1 00:00:03,136 --> 00:00:07,140 (ソルコクタニ)あなたが この本の指南をしてくれるのでしょう? 2 00:00:10,143 --> 00:00:19,119 ♬~ 3 00:01:49,042 --> 00:01:51,044 (ソルコクタニ)すごいわ! 4 00:01:51,044 --> 00:01:53,046 本当に『原論』を 手に入れたのね。 5 00:01:53,046 --> 00:01:56,049 トルイ 私のために…。 6 00:01:57,084 --> 00:02:00,053 (ソルコクタニ)あなた 名前は? 7 00:02:01,054 --> 00:02:04,091 ファーティマ… と申します。 8 00:02:04,091 --> 00:02:07,060 お后さまのお勉強 手伝う します。 9 00:02:07,060 --> 00:02:09,062 よろしくね。 10 00:02:09,062 --> 00:02:11,131 ですが…→ 11 00:02:11,131 --> 00:02:15,068 お后さま どうして その本 お求め? 12 00:02:15,068 --> 00:02:17,104 それ 価値 あんまりない。 13 00:02:17,104 --> 00:02:20,073 えっ? 「点とは部分のないもの」。 14 00:02:20,073 --> 00:02:23,143 「線とは幅のない長さ」。 15 00:02:23,143 --> 00:02:28,148 当たり前のこと 書いてる。 あんまり 役 立たない。 16 00:02:29,082 --> 00:02:31,084 そう…。 17 00:02:31,084 --> 00:02:35,155 《どうして この人が『原論』を求めたのか 知らないけど→ 18 00:02:35,155 --> 00:02:40,127 あのトルイという皇子は 本の価値なんて分かってない様子だった》 19 00:02:41,128 --> 00:02:45,065 《この人も 興味を失えば手放すかもしれない》 20 00:02:45,065 --> 00:02:47,067 当たり前のこと…。 21 00:02:47,067 --> 00:02:49,136 そうね。 きっと そう。 22 00:02:49,136 --> 00:02:52,105 あなたたちにとってはね。 えっ? 23 00:02:52,105 --> 00:02:57,077 だけど 私たちにとっては 始まりの本よ。 24 00:02:57,077 --> 00:03:01,081 この草原にはない 西方の知識を 取り入れるためのね。 25 00:03:01,081 --> 00:03:03,050 《えっ?》 26 00:03:03,050 --> 00:03:07,087 私の夫 トルイは オッチギンなの。 27 00:03:07,087 --> 00:03:10,090 炉の主。 かまどの火を守る者。 28 00:03:10,090 --> 00:03:15,128 他の兄弟が独立して 自分の放牧地を持っても→ 29 00:03:15,128 --> 00:03:21,068 末の弟だけは親元に残って 一族の財産を守り 受け継ぐの。 30 00:03:21,068 --> 00:03:26,073 オッチギンであるトルイは いずれ 皇帝になります。 31 00:03:26,073 --> 00:03:30,043 でも ほら… ちょっと気の利かないところが ある人でしょ? 32 00:03:30,043 --> 00:03:34,081 トルイだけじゃないの。 ここの人たちの多くは そう。 33 00:03:34,081 --> 00:03:37,050 草原での生き方しか知らないまま。 34 00:03:38,085 --> 00:03:42,055 世界は草原よりも広いわ。 35 00:03:42,055 --> 00:03:44,157 私は知りたいの。 36 00:03:44,157 --> 00:03:49,062 モンゴルの馬蹄及ぶ限りの いろいろな土地のことを。 37 00:03:49,062 --> 00:03:54,067 あなたたちは はるか昔から 星の動きを読む知恵を持っているのよね。 38 00:03:54,067 --> 00:03:59,072 不思議だわ… 大地の大きさまで分かるなんて。 39 00:04:00,140 --> 00:04:03,143 この人は 地球の端まで行ったのですか? 40 00:04:03,143 --> 00:04:06,046 (ファーティマ)まさか! 幾何学を使ったの。 