で苦労してたか。 235 00:16:25,651 --> 00:16:28,988 まっ そういうのはわかるよな。 236 00:16:28,988 --> 00:16:33,593 なあ アンタのために ごはんを作ってくれる人 いる? 237 00:16:35,661 --> 00:16:38,497 あっ。 238 00:16:38,497 --> 00:16:42,501 アタシ アンタに作ってやりたい。 えっ…。 239 00:16:42,501 --> 00:16:45,004 あっ…。 240 00:16:45,004 --> 00:16:47,006 あっ…。 241 00:16:49,509 --> 00:16:51,510 あっ。 242 00:16:51,510 --> 00:16:56,515 お客様 少々わかったことが…。 243 00:16:58,518 --> 00:17:01,320 あのね 今から…。 いいよ。 何? 244 00:17:03,289 --> 00:17:08,127 あっ…。 お戻りいただけますか? お部屋まで。 245 00:17:08,127 --> 00:17:11,464 この名簿をご覧ください。 246 00:17:11,464 --> 00:17:14,300 私は最初 武藤様のご友人の➡ 247 00:17:14,300 --> 00:17:16,469 連絡先かと思ってたんですが➡ 248 00:17:16,469 --> 00:17:18,471 ある共通点に気付きました。 249 00:17:18,471 --> 00:17:20,973 住所は一軒家ばかりです。 250 00:17:20,973 --> 00:17:23,809 お名前には おばあちゃんや おじいちゃんに多い➡ 251 00:17:23,809 --> 00:17:25,811 古風な名前ばかり。 252 00:17:25,811 --> 00:17:27,813 つまりこれは➡ 253 00:17:27,813 --> 00:17:29,982 高齢者リストではないかと。 ハッ…。 254 00:17:29,982 --> 00:17:33,486 となると 気になるのが この新聞のコラムです。 255 00:17:33,486 --> 00:17:36,989 「詐欺に遭い 財産を失ったことを苦に➡ 256 00:17:36,989 --> 00:17:40,159 自殺する高齢者が一定数いる」。 257 00:17:40,159 --> 00:17:42,161 ハァッ…。 もしかして➡ 258 00:17:42,161 --> 00:17:44,664 武藤様は なんらかの詐欺犯罪に➡ 259 00:17:44,664 --> 00:17:46,666 関わっていたのでは ありませんか? 260 00:17:46,666 --> 00:17:50,169 あっ!? 知らない… そんなの知らないよ! 261 00:17:50,169 --> 00:17:53,839 この家計簿には ここ数か月の間に➡ 262 00:17:53,839 --> 00:17:56,509 大金が入ったことが 記されていますね。 263 00:17:56,509 --> 00:17:58,511 あ… あ…。 264 00:18:00,947 --> 00:18:02,949 おん? 265 00:18:02,949 --> 00:18:04,951 あっ…。 266 00:18:09,789 --> 00:18:11,791 んっ… と。 267 00:18:11,791 --> 00:18:15,795 1万円… それがこんなに。 268 00:18:15,795 --> 00:18:18,798 し… しかたなかったんだよ! 269 00:18:18,798 --> 00:18:22,301 この金は あの子のために必要だったんだ! 270 00:18:22,301 --> 00:18:29,141 1年前 仕事を始めたんだ… ダチに誘われて。 271 00:18:29,141 --> 00:18:33,312 《なあ ところでよ テレオペの仕事あんだけど。 272 00:18:33,312 --> 00:18:36,816 テレオペ? だるい。 店のほうが儲かる。 273 00:18:36,816 --> 00:18:39,986 いや それが結構 金になんだって。 274 00:18:39,986 --> 00:18:43,289 昼間の仕事だし 子どものためにもやってみろよ。 275 00:18:45,658 --> 00:18:49,829 (あかり)私 銀行取次業者の 佐藤と申します。 276 00:18:49,829 --> 00:18:53,100 お客様は 宝くじを 買われたことはございますか? 277 00:18:53,100 --> 00:18:57,503 実は宝くじには時効当選金が…。 278 00:18:57,503 --> 00:19:01,273 配当金をお配りするには 手数料が必要なんです。 279 00:19:01,273 --> 00:19:03,943 はい 担当者が直接ご自宅に…》 280 00:19:03,943 --> 00:19:07,446 《あかり:最初は ただ割のいい まっとうな仕事だと思ってた》 281 00:19:11,784 --> 00:19:15,121 《ゆい トマト もう食べられるね。 282 00:19:15,121 --> 00:19:18,791 (ゆい)うん! トマトのチャーハン大好き! 283 00:19:18,791 --> 00:19:22,128 📺このように 被害に遭われた方の中には➡ 284 00:19:22,128 --> 00:19:24,130 自ら命を絶つ方もいます。 285 00:19:24,130 --> 00:19:27,466 詐欺は決して 許されることではありません。 286 00:19:27,466 --> 00:19:31,137 ママー さぎって何? 287 00:19:31,137 --> 00:19:34,140 お風呂入れてくるね。 うん…》 288 00:19:34,140 --> 00:19:36,142 《あかり:うすうす 気付いてたんだ。 