1 00:00:06,106 --> 00:00:10,077 (シラ)なあ あんた! あの本を取り返したくないか!? 2 00:00:16,116 --> 00:00:18,151 (シタラ)えっ…? 3 00:00:18,151 --> 00:00:27,160 ♬~ 4 00:01:59,052 --> 00:02:04,057 〈13世紀 ユーラシア大陸に 広大な帝国が出現した〉 5 00:02:04,057 --> 00:02:08,028 〈チンギス・カン… 大いなる王〉 6 00:02:08,028 --> 00:02:14,001 〈「大カン」と呼ばれた男と その一族が築いた モンゴル帝国である〉 7 00:02:14,001 --> 00:02:16,036 〈元々は小さな部族であった→ 8 00:02:16,036 --> 00:02:18,038 モンゴル族だが→ 9 00:02:18,038 --> 00:02:20,040 西暦1206年までには→ 10 00:02:20,040 --> 00:02:24,011 草原の他部族を平定し 一大勢力に〉 11 00:02:24,011 --> 00:02:31,018 〈やがて 草原と境を接する さまざまな国へと進出していった〉 12 00:02:36,023 --> 00:02:38,025 やあ 兄上たち! 13 00:02:38,025 --> 00:02:40,027 (オゴタイ・チャガタイ・ジュチ)トルイ! 14 00:02:40,027 --> 00:02:42,095 ん~。 15 00:02:42,095 --> 00:02:45,032 飲みすぎだろ。 16 00:02:45,032 --> 00:02:47,000 ご苦労さま。 17 00:02:48,035 --> 00:02:52,039 ハハハハハ! ホラズム遠征は どうだった? 18 00:02:54,041 --> 00:02:56,009 (ジュチ)順調さ。 ただ…→ 19 00:02:56,009 --> 00:03:00,013 多くの死者を出してしまった。 ふがいない。 20 00:03:00,013 --> 00:03:04,051 それは ジュチが ぐずなせいだ。 父上の命令に素直に従わないから。 21 00:03:04,051 --> 00:03:06,119 (オゴタイ)まあまあ 2人とも…。 22 00:03:06,119 --> 00:03:09,122 トルイこそ どうだった? ペルシアへ行ったんでしょ? 23 00:03:10,057 --> 00:03:13,060 うん! チンギス・カンの名に恥じない 戦果を上げたさ! 24 00:03:13,060 --> 00:03:15,028 ハハハハハ…! 25 00:03:15,028 --> 00:03:18,031 さすがオッチギン。 未来の皇帝だ。 26 00:03:25,072 --> 00:03:28,041 ん~。 (トルイ)それに いいものを手に入れた。 27 00:03:31,044 --> 00:03:34,047 (ジュチ)外国語の本…? (トルイ)『原論』という本らしい。 28 00:03:36,049 --> 00:03:39,052 (トルイの声)「遠征土産は何がいい?」と 后に尋ねたら→ 29 00:03:39,052 --> 00:03:41,054 その本を欲しがっていたんだ。 30 00:03:41,054 --> 00:03:46,026 なんとつつましいことか! 金や宝石をねだってよかったのに…。 31 00:03:48,028 --> 00:03:51,031 彼女の喜ぶことなら なんでもしてあげたい…。 32 00:03:51,031 --> 00:03:55,035 (口笛) どんなことが書いてあるの? 33 00:03:58,038 --> 00:04:00,040 分からない! 34 00:04:00,040 --> 00:04:04,044 あっ これを解説できる学者も 手に入れたんだな。 35 00:04:04,044 --> 00:04:08,048 (トルイ)いや? おまえの嫁は 外国語が読めるのかよ? 36 00:04:08,048 --> 00:04:10,050 (トルイ)読めないと思う! 37 00:04:10,050 --> 00:04:13,053 ハハハハハ…! あちゃー…。 38 00:04:15,055 --> 00:04:19,059 (シラ)…ってわけで あんたをトルイさまに紹介したいんだ。 39 00:04:20,026 --> 00:04:22,129 (シラ)学者の娘だったよね? 