1 00:00:02,002 --> 00:00:04,671 (キースウッド)剣術大会 晴れてよかった。 2 00:00:04,671 --> 00:00:07,007 《ルドルフォン嬢やミーア姫殿下が➡ 3 00:00:07,007 --> 00:00:10,511 シオン殿下に お弁当を作ってくれる と言っていたが…》 4 00:00:10,511 --> 00:00:14,681 あっ…! 妙な胸騒ぎがするのは なぜだ。 5 00:00:14,681 --> 00:00:18,585 なんか こう… 我があるじに 危機が迫っているような…。 6 00:01:59,052 --> 00:02:00,988 あああ…。 7 00:02:00,988 --> 00:02:02,990 (アンヌ)あら キースウッドさん! 8 00:02:02,990 --> 00:02:04,992 (ミーア)おなかでも すいたんですの? 9 00:02:04,992 --> 00:02:07,327 ミーア姫殿下… それは? 10 00:02:07,327 --> 00:02:10,330 フフッ… よくぞ聞いてくれましたわ。 11 00:02:10,330 --> 00:02:13,667 これは わたくし こん身の作品…。 12 00:02:13,667 --> 00:02:16,837 「馬パン」ですわ! 13 00:02:16,837 --> 00:02:18,839 馬って…。 14 00:02:18,839 --> 00:02:23,343 アベル王子は馬が大好きですし きっと喜んでもらえますわ! 15 00:02:23,343 --> 00:02:28,181 た… 確かに 相手のことを 考えるのは 料理の基本ですが…。 16 00:02:28,181 --> 00:02:30,851 このパンには 致命的な欠陥があります! 17 00:02:30,851 --> 00:02:32,853 えっ!? うんうん…。 18 00:02:32,853 --> 00:02:37,691 ミーア様 馬でしたら 耳の部分は もっとこう…。 あ~。 19 00:02:37,691 --> 00:02:42,362 違います! こんなに大きくては 生地の中まで火が通りませんので。 20 00:02:42,362 --> 00:02:45,866 だいたい… このぐらいの大きさに してください! ああっ…! 21 00:02:45,866 --> 00:02:47,868 わたくしの作品が! 22 00:02:47,868 --> 00:02:52,706 (ティオーナ)キースウッドさん 私の野菜は どうでしょうか? はい? 23 00:02:52,706 --> 00:02:56,376 ルドルフォン嬢は 野菜を切るのが お得意のようですね。 24 00:02:56,376 --> 00:03:00,480 はい! 千切りでも みじん切りでも お任せください。 25 00:03:00,480 --> 00:03:04,484 ですが シオン殿下もアベル王子も 草食動物ではないので➡ 26 00:03:04,484 --> 00:03:06,987 キャベツばかり こんなに食べられるかどうか…。 27 00:03:06,987 --> 00:03:10,490 そうでしょうか? このくらい普通なのでは? 28 00:03:10,490 --> 00:03:12,659 《どういう 「普通」だよ…!?》 29 00:03:12,659 --> 00:03:17,164 (リオラ)ハァハァ…。 うん? この香ばしい匂いは? 30 00:03:17,164 --> 00:03:21,001 (リオラ)肉! 焼けたです! 31 00:03:21,001 --> 00:03:26,339 こ… これは… と… とても おいしそうに焼けたね リオラ嬢。 32 00:03:26,339 --> 00:03:29,009 はい! 中庭で焼きましたです! 33 00:03:29,009 --> 00:03:32,846 ワイルドすぎる…。 頼むからオーブンを使ってくれ! 34 00:03:32,846 --> 00:03:37,017 (クロエ)そうですよ リオラさん。 相手は王子様なんですから。 35 00:03:37,017 --> 00:03:40,020 《さすが フォークロード商会のお嬢さんだ。 36 00:03:40,020 --> 00:03:44,024 しっかりした常識を持っている。 本まで用意して…》 37 00:03:44,024 --> 00:03:47,360 この 『絶品! 秘境の珍味レシピ』に よると➡ 38 00:03:47,360 --> 00:03:51,364 素材のうまみを最も引き出すには 生肉が一番…。 39 00:03:51,364 --> 00:03:54,034 絶対にダメです! やめてください! 40 00:03:54,034 --> 00:03:58,038 馬のレバーの刺身なんかは 喜んでもらえると思うのですが…。 41 00:03:58,038 --> 00:04:00,807 (キースウッド)馬術クラブに入っている方に 馬肉を出すのは➡ 42 00:04:00,807 --> 00:04:03,810 むしろ嫌がらせですから! 