1 00:00:06,073 --> 00:00:14,047 ♬~ 2 00:01:52,045 --> 00:02:00,120 (ヒツジの鳴き声) 3 00:02:00,120 --> 00:02:03,123 ⚟(侍女)お嬢さまー! 4 00:02:04,091 --> 00:02:07,094 ⚟(侍女)お嬢さまー! 5 00:02:08,028 --> 00:02:12,065 (侍女)まあ… 何をなさってるんですか? 6 00:02:12,065 --> 00:02:14,034 お支度の時間ですよ。 7 00:02:16,036 --> 00:02:18,038 (ドレゲネ)行くわ。 8 00:02:21,041 --> 00:02:23,043 (ため息) 9 00:02:23,043 --> 00:02:25,045 (風の音) 10 00:02:25,045 --> 00:02:28,015 さようなら ナイマン。 11 00:02:30,050 --> 00:02:36,023 〈ここより ずっと西の国 ナイマン族の縁者だった私は→ 12 00:02:36,023 --> 00:02:41,061 同盟関係にあるメルキト族の下に嫁ぐことが 決まっていた〉 13 00:02:41,061 --> 00:02:45,132 (ドレゲネの声) メルキト族って どんな人たちなのかしら? 14 00:02:45,132 --> 00:02:47,134 (兄嫁)北の森に住んでいて→ 15 00:02:47,134 --> 00:02:50,137 メルゲンと呼ばれる 弓の名手が多いそうよ。 16 00:02:50,137 --> 00:02:52,039 メルゲン…。 17 00:02:52,039 --> 00:02:55,042 「メルゲンの民」だから 「メルキト」なんだとか。 18 00:02:55,042 --> 00:02:58,011 《要するに 野蛮な狩人ね》 19 00:02:59,046 --> 00:03:01,048 《まあ いいわ》 20 00:03:01,048 --> 00:03:04,051 《私は高価な贈り物》 21 00:03:04,051 --> 00:03:08,021 《貴重な宝石や 美しい毛皮と同じ》 22 00:03:09,022 --> 00:03:11,024 《それでいい…》 23 00:03:11,024 --> 00:03:15,028 《それが私の誇りだもの》 24 00:03:26,039 --> 00:03:28,041 《ここが メルキト族の…》 25 00:03:29,042 --> 00:03:32,112 《思った以上に寂しい所ね》 26 00:03:32,112 --> 00:03:34,047 《男の人が少ない…?》 27 00:03:34,047 --> 00:03:36,049 (ダイル)ドレゲネ。 あっ…。 28 00:03:36,049 --> 00:03:38,051 よく来たね。 29 00:03:38,051 --> 00:03:41,054 大した歓迎もできず 悪いな。 30 00:03:41,054 --> 00:03:45,025 旦那が こんなじじいで 驚いたかい? いえ…。 31 00:03:48,061 --> 00:03:50,063 《まあ いいわ》 32 00:03:50,063 --> 00:03:53,033 《年の差なんて 珍しい話でもないし…》 33 00:03:55,068 --> 00:04:01,041 〈けれど 夫婦になったダイルは 私に全く近づこうとしなかった〉 34 00:04:03,043 --> 00:04:05,045 〈それどころか…〉 35 00:04:06,046 --> 00:04:08,048 今日も お出かけですか? 36 00:04:08,048 --> 00:04:10,050 留守ばっかで すまねえな。 37 00:04:11,151 --> 00:04:13,153 それに もう移営って…。 38 00:04:13,153 --> 00:04:16,123 まだ ここに来たばかりですよ。 39 00:04:17,057 --> 00:04:20,060 (先輩妻)同じ所に長くいられないの。 40 00:04:20,060 --> 00:04:22,062 早く行ってやってください。 41 00:04:22,062 --> 00:04:24,030 (ダイル)うん…。 チュウ! 42 00:04:28,068 --> 00:04:30,070 何かあったら言ってね。 43 00:04:30,070 --> 00:04:32,072 はい。 あの…。 44 00:04:32,072 --> 00:04:35,041 (侍女)奥さま! これ どうなさいます? 45 00:04:35,041 --> 00:04:37,043 (先輩妻)ああ それはね…。 