1 00:00:02,002 --> 00:00:04,171 < ここは ティアムーン帝国 金月省> 2 00:00:04,171 --> 00:00:06,340 (アンヌ)あの ミーア様➡ 3 00:00:06,340 --> 00:00:09,676 こんなところに いったい なんの用があるんですか? 4 00:00:09,676 --> 00:00:15,015 (ミーア)ええ ちょっとね。 会いたい方がいるのですわ。 5 00:00:15,015 --> 00:00:17,851 会いたい方って…。 6 00:00:17,851 --> 00:00:20,354 まさか!? 7 00:00:20,354 --> 00:00:22,356 ハハッ。 8 00:00:22,356 --> 00:00:24,691 《そういうことでしたら このアンヌ➡ 9 00:00:24,691 --> 00:00:27,194 しっかり 協力させていただきます!》 10 00:00:27,194 --> 00:00:31,698 <何やら勝手に察し 気合いの入ったアンヌ…。 11 00:00:31,698 --> 00:00:37,037 には気付かず ミーアは思い出していた。 12 00:00:37,037 --> 00:00:41,875 前の時間軸において 傾いた帝国を立て直すため➡ 13 00:00:41,875 --> 00:00:46,179 孤軍奮闘している 青年文官との出会いを> 14 00:00:48,382 --> 00:00:51,551 ⦅あなたが ルードヴィッヒね。 15 00:00:51,551 --> 00:00:54,888 うわさは かねがね聞いておりますわ。 16 00:00:54,888 --> 00:00:58,725 この度は ご苦労さまですわ。 17 00:00:58,725 --> 00:01:01,695 (ルードヴィッヒ)あなたたち王族の 食事に➡ 18 00:01:01,695 --> 00:01:06,166 いくらかかっているか 知っているのか? 19 00:01:06,166 --> 00:01:10,337 こっ… このわたくしが わざわざ ねぎらいに来てさしあげたのに➡ 20 00:01:10,337 --> 00:01:14,007 なぜ そんなことを…。 あっ…。 21 00:01:14,007 --> 00:01:17,678 いつまでも そんなところに 突っ立っていられると邪魔です。 22 00:01:17,678 --> 00:01:20,347 なっ…! 時間があるなら➡ 23 00:01:20,347 --> 00:01:25,185 お姫様にしかできない仕事を やってください。 ミーア姫殿下。 24 00:01:25,185 --> 00:01:28,188 くっ… ううっ…⦆ 25 00:01:28,188 --> 00:01:33,193 《あの陰険メガネ 絶対許してはおけませんわ!》 26 00:01:33,193 --> 00:01:36,029 <出会いは最悪だった…> 27 00:01:36,029 --> 00:01:39,866 ルードヴィッヒ三等税務官! そこまで言うのであれば➡ 28 00:01:39,866 --> 00:01:43,036 貴官に赤月省への出向を命ずる! 29 00:01:43,036 --> 00:01:45,072 《まずいですわ! 30 00:01:45,072 --> 00:01:48,075 地方に飛ばされたルードヴィッヒが 帝都に戻ってくるのは➡ 31 00:01:48,075 --> 00:01:50,911 ティアムーン帝国が どうにもならなくなってから…。 32 00:01:50,911 --> 00:01:52,913 すなわち このままでは…》 33 00:01:52,913 --> 00:01:54,915 (ギロちん)ヒャッハッハッハッハッ…。 34 00:01:54,915 --> 00:01:59,086 《わたくし ギロチン まっしぐらですわ~!》 35 00:01:59,086 --> 00:02:01,989 ちょ… ちょっとお待ちなさい! 36 00:02:01,989 --> 00:02:04,157 ミ… ミーア姫殿下! 37 00:02:04,157 --> 00:02:06,360 ミーア様 何を…。 38 00:02:08,328 --> 00:02:10,831 ちょっとよろしいかしら? 39 00:02:10,831 --> 00:02:13,667 はわっ! ミーア様 大胆! 40 00:02:13,667 --> 00:02:15,669 あ…。 41 00:02:15,669 --> 00:02:17,671 フッ…。 42 00:03:58,738 --> 00:04:03,143 (ルードヴィッヒ)俺… いえ 私は 仕事があるのですが…。 43 00:04:03,143 --> 00:04:06,146 少しお話ししたいんですの。 44 00:04:06,146 --> 00:04:09,483 あの 俺 忙しいって 言ったんですけど。 45 00:04:09,483 --> 00:04:13,320 ちょっと教えていただきたい ことがあるんですの。 46 00:04:13,320 --> 00:04:17,324 お構いなしですか。 