1 00:00:06,106 --> 00:00:09,076 (ソルコクタニ)ファーティマ 極秘命令よ。 2 00:00:09,076 --> 00:00:12,045 (ソルコクタニ)私の密偵になってちょうだい。 3 00:00:13,146 --> 00:00:15,082 (風の音) 4 00:00:15,082 --> 00:00:17,084 (シタラ)密偵…? 5 00:00:19,119 --> 00:00:25,058 (ソルコクタニ)知ってのとおり 皇帝に即位したのは オゴタイ義兄さんだったでしょう。 6 00:00:25,058 --> 00:00:30,130 トルイも私も納得はしているの。 それで うまくいくのなら…。 7 00:00:30,130 --> 00:00:32,065 だけど→ 8 00:00:32,065 --> 00:00:36,103 もろいものよ 兄弟の絆なんて。 9 00:00:36,103 --> 00:00:38,105 帝位に就かなかったとはいえ→ 10 00:00:38,105 --> 00:00:43,076 この帝国で一番の軍事力を手にしたのは オッチギンのトルイ。 11 00:00:43,076 --> 00:00:48,081 放っておけば このねじれは きっと 不幸の種になるわ。 12 00:00:51,118 --> 00:00:54,087 なるほど 分かってきました。 13 00:00:54,087 --> 00:00:56,089 それで 私は何を…? 14 00:00:58,125 --> 00:01:01,094 (ソルコクタニ)チャガタイ義兄さんの所に こっそり入り込んで→ 15 00:01:01,094 --> 00:01:03,096 動向を逐一 伝えてほしいの。 16 00:01:03,096 --> 00:01:05,098 チャガタイさまの…? 17 00:01:05,098 --> 00:01:09,102 ええ。 これは悪い想像よ。 18 00:01:09,102 --> 00:01:13,106 大カアンとトルイの仲に 誰かが介入するとしたら→ 19 00:01:13,106 --> 00:01:16,076 まず チャガタイ義兄さんで 間違いないでしょうね。 20 00:01:16,076 --> 00:01:20,080 昔から オゴタイ義兄さんと一番親しいもの。 21 00:01:21,114 --> 00:01:25,085 あなたなら 顔も知られていないし 警戒されないわ。 22 00:01:25,085 --> 00:01:29,089 私たちのために働いてくれるわね? 23 00:01:32,092 --> 00:01:41,068 ♬~ 24 00:03:20,067 --> 00:03:24,037 (ソルコクタニの声)明日の朝 旗を掲げた天幕へ向かいなさい。 25 00:03:24,037 --> 00:03:27,007 そこで潜入の手だてを伝えます。 26 00:03:28,041 --> 00:03:33,013 《旗… 旗の立った天幕… あれのことね》 27 00:03:34,047 --> 00:03:36,116 ここに来るよう言われたけれど…。 28 00:03:36,116 --> 00:03:38,118 ⚞ファーティマ! 29 00:03:42,055 --> 00:03:44,124 (シラ)よう! 30 00:03:44,124 --> 00:03:46,093 シラ!? シラじゃない! 31 00:03:47,027 --> 00:03:49,029 すっかり大人になったのね…。 32 00:03:49,029 --> 00:03:51,031 でも どうして ここに? 33 00:03:51,031 --> 00:03:54,067 トルイさまの下にいたんじゃなかったの? 34 00:03:54,067 --> 00:03:58,038 (シラ)フフッ… それが お后のソルコクタニさまに頼まれてな。 35 00:03:58,038 --> 00:04:02,042 あんたに協力することになったんだ。 へえ~。 36 00:04:02,042 --> 00:04:06,046 ってかさ まだ なんか ひと波乱ありそうな気もするし。 37 00:04:06,046 --> 00:04:08,148 お互い うまくやって出世しようぜ。 38 00:04:08,148 --> 00:04:10,050 相変わらずね…。 39 00:04:10,050 --> 00:04:13,053 で あの天幕は? ん? 40 00:04:13,053 --> 00:04:17,057 ああ… 遺失物管理官の天幕だよ。 41 00:04:17,057 --> 00:04:20,026 持ち主の分からない家畜や奴隷を 預かる場所さ。 