46 00:04:38,044 --> 00:04:42,048 《他の部族って こんな短い間に移動し続けるの?》 47 00:04:43,083 --> 00:04:46,052 《いいえ 何か… 何か変だわ》 48 00:04:46,052 --> 00:04:49,055 《まるで 何かから逃げ回ってるみたい》 49 00:04:52,125 --> 00:04:56,062 《まあ 私が考えても仕方ないか》 50 00:04:56,062 --> 00:04:59,065 《私は宝石でいればいいのよ》 51 00:04:59,065 --> 00:05:03,069 《宝石が ものを考えたところで 何になるの?》 52 00:05:07,040 --> 00:05:09,042 《ナイマンに帰りたい…》 53 00:05:11,044 --> 00:05:18,051 (荒い息) 54 00:05:19,052 --> 00:05:23,023 《私なんか いなくなったって 誰も気が付きやしないんだわ》 55 00:05:23,023 --> 00:05:27,127 《ダイルさまだって 他の人たちだって…》 56 00:05:27,127 --> 00:05:29,095 (クラン)待って! 57 00:05:30,030 --> 00:05:32,065 (クラン)そこを動かないで! 58 00:05:32,065 --> 00:05:34,034 キャアッ! 59 00:05:39,039 --> 00:05:41,107 危なかった~。 60 00:05:41,107 --> 00:05:43,076 けがはない? 61 00:05:44,044 --> 00:05:46,046 あっ…。 62 00:05:46,046 --> 00:05:48,048 さすが メルゲンね クルトガン。 63 00:05:48,048 --> 00:05:51,051 (クルトガン)別に? 普通だし。 64 00:05:51,051 --> 00:05:54,054 あら? あなた ドレゲネさんね! 65 00:05:54,054 --> 00:05:56,122 私の新しいお義母さま! 66 00:05:56,122 --> 00:05:58,058 (においを嗅ぐ音) 67 00:05:58,058 --> 00:06:00,026 (においを嗅ぐ音) 68 00:06:00,026 --> 00:06:02,028 私 クラン。 ダイルの娘よ。 69 00:06:02,028 --> 00:06:05,031 クルトガン! …です。 70 00:06:08,068 --> 00:06:13,039 〈クランはダイルの クルトガンは別の族長の 子供だった〉 71 00:06:13,039 --> 00:06:18,044 (クラン)見て! この川は もっと下流で カラ川とダル川に分かれるのよ。 72 00:06:18,044 --> 00:06:22,048 でね もっともっと流れていくと セレンゲ川に流れ込むの。 73 00:06:22,048 --> 00:06:25,051 私もクルトガンも そこで生まれたのよ。 74 00:06:25,051 --> 00:06:27,053 へえ~…。 75 00:06:27,053 --> 00:06:31,057 じゃあ もっと ずーっと先 川の最後はどうなってるか 知ってる? 76 00:06:31,057 --> 00:06:33,026 うーん…。 77 00:06:34,027 --> 00:06:38,131 北の空に 動かない星があるでしょ? 78 00:06:38,131 --> 00:06:41,034 その下には 大きな大きな穴があって→ 79 00:06:41,034 --> 00:06:45,038 世界中の川は みーんな そこに流れ込むのよ! 80 00:06:45,038 --> 00:06:49,042 まあ…! 知らなかったわ。 81 00:06:49,042 --> 00:06:51,144 フフフフフ…。 82 00:06:51,144 --> 00:06:53,113 自分じゃ見たことないくせに。 ぐっ…。 83 00:06:53,113 --> 00:06:56,049 もう… クルトガン! そうなの? 84 00:06:56,049 --> 00:07:00,053 (クルトガン)俺たちには 精霊と話せる カムの力がないからね。 85 00:07:00,053 --> 00:07:02,055 お父さまは カムでね→ 86 00:07:02,055 --> 00:07:06,059 何度も 川の果てに行ったことがあるんだって! 87 00:07:06,059 --> 00:07:09,062 魂が鳥になって 飛んでいくのよ。 88 00:07:09,062 --> 00:07:11,064 カム…。 89 00:07:12,065 --> 00:07:15,068 私にも カムの力があれば良かったのに。 