47 00:04:17,324 --> 00:04:21,161 《ルードヴィッヒ:聞きしに勝る わがままっぷりだな…》 48 00:04:21,161 --> 00:04:24,164 で… 何が聞きたいんですか? 49 00:04:24,164 --> 00:04:29,002 そうですわね… 単刀直入に言うなら➡ 50 00:04:29,002 --> 00:04:32,506 帝国の財政を どうすれば立て直せるか➡ 51 00:04:32,506 --> 00:04:34,808 ということになるかしら。 52 00:04:37,010 --> 00:04:40,847 ふんっ ならば聞きましょうか ミーア姫殿下。 53 00:04:40,847 --> 00:04:44,851 そもそも あなたは ご自身の 食事にいくらかかっているか➡ 54 00:04:44,851 --> 00:04:46,853 知っていますか? 55 00:04:46,853 --> 00:04:48,855 あ…。 56 00:04:48,855 --> 00:04:52,859 その程度の知識もなしに 帝国を立て直すなどと…。 57 00:04:52,859 --> 00:04:55,529 そうですわねぇ。 ん…。 58 00:04:55,529 --> 00:04:59,533 一食あたり あなたのお給金の 1か月分ぐらい➡ 59 00:04:59,533 --> 00:05:05,172 三日月金貨1枚といったところ… じゃないかしら? 60 00:05:05,172 --> 00:05:09,009 そもそも 帝国の財政的問題は 簡単に言ってしまえば…。 61 00:05:09,009 --> 00:05:13,346 《な… なんか➡ 62 00:05:13,346 --> 00:05:16,016 すっごく➡ 63 00:05:16,016 --> 00:05:19,586 気持ちいいですわ~!》 64 00:05:21,688 --> 00:05:24,691 ⦅聞いてるんですか お姫様。 65 00:05:24,691 --> 00:05:27,027 一国の姫ともあろうお方が➡ 66 00:05:27,027 --> 00:05:30,864 今 この国が置かれている状況すら まるで理解していないとは➡ 67 00:05:30,864 --> 00:05:33,166 とんだお飾り姫ですね。 68 00:05:33,166 --> 00:05:37,170 そもそも 帝国の財政的問題は 簡単に言ってしまうと➡ 69 00:05:37,170 --> 00:05:41,007 入ってくるお金より 出ていくお金のほうが多いこと。 70 00:05:41,007 --> 00:05:43,210 それを解決するためには…。 71 00:05:43,210 --> 00:05:47,714 あの クソメガネ! この屈辱 一字一句 日記に刻みつけて➡ 72 00:05:47,714 --> 00:05:49,716 一生忘れませんわ!⦆ 73 00:05:49,716 --> 00:05:51,718 < そう つまり…> 74 00:05:51,718 --> 00:05:55,188 他にも帝国の中で 大きな問題はいくつもあり➡ 75 00:05:55,188 --> 00:05:59,860 特に 隣国との関係悪化がもたらす 影響は計り知れませんわ。 76 00:05:59,860 --> 00:06:02,963 <完全なるパクリである> 77 00:06:02,963 --> 00:06:04,965 もう 結構です。 78 00:06:04,965 --> 00:06:06,967 ん…? 79 00:06:06,967 --> 00:06:10,971 ミーア様 どこへ 行かれてしまったのかしら? 80 00:06:10,971 --> 00:06:13,473 うん? あ…。 81 00:06:15,475 --> 00:06:17,477 あっ…。 82 00:06:19,646 --> 00:06:24,517 ミーア様の恋が動きだした~! 83 00:06:24,517 --> 00:06:27,821 王室に あなたのような 聡明な方がいるとは➡ 84 00:06:27,821 --> 00:06:30,991 感服いたしました。 はあ? 85 00:06:30,991 --> 00:06:34,160 《そ… 聡明ですって!? 86 00:06:34,160 --> 00:06:36,496 あの陰険メガネが わたくしを➡ 87 00:06:36,496 --> 00:06:39,332 ほ… 褒めたたえている というんですの!? 88 00:06:39,332 --> 00:06:44,838 ああ~ なんか この日のために 転生した気がいたしますわ》 89 00:06:44,838 --> 00:06:48,675 ですが ミーア姫殿下。 うん? 90 00:06:48,675 --> 00:06:50,844 そこまで わかっているのであれば➡ 91 00:06:50,844 --> 00:06:53,179 俺なんかの力を借りずとも➡ 92 00:06:53,179 --> 00:06:56,850 この国を立て直すことが できるのではないですか? 