42 00:04:20,026 --> 00:04:25,031 秋の引っ越しに クリルタイもあったし 今は ごたごたしてるんじゃないかな。 43 00:04:28,034 --> 00:04:33,039 (シラ)で まあ それを利用して あんたはチャガタイ家の奴隷と入れ替わる。 44 00:04:33,039 --> 00:04:35,041 替え玉作戦ってわけね。 45 00:04:35,041 --> 00:04:39,012 でも そんな都合良く 私と似た奴隷が見つかるかしら? 46 00:04:40,046 --> 00:04:42,015 う~ん…。 47 00:04:43,049 --> 00:04:47,020 まあ 大丈夫だろ! 神様が望むなら。 48 00:04:47,020 --> 00:04:49,055 行くぜ! えっ? 49 00:04:49,055 --> 00:04:51,057 あっ…。 50 00:04:51,057 --> 00:04:53,026 (ため息) 51 00:04:53,026 --> 00:04:55,028 不安しかないんですけど…。 52 00:04:57,130 --> 00:05:00,033 ちょっと お尋ねします。 (管理官)ん? 53 00:05:00,033 --> 00:05:03,036 (シラ)そこで 迷子になっていた奴隷が…。 54 00:05:03,036 --> 00:05:05,005 預かってもらえませんか? 55 00:05:07,040 --> 00:05:10,043 (管理官)何か身元の分かりそうなものは? 56 00:05:10,043 --> 00:05:14,047 (シラ)ええ~ どうでしょうか。 どこにでもいそうな奴隷ですよ。 57 00:05:15,048 --> 00:05:18,018 このとおり 愛想良く笑うことしか取りえのない→ 58 00:05:18,018 --> 00:05:21,021 つまらない奴隷です。 まあ! 59 00:05:21,021 --> 00:05:23,089 ちょっと…! おい 怒んなって。 60 00:05:23,089 --> 00:05:26,026 目立たないほうが入れ替わりやすいだろ? 61 00:05:26,026 --> 00:05:29,029 もう少しマシな言い方…! まあまあ…。 62 00:05:30,130 --> 00:05:32,065 ん? 何か落ちたぞ。 63 00:05:32,065 --> 00:05:34,034 あっ…。 64 00:05:35,035 --> 00:05:37,070 なんだ? それ。 65 00:05:37,070 --> 00:05:40,073 これは… ベゾアール石よ。 66 00:05:40,073 --> 00:05:42,075 ヒツジの中から出てきたの。 67 00:05:42,075 --> 00:05:46,079 ああ 毒消しの石か! 聞いたことある。 68 00:05:46,079 --> 00:05:48,048 (管理官)待ちなさい。 69 00:05:48,048 --> 00:05:50,050 それは ジャダ石じゃないか? えっ? 70 00:05:51,051 --> 00:05:54,054 ベゾアールというのは知らないがね→ 71 00:05:54,054 --> 00:05:57,057 ここでは 動物の体内にできる石は ジャダ石といって→ 72 00:05:57,057 --> 00:06:00,060 雨乞いをするのに使う。 73 00:06:00,060 --> 00:06:02,062 (管理官の声)カムが水に浸すと…。 74 00:06:02,062 --> 00:06:09,169 ♬~ 75 00:06:09,169 --> 00:06:12,038 (雷鳴) 76 00:06:12,038 --> 00:06:16,042 (管理官の声) たちまち 暴風雨が起こるといわれている。 77 00:06:16,042 --> 00:06:18,144 なんで 奴隷のおまえが そんなものを? 78 00:06:18,144 --> 00:06:20,046 えっ…。 79 00:06:20,046 --> 00:06:23,083 《勝手に持ってきちゃったの まずかったかな…》 80 00:06:23,083 --> 00:06:25,051 えっと…。 81 00:06:25,051 --> 00:06:27,053 あっ そうです! 82 00:06:27,053 --> 00:06:31,057 後で主人に渡すつもりが はぐれてしまって…。 ふ~ん? 83 00:06:31,057 --> 00:06:36,029 ところで 管理官 実は 俺も 迷い奴隷を捜しているんです。 84 00:06:36,029 --> 00:06:41,034 チャガタイさまの属民で この娘と似た女を預かっていませんか? 