90 00:07:15,068 --> 00:07:18,071 それか もっと弓がうまかったら…。 91 00:07:18,071 --> 00:07:20,040 確かに ひどいもんな。 92 00:07:20,040 --> 00:07:23,143 何よ! うるさいわね。 (クルトガン)自分で言ったんだろ! 93 00:07:23,143 --> 00:07:25,145 (クラン)何よ! (クルトガン)なんだよ! 94 00:07:25,145 --> 00:07:29,149 プッ… フフフフ…! (クラン)あっ! 笑った 笑った。 95 00:07:29,149 --> 00:07:32,085 ごめんなさい。 フフフフフ…! 96 00:07:32,085 --> 00:07:35,055 (3人の笑い声) 97 00:07:36,056 --> 00:07:41,027 〈その日から 私の中で 何かが変わったの〉 98 00:07:43,029 --> 00:07:49,035 〈周りの景色 一つ一つが 心の中に飛び込んでくるみたいだった〉 99 00:07:49,035 --> 00:07:59,045 ♬~ 100 00:07:59,045 --> 00:08:02,048 〈おかしさや喜びを感じた〉 101 00:08:02,048 --> 00:08:13,026 ♬~ 102 00:08:13,026 --> 00:08:17,030 〈不満や悲しみを感じた〉 103 00:08:17,030 --> 00:08:29,042 ♬~ 104 00:08:29,042 --> 00:08:34,047 〈私は ここでの日常を愛するようになった〉 105 00:08:34,047 --> 00:08:44,024 ♬~ 106 00:08:44,024 --> 00:08:47,027 〈そして 初めて理解したの〉 107 00:08:53,033 --> 00:08:55,135 みんな 起きろ! 108 00:08:55,135 --> 00:08:58,071 火を落とせ! すぐ逃げるんだ! 109 00:08:58,071 --> 00:09:01,040 どうしたの!? 族長たちの軍が突破された! 110 00:09:01,040 --> 00:09:03,009 奴らが ここまで来る! 111 00:09:04,043 --> 00:09:06,146 (いななき) うわっ…! 112 00:09:06,146 --> 00:09:09,048 ⚟(太鼓) 113 00:09:09,048 --> 00:09:11,051 (人々の悲鳴) 114 00:09:11,051 --> 00:09:13,053 (クラン)林の中へ! 115 00:09:13,053 --> 00:09:15,054 (人々の悲鳴) 116 00:09:15,054 --> 00:09:18,058 (クルトガン)クラン! ドレゲネさん! こっち! 117 00:09:18,058 --> 00:09:20,026 (クラン)クルトガン! 118 00:09:24,030 --> 00:09:26,066 (クルトガンの兄)どのくらい奪われた? 119 00:09:26,066 --> 00:09:28,034 (クルトガン)クドゥの家族がいない。 120 00:09:28,034 --> 00:09:30,036 チラウンの妻たちも…。 121 00:09:30,036 --> 00:09:32,038 (ダイル)ドレゲネ! 122 00:09:32,038 --> 00:09:34,040 (クラン)お父さま! 123 00:09:34,040 --> 00:09:36,109 怖かったろう。 124 00:09:36,109 --> 00:09:39,045 よく クランを守ってくれたな。 125 00:09:39,045 --> 00:09:42,048 守られたのは 私のほうです。 126 00:09:42,048 --> 00:09:44,050 あの… 一体 何が? 127 00:09:44,050 --> 00:09:49,022 (ダイル)やっぱり ナイマンで 何も知らされてなかったんだな。 128 00:09:49,022 --> 00:09:52,025 無理もねえか こんな話。 129 00:09:53,059 --> 00:09:55,128 俺たちには 敵がいる。 130 00:09:55,128 --> 00:09:57,096 モンゴル族のテムジン。 131 00:09:59,065 --> 00:10:02,035 (ダイル)今は チンギス・カンと呼ばれてる男だ。 132 00:10:05,872 --> 00:10:08,041 チンギス・カン…。 133 00:10:08,041 --> 00:10:13,880 (ダイル)俺たちメルキト族と モンゴル族は 昔から 小競り合いが絶えなくてな…。 