93 00:06:56,850 --> 00:07:00,787 《まずいですわ! 調子に乗りすぎましたわ!》 94 00:07:00,787 --> 00:07:04,791 (ミーア)ええと えっと そ… そうなんですけど ほら…。 95 00:07:04,791 --> 00:07:08,461 《ダ… ダメですわ。 何も 思い浮かびませんわ!》 96 00:07:08,461 --> 00:07:10,797 ああ でも そうか。 97 00:07:10,797 --> 00:07:13,633 確かに ミーア姫は まだ幼い。 98 00:07:13,633 --> 00:07:16,469 真面目に 話を聞いてもらえないと➡ 99 00:07:16,469 --> 00:07:21,308 もしかしたら そうお考えですか? 100 00:07:21,308 --> 00:07:25,178 そう それ! まさに そのとおりですわ! 101 00:07:25,178 --> 00:07:27,847 <ミーアは全力で乗っかった> 102 00:07:27,847 --> 00:07:31,184 それに いくらわたくしが 聡明だといっても➡ 103 00:07:31,184 --> 00:07:33,320 間違うこともあると思うんですの。 104 00:07:33,320 --> 00:07:35,655 だから あなたも考えて➡ 105 00:07:35,655 --> 00:07:38,491 遠慮なく わたくしに 言ってもらいたいんですの。 106 00:07:38,491 --> 00:07:40,527 《知性におごることなく➡ 107 00:07:40,527 --> 00:07:44,030 臣下の進言にも 耳を貸そうというのですか…。 108 00:07:44,030 --> 00:07:46,032 あなたは なんという…》 109 00:07:46,032 --> 00:07:49,202 <ルードヴィッヒの目は 先ほどの衝撃ゆえに➡ 110 00:07:49,202 --> 00:07:52,872 見事に曇っていた> 111 00:07:52,872 --> 00:07:55,208 そういうことでしたら➡ 112 00:07:55,208 --> 00:08:01,981 このルードヴィッヒ 全身全霊をかけて ご協力させていただきます。 113 00:08:01,981 --> 00:08:04,150 ああ…。 114 00:08:04,150 --> 00:08:11,991 ⦅ミーア姫殿下 これが最後の挨拶になります。 115 00:08:11,991 --> 00:08:18,164 いろいろありましたが… あなたにお仕えできた日々は➡ 116 00:08:18,164 --> 00:08:20,533 嫌いではありませんでした⦆ 117 00:08:23,002 --> 00:08:25,839 < こうして ミーアは アンヌに続き➡ 118 00:08:25,839 --> 00:08:29,509 最大の味方を 手に入れたのだった> 119 00:08:31,511 --> 00:08:34,347 (鼻歌) 120 00:08:34,347 --> 00:08:38,618 ええと 次は どうなるんでしたっけ? 121 00:08:41,020 --> 00:08:44,691 《なっ… なんですの!? 122 00:08:44,691 --> 00:08:47,360 「こうして聡明とうたわれる わたくしの➡ 123 00:08:47,360 --> 00:08:50,864 快進撃が始まるのであった…」。 124 00:08:50,864 --> 00:08:54,868 こっ… これは ルードヴィッヒの協力により➡ 125 00:08:54,868 --> 00:08:59,839 歴史に大きな変化が生まれてきた ということかしら》 126 00:08:59,839 --> 00:09:03,143 でしたら もしかして…。 127 00:09:11,651 --> 00:09:16,322 《ギロチンの運命は 変わってませんわね…。 128 00:09:16,322 --> 00:09:20,126 大丈夫ですわ! まだ時間はありますもの。 129 00:09:20,126 --> 00:09:24,464 書き変わった日記を読んで 対策を練れば…。 130 00:09:24,464 --> 00:09:30,303 帝都貧民街における疫病 辺境域における少数民族の反乱➡ 131 00:09:30,303 --> 00:09:34,140 その他 国際問題のあれやこれ…》 132 00:09:34,140 --> 00:09:36,142 んっ。 133 00:09:36,142 --> 00:09:38,311 《何をどうすれば~!? 134 00:09:38,311 --> 00:09:40,480 そうですわ!》 135 00:09:40,480 --> 00:09:44,484 アンヌさん! くされメガ… じゃなくて➡ 136 00:09:44,484 --> 00:09:47,153 ルードヴィッヒさんのところに 出かけますわよ。 