85 00:06:41,034 --> 00:06:45,038 ふ~む… チャガタイ家の西方の奴隷ねえ…。 86 00:06:45,038 --> 00:06:48,041 《そんな都合良く いるものですか》 87 00:06:49,042 --> 00:06:53,079 昨日だけでも 3人は預かったよ。 えっ!? 88 00:06:53,079 --> 00:06:57,050 (管理官)今は クリルタイで 迷子になるのが たくさんいるからな…。 89 00:06:58,051 --> 00:07:01,054 この女なんか まあ 目を細めれば 似てなくもないような…。 90 00:07:01,054 --> 00:07:03,023 (シラ)あっ そっくりです! 91 00:07:03,023 --> 00:07:06,026 ああ~ いたいた! 捜したよ 君! 92 00:07:08,061 --> 00:07:10,063 …似てない。 93 00:07:10,063 --> 00:07:12,032 《こっちのせりふよ!》 94 00:07:12,032 --> 00:07:16,102 (シラ)じゃあな~! あんたも早く主人の所に帰れるといいな。 95 00:07:16,102 --> 00:07:18,038 (奴隷)似てない。 どうも! 96 00:07:18,038 --> 00:07:22,042 くっ…! さあ おまえも この女たちと待ってろ。 97 00:07:22,042 --> 00:07:25,045 今に迎えが来るさ。 フンッ! 98 00:07:29,049 --> 00:07:32,052 《本当に たくさん迷子がいる…》 99 00:07:33,019 --> 00:07:35,121 《そうだ この人たちって…》 100 00:07:35,121 --> 00:07:38,091 あの… ペルシア語 分かります? 101 00:07:39,025 --> 00:07:41,027 (2人)ええ! 102 00:07:42,028 --> 00:07:44,064 へえ~。 103 00:07:44,064 --> 00:07:47,033 じゃあ 2人は マシュハドとメルヴの街から? 104 00:07:47,033 --> 00:07:50,036 私はトゥースです。 えっ そうなの? 105 00:07:50,036 --> 00:07:53,039 いつか行ってみたいと思っていたわ。 106 00:07:53,039 --> 00:07:55,041 そうなんですか!? 107 00:07:55,041 --> 00:07:58,044 活気があって いい所だって 聞いていたもの。 108 00:07:58,044 --> 00:08:00,113 そうなんです! 109 00:08:00,113 --> 00:08:04,050 じゃあ もしかしたら 私たち…→ 110 00:08:04,050 --> 00:08:08,021 いつか すれ違うことがあったかもしれませんね。 111 00:08:09,055 --> 00:08:11,024 (奴隷の声)ええ。 (奴隷の声)うん! 112 00:08:12,058 --> 00:08:14,060 (奴隷の声)懐かしいなあ。 113 00:08:14,060 --> 00:08:17,030 バザールでのお買い物が大好きだったわ。 114 00:08:21,034 --> 00:08:24,104 (奴隷)今は チャガタイ家にお仕えしているの。 115 00:08:24,104 --> 00:08:27,040 でも 気付いたら 迷子に…。 116 00:08:27,040 --> 00:08:30,276 家族のことが心配だわ。 117 00:08:30,276 --> 00:08:32,045 家族? ええ。 118 00:08:32,045 --> 00:08:34,047 私の夫も奴隷なのよ。 119 00:08:34,047 --> 00:08:38,018 ブハラ生まれの 腕のいい職人なの。 120 00:08:39,052 --> 00:08:43,056 モンゴルへ連れてこられた時は 怖くて絶望したけど→ 121 00:08:43,056 --> 00:08:46,025 今は 夫や子供もいて…。 122 00:08:46,025 --> 00:08:50,063 生きていれば 案外 うまく転がっていくものね。 123 00:08:50,063 --> 00:08:52,065 住めば都ってね。 124 00:08:52,065 --> 00:08:56,035 (奴隷)特に チャガタイさまのウルスは治安が良くて…。 