40 00:04:22,129 --> 00:04:25,065 本当は俺がやりたいところだけど→ 41 00:04:25,065 --> 00:04:28,034 あいにく簡単な読み書きしかできないんだ。 42 00:04:28,034 --> 00:04:31,037 言葉を覚えるのは得意なんだけどね。 43 00:04:31,037 --> 00:04:35,075 なぜ あの本が必要だったの? 44 00:04:35,075 --> 00:04:37,010 ん? 分っからない。 45 00:04:37,010 --> 00:04:39,112 字も読めないのに…。 46 00:04:39,112 --> 00:04:44,117 (シラ)それに 金や銀じゃなくね。 変わってるよな。 47 00:04:44,117 --> 00:04:47,053 でもさ 王族に仕えるチャンスだぜ! 48 00:04:47,053 --> 00:04:52,025 また あの本を手に取れるし… あんたにとっても悪くない話だろ? 49 00:04:52,025 --> 00:04:54,060 …えっ!? 50 00:04:54,060 --> 00:04:59,099 《モンゴル? 皇帝? 王族に仕える?》 51 00:04:59,099 --> 00:05:02,035 《いえ それよりも それよりも…》 52 00:05:02,035 --> 00:05:05,005 (トルイの声)后に尋ねたら その本を欲しがっていたんだ。 53 00:05:09,042 --> 00:05:12,012 《そんなことのために奥さまは…》 54 00:05:14,047 --> 00:05:18,018 えっと… あんたの家族は 災難だったね…。 55 00:05:18,018 --> 00:05:21,021 その… 謝るよ。 56 00:05:21,021 --> 00:05:23,023 でも 俺だって必死なんだ。 57 00:05:23,023 --> 00:05:27,027 うまく立ち回って あいつらに取り入りたいんだ。 58 00:05:27,027 --> 00:05:29,029 じゃなきゃ 前線に送られちゃう…。 59 00:05:29,029 --> 00:05:34,034 俺くらいの年の男は 遠征軍の一番前に立たされるんだ。 60 00:05:34,034 --> 00:05:36,002 盾にされちまう。 61 00:05:38,038 --> 00:05:43,043 あなた まだ ひげも生えてない年ね。 捕まったの? 62 00:05:43,043 --> 00:05:47,047 まあね…。 いや もういいんだ そんなこと! 63 00:05:47,047 --> 00:05:49,015 むしろ これは出世のチャンス! 64 00:05:49,015 --> 00:05:54,054 社会が変わって 才能次第で出世できる道が開けたんだぜ! 65 00:05:54,054 --> 00:05:57,023 なんとしても生き残って成功したい。 66 00:05:57,023 --> 00:06:00,026 あんただって せっかく教養があるんだし→ 67 00:06:00,026 --> 00:06:02,028 顔だって 結構かわいいし…。 68 00:06:02,028 --> 00:06:07,033 神様が望むなら 高貴な人のそば仕えに なれるかもしれないぜ? 69 00:06:07,033 --> 00:06:09,102 フン。 70 00:06:09,102 --> 00:06:11,104 (アフマド)このとおり 笑った顔が かわいいもんで。 71 00:06:13,039 --> 00:06:15,041 (シラ)だからさ あんたも何かしなきゃ! 72 00:06:15,041 --> 00:06:17,043 何かって…。 73 00:06:17,043 --> 00:06:23,049 《この先 何をすればいいかなんて 分かるわけがない》 74 00:06:23,049 --> 00:06:25,051 《どうすればいい…?》 75 00:06:29,055 --> 00:06:31,057 (ムハンマド)勉強して 賢くなれば→ 76 00:06:31,057 --> 00:06:36,029 どんなに困ったことが起きたって 何をすれば一番いいのか 分かるんだ。 77 00:06:50,110 --> 00:06:55,115 私… 古代の英知も 最新の知識も学んだわ。 78 00:06:55,115 --> 00:06:59,085 もちろん あの本… エウクレイデスの『原論』も読める。 79 00:07:01,054 --> 00:07:03,056 そうね。 