137 00:09:47,153 --> 00:09:49,322 ああ 先日の! 138 00:09:49,322 --> 00:09:52,826 でしたら お召し物を 直さなければなりませんね。 139 00:09:52,826 --> 00:09:56,996 そう? 今のままでも 十分だと思いますけど…。 140 00:09:56,996 --> 00:10:00,667 いけません! そういうところで 男性にアピールせずに➡ 141 00:10:00,667 --> 00:10:03,369 どうしましょう! はあ? 142 00:10:05,338 --> 00:10:08,174 よくお似合いですよ ミーア様。 143 00:10:08,174 --> 00:10:12,579 そう? はい。 仕上げに これを。 144 00:10:14,514 --> 00:10:18,184 あら? これは確か…。 145 00:10:18,184 --> 00:10:24,524 それは昨年 さる大商人が ミーア様に献上されたものですよ。 146 00:10:24,524 --> 00:10:27,527 そう… ですわね。 147 00:10:27,527 --> 00:10:29,863 それで あの方にお会いして➡ 148 00:10:29,863 --> 00:10:32,532 そのあとは どこに行かれるんですか? 149 00:10:32,532 --> 00:10:35,635 (ミーア)えっ? それは…。 150 00:10:37,704 --> 00:10:43,543 な… なぜ新月地区に…。 うぅ…。 ミーア姫殿下 やはり戻りましょう。 151 00:10:43,543 --> 00:10:47,714 ここは一般的な民衆であっても 足を運ぶことはない場所。 152 00:10:47,714 --> 00:10:52,552 何があるか…。 いいえ これは必要なことですの。 153 00:10:52,552 --> 00:10:56,723 ルードヴィッヒに直接見てもらって 教えてもらいたいんですの。 154 00:10:56,723 --> 00:11:00,827 あ…。 しかし…。 155 00:11:00,827 --> 00:11:03,163 ひどい臭いですね…。 156 00:11:03,163 --> 00:11:05,498 そこまで 気にならないですけど。 157 00:11:05,498 --> 00:11:07,500 (ルードヴィッヒ/兵士)えっ!? 158 00:11:07,500 --> 00:11:12,372 《地下牢に比べれば 全然マシですわ》 159 00:11:12,372 --> 00:11:14,707 (ミーア)このようなところにいる 方々は➡ 160 00:11:14,707 --> 00:11:18,545 きっと湯あみをするのも 簡単ではないのでしょう。 161 00:11:18,545 --> 00:11:22,215 数日も身を清めなければ 臭うようになるのは➡ 162 00:11:22,215 --> 00:11:25,051 人間ならば当然のことですわ。 163 00:11:25,051 --> 00:11:27,887 さあ そんなことより 行きますわよ。 164 00:11:27,887 --> 00:11:33,059 ミーア姫殿下 目的地は いったい どこなのですか? 165 00:11:33,059 --> 00:11:35,562 そうですわね…。 166 00:11:35,562 --> 00:11:37,630 んっ? あれは…? 167 00:11:40,533 --> 00:11:43,536 もし あなた 大丈夫ですの? 168 00:11:43,536 --> 00:11:45,705 ちょ… 姫殿下 何を! 169 00:11:45,705 --> 00:11:49,542 (ワグル)あ… ああ…。 170 00:11:49,542 --> 00:11:52,212 空腹のせいで動けないのでしょう。 171 00:11:52,212 --> 00:11:55,882 この辺りでは ありふれたことです。 172 00:11:55,882 --> 00:12:01,654 そう。 おなかがすくのは 確かにつらいでしょうね。 173 00:12:01,654 --> 00:12:05,158 アンヌさん 手持ちのお菓子を 分けて差し上げて。 174 00:12:05,158 --> 00:12:07,327 あ… はい。 175 00:12:07,327 --> 00:12:13,166 あの栄養状態では いつ 病になっても おかしくないな…。 176 00:12:13,166 --> 00:12:17,503 《今から数年後に 帝都で 大流行する疫病のせいで➡ 177 00:12:17,503 --> 00:12:20,673 帝都の民衆の1割が命を落とし➡ 178 00:12:20,673 --> 00:12:25,511 せっかく ルードヴィッヒのおかげで 改善しかけた財政が一気に悪化。 179 00:12:25,511 --> 00:12:29,349 これを放っておくわけには いきませんわ。 180 00:12:29,349 --> 00:12:31,351 でも…》 181 00:12:31,351 --> 00:12:33,519 ルードヴィッヒ。 