1 00:00:34,201 --> 00:00:36,203 (ソルコクタニ)ファーティマ 極秘命令よ。 2 00:00:36,203 --> 00:00:39,206 (ソルコクタニ)私の密偵になってちょうだい。 3 00:00:40,207 --> 00:00:42,209 (風の音) 4 00:00:42,209 --> 00:00:44,211 (シタラ)密偵…? 5 00:00:46,213 --> 00:00:52,219 (ソルコクタニ)知ってのとおり 皇帝に即位したのは オゴタイ義兄さんだったでしょう。 6 00:00:52,219 --> 00:00:57,224 トルイも私も納得はしているの。 それで うまくいくのなら…。 7 00:00:57,224 --> 00:00:59,226 だけど→ 8 00:00:59,226 --> 00:01:03,230 もろいものよ 兄弟の絆なんて。 9 00:01:03,230 --> 00:01:05,232 帝位に就かなかったとはいえ→ 10 00:01:05,232 --> 00:01:10,237 この帝国で一番の軍事力を手にしたのは オッチギンのトルイ。 11 00:01:10,237 --> 00:01:15,242 放っておけば このねじれは きっと 不幸の種になるわ。 12 00:01:18,245 --> 00:01:21,248 なるほど 分かってきました。 13 00:01:21,248 --> 00:01:23,250 それで 私は何を…? 14 00:01:25,252 --> 00:01:28,255 (ソルコクタニ)チャガタイ義兄さんの所に こっそり入り込んで→ 15 00:01:28,255 --> 00:01:30,257 動向を逐一 伝えてほしいの。 16 00:01:30,257 --> 00:01:32,192 チャガタイさまの…? 17 00:01:32,192 --> 00:01:36,196 ええ。 これは悪い想像よ。 18 00:01:36,196 --> 00:01:40,200 大カアンとトルイの仲に 誰かが介入するとしたら→ 19 00:01:40,200 --> 00:01:43,203 まず チャガタイ義兄さんで 間違いないでしょうね。 20 00:01:43,203 --> 00:01:47,207 昔から オゴタイ義兄さんと一番親しいもの。 21 00:01:48,208 --> 00:01:52,212 あなたなら 顔も知られていないし 警戒されないわ。 22 00:01:52,212 --> 00:01:56,216 私たちのために働いてくれるわね? 23 00:01:59,219 --> 00:02:08,228 ♬~ 24 00:03:47,194 --> 00:03:51,198 (ソルコクタニの声)明日の朝 旗を掲げた天幕へ向かいなさい。 25 00:03:51,198 --> 00:03:54,201 そこで潜入の手だてを伝えます。 26 00:03:55,202 --> 00:04:00,207 《旗… 旗の立った天幕… あれのことね》 27 00:04:01,208 --> 00:04:03,210 ここに来るよう言われたけれど…。 28 00:04:03,210 --> 00:04:05,212 ⚞ファーティマ! 29 00:04:09,216 --> 00:04:11,218 (シラ)よう! 30 00:04:11,218 --> 00:04:13,220 シラ!? シラじゃない! 31 00:04:14,221 --> 00:04:16,223 すっかり大人になったのね…。 32 00:04:16,223 --> 00:04:18,225 でも どうして ここに? 33 00:04:18,225 --> 00:04:21,228 トルイさまの下にいたんじゃなかったの? 34 00:04:21,228 --> 00:04:25,232 (シラ)フフッ… それが お后のソルコクタニさまに頼まれてな。 35 00:04:25,232 --> 00:04:29,236 あんたに協力することになったんだ。 へえ~。 36 00:04:29,236 --> 00:04:33,173 ってかさ まだ なんか ひと波乱ありそうな気もするし。 37 00:04:33,173 --> 00:04:35,175 お互い うまくやって出世しようぜ。 38 00:04:35,175 --> 00:04:37,177 相変わらずね…。 39 00:04:37,177 --> 00:04:40,180 で あの天幕は? ん? 40 00:04:40,180 --> 00:04:44,184 ああ… 遺失物管理官の天幕だよ。 41 00:04:44,184 --> 00:04:47,187 持ち主の分からない家畜や奴隷を 預かる場所さ。 