1 00:02:09,363 --> 00:02:11,365 (阿鳥)んっ? 2 00:02:13,700 --> 00:02:16,203 (ルリ)んっ…。 3 00:02:16,203 --> 00:02:18,205 (音子)エヘヘ~。 4 00:02:18,205 --> 00:02:20,207 ボーッとして どうしたの? あっ。 5 00:02:20,207 --> 00:02:26,213 あ… ルリさんって働き者ですよね。 仕事が好きなんだろうね。 6 00:02:26,213 --> 00:02:29,816 お給料のためっていうのも あるだろうけど。 フゥ… あっ。 7 00:02:29,816 --> 00:02:33,820 お給料って どうなってるんですか? 8 00:02:33,820 --> 00:02:36,323 支配人に聞いてみたら? 9 00:02:36,323 --> 00:02:41,328 でも その前に 一人前の仕事が できるようにならないとね。 10 00:02:41,328 --> 00:02:43,330 フム…。 11 00:02:43,330 --> 00:02:46,333 支配人! (支配人)塚原さん。 12 00:02:46,333 --> 00:02:50,003 ちょうどよかった。 新しいお客様のようですよ。 13 00:02:50,003 --> 00:02:54,174 今日は私一人で ご案内します。 えっ いいの!? 14 00:02:54,174 --> 00:02:57,511 じゃ頼んだよ! ビ~ル ビ~ル! 15 00:02:57,511 --> 00:03:00,347 ハァ… あっ。 16 00:03:00,347 --> 00:03:02,349 (ドアベル) 17 00:03:02,349 --> 00:03:04,351 あっ。 18 00:03:08,855 --> 00:03:11,525 パンジー頭… あっ。 19 00:03:11,525 --> 00:03:14,528 ここは? ようこそ 黄昏ホテルへ。 20 00:03:14,528 --> 00:03:16,530 黄昏ホテル? 21 00:03:16,530 --> 00:03:21,368 ここは あの世とこの世の 狭間に存在するホテルでございます。 22 00:03:21,368 --> 00:03:23,370 フム…。 23 00:03:23,370 --> 00:03:27,307 つまり臨死体験ってことか。 24 00:03:27,307 --> 00:03:31,978 おもしろい。 三途の川ではなく まさかホテルだとはね。 25 00:03:31,978 --> 00:03:36,316 ここから どこへ行けるんだい。 現世か死後の世界です。 26 00:03:36,316 --> 00:03:39,119 現世か死後…。 あっ…! 27 00:03:41,154 --> 00:03:43,156 あ… んっ! 28 00:03:43,156 --> 00:03:46,493 《一人でしっかり ご案内してますよ》 29 00:03:46,493 --> 00:03:51,998 お客様はこちら 2階のお部屋になりまして…。 30 00:03:54,501 --> 00:03:57,838 ハッ… たそ… かれ…。 31 00:03:57,838 --> 00:04:00,006 ウウッ… んっ! 32 00:04:00,006 --> 00:04:05,011 たそかれ? あぁ たしか 黄昏の語源になった言葉だね。 33 00:04:05,011 --> 00:04:08,348 えっ? 「あなたは誰ですか」 って意味だよね。 34 00:04:08,348 --> 00:04:11,852 黄昏時って 相手の顔が見えづらいから。 35 00:04:11,852 --> 00:04:16,056 はい… いろいろ見間違えますね。 36 00:04:18,024 --> 00:04:21,194 こちらが お客様のお部屋でございます。 37 00:04:21,194 --> 00:04:23,196 いい部屋じゃないか。 38 00:04:23,196 --> 00:04:25,866 客室はすべて お客様ごとに違っていて> 39 00:04:25,866 --> 00:04:29,970 お客様の記憶にまつわる ものによって形成されています。 40 00:04:29,970 --> 00:04:32,139 僕の記憶? はい。 41 00:04:32,139 --> 00:04:34,641 この部屋にある物を 調べていくうちに> 42 00:04:34,641 --> 00:04:37,477 ご自身の記憶を取り戻せるかと。 43 00:04:37,477 --> 00:04:41,815 なるほど。 