182 00:12:33,519 --> 00:12:36,689 ここで将来 はやり病が 起こらないようにするには➡ 183 00:12:36,689 --> 00:12:38,858 どうすればいいかしら? 184 00:12:38,858 --> 00:12:41,861 んっ… はやり病を防ぐ!? 185 00:12:41,861 --> 00:12:44,230 ミーア様 この子やっぱり➡ 186 00:12:44,230 --> 00:12:47,233 どこかで休ませてあげたほうが よさそうです。 187 00:12:47,233 --> 00:12:50,570 通りの向こうに 教会があるみたいなんですが…。 188 00:12:50,570 --> 00:12:53,706 わかりましたわ。 そちらに行きましょう。 189 00:12:53,706 --> 00:12:57,043 考えてもいなかった…。 190 00:12:57,043 --> 00:13:00,680 《俺は帝国の財産破綻への対策を 必死に考え➡ 191 00:13:00,680 --> 00:13:03,182 最近では姫殿下の口添えもあり➡ 192 00:13:03,182 --> 00:13:07,353 実施したものは どれも少しずつ 効果を見せている。 193 00:13:07,353 --> 00:13:11,024 しかし 一たび はやり病が起きてしまえば➡ 194 00:13:11,024 --> 00:13:13,526 そんなものは無意味だ。 195 00:13:13,526 --> 00:13:19,032 それを… この方は その危険性を すでに察知していて➡ 196 00:13:19,032 --> 00:13:22,535 俺に気付かせようと してくれていたのか!? 197 00:13:22,535 --> 00:13:29,375 彼女こそ 帝都に天が遣わした 偉大な指導者なのではないか…》 198 00:13:29,375 --> 00:13:34,380 < と… 勝手に戦慄する ルードヴィッヒであった> 199 00:13:34,380 --> 00:13:39,719 (ミーア)神父様 この度 病人の 受け入れ 感謝いたしますわ。 200 00:13:39,719 --> 00:13:42,555 (神父)いえ 我々は 神に仕える者として➡ 201 00:13:42,555 --> 00:13:45,725 当然のことをしているまでのこと。 202 00:13:45,725 --> 00:13:47,727 (ルードヴィッヒ)ミーア姫殿下。 203 00:13:47,727 --> 00:13:51,731 疫病対策について 俺なりに考えをまとめました。 204 00:13:51,731 --> 00:13:55,068 そう。 さすがは ルードヴィッヒですわね。 205 00:13:55,068 --> 00:13:57,904 病を防ぐ方法は2つ。 206 00:13:57,904 --> 00:14:02,175 食料を行き渡らせて 住民に体力をつけさせること。 207 00:14:02,175 --> 00:14:05,978 そして 医療機関を 充実させることです。 208 00:14:05,978 --> 00:14:08,181 ただ それには…。 209 00:14:08,181 --> 00:14:12,985 膨大なお金がかかる… ということかしら。 210 00:14:12,985 --> 00:14:17,990 病院をつくるだけでなく その維持費や食料の継続的な配給。 211 00:14:17,990 --> 00:14:23,496 根本から財政を見直し 今以上に 支出を絞らなければいけません。 212 00:14:23,496 --> 00:14:27,500 ふ~ん。 なるほど…。 213 00:14:30,169 --> 00:14:32,371 では…。 214 00:14:37,043 --> 00:14:39,011 えっ!? 215 00:14:41,047 --> 00:14:43,716 これを売れば足りるかしら? 216 00:14:43,716 --> 00:14:47,386 ミーア様 それは お気に入りの ものではないですか! 217 00:14:47,386 --> 00:14:49,889 別に構いませんわ。 218 00:14:49,889 --> 00:14:54,227 いかに大切なものであろうと 力の限り握りしめていても➡ 219 00:14:54,227 --> 00:14:58,731 なくなるときには なくなるし 壊れるときには壊れるもの。 220 00:14:58,731 --> 00:15:03,136 ならば せいぜい意味のある 使い方をすべきですわ。 221 00:15:03,136 --> 00:15:08,141 ミーア様…。 殿下 あなたという人は…。 222 00:15:08,141 --> 00:15:11,477 《まさに 聖女だ!》 223 00:15:11,477 --> 00:15:14,814 《そう。 意味のある使い方を》 224 00:15:14,814 --> 00:15:16,816 ⦅男:ヘッヘッヘッ…。 