1 00:00:38,472 --> 00:00:42,442 (ソルコクタニ)あなたが この本の指南をしてくれるのでしょう? 2 00:00:45,445 --> 00:00:54,454 ♬~ 3 00:04:54,427 --> 00:04:56,396 (ソルコクタニ)すごいわ! 4 00:04:56,396 --> 00:04:58,398 本当に『原論』を 手に入れたのね。 5 00:04:58,398 --> 00:05:01,401 トルイ 私のために…。 6 00:05:02,402 --> 00:05:05,405 (ソルコクタニ)あなた 名前は? 7 00:05:06,406 --> 00:05:09,409 ファーティマ… と申します。 8 00:05:09,409 --> 00:05:12,412 お后さまのお勉強 手伝う します。 9 00:05:12,412 --> 00:05:14,414 よろしくね。 10 00:05:14,414 --> 00:05:16,416 ですが…→ 11 00:05:16,416 --> 00:05:20,453 お后さま どうして その本 お求め? 12 00:05:20,453 --> 00:05:22,422 それ 価値 あんまりない。 13 00:05:22,422 --> 00:05:25,392 えっ? 「点とは部分のないもの」。 14 00:05:25,392 --> 00:05:28,395 「線とは幅のない長さ」。 15 00:05:28,395 --> 00:05:33,400 当たり前のこと 書いてる。 あんまり 役 立たない。 16 00:05:34,401 --> 00:05:36,403 そう…。 17 00:05:36,403 --> 00:05:40,407 《どうして この人が『原論』を求めたのか 知らないけど→ 18 00:05:40,407 --> 00:05:45,412 あのトルイという皇子は 本の価値なんて分かってない様子だった》 19 00:05:46,413 --> 00:05:50,417 《この人も 興味を失えば手放すかもしれない》 20 00:05:50,417 --> 00:05:52,419 当たり前のこと…。 21 00:05:52,419 --> 00:05:54,421 そうね。 きっと そう。 22 00:05:54,421 --> 00:05:57,424 あなたたちにとってはね。 えっ? 23 00:05:57,424 --> 00:06:02,395 だけど 私たちにとっては 始まりの本よ。 24 00:06:02,395 --> 00:06:06,399 この草原にはない 西方の知識を 取り入れるためのね。 25 00:06:06,399 --> 00:06:08,401 《えっ?》 26 00:06:08,401 --> 00:06:12,405 私の夫 トルイは オッチギンなの。 27 00:06:12,405 --> 00:06:15,408 炉の主。 かまどの火を守る者。 28 00:06:15,408 --> 00:06:20,413 他の兄弟が独立して 自分の放牧地を持っても→ 29 00:06:20,413 --> 00:06:26,419 末の弟だけは親元に残って 一族の財産を守り 受け継ぐの。 30 00:06:26,419 --> 00:06:31,424 オッチギンであるトルイは いずれ 皇帝になります。 31 00:06:31,424 --> 00:06:35,428 でも ほら… ちょっと気の利かないところが ある人でしょ? 32 00:06:35,428 --> 00:06:39,432 トルイだけじゃないの。 ここの人たちの多くは そう。 33 00:06:39,432 --> 00:06:42,402 草原での生き方しか知らないまま。 34 00:06:43,436 --> 00:06:47,440 世界は草原よりも広いわ。 35 00:06:47,440 --> 00:06:49,409 私は知りたいの。 36 00:06:49,409 --> 00:06:54,414 モンゴルの馬蹄及ぶ限りの いろいろな土地のことを。 37 00:06:54,414 --> 00:06:59,419 あなたたちは はるか昔から 星の動きを読む知恵を持っているのよね。 38 00:06:59,419 --> 00:07:04,424 不思議だわ… 大地の大きさまで分かるなんて。 39 00:07:05,425 --> 00:07:08,428 この人は 地球の端まで行ったのですか? 40 00:07:08,428 --> 00:07:11,431 (ファーティマ)まさか! 幾何学を使ったの。 