しかし 何から調べればいいのか…。 44 00:04:41,815 --> 00:04:45,152 でしたら 私も お手伝いさせていただきます。 45 00:04:45,152 --> 00:04:47,654 じゃあ よろしく頼むよ。 46 00:04:52,492 --> 00:04:55,996 う~ん… ハァ…。 47 00:04:55,996 --> 00:04:57,998 あっ。 48 00:04:59,100 --> 00:05:02,002 家族の写真? 49 00:05:04,004 --> 00:05:06,006 あっ。 50 00:05:08,008 --> 00:05:10,177 何かあったかい? 51 00:05:10,177 --> 00:05:12,179 あっ! 52 00:05:17,517 --> 00:05:20,520 あっ! ウゥ…。 53 00:05:20,520 --> 00:05:26,026 あぁ そんなに警戒しないで。 僕も今 いろいろ思い出したよ。 54 00:05:26,026 --> 00:05:29,462 これは被害者リストだ。 被害者リスト? 55 00:05:29,462 --> 00:05:31,631 通り魔の被害者だよ。 56 00:05:31,631 --> 00:05:34,968 通り魔…。 57 00:05:34,968 --> 00:05:39,139 どうして それをお客様が? もちろん犯人じゃないよ。 58 00:05:39,139 --> 00:05:43,810 実は… 僕は 通り魔や暴行専門の探偵なんだ。 59 00:05:43,810 --> 00:05:47,614 探偵? ほら そこに それらしき物が。 60 00:05:50,650 --> 00:05:54,654 証明にならないか… そうだ。 61 00:05:59,659 --> 00:06:01,661 よかった~。 62 00:06:01,661 --> 00:06:05,165 昔 しおり代わりに名刺を 使っていたことがあったから。 63 00:06:05,165 --> 00:06:09,836 「大外探偵事務所 大外」…。 64 00:06:09,836 --> 00:06:12,672 聖生だ。 65 00:06:12,672 --> 00:06:25,185 /~ 66 00:06:25,185 --> 00:06:29,289 僕は大外聖生。 よろしく。 67 00:06:29,289 --> 00:06:31,291 おぉ~! 68 00:06:31,291 --> 00:06:33,293 探偵さんだったんですね。 69 00:06:33,293 --> 00:06:37,597 失礼しました。 私は従業員の塚原音子です。 70 00:06:40,967 --> 00:06:43,136 少し休憩しようか。 71 00:06:43,136 --> 00:06:48,041 食堂はあるかな? あっ はい ご案内します。 72 00:06:53,980 --> 00:06:56,816 通り魔は年々増えていてね。 73 00:06:56,816 --> 00:07:02,989 正直 警察だけでは解決できない。 おかげで大忙しだよ。 74 00:07:02,989 --> 00:07:07,160 犯人たちは なぜこんなことを。 いろいろだよ。 75 00:07:07,160 --> 00:07:10,830 暴力 快楽 征服欲…。 76 00:07:10,830 --> 00:07:14,334 使命感や万能感を 得たいタイプもいる。 77 00:07:14,334 --> 00:07:16,636 そうですか…。 78 00:07:20,840 --> 00:07:22,842 (2人)あっ。 79 00:07:22,842 --> 00:07:25,679 いらっしゃいませ。 80 00:07:25,679 --> 00:07:29,783 お客様が お飲み物をご希望です。 81 00:07:29,783 --> 00:07:33,586 コーヒーを。 かしこまりました。 82 00:07:38,792 --> 00:07:43,463 もしかして 現世のご家族のことが 気になっているんですか? 83 00:07:43,463 --> 00:07:46,633 えっ? あっ 違ってたらすみません。 84 00:07:46,633 --> 00:07:49,969 さっき お部屋に 写真が飾ってあったので。 85 00:07:49,969 --> 00:07:53,640 僕の幼いころのだ。 両親は医者でね。 86 00:07:53,640 --> 00:07:57,477 世界でもトップクラスの 優秀な外科医なんだ。 