1 00:00:04,071 --> 00:00:06,740 (クラーク)先生! ノンナは どうして➨ 2 00:00:06,740 --> 00:00:09,743 あの家の馬車に 乗っていったのですか? 3 00:00:09,743 --> 00:00:14,715 (ビクトリア)クラーク様。 さぁ どうしてでしょう。 4 00:00:14,715 --> 00:00:18,185 えっ? 先生? 5 00:00:18,185 --> 00:00:22,756 申し訳ありません。 私 帰りますね。 6 00:02:20,073 --> 00:02:23,477 (ヨラナ)ビクトリア 何があったの? 7 00:02:23,477 --> 00:02:28,715 ノンナが 貴族様の養女になるみたいですよ。 8 00:02:28,715 --> 00:02:32,719 どういうこと? ノンナは納得してるの? 9 00:02:32,719 --> 00:02:35,088 たぶん。 (ヨラナ)えっ…。 10 00:02:40,060 --> 00:02:44,765 《なんで? 私たち うまくいってたよね? 11 00:02:44,765 --> 00:02:47,067 楽しく暮らしていたよね?》 12 00:02:47,067 --> 00:02:49,102 (扉をたたく音) 13 00:02:49,102 --> 00:02:51,738 (ジェフリー)ビクトリア いるか! 14 00:02:51,738 --> 00:02:55,742 《あぁ しょぼくれた顔を 見せたくない…》 15 00:02:55,742 --> 00:02:59,780 (ジェフリー)いるんだろう? ドアを開けないなら蹴破るぞ! 16 00:02:59,780 --> 00:03:02,182 鍵なら開いてます。 17 00:03:06,053 --> 00:03:09,056 (ジェフリー)ヨラナ夫人が 連絡をくれたんだ。 18 00:03:09,056 --> 00:03:12,059 ノンナが貴族の家へ行ったんだって? 19 00:03:12,059 --> 00:03:16,730 私 ノンナはずっと 私のそばにいてくれるもんだと➨ 20 00:03:16,730 --> 00:03:18,732 思い込んでいました。 21 00:03:18,732 --> 00:03:22,402 ノンナには ノンナの人生を 決める権利があるのに。 22 00:03:22,402 --> 00:03:25,372 ビクトリア。 23 00:03:25,372 --> 00:03:29,376 ノンナは何か考えがあって 行ったんだと思うが。 24 00:03:29,376 --> 00:03:32,379 えぇ 私もそう思います。 25 00:03:32,379 --> 00:03:35,715 でも ノンナにとって いいお話だと思うんです。 26 00:03:35,715 --> 00:03:38,085 貴族の養女になって➨ 27 00:03:38,085 --> 00:03:42,722 身分と生活を保障されるほうが 有利だし 安全です。 28 00:03:42,722 --> 00:03:46,726 そんな言い方をして 自分を卑下するな。 29 00:03:46,726 --> 00:03:50,397 君は力強く生きている 立派な女性だよ。 30 00:03:50,397 --> 00:03:54,067 きっと帰ってくるさ。 31 00:03:54,067 --> 00:03:56,737 帰ってこないほうが➨ 32 00:03:56,737 --> 00:04:00,707 あの子にとって幸せだから つらいんです。 33 00:04:03,744 --> 00:04:08,715 (ジェフリー)ビクトリア… 何が幸せかは ノンナが決めるよ。 34 00:04:08,715 --> 00:04:13,120 あの子なら大丈夫だ。 君を選んで帰ってくるさ。 35 00:04:15,055 --> 00:04:17,724 そうですね。 36 00:04:17,724 --> 00:04:20,393 帰ってきたときに 喜んでくれるよう➨ 37 00:04:20,393 --> 00:04:24,397 あの子の服に くるみボタンを 縫い付けておかなくちゃ。 38 00:04:26,800 --> 00:04:31,071 ありがとうございます。 もう大丈夫です。 39 00:04:31,071 --> 00:04:35,709 料理を作ろうかな。 夕食 食べました? 40 00:04:35,709 --> 00:04:40,747 これしかありませんけど。 (ジェフリー)十分だよ。 うまそうだ。 41 00:04:40,747 --> 00:04:44,117 ノンナは きっと帰ってくると思うが➨ 42 00:04:44,117 --> 00:04:47,053 君が嫌なら 遠慮する必要はないよ。 43 00:04:47,053 --> 00:04:49,723 男爵の家に取り戻しに行けばいい。 44 00:04:49,723 --> 00:04:53,693 心細いなら… 俺が付いていく。 45 00:04:56,096 --> 00:05:00,734 あの子の気持ちを いちばんに考えたいので待ちます。 46 00:05:00,734 --> 00:05:04,104 あっ… そうか。 47 00:05:09,776 --> 00:05:12,412 フフッ。 48 00:05:12,412 --> 00:05:17,050 ノンナがいないときは いないように暮らしてみます。 49 00:05:17,050 --> 00:05:21,655 (マイルズ)おっ どうした? (ナイフを研ぐ音) 50 00:05:24,057 --> 00:05:28,395 マイルズさん 鍛錬のお相手をお願いできますか。 51 00:05:28,395 --> 00:05:31,665 よ~し いつでもいいぞ。 52 00:05:34,401 --> 00:05:38,071 おっ! 53 00:05:38,071 --> 00:05:41,408 はぁ~! 54 00:05:41,408 --> 00:05:43,410 うっ! あぁ…。 55 00:05:43,410 --> 00:05:46,713 はい 両眼を切り裂かれました。 56 00:05:46,713 --> 00:05:50,383 やられた! もう1回! フフッ 何度でも。 57 00:05:50,383 --> 00:05:52,385 (鳴き声) 58 00:05:52,385 --> 00:05:58,792 (マイルズ)うぅ… あの子はどうした? 59 00:05:58,792 --> 00:06:01,795 他の家に泊まりに行ってます。 60 00:06:05,398 --> 00:06:08,068 うおっ! 61 00:06:08,068 --> 00:06:11,471 うっ! ぐっ…。 62 00:06:11,471 --> 00:06:14,374 かぁ~…。 あぁ…。 63 00:06:14,374 --> 00:06:17,711 さすがに 急所は外して 股関節にしたんですけど…。 64 00:06:17,711 --> 00:06:21,748 くっ… 老人の股関節は急所と同じだ…。 65 00:06:21,748 --> 00:06:28,054 フフフ… マイルズさんが老人って… アハハハッ! 66 00:06:28,054 --> 00:06:32,092 (マイルズ)やっと元気が出てきたな。 はい! 67 00:06:32,092 --> 00:06:36,062 ありがとうございました。 またいつでも来るといい。 68 00:06:36,062 --> 00:06:38,665 今日は実に楽しかった。 69 00:06:41,768 --> 00:06:45,105 《マイルズさん 何も聞かなかった。 70 00:06:45,105 --> 00:06:48,675 それに 確かめたいことも 確かめられた…》 71 00:06:59,786 --> 00:07:03,089 クラーク様 おっしゃりたいことは わかりますけど➨ 72 00:07:03,089 --> 00:07:07,727 私は ノンナの気持ちを 大切にしてるんですよ。 73 00:07:07,727 --> 00:07:11,131 僕なら絶対にノンナを行かせません! 74 00:07:14,734 --> 00:07:16,736 フゥ…。 75 00:07:16,736 --> 00:07:19,439 ん~っ! 76 00:07:19,439 --> 00:07:21,708 (足音) 77 00:07:37,457 --> 00:07:39,492 (ドアノブを引っ張る音) 78 00:07:39,492 --> 00:07:41,494 (ドアを蹴る音) 79 00:07:44,097 --> 00:07:46,666 (窓を開けようとする音) 80 00:07:48,768 --> 00:07:51,438 (窓を開けようとする音) 81 00:07:58,411 --> 00:08:04,818 (窓を開けようとする音) 82 00:08:04,818 --> 00:08:07,087 (ノンナ)んっ… うぅ…。 