43 00:04:03,810 --> 00:04:06,646 《予想以上に 大変なことになっているぞ…。 44 00:04:06,646 --> 00:04:09,549 もし このまま作業が続いたら…》 45 00:04:12,152 --> 00:04:15,155 (アベル/シオン)あっ ああ…。 46 00:04:15,155 --> 00:04:17,991 プリンセス アンド レディース! (5人)えっ!? 47 00:04:17,991 --> 00:04:21,161 今から俺の言うことを よく聞いてください。 48 00:04:21,161 --> 00:04:24,831 お弁当は簡単なサンドイッチにします。 いいですね? 49 00:04:24,831 --> 00:04:29,169 え~? もっと手の込んだものの ほうがいいのではなくて? 50 00:04:29,169 --> 00:04:31,338 いいですね? 51 00:04:31,338 --> 00:04:33,340 ひぃ! 52 00:04:33,340 --> 00:04:36,176 では ミーア姫殿下は パン生地をお願いします。 53 00:04:36,176 --> 00:04:39,012 普通に四角くしていただければ 大丈夫なので。 54 00:04:39,012 --> 00:04:41,181 お任せください! 55 00:04:41,181 --> 00:04:44,684 キースウッドさん! サラダは こんな感じでどうですか? 56 00:04:44,684 --> 00:04:48,355 さすがはルドルフォン嬢です。 頼りになります。 57 00:04:48,355 --> 00:04:52,192 《あとは分量さえ普通なら 言うことはないのだが…》 58 00:04:52,192 --> 00:04:55,529 キースウッドさん パン生地も出来上がりましたわ。 59 00:04:55,529 --> 00:04:57,697 では オーブンで焼くとしま…。 60 00:04:57,697 --> 00:05:00,600 フフ~ フフフッ。 61 00:05:03,470 --> 00:05:05,772 また馬…。 62 00:05:09,643 --> 00:05:12,479 《四角くしろって 言ってんだが!》 63 00:05:12,479 --> 00:05:15,482 <アベルのことで 頭がいっぱいだったミーアは➡ 64 00:05:15,482 --> 00:05:18,318 肝心なところを 聞いていなかった> 65 00:05:18,318 --> 00:05:21,655 どうかしら? キースウッドさん。 66 00:05:21,655 --> 00:05:26,827 サンドイッチだぞ! こんな形で ど~やって中身挟むんだよ! 67 00:05:26,827 --> 00:05:28,829 《と言いたいとこだが…》 68 00:05:28,829 --> 00:05:31,998 フフフフ…。 69 00:05:31,998 --> 00:05:35,302 はい… 大丈夫です。 ハハッ~! 70 00:05:37,337 --> 00:05:39,339 よし! 71 00:05:39,339 --> 00:05:43,343 できましたわ! 特製馬サンドイッチ! 72 00:05:43,343 --> 00:05:45,345 なんとか完成した…。 73 00:05:45,345 --> 00:05:48,181 皆様 よく頑張られましたよ 本当…。 74 00:05:48,181 --> 00:05:51,351 <一番頑張ったのは キースウッドであることは➡ 75 00:05:51,351 --> 00:05:53,353 言うまでもない> 76 00:05:53,353 --> 00:05:55,856 キースウッドさん。 うん? 77 00:05:55,856 --> 00:06:00,293 この度は大変助かりました。 感謝いたしますわ。 78 00:06:00,293 --> 00:06:05,799 あ… もったいないお言葉。 シオン殿下にお伝えしておきます。 79 00:06:05,799 --> 00:06:08,468 いえ シオン王子にでなく➡ 80 00:06:08,468 --> 00:06:11,972 あなたに感謝しておりますの。 俺に? 81 00:06:11,972 --> 00:06:16,142 あなたのおかげで こうして お弁当を作ることができた。 82 00:06:16,142 --> 00:06:20,313 だから ありがとうございました。 83 00:06:20,313 --> 00:06:24,484 《普通 貴族は従者に 頭を下げたりはしない。 84 00:06:24,484 --> 00:06:28,822 しかし 姫殿下は そんな つまらない常識にとらわれず➡ 85 00:06:28,822 --> 00:06:32,659 誰に対しても 素直に礼を言うんだな》 86 00:06:32,659 --> 00:06:37,330 《そりゃあ… キースウッドさんに お礼を言いますわ! 