41 00:07:11,431 --> 00:07:14,434 当たり前のことが なぜ当たり前なのか。 42 00:07:14,434 --> 00:07:19,406 一つ一つ 事例を重ねて 普遍的な定理を証明するの。 43 00:07:20,440 --> 00:07:24,411 知識を得て 後の世代に伝えていくこと。 44 00:07:24,411 --> 00:07:29,416 それは 未来の皇后たる私の務めです。 45 00:07:34,421 --> 00:07:39,426 《ああ… どうして この人は こんなに…》 46 00:07:41,461 --> 00:07:44,431 《こんなに腹立たしいんだろう》 47 00:07:44,431 --> 00:07:49,436 《その本が そこに届くまでに 何があったのか 何も知らないの?》 48 00:07:49,436 --> 00:07:52,439 《全てを奪った あなたたちに 施しを受けて→ 49 00:07:52,439 --> 00:07:57,444 それに感謝する私たちが どんなに惨めか あなたには考えられない?》 50 00:07:57,444 --> 00:08:02,415 《今 私が どんな気持ちで ここにいるか 分からないっていうの?》 51 00:08:02,415 --> 00:08:06,386 どうしたの? どこか具合が悪い? 52 00:08:07,420 --> 00:08:10,390 いいえ。 ご立派です。 53 00:08:12,425 --> 00:08:16,396 お后さまに お仕えできる 幸せです。 頑張ります。 54 00:08:16,396 --> 00:08:20,433 フフッ。 私も幸運だわ。 よろしくね。 55 00:08:20,433 --> 00:08:23,403 今日は疲れたでしょう。 下がっていいわ。 56 00:08:24,437 --> 00:08:26,406 失礼します。 57 00:08:33,413 --> 00:08:36,416 (チンカイ)君も きっと私たちに必要な賢者です。 58 00:08:36,416 --> 00:08:41,421 《あの時 一瞬でも気持ちが揺らいだことが 恥ずかしい》 59 00:08:43,423 --> 00:08:45,392 《私は…》 60 00:08:48,428 --> 00:08:52,399 《私だけは この怒りを忘れちゃいけない》 61 00:08:52,399 --> 00:08:56,403 《あの人には 屈しない!》 62 00:09:03,410 --> 00:09:06,413 (水が流れる音) 63 00:09:17,424 --> 00:09:19,392 おかえり ファーティマ。 64 00:09:19,392 --> 00:09:23,430 こんな砂嵐の中 本当にありがとう。 65 00:09:23,430 --> 00:09:25,398 気にしないで。 66 00:09:25,398 --> 00:09:30,437 モンゴルでは この砂嵐が過ぎると 春になるんだって。 67 00:09:30,437 --> 00:09:33,440 ペルシアの春が恋しい…。 68 00:09:33,440 --> 00:09:37,410 母は ここの暮らしに なじめてなくて…。 69 00:09:40,513 --> 00:09:42,482 ⚟(ケシク)ファーティマ。 70 00:09:42,482 --> 00:09:47,487 ⚟ソルコクタニさまの天幕に来なさい。 『原論』の手ほどきをご所望です。 71 00:09:48,421 --> 00:09:50,423 かしこまりました。 72 00:09:51,424 --> 00:10:04,437 ♬~ 73 00:10:04,437 --> 00:10:06,439 うわっ! 74 00:10:06,439 --> 00:10:08,441 (イヌの鳴き声) 75 00:10:08,441 --> 00:10:11,411 ファーティマ! 顔 どうしたの? 76 00:10:11,411 --> 00:10:17,450 モンゴルは動物が多すぎる…。 私の邪魔ばかりするの。 77 00:10:17,450 --> 00:10:22,455 そうね…。 でも 慣れると なかなか かわいいわよ。 78 00:10:23,456 --> 00:10:25,425 …そうかしら。 79 00:10:29,429 --> 00:10:32,432 うっ… うっ… うっ…→ 80 00:10:32,432 --> 00:10:34,434 うっ…! 81 00:10:34,434 --> 00:10:37,437 はあ…。 