あ…⦆ 225 00:15:16,816 --> 00:15:18,985 《未来で あんな連中に 奪われるぐらいなら➡ 226 00:15:18,985 --> 00:15:22,155 さっさと売ってしまって わたくしのために使ったほうが➡ 227 00:15:22,155 --> 00:15:24,657 1億倍マシですわ!》 228 00:15:26,659 --> 00:15:29,996 ミーア様のお気持ち しっかりと承りました。 229 00:15:29,996 --> 00:15:35,668 このルードヴィッヒ 賜りました この宝 最善に活用させていただきます。 230 00:15:35,668 --> 00:15:38,337 フフ…。 231 00:15:38,337 --> 00:15:40,673 《たとえ このかんざしを 売ったところで➡ 232 00:15:40,673 --> 00:15:43,342 必要な額には とても足りないことを➡ 233 00:15:43,342 --> 00:15:45,845 ミーア様はわかっておられる。 234 00:15:45,845 --> 00:15:51,017 これは 幼き姫が示した 最上位の慈悲》 235 00:15:51,017 --> 00:15:53,853 まだまだ支援金が必要です。 236 00:15:53,853 --> 00:15:57,857 帝国貴族の皆様方 いかが思われますか? 237 00:15:57,857 --> 00:16:01,494 《貴族たちは 慈悲深き この行いに驚き➡ 238 00:16:01,494 --> 00:16:04,664 自らも お金を出さないわけには いかなくなる!》 239 00:16:04,664 --> 00:16:07,633 < こうして 二十日後 新月地区に➡ 240 00:16:07,633 --> 00:16:12,839 大きな病院が建設されることが 決まったのであった> 241 00:16:15,475 --> 00:16:18,978 (アンヌ)ちまたで人気の氷菓子 買ってきました。 242 00:16:18,978 --> 00:16:21,647 わあ おいしそうですわ! 243 00:16:21,647 --> 00:16:23,649 ミーア様に買うのだと伝えたら➡ 244 00:16:23,649 --> 00:16:26,152 お店の人が おまけしてくれたんですよ。 245 00:16:26,152 --> 00:16:29,489 新月地区の病院建設の きっかけをつくったことも➡ 246 00:16:29,489 --> 00:16:33,159 街じゅうが知っていて。 そうですの? はい! 247 00:16:33,159 --> 00:16:36,329 ミーア様は 我々の女神だ! と…。 248 00:16:36,329 --> 00:16:38,998 そ… それほどでも…。 249 00:16:38,998 --> 00:16:41,000 いいえ! 私➡ 250 00:16:41,000 --> 00:16:44,003 すばらしい方にお仕えできて 鼻が高いです! 251 00:16:44,003 --> 00:16:50,343 で… では 優しい姫殿下が特別に これをあなたにもお分けしますわ。 252 00:16:50,343 --> 00:16:53,546 いいんですか? ええ! 253 00:16:55,681 --> 00:16:58,518 どうかなさいまして? あ… いえ。 254 00:16:58,518 --> 00:17:02,288 妹のエリスにも 食べさせてあげたいなって…。 255 00:17:02,288 --> 00:17:06,626 エリスは体も弱く 外にもあまり出られずでして➡ 256 00:17:06,626 --> 00:17:09,962 きっと 氷菓子も食べたことがないと…。 257 00:17:09,962 --> 00:17:12,298 それなら これから あなたのおうちに➡ 258 00:17:12,298 --> 00:17:15,801 寄るというのはいかがかしら? 259 00:17:15,801 --> 00:17:17,803 へっ? 260 00:17:20,840 --> 00:17:23,509 (エリス)おいしい…。 261 00:17:23,509 --> 00:17:27,847 あの… でも 私 姫殿下様の前で こんな格好で…。 262 00:17:27,847 --> 00:17:29,849 無理せず 楽になさって。 263 00:17:29,849 --> 00:17:33,986 で… でも…。 エリス お言葉に甘えなさい。 264 00:17:33,986 --> 00:17:37,156 ミーア様は とても お心が広い方だから➡ 265 00:17:37,156 --> 00:17:40,493 このぐらいのご無礼であれば 許してもらえるわ。 266 00:17:40,493 --> 00:17:45,498 うむ 苦しゅうない ですわ。 267 00:17:45,498 --> 00:17:48,200 はむ。 《ん~! 268 00:17:48,200 --> 00:17:53,205 口の中に入れた瞬間 溶けつつも鼻に抜ける甘い香り! 