42 00:04:47,187 --> 00:04:52,192 秋の引っ越しに クリルタイもあったし 今は ごたごたしてるんじゃないかな。 43 00:04:55,195 --> 00:05:00,200 (シラ)で まあ それを利用して あんたはチャガタイ家の奴隷と入れ替わる。 44 00:05:00,200 --> 00:05:02,202 替え玉作戦ってわけね。 45 00:05:02,202 --> 00:05:06,206 でも そんな都合良く 私と似た奴隷が見つかるかしら? 46 00:05:07,207 --> 00:05:09,209 う~ん…。 47 00:05:10,210 --> 00:05:14,214 まあ 大丈夫だろ! 神様が望むなら。 48 00:05:14,214 --> 00:05:16,216 行くぜ! えっ? 49 00:05:16,216 --> 00:05:18,218 あっ…。 50 00:05:18,218 --> 00:05:20,220 (ため息) 51 00:05:20,220 --> 00:05:22,222 不安しかないんですけど…。 52 00:05:24,224 --> 00:05:27,227 ちょっと お尋ねします。 (管理官)ん? 53 00:05:27,227 --> 00:05:30,230 (シラ)そこで 迷子になっていた奴隷が…。 54 00:05:30,230 --> 00:05:32,232 預かってもらえませんか? 55 00:05:34,167 --> 00:05:37,170 (管理官)何か身元の分かりそうなものは? 56 00:05:37,170 --> 00:05:41,174 (シラ)ええ~ どうでしょうか。 どこにでもいそうな奴隷ですよ。 57 00:05:42,175 --> 00:05:45,178 このとおり 愛想良く笑うことしか取りえのない→ 58 00:05:45,178 --> 00:05:48,181 つまらない奴隷です。 まあ! 59 00:05:48,181 --> 00:05:50,183 ちょっと…! おい 怒んなって。 60 00:05:50,183 --> 00:05:53,186 目立たないほうが入れ替わりやすいだろ? 61 00:05:53,186 --> 00:05:56,189 もう少しマシな言い方…! まあまあ…。 62 00:05:57,190 --> 00:05:59,192 ん? 何か落ちたぞ。 63 00:05:59,192 --> 00:06:01,194 あっ…。 64 00:06:02,195 --> 00:06:04,197 なんだ? それ。 65 00:06:04,197 --> 00:06:07,200 これは… ベゾアール石よ。 66 00:06:07,200 --> 00:06:09,202 ヒツジの中から出てきたの。 67 00:06:09,202 --> 00:06:13,206 ああ 毒消しの石か! 聞いたことある。 68 00:06:13,206 --> 00:06:15,208 (管理官)待ちなさい。 69 00:06:15,208 --> 00:06:17,210 それは ジャダ石じゃないか? えっ? 70 00:06:18,211 --> 00:06:21,214 ベゾアールというのは知らないがね→ 71 00:06:21,214 --> 00:06:24,217 ここでは 動物の体内にできる石は ジャダ石といって→ 72 00:06:24,217 --> 00:06:27,220 雨乞いをするのに使う。 73 00:06:27,220 --> 00:06:29,222 (管理官の声)カムが水に浸すと…。 74 00:06:29,222 --> 00:06:36,162 ♬~ 75 00:06:36,162 --> 00:06:39,165 (雷鳴) 76 00:06:39,165 --> 00:06:43,169 (管理官の声) たちまち 暴風雨が起こるといわれている。 77 00:06:43,169 --> 00:06:45,171 なんで 奴隷のおまえが そんなものを? 78 00:06:45,171 --> 00:06:47,173 えっ…。 79 00:06:47,173 --> 00:06:50,176 《勝手に持ってきちゃったの まずかったかな…》 80 00:06:50,176 --> 00:06:52,178 えっと…。 81 00:06:52,178 --> 00:06:54,180 あっ そうです! 82 00:06:54,180 --> 00:06:58,184 後で主人に渡すつもりが はぐれてしまって…。 ふ~ん? 83 00:06:58,184 --> 00:07:03,189 ところで 管理官 実は 俺も 迷い奴隷を捜しているんです。 84 00:07:03,189 --> 00:07:08,194 チャガタイさまの属民で この娘と似た女を預かっていませんか? 