82 00:10:37,437 --> 00:10:48,414 ♬~ 83 00:10:48,414 --> 00:10:50,450 (奴隷)はーい ちょっと待ってね。 84 00:10:50,450 --> 00:10:53,419 もう ここでの冬も2度目ね。 85 00:10:53,419 --> 00:10:56,422 母さん 最近 体調いいよね。 86 00:10:56,422 --> 00:10:59,425 (奴隷)やっと モンゴルの暮らしにも 慣れてきたから。 87 00:10:59,425 --> 00:11:03,396 (奴隷)この寒さには まだ慣れないけどね。 88 00:11:07,467 --> 00:11:09,402 ⚞(口笛) 89 00:11:09,402 --> 00:11:11,404 (ヒツジの鳴き声) 90 00:11:11,404 --> 00:11:13,406 チョッチョッ。 91 00:11:19,412 --> 00:11:23,416 〈シタラがソルコクタニの指南役となってから 3年後〉 92 00:11:25,418 --> 00:11:30,423 〈モンゴル軍は 中央アジアの大国 ホラズムの王を破り→ 93 00:11:30,423 --> 00:11:34,394 本拠地の草原へ凱旋していた〉 94 00:11:35,395 --> 00:11:39,432 〈ソルコクタニたちは モンゴル軍を出迎えるため→ 95 00:11:39,432 --> 00:11:42,402 アルタイ山脈の南西まで出向き→ 96 00:11:42,402 --> 00:11:47,407 エミル川の流域で 勝利を祝う宴会と狩りを催した〉 97 00:11:48,474 --> 00:11:50,476 ⚟(フレグ)お父さま! (トルイ)ん? 98 00:11:51,411 --> 00:11:53,413 (トルイ)フレグ! クビライ! 99 00:11:53,413 --> 00:11:55,415 (フレグ)フレグは シカを仕留めました。 100 00:11:55,415 --> 00:11:57,417 (クビライ)俺はウサギでした ヘヘッ…。 101 00:11:57,417 --> 00:12:01,421 (トルイ)さすが 俺の息子たちだ! (フレグ)お父さまー! 102 00:12:01,421 --> 00:12:05,391 僕ねー 狩りは初挑戦! すごい? すごい? 103 00:12:05,391 --> 00:12:07,393 すごい すごい! ハハハ…! 104 00:12:08,394 --> 00:12:11,397 フレグさま クビライさま→ 105 00:12:11,397 --> 00:12:15,401 もうすぐ 大カンがお越しになりますので ご準備を。 106 00:12:15,401 --> 00:12:17,437 ファーティマ! 見て ほら! 107 00:12:17,437 --> 00:12:20,440 まあ 立派なシカでございますね。 108 00:12:20,440 --> 00:12:23,409 クビライさまも すばしっこいウサギを仕留めるのは→ 109 00:12:23,409 --> 00:12:26,446 大変だったでしょう。 エヘヘヘ…。 110 00:12:26,446 --> 00:12:28,448 でも 弓は ずっと練習してたから。 111 00:12:29,415 --> 00:12:31,484 あの娘は? 112 00:12:31,484 --> 00:12:35,421 あなたが連れてきてくださった 『原論』の指南役ですわ。 113 00:12:35,421 --> 00:12:37,423 ああ あの学者の娘! 114 00:12:37,423 --> 00:12:39,392 どうだい? ちゃんと務めてるかい? 115 00:12:39,392 --> 00:12:42,428 (ソルコクタニ)よく尽くしてくれています。 116 00:12:42,428 --> 00:12:44,397 賢くて 気も利いて…。 117 00:12:44,397 --> 00:12:49,402 ああして笑っていると かわいくて 年相応に見えますね。 118 00:12:49,402 --> 00:12:54,407 『原論』だけじゃなく 有能な指南役まで。 (トルイ)当然さ。 119 00:12:54,407 --> 00:12:56,409 かっこいいでしょ? 120 00:12:56,409 --> 00:12:58,411 ハハハッ 強そうだ。 