87 00:07:57,477 --> 00:07:59,479 へぇ すごいですね。 88 00:07:59,479 --> 00:08:02,482 当然 僕にも医者になることを 望んでいたけど…。 89 00:08:02,482 --> 00:08:07,487 探偵になったんですね。 親不孝者だよね。 90 00:08:07,487 --> 00:08:12,325 まぁ 同じ医者を目指したところで 両親にはかなわないからね。 91 00:08:12,325 --> 00:08:15,662 医者なんて 医者になる前から忙しいし> 92 00:08:15,662 --> 00:08:22,168 学生生活は すべて勉強漬け。 僕はそんなのごめんだよ。 93 00:08:22,168 --> 00:08:27,607 あぁ よく聞きますよね 医学部ってメチャクチャ忙しいって。 94 00:08:27,607 --> 00:08:30,610 お待たせいたしました。 95 00:08:30,610 --> 00:08:32,612 ごゆっくりどうぞ。 96 00:08:35,281 --> 00:08:38,118 彼 スタイルがいいね。 97 00:08:38,118 --> 00:08:41,621 阿鳥先輩ですか? 私もそう思います。 98 00:08:41,621 --> 00:08:45,458 阿鳥さんか…。 99 00:08:45,458 --> 00:08:47,761 羨ましいなぁ。 100 00:08:49,796 --> 00:08:53,466 (瑪瑙)音子ちゃん。 おっ? (鼻歌) 101 00:08:53,466 --> 00:08:56,302 (瑪瑙)お客様のお相手は もういいの? 102 00:08:56,302 --> 00:09:00,306 お疲れのようで 少しお休みになるそうです。 103 00:09:00,306 --> 00:09:02,308 そう… あっ。 104 00:09:02,308 --> 00:09:05,311 じゃあ ちょっと 仕事をお願いできるかしら。 105 00:09:05,311 --> 00:09:07,313 なんでしょう! 106 00:09:07,313 --> 00:09:10,650 さっ どうぞ。 107 00:09:10,650 --> 00:09:14,053 おぉ これが阿鳥先輩の部屋。 108 00:09:17,157 --> 00:09:19,826 音楽が好きなんですね。 109 00:09:19,826 --> 00:09:23,163 これはいわゆる 音楽オタクというやつでは…。 110 00:09:23,163 --> 00:09:26,166 あぁ それについては すぐに思い出したよ。 111 00:09:26,166 --> 00:09:28,935 他は さっぱりだけどね。 112 00:09:28,935 --> 00:09:31,771 で 瑪瑙さんは どんなレコードがいいって? 113 00:09:31,771 --> 00:09:34,941 バーの雰囲気に合うものなら なんでもと。 114 00:09:34,941 --> 00:09:37,777 う~ん… そうだなぁ…。 115 00:09:37,777 --> 00:09:40,947 いいですねぇ 選べるほどたくさんあって。 116 00:09:40,947 --> 00:09:44,451 私の部屋なんて 娯楽要素まったくなし。 117 00:09:44,451 --> 00:09:47,620 もう サンキューのチケット半券を見ながら> 118 00:09:47,620 --> 00:09:49,956 妄想ライブするしかない! 119 00:09:49,956 --> 00:09:52,125 神セトリに激萌えのトークコーナー。 120 00:09:52,125 --> 00:09:54,127 かわいい最高 たまらないが溢れてて> 121 00:09:54,127 --> 00:09:57,964 あぁ~ これを永遠に 浴びていたいと エヘヘ…。 122 00:09:57,964 --> 00:10:00,467 まだ決められないんですか? 123 00:10:00,467 --> 00:10:05,138 この辺りは すべてオススメだから 逆に選べないんだよ。 124 00:10:05,138 --> 00:10:09,642 オタクあるあるですね。 もう私が適当に決めます。 125 00:10:09,642 --> 00:10:11,644 う~ん…。 126 00:10:11,644 --> 00:10:13,646 これ! あっ! 127 00:10:13,646 --> 00:10:16,316 阿鳥先輩? あぁ…。 