80 00:07:04,124 --> 00:07:08,128 私 偉くなって 毎日 美味しいものが食べたいわ。 81 00:07:12,032 --> 00:07:17,037 言われてみればチャンスね! 私たち 協力すれば きっとうまくいくわ! 82 00:07:17,037 --> 00:07:19,072 あ… ああ…。 83 00:07:19,072 --> 00:07:23,043 俺 シラっていうんだ。 サマルカンド人だよ。 84 00:07:24,044 --> 00:07:26,046 私はシタラ。 85 00:07:26,046 --> 00:07:30,050 シタラ? おい 待て。 その キラキラした名前…。 86 00:07:30,050 --> 00:07:33,053 ええ 奴隷よ。 何か不都合? 87 00:07:33,053 --> 00:07:35,055 うーん…。 88 00:07:35,055 --> 00:07:40,026 社会が変わった… とはいえ 出自がいいに越したことはない。 89 00:07:40,026 --> 00:07:44,030 特に 王族に近づきたいならね。 90 00:07:44,030 --> 00:07:48,001 まっ うそつけばいいか。 もっと威厳のある名前にしようよ。 91 00:07:50,036 --> 00:07:52,005 だったら…。 92 00:08:05,018 --> 00:08:07,120 (シラの声)いいか? 93 00:08:07,120 --> 00:08:11,057 モンゴル人を訪ねる人間は 必ず 火と火の間を通される。 94 00:08:11,057 --> 00:08:15,028 火は 悪いものを清めると考えられてるんだ。 95 00:08:15,028 --> 00:08:17,030 異教の儀式ね…。 96 00:08:17,030 --> 00:08:24,037 ♬~ 97 00:08:24,037 --> 00:08:28,041 (シラの声)それから 入り口の敷居は絶対踏むな。 98 00:08:28,041 --> 00:08:30,076 踏んだら死刑だぞ。 99 00:08:30,076 --> 00:08:44,090 ♬~ 100 00:08:55,034 --> 00:08:59,038 「やあ 学者の娘。 生きてたんだなあ うれしいよ」と仰せです→ 101 00:08:59,038 --> 00:09:01,007 って言ってる。 102 00:09:17,123 --> 00:09:19,092 私は…。 103 00:09:22,095 --> 00:09:25,064 ファーティマ… と申します。 104 00:09:25,064 --> 00:09:32,038 ♬~ 105 00:09:32,038 --> 00:09:35,041 《こんな火で焼き消されるものか》 106 00:09:37,043 --> 00:09:42,048 《もう記憶の中にしかない優しい日々を》 107 00:09:42,048 --> 00:09:45,051 《奥さまたちとのつながりを》 108 00:09:46,052 --> 00:09:49,055 《まだ私にできることがあるとしたら→ 109 00:09:49,055 --> 00:09:52,058 あの本を取り戻すこと》 110 00:09:52,058 --> 00:09:57,063 《それまで 私は奥さまの奴隷です》 111 00:09:57,063 --> 00:10:00,066 (風の音) 112 00:10:13,046 --> 00:10:17,050 俺 前線行きは免れたよ。 トゥメンが口を利いてくれて。 113 00:10:17,050 --> 00:10:19,052 ん…? 114 00:10:19,052 --> 00:10:23,056 彼女が トルイの…? いや。 お后のソルコクタニさまは→ 115 00:10:23,056 --> 00:10:26,059 ずっと 東にある モンゴルの本拠地にいるはずだ。 116 00:10:26,059 --> 00:10:29,028 誰だろう? どこかの将軍の奥方かな…。 117 00:10:29,028 --> 00:10:31,030 え…? 118 00:10:31,030 --> 00:10:35,068 モンゴル人は 遠征に行く時も 何人か奥方を連れていくんだぜ。 119 00:10:35,068 --> 00:10:40,039 遠征に奥方を…? 全く世界が違うわ…。 120 00:10:42,041 --> 00:10:45,044 《まずは彼らを知らなければ》 121 00:10:46,045 --> 00:10:50,016 シラ! 