125 00:08:57,037 --> 00:09:01,040 《ここで新しい人生を踏み出している人も いるんだ…》 126 00:09:04,043 --> 00:09:06,045 《駄目だ!》 127 00:09:07,080 --> 00:09:11,084 《時々 許しそうになってしまう…》 128 00:09:11,084 --> 00:09:15,054 《絶対に忘れないと誓ったのに…》 129 00:09:15,054 --> 00:09:19,025 《モンゴルが 私たちにしたことを…》 130 00:09:20,059 --> 00:09:22,062 (管理官)おい さっき来た娘。 131 00:09:23,063 --> 00:09:27,033 私ですか? そうだ。 一緒に来なさい。 132 00:09:30,036 --> 00:09:35,008 《シラが手を回して迎えを? それにしては早いわね》 133 00:09:42,048 --> 00:09:45,118 お待たせしました。 この娘です。 134 00:09:45,118 --> 00:09:47,020 (カダク)ジャダ石を持ってるんだって? 135 00:09:47,020 --> 00:09:49,022 あっ… はい。 (カダク)見せろ。 136 00:09:52,025 --> 00:09:55,061 これが 何か…? 137 00:09:55,061 --> 00:09:57,030 (カダク)フンッ。 138 00:09:57,030 --> 00:10:00,066 来なさい。 えっ えっ… ええっ? 139 00:10:00,066 --> 00:10:02,035 (カダク)さっさと乗れ! 140 00:10:03,036 --> 00:10:06,039 《何? これ。 迎えっていうより…》 141 00:10:06,039 --> 00:10:08,041 なんだ 重たいな。 はっ? 142 00:10:08,041 --> 00:10:10,043 逃げるなよ 盗っ人め。 143 00:10:10,043 --> 00:10:12,045 はっ? (カダク)チュウ! 144 00:10:12,045 --> 00:10:14,047 ええ~~っ!? 145 00:10:15,048 --> 00:10:18,017 盗っ人って なんですか!? 何かの間違いです! 146 00:10:18,017 --> 00:10:23,022 あなた 誰です!? チャガタイ家の迎えの方じゃないんですか!? 147 00:10:23,022 --> 00:10:25,058 フン… 「ラクダと言うと ヤギと言う」。 148 00:10:25,058 --> 00:10:27,060 えっ? はい!? 149 00:10:27,060 --> 00:10:32,031 とんだ見当違いということだ。 観念して 全て白状しろ。 150 00:10:32,031 --> 00:10:34,033 白状も何も 私は…! 151 00:10:34,033 --> 00:10:36,035 チュウ! うわっ! 152 00:10:38,037 --> 00:10:40,006 うわあ… ああ~っ…! (カダク)チュウ チュウ! 153 00:10:41,107 --> 00:10:43,042 (風の音) 154 00:10:43,042 --> 00:10:46,045 嫌…! 痛い~! 155 00:10:46,045 --> 00:10:48,047 ここ どこです!? 156 00:10:48,047 --> 00:10:50,049 うるさい! いいから来い! 157 00:10:52,051 --> 00:10:54,020 (カダク)カダクです。 入ります。 158 00:10:56,122 --> 00:10:59,125 ⚟(カダク)例の石を盗んだ女を連れてきました。 159 00:10:59,125 --> 00:11:01,027 私は 盗んでなんか…! 160 00:11:01,027 --> 00:11:04,030 入れ! ええっ!? 161 00:11:05,131 --> 00:11:07,033 うっ…。 162 00:11:07,033 --> 00:11:09,035 (ドレゲネ)ご苦労でしたね カダク。 163 00:11:11,104 --> 00:11:20,046 ♬~ 164 00:11:20,046 --> 00:11:22,015 《この人…》 165 00:11:24,050 --> 00:11:27,053 おまえが…→ 166 00:11:27,053 --> 00:11:31,057 おまえが 私からジャダ石を盗んだの? な… なんのことでしょう? 167 00:11:31,057 --> 00:11:33,026 とぼけるな! 168 00:11:34,060 --> 00:11:37,030 オゴタイ… あいつが おまえに命じたんでしょう!? 169 00:11:37,030 --> 00:11:40,033 そんなものまで 私から取り上げるなんて…! 