134 00:10:13,880 --> 00:10:17,884 奴らには 家族や財産を散々奪われたし→ 135 00:10:17,884 --> 00:10:20,987 俺たちも 同じぐらい奪ってきた。 136 00:10:20,987 --> 00:10:26,960 ところが あのテムジンが おさになって 草原の均衡が崩れたんだ。 137 00:10:27,894 --> 00:10:31,965 (ダイル)あんたが ナイマンから こんなじじいのとこに よこされたのも→ 138 00:10:31,965 --> 00:10:34,968 対モンゴル同盟のためだったんだよ。 139 00:10:35,869 --> 00:10:39,873 でも もう限界かもしれねえなあ…。 140 00:10:40,874 --> 00:10:44,878 (クルトガン)ねえ 兄さん モンゴルに負けたら 俺たち どうなる? 141 00:10:44,878 --> 00:10:46,913 (クルトガンの兄)決まってるだろ。 142 00:10:46,913 --> 00:10:50,884 男は皆殺し 女や子供は奴らのものだ。 143 00:10:51,885 --> 00:10:54,954 (クルトガン) 怖い…。 俺 まだ死にたくない。 144 00:10:54,954 --> 00:10:57,957 (クルトガンの兄) 馬鹿! メルキトの男が情けねえ。 145 00:11:05,865 --> 00:11:07,867 (兵士)ウスン…。 146 00:11:07,867 --> 00:11:09,869 ウスン…。 147 00:11:09,869 --> 00:11:12,906 (クラン)ウスン。 「流れる川」。 148 00:11:12,906 --> 00:11:16,910 大地から頂いた カムとしてのお父さまの称号よ。 149 00:11:16,910 --> 00:11:20,880 いいか。 終わるまで 誰も立ち入っちゃなんねえよ。 150 00:11:21,881 --> 00:11:25,885 (ダイル)精霊に 俺たちの未来を問うてくる。 151 00:11:26,886 --> 00:11:30,890 (風の音) 152 00:11:30,890 --> 00:11:33,893 (ダイル)《精霊よ 天へ連れていってくれ》 153 00:11:33,893 --> 00:11:37,897 《われわれの未来を教えてくれ》 154 00:11:38,932 --> 00:11:43,970 ♬~(太鼓) 155 00:11:43,970 --> 00:12:02,989 ♬~ 156 00:12:02,989 --> 00:12:20,974 ♬~ 157 00:12:23,910 --> 00:12:41,894 ♬~ 158 00:12:41,894 --> 00:12:56,909 ♬~ 159 00:12:56,909 --> 00:12:58,911 (ダイル)ううっ…。 160 00:12:58,911 --> 00:13:00,880 ウスン! 161 00:13:02,882 --> 00:13:05,885 クラン… いるか…? 162 00:13:06,886 --> 00:13:09,889 (クラン)ここにいます お父さま。 163 00:13:09,889 --> 00:13:11,891 豊かな草原が見えた。 164 00:13:11,891 --> 00:13:15,895 川が いくつも分かれて流れていた…。 165 00:13:15,895 --> 00:13:18,898 そして その川をさかのぼると→ 166 00:13:18,898 --> 00:13:24,904 天にも届きそうな高い山に 清らかな源流があった。 167 00:13:24,904 --> 00:13:27,874 川は血脈…→ 168 00:13:27,874 --> 00:13:31,878 草原の民 モンゴルの血が広がっていく という意味だ。 169 00:13:31,878 --> 00:13:33,880 じゃあ…。 170 00:13:33,880 --> 00:13:35,882 俺たちは モンゴルに負ける。 171 00:13:38,885 --> 00:13:42,889 それじゃあ 俺たちは みんな 殺されるんですか? 172 00:13:42,889 --> 00:13:45,892 いや そんなことはさせねえ。 173 00:13:45,892 --> 00:13:47,894 精霊は こう言ってるんだ。 174 00:13:47,894 --> 00:13:50,897 モンゴルへ下っても メルキトの血は続くと。 175 00:13:50,897 --> 00:13:54,867 しかし チンギス・カンは 俺たちを許すでしょうか? 