私にも できるだけ言葉を教えて。 早く出世したいの。 122 00:10:50,016 --> 00:10:54,020 じゃ あんたも 俺が困った時は助けてくれよな。 123 00:10:54,020 --> 00:10:58,124 もちろんよ。 私たち もう仲間だわ。 124 00:10:58,124 --> 00:11:03,096 《ここにあるものは 全て私の敵》 125 00:11:04,030 --> 00:11:09,035 《私は最後まであらがうわ たった一人ででも》 126 00:11:09,035 --> 00:11:21,114 ♬~ 127 00:11:21,114 --> 00:11:23,049 ⚞(オゴタイ)ドレゲネ 捜したよ。 128 00:11:23,049 --> 00:11:25,018 オゴタイさま! 129 00:11:28,021 --> 00:11:33,092 あらま。 戦地から戻った夫に ねぎらいの言葉もなし。 130 00:11:33,092 --> 00:11:37,030 (ドレゲネ)私は あなたの妻ではありません…。 131 00:11:37,030 --> 00:11:38,998 あなたの敵です。 132 00:11:47,840 --> 00:11:50,843 〈1221年〉 133 00:11:50,843 --> 00:11:55,848 〈タールカーンで しばしの休息を取ったモンゴル軍は→ 134 00:11:55,848 --> 00:11:59,852 秋になると 再び動き出す〉 135 00:11:59,852 --> 00:12:03,856 〈中央アジアの大国 ホラズム王朝〉 136 00:12:03,856 --> 00:12:08,861 〈その最後の王を討つために 南へと向かった〉 137 00:12:08,861 --> 00:12:14,867 〈歴史に名高い「インダス河畔の戦い」は この時 起きた戦闘である〉 138 00:12:16,869 --> 00:12:19,839 〈一方 歴史の裏舞台では→ 139 00:12:19,839 --> 00:12:25,912 ペルシアで捕虜になった人々が モンゴルの本拠地への長い旅を続けていた〉 140 00:12:25,912 --> 00:12:29,849 もう半年かい…。 (捕虜)まだ着かないのかねえ…。 141 00:12:29,849 --> 00:12:31,818 (隊長)止まれー! 142 00:12:33,820 --> 00:12:36,823 皆 今すぐ天幕を組み立てろ! 143 00:12:36,823 --> 00:12:40,827 われらが皇帝 大カンの賓客が 東方から旅をしてこられる。 144 00:12:40,827 --> 00:12:43,830 お泊まりになれるよう 宿営を整えるんだ! 145 00:12:44,831 --> 00:12:46,833 (牛の鳴き声) 146 00:12:51,838 --> 00:12:54,841 手伝う します。 ん…? 147 00:12:54,841 --> 00:12:56,809 いい。 これは男の仕事だ。 148 00:13:02,849 --> 00:13:04,817 私 理解。 149 00:13:05,852 --> 00:13:10,857 《モンゴル人の生活には まだ戸惑うことが多いわね》 150 00:13:10,857 --> 00:13:13,826 《でも 少しずつ分かってきた》 151 00:13:15,828 --> 00:13:18,831 あいつら 俺がいなきゃ駄目なんだからな~。 152 00:13:18,831 --> 00:13:23,836 《例えば 彼らの天幕は 戸口が必ず南を向いている》 153 00:13:23,836 --> 00:13:26,839 何してる! 家畜に水をやる時間だ! 154 00:13:26,839 --> 00:13:30,810 《そして 彼らは 一日を とても規則的に動いている》 155 00:13:33,913 --> 00:13:37,917 《どうやって時間を把握しているのか 不思議だったんだけれど…》 156 00:13:37,917 --> 00:13:44,857 ♬~ 157 00:13:44,857 --> 00:13:47,827 《そうか…! 