41 00:04:06,046 --> 00:04:09,082 当たり前のことが なぜ当たり前なのか。 42 00:04:09,082 --> 00:04:14,054 一つ一つ 事例を重ねて 普遍的な定理を証明するの。 43 00:04:15,055 --> 00:04:19,059 知識を得て 後の世代に伝えていくこと。 44 00:04:19,059 --> 00:04:24,064 それは 未来の皇后たる私の務めです。 45 00:04:29,069 --> 00:04:34,040 《ああ… どうして この人は こんなに…》 46 00:04:36,076 --> 00:04:39,079 《こんなに腹立たしいんだろう》 47 00:04:39,079 --> 00:04:44,050 《その本が そこに届くまでに 何があったのか 何も知らないの?》 48 00:04:44,050 --> 00:04:47,087 《全てを奪った あなたたちに 施しを受けて→ 49 00:04:47,087 --> 00:04:52,058 それに感謝する私たちが どんなに惨めか あなたには考えられない?》 50 00:04:52,058 --> 00:04:57,063 《今 私が どんな気持ちで ここにいるか 分からないっていうの?》 51 00:04:57,063 --> 00:05:01,034 どうしたの? どこか具合が悪い? 52 00:05:02,068 --> 00:05:05,071 いいえ。 ご立派です。 53 00:05:07,073 --> 00:05:11,077 お后さまに お仕えできる 幸せです。 頑張ります。 54 00:05:11,077 --> 00:05:15,081 フフッ。 私も幸運だわ。 よろしくね。 55 00:05:15,081 --> 00:05:18,051 今日は疲れたでしょう。 下がっていいわ。 56 00:05:19,085 --> 00:05:21,054 失礼します。 57 00:05:28,094 --> 00:05:31,064 (チンカイ)君も きっと私たちに必要な賢者です。 58 00:05:31,064 --> 00:05:36,069 《あの時 一瞬でも気持ちが揺らいだことが 恥ずかしい》 59 00:05:38,071 --> 00:05:40,073 《私は…》 60 00:05:43,076 --> 00:05:47,147 《私だけは この怒りを忘れちゃいけない》 61 00:05:47,147 --> 00:05:51,117 《あの人には 屈しない!》 62 00:05:58,091 --> 00:06:01,061 (水が流れる音) 63 00:06:12,072 --> 00:06:14,074 おかえり ファーティマ。 64 00:06:14,074 --> 00:06:18,078 こんな砂嵐の中 本当にありがとう。 65 00:06:18,078 --> 00:06:20,080 気にしないで。 66 00:06:20,080 --> 00:06:25,051 モンゴルでは この砂嵐が過ぎると 春になるんだって。 67 00:06:25,051 --> 00:06:28,154 ペルシアの春が恋しい…。 68 00:06:28,154 --> 00:06:32,125 母は ここの暮らしに なじめてなくて…。 69 00:06:35,128 --> 00:06:37,264 ⚟(ケシク)ファーティマ。 70 00:06:37,264 --> 00:06:42,269 ⚟ソルコクタニさまの天幕に来なさい。 『原論』の手ほどきをご所望です。 71 00:06:43,069 --> 00:06:45,071 かしこまりました。 72 00:06:46,072 --> 00:06:59,152 ♬~ 73 00:06:59,152 --> 00:07:01,054 うわっ! 74 00:07:01,054 --> 00:07:03,056 (イヌの鳴き声) 75 00:07:03,056 --> 00:07:06,059 ファーティマ! 顔 どうしたの? 76 00:07:06,059 --> 00:07:12,065 モンゴルは動物が多すぎる…。 私の邪魔ばかりするの。 77 00:07:12,065 --> 00:07:17,037 そうね…。 でも 慣れると なかなか かわいいわよ。 78 00:07:18,071 --> 00:07:20,073 …そうかしら。 79 00:07:24,044 --> 00:07:27,147 うっ… うっ… うっ…→ 80 00:07:27,147 --> 00:07:29,049 うっ…! 81 00:07:29,049 --> 00:07:32,085 はあ…。 