83 00:08:07,087 --> 00:08:10,423 う~ん… う~ん…。 何やってるの。 84 00:08:10,423 --> 00:08:13,126 ふえ? あっ…。 あっ! 85 00:08:17,063 --> 00:08:20,734 夜中に そんな格好で 1人で出歩くなんて➨ 86 00:08:20,734 --> 00:08:24,137 悪い人に襲ってくださいと 言ってるようなものよ。 87 00:08:24,137 --> 00:08:26,139 どうしてこんなことしたの? 88 00:08:26,139 --> 00:08:28,408 約束どおり 6回泊まったよ。 89 00:08:28,408 --> 00:08:31,711 あのね 今日 部屋に鍵をかけられた。 90 00:08:31,711 --> 00:08:34,781 あと 私のこと ドロレスって呼ぶ。 91 00:08:34,781 --> 00:08:38,385 あと お父様 お母様 って言いなさいって。 92 00:08:38,385 --> 00:08:42,389 嫌だよ。 ドロレスじゃないし 親じゃないし。 93 00:08:42,389 --> 00:08:45,425 それで どうやって抜け出したの? 94 00:08:45,425 --> 00:08:47,727 2階の窓から 手すりにぶら下がって➨ 95 00:08:47,727 --> 00:08:50,730 手を放した。 教わったとおり➨ 96 00:08:50,730 --> 00:08:53,400 ちゃんと着地するとき ゴロンしたよ。 97 00:08:53,400 --> 00:08:57,404 うん!! それは非常事態のときだけって…。 98 00:08:57,404 --> 00:08:59,773 鍵をかけられたら非常事態。 99 00:08:59,773 --> 00:09:02,842 死んだ子どもの代わりも非常事態。 100 00:09:02,842 --> 00:09:07,047 うん!! そうね 鍵は確かにひどいと思う。 101 00:09:07,047 --> 00:09:11,051 でもね だったら 最初から 引き受けなければいいのにって➨ 102 00:09:11,051 --> 00:09:13,053 私は思うけど。 103 00:09:13,053 --> 00:09:16,056 あのとき エバ様が困ってたもの。 104 00:09:16,056 --> 00:09:19,726 困ったとき エバ様は ハンカチをギュッとする。 105 00:09:19,726 --> 00:09:23,363 だから行ったんだよ。 断っていいって言ったもん。 106 00:09:23,363 --> 00:09:27,033 エバ様が困ってるところなんて 見たことあるの? 107 00:09:27,033 --> 00:09:31,404 あるよ クラーク様に 膝蹴りしてたの見られたとき。 108 00:09:31,404 --> 00:09:34,741 あなた クラーク様に膝蹴りなんてしたの? 109 00:09:34,741 --> 00:09:38,411 したよ。 どうやってやるのか 見せてって言うから。 110 00:09:38,411 --> 00:09:41,414 ⸨膝蹴りの見本 見たい。 いいよ。 111 00:09:41,414 --> 00:09:45,085 痛っ! (エバ)どうしたの!? 2人とも⸩ 112 00:09:45,085 --> 00:09:49,722 《私の知らないところで 君は何をやっているのかね》 113 00:09:49,722 --> 00:09:53,760 (エバ)えっ? 夜遅く 男爵様の屋敷を抜け出して? 114 00:09:53,760 --> 00:09:56,429 きっと 心配なさっているでしょうから➨ 115 00:09:56,429 --> 00:10:00,066 これから謝罪にうかがおうかと…。 116 00:10:00,066 --> 00:10:04,037 ううん あなたたちは 顔を出さないほうが。 117 00:10:04,037 --> 00:10:06,706 うちから連絡を入れておく。 118 00:10:06,706 --> 00:10:11,411 4年前 王都で 高熱が出る風邪がはやったの。 119 00:10:11,411 --> 00:10:15,081 亡くなる子どもや老人が 少なくなかった。 120 00:10:15,081 --> 00:10:18,718 クラークもその風邪にかかって 高熱を出したのだけど➨ 121 00:10:18,718 --> 00:10:21,721 幸いなことに乗り越えたわ。 