121 00:12:58,411 --> 00:13:01,414 さあ 初めての狩りに出た子供は→ 122 00:13:01,414 --> 00:13:04,417 指に脂を塗ってもらうのが 習わしです。 123 00:13:04,417 --> 00:13:06,486 大カンが塗ってくださいますよ。 124 00:13:06,486 --> 00:13:08,421 ⚟(侍女)大カンがお越しになります! 125 00:13:08,421 --> 00:13:11,391 クビライ兄ちゃん 行こう! (クビライ)うん! 126 00:13:12,392 --> 00:13:14,394 (フレグ)ハハハッ…! フフフッ…。 127 00:13:14,394 --> 00:13:16,396 ハハハッ…! フフッ…。 128 00:13:21,434 --> 00:13:25,405 〈モンゴルの皇帝 チンギス・カン〉 129 00:13:26,439 --> 00:13:29,409 〈かの人が打ち立てた広大な帝国〉 130 00:13:29,409 --> 00:13:34,414 〈そこに立つ人々の運命の星は この3年後→ 131 00:13:34,414 --> 00:13:41,421 チンギス・カンという巨星が墜ちた時 大きく動き始める〉 132 00:16:07,433 --> 00:16:11,437 (トルイ)大カン 安心してください。 133 00:16:11,437 --> 00:16:15,441 モンゴルの未来は あなたの遺言どおりに…。 134 00:16:17,410 --> 00:16:19,412 親父…。 135 00:16:20,446 --> 00:16:27,453 ♬~ 136 00:16:27,453 --> 00:16:35,461 (すすり泣き) 137 00:16:42,468 --> 00:16:46,472 〈末弟にして オッチギンである 第四皇子 トルイは→ 138 00:16:46,472 --> 00:16:49,442 末子相続の習慣に従って→ 139 00:16:49,442 --> 00:16:54,447 父 チンギス・カンの広大な遺産の大部分を 継承した〉 140 00:16:54,447 --> 00:16:56,449 〈土地や財だけではなく→ 141 00:16:56,449 --> 00:17:03,456 モンゴルの軍事力 そのほとんどを トルイの一族が手に入れることになった〉 142 00:17:03,456 --> 00:17:12,465 ♬~ 143 00:17:12,465 --> 00:17:14,467 (子供)わあ~! トルイさまだ! 144 00:17:14,467 --> 00:17:16,435 (子供たち)トルイさま! トルイさま! 145 00:17:16,435 --> 00:17:18,471 トルイさま! 146 00:17:18,471 --> 00:17:25,444 〈チンギス・カン崩御の後 帝国は 新たな指導者を選ぶ必要があった〉 147 00:17:25,444 --> 00:17:29,448 〈しかし 一族や有力諸王が集まり→ 148 00:17:29,448 --> 00:17:33,452 次の皇帝を決める部族の大集会 クリルタイを 開くまで→ 149 00:17:33,452 --> 00:17:36,455 2年もの時間がかかった〉 150 00:17:36,455 --> 00:17:39,458 〈トルイは その間 軍事にとどまらず→ 151 00:17:39,458 --> 00:17:43,429 全ての国政を代行していたのである〉 152 00:17:49,435 --> 00:17:52,471 なんだか元気がない子ね。 153 00:17:52,471 --> 00:17:56,442 でも まあ 食べても問題ないと思うわ。 さばきましょう。 154 00:17:58,444 --> 00:18:00,413 (ヒツジの鳴き声) 155 00:18:05,451 --> 00:18:07,420 (男性)うっ…。 (血管を切る音) 156 00:18:11,424 --> 00:18:13,426 これで よし。 157 00:18:13,426 --> 00:18:15,461 さあ どんどん解体していこう! 158 00:18:15,461 --> 00:18:18,431 今日は 一世一代の特別な日だよ! 159 00:18:20,433 --> 00:18:23,436 はい これ。 内臓の中をきれいにして。 160 00:18:25,438 --> 00:18:28,441 アッラーの御名によって アッラーは偉大なり。 161 00:18:29,442 --> 00:18:31,410 ファーティマ。 