128 00:10:16,316 --> 00:10:18,318 じゃあ これを。 129 00:10:18,318 --> 00:10:21,821 はい。 あ~ というか> 130 00:10:21,821 --> 00:10:24,324 窓の外が黄昏じゃないんですね。 131 00:10:24,324 --> 00:10:27,327 実は 俺の部屋だけ ずっと夜なんだよ。 132 00:10:27,327 --> 00:10:30,163 ここに来て3日目ぐらいからかな。 133 00:10:30,163 --> 00:10:33,166 なんで夜なんですか? さあ。 134 00:10:37,003 --> 00:10:39,005 んっ? (踏切の警報音) 135 00:10:39,005 --> 00:10:44,344 (踏切の警報音) 136 00:10:44,344 --> 00:10:47,180 電車だ。 電車が走ってる。 (踏切の警報音) 137 00:10:47,180 --> 00:10:49,182 うおぉ! (踏切の警報音) 138 00:10:49,182 --> 00:10:51,518 鉄オタ…。 たぶん違う。 (踏切の警報音) 139 00:10:51,518 --> 00:10:53,520 特に電車が好きってことはない。 (踏切の警報音) 140 00:10:53,520 --> 00:10:55,688 何か他に覚えていることは? (踏切の警報音) 141 00:10:55,688 --> 00:10:59,692 朝 家を出たところまでは覚えて いるんだけど。 (踏切の警報音) 142 00:10:59,692 --> 00:11:02,028 電車に乗ったかどうかも わからない。 (踏切の警報音) 143 00:11:02,028 --> 00:11:04,197 そうですか…。 (踏切の警報音) 144 00:11:04,197 --> 00:11:06,199 (踏切の警報音) 145 00:11:06,199 --> 00:11:08,201 /(レコード) 146 00:11:08,201 --> 00:11:11,704 いいわね。 阿鳥くんにお礼しなくちゃ。 147 00:11:11,704 --> 00:11:13,706 瑪瑙さん。 んっ? 148 00:11:13,706 --> 00:11:18,711 自分のことを思い出すって… 結構 難しいですね。 149 00:11:18,711 --> 00:11:21,381 まぁ焦らないことよ。 150 00:11:21,381 --> 00:11:26,219 そうだ 音子ちゃんにも 何かお礼をあげたいわ。 あっ? 151 00:11:26,219 --> 00:11:28,221 ちょっとついてきて。 152 00:11:30,323 --> 00:11:33,826 好きなものをどうぞ。 と言われても…。 153 00:11:33,826 --> 00:11:36,996 遠慮はいらないわ。 さっ どうぞ。 154 00:11:36,996 --> 00:11:40,166 あっ!? あら…。 155 00:11:40,166 --> 00:11:42,168 あっ。 156 00:11:46,506 --> 00:11:49,175 気に入ったなら それをあげるわ。 157 00:11:49,175 --> 00:11:52,845 いいんですか? ありがとうございます! 158 00:11:52,845 --> 00:11:55,014 ヘヘヘ~。 159 00:11:55,014 --> 00:11:58,685 さて 大外様はどうしたかな。 160 00:11:58,685 --> 00:12:00,687 あっ! 161 00:12:03,356 --> 00:12:08,027 驚いたよ。 起きたらなんだか 部屋の中が少し変わってて。 162 00:12:08,027 --> 00:12:10,196 すみません。 163 00:12:10,196 --> 00:12:13,032 お伝えするのを忘れてました。 164 00:12:13,032 --> 00:12:16,536 実は お客様が 記憶を取り戻しやすいように> 165 00:12:16,536 --> 00:12:19,872 ホテルが部屋の中を変えることが 時々あるんです。 166 00:12:19,872 --> 00:12:21,874 そういうことか。 167 00:12:21,874 --> 00:12:24,377 じゃあ また手伝って。 はい。 168 00:12:26,546 --> 00:12:29,315 う~ん… はぁ~。 169 00:12:29,315 --> 00:12:31,317 あっ。 170 00:12:33,820 --> 00:12:36,656 学生証と成績表…。 