170 00:11:40,033 --> 00:11:42,035 (荒い息) 171 00:11:42,035 --> 00:11:45,038 お… 恐れながら あなたさまは どなたでしょう? 172 00:11:45,038 --> 00:11:47,040 何か誤解をなさって…。 173 00:11:47,040 --> 00:11:49,042 この方を知らないだと? 174 00:11:49,042 --> 00:11:53,012 オゴタイ・カアンの第六妃 ドレゲネ・カトゥンを。 175 00:11:54,047 --> 00:11:56,049 くっ…! 176 00:11:58,051 --> 00:12:02,055 《大カアンの… 第六妃…》 177 00:12:03,890 --> 00:12:06,893 (荒い息) 178 00:12:06,893 --> 00:12:08,895 《やっと分かってきたわ…》 179 00:12:08,895 --> 00:12:13,866 《つまり ここはオゴタイ家のウルスで 私は泥棒と間違われて…》 180 00:12:13,866 --> 00:12:16,869 《面倒なことに巻き込まれた…!》 181 00:12:16,869 --> 00:12:19,906 おまえが ジャダ石を盗んだんでしょう? 182 00:12:19,906 --> 00:12:21,874 返しなさい! 183 00:12:23,876 --> 00:12:25,878 《ジャダ石…》 184 00:12:25,878 --> 00:12:30,850 《私の故郷では 貴重な毒消しの薬だけど 確か ここでは…》 185 00:12:31,884 --> 00:12:35,888 (管理官の声)カムが その石を水に浸すと→ 186 00:12:35,888 --> 00:12:38,891 たちまち 暴風雨が起こるといわれている。 187 00:12:39,892 --> 00:12:43,896 《きっと この人も ジャダ石を持っていて なくしちゃったんだ》 188 00:12:43,896 --> 00:12:46,899 《だから 私が盗んだと勘違いして…》 189 00:12:46,899 --> 00:12:52,905 《じゃあ 私の石を見せたら この人のとは違うって分かるはず…》 190 00:12:52,905 --> 00:12:54,907 《あっ…》 191 00:12:54,907 --> 00:12:57,910 《こんな石 いちいち 見分けがつくかしら…?》 192 00:12:57,910 --> 00:12:59,879 《もしも似ていたら…?》 193 00:12:59,879 --> 00:13:02,915 やっぱり おまえが盗んだのね! 194 00:13:02,915 --> 00:13:04,884 死刑! ううっ…! 195 00:13:05,885 --> 00:13:08,888 《うっ… だけど…!》 196 00:13:08,888 --> 00:13:10,890 どうした? さっさとお返ししろ! 197 00:13:12,925 --> 00:13:16,896 《も… もう 見せるしかない!!》 198 00:13:16,896 --> 00:13:21,901 ♬~ 199 00:13:21,901 --> 00:13:23,870 違う…。 200 00:13:24,904 --> 00:13:28,908 私のは もっと小さくて 形も整っています。 201 00:13:28,908 --> 00:13:32,912 えっ? はい! この石は 私が見つけたものです。 202 00:13:34,914 --> 00:13:37,884 カダク これは どういうこと? (カダク)えー…。 203 00:13:38,885 --> 00:13:41,888 すみません… 人違いをしたようです。 204 00:13:43,990 --> 00:13:45,925 もういいわ。 205 00:13:45,925 --> 00:13:47,894 不愉快です! 下がりなさい! 206 00:13:51,898 --> 00:13:53,866 聞こえなかったのか? 外へ出ろ! 207 00:13:55,902 --> 00:13:58,905 あの… それで 私は…? 208 00:13:58,905 --> 00:14:00,907 君 もういいよ。 解散。 209 00:14:00,907 --> 00:14:03,876 もういいって…! 私 迷い奴隷なんですけど! 210 00:14:04,911 --> 00:14:09,916 帰り方も よく分からないし もう暗くなってきたし…。 211 00:14:09,916 --> 00:14:11,884 や~だ~! 