82 00:07:32,085 --> 00:07:43,096 ♬~ 83 00:07:43,096 --> 00:07:45,065 (奴隷)はーい ちょっと待ってね。 84 00:07:45,065 --> 00:07:48,101 もう ここでの冬も2度目ね。 85 00:07:48,101 --> 00:07:51,071 母さん 最近 体調いいよね。 86 00:07:51,071 --> 00:07:54,174 (奴隷)やっと モンゴルの暮らしにも 慣れてきたから。 87 00:07:54,174 --> 00:07:58,144 (奴隷)この寒さには まだ慣れないけどね。 88 00:08:02,148 --> 00:08:04,084 ⚞(口笛) 89 00:08:04,084 --> 00:08:06,086 (ヒツジの鳴き声) 90 00:08:06,086 --> 00:08:08,088 チョッチョッ。 91 00:08:14,160 --> 00:08:18,131 〈シタラがソルコクタニの指南役となってから 3年後〉 92 00:08:20,066 --> 00:08:25,071 〈モンゴル軍は 中央アジアの大国 ホラズムの王を破り→ 93 00:08:25,071 --> 00:08:29,075 本拠地の草原へ凱旋していた〉 94 00:08:30,143 --> 00:08:34,080 〈ソルコクタニたちは モンゴル軍を出迎えるため→ 95 00:08:34,080 --> 00:08:37,150 アルタイ山脈の南西まで出向き→ 96 00:08:37,150 --> 00:08:42,155 エミル川の流域で 勝利を祝う宴会と狩りを催した〉 97 00:08:43,156 --> 00:08:45,158 ⚟(フレグ)お父さま! (トルイ)ん? 98 00:08:46,092 --> 00:08:48,128 (トルイ)フレグ! クビライ! 99 00:08:48,128 --> 00:08:50,096 (フレグ)フレグは シカを仕留めました。 100 00:08:50,096 --> 00:08:52,065 (クビライ)俺はウサギでした ヘヘッ…。 101 00:08:52,065 --> 00:08:56,069 (トルイ)さすが 俺の息子たちだ! (フレグ)お父さまー! 102 00:08:56,069 --> 00:09:00,106 僕ねー 狩りは初挑戦! すごい? すごい? 103 00:09:00,106 --> 00:09:02,075 すごい すごい! ハハハ…! 104 00:09:03,076 --> 00:09:06,112 フレグさま クビライさま→ 105 00:09:06,112 --> 00:09:10,083 もうすぐ 大カンがお越しになりますので ご準備を。 106 00:09:10,083 --> 00:09:12,085 ファーティマ! 見て ほら! 107 00:09:12,085 --> 00:09:15,088 まあ 立派なシカでございますね。 108 00:09:15,088 --> 00:09:18,124 クビライさまも すばしっこいウサギを仕留めるのは→ 109 00:09:18,124 --> 00:09:21,061 大変だったでしょう。 エヘヘヘ…。 110 00:09:21,061 --> 00:09:23,029 でも 弓は ずっと練習してたから。 111 00:09:24,063 --> 00:09:26,066 あの娘は? 112 00:09:26,066 --> 00:09:30,069 あなたが連れてきてくださった 『原論』の指南役ですわ。 113 00:09:30,069 --> 00:09:32,072 ああ あの学者の娘! 114 00:09:32,072 --> 00:09:34,073 どうだい? ちゃんと務めてるかい? 115 00:09:34,073 --> 00:09:37,043 (ソルコクタニ)よく尽くしてくれています。 116 00:09:37,043 --> 00:09:39,078 賢くて 気も利いて…。 117 00:09:39,078 --> 00:09:44,050 ああして笑っていると かわいくて 年相応に見えますね。 118 00:09:44,050 --> 00:09:49,055 『原論』だけじゃなく 有能な指南役まで。 (トルイ)当然さ。 119 00:09:49,055 --> 00:09:51,057 かっこいいでしょ? 120 00:09:51,057 --> 00:09:53,059 ハハハッ 強そうだ。 