122 00:10:21,721 --> 00:10:26,092 ところがね うちの夫は 外務大臣だから➨ 123 00:10:26,092 --> 00:10:29,696 「他国のいい薬を使ったらしい」と うわさされたの。 124 00:10:29,696 --> 00:10:32,699 誤解だったけれど どんなに否定しても➨ 125 00:10:32,699 --> 00:10:35,034 うわさは消えなかったわ。 126 00:10:35,034 --> 00:10:39,372 そうしたら ある日 ハンソン男爵が 我が家に来たの。 127 00:10:39,372 --> 00:10:43,409 涙ながらに 薬を譲ってほしいと頼まれたのよ。 128 00:10:43,409 --> 00:10:46,713 このままでは 娘は死んでしまう と。 129 00:10:46,713 --> 00:10:51,384 エバ様 それは アンダーソン家には 何の責任もない話ですわ。 130 00:10:51,384 --> 00:10:57,023 理屈ではね。 でも彼らには理屈じゃないのよ。 131 00:10:57,023 --> 00:11:01,060 我が家とハンソン家のことに 巻き込んでごめんなさい。 132 00:11:01,060 --> 00:11:05,031 あなたにも ノンナにも迷惑かけたわ。 133 00:11:05,031 --> 00:11:10,703 《翌日 ハンソン男爵から 荷物と手紙が届けられた。 134 00:11:10,703 --> 00:11:15,074 少しでもドロレスを取り戻したような 時間をくれたことに➨ 135 00:11:15,074 --> 00:11:19,712 感謝する旨が 手紙には つづられていた》 136 00:11:19,712 --> 00:11:25,051 ノンナ 高そうなドレスに靴 アクセサリーやバッグもあるわよ。 137 00:11:25,051 --> 00:11:27,053 ふ~ん。 138 00:11:27,053 --> 00:11:29,722 《私は 胸が詰まった。 139 00:11:29,722 --> 00:11:31,691 これらの品を手放すとき➨ 140 00:11:31,691 --> 00:11:34,727 夫妻は どんな思いだっただろうか。 141 00:11:34,727 --> 00:11:37,697 我が子の代わりは 誰もいないのだと➨ 142 00:11:37,697 --> 00:11:40,366 納得してくれただろうか。 143 00:11:40,366 --> 00:11:44,370 あのとき… 8歳の私を手放した後➨ 144 00:11:44,370 --> 00:11:48,341 両親は 寂しいと思ってくれただろうか》 145 00:11:50,376 --> 00:11:52,412 (ジェフリー)兄が ハンソン男爵に➨ 146 00:11:52,412 --> 00:11:56,015 ノンナの保護者は ビクトリアであることを 忘れないでほしいと➨ 147 00:11:56,015 --> 00:11:58,384 注意を促してくれたらしい。 148 00:11:58,384 --> 00:12:01,688 エドワード様まで 動いてくださったんですね。 149 00:12:01,688 --> 00:12:05,358 近いうちにお礼にまいります。 (ジェフリー)いいんだよ。 150 00:12:05,358 --> 00:12:08,795 兄は 伯父上のことで 君に感謝してるから。 151 00:12:08,795 --> 00:12:13,366 ノンナ お泊りしてるとき 何か怖いことされなかったか? 152 00:12:13,366 --> 00:12:15,435 されてない。 153 00:12:15,435 --> 00:12:19,038 でも 奥様だけのときは 少し嫌だった。 154 00:12:19,038 --> 00:12:21,374 ずっと ドロレスって呼ぶんだもん。 155 00:12:21,374 --> 00:12:23,376 あと 家族がそろったって言って➨ 156 00:12:23,376 --> 00:12:25,678 泣くのは怖かった…。 157 00:12:28,047 --> 00:12:31,718 でももう気にしてないよ。 158 00:12:31,718 --> 00:12:35,355 あなたは強いわね。 そして優しいわ。 159 00:12:35,355 --> 00:12:38,358 ビッキー。 