171 00:12:36,656 --> 00:12:39,158 今年のだ。 172 00:12:39,158 --> 00:12:42,495 あっ? それは…? 173 00:12:42,495 --> 00:12:46,299 クローゼットから出てきた。 なぜか濡れてる。 174 00:12:49,502 --> 00:12:52,505 あっ これも濡れてる…。 175 00:12:55,842 --> 00:12:57,844 あっ! 176 00:13:01,347 --> 00:13:03,349 あっ…。 177 00:13:03,349 --> 00:13:05,685 うわわっ! 驚かせてすまない。 178 00:13:05,685 --> 00:13:09,355 それは彼女だよ。 あの日はたしか…。 179 00:13:09,355 --> 00:13:12,025 デートをする日で…。 180 00:13:12,025 --> 00:13:15,862 雨が…。 そう 雨が降っていた。 181 00:13:15,862 --> 00:13:19,866 そうだ この服は あの日 僕が着ていたものだ。 182 00:13:24,704 --> 00:13:27,640 大外様 ここにパンジーがあります。 183 00:13:27,640 --> 00:13:30,309 パンジー? 184 00:13:30,309 --> 00:13:32,312 うわっ! 185 00:13:35,314 --> 00:13:37,317 あっ ああっ! 186 00:13:37,317 --> 00:13:39,318 大外様!? 187 00:13:39,318 --> 00:13:41,321 あっ…。 188 00:13:44,657 --> 00:13:46,826 うおぉ… どっ どうしよう! 189 00:13:46,826 --> 00:13:50,129 誰か! 誰か来てください! 190 00:13:56,502 --> 00:13:58,604 んっ… あっ…。 191 00:14:00,673 --> 00:14:02,675 大外様 大丈夫ですか? 192 00:14:02,675 --> 00:14:05,345 ご安心ください。 腹部の出血は> 193 00:14:05,345 --> 00:14:08,014 現世での記憶が 再現されたものです。 194 00:14:08,014 --> 00:14:10,850 当ホテルでケガをされたわけでは ございません。 195 00:14:10,850 --> 00:14:15,021 記憶の再現… なるほど。 196 00:14:15,021 --> 00:14:39,645 /~ 197 00:14:41,647 --> 00:14:44,650 お茶をどうぞ。 落ち着きますよ。 198 00:14:44,650 --> 00:14:48,988 大外様… 黄昏の語源の話をしましたよね。 199 00:14:48,988 --> 00:14:52,825 たそかれ あなたは誰ですか と…。 200 00:14:52,825 --> 00:14:57,663 私 大外様が誰なのか なんとなくわかりました。 201 00:14:57,663 --> 00:15:00,833 ほう… 僕が誰だかわかったと。 202 00:15:00,833 --> 00:15:04,504 はい。 かまわないよ。 話して。 203 00:15:04,504 --> 00:15:08,508 あの… もしかして なんですけど。 204 00:15:08,508 --> 00:15:12,011 大外様って 犯罪者じゃないですか? 205 00:15:12,011 --> 00:15:14,680 犯罪者? 僕が? 206 00:15:14,680 --> 00:15:16,849 何言ってるのよ アンタ。 207 00:15:16,849 --> 00:15:20,686 お客様 塚原は 少々疲れているようで…。 208 00:15:20,686 --> 00:15:25,024 これから塚原さんの推理ショーが 始まるみたいですよ。 209 00:15:25,024 --> 00:15:27,460 みんなで楽しもうじゃないですか。 210 00:15:27,460 --> 00:15:30,797 では 大外様の お部屋の記憶をもとに> 211 00:15:30,797 --> 00:15:33,299 話をさせてください。 212 00:15:33,299 --> 00:15:35,301 (雷鳴) 213 00:15:37,303 --> 00:15:39,972 大外様は私に 3つウソをついています。 