121 00:09:53,059 --> 00:09:56,062 さあ 初めての狩りに出た子供は→ 122 00:09:56,062 --> 00:09:59,065 指に脂を塗ってもらうのが 習わしです。 123 00:09:59,065 --> 00:10:01,134 大カンが塗ってくださいますよ。 124 00:10:01,134 --> 00:10:03,069 ⚟(侍女)大カンがお越しになります! 125 00:10:03,069 --> 00:10:06,039 クビライ兄ちゃん 行こう! (クビライ)うん! 126 00:10:07,073 --> 00:10:09,042 (フレグ)ハハハッ…! フフフッ…。 127 00:10:09,042 --> 00:10:11,044 ハハハッ…! フフッ…。 128 00:10:16,049 --> 00:10:20,053 〈モンゴルの皇帝 チンギス・カン〉 129 00:10:21,054 --> 00:10:24,057 〈かの人が打ち立てた広大な帝国〉 130 00:10:24,057 --> 00:10:29,062 〈そこに立つ人々の運命の星は この3年後→ 131 00:10:29,062 --> 00:10:36,069 チンギス・カンという巨星が墜ちた時 大きく動き始める〉 132 00:11:01,895 --> 00:11:05,899 (トルイ)大カン 安心してください。 133 00:11:05,899 --> 00:11:09,903 モンゴルの未来は あなたの遺言どおりに…。 134 00:11:11,905 --> 00:11:13,907 親父…。 135 00:11:14,908 --> 00:11:21,915 ♬~ 136 00:11:21,915 --> 00:11:29,889 (すすり泣き) 137 00:11:36,996 --> 00:11:40,934 〈末弟にして オッチギンである 第四皇子 トルイは→ 138 00:11:40,934 --> 00:11:43,903 末子相続の習慣に従って→ 139 00:11:43,903 --> 00:11:48,908 父 チンギス・カンの広大な遺産の大部分を 継承した〉 140 00:11:48,908 --> 00:11:50,910 〈土地や財だけではなく→ 141 00:11:50,910 --> 00:11:57,951 モンゴルの軍事力 そのほとんどを トルイの一族が手に入れることになった〉 142 00:11:57,951 --> 00:12:06,993 ♬~ 143 00:12:06,993 --> 00:12:08,928 (子供)わあ~! トルイさまだ! 144 00:12:08,928 --> 00:12:10,930 (子供たち)トルイさま! トルイさま! 145 00:12:10,930 --> 00:12:12,899 トルイさま! 146 00:12:12,899 --> 00:12:19,906 〈チンギス・カン崩御の後 帝国は 新たな指導者を選ぶ必要があった〉 147 00:12:19,906 --> 00:12:23,910 〈しかし 一族や有力諸王が集まり→ 148 00:12:23,910 --> 00:12:27,914 次の皇帝を決める部族の大集会 クリルタイを 開くまで→ 149 00:12:27,914 --> 00:12:30,950 2年もの時間がかかった〉 150 00:12:30,950 --> 00:12:33,987 〈トルイは その間 軍事にとどまらず→ 151 00:12:33,987 --> 00:12:37,991 全ての国政を代行していたのである〉 152 00:12:43,930 --> 00:12:46,933 なんだか元気がない子ね。 153 00:12:46,933 --> 00:12:50,937 でも まあ 食べても問題ないと思うわ。 さばきましょう。 154 00:12:52,939 --> 00:12:54,907 (ヒツジの鳴き声) 155 00:12:59,946 --> 00:13:01,914 (男性)うっ…。 (血管を切る音) 156 00:13:05,985 --> 00:13:07,920 これで よし。 157 00:13:07,920 --> 00:13:09,922 さあ どんどん解体していこう! 158 00:13:09,922 --> 00:13:12,925 今日は 一世一代の特別な日だよ! 159 00:13:14,927 --> 00:13:17,897 はい これ。 内臓の中をきれいにして。 160 00:13:19,932 --> 00:13:22,935 アッラーの御名によって アッラーは偉大なり。 161 00:13:23,903 --> 00:13:25,905 ファーティマ。 