日時計》 158 00:13:47,827 --> 00:13:50,830 《光が家のどこに当たるかで 時間が分かるのね》 159 00:13:51,864 --> 00:13:55,835 《ふーん… 家全体が時計なんて よくできてるじゃない》 160 00:13:57,904 --> 00:14:00,840 《こんなの アストロラーベがあれば もっと正確に分かることだわ》 161 00:14:00,840 --> 00:14:03,843 《しょせん 野蛮人の知恵よ》 162 00:14:06,846 --> 00:14:09,816 (人々の話し声) 163 00:14:12,852 --> 00:14:15,822 ねえ 聞いた? 今日のお客さまって→ 164 00:14:15,822 --> 00:14:18,925 不老不死の秘儀を知ってる 東方の賢者らしいわよ。 165 00:14:18,925 --> 00:14:20,927 不老不死!? ⚟(長官)すみません。 166 00:14:21,928 --> 00:14:25,832 (長官)われわれは すぐそこの街の者 ウイグル人です。 167 00:14:25,832 --> 00:14:29,836 賢者さまに献上品を差し上げたいのですが 案内してくださいませんか? 168 00:14:29,836 --> 00:14:31,838 ええっ!? 嫌よ 怖い! 169 00:14:31,838 --> 00:14:33,840 ですが…。 170 00:14:33,840 --> 00:14:36,843 《確かに不気味ね。 不老不死なんて…》 171 00:14:36,843 --> 00:14:38,845 《でも…》 172 00:14:40,947 --> 00:14:42,915 あちら です…。 173 00:14:43,850 --> 00:14:45,885 (チンカイ)おや 長官さま。 174 00:14:45,885 --> 00:14:49,856 おお チンカイ! 君が賢者さまのお付きだったのか! 175 00:14:49,856 --> 00:14:52,859 ああ 失礼。 今は「チンカイさま」ですな。 176 00:14:52,859 --> 00:14:56,863 ハハハ… いいのです。 行商をしていた頃は お世話になりまして。 177 00:14:56,863 --> 00:14:58,865 (長官)こちらを賢者さまに。 178 00:14:58,865 --> 00:15:02,869 われらがジャンバリク市で作った ぶどう酒にパン スイカです。 179 00:15:02,869 --> 00:15:04,837 ス… スイカ! 180 00:15:04,837 --> 00:15:08,841 これは いい。 どうぞ 中へ。 181 00:15:08,841 --> 00:15:10,843 はい 君は これ持って。 182 00:15:10,843 --> 00:15:14,847 えっ!? あの 私は…。 183 00:15:14,847 --> 00:15:16,883 どうしたんです? ついてきて。 184 00:15:16,883 --> 00:15:18,851 でも…。 185 00:15:20,853 --> 00:15:22,855 《不老不死…》 186 00:15:22,855 --> 00:15:25,858 《そんな人間 いるはずない》 187 00:15:25,858 --> 00:15:27,860 《この目で確かめてやる…》 188 00:15:33,866 --> 00:15:36,836 ご紹介します。 こちらの方こそ→ 189 00:15:36,836 --> 00:15:41,841 われらが大カンの招待をお受けくださり 西方へとお連れしている最中の→ 190 00:15:41,841 --> 00:15:45,845 賢者 長春真人さまでございます。 191 00:15:45,845 --> 00:15:47,880 《200年くらい生きてます!?》 192 00:15:47,880 --> 00:15:49,849 《いやあ 怖い…!》 193 00:15:49,849 --> 00:15:51,851 (長官)では 献上品を。 194 00:15:56,856 --> 00:15:59,859 (長春真人の話し声) 195 00:15:59,859 --> 00:16:02,862 (通訳)ふん… ふんふん…。 (真人の話し声) 196 00:16:02,862 --> 00:16:04,864 真人さまは こうお尋ねです。 197 00:16:04,864 --> 00:16:08,835 5月1日の日食をご覧になった方は いらっしゃいますか? 198 00:16:09,836 --> 00:16:13,840 (長官)日食… ですか。 (長官の部下)ああ ありましたよ。 199 00:16:13,840 --> 00:16:19,846 確か あれは巳の刻。 太陽が10分の7ほど欠けていましたっけ。 