212 00:14:11,884 --> 00:14:13,886 怖い~! お… おい! 213 00:14:14,887 --> 00:14:20,960 ドレゲネさまの家来のカダクさんが 私を無理やり 誘拐…。 214 00:14:20,960 --> 00:14:22,895 さ… 騒ぐな! 215 00:14:22,895 --> 00:14:25,898 分かった! 明日 元の場所に連れていくから。 216 00:14:25,898 --> 00:14:27,900 明日? 217 00:14:27,900 --> 00:14:31,871 はあ…。 今夜は泊めてやるから ついてこい。 218 00:14:35,975 --> 00:14:40,947 ああ… それと 俺は ドレゲネさまの家来じゃないからな。 219 00:14:40,947 --> 00:14:44,117 話せば ちょっと長くなるが あるお方に頼まれて…。 220 00:14:44,117 --> 00:14:45,885 ⚟(ざわめき) ん? 221 00:14:45,885 --> 00:14:48,888 (カダク)まあ 俺の主人については話せないぞ。 222 00:14:48,888 --> 00:14:50,890 話しても長くなるだけだ…。 223 00:14:50,890 --> 00:14:55,895 俺は その方のために ドレゲネさまの近くで あれこれ動いているわけだ。 224 00:14:55,895 --> 00:14:57,864 …ん? 225 00:14:58,898 --> 00:15:00,867 いない! 226 00:15:00,867 --> 00:15:02,869 (荒い息遣い) 227 00:15:04,871 --> 00:15:06,906 《あれは…》 228 00:15:06,906 --> 00:15:08,875 (チャガタイ)ハッハッハッハッハッ! 229 00:15:09,876 --> 00:15:11,878 (チャガタイ)アーッハッハッハッハッ…。 230 00:15:11,878 --> 00:15:13,880 (チャガタイのしゃっくり) 231 00:15:13,880 --> 00:15:17,884 オゴタイ おまえは 大カアンになろうと なんになろうと→ 232 00:15:17,884 --> 00:15:20,887 馬では 絶対 俺に勝てないだろうよ。 233 00:15:20,887 --> 00:15:22,889 (オゴタイ)畏れ入りました。 234 00:15:22,889 --> 00:15:26,893 (オゴタイ)珍しいなあ チャガタイが俺より酔っ払ってるなんて。 235 00:15:26,893 --> 00:15:28,895 酔わずにいられるか! 236 00:15:28,895 --> 00:15:34,867 かわいい弟が 晴れて皇帝となったんだ。 こんなにめでたいことはない! 237 00:15:34,867 --> 00:15:36,903 飲みすぎですよ。 238 00:15:36,903 --> 00:15:39,872 《チャガタイさまとオゴタイ・カアン…?》 239 00:15:40,873 --> 00:15:43,943 《何を話しているのかしら? よく聞こえない…》 240 00:15:43,943 --> 00:15:45,878 (ぶつかる音) 《あっ…!》 241 00:15:45,878 --> 00:15:49,949 (キルギスタニ)そこにいるのは誰!? くせ者よ くせ者! 242 00:15:49,949 --> 00:15:51,951 (家臣)逃がすな! (家臣)捕まえろ! 243 00:15:52,919 --> 00:15:54,921 うっ…! 244 00:15:54,921 --> 00:15:57,890 (キルギスタニ)怪しい奴! そこで何をしてたの!? 245 00:15:57,890 --> 00:16:00,893 う~ん… 誰かの奴隷じゃね? 246 00:16:00,893 --> 00:16:02,895 こんな女 見たことないわ! 247 00:16:02,895 --> 00:16:04,897 もしかしたら 密偵かも! 248 00:16:04,897 --> 00:16:06,899 はっ…! 249 00:16:06,899 --> 00:16:08,901 《どうして 今日は こうも…》 250 00:16:08,901 --> 00:16:11,904 (オゴタイ)何かあったの? キルギスタニ モゲ。 251 00:16:11,904 --> 00:16:13,906 ああっ 大カアン 来ちゃ駄目! 252 00:16:13,906 --> 00:16:16,909 危険人物を拘束しました! 253 00:16:16,909 --> 00:16:20,880 危険人物だと? まずは 話を聞いてみようよ。 