162 00:13:27,907 --> 00:13:30,910 やっぱり 腹を割く解体方法は嫌? 163 00:13:30,910 --> 00:13:33,946 ああっ… すみません つい 癖で…。 164 00:13:33,946 --> 00:13:38,918 あんたたちイスラム教徒は 喉を切った家畜しか食べないんですってね。 165 00:13:38,918 --> 00:13:40,987 ええ。 (女性)でも それじゃあ→ 166 00:13:40,987 --> 00:13:45,925 大地を血で汚してしまうし 何より 血が抜けて肉の味が薄くなっちゃう。 167 00:13:45,925 --> 00:13:48,928 もったいない! 血が美味しいのに。 168 00:13:48,928 --> 00:13:52,932 そんなわけだから やり方が違うけど 勘弁してね。 169 00:13:52,932 --> 00:13:55,935 大丈夫! 私 もう慣れましたわ。 170 00:13:55,935 --> 00:13:58,905 モンゴルへ来て もう8年ですよ。 171 00:13:58,905 --> 00:14:02,909 血の残った肉だって 好きになりました! そう? 172 00:14:02,909 --> 00:14:05,912 肉の味を 「血抜きしてあるから美味しい」なんて→ 173 00:14:05,912 --> 00:14:09,916 甘いものを「甘くなくて美味しい」って 言うようなものです。 174 00:14:09,916 --> 00:14:12,885 そうそう! じゃあ 内臓のほうは任せるわ。 175 00:14:12,885 --> 00:14:14,921 よろしくね ファーティマ! 176 00:14:14,921 --> 00:14:16,889 かしこまりました。 177 00:14:20,993 --> 00:14:25,965 《喉を切る解体方法にも ちゃんと理由があるんだけどな》 178 00:14:26,899 --> 00:14:28,901 (店主)アッラーの御名によって→ 179 00:14:28,901 --> 00:14:30,970 アッラーは偉大なり。 180 00:14:30,970 --> 00:14:32,905 ふんっ! (ヒツジを切る音) 181 00:14:32,905 --> 00:14:36,909 (ズルッムド) これが 動物が一番苦しまない方法なの。 182 00:14:36,909 --> 00:14:38,978 (アニース)こうやって血を抜いたほうが→ 183 00:14:38,978 --> 00:14:42,982 肉の見た目もきれいだし 傷みにくくなるのよ。 184 00:14:46,886 --> 00:14:51,924 《でも 血抜きをしない黒い肉だって そりゃあ慣れるわよ》 185 00:14:51,924 --> 00:14:53,926 《8年》 186 00:14:53,926 --> 00:14:59,899 《私がトゥースで過ごした時間と同じ年月 このモンゴルで過ごしてしまった》 187 00:15:00,900 --> 00:15:05,905 《なのに 私は まだ ここで何もできていない》 188 00:15:05,905 --> 00:15:07,907 《あの本は…→ 189 00:15:07,907 --> 00:15:12,912 あの本は いつだって私の手の中にあったのに 取り返せてはいないの》 190 00:15:13,913 --> 00:15:16,916 《これでは取り返したことにならないの》 191 00:15:19,986 --> 00:15:21,921 ん? 192 00:15:21,921 --> 00:15:23,890 《何か硬いものが…》 193 00:15:29,929 --> 00:15:31,931 これって…。 194 00:15:31,931 --> 00:15:35,935 さあ これも運んでおくれ。 ああ。 195 00:15:37,937 --> 00:15:40,907 しかし… まさか あの方がね…。 196 00:15:40,907 --> 00:15:44,911 ねえ。 (男性)よせ! 今日は めでたい日じゃないか。 197 00:15:45,978 --> 00:15:49,982 (男性)新しい皇帝が即位するんだから。 198 00:15:51,918 --> 00:15:54,921 ああー…→ 199 00:15:54,921 --> 00:15:56,923 ぐっ! 200 00:15:56,923 --> 00:16:01,928 ♬~ 201 00:16:01,928 --> 00:16:03,930 ああ…。 