200 00:16:19,846 --> 00:16:23,850 わ… 私も 見る しました…。 201 00:16:23,850 --> 00:16:29,856 あの日は… サマルカンド市の近く 通る した時です。 202 00:16:30,857 --> 00:16:37,830 空 少し暗くなって… 太陽 10分の6ほど欠ける しました。 203 00:16:39,866 --> 00:16:42,835 《木漏れ日が欠けてる》 204 00:16:42,835 --> 00:16:44,837 《日食だわ》 205 00:16:45,838 --> 00:16:48,908 《ムハンマドさまなら 記録を取ったかしら…》 206 00:16:48,908 --> 00:16:51,878 《でも 今は 正しい時間すら…》 207 00:16:54,847 --> 00:16:58,851 (シタラの声)その時 太陽の光…→ 208 00:16:58,851 --> 00:17:03,823 天幕の屋根材の端 照らす でした。 209 00:17:04,857 --> 00:17:06,859 (チンカイ)屋根材の端は 辰の刻です。 210 00:17:06,859 --> 00:17:10,830 すると この街の日食のほうが 遅く始まったのか。 211 00:17:10,830 --> 00:17:15,835 真人さまは 日食を ここより東 ケルレン川で目にしました。 212 00:17:15,835 --> 00:17:18,804 時刻は正午。 さらに遅い。 213 00:17:19,839 --> 00:17:22,808 (通訳)空には星が見えました。 214 00:17:23,843 --> 00:17:26,812 (長官)欠け具合も違うのですね…。 215 00:17:27,847 --> 00:17:29,849 (真人の話し声) 216 00:17:29,849 --> 00:17:33,819 (通訳)日食とは 太陽に月の影が映ること。 217 00:17:33,819 --> 00:17:39,859 例えれば この火を扇で遮るようなもの。 218 00:17:39,859 --> 00:17:44,830 私からは火は見えないが あなたたちからは違って見えましょう。 219 00:17:45,865 --> 00:17:48,834 世界は実に広いですねえ。 220 00:17:51,837 --> 00:17:54,874 (チンカイ)ごめんなさい 君は 彼らの仲間ではなかったんですね。 221 00:17:54,874 --> 00:17:56,842 え…? 222 00:17:56,842 --> 00:17:59,845 私はチンカイ。 ウイグル人です。 223 00:17:59,845 --> 00:18:02,848 昔 行商をしていたので ペルシア語も少しだけ。 224 00:18:03,849 --> 00:18:06,852 私は ファーティマ… と申します。 225 00:18:06,852 --> 00:18:10,856 トルイさまの奥方さまにお仕えするために 東へ向かっております。 226 00:18:10,856 --> 00:18:13,826 なんと! トルイ妃 ソルコクタニさま! 227 00:18:14,860 --> 00:18:19,865 あの方の侍女でしたか…。 先ほどの賢さも得心がいきました。 228 00:18:19,865 --> 00:18:21,834 ありがとうございます。 229 00:18:22,868 --> 00:18:24,870 それで あの…→ 230 00:18:24,870 --> 00:18:29,842 失礼ですが あの賢者さまは おいくつなのでしょう? 231 00:18:30,876 --> 00:18:33,846 (チンカイ)気になりますか? 不老不死。 232 00:18:33,846 --> 00:18:39,819 残念ながら この秘密は 大カンよりも先に教えることはできません。 233 00:18:40,820 --> 00:18:44,824 …いいえ。 結構ですわ 不老不死なんて。 234 00:18:45,825 --> 00:18:48,828 昔 読んだ本に こんな話がありました。 235 00:18:48,828 --> 00:18:53,866 ある人が 長命を求めてインドへ旅立つのです。 236 00:18:53,866 --> 00:18:55,935 でも そこにいたのは→ 237 00:18:55,935 --> 00:18:58,838 年老いて立つこともできない親や祖父を 世話する人たち。 