162 00:18:33,446 --> 00:18:36,449 やっぱり 腹を割く解体方法は嫌? 163 00:18:36,449 --> 00:18:39,452 ああっ… すみません つい 癖で…。 164 00:18:39,452 --> 00:18:44,457 あんたたちイスラム教徒は 喉を切った家畜しか食べないんですってね。 165 00:18:44,457 --> 00:18:46,425 ええ。 (女性)でも それじゃあ→ 166 00:18:46,425 --> 00:18:51,430 大地を血で汚してしまうし 何より 血が抜けて肉の味が薄くなっちゃう。 167 00:18:51,430 --> 00:18:54,433 もったいない! 血が美味しいのに。 168 00:18:54,433 --> 00:18:58,437 そんなわけだから やり方が違うけど 勘弁してね。 169 00:18:58,437 --> 00:19:01,440 大丈夫! 私 もう慣れましたわ。 170 00:19:01,440 --> 00:19:04,443 モンゴルへ来て もう8年ですよ。 171 00:19:04,443 --> 00:19:08,447 血の残った肉だって 好きになりました! そう? 172 00:19:08,447 --> 00:19:11,450 肉の味を 「血抜きしてあるから美味しい」なんて→ 173 00:19:11,450 --> 00:19:15,454 甘いものを「甘くなくて美味しい」って 言うようなものです。 174 00:19:15,454 --> 00:19:18,457 そうそう! じゃあ 内臓のほうは任せるわ。 175 00:19:18,457 --> 00:19:20,459 よろしくね ファーティマ! 176 00:19:20,459 --> 00:19:22,428 かしこまりました。 177 00:19:26,432 --> 00:19:31,437 《喉を切る解体方法にも ちゃんと理由があるんだけどな》 178 00:19:32,438 --> 00:19:34,440 (店主)アッラーの御名によって→ 179 00:19:34,440 --> 00:19:36,442 アッラーは偉大なり。 180 00:19:36,442 --> 00:19:38,444 ふんっ! (ヒツジを切る音) 181 00:19:38,444 --> 00:19:42,448 (ズルッムド) これが 動物が一番苦しまない方法なの。 182 00:19:42,448 --> 00:19:44,450 (アニース)こうやって血を抜いたほうが→ 183 00:19:44,450 --> 00:19:48,454 肉の見た目もきれいだし 傷みにくくなるのよ。 184 00:19:52,458 --> 00:19:57,463 《でも 血抜きをしない黒い肉だって そりゃあ慣れるわよ》 185 00:19:57,463 --> 00:19:59,465 《8年》 186 00:19:59,465 --> 00:20:05,471 《私がトゥースで過ごした時間と同じ年月 このモンゴルで過ごしてしまった》 187 00:20:06,472 --> 00:20:11,444 《なのに 私は まだ ここで何もできていない》 188 00:20:11,444 --> 00:20:13,446 《あの本は…→ 189 00:20:13,446 --> 00:20:18,451 あの本は いつだって私の手の中にあったのに 取り返せてはいないの》 190 00:20:19,452 --> 00:20:22,455 《これでは取り返したことにならないの》 191 00:20:25,424 --> 00:20:27,426 ん? 192 00:20:27,426 --> 00:20:29,428 《何か硬いものが…》 193 00:20:35,434 --> 00:20:37,436 これって…。 194 00:20:37,436 --> 00:20:41,440 さあ これも運んでおくれ。 ああ。 195 00:20:43,476 --> 00:20:46,445 しかし… まさか あの方がね…。 196 00:20:46,445 --> 00:20:50,416 ねえ。 (男性)よせ! 今日は めでたい日じゃないか。 197 00:20:51,450 --> 00:20:55,421 (男性)新しい皇帝が即位するんだから。 198 00:20:57,456 --> 00:21:00,426 ああー…→ 199 00:21:00,426 --> 00:21:02,428 ぐっ! 200 00:21:02,428 --> 00:21:07,433 ♬~ 201 00:21:07,433 --> 00:21:09,435 ああ…。 