202 00:16:03,930 --> 00:16:10,903 ♬~ 203 00:16:10,903 --> 00:16:12,939 フフッ…! 204 00:16:12,939 --> 00:16:20,947 ♬~ 205 00:16:20,947 --> 00:16:24,917 今度の皇帝は 「カン」じゃなく「カアン」を名乗るんだってな。 206 00:16:24,917 --> 00:16:28,988 チンギス・カンも使わなかった いにしえの君主号の復活だ。 207 00:16:28,988 --> 00:16:31,924 モンゴルも偉くなった。 208 00:16:31,924 --> 00:16:35,928 これからは モンゴルが世界の中心になっていくぞ。 209 00:16:35,928 --> 00:16:40,933 ♬~(演奏) 210 00:16:40,933 --> 00:16:46,939 ♬~ 211 00:16:46,939 --> 00:16:48,908 (ぶつかる音) 212 00:16:49,942 --> 00:16:51,911 やーっ ハハーッ! 213 00:16:55,014 --> 00:16:59,919 クリルタイが始まって もう41日か。 相当もめてるんじゃないか? 214 00:16:59,919 --> 00:17:03,990 その41日目っていうのが大事なんだよ。 215 00:17:03,990 --> 00:17:07,894 カムの占いによれば 41日目が吉日。 216 00:17:07,894 --> 00:17:13,933 つまり 皇子が一族の推挙を受け入れて 即位するのは→ 217 00:17:13,933 --> 00:17:15,902 今日だ。 218 00:17:17,904 --> 00:17:20,907 (チャガタイ)では 大カアン→ 219 00:17:20,907 --> 00:17:25,912 玉座へ。 (テムゲ)さあ お手を。 参りましょう。 220 00:17:28,915 --> 00:17:42,895 ♬~ 221 00:17:42,895 --> 00:17:44,897 フッ…。 222 00:17:45,932 --> 00:17:50,903 ♬~ 223 00:17:51,904 --> 00:17:53,906 (2人)新帝万歳! 224 00:17:53,906 --> 00:17:56,909 (一同)新帝万歳! 225 00:17:56,909 --> 00:17:59,879 オゴタイ・カアン万歳! 226 00:18:00,913 --> 00:18:02,915 ホレー! 227 00:18:02,915 --> 00:18:05,885 (一同)ホレー! 228 00:18:05,885 --> 00:18:10,890 ホレー! ホレー! 229 00:18:12,925 --> 00:18:17,930 (トルイ)大カアン! ご即位 誠にお喜び申し上げます。 230 00:18:17,930 --> 00:18:20,933 おめでとう オゴタイ兄上! 231 00:18:20,933 --> 00:18:22,868 (オゴタイ)ありがとう トルイ。 232 00:18:22,868 --> 00:18:31,877 ♬~ 233 00:18:37,917 --> 00:18:44,924 ♬~ 234 00:18:44,924 --> 00:18:47,927 今後 もし わが子孫に→ 235 00:18:47,927 --> 00:18:50,930 草に包まれても牛に食われず→ 236 00:18:50,930 --> 00:18:54,934 脂に包まれても狗に食われぬ者がある限り…。 237 00:18:57,903 --> 00:19:01,007 大鹿が横ざまに逃げるとも→ 238 00:19:01,007 --> 00:19:03,909 野鼠が縦ざまに逃げるとも→ 239 00:19:03,909 --> 00:19:05,911 見逃すことならん。 240 00:19:08,914 --> 00:19:12,018 (トルイ)いやあ~! めでたい めでたい! 241 00:19:12,018 --> 00:19:16,989 これで 親父の遺言にもそえたし 俺も政務から解放される。 242 00:19:18,924 --> 00:19:21,927 大役 ご苦労さまでした。 243 00:19:21,927 --> 00:19:23,929 ソルコクタニ…。 