85 00:07:08,194 --> 00:07:12,198 ふ~む… チャガタイ家の西方の奴隷ねえ…。 86 00:07:12,198 --> 00:07:15,201 《そんな都合良く いるものですか》 87 00:07:16,202 --> 00:07:20,206 昨日だけでも 3人は預かったよ。 えっ!? 88 00:07:20,206 --> 00:07:24,210 (管理官)今は クリルタイで 迷子になるのが たくさんいるからな…。 89 00:07:25,211 --> 00:07:28,214 この女なんか まあ 目を細めれば 似てなくもないような…。 90 00:07:28,214 --> 00:07:30,216 (シラ)あっ そっくりです! 91 00:07:30,216 --> 00:07:33,219 ああ~ いたいた! 捜したよ 君! 92 00:07:35,155 --> 00:07:37,157 …似てない。 93 00:07:37,157 --> 00:07:39,159 《こっちのせりふよ!》 94 00:07:39,159 --> 00:07:43,163 (シラ)じゃあな~! あんたも早く主人の所に帰れるといいな。 95 00:07:43,163 --> 00:07:45,165 (奴隷)似てない。 どうも! 96 00:07:45,165 --> 00:07:49,169 くっ…! さあ おまえも この女たちと待ってろ。 97 00:07:49,169 --> 00:07:52,172 今に迎えが来るさ。 フンッ! 98 00:07:56,176 --> 00:07:59,179 《本当に たくさん迷子がいる…》 99 00:08:00,180 --> 00:08:02,182 《そうだ この人たちって…》 100 00:08:02,182 --> 00:08:05,185 あの… ペルシア語 分かります? 101 00:08:06,186 --> 00:08:08,188 (2人)ええ! 102 00:08:09,189 --> 00:08:11,191 へえ~。 103 00:08:11,191 --> 00:08:14,194 じゃあ 2人は マシュハドとメルヴの街から? 104 00:08:14,194 --> 00:08:17,197 私はトゥースです。 えっ そうなの? 105 00:08:17,197 --> 00:08:20,200 いつか行ってみたいと思っていたわ。 106 00:08:20,200 --> 00:08:22,202 そうなんですか!? 107 00:08:22,202 --> 00:08:25,205 活気があって いい所だって 聞いていたもの。 108 00:08:25,205 --> 00:08:27,207 そうなんです! 109 00:08:27,207 --> 00:08:31,211 じゃあ もしかしたら 私たち…→ 110 00:08:31,211 --> 00:08:35,215 いつか すれ違うことがあったかもしれませんね。 111 00:08:36,149 --> 00:08:38,151 (奴隷の声)ええ。 (奴隷の声)うん! 112 00:08:39,152 --> 00:08:41,154 (奴隷の声)懐かしいなあ。 113 00:08:41,154 --> 00:08:44,157 バザールでのお買い物が大好きだったわ。 114 00:08:48,161 --> 00:08:51,164 (奴隷)今は チャガタイ家にお仕えしているの。 115 00:08:51,164 --> 00:08:54,167 でも 気付いたら 迷子に…。 116 00:08:54,167 --> 00:08:57,170 家族のことが心配だわ。 117 00:08:57,170 --> 00:08:59,172 家族? ええ。 118 00:08:59,172 --> 00:09:01,174 私の夫も奴隷なのよ。 119 00:09:01,174 --> 00:09:05,178 ブハラ生まれの 腕のいい職人なの。 120 00:09:06,179 --> 00:09:10,183 モンゴルへ連れてこられた時は 怖くて絶望したけど→ 121 00:09:10,183 --> 00:09:13,186 今は 夫や子供もいて…。 122 00:09:13,186 --> 00:09:17,190 生きていれば 案外 うまく転がっていくものね。 123 00:09:17,190 --> 00:09:19,192 住めば都ってね。 124 00:09:19,192 --> 00:09:23,196 (奴隷)特に チャガタイさまのウルスは治安が良くて…。 