87 00:06:37,330 --> 00:06:41,334 シオン王子にお礼を言うなんて まっぴらですもの!》 88 00:06:41,334 --> 00:06:44,170 < そんなことを ミーアが思っているなんて➡ 89 00:06:44,170 --> 00:06:47,841 夢にも思わないキースウッドだった> 90 00:06:47,841 --> 00:06:51,177 へいらっしゃい! こっち こっち! 91 00:06:51,177 --> 00:06:54,681 街ごと学園内に 移動してきたみたいですわ! 92 00:06:54,681 --> 00:06:57,183 ミーア様 クロエ様! (2人)うん? 93 00:06:57,183 --> 00:07:01,621 出店で おいしそうなものを 買ってまいりました! 94 00:07:01,621 --> 00:07:05,292 あら ありがとう アンヌ。 ありがとうございます。 95 00:07:05,292 --> 00:07:07,961 おいしそうですわね どれどれ~。 96 00:07:07,961 --> 00:07:10,263 (クロエ)ミ… ミーア様! 97 00:07:12,299 --> 00:07:15,468 え…? ミ… ミーア様が食べたそれは…。 98 00:07:15,468 --> 00:07:17,470 紅がらしです! 99 00:07:17,470 --> 00:07:19,973 か… 辛い…。 100 00:07:19,973 --> 00:07:23,143 辛い~っ! (アンヌ/クロエ)わ~! 101 00:07:23,143 --> 00:07:25,312 だ… 誰か お水を! ぴぇえ~ ええ~! 102 00:07:25,312 --> 00:07:27,314 どうぞ。 103 00:07:29,649 --> 00:07:34,154 あ… ありがとうございま… し… た…。 104 00:07:34,154 --> 00:07:36,323 あっ! アベル王子! 105 00:07:36,323 --> 00:07:40,160 (アベル)役に立てて何よりだ。 (クロエ/アンヌ)おじゃまじゃま~。 106 00:07:40,160 --> 00:07:43,330 《アベル王子… なんだか…》 107 00:07:43,330 --> 00:07:46,166 ミーア姫殿下ではありませんか。 108 00:07:46,166 --> 00:07:50,170 あら? あなたはアベル王子のお兄様。 109 00:07:50,170 --> 00:07:52,839 (ゲイン)覚えていてもらえたとは 光栄ですよ。 110 00:07:52,839 --> 00:07:57,177 ところで 今日は我が弟のために 弁当を作ってくれたとか。 111 00:07:57,177 --> 00:08:00,447 ええ。 腕によりをかけて お作りしましたわ。 112 00:08:00,447 --> 00:08:03,783 フッ… それはそれは 残念なことですな。 113 00:08:03,783 --> 00:08:06,619 残念? いえね➡ 114 00:08:06,619 --> 00:08:10,123 アベルの初戦の相手は この俺なものですから。 115 00:08:10,123 --> 00:08:14,294 つまり コイツは 初戦で負けるんですよ。 116 00:08:14,294 --> 00:08:18,631 負けたあとに食べる弁当は さぞおいしいことでしょう。 117 00:08:18,631 --> 00:08:22,135 しかし まさか 我が弟に 恋をするとは…。 118 00:08:22,135 --> 00:08:25,138 帝国の英知といっても 所詮は子ども。 119 00:08:25,138 --> 00:08:29,142 見る目がないというか。 (アベル)お兄様! 120 00:08:29,142 --> 00:08:32,812 ミーア姫に失礼なことを 言わないでください! 121 00:08:32,812 --> 00:08:35,648 《あのときは アベル王子とコネをつくることを➡ 122 00:08:35,648 --> 00:08:38,151 一番に考えてましたが…。 123 00:08:38,151 --> 00:08:41,988 う~む… これはずいぶんと 恨まれておりますわね。 124 00:08:41,988 --> 00:08:45,825 レムノ王国の第一王子である お兄様と敵対するのは➡ 125 00:08:45,825 --> 00:08:48,661 得策ではなさそうですわね…。 126 00:08:48,661 --> 00:08:51,498 ここは アベル王子には 負けてもらって➡ 127 00:08:51,498 --> 00:08:54,167 お兄様の自尊心を満たしつつ➡ 128 00:08:54,167 --> 00:08:57,504 わたくしは アベル王子を慰めて 仲を深める…。 129 00:08:57,504 --> 00:09:02,776 これですわ! あくまで ギロチン回避が最優先! 