269 00:17:53,205 --> 00:17:55,207 氷菓子 最高!》 わ~! 270 00:17:55,207 --> 00:17:58,210 <ミーアは氷菓子に夢中だった> 271 00:17:58,210 --> 00:18:00,146 (アンヌ)よかったわね エリス。 272 00:18:00,146 --> 00:18:02,982 あなた ミーア様にお会いしたいって 言ってたものね。 273 00:18:02,982 --> 00:18:06,319 あら そんなに わたくしに 会いたかったんですの? 274 00:18:06,319 --> 00:18:09,622 はい! あの えっと…。 275 00:18:09,622 --> 00:18:12,458 私 物語を書いていて…。 276 00:18:12,458 --> 00:18:15,995 (ミーア)『貧しい王子と黄金の竜』。 277 00:18:15,995 --> 00:18:20,666 《あら? このタイトル どこかで…》 278 00:18:20,666 --> 00:18:26,505 ⦅アンヌ:「貧しい王子と黄金の竜… これは王子と竜の物語。 279 00:18:26,505 --> 00:18:31,177 この国に 笑顔を一つでも 増やす旅が始まったのです」。 280 00:18:31,177 --> 00:18:33,179 もっと聞かせてちょうだい。 281 00:18:33,179 --> 00:18:36,849 毎日 牢獄の中だと 退屈で 退屈で。 282 00:18:36,849 --> 00:18:41,187 はい。 でも まだ執筆途中のもののようで…。 283 00:18:41,187 --> 00:18:45,024 作者から続きをもらったら またお持ちしますね。 284 00:18:45,024 --> 00:18:48,361 楽しみにしていますわ。 285 00:18:48,361 --> 00:18:51,364 続きが書けなくなった? 286 00:18:51,364 --> 00:18:53,366 (アンヌ)ごめんなさい…。 287 00:18:53,366 --> 00:18:56,202 最後まで お聞かせすることができなくて…。 288 00:18:56,202 --> 00:18:59,372 どうしてですの? もしかして スランプとか? 289 00:18:59,372 --> 00:19:02,775 違います! もう いないんです。 290 00:19:02,775 --> 00:19:07,446 ハッ…。 体がもともと弱い子で➡ 291 00:19:07,446 --> 00:19:12,451 飢餓で 栄養のあるものが 食べられなくて…⦆ 292 00:19:12,451 --> 00:19:16,622 《あれは エリスさんのこと だったんですのね…》 293 00:19:16,622 --> 00:19:20,126 (ミーア)このお話 とてもおもしろいですわ。 294 00:19:20,126 --> 00:19:26,132 エリスさん あなた わたくしの お抱え芸術家として仕えなさい。 295 00:19:26,132 --> 00:19:28,300 私が…? 296 00:19:28,300 --> 00:19:31,971 ええ。 そうすれば お金や生活の心配をせずに➡ 297 00:19:31,971 --> 00:19:34,807 創作活動に 集中していただけますし…。 298 00:19:34,807 --> 00:19:37,143 あの やめてください。 299 00:19:37,143 --> 00:19:39,812 へっ? なぜですの? 300 00:19:39,812 --> 00:19:44,150 あなたにとって 悪いお話ではないと思いますけど。 301 00:19:44,150 --> 00:19:47,987 お姉ちゃんの妹だからって ひいきしないでください。 302 00:19:47,987 --> 00:19:51,490 エリス! あなた ミーア様に なんてことを! 303 00:19:51,490 --> 00:19:54,994 私は自分の作ったお話で 勝負したい! 304 00:19:54,994 --> 00:19:58,998 お姉ちゃんのおこぼれで お抱えの作家になりたくない! 305 00:19:58,998 --> 00:20:02,835 あら わたくしは きちんと あなたの文才を見越しての➡ 306 00:20:02,835 --> 00:20:04,837 提案なのですけど。 307 00:20:04,837 --> 00:20:08,841 ウソです! そんなすぐに 読めるはずありません! 308 00:20:08,841 --> 00:20:13,045 エリスさん 一つ覚えておくと よろしいですわ。 309 00:20:13,045 --> 00:20:16,015 わたくし ウソって嫌いなんですの。 310 00:20:16,015 --> 00:20:18,017 え…? 