125 00:09:24,197 --> 00:09:28,201 《ここで新しい人生を踏み出している人も いるんだ…》 126 00:09:31,204 --> 00:09:33,206 《駄目だ!》 127 00:09:34,140 --> 00:09:38,144 《時々 許しそうになってしまう…》 128 00:09:38,144 --> 00:09:42,148 《絶対に忘れないと誓ったのに…》 129 00:09:42,148 --> 00:09:46,152 《モンゴルが 私たちにしたことを…》 130 00:09:47,153 --> 00:09:49,155 (管理官)おい さっき来た娘。 131 00:09:50,156 --> 00:09:54,160 私ですか? そうだ。 一緒に来なさい。 132 00:09:57,163 --> 00:10:02,168 《シラが手を回して迎えを? それにしては早いわね》 133 00:10:09,175 --> 00:10:12,178 お待たせしました。 この娘です。 134 00:10:12,178 --> 00:10:14,180 (カダク)ジャダ石を持ってるんだって? 135 00:10:14,180 --> 00:10:16,182 あっ… はい。 (カダク)見せろ。 136 00:10:19,185 --> 00:10:22,188 これが 何か…? 137 00:10:22,188 --> 00:10:24,190 (カダク)フンッ。 138 00:10:24,190 --> 00:10:27,193 来なさい。 えっ えっ… ええっ? 139 00:10:27,193 --> 00:10:29,195 (カダク)さっさと乗れ! 140 00:10:30,196 --> 00:10:33,199 《何? これ。 迎えっていうより…》 141 00:10:33,199 --> 00:10:35,201 なんだ 重たいな。 はっ? 142 00:10:35,201 --> 00:10:37,203 逃げるなよ 盗っ人め。 143 00:10:37,203 --> 00:10:39,205 はっ? (カダク)チュウ! 144 00:10:39,205 --> 00:10:41,207 ええ~~っ!? 145 00:10:42,208 --> 00:10:45,211 盗っ人って なんですか!? 何かの間違いです! 146 00:10:45,211 --> 00:10:50,216 あなた 誰です!? チャガタイ家の迎えの方じゃないんですか!? 147 00:10:50,216 --> 00:10:52,218 フン… 「ラクダと言うと ヤギと言う」。 148 00:10:52,218 --> 00:10:54,220 えっ? はい!? 149 00:10:54,220 --> 00:10:59,225 とんだ見当違いということだ。 観念して 全て白状しろ。 150 00:10:59,225 --> 00:11:01,227 白状も何も 私は…! 151 00:11:01,227 --> 00:11:03,229 チュウ! うわっ! 152 00:11:05,231 --> 00:11:07,233 うわあ… ああ~っ…! (カダク)チュウ チュウ! 153 00:11:08,234 --> 00:11:10,236 (風の音) 154 00:11:10,236 --> 00:11:13,239 嫌…! 痛い~! 155 00:11:13,239 --> 00:11:15,241 ここ どこです!? 156 00:11:15,241 --> 00:11:17,243 うるさい! いいから来い! 157 00:11:19,245 --> 00:11:21,247 (カダク)カダクです。 入ります。 158 00:11:23,249 --> 00:11:26,252 ⚟(カダク)例の石を盗んだ女を連れてきました。 159 00:11:26,252 --> 00:11:28,254 私は 盗んでなんか…! 160 00:11:28,254 --> 00:11:31,257 入れ! ええっ!? 161 00:11:32,192 --> 00:11:34,193 うっ…。 162 00:11:34,193 --> 00:11:36,196 (ドレゲネ)ご苦労でしたね カダク。 163 00:11:38,197 --> 00:11:47,207 ♬~ 164 00:11:47,207 --> 00:11:49,208 《この人…》 165 00:11:51,211 --> 00:11:54,213 おまえが…→ 166 00:11:54,213 --> 00:11:58,217 おまえが 私からジャダ石を盗んだの? な… なんのことでしょう? 167 00:11:58,217 --> 00:12:00,220 とぼけるな! 168 00:12:01,221 --> 00:12:04,223 オゴタイ… あいつが おまえに命じたんでしょう!? 169 00:12:04,223 --> 00:12:07,226 そんなものまで 私から取り上げるなんて…! 