なあに? 160 00:12:38,358 --> 00:12:40,727 ジェフとは一緒に暮らせないの? 161 00:12:40,727 --> 00:12:43,062 あら。 162 00:12:43,062 --> 00:12:46,032 フン! 163 00:12:46,032 --> 00:12:50,336 《そうできたらいいけどね 無理なのよ…》 164 00:12:56,409 --> 00:12:59,412 《もともと 1か所に長居せずに➨ 165 00:12:59,412 --> 00:13:02,815 半年くらいで 他国に行こうと考えていた。 166 00:13:02,815 --> 00:13:06,085 だから 覚悟はしていた。 167 00:13:06,085 --> 00:13:10,423 マイルズさんは あの家の本当の住人じゃない。 168 00:13:10,423 --> 00:13:14,727 本当の住人は左利きで もっと小柄だ。 169 00:13:14,727 --> 00:13:17,096 鍛錬をして はっきりした。 170 00:13:17,096 --> 00:13:20,400 マイルズさんは 完全な右利きだ。 171 00:13:20,400 --> 00:13:23,403 低めの位置にある荷物かけのクギ➨ 172 00:13:23,403 --> 00:13:26,806 道具拭きに使われてるらしい 古い靴下は➨ 173 00:13:26,806 --> 00:13:30,076 マイルズさんのものにしては かなり小さめ。 174 00:13:30,076 --> 00:13:35,081 元工作員の家の裏隣に 元軍人が住んでいて➨ 175 00:13:35,081 --> 00:13:38,084 本当の住人とは別人。 176 00:13:38,084 --> 00:13:43,756 その別人とは 私が 日課で走るコースの途中に出会った。 177 00:13:43,756 --> 00:13:46,125 これはもう偶然ではない。 178 00:13:46,125 --> 00:13:48,761 誰かが 私の動向を探らせるために➨ 179 00:13:48,761 --> 00:13:52,031 マイルズさんを あの家に住まわせた。 180 00:13:52,031 --> 00:13:57,437 身の危険を感じたら引っ越せと 私の勘がせっついている》 181 00:13:57,437 --> 00:14:02,075 ハァ ハァ…。 んっ? ノンナ? 182 00:14:02,075 --> 00:14:05,345 えっ!? 熱があるじゃない! 183 00:14:08,047 --> 00:14:12,051 (コートニー)ジェフ 私の体を心配してくれるのは➨ 184 00:14:12,051 --> 00:14:14,053 うれしいけど➨ 185 00:14:14,053 --> 00:14:18,057 忙しいときは あなたの用事を優先していいのよ。 186 00:14:18,057 --> 00:14:20,026 (ジェフリー)気楽な独り身ですから➨ 187 00:14:20,026 --> 00:14:23,062 それほど用事はないんですよ 母上。 188 00:14:23,062 --> 00:14:25,098 (コートニー)エドワードから あなたに➨ 189 00:14:25,098 --> 00:14:29,736 親しいお嬢さんができたと 聞いているけれど… フフフ。 190 00:14:29,736 --> 00:14:33,039 いつになったら 紹介してもらえるのかしら? 191 00:14:33,039 --> 00:14:35,041 それは…。 192 00:14:35,041 --> 00:14:39,712 もう少しお待ちいただけますか。 まだ何も決まってないんです。 193 00:14:39,712 --> 00:14:44,384 フフ… あらあら ずいぶん慎重なのね。 194 00:14:44,384 --> 00:14:47,053 《ジェフリー:慎重か…。 195 00:14:47,053 --> 00:14:50,723 ビクトリアも 俺を嫌ってはいないように思う。 196 00:14:50,723 --> 00:14:55,728 しかし 俺が一歩踏み込むと 彼女は一歩下がる…。 197 00:14:55,728 --> 00:15:00,700 夜会のとき 不審な男に 誰よりも早く気付いたのは彼女だ。 