311 00:20:18,017 --> 00:20:22,855 そうですわね~ このお話のよいところは まず➡ 312 00:20:22,855 --> 00:20:27,526 主人公の王子が とても魅力的に 描かれているところですわね。 313 00:20:27,526 --> 00:20:30,362 やや 毒のある性格の 竜との掛け合いも➡ 314 00:20:30,362 --> 00:20:33,032 おもしろおかしいですわ。 315 00:20:33,032 --> 00:20:36,702 すごい。 あの少しの時間で…。 316 00:20:36,702 --> 00:20:41,540 そして 敵キャラのサイモンとの 橋の上での決闘シーン。 317 00:20:41,540 --> 00:20:45,544 剣を交えつつ 熱い思いの丈を ぶつけた瞬間なんて➡ 318 00:20:45,544 --> 00:20:47,880 たまりませんでしたわね。 319 00:20:47,880 --> 00:20:49,882 姫殿下…? 320 00:20:49,882 --> 00:20:52,885 うん? なんですの? 321 00:20:52,885 --> 00:20:57,890 どうして まだ書いてない ところまで知ってるんですか? 322 00:20:57,890 --> 00:21:00,526 へっ? 323 00:21:00,526 --> 00:21:03,529 《し… しまった~ですわ~! 324 00:21:03,529 --> 00:21:07,199 そうですわ。 わたくしが知って いるのは 今から数年後のもの。 325 00:21:07,199 --> 00:21:10,836 当然 今あるものよりも あとまで書かれているわけで…。 326 00:21:10,836 --> 00:21:15,841 そんなこと全然考えないで 気持ちよく語ってましたわ!》 327 00:21:15,841 --> 00:21:18,677 あああ…。 驚くことないわよ エリス。 えっ? 328 00:21:18,677 --> 00:21:25,017 聡明なミーア様なら 途中まで読めば 話の流れくらい簡単にわかるのよ。 329 00:21:25,017 --> 00:21:27,019 <ルードヴィッヒも大概だが➡ 330 00:21:27,019 --> 00:21:30,022 アンヌのほうも かなりの重症患者である> 331 00:21:30,022 --> 00:21:32,525 そう それ! そんな感じですわ! 332 00:21:32,525 --> 00:21:34,860 うう…。 333 00:21:34,860 --> 00:21:37,229 そ… そうなんですね! 334 00:21:37,229 --> 00:21:41,066 《ミーア:ああ この方 アンヌさんの妹でしたわ…》 335 00:21:41,066 --> 00:21:45,571 オホン! 改めて言いますわ。 エリス。 336 00:21:45,571 --> 00:21:48,908 わたくしの お抱えの 作家になりなさい。 337 00:21:48,908 --> 00:21:51,076 そして このお話を➡ 338 00:21:51,076 --> 00:21:53,379 しっかりと書き上げなさい。 339 00:21:53,379 --> 00:21:55,881 はい! 340 00:21:55,881 --> 00:21:59,051 ありがとうございます ミーア姫殿下。 341 00:21:59,051 --> 00:22:05,491 < かくして 強烈なミーア信者が もう一人 帝国に生まれた。 342 00:22:05,491 --> 00:22:08,828 そんな彼女が 将来書くことになる➡ 343 00:22:08,828 --> 00:22:11,997 『聖女ミーア皇女伝』。 344 00:22:11,997 --> 00:22:15,334 ミーアを礼賛する 高純度のフィクション本が➡ 345 00:22:15,334 --> 00:22:18,170 売れに売れまくることになるが…。 346 00:22:18,170 --> 00:22:21,574 それはまた別のお話> 347 00:23:11,657 --> 00:23:13,659 《春になれば城を離れ➡ 348 00:23:13,659 --> 00:23:17,830 セントノエル学園内の 寮での生活が始まる。 349 00:23:17,830 --> 00:23:20,165 何度も日記帳を読み返し➡ 350 00:23:20,165 --> 00:23:23,335 わたくしなりに 準備もしてきました。 351 00:23:23,335 --> 00:23:27,506 万が一 不幸な革命が 起きてしまったときのために➡ 352 00:23:27,506 --> 00:23:30,876 できる限り 有益な人脈を築き➡ 353 00:23:30,876 --> 00:23:35,214 ギロチンにつながりそうな 危険人物には近づかないこと。 354 00:23:35,214 --> 00:23:40,386 特に ティオーナ・ルドルフォンと シオン・ソール・サンクランド。 355 00:23:40,386 --> 00:23:43,856 あの2人には 絶対に!》