214 00:15:39,972 --> 00:15:42,475 ほう… 一つ目は? 215 00:15:42,475 --> 00:15:44,977 大外様は探偵ではありません。 216 00:15:44,977 --> 00:15:48,981 名刺を見せたじゃないか。 これだけでは証明になりません。 217 00:15:48,981 --> 00:15:52,819 私だって ライブ会場で会って 意気投合した子に> 218 00:15:52,819 --> 00:15:55,021 お手製名刺ぐらい渡してますよ。 219 00:15:56,989 --> 00:16:00,993 疑いを持つきっかけは この部屋で これを見つけたからです。 220 00:16:00,993 --> 00:16:04,831 大外様の大学の成績表です。 221 00:16:04,831 --> 00:16:07,667 学生と探偵を兼ねているんだよ。 222 00:16:07,667 --> 00:16:12,004 履修科目のすべてがS… 優秀だ。 223 00:16:12,004 --> 00:16:16,676 この成績で学生と探偵を 兼ねることは可能ですか? 224 00:16:16,676 --> 00:16:20,179 無理だね。 医学部の5年生って書いてある。 225 00:16:20,179 --> 00:16:22,181 そう そこです。 226 00:16:22,181 --> 00:16:25,685 医者は医者になる前から忙しいと 大外様はおっしゃいました。 227 00:16:25,685 --> 00:16:27,954 医学部の5年生って> 228 00:16:27,954 --> 00:16:30,122 それこそ クソ忙しいんじゃないですか? 229 00:16:30,122 --> 00:16:33,292 そのとおりだ。 名刺は小学生のころ> 230 00:16:33,292 --> 00:16:36,462 父が僕に お遊びで作ってくれたものだよ。 231 00:16:36,462 --> 00:16:40,566 そう 僕は探偵じゃない。 続けて。 232 00:16:42,635 --> 00:16:46,138 2つ目のウソは 被害者リストです。 233 00:16:46,138 --> 00:16:48,641 探偵でも警察でもないあなたが> 234 00:16:48,641 --> 00:16:50,977 なぜ こんな写真を 持っているのか。 235 00:16:50,977 --> 00:16:53,312 それは犯人だからです。 236 00:16:53,312 --> 00:16:56,983 これは記念写真というか… 戦果ですよね。 237 00:16:56,983 --> 00:16:58,985 3つ目のウソは…。 238 00:17:01,153 --> 00:17:03,656 この写真の女性。 239 00:17:03,656 --> 00:17:08,327 この方は大外様の恋人ではなく ターゲットだと思います。 240 00:17:08,327 --> 00:17:12,331 たぶん この女性を 襲いにいく途中で事故に遭った。 241 00:17:12,331 --> 00:17:15,167 証拠は? ないです! 242 00:17:15,167 --> 00:17:19,338 記念写真の女性たちと この写真の女性の雰囲気が> 243 00:17:19,338 --> 00:17:23,509 似てるってことぐらいですかね。 なるほど…。 244 00:17:23,509 --> 00:17:29,115 かっこいいなぁ塚原さん まるで ミステリー小説の探偵だ。 245 00:17:29,115 --> 00:17:32,285 ククッ…。 246 00:17:32,285 --> 00:17:37,290 でもね。 好奇心は猫を殺すよ。 247 00:17:37,290 --> 00:17:39,292 (雷鳴) 248 00:17:39,292 --> 00:17:41,627 ああっ… あっ。 ヒッ! 249 00:17:41,627 --> 00:17:44,630 (2人)あっ! ウゥ…。 250 00:17:44,630 --> 00:17:47,967 さっき部屋の探索中に これを見つけたんだ。 251 00:17:47,967 --> 00:17:50,636 ベッドに隠しておいて正解だったよ。 252 00:17:50,636 --> 00:17:54,640 助けて…。 全部 正解だよ 名探偵さん。 253 00:17:54,640 --> 00:17:58,978 だが君のせいで 君たち全員 死ぬことになった。 あっ。 254 00:17:58,978 --> 00:18:02,315 現世に戻ったら 警察に通報するだろう? 