170 00:12:07,226 --> 00:12:09,229 (荒い息) 171 00:12:09,229 --> 00:12:12,231 お… 恐れながら あなたさまは どなたでしょう? 172 00:12:12,231 --> 00:12:14,234 何か誤解をなさって…。 173 00:12:14,234 --> 00:12:16,236 この方を知らないだと? 174 00:12:16,236 --> 00:12:20,240 オゴタイ・カアンの第六妃 ドレゲネ・カトゥンを。 175 00:12:21,240 --> 00:12:23,242 くっ…! 176 00:12:25,245 --> 00:12:29,249 《大カアンの… 第六妃…》 177 00:12:31,250 --> 00:12:34,187 (荒い息) 178 00:12:34,187 --> 00:12:36,189 《やっと分かってきたわ…》 179 00:12:36,189 --> 00:12:41,194 《つまり ここはオゴタイ家のウルスで 私は泥棒と間違われて…》 180 00:12:41,194 --> 00:12:44,197 《面倒なことに巻き込まれた…!》 181 00:12:44,197 --> 00:12:47,200 おまえが ジャダ石を盗んだんでしょう? 182 00:12:47,200 --> 00:12:49,202 返しなさい! 183 00:12:51,204 --> 00:12:53,206 《ジャダ石…》 184 00:12:53,206 --> 00:12:58,211 《私の故郷では 貴重な毒消しの薬だけど 確か ここでは…》 185 00:12:59,212 --> 00:13:03,216 (管理官の声)カムが その石を水に浸すと→ 186 00:13:03,216 --> 00:13:06,219 たちまち 暴風雨が起こるといわれている。 187 00:13:07,220 --> 00:13:11,224 《きっと この人も ジャダ石を持っていて なくしちゃったんだ》 188 00:13:11,224 --> 00:13:14,227 《だから 私が盗んだと勘違いして…》 189 00:13:14,227 --> 00:13:20,233 《じゃあ 私の石を見せたら この人のとは違うって分かるはず…》 190 00:13:20,233 --> 00:13:22,235 《あっ…》 191 00:13:22,235 --> 00:13:25,238 《こんな石 いちいち 見分けがつくかしら…?》 192 00:13:25,238 --> 00:13:27,240 《もしも似ていたら…?》 193 00:13:27,240 --> 00:13:30,243 やっぱり おまえが盗んだのね! 194 00:13:30,243 --> 00:13:32,245 死刑! ううっ…! 195 00:13:33,179 --> 00:13:36,182 《うっ… だけど…!》 196 00:13:36,182 --> 00:13:38,184 どうした? さっさとお返ししろ! 197 00:13:40,186 --> 00:13:44,190 《も… もう 見せるしかない!!》 198 00:13:44,190 --> 00:13:49,195 ♬~ 199 00:13:49,195 --> 00:13:51,197 違う…。 200 00:13:52,198 --> 00:13:56,202 私のは もっと小さくて 形も整っています。 201 00:13:56,202 --> 00:14:00,206 えっ? はい! この石は 私が見つけたものです。 202 00:14:02,208 --> 00:14:05,211 カダク これは どういうこと? (カダク)えー…。 203 00:14:06,212 --> 00:14:09,215 すみません… 人違いをしたようです。 204 00:14:11,217 --> 00:14:13,219 もういいわ。 205 00:14:13,219 --> 00:14:15,221 不愉快です! 下がりなさい! 206 00:14:19,225 --> 00:14:21,227 聞こえなかったのか? 外へ出ろ! 207 00:14:23,229 --> 00:14:26,232 あの… それで 私は…? 208 00:14:26,232 --> 00:14:28,234 君 もういいよ。 解散。 209 00:14:28,234 --> 00:14:31,237 もういいって…! 私 迷い奴隷なんですけど! 210 00:14:32,171 --> 00:14:37,176 帰り方も よく分からないし もう暗くなってきたし…。 211 00:14:37,176 --> 00:14:39,178 や~だ~! 