176 00:13:54,867 --> 00:13:59,872 もちろん それには 相応のものを差し出して わびるしかねえ。 177 00:14:00,873 --> 00:14:02,909 (ダイル)清らかな源流…→ 178 00:14:02,909 --> 00:14:06,879 俺の娘をチンギス・カンにささげる。 179 00:14:06,879 --> 00:14:08,881 クラン。 180 00:14:09,882 --> 00:14:13,886 駄目よ! クランを犠牲にするなんて 絶対駄目! 181 00:14:13,886 --> 00:14:15,888 この子は 心ある人間よ。 182 00:14:15,888 --> 00:14:18,858 宝石や毛皮じゃないのよ! 183 00:14:20,993 --> 00:14:24,964 私とは違うのよ…。 184 00:14:26,899 --> 00:14:28,901 (クラン)ドレゲネ。 185 00:14:28,901 --> 00:14:31,871 ありがとう。 大丈夫よ。 186 00:14:31,871 --> 00:14:33,873 クラン…? 187 00:14:34,907 --> 00:14:38,911 お父さま クランはうれしいです。 188 00:14:38,911 --> 00:14:42,982 今まで 守られるばかりの女の身が 悔しかった。 189 00:14:42,982 --> 00:14:46,919 でも 今度は 私が みんなを守る矢となりましょう。 190 00:14:46,919 --> 00:14:48,888 おまえ…。 191 00:14:48,888 --> 00:14:50,890 メルキト族は 弓の名手。 192 00:14:50,890 --> 00:14:54,894 メルゲンの民の娘が オオカミを仕留めてご覧に入れます。 193 00:14:59,899 --> 00:15:04,904 〈こうして私たちは モンゴルに下った〉 194 00:15:04,904 --> 00:15:06,906 〈クランは→ 195 00:15:06,906 --> 00:15:12,912 モンゴルとメルキトの間に連なる 長い長い憎しみの連鎖を断ち切って→ 196 00:15:12,912 --> 00:15:15,882 メルキト人たちの命を救ったの〉 197 00:15:18,885 --> 00:15:22,922 〈一方 クルトガンたち 別のメルキトの氏族は→ 198 00:15:22,922 --> 00:15:25,892 あくまで モンゴルに抵抗する道を選び→ 199 00:15:25,892 --> 00:15:27,860 西へ逃れていった〉 200 00:15:31,898 --> 00:15:33,900 みんな 集まったな。 201 00:15:33,900 --> 00:15:36,869 (女性)どうしたのです? 急に。 202 00:15:36,869 --> 00:15:38,871 《若い女ばかり》 203 00:15:38,871 --> 00:15:40,907 (イルケ)あなたが ダイル・ウスンか。 204 00:15:40,907 --> 00:15:44,877 われわれは カンの第三皇子 オゴタイさまに 仕えている者だ。 205 00:15:44,877 --> 00:15:48,915 今は 軍の後方で待機し 補給を担っている。 206 00:15:48,915 --> 00:15:51,884 そうかい。 なら 安心だ。 207 00:15:51,884 --> 00:15:53,886 この女たちを頼むよ。 208 00:15:53,886 --> 00:15:55,888 ダイルさま!? 209 00:15:55,888 --> 00:16:00,893 おまえたちの身は モンゴルの身分ある方々に 引き取ってもらう。 210 00:16:00,893 --> 00:16:02,895 そんな…! 211 00:16:02,895 --> 00:16:05,865 ドレゲネ… みんな 聞きなさい。 212 00:16:05,865 --> 00:16:09,902 モンゴルが許してくれたのは あくまで命だけだ。 213 00:16:09,902 --> 00:16:13,906 今までの争いまで 水に流したわけじゃねえ。 214 00:16:13,906 --> 00:16:16,876 俺たちは 奴隷の身に落ちるだろう。 215 00:16:16,876 --> 00:16:18,911 だが おまえたちは違う。 216 00:16:18,911 --> 00:16:21,881 おまえたち女の人生は これからだ。 217 00:16:21,881 --> 00:16:23,883 ここで幸せにおなり。 218 00:16:25,885 --> 00:16:27,887 なあ あんた。 