289 00:19:36,142 --> 00:19:38,344 自分が何をしてるかってことに》 290 00:19:44,650 --> 00:19:46,986 《テレオペ だっけ? 291 00:19:46,986 --> 00:19:52,158 深みにハマる前にやめなよ。 ハッ…。 292 00:19:52,158 --> 00:19:54,994 なんだよ 話って。 293 00:19:54,994 --> 00:19:58,998 ダチには ちゃんと筋を通して 辞めようと思って。 294 00:19:58,998 --> 00:20:02,668 はぁ? 辞める? (ドアを叩く音) 295 00:20:02,668 --> 00:20:05,671 御手洗さ~ん いますか? 296 00:20:05,671 --> 00:20:07,673 (ドアを叩く音) 297 00:20:07,673 --> 00:20:10,009 オラ 御手洗! 出てこい! 298 00:20:10,009 --> 00:20:12,344 おい 知り合いか? (ドアを叩く音) 299 00:20:12,344 --> 00:20:15,514 スジもんじゃねえのか。 ちげえ 警察だよ。 (ドアを叩く音) 300 00:20:15,514 --> 00:20:19,018 こんな時間に来るのなんざ! やっぱり…。 301 00:20:22,021 --> 00:20:24,190 お おい どうする気だよ。 302 00:20:24,190 --> 00:20:27,093 決まってんだろ! 逃げるんだよ! 303 00:20:30,362 --> 00:20:32,364 あっ! 304 00:20:32,364 --> 00:20:35,367 んっ… お前も来い! 305 00:20:35,367 --> 00:20:37,369 飛ぶんだ! 早く! 306 00:20:37,369 --> 00:20:39,371 無理だ 飛べねえよ! 307 00:20:39,371 --> 00:20:42,374 それに もうここで逃げたって しようがねえだろ! 308 00:20:42,374 --> 00:20:46,879 バカヤロウ オメエ ガキがいるんだろ! ソイツ一人残して 捕まる気か! 309 00:20:46,879 --> 00:20:50,082 ハッ…。 ⚟いたぞ! こっちだ! 310 00:20:52,051 --> 00:20:54,653 ヤベぇ! 俺は先に行くからな! 311 00:21:06,332 --> 00:21:08,834 グッ…。 312 00:21:08,834 --> 00:21:10,836 ああっ。 313 00:21:10,836 --> 00:21:13,172 グッ… あっ。 314 00:21:13,172 --> 00:21:15,174 (警察官たち)ああっ》 315 00:21:15,174 --> 00:21:17,176 (落ちる音) 316 00:21:25,351 --> 00:21:27,853 わっ…。 大丈夫ですか? 317 00:21:27,853 --> 00:21:32,858 なんてバカな… アタシ… 死んでる。 318 00:21:32,858 --> 00:21:36,028 あ… バカです! 大バカです! 319 00:21:36,028 --> 00:21:39,031 たった一人の親も亡くして…。 320 00:21:39,031 --> 00:21:41,534 子どもは どうすればいいんですか!? 321 00:21:48,541 --> 00:21:51,544 きっと 元旦那が引き取る。 322 00:21:51,544 --> 00:21:56,715 ほら ここ。 ずっと ゆいを引き取りたいって。 323 00:21:56,715 --> 00:22:02,321 いい人なんだ。 アタシとは合わなかっただけでさ。 324 00:22:02,321 --> 00:22:06,992 一人で育てるって突っぱねて。 325 00:22:06,992 --> 00:22:09,995 バカなプライドだった…。 326 00:22:09,995 --> 00:22:15,501 ゆい ごめんね… もう何もしてやれない。 327 00:22:19,004 --> 00:22:22,808 アンタにも… ごはん 作ってやれなくて ごめん。 328 00:22:29,014 --> 00:22:31,684 あっ。 329 00:22:31,684 --> 00:22:34,019 忘れんなよ…。 330 00:22:34,019 --> 00:22:36,021 アンタはまだ…。 331 00:22:36,021 --> 00:22:38,023 あっ… うぅ。 332 00:22:38,023 --> 00:22:42,027 そんな人…。 いるだろ。 333 00:22:46,532 --> 00:22:50,035 (支配人)お客様 チェックアウトです。 334 00:22:56,208 --> 00:22:58,210 あっ。 (ドアの開く音) 335 00:23:01,313 --> 00:23:03,482 (ルリ)その格好は…。 336 00:23:03,482 --> 00:23:07,486 ごはんを作ってあげたくてね。 ルリさんのために。 337 00:23:07,486 --> 00:23:09,488 はあ!? 338 00:23:11,824 --> 00:23:13,826 お待たせしました。 339 00:23:13,826 --> 00:23:15,828 あっ。 340 00:23:19,331 --> 00:23:23,002 あっ… どうぞお召し上がりください。 341 00:23:23,002 --> 00:23:25,004 あっ。 342 00:23:25,004 --> 00:23:27,006 フッ…。 フフッ。 343 00:23:27,006 --> 00:23:30,509 《あかり:忘れんなよ アンタは まだ子ども。 344 00:23:30,509 --> 00:23:33,812 甘えられる相手がいたら 素直に甘えとけ》 345 00:23:35,848 --> 00:23:38,017 (ルリ)いただきます…。 346 00:23:38,017 --> 00:23:41,620 ハァ… フゥーッ。 347 00:23:46,025 --> 00:23:49,028 (ルリ)おいしい…。