198 00:15:00,700 --> 00:15:04,337 腕の立つセドリック殿下を追い詰め 骨折させたが➨ 199 00:15:04,337 --> 00:15:06,706 彼女自身は無傷だった。 200 00:15:06,706 --> 00:15:10,777 4か国語に堪能で 掃除と料理も得意➨ 201 00:15:10,777 --> 00:15:13,379 体術と剣術の腕も立つ➨ 202 00:15:13,379 --> 00:15:16,682 そこから導き出される 答えは1つ…。 203 00:15:16,682 --> 00:15:19,352 脱走工作員。 204 00:15:19,352 --> 00:15:23,723 おそらく アシュベリー王国と 敵対する国の工作員だろう。 205 00:15:23,723 --> 00:15:25,725 過去を話したがらないことも➨ 206 00:15:25,725 --> 00:15:29,796 何を恐れているかを 決して言わないこともうなずける。 207 00:15:29,796 --> 00:15:33,366 ビクトリア・セラーズというのも偽名だ。 208 00:15:33,366 --> 00:15:36,702 だが… 俺や伯父上に近づいたところで➨ 209 00:15:36,702 --> 00:15:38,704 何の得もない。 210 00:15:38,704 --> 00:15:42,074 クラークの家庭教師は 頼まれて引き受けている。 211 00:15:42,074 --> 00:15:46,345 任務とは思えないし あの年齢で引退もないだろう。 212 00:15:46,345 --> 00:15:50,349 だとしたら 組織から逃げてきたと考えると➨ 213 00:15:50,349 --> 00:15:52,752 すべてに合点がいく。 214 00:15:52,752 --> 00:15:56,656 とはいえ 俺はどうしたらいい…》 215 00:15:56,656 --> 00:15:59,692 やぁ 焼き栗買ってきた。 216 00:15:59,692 --> 00:16:02,361 団長さん。 いつもありがとうございます。 217 00:16:02,361 --> 00:16:04,697 《ジェフリー:彼女と共に 生きることを選ぶなら➨ 218 00:16:04,697 --> 00:16:08,334 迷惑をかけぬよう 家から籍を抜き➨ 219 00:16:08,334 --> 00:16:11,337 平民になるのが最善の道だ。 220 00:16:11,337 --> 00:16:14,340 だが 肝心のビクトリアは➨ 221 00:16:14,340 --> 00:16:17,710 「踏み込んでくれるな」と 訴えているように見える。 222 00:16:17,710 --> 00:16:24,684 一緒に暮らそうと告白した途端に ノンナを連れて 姿を消す気がする。 223 00:16:24,684 --> 00:16:27,653 彼女が本気で姿を消したら➨ 224 00:16:27,653 --> 00:16:31,357 もう俺には 見つけられないだろう…》 225 00:16:31,357 --> 00:16:33,659 いつもありがとうございます。 226 00:16:41,033 --> 00:16:43,369 (エドワード)例の脱獄を手助けした➨ 227 00:16:43,369 --> 00:16:46,038 赤毛の女性は まだ見つからないの? 228 00:16:46,038 --> 00:16:49,442 (マイク)はい 部長。 脱獄の意図が不明で➨ 229 00:16:49,442 --> 00:16:52,011 捜索の範囲を絞れず 難航しています。 230 00:16:52,011 --> 00:16:54,013 (エドワード)そう。 (マイク)それと➨ 231 00:16:54,013 --> 00:16:56,682 妹のほうも行方がつかめません。 232 00:16:56,682 --> 00:16:59,352 貧民地区を捜索していますが 手がかりがまだ。 233 00:16:59,352 --> 00:17:01,354 (エドワード)わかったよ。 234 00:17:01,354 --> 00:17:05,324 あの男も 情状酌量の余地があったんだよね。 235 00:17:11,364 --> 00:17:14,700 《エドワード:「ビクトリア・セラーズについての 調査報告書」。 236 00:17:14,700 --> 00:17:18,337 「夜会事件の 女性についての報告書」。 