238 00:18:58,838 --> 00:19:00,840 さらには…。 239 00:19:00,840 --> 00:19:02,842 曽祖父です。 240 00:19:02,842 --> 00:19:05,845 布をかけないと ネズミにかじられてしまうので。 241 00:19:05,845 --> 00:19:09,849 それでも生きています。 長命なので。 242 00:19:09,849 --> 00:19:13,853 (シタラの声)それを聞いた人は 長命を求めなくなったそうです。 243 00:19:14,854 --> 00:19:21,927 神に逆らってまで不老不死を得るより 健やかな死の恵みを受け取るほうがいい。 244 00:19:21,927 --> 00:19:23,896 そういう教訓ですわ。 245 00:19:25,931 --> 00:19:29,902 実は 私 真人さまから聞いてしまったのです。 246 00:19:29,902 --> 00:19:31,904 不老不死の秘儀を。 247 00:19:33,839 --> 00:19:37,843 聡明なあなたにだけ 特別に打ち明けます。 248 00:19:38,844 --> 00:19:41,814 不老不死の秘儀。 それは…。 249 00:19:43,849 --> 00:19:48,821 …ありません。 健やかなる死を受け取ることです。 250 00:19:51,824 --> 00:19:54,827 賢者に東西はありませんね。 251 00:19:55,861 --> 00:19:59,865 (チンカイ)私たちの国は強い… ですが まだ若い。 252 00:19:59,865 --> 00:20:01,834 学ぶべきことが実に多い。 253 00:20:01,834 --> 00:20:06,839 ファーティマ。 君も きっと私たちに必要な賢者です。 254 00:20:09,842 --> 00:20:18,918 (雨の音) 255 00:20:18,918 --> 00:20:21,921 (シラの声) 才能次第で出世ができる道が開けたんだぜ! 256 00:20:22,855 --> 00:20:25,825 《私に 何かできるっていうの?》 257 00:20:26,859 --> 00:20:30,830 (ムハンマド)僕は… 旅に出ようと思う。 258 00:20:31,864 --> 00:20:35,868 (シタラの声)私は あの時→ 259 00:20:35,868 --> 00:20:38,838 どうして あんなに悔しかったんだろう…。 260 00:20:46,879 --> 00:20:48,848 進め! あと少しだ! 261 00:20:48,848 --> 00:20:50,850 (荒い息) 262 00:20:52,885 --> 00:20:55,855 おお…! 帰ってきた…! 263 00:20:56,856 --> 00:21:01,827 (荒い息) 264 00:21:05,865 --> 00:21:09,869 《いつか見た ビールーニーの世界地図…》 265 00:21:09,869 --> 00:21:13,873 《私は その果てまで来てしまった》 266 00:21:18,844 --> 00:21:20,846 (風の音) 267 00:21:20,846 --> 00:21:22,848 (2人)寒っ…! 268 00:21:22,848 --> 00:21:24,850 なんて寒さなの! 凍えちゃう! 269 00:21:25,851 --> 00:21:27,853 (侍女)これを着て。 270 00:21:27,853 --> 00:21:29,855 (侍女)ソルコクタニさまのオルドへ ようこそ。 271 00:21:29,855 --> 00:21:33,859 お后さまが 上着と暖かい天幕を 用意してくださいましたよ。 272 00:21:33,859 --> 00:21:35,861 (捕虜たち)わあ…! 273 00:21:42,835 --> 00:21:44,837 ファーティマという娘は いる? 274 00:21:50,843 --> 00:21:52,878 (侍女)ソルコクタニさま 連れて参りました。 275 00:21:52,878 --> 00:21:59,852 ♬~ 276 00:21:59,852 --> 00:22:03,822 寒い中 はるばる遠い所から よく来てくれましたね。 277 00:22:07,860 --> 00:22:10,830 あなたが この本の指南をしてくれるのでしょう? 278 00:22:14,833 --> 00:22:20,840 ♬~