255 00:18:02,315 --> 00:18:04,650 そんなことはさせない。 ウゥ…。 256 00:18:04,650 --> 00:18:07,820 ルリさん まずは君からだ。 あっ…。 257 00:18:07,820 --> 00:18:10,156 ヒッ…! 258 00:18:10,156 --> 00:18:12,825 地獄です! 259 00:18:12,825 --> 00:18:15,828 このホテルで人を殺せば 地獄へ行くそうです! 260 00:18:15,828 --> 00:18:18,331 現世には戻れません。 261 00:18:18,331 --> 00:18:20,499 地獄? 262 00:18:20,499 --> 00:18:24,337 ここを出たあとに 行く先は現世か死後…。 263 00:18:24,337 --> 00:18:27,106 それに地獄もあるんですか? 264 00:18:27,106 --> 00:18:30,509 詳しい話は 支配人から聞いてください。 265 00:18:33,946 --> 00:18:36,282 (雷鳴) 266 00:18:36,282 --> 00:18:39,452 ウッ! ああっ! 267 00:18:39,452 --> 00:18:41,454 すみません! 268 00:18:44,623 --> 00:18:47,460 クッ…。 269 00:18:47,460 --> 00:18:50,630 ルリさん 大丈夫ですか? わ~ん! 270 00:18:50,630 --> 00:18:52,631 (泣き声) 271 00:18:52,631 --> 00:18:54,967 さて どうするか。 272 00:18:54,967 --> 00:18:58,804 とりあえず 大外様… 「様」はもういいか。 273 00:18:58,804 --> 00:19:01,140 大外さんを どこかに閉じ込めて> 274 00:19:01,140 --> 00:19:04,810 彼よりも先に現世に戻って 警察に通報を…。 275 00:19:04,810 --> 00:19:06,979 それはできないよ~ん! 276 00:19:06,979 --> 00:19:08,981 支配人? 277 00:19:08,981 --> 00:19:11,484 皆さんが現世に戻ったら ここでの記憶は> 278 00:19:11,484 --> 00:19:14,320 きれいさっぱり 忘れてしまいます。 えっ? 279 00:19:14,320 --> 00:19:16,822 あっ…。 えっ…。 280 00:19:16,822 --> 00:19:19,325 だって 現世にいたとき> 281 00:19:19,325 --> 00:19:22,495 このホテルについてのうわさを 聞いたことがありますか? 282 00:19:22,495 --> 00:19:25,831 ないでしょう? では現世に戻ったら> 283 00:19:25,831 --> 00:19:29,769 僕たちは全員 知らない人同士に なるということですか。 284 00:19:29,769 --> 00:19:34,073 さぁ阿鳥くん お客様を解放して差し上げなさい。 285 00:19:36,108 --> 00:19:38,444 フフッ…。 何がおかしいんですか。 286 00:19:38,444 --> 00:19:42,782 失礼。 君たち従業員でも ホテルのルールについて> 287 00:19:42,782 --> 00:19:45,985 知らないことがあるんだなと 思いましてね。 フッ。 288 00:19:48,454 --> 00:19:52,792 支配人。 地獄は 本当にあるんですか? はい。 289 00:19:52,792 --> 00:19:57,963 発狂することすら許されない 永遠の苦痛と聞いております。 290 00:19:57,963 --> 00:20:01,467 死が一瞬ではなく永遠に続くと…。 291 00:20:01,467 --> 00:20:04,136 それは遠慮しておきたいですね。 292 00:20:04,136 --> 00:20:08,974 大外さん 今すぐ ここから出ていってください。 293 00:20:08,974 --> 00:20:13,479 ここは生死のわからない人が たどりつくホテルですから。 294 00:20:13,479 --> 00:20:17,149 名残惜しいが… お別れだ。 295 00:20:17,149 --> 00:20:20,486 (支配人)お客様 チェックアウトです! 