254 00:16:21,881 --> 00:16:23,883 君は 誰? 255 00:16:25,885 --> 00:16:28,888 《この人が オゴタイ・カアン…》 256 00:16:29,922 --> 00:16:32,892 《モンゴルの新しい皇帝…》 257 00:16:34,961 --> 00:16:37,897 いなくなった? はい この辺りで…。 258 00:16:37,897 --> 00:16:41,901 ドレゲネさま やはり あの奴隷 何か妙です。 259 00:16:41,901 --> 00:16:43,903 それで ご報告を。 260 00:16:46,906 --> 00:16:48,908 《オゴタイ…?》 261 00:16:48,908 --> 00:16:50,877 ふ~ん…。 262 00:16:51,878 --> 00:16:53,913 じゃあ おまえの主人は誰? 263 00:16:53,913 --> 00:16:55,882 主人…。 264 00:16:55,882 --> 00:16:58,885 《一応 今は チャガタイさまなんだけど…》 265 00:16:59,919 --> 00:17:02,889 《そんなこと言ったら 余計 ややこしくなるわね》 266 00:17:02,889 --> 00:17:04,891 《どう答えたら…?》 267 00:17:04,891 --> 00:17:06,893 さあ 正直に答えろ! 268 00:17:06,893 --> 00:17:08,895 うっ…。 269 00:17:08,895 --> 00:17:11,864 ド… ドレゲネ皇后さまでございます! 270 00:17:12,899 --> 00:17:14,867 どういうことでしょう? 271 00:17:16,869 --> 00:17:19,872 ドレゲネの? (モゲ)ああ… それ あり得る。 272 00:17:19,872 --> 00:17:23,876 オゴタイ おまえ あの女に自由にさせすぎだぞ! 273 00:17:24,877 --> 00:17:26,879 おい 娘! 274 00:17:26,879 --> 00:17:30,883 ドレゲネに何を頼まれたか知らんがな こそこそと 感心しないな。 275 00:17:30,883 --> 00:17:32,952 法を犯すな。 276 00:17:32,952 --> 00:17:35,955 女なら 奴隷なら なおさら法に従え。 277 00:17:36,889 --> 00:17:40,893 それから イスラム教徒は 殊に法を無視しがちで困る。 278 00:17:40,893 --> 00:17:43,863 ヒツジの喉を切ったり 川につかったり。 279 00:17:43,863 --> 00:17:48,868 弱者のくせに なぜ そうも自らの破滅を招くのか…。 280 00:17:52,905 --> 00:17:54,974 あなたさまには…。 281 00:17:54,974 --> 00:17:56,909 フン…。 ん? 282 00:17:56,909 --> 00:18:00,880 あなたさまには お分かりにならないでしょうね。 283 00:18:03,883 --> 00:18:14,894 ♬~ 284 00:18:14,894 --> 00:18:17,964 ん? あっ ドレゲネじゃない! えっ? 285 00:18:17,964 --> 00:18:22,935 あんたの奴隷だって言ってるわよ この女! (モゲ)そうなの? 286 00:18:24,904 --> 00:18:26,872 《終わった…》 287 00:18:28,874 --> 00:18:31,877 捕まるなんて 間抜けな子ね。 えっ…。 288 00:18:31,877 --> 00:18:33,946 ん? 289 00:18:33,946 --> 00:18:35,948 ええ そうですわ。 290 00:18:37,883 --> 00:18:41,887 私が あなたを殺すように命じました→ 291 00:18:41,887 --> 00:18:43,889 大カアン。 292 00:18:46,892 --> 00:18:48,861 なら 仕方ないね。 293 00:18:48,861 --> 00:18:50,863 ええっ!? 294 00:18:50,863 --> 00:18:53,899 さあ たくらみは暴かれたよ。 みんな 帰った 帰った! 295 00:18:53,899 --> 00:18:55,901 (キルギスタニ)大カアン! 296 00:18:55,901 --> 00:18:58,871 今夜もきれいだよ キルギスタニ。 