130 00:09:02,776 --> 00:09:05,779 だから ここは適当に…》 131 00:09:07,947 --> 00:09:12,252 ⦅どうしても 勝ちたい相手がいるからね⦆ 132 00:09:16,790 --> 00:09:21,795 どうぞ! お勝ちくださいませ。 アベル王子! えっ? 133 00:09:21,795 --> 00:09:25,632 勝って食べたお弁当のほうが おいしいはずですわ。 134 00:09:25,632 --> 00:09:27,801 フフッ! 135 00:09:27,801 --> 00:09:30,470 確かに そのとおりだね。 136 00:09:30,470 --> 00:09:34,974 ふんっ! 仲のいいことだ。 137 00:09:34,974 --> 00:09:39,979 (歓声) 138 00:09:39,979 --> 00:09:43,483 (審判)これより 予選第7試合を開始します。 139 00:09:45,485 --> 00:09:47,487 フッ…。 140 00:09:49,489 --> 00:09:54,594 さて どれだけ成長したか 試してやろう… 我が弟よ! 141 00:09:56,663 --> 00:09:58,665 ぐ…。 142 00:10:00,667 --> 00:10:03,503 やはり 強い…。 143 00:10:03,503 --> 00:10:07,674 まあ 所詮こんなもんか。 なら…。 144 00:10:07,674 --> 00:10:09,676 これは どうだ~! 145 00:10:09,676 --> 00:10:12,178 くっ…。 146 00:10:12,178 --> 00:10:14,180 ぐっ…。 147 00:10:14,180 --> 00:10:18,685 ヘッ… それにしても いい女を 引っ掛けたじゃないか アベル。 148 00:10:18,685 --> 00:10:23,857 え…? 弱いくせに 帝国の姫君を落とそうなんて➡ 149 00:10:23,857 --> 00:10:28,361 父上も さぞお喜びに なるだろうさ。 何を…。 150 00:10:28,361 --> 00:10:33,032 もしも お前と あのお姫様が 婚姻を結ぶことがあれば➡ 151 00:10:33,032 --> 00:10:36,202 そのときは 俺がきっちりとしつけてやる。 152 00:10:36,202 --> 00:10:41,608 少しばかり痛めつければ あの お姫様も おとなしくなるだろう。 153 00:10:43,543 --> 00:10:48,882 兄上! どうした? 怖い顔をして。 154 00:10:48,882 --> 00:10:52,552 僕のことは なんと言っていただいても結構。 155 00:10:52,552 --> 00:10:55,221 けれど! これ以上➡ 156 00:10:55,221 --> 00:10:58,224 ミーア姫をおとしめるようなことを 言うのなら…。 157 00:10:58,224 --> 00:11:00,493 あれは…。 158 00:11:00,493 --> 00:11:04,998 《ゲイン:レムノ王国剣術第一の構え…》 159 00:11:04,998 --> 00:11:09,002 おとしめるようなことを 言うのなら… なんだ? 160 00:11:09,002 --> 00:11:13,840 僕が 絶対に… 許さない! 161 00:11:13,840 --> 00:11:16,009 グアァ~! 162 00:11:16,009 --> 00:11:18,111 (3人)ああっ! 163 00:11:22,515 --> 00:11:25,685 ああ… あ…。 164 00:11:25,685 --> 00:11:30,523 そこまで! 勝者 アベル・レムノくん! 165 00:11:30,523 --> 00:11:33,526 (歓声) 166 00:11:33,526 --> 00:11:37,697 アベル王子! 167 00:11:37,697 --> 00:11:41,100 ハハッ ハハハッ…。 168 00:11:43,036 --> 00:11:46,706 (アベル)か…。 169 00:11:46,706 --> 00:11:49,542 勝った…。 170 00:11:49,542 --> 00:11:52,879 ほんっとうに すごかったですわ! アベル王子! 171 00:11:52,879 --> 00:11:55,215 初戦でお兄様に勝利されて➡ 172 00:11:55,215 --> 00:11:58,384 2回戦も勝ってしまうなんて さすがですわ! 173 00:11:58,384 --> 00:12:01,321 ありがとう。 ミーア姫の応援のおかげだよ。 174 00:12:01,321 --> 00:12:04,324 アベル王子の努力の成果ですわ! 