202 00:21:09,435 --> 00:21:16,442 ♬~ 203 00:21:16,442 --> 00:21:18,444 フフッ…! 204 00:21:18,444 --> 00:21:26,452 ♬~ 205 00:21:26,452 --> 00:21:30,456 今度の皇帝は 「カン」じゃなく「カアン」を名乗るんだってな。 206 00:21:30,456 --> 00:21:34,426 チンギス・カンも使わなかった いにしえの君主号の復活だ。 207 00:21:34,426 --> 00:21:37,429 モンゴルも偉くなった。 208 00:21:37,429 --> 00:21:41,433 これからは モンゴルが世界の中心になっていくぞ。 209 00:21:41,433 --> 00:21:46,438 ♬~(演奏) 210 00:21:46,438 --> 00:21:52,444 ♬~ 211 00:21:52,444 --> 00:21:54,413 (ぶつかる音) 212 00:21:55,447 --> 00:21:57,416 やーっ ハハーッ! 213 00:22:00,452 --> 00:22:05,424 クリルタイが始まって もう41日か。 相当もめてるんじゃないか? 214 00:22:05,424 --> 00:22:09,428 その41日目っていうのが大事なんだよ。 215 00:22:09,428 --> 00:22:13,432 カムの占いによれば 41日目が吉日。 216 00:22:13,432 --> 00:22:19,438 つまり 皇子が一族の推挙を受け入れて 即位するのは→ 217 00:22:19,438 --> 00:22:21,440 今日だ。 218 00:22:23,442 --> 00:22:26,445 (チャガタイ)では 大カアン→ 219 00:22:26,445 --> 00:22:31,417 玉座へ。 (テムゲ)さあ お手を。 参りましょう。 220 00:22:34,453 --> 00:22:48,467 ♬~ 221 00:22:48,467 --> 00:22:50,436 フッ…。 222 00:22:51,470 --> 00:22:56,475 ♬~ 223 00:22:57,443 --> 00:22:59,445 (2人)新帝万歳! 224 00:22:59,445 --> 00:23:02,448 (一同)新帝万歳! 225 00:23:02,448 --> 00:23:05,451 オゴタイ・カアン万歳! 226 00:23:06,452 --> 00:23:08,454 ホレー! 227 00:23:08,454 --> 00:23:11,457 (一同)ホレー! 228 00:23:11,457 --> 00:23:16,462 ホレー! ホレー! 229 00:23:18,464 --> 00:23:23,469 (トルイ)大カアン! ご即位 誠にお喜び申し上げます。 230 00:23:23,469 --> 00:23:26,472 おめでとう オゴタイ兄上! 231 00:23:26,472 --> 00:23:28,440 (オゴタイ)ありがとう トルイ。 232 00:23:28,440 --> 00:23:37,416 ♬~ 233 00:23:43,455 --> 00:23:50,429 ♬~ 234 00:23:50,429 --> 00:23:53,432 今後 もし わが子孫に→ 235 00:23:53,432 --> 00:23:56,435 草に包まれても牛に食われず→ 236 00:23:56,435 --> 00:24:00,439 脂に包まれても狗に食われぬ者がある限り…。 237 00:24:03,442 --> 00:24:06,445 大鹿が横ざまに逃げるとも→ 238 00:24:06,445 --> 00:24:09,448 野鼠が縦ざまに逃げるとも→ 239 00:24:09,448 --> 00:24:11,450 見逃すことならん。 240 00:24:14,453 --> 00:24:17,456 (トルイ)いやあ~! めでたい めでたい! 241 00:24:17,456 --> 00:24:22,428 これで 親父の遺言にもそえたし 俺も政務から解放される。 242 00:24:24,430 --> 00:24:27,433 大役 ご苦労さまでした。 243 00:24:27,433 --> 00:24:29,435 ソルコクタニ…。 