212 00:14:39,178 --> 00:14:41,180 怖い~! お… おい! 213 00:14:42,181 --> 00:14:48,187 ドレゲネさまの家来のカダクさんが 私を無理やり 誘拐…。 214 00:14:48,187 --> 00:14:50,189 さ… 騒ぐな! 215 00:14:50,189 --> 00:14:53,192 分かった! 明日 元の場所に連れていくから。 216 00:14:53,192 --> 00:14:55,194 明日? 217 00:14:55,194 --> 00:14:59,198 はあ…。 今夜は泊めてやるから ついてこい。 218 00:15:03,202 --> 00:15:08,207 ああ… それと 俺は ドレゲネさまの家来じゃないからな。 219 00:15:08,207 --> 00:15:11,210 話せば ちょっと長くなるが あるお方に頼まれて…。 220 00:15:11,210 --> 00:15:13,212 ⚟(ざわめき) ん? 221 00:15:13,212 --> 00:15:16,215 (カダク)まあ 俺の主人については話せないぞ。 222 00:15:16,215 --> 00:15:18,217 話しても長くなるだけだ…。 223 00:15:18,217 --> 00:15:23,222 俺は その方のために ドレゲネさまの近くで あれこれ動いているわけだ。 224 00:15:23,222 --> 00:15:25,224 …ん? 225 00:15:26,225 --> 00:15:28,227 いない! 226 00:15:28,227 --> 00:15:30,229 (荒い息遣い) 227 00:15:32,165 --> 00:15:34,167 《あれは…》 228 00:15:34,167 --> 00:15:36,169 (チャガタイ)ハッハッハッハッハッ! 229 00:15:37,170 --> 00:15:39,172 (チャガタイ)アーッハッハッハッハッ…。 230 00:15:39,172 --> 00:15:41,174 (チャガタイのしゃっくり) 231 00:15:41,174 --> 00:15:45,178 オゴタイ おまえは 大カアンになろうと なんになろうと→ 232 00:15:45,178 --> 00:15:48,181 馬では 絶対 俺に勝てないだろうよ。 233 00:15:48,181 --> 00:15:50,183 (オゴタイ)畏れ入りました。 234 00:15:50,183 --> 00:15:54,187 (オゴタイ)珍しいなあ チャガタイが俺より酔っ払ってるなんて。 235 00:15:54,187 --> 00:15:56,189 酔わずにいられるか! 236 00:15:56,189 --> 00:16:02,195 かわいい弟が 晴れて皇帝となったんだ。 こんなにめでたいことはない! 237 00:16:02,195 --> 00:16:04,197 飲みすぎですよ。 238 00:16:04,197 --> 00:16:07,200 《チャガタイさまとオゴタイ・カアン…?》 239 00:16:08,201 --> 00:16:11,204 《何を話しているのかしら? よく聞こえない…》 240 00:16:11,204 --> 00:16:13,206 (ぶつかる音) 《あっ…!》 241 00:16:13,206 --> 00:16:17,210 (キルギスタニ)そこにいるのは誰!? くせ者よ くせ者! 242 00:16:17,210 --> 00:16:19,212 (家臣)逃がすな! (家臣)捕まえろ! 243 00:16:20,213 --> 00:16:22,215 うっ…! 244 00:16:22,215 --> 00:16:25,218 (キルギスタニ)怪しい奴! そこで何をしてたの!? 245 00:16:25,218 --> 00:16:28,221 う~ん… 誰かの奴隷じゃね? 246 00:16:28,221 --> 00:16:30,223 こんな女 見たことないわ! 247 00:16:30,223 --> 00:16:32,158 もしかしたら 密偵かも! 248 00:16:32,158 --> 00:16:34,160 はっ…! 249 00:16:34,160 --> 00:16:36,162 《どうして 今日は こうも…》 250 00:16:36,162 --> 00:16:39,165 (オゴタイ)何かあったの? キルギスタニ モゲ。 251 00:16:39,165 --> 00:16:41,167 ああっ 大カアン 来ちゃ駄目! 252 00:16:41,167 --> 00:16:44,170 危険人物を拘束しました! 253 00:16:44,170 --> 00:16:48,174 危険人物だと? まずは 話を聞いてみようよ。 