237 00:17:18,337 --> 00:17:21,674 そして 今回の脱獄事件。 238 00:17:21,674 --> 00:17:24,343 すべて関わっているのは 若い女性➨ 239 00:17:24,343 --> 00:17:28,014 それも 彼女が入国してから起きている。 240 00:17:28,014 --> 00:17:32,685 彼女の両親は 火事で死んだと ジェフリーから聞いた。 241 00:17:32,685 --> 00:17:37,723 だが報告書では ビクトリア・セラーズの両親は 生死不明。 242 00:17:37,723 --> 00:17:41,093 それに マイルズからの報告によると➨ 243 00:17:41,093 --> 00:17:43,129 馬の扱いに関して➨ 244 00:17:43,129 --> 00:17:45,698 軍人の兄に習ったと 言ったらしいが➨ 245 00:17:45,698 --> 00:17:48,701 本物のビクトリアには 兄はいない》 246 00:17:48,701 --> 00:17:50,736 ハァー。 247 00:17:50,736 --> 00:17:53,039 《油断したね ビクトリア…。 248 00:17:53,039 --> 00:17:56,042 アンダーソン伯爵に クラークの家庭教師として➨ 249 00:17:56,042 --> 00:17:58,044 ビクトリアを薦めたのは➨ 250 00:17:58,044 --> 00:18:02,348 彼女を目の届くところに 置いておきたかったからだ。 251 00:18:02,348 --> 00:18:05,351 彼女は 何かから逃げている。 252 00:18:05,351 --> 00:18:09,355 理由によっては保護したいが 同時に理由によっては➨ 253 00:18:09,355 --> 00:18:12,358 当事国に 引き渡さなければならない。 254 00:18:12,358 --> 00:18:14,694 だが 彼女は ジェフリーを➨ 255 00:18:14,694 --> 00:18:18,030 心のろう獄から 連れ出してくれた恩人だ。 256 00:18:18,030 --> 00:18:20,666 彼女ならば 弟の心の奥の➨ 257 00:18:20,666 --> 00:18:24,103 より深い闇に 光を与えてくれるかもしれない。 258 00:18:24,103 --> 00:18:27,707 できるなら 2人の関係を応援したいが…。 259 00:18:27,707 --> 00:18:30,009 助言しようにも ジェフリーは➨ 260 00:18:30,009 --> 00:18:33,379 俺が第三騎士団であることを 知らない。 261 00:18:33,379 --> 00:18:36,716 しかし 彼女は ただの平民でないことくらい➨ 262 00:18:36,716 --> 00:18:39,352 ジェフも気付いてるだろう…。 263 00:18:39,352 --> 00:18:43,356 早まったことを しないといいんだが…》 264 00:18:43,356 --> 00:18:49,028 マイルズさん アレグを連れていきますね。 おう。 265 00:18:49,028 --> 00:18:53,366 今日は 嬢ちゃんはいないのかい? えぇ。 266 00:18:53,366 --> 00:18:58,704 風邪気味なので家で留守番です。 そうか お大事にな。 267 00:18:58,704 --> 00:19:02,375 はい! ありがとうございます! 268 00:19:06,379 --> 00:19:09,048 《マイルズ:おかしい…》 269 00:19:11,017 --> 00:19:14,020 出先で何かあったか…? 270 00:19:16,055 --> 00:19:18,724 (マイルズ)ご来客中に失礼します。 271 00:19:18,724 --> 00:19:24,096 こちらの裏に住んでおります マイルズと申します。 272 00:19:24,096 --> 00:19:27,733 ヨラナ・ヘインズです。 何か? 273 00:19:27,733 --> 00:19:29,735 あぁ… 実は今朝➨ 274 00:19:29,735 --> 00:19:32,371 ビクトリアさんが うちでお預かりしていた➨ 275 00:19:32,371 --> 00:19:35,374 馬に乗って出た後 戻ってきません。 