ええ~っ! 297 00:18:59,905 --> 00:19:01,907 モゲも おやすみ。 298 00:19:01,907 --> 00:19:03,876 (モゲ)は~い! 299 00:19:05,878 --> 00:19:07,880 ドレゲネもね。 300 00:19:09,949 --> 00:19:12,985 ん? ん? ん? ん? ん? ん…? 301 00:19:12,985 --> 00:19:14,954 チッ! 302 00:19:20,926 --> 00:19:22,895 オゴタイ おまえは…。 303 00:19:22,895 --> 00:19:27,900 ほらほら チャガタイも そろそろ帰らないと みんな心配するよ。 304 00:19:31,904 --> 00:19:33,906 チャガタイは優しいな。 305 00:19:33,906 --> 00:19:36,909 はあ? (オゴタイ)前に言ってたじゃない。 306 00:19:36,909 --> 00:19:38,911 これだけ国が大きくなれば→ 307 00:19:38,911 --> 00:19:42,915 モンゴルは 習慣も信仰も違う者たちの大集団になる。 308 00:19:42,915 --> 00:19:49,889 衝突が起き 真っ先に犠牲になるのは 女や奴隷 弱い人たちだって。 309 00:19:51,924 --> 00:19:54,927 (オゴタイ)でも チンギス・カンの定めた法が 行き渡っていれば→ 310 00:19:54,927 --> 00:19:57,897 みんなを守ってやれる。 弱い人たちも…。 311 00:19:59,899 --> 00:20:02,902 そうでしょう? うっ…。 312 00:20:02,902 --> 00:20:04,870 帰る! 313 00:20:07,907 --> 00:20:10,910 (オゴタイ)やっぱり優しい…。 314 00:20:10,910 --> 00:20:14,914 でもさ 世界中の全員が全員→ 315 00:20:14,914 --> 00:20:18,884 君みたいに 自分の立場を はっきり割り切れるわけじゃない。 316 00:20:18,884 --> 00:20:22,888 どうしても 変えられないものってのがあるんだよ。 317 00:20:29,895 --> 00:20:31,897 もういいわ。 下がって。 318 00:20:31,897 --> 00:20:33,866 はい。 319 00:20:34,900 --> 00:20:36,869 (カダクのため息) 320 00:20:42,875 --> 00:20:46,879 ど… どうして 助けてくださったんですか? 321 00:20:47,880 --> 00:20:49,849 あなたの笑顔が気に入ったから。 322 00:20:51,884 --> 00:20:54,887 ねえ あなた 見たところ ペルシア人でしょう? 323 00:20:54,887 --> 00:20:56,922 は… はい。 324 00:20:56,922 --> 00:20:59,892 モンゴルが… 憎い? 325 00:21:02,895 --> 00:21:06,899 正直に答えなさい。 誰にも言いやしないわ。 326 00:21:06,899 --> 00:21:08,901 (ため息) 327 00:21:08,901 --> 00:21:13,906 というか… さっき 見たでしょう。 私は あんな感じ。 328 00:21:13,906 --> 00:21:17,877 何を言っても 誰からも まともに相手にされないわ。 329 00:21:18,878 --> 00:21:20,880 憎い? 330 00:21:20,880 --> 00:21:25,885 ♬~ 331 00:21:25,885 --> 00:21:28,854 私から 全てを奪った…。 332 00:21:29,889 --> 00:21:32,892 許せない… 許しちゃいけない…! 333 00:21:32,892 --> 00:21:39,865 ♬~ 334 00:21:39,865 --> 00:21:43,869 それでも 時間がたつと 許してしまいそうになる…。 335 00:21:43,869 --> 00:21:45,971 違う? 336 00:21:45,971 --> 00:21:47,907 ドレゲネさま あなたは…。 337 00:21:47,907 --> 00:22:02,888 ♬~ 338 00:22:02,888 --> 00:22:06,926 私の話を聞いてくれる? 339 00:22:06,926 --> 00:22:13,899 ♬~ 340 00:22:14,900 --> 00:22:16,869 ♬~