254 00:16:49,175 --> 00:16:51,177 君は 誰? 255 00:16:53,179 --> 00:16:56,182 《この人が オゴタイ・カアン…》 256 00:16:57,183 --> 00:17:00,186 《モンゴルの新しい皇帝…》 257 00:17:02,188 --> 00:17:05,191 いなくなった? はい この辺りで…。 258 00:17:05,191 --> 00:17:09,195 ドレゲネさま やはり あの奴隷 何か妙です。 259 00:17:09,195 --> 00:17:11,197 それで ご報告を。 260 00:17:14,200 --> 00:17:16,202 《オゴタイ…?》 261 00:17:16,202 --> 00:17:18,204 ふ~ん…。 262 00:17:19,205 --> 00:17:21,207 じゃあ おまえの主人は誰? 263 00:17:21,207 --> 00:17:23,209 主人…。 264 00:17:23,209 --> 00:17:26,212 《一応 今は チャガタイさまなんだけど…》 265 00:17:27,213 --> 00:17:30,216 《そんなこと言ったら 余計 ややこしくなるわね》 266 00:17:30,216 --> 00:17:32,151 《どう答えたら…?》 267 00:17:32,151 --> 00:17:34,153 さあ 正直に答えろ! 268 00:17:34,153 --> 00:17:36,155 うっ…。 269 00:17:36,155 --> 00:17:39,158 ド… ドレゲネ皇后さまでございます! 270 00:17:40,159 --> 00:17:42,161 どういうことでしょう? 271 00:17:44,163 --> 00:17:47,166 ドレゲネの? (モゲ)ああ… それ あり得る。 272 00:17:47,166 --> 00:17:51,170 オゴタイ おまえ あの女に自由にさせすぎだぞ! 273 00:17:52,171 --> 00:17:54,173 おい 娘! 274 00:17:54,173 --> 00:17:58,177 ドレゲネに何を頼まれたか知らんがな こそこそと 感心しないな。 275 00:17:58,177 --> 00:18:00,179 法を犯すな。 276 00:18:00,179 --> 00:18:03,182 女なら 奴隷なら なおさら法に従え。 277 00:18:04,183 --> 00:18:08,187 それから イスラム教徒は 殊に法を無視しがちで困る。 278 00:18:08,187 --> 00:18:11,190 ヒツジの喉を切ったり 川につかったり。 279 00:18:11,190 --> 00:18:16,195 弱者のくせに なぜ そうも自らの破滅を招くのか…。 280 00:18:20,199 --> 00:18:22,201 あなたさまには…。 281 00:18:22,201 --> 00:18:24,203 フン…。 ん? 282 00:18:24,203 --> 00:18:28,207 あなたさまには お分かりにならないでしょうね。 283 00:18:31,210 --> 00:18:42,154 ♬~ 284 00:18:42,154 --> 00:18:45,157 ん? あっ ドレゲネじゃない! えっ? 285 00:18:45,157 --> 00:18:50,162 あんたの奴隷だって言ってるわよ この女! (モゲ)そうなの? 286 00:18:52,164 --> 00:18:54,166 《終わった…》 287 00:18:56,168 --> 00:18:59,171 捕まるなんて 間抜けな子ね。 えっ…。 288 00:18:59,171 --> 00:19:01,173 ん? 289 00:19:01,173 --> 00:19:03,175 ええ そうですわ。 290 00:19:05,177 --> 00:19:09,181 私が あなたを殺すように命じました→ 291 00:19:09,181 --> 00:19:11,183 大カアン。 292 00:19:14,186 --> 00:19:16,188 なら 仕方ないね。 293 00:19:16,188 --> 00:19:18,190 ええっ!? 294 00:19:18,190 --> 00:19:21,193 さあ たくらみは暴かれたよ。 みんな 帰った 帰った! 295 00:19:21,193 --> 00:19:23,195 (キルギスタニ)大カアン! 296 00:19:23,195 --> 00:19:26,198 今夜もきれいだよ キルギスタニ。 