175 00:12:04,324 --> 00:12:06,826 《こんなに強いのなら 憎きシオン王子も➡ 176 00:12:06,826 --> 00:12:11,497 ぎゃふんと言わせられるかも しれませんわね! フフフ~》 177 00:12:11,497 --> 00:12:14,334 < これを他力本願という> 178 00:12:14,334 --> 00:12:17,503 これなら優勝も 夢ではございませんわね! 179 00:12:17,503 --> 00:12:21,841 さすがに優勝は… 何せシオン王子がいるからね。 180 00:12:21,841 --> 00:12:26,512 自信をお持ちになって! あなたは強いですわ アベル王子! 181 00:12:26,512 --> 00:12:30,516 ミーア姫…。 フフフ…。 182 00:12:33,519 --> 00:12:35,521 (シオン)待たせたね。 183 00:12:35,521 --> 00:12:38,024 シ… シオン王子!? 184 00:12:38,024 --> 00:12:41,694 せっかくだから ミーア姫たちと 一緒に食べたらどうかと…。 185 00:12:41,694 --> 00:12:45,365 ルドルフォン嬢が…。 (ミーア)ティ… ティオーナさんが!? 186 00:12:45,365 --> 00:12:47,700 アハ! 《いや なんですの その➡ 187 00:12:47,700 --> 00:12:49,702 「やってやりましたよ!」顔は!》 188 00:12:49,702 --> 00:12:52,205 邪魔だったかな? い… いえ➡ 189 00:12:52,205 --> 00:12:56,709 そんなことはございませんわ…。 オ… オホホホホ…。 190 00:12:56,709 --> 00:12:59,045 《この男… 前の時間軸では➡ 191 00:12:59,045 --> 00:13:01,147 わたくしを独りぼっちに させておいて➡ 192 00:13:01,147 --> 00:13:03,316 なんですの この態度は!》 193 00:13:03,316 --> 00:13:05,985 おや? このサンドイッチは おもしろいね。 194 00:13:05,985 --> 00:13:11,991 馬の形をしているのかい? あっ ア… アベル王子…。 195 00:13:13,993 --> 00:13:16,496 あ…。 うん! 196 00:13:16,496 --> 00:13:19,499 すごくおいしいよ ミーア姫。 197 00:13:19,499 --> 00:13:21,668 あっ… わ~! 198 00:13:21,668 --> 00:13:24,671 気に入っていただけたなら 何よりですわ! 199 00:13:24,671 --> 00:13:29,008 《そう! このサンドイッチの特徴は 馬の形をしているところ! 200 00:13:29,008 --> 00:13:31,344 馬の形を提案したのは わたくし! 201 00:13:31,344 --> 00:13:36,349 つまり このサンドイッチへの称賛は すべて わたくしへの称賛!》 202 00:13:36,349 --> 00:13:39,018 <キースウッドは泣いていい> 203 00:13:39,018 --> 00:13:43,356 アベル王子 遅くなったが 兄君への初勝利 おめでとう。 204 00:13:43,356 --> 00:13:45,692 ああ わざわざありがとう。 205 00:13:45,692 --> 00:13:49,195 実は 俺は君に謝らなくては ならないことがあるんだ。 206 00:13:49,195 --> 00:13:51,364 謝る? えっ? 207 00:13:51,364 --> 00:13:55,702 俺は てっきり 君が負けるものだと思っていた。 208 00:13:55,702 --> 00:13:58,037 《んまあ~! なんて失礼な! 209 00:13:58,037 --> 00:14:02,308 アベル王子が あんなダメな兄に 負けるわけありませんわ!》 210 00:14:02,308 --> 00:14:05,144 いや 実際 その見立ては正しいよ。 211 00:14:05,144 --> 00:14:08,147 僕が勝てたのは 運がよかったからさ。 212 00:14:08,147 --> 00:14:11,150 《んまあ~! なんて謙虚なんですの!?》 213 00:14:11,150 --> 00:14:13,152 運というものは大事だよ。 214 00:14:13,152 --> 00:14:15,822 俺だって 実力で すべて勝てたわけじゃない。 215 00:14:15,822 --> 00:14:18,324 《うんうん》 だが シオン王子に➡ 216 00:14:18,324 --> 00:14:20,326 そう言ってもらえるとは 光栄だな。 217 00:14:20,326 --> 00:14:22,328 《こんなヤツに認められても➡ 218 00:14:22,328 --> 00:14:24,330 大したことございませんわよ!》 