219 00:16:27,887 --> 00:16:30,957 ちゃんと 皇子やカンに伝えるんだぜ。 220 00:16:30,957 --> 00:16:35,895 この女たちは メルキトとは もう無関係。 この先も ずっとな。 221 00:16:35,895 --> 00:16:37,897 こ… 心得た。 222 00:16:40,900 --> 00:16:43,870 (ダイル)ドレゲネ 手を出しな。 223 00:16:49,876 --> 00:16:52,879 (ダイル)ジャダ石。 嵐を呼ぶ石だ。 224 00:16:53,880 --> 00:16:57,884 こんなものしかやれねえが 餞別だよ。 225 00:16:58,885 --> 00:17:02,855 あんたがうちに来てくれて 楽しかった。 226 00:17:03,956 --> 00:17:05,958 (ダイル)じゃあな。 227 00:17:06,893 --> 00:17:08,861 笑って生きなさい。 228 00:17:17,904 --> 00:17:21,874 (ドレゲネの声) その日の夜は ひどく静かだった。 229 00:17:24,043 --> 00:17:27,013 ⚞(兵士)馬を回せ! 早く! ⚞(兵士)りょ… 了解。 230 00:17:31,884 --> 00:17:35,988 〈燃えているような 血のような…→ 231 00:17:35,988 --> 00:17:38,925 あんな不気味な空は 見たことがなかった〉 232 00:17:38,925 --> 00:17:40,893 (兵士)何が起きたんすか? 233 00:17:40,893 --> 00:17:44,997 (兵士)反乱だ。 捕虜兵が山に立てこもりやがった! 234 00:17:44,997 --> 00:17:47,900 既に オゴタイさまの軍が 討伐に向かっている。 235 00:17:47,900 --> 00:17:49,902 クソッ! ダイル・ウスンめ。 236 00:17:49,902 --> 00:17:51,871 これだから メルキト族は信用できん。 237 00:17:52,905 --> 00:17:54,974 どいて! チュウ! 238 00:17:54,974 --> 00:17:56,943 おい! 待て! 239 00:18:00,913 --> 00:18:04,884 〈そうよ モンゴルが彼らを許しても…〉 240 00:18:06,886 --> 00:18:10,923 〈彼らは モンゴルを許してなんかいなかったの〉 241 00:18:10,923 --> 00:18:13,893 (ダイル)俺たちは 森の狩人だ。 242 00:18:13,893 --> 00:18:16,929 羊飼いどもの奴隷にはならねえ。 243 00:18:16,929 --> 00:18:19,899 (ダイルの声)ここで幸せにおなり。 244 00:18:19,899 --> 00:18:22,902 〈じゃあ あの言葉も嘘?〉 245 00:18:22,902 --> 00:18:26,872 〈いいえ きっと 全部 彼の本心だった〉 246 00:18:26,872 --> 00:18:30,876 〈だからこそ 私に何も教えてくれなかったんだわ〉 247 00:18:33,980 --> 00:18:38,884 〈でもね ダイルさまは 一つ 大きな見落としをしていた〉 248 00:18:38,884 --> 00:18:44,957 〈あの方が思うより ずっと 私は あの方を…〉 249 00:18:44,957 --> 00:18:49,962 (荒い息) 250 00:18:50,896 --> 00:18:53,899 (荒い息) 251 00:18:54,867 --> 00:18:56,869 あっ…! あっ…。 252 00:18:56,869 --> 00:18:59,905 (オゴタイ)ああ そうか。 253 00:18:59,905 --> 00:19:03,876 (オゴタイ)カムの魂は 天に昇れるんだった。 254 00:19:04,877 --> 00:19:08,881 体に穴を開けちゃ 取り逃がすわけだ。 255 00:19:09,882 --> 00:19:11,851 (オゴタイ)赤い川のようだね。 256 00:19:12,885 --> 00:19:14,854 あっ…。 257 00:19:16,889 --> 00:19:18,891 (オゴタイ)君は…。 258 00:19:23,896 --> 00:19:25,865 (イルケ)貴様 なぜ ここにいる! 