276 00:19:35,374 --> 00:19:37,376 心配になりまして…。 277 00:19:37,376 --> 00:19:39,712 そうでしたの。 278 00:19:39,712 --> 00:19:43,382 ビクトリアさんなら ここにはもういません。 279 00:19:43,382 --> 00:19:46,052 朝早く出ていったようです。 280 00:19:46,052 --> 00:19:49,355 マイルズさん宛ての手紙もありました。 281 00:19:51,690 --> 00:19:55,695 「アレグのこと 今までお世話になりました。 282 00:19:55,695 --> 00:20:00,132 栗拾い 楽しかったです」。 283 00:20:00,132 --> 00:20:04,670 ビクトリアさんに何かあったわけでは ないと知って 安心しました。 284 00:20:04,670 --> 00:20:08,074 では 自分は これで失礼します。 285 00:20:11,744 --> 00:20:15,014 (ジェフリー)私は 手紙を届けてきます。 286 00:20:15,014 --> 00:20:19,018 団長さん 1つ聞いてもいいかしら。 287 00:20:19,018 --> 00:20:23,289 どうぞ。 ビクトリアから何も聞いていないの? 288 00:20:30,329 --> 00:20:36,001 はい。 残念ながら 何も聞かされておりません。 289 00:20:36,001 --> 00:20:38,003 あっ…。 290 00:20:43,008 --> 00:20:46,011 (スーザン)うぅ…。 (ヨラナ)まったく。 291 00:20:46,011 --> 00:20:49,014 いつまでも泣くのは およしなさい。 292 00:20:49,014 --> 00:20:51,350 (スーザン)はい… 奥様…。 293 00:20:51,350 --> 00:20:55,321 《どうか… 無事で…。 294 00:20:55,321 --> 00:21:00,326 そしていつか 帰ってらっしゃい》 295 00:21:00,326 --> 00:21:04,363 (バーナード)これは… どういう…。 296 00:21:04,363 --> 00:21:06,699 (クラーク)いなくなったって? どういうことですか? 297 00:21:06,699 --> 00:21:09,001 クラーク! ジェフ伯父様!! 298 00:21:09,001 --> 00:21:11,337 よしなさい クラーク。 299 00:21:11,337 --> 00:21:14,039 (ジェフリー)俺にもわからんのだ。 300 00:21:14,039 --> 00:21:19,411 「ジェフリー・アッシャー様 突然 姿を消してごめんなさい。 301 00:21:19,411 --> 00:21:24,016 このまま この家にとどまることが できない理由があるのです。 302 00:21:24,016 --> 00:21:28,687 私を励ましてくれて 優しくしてくれて➨ 303 00:21:28,687 --> 00:21:32,091 一緒に笑ってくれて ありがとうございました。 304 00:21:32,091 --> 00:21:35,661 こんなに楽しい生活は 生まれて初めてで➨ 305 00:21:35,661 --> 00:21:38,697 もっと早く 出て行くつもりだったのに➨ 306 00:21:38,697 --> 00:21:44,003 楽しくて幸せで グズグズと先延ばしにしていました。 307 00:21:44,003 --> 00:21:46,672 初めてピクニックに行くのも➨ 308 00:21:46,672 --> 00:21:51,343 焼き栗を食べながら おしゃべりするのも 幸せでした。 309 00:21:51,343 --> 00:21:56,015 すてきな思い出ができたのは 団長さんのおかげです。 310 00:21:56,015 --> 00:21:59,351 今までありがとうございました。 311 00:21:59,351 --> 00:22:03,022 そして ごめんなさい…」。 312 00:22:04,990 --> 00:22:09,695 ピクニックや焼き栗くらいで 礼なんか言うな。 313 00:22:09,695 --> 00:22:13,332 あれほど… 俺は あれほど➨ 314 00:22:13,332 --> 00:22:18,037 いきなり消えないでくれと 言ったじゃないか…。