219 00:14:24,330 --> 00:14:29,502 なんにせよ 次の試合 いい戦いにしよう! 220 00:14:29,502 --> 00:14:33,005 こちらこそ シオン王子の胸を借りるつもりで➡ 221 00:14:33,005 --> 00:14:36,509 精いっぱいやらせて…。 え…? 222 00:14:39,178 --> 00:14:44,183 《ミーア姫… そうか ミーア姫は僕に➡ 223 00:14:44,183 --> 00:14:47,687 弱気なことを言うなと そう言いたいんだな…》 224 00:14:47,687 --> 00:14:50,857 《アベル王子 そんなヤツ放っておいて➡ 225 00:14:50,857 --> 00:14:54,360 もっとサンドイッチを褒めて くださってもいいんですのよ?》 226 00:14:54,360 --> 00:14:58,698 <ミーアは 単に ウザいアピールをしてるだけである> 227 00:14:58,698 --> 00:15:01,467 《ミーア姫は 僕を信じてくれているんだ…。 228 00:15:01,467 --> 00:15:03,469 ならば!》 229 00:15:03,469 --> 00:15:06,305 覚悟してもらおうか シオン王子! あ…。 230 00:15:06,305 --> 00:15:09,976 僕は 負けるつもりはない! 231 00:15:09,976 --> 00:15:13,646 《僕を信じてくれた ミーア姫のために!》 232 00:15:13,646 --> 00:15:18,818 そうか! ならば 俺も君を 全力で倒すことをここに誓おう! 233 00:15:18,818 --> 00:15:22,321 男の子同士の熱い友情… すてき! 234 00:15:22,321 --> 00:15:24,490 あ… あの…。 235 00:15:24,490 --> 00:15:30,496 《わ… わたくしの サンドイッチの話は!?》 236 00:15:30,496 --> 00:15:34,667 < こうしてお昼休みは 過ぎていったのだった> 237 00:15:34,667 --> 00:15:36,669 (歓声) 238 00:15:36,669 --> 00:15:40,339 (審判)これより 次の試合を始めます! 239 00:15:40,339 --> 00:15:43,676 《アベル王子 どうか勝ってください。 240 00:15:43,676 --> 00:15:48,681 勝って アホのシオンに 「ぎゃふん」と 言わせてください!》 241 00:15:48,681 --> 00:15:52,185 < まさに小物のせりふである> 242 00:15:55,188 --> 00:15:58,524 《シオン王子は 相手のどんな攻撃も受けきる➡ 243 00:15:58,524 --> 00:16:01,961 カウンターを得意とする。 僕のような凡人には➡ 244 00:16:01,961 --> 00:16:05,798 とてもまねできない剣術だ。 だが…》 245 00:16:05,798 --> 00:16:08,134 ハッ…。 246 00:16:08,134 --> 00:16:12,805 これは レムノ王国に伝わる 第一の構えといってね…。 247 00:16:12,805 --> 00:16:16,976 相手より速く攻撃を当てること のみに特化させた技だ。 248 00:16:16,976 --> 00:16:19,479 兄君を破ったときの構えだな? 249 00:16:19,479 --> 00:16:24,484 ああ。 僕はより速く剣を 振り下ろすことに 心血を注ぎ➡ 250 00:16:24,484 --> 00:16:27,153 今日まで鍛錬をしてきた。 251 00:16:27,153 --> 00:16:29,989 君に 勝つために! 252 00:16:29,989 --> 00:16:32,992 はぁっ! あっ…。 253 00:16:40,333 --> 00:16:43,169 《まだ 届かないのか…》 254 00:16:43,169 --> 00:16:45,838 ン…。 255 00:16:45,838 --> 00:16:48,174 ンッ…。 256 00:16:48,174 --> 00:16:51,177 《カウンターが 来なかった…》 257 00:16:51,177 --> 00:16:55,681 《殿下が 得意のカウンターを 出せなかった…。 258 00:16:55,681 --> 00:17:00,953 油断してると 足元すくわれますよ シオン殿下》 259 00:17:00,953 --> 00:17:04,290 手加減はしないという 話ではなかったかな。 260 00:17:04,290 --> 00:17:06,959 こちらにも事情があるんでね。 261 00:17:06,959 --> 00:17:11,464 まあ どちらにしろ… 僕が やれることは限られているが! 