244 00:24:29,435 --> 00:24:33,439 おまえを 皇后にしてやれなかったのだけが心残りだ。 245 00:24:33,439 --> 00:24:35,441 そんなこと…。 246 00:24:35,441 --> 00:24:39,445 いやね 親父の遺言を聞いた時 俺も思ったのよ。 247 00:24:39,445 --> 00:24:42,448 「なんで? 普通 俺じゃないの?」って。 248 00:24:42,448 --> 00:24:45,451 でも 親父は こう言った。 249 00:24:45,451 --> 00:24:47,453 たくさんの頭を持つヘビは→ 250 00:24:47,453 --> 00:24:50,456 寒さをしのぐために 穴に入りたくとも→ 251 00:24:50,456 --> 00:24:54,426 お互いに争って入れず 死んでしまう。 252 00:24:54,426 --> 00:24:57,429 しかし 一つ頭の大蛇は→ 253 00:24:57,429 --> 00:24:59,431 穴に入り 生き延びるだろう。 254 00:24:59,431 --> 00:25:04,436 オゴタイは その賢さで 皆の頭になれ。 255 00:25:06,438 --> 00:25:11,443 俺はオッチギンだから 自分が一番優遇されてると思ってきた。 256 00:25:11,443 --> 00:25:15,447 でも 親父の考えは そんなことじゃなかった。 257 00:25:15,447 --> 00:25:20,452 俺に力をつけてくれたのは 俺一人のためじゃなかったんだ。 258 00:25:20,452 --> 00:25:25,424 俺たち兄弟の結束こそ モンゴルを真に強くする! 259 00:25:25,424 --> 00:25:27,426 それが 親父の…→ 260 00:25:27,426 --> 00:25:30,429 チンギス・カンの願いで…→ 261 00:25:30,429 --> 00:25:32,431 俺の一番の願いだ。 262 00:25:36,435 --> 00:25:38,437 《兄弟の結束…》 263 00:25:46,445 --> 00:25:48,447 ふう…。 264 00:25:48,447 --> 00:25:53,452 《誰が皇帝になるとか 私には どうでもいいことだけど…》 265 00:25:53,452 --> 00:25:56,455 《慣習を破ってまで跡を継がせるなんて→ 266 00:25:56,455 --> 00:26:00,459 そのオゴタイとかいう皇子は よほど優秀なのかしら》 267 00:26:02,461 --> 00:26:04,496 フフッ…。 268 00:26:04,496 --> 00:26:06,498 《シラも当てが外れたわね》 269 00:26:08,467 --> 00:26:12,438 《とにかく これで やっとクリルタイが終わる》 270 00:26:19,445 --> 00:26:22,448 《これ… やっぱり あの石よね》 271 00:26:22,448 --> 00:26:24,450 《奥さまの本で読んだことがある》 272 00:26:24,450 --> 00:26:26,518 《とても貴重なものだって…》 273 00:26:26,518 --> 00:26:28,454 ⚟(ソルコクタニ)ファーティマ! 274 00:26:28,454 --> 00:26:32,458 えっ ソルコクタニさま!? 275 00:26:34,426 --> 00:26:37,429 ど… どうしたんですか? 276 00:26:38,430 --> 00:26:42,434 あなたに大事な用事があって。 私に? 277 00:26:42,434 --> 00:26:46,438 今日限りで あなたには私の元を離れてほしいの。 278 00:26:46,438 --> 00:26:48,440 えっ? 279 00:26:48,440 --> 00:26:52,444 えっ!? クビですか!? えっ 私 何か粗相を!? 280 00:26:52,444 --> 00:26:54,446 そういうことじゃないの。 281 00:26:54,446 --> 00:26:56,448 じゃあ どうして…。 282 00:27:02,454 --> 00:27:05,424 ファーティマ 極秘命令よ。 283 00:27:07,426 --> 00:27:10,429 私の密偵になってちょうだい。 284 00:27:15,434 --> 00:27:21,440 ♬~