259 00:19:26,899 --> 00:19:29,869 〈反乱は あっけなく鎮圧された〉 260 00:19:30,903 --> 00:19:35,875 〈クルトガンたちも 殺されてしまったって 後になって聞いたわ〉 261 00:19:37,877 --> 00:19:40,880 〈そして チンギス・カンが帰還した時→ 262 00:19:40,880 --> 00:19:43,883 反乱のことは クランの耳にも届いた〉 263 00:19:44,884 --> 00:19:46,852 〈あの子は それを聞いた時…〉 264 00:19:49,955 --> 00:19:53,893 愚かな父の招いた 当然の報いです。 265 00:19:53,893 --> 00:19:57,897 カンのご威光は 何人にも傷つけられません。 266 00:19:58,964 --> 00:20:03,936 〈クラン… あなたは あの時 どうして笑っていられたの?〉 267 00:20:03,936 --> 00:20:08,908 〈その後 私はオゴタイに嫁ぎ 生かされた〉 268 00:20:11,977 --> 00:20:13,913 (グユクの泣き声) 269 00:20:13,913 --> 00:20:15,881 〈彼の子供も産んだわ〉 270 00:20:16,916 --> 00:20:20,953 〈過ぎていく日々は穏やかだった〉 271 00:20:20,953 --> 00:20:23,889 〈けれど 私は ずっと→ 272 00:20:23,889 --> 00:20:28,894 この帝国を めちゃくちゃにするような嵐を 待っているの〉 273 00:20:29,929 --> 00:20:33,899 さっき 助けたのは あなたが笑っていたからよ。 274 00:20:33,899 --> 00:20:36,902 あの時のクランと似ていたの。 275 00:20:36,902 --> 00:20:38,904 今なら もう分かる。 276 00:20:38,904 --> 00:20:42,875 本当は どれほど悲しくて 悔しかったか 知れない。 277 00:20:43,976 --> 00:20:47,980 けれど あの子は 自分の役割を ちゃんと知っていたんだわ。 278 00:20:47,980 --> 00:20:52,985 あの時 誰よりも私が それを分かってあげるべきだったのに…。 279 00:20:54,887 --> 00:20:57,890 それで? あなた 本当は誰? 280 00:20:58,891 --> 00:21:00,926 (シタラ)私は…。 281 00:21:00,926 --> 00:21:02,895 まあ いいわ。 282 00:21:02,895 --> 00:21:04,897 あなたが誰であろうと どうせ…。 283 00:21:04,897 --> 00:21:06,899 ソルコクタニさまが おっしゃいました。 284 00:21:06,899 --> 00:21:08,901 トルイさまと大カアン。 285 00:21:08,901 --> 00:21:13,906 軍事力と権威のねじれは きっと 不幸の種になると。 286 00:21:13,906 --> 00:21:17,910 つまり 今 この国は かつてなく もろい…。 287 00:21:17,910 --> 00:21:19,912 あなた…。 288 00:21:20,913 --> 00:21:24,917 私の名はシタラ。 奴隷です。 289 00:21:24,917 --> 00:21:27,887 お仕えしていた奥さまを モンゴル軍に殺され→ 290 00:21:27,887 --> 00:21:29,889 あの方の大切な本も奪われました。 291 00:21:29,889 --> 00:21:33,893 本を取り戻すことが 私にできる最後のつとめだと。 292 00:21:33,893 --> 00:21:38,898 けれど むやみに抵抗すれば また不幸が起こるかもと…。 293 00:21:38,898 --> 00:21:43,903 それが恐ろしくて 今日まで 漫然と生きてまいりましたが→ 294 00:21:43,903 --> 00:21:46,872 きっと 私も この時を待っていたのです。 295 00:21:47,873 --> 00:21:50,910 しかし 私たちに何ができると? 296 00:21:50,910 --> 00:21:57,883 ♬~ 297 00:21:57,883 --> 00:21:59,852 知恵がございます。 298 00:22:00,886 --> 00:22:04,890 私が あなたさまの新たなジャダ石と なりましょう。 299 00:22:04,890 --> 00:22:07,860 どうか 力をお貸しください。 300 00:22:09,895 --> 00:22:13,866 2人でなら 嵐も起こせましょう。 301 00:22:14,967 --> 00:22:16,936 ♬~