262 00:17:11,464 --> 00:17:14,300 ふっ…! くっ…。 263 00:17:14,300 --> 00:17:17,637 《アベル王子を低く見ている つもりはなかったが➡ 264 00:17:17,637 --> 00:17:19,639 これほどとは…。 265 00:17:19,639 --> 00:17:23,809 最初の一撃 腕がしびれるほどの 重さだった…》 266 00:17:23,809 --> 00:17:25,811 はああっ! 267 00:17:25,811 --> 00:17:28,314 《こんなに 追い詰められるなんて…。 268 00:17:28,314 --> 00:17:31,150 父上との鍛錬以来だ!》 269 00:17:31,150 --> 00:17:35,655 《それにしても アベル王子は 自分とシオン殿下の力の差を➡ 270 00:17:35,655 --> 00:17:38,324 冷静に分析できているな…。 271 00:17:38,324 --> 00:17:42,828 己を知り 相手を知った上で 諦めることなく未来へ向かう…。 272 00:17:42,828 --> 00:17:46,332 まさに 王にふさわしい資質だ…。 273 00:17:46,332 --> 00:17:50,169 そして こうなるように 流れをつくったのは…》 274 00:17:50,169 --> 00:17:52,672 《え~い! シオンのヤツ! 275 00:17:52,672 --> 00:17:56,008 ちょこまかちょこまかと こしゃくな~!》 276 00:17:56,008 --> 00:17:59,178 <完全に悪役のせりふである…> 277 00:17:59,178 --> 00:18:02,782 (剣げき音) 278 00:18:02,782 --> 00:18:06,118 よけてばかりでは 勝負はつかないぞ シオン王子。 279 00:18:06,118 --> 00:18:09,789 君をここまで強くしたのは やはりミーア姫か? 280 00:18:09,789 --> 00:18:11,791 ああ そうだ! 281 00:18:11,791 --> 00:18:15,628 《今までの僕は 生まれながらの 才能の差を埋めることなんて➡ 282 00:18:15,628 --> 00:18:20,466 絶対無理だと決めつけて 努力をすることから逃げていた。 283 00:18:20,466 --> 00:18:24,804 だけど セントノエル学園に来て 彼女と出会って➡ 284 00:18:24,804 --> 00:18:27,473 あの日 シオン王子に勝ちたいと…》 285 00:18:27,473 --> 00:18:29,809 初めて思ったんだ! 286 00:18:29,809 --> 00:18:33,479 ミーア姫は こんな僕を信じて 勝利を願ってくれた…。 287 00:18:33,479 --> 00:18:36,315 故に! 僕は負けるわけにはいかない! 288 00:18:36,315 --> 00:18:39,485 そうか… それはちょっと羨ましいな。 289 00:18:39,485 --> 00:18:44,590 だが 負けられないのは 俺のほうも同じだ! 290 00:18:46,659 --> 00:18:48,661 あら? 雨? 291 00:18:48,661 --> 00:18:52,498 ミーア様 ぬれてしまいます! 早く屋根のあるところへ。 292 00:18:52,498 --> 00:18:56,669 これくらいの雨 構いませんわ。 ですが…。 293 00:18:56,669 --> 00:19:00,940 わたくしは この試合を最後まで 見届けなければなりませんの。 294 00:19:00,940 --> 00:19:05,945 ミーア様…。 で… では 私は傘を持ってまいります! 295 00:19:05,945 --> 00:19:08,614 《「この試合を見届ける」ね…。 296 00:19:08,614 --> 00:19:12,118 つまり アベル王子の中に 眠っていた才能を➡ 297 00:19:12,118 --> 00:19:16,455 彼女は この試合で開花させようと しているというわけか》 298 00:19:16,455 --> 00:19:19,125 《アベル王子が シオンを コテンパンにするところを➡ 299 00:19:19,125 --> 00:19:21,460 見逃してなるものですか!》 300 00:19:21,460 --> 00:19:23,796 < これが現実である> 301 00:19:23,796 --> 00:19:27,133 《なるほど… あらゆる人間の中に 眠る才能が➡ 302 00:19:27,133 --> 00:19:29,468 生かされないことを 決して許さない…。 303 00:19:29,468 --> 00:19:33,139 これが 帝国の英知の本質なのだな!》 304 00:19:33,139 --> 00:19:35,141 はああああ! 