244 00:19:23,929 --> 00:19:27,933 おまえを 皇后にしてやれなかったのだけが心残りだ。 245 00:19:27,933 --> 00:19:29,935 そんなこと…。 246 00:19:29,935 --> 00:19:33,939 いやね 親父の遺言を聞いた時 俺も思ったのよ。 247 00:19:33,939 --> 00:19:37,009 「なんで? 普通 俺じゃないの?」って。 248 00:19:37,009 --> 00:19:39,912 でも 親父は こう言った。 249 00:19:39,912 --> 00:19:41,947 たくさんの頭を持つヘビは→ 250 00:19:41,947 --> 00:19:44,917 寒さをしのぐために 穴に入りたくとも→ 251 00:19:44,917 --> 00:19:48,921 お互いに争って入れず 死んでしまう。 252 00:19:48,921 --> 00:19:51,924 しかし 一つ頭の大蛇は→ 253 00:19:51,924 --> 00:19:53,926 穴に入り 生き延びるだろう。 254 00:19:53,926 --> 00:19:58,898 オゴタイは その賢さで 皆の頭になれ。 255 00:20:00,100 --> 00:20:05,905 俺はオッチギンだから 自分が一番優遇されてると思ってきた。 256 00:20:05,905 --> 00:20:09,909 でも 親父の考えは そんなことじゃなかった。 257 00:20:09,909 --> 00:20:14,914 俺に力をつけてくれたのは 俺一人のためじゃなかったんだ。 258 00:20:14,914 --> 00:20:19,885 俺たち兄弟の結束こそ モンゴルを真に強くする! 259 00:20:19,885 --> 00:20:21,887 それが 親父の…→ 260 00:20:21,887 --> 00:20:24,890 チンギス・カンの願いで…→ 261 00:20:24,890 --> 00:20:26,892 俺の一番の願いだ。 262 00:20:30,896 --> 00:20:32,898 《兄弟の結束…》 263 00:20:40,973 --> 00:20:42,908 ふう…。 264 00:20:42,908 --> 00:20:47,980 《誰が皇帝になるとか 私には どうでもいいことだけど…》 265 00:20:47,980 --> 00:20:50,916 《慣習を破ってまで跡を継がせるなんて→ 266 00:20:50,916 --> 00:20:54,920 そのオゴタイとかいう皇子は よほど優秀なのかしら》 267 00:20:56,889 --> 00:20:58,891 フフッ…。 268 00:20:58,891 --> 00:21:00,893 《シラも当てが外れたわね》 269 00:21:02,962 --> 00:21:06,966 《とにかく これで やっとクリルタイが終わる》 270 00:21:13,906 --> 00:21:16,909 《これ… やっぱり あの石よね》 271 00:21:16,909 --> 00:21:18,911 《奥さまの本で読んだことがある》 272 00:21:18,911 --> 00:21:21,113 《とても貴重なものだって…》 273 00:21:21,113 --> 00:21:22,915 ⚟(ソルコクタニ)ファーティマ! 274 00:21:22,915 --> 00:21:26,886 えっ ソルコクタニさま!? 275 00:21:28,888 --> 00:21:31,891 ど… どうしたんですか? 276 00:21:32,925 --> 00:21:36,896 あなたに大事な用事があって。 私に? 277 00:21:36,896 --> 00:21:40,933 今日限りで あなたには私の元を離れてほしいの。 278 00:21:40,933 --> 00:21:42,968 えっ? 279 00:21:42,968 --> 00:21:47,006 えっ!? クビですか!? えっ 私 何か粗相を!? 280 00:21:47,006 --> 00:21:48,941 そういうことじゃないの。 281 00:21:48,941 --> 00:21:50,910 じゃあ どうして…。 282 00:21:56,949 --> 00:21:59,919 ファーティマ 極秘命令よ。 283 00:22:01,921 --> 00:22:04,890 私の密偵になってちょうだい。 284 00:22:09,929 --> 00:22:15,935 ♬~