ええ~っ! 297 00:19:27,199 --> 00:19:29,201 モゲも おやすみ。 298 00:19:29,201 --> 00:19:31,203 (モゲ)は~い! 299 00:19:33,139 --> 00:19:35,141 ドレゲネもね。 300 00:19:37,143 --> 00:19:40,146 ん? ん? ん? ん? ん? ん…? 301 00:19:40,146 --> 00:19:42,148 チッ! 302 00:19:48,154 --> 00:19:50,156 オゴタイ おまえは…。 303 00:19:50,156 --> 00:19:55,161 ほらほら チャガタイも そろそろ帰らないと みんな心配するよ。 304 00:19:59,165 --> 00:20:01,167 チャガタイは優しいな。 305 00:20:01,167 --> 00:20:04,170 はあ? (オゴタイ)前に言ってたじゃない。 306 00:20:04,170 --> 00:20:06,172 これだけ国が大きくなれば→ 307 00:20:06,172 --> 00:20:10,176 モンゴルは 習慣も信仰も違う者たちの大集団になる。 308 00:20:10,176 --> 00:20:17,183 衝突が起き 真っ先に犠牲になるのは 女や奴隷 弱い人たちだって。 309 00:20:19,185 --> 00:20:22,188 (オゴタイ)でも チンギス・カンの定めた法が 行き渡っていれば→ 310 00:20:22,188 --> 00:20:25,191 みんなを守ってやれる。 弱い人たちも…。 311 00:20:27,193 --> 00:20:30,196 そうでしょう? うっ…。 312 00:20:30,196 --> 00:20:32,198 帰る! 313 00:20:35,201 --> 00:20:38,204 (オゴタイ)やっぱり優しい…。 314 00:20:38,204 --> 00:20:42,208 でもさ 世界中の全員が全員→ 315 00:20:42,208 --> 00:20:46,212 君みたいに 自分の立場を はっきり割り切れるわけじゃない。 316 00:20:46,212 --> 00:20:50,216 どうしても 変えられないものってのがあるんだよ。 317 00:20:57,223 --> 00:20:59,225 もういいわ。 下がって。 318 00:20:59,225 --> 00:21:01,227 はい。 319 00:21:02,228 --> 00:21:04,230 (カダクのため息) 320 00:21:10,236 --> 00:21:14,240 ど… どうして 助けてくださったんですか? 321 00:21:15,241 --> 00:21:17,243 あなたの笑顔が気に入ったから。 322 00:21:19,245 --> 00:21:22,248 ねえ あなた 見たところ ペルシア人でしょう? 323 00:21:22,248 --> 00:21:24,250 は… はい。 324 00:21:24,250 --> 00:21:27,253 モンゴルが… 憎い? 325 00:21:30,256 --> 00:21:34,193 正直に答えなさい。 誰にも言いやしないわ。 326 00:21:34,193 --> 00:21:36,195 (ため息) 327 00:21:36,195 --> 00:21:41,200 というか… さっき 見たでしょう。 私は あんな感じ。 328 00:21:41,200 --> 00:21:45,204 何を言っても 誰からも まともに相手にされないわ。 329 00:21:46,205 --> 00:21:48,207 憎い? 330 00:21:48,207 --> 00:21:53,212 ♬~ 331 00:21:53,212 --> 00:21:56,215 私から 全てを奪った…。 332 00:21:57,216 --> 00:22:00,219 許せない… 許しちゃいけない…! 333 00:22:00,219 --> 00:22:07,226 ♬~ 334 00:22:07,226 --> 00:22:11,230 それでも 時間がたつと 許してしまいそうになる…。 335 00:22:11,230 --> 00:22:13,232 違う? 336 00:22:13,232 --> 00:22:15,234 ドレゲネさま あなたは…。 337 00:22:15,234 --> 00:22:30,249 ♬~ 338 00:22:30,249 --> 00:22:34,186 私の話を聞いてくれる? 339 00:22:34,186 --> 00:22:41,193 ♬~ 340 00:22:42,194 --> 00:22:44,196 ♬~