305 00:19:38,978 --> 00:19:40,980 ぐっ…。 306 00:19:45,985 --> 00:19:51,323 ハァハァ… なるほど ようやく本気というわけかい? 307 00:19:51,323 --> 00:19:56,829 俺はずっと本気だったさ。 君の斬撃は本当に大したものだ。 308 00:19:56,829 --> 00:19:59,331 だからこそ 忠告をするが…。 309 00:19:59,331 --> 00:20:03,335 また同じ攻撃をしてきたら 君の負けだ。 310 00:20:03,335 --> 00:20:06,338 そうか… それなら➡ 311 00:20:06,338 --> 00:20:11,177 君に勝つために なすべきことは ただ一つだね。 312 00:20:11,177 --> 00:20:15,514 《今更 戦術を変えるようなら 僕の負けは確実だ。 313 00:20:15,514 --> 00:20:19,185 今までと同じ攻撃が 通用しないのならば…》 314 00:20:19,185 --> 00:20:21,854 《今までを超える攻撃を 繰り出せばいい➡ 315 00:20:21,854 --> 00:20:23,856 というわけか…》 316 00:20:23,856 --> 00:20:26,192 ならば こちらも迎え撃とう! 317 00:20:26,192 --> 00:20:29,028 全力をもって当たるべき ライバルとして! 318 00:20:29,028 --> 00:20:31,363 (雷鳴) 319 00:20:31,363 --> 00:20:33,699 そこまで! 雨のため➡ 320 00:20:33,699 --> 00:20:37,203 ただいまをもって 剣術大会は中止とします! 321 00:20:37,203 --> 00:20:39,538 な…? 中止…。 322 00:20:39,538 --> 00:20:41,540 やはりそうなったか…。 323 00:20:41,540 --> 00:20:46,212 剣術大会は学生同士の親睦を 深めるためのものだしね。 324 00:20:46,212 --> 00:20:49,215 この雨ではな…。 そんな…。 325 00:20:49,215 --> 00:20:52,551 この試合の決着は いずれつけたいものだ…。 326 00:20:52,551 --> 00:20:58,557 アベル王子。 この俺と 再戦を約束してもらえるかな? 327 00:20:58,557 --> 00:21:04,063 シオン王子… 望むところだ! 328 00:21:10,336 --> 00:21:14,173 アベル王子! あっ… ミーア姫。 329 00:21:14,173 --> 00:21:17,843 ハァハァ…。 雨にぬれたのですか? 330 00:21:17,843 --> 00:21:19,845 早く乾かさないと風邪など…。 331 00:21:19,845 --> 00:21:22,515 すごかったですわ! 惜しかったですわ! 332 00:21:22,515 --> 00:21:25,684 あと一歩で アベル王子が 勝利してたというのに! 333 00:21:25,684 --> 00:21:29,688 い… いや… あのまま 続けていたら きっと僕は…。 334 00:21:29,688 --> 00:21:32,358 きっと アベル王子の勝利を妬んだ誰かが➡ 335 00:21:32,358 --> 00:21:35,194 あさましくも 雨乞いでもしたんですわね! 336 00:21:35,194 --> 00:21:37,863 正々堂々とした勝負に 水をさすなんて➡ 337 00:21:37,863 --> 00:21:40,032 けしからんヤツですわ! 338 00:21:40,032 --> 00:21:42,868 < なんてことを 彼女は言ってるが➡ 339 00:21:42,868 --> 00:21:48,707 前の時間軸で 剣術大会のとき ボッチだったミーアは…> 340 00:21:48,707 --> 00:21:52,545 ⦅シオン王子め~ わたくしの お弁当を断っておいて➡ 341 00:21:52,545 --> 00:21:54,713 優勝なんて許せませんわ! 342 00:21:54,713 --> 00:21:57,550 いっそ雨でも降って 大会が中止になれば…。 343 00:21:57,550 --> 00:22:01,153 雨よ降れ 雨よ降れ~!⦆ 344 00:22:01,153 --> 00:22:05,157 < あさましく けしからんことを していたのだったが…> 345 00:22:05,157 --> 00:22:07,493 ほんっとに あと一歩でしたのに~。 346 00:22:07,493 --> 00:22:10,162 悔しいですわ~ プンスコですわ~。 347 00:22:10,162 --> 00:22:14,667 んも~! んも~! 雨のバカバカ~ですわ!