296 00:20:20,486 --> 00:20:22,488 はぁ…。 297 00:20:22,488 --> 00:20:25,825 音子ちゃん よく見抜いたね すごいよ。 298 00:20:25,825 --> 00:20:29,495 お疲れさま。 あ… あの。 あっ? 299 00:20:29,495 --> 00:20:32,164 さ さっきは その…。 300 00:20:32,164 --> 00:20:34,667 ありがとう。 一応 言っとく。 301 00:20:34,667 --> 00:20:36,669 おぉっ! 302 00:20:36,669 --> 00:20:40,506 でも 別にアンタに助けてもらって うれしいとか そんなことは…。 303 00:20:40,506 --> 00:20:42,508 だいたい もとはといえば> 304 00:20:42,508 --> 00:20:45,511 アンタが探偵気取って 推理なんて始めるから! 305 00:20:48,013 --> 00:20:50,116 フム…。 306 00:20:52,685 --> 00:20:56,522 さぁ そろそろ仕事に戻らないと。 307 00:20:56,522 --> 00:20:58,858 (ドアベル) 308 00:20:58,858 --> 00:21:01,193 (ルリ/音子)あっ? 309 00:21:01,193 --> 00:21:03,696 大外さん!? あっ…! 310 00:21:03,696 --> 00:21:06,031 お帰りなさいませ。 えっ…。 311 00:21:06,031 --> 00:21:10,035 どうして戻ってきたんですか? どこへ行けばいいかわからない。 312 00:21:10,035 --> 00:21:14,707 そもそも僕は 自分が生きてるか 死んでるかわからないんだ。 313 00:21:14,707 --> 00:21:18,043 では ここに戻ってくるのは 当然のこと。 314 00:21:18,043 --> 00:21:21,213 顔を取り戻しても ご自身の生死がわからなければ> 315 00:21:21,213 --> 00:21:23,215 行き先もわかりませんからね。 316 00:21:23,215 --> 00:21:27,820 なっ 支配人! ソイツは犯罪者よ! ここに泊めないで! 317 00:21:27,820 --> 00:21:31,323 僕は決して君たちに 危害を加えたりしないよ。 318 00:21:31,323 --> 00:21:35,995 そもそも 子どもはタイプじゃないし 地獄にも行きたくないしね。 319 00:21:35,995 --> 00:21:38,330 現世で接点もないのに> 320 00:21:38,330 --> 00:21:41,667 無意味に争う必要はないですよね 阿鳥さん。 321 00:21:41,667 --> 00:21:43,669 しかし…。 322 00:21:43,669 --> 00:21:47,339 当ホテルでは お客様による貴賤は ございません。 323 00:21:47,339 --> 00:21:51,677 それが善良な市民であろうと 殺人鬼であろうと。 324 00:21:51,677 --> 00:21:55,681 それがホテルのルールなら しかたないですね。 325 00:21:55,681 --> 00:21:58,517 一時休戦… ということにしましょう。 326 00:21:58,517 --> 00:22:00,519 わかってくれるかい? 327 00:22:00,519 --> 00:22:06,525 えぇ 少なくとも このホテルの中だけの話ですけどね。 328 00:22:08,527 --> 00:22:13,866 あぁもちろん。 このホテルの中での話だとも。 329 00:22:13,866 --> 00:22:18,871 では チェックインのお手続きを… あっ その前に一つご忠告を。 330 00:22:18,871 --> 00:22:22,374 このホテルに永遠にいられる 魂はございません。 331 00:22:22,374 --> 00:22:25,211 時が来たら消失してしまいます。 332 00:22:25,211 --> 00:22:27,980 皆様には 記憶を取り戻したら> 333 00:22:27,980 --> 00:22:31,483 速やかに出ていかれることを オススメします。 334 00:22:34,486 --> 00:22:37,790 顔は その人のアイデンティティーか。 335 00:22:41,493 --> 00:22:44,597 でも なんでパンジーだったんだろう。