1 00:00:37,104 --> 00:00:45,078 ♬~ 2 00:04:53,059 --> 00:05:01,101 (ヒツジの鳴き声) 3 00:05:01,101 --> 00:05:04,104 ⚟(侍女)お嬢さまー! 4 00:05:05,105 --> 00:05:08,108 ⚟(侍女)お嬢さまー! 5 00:05:09,042 --> 00:05:13,046 (侍女)まあ… 何をなさってるんですか? 6 00:05:13,046 --> 00:05:15,048 お支度の時間ですよ。 7 00:05:17,050 --> 00:05:19,019 (ドレゲネ)行くわ。 8 00:05:22,022 --> 00:05:24,057 (ため息) 9 00:05:24,057 --> 00:05:26,026 (風の音) 10 00:05:26,026 --> 00:05:29,029 さようなら ナイマン。 11 00:05:31,064 --> 00:05:37,037 〈ここより ずっと西の国 ナイマン族の縁者だった私は→ 12 00:05:37,037 --> 00:05:42,042 同盟関係にあるメルキト族の下に嫁ぐことが 決まっていた〉 13 00:05:42,042 --> 00:05:46,046 (ドレゲネの声) メルキト族って どんな人たちなのかしら? 14 00:05:46,046 --> 00:05:48,048 (兄嫁)北の森に住んでいて→ 15 00:05:48,048 --> 00:05:51,017 メルゲンと呼ばれる 弓の名手が多いそうよ。 16 00:05:51,017 --> 00:05:53,019 メルゲン…。 17 00:05:53,019 --> 00:05:56,022 「メルゲンの民」だから 「メルキト」なんだとか。 18 00:05:56,022 --> 00:05:59,025 《要するに 野蛮な狩人ね》 19 00:06:00,060 --> 00:06:02,028 《まあ いいわ》 20 00:06:02,028 --> 00:06:05,065 《私は高価な贈り物》 21 00:06:05,065 --> 00:06:09,035 《貴重な宝石や 美しい毛皮と同じ》 22 00:06:10,036 --> 00:06:12,038 《それでいい…》 23 00:06:12,038 --> 00:06:16,042 《それが私の誇りだもの》 24 00:06:27,053 --> 00:06:29,022 《ここが メルキト族の…》 25 00:06:30,023 --> 00:06:33,026 《思った以上に寂しい所ね》 26 00:06:33,026 --> 00:06:35,028 《男の人が少ない…?》 27 00:06:35,028 --> 00:06:37,030 (ダイル)ドレゲネ。 あっ…。 28 00:06:37,030 --> 00:06:39,032 よく来たね。 29 00:06:39,032 --> 00:06:42,002 大した歓迎もできず 悪いな。 30 00:06:42,002 --> 00:06:46,006 旦那が こんなじじいで 驚いたかい? いえ…。 31 00:06:49,042 --> 00:06:51,044 《まあ いいわ》 32 00:06:51,044 --> 00:06:54,014 《年の差なんて 珍しい話でもないし…》 33 00:06:56,049 --> 00:07:02,022 〈けれど 夫婦になったダイルは 私に全く近づこうとしなかった〉 34 00:07:04,057 --> 00:07:06,026 〈それどころか…〉 35 00:07:07,060 --> 00:07:09,062 今日も お出かけですか? 36 00:07:09,062 --> 00:07:11,031 留守ばっかで すまねえな。 37 00:07:12,065 --> 00:07:14,067 それに もう移営って…。 38 00:07:14,067 --> 00:07:17,037 まだ ここに来たばかりですよ。 39 00:07:18,038 --> 00:07:21,041 (先輩妻)同じ所に長くいられないの。 40 00:07:21,041 --> 00:07:23,043 早く行ってやってください。 41 00:07:23,043 --> 00:07:25,045 (ダイル)うん…。 チュウ! 42 00:07:29,049 --> 00:07:31,051 何かあったら言ってね。 43 00:07:31,051 --> 00:07:33,053 はい。 あの…。 44 00:07:33,053 --> 00:07:36,056 (侍女)奥さま! これ どうなさいます? 45 00:07:36,056 --> 00:07:38,024 (先輩妻)ああ それはね…。 46 00:07:39,059 --> 00:07:43,029 《他の部族って こんな短い間に移動し続けるの?》 47 00:07:44,064 --> 00:07:47,033 《いいえ 何か… 何か変だわ》 48 00:07:47,033 --> 00:07:50,036 《まるで 何かから逃げ回ってるみたい》 49 00:07:53,073 --> 00:07:57,043 《まあ 私が考えても仕方ないか》 50 00:07:57,043 --> 00:08:00,046 《私は宝石でいればいいのよ》 51 00:08:00,046 --> 00:08:04,050 《宝石が ものを考えたところで 何になるの?》 52 00:08:08,054 --> 00:08:10,023 《ナイマンに帰りたい…》 53 00:08:12,058 --> 00:08:19,065 (荒い息) 54 00:08:20,066 --> 00:08:24,037 《私なんか いなくなったって 誰も気が付きやしないんだわ》 55 00:08:24,037 --> 00:08:28,041 《ダイルさまだって 他の人たちだって…》 56 00:08:28,041 --> 00:08:30,010 (クラン)待って! 57 00:08:31,044 --> 00:08:33,046 (クラン)そこを動かないで! 58 00:08:33,046 --> 00:08:35,014 キャアッ! 59 00:08:40,019 --> 00:08:42,021 危なかった~。 60 00:08:42,021 --> 00:08:44,024 けがはない? 61 00:08:45,091 --> 00:08:47,027 あっ…。 62 00:08:47,027 --> 00:08:49,029 さすが メルゲンね クルトガン。 63 00:08:49,029 --> 00:08:52,032 (クルトガン)別に? 普通だし。 64 00:08:52,032 --> 00:08:55,034 あら? あなた ドレゲネさんね! 65 00:08:55,034 --> 00:08:57,037 私の新しいお義母さま! 66 00:08:57,037 --> 00:08:59,038 (においを嗅ぐ音) 67 00:08:59,038 --> 00:09:01,040 (においを嗅ぐ音) 68 00:09:01,040 --> 00:09:03,043 私 クラン。 ダイルの娘よ。 69 00:09:03,043 --> 00:09:06,012 クルトガン! …です。 70 00:09:09,048 --> 00:09:14,053 〈クランはダイルの クルトガンは別の族長の 子供だった〉 71 00:09:14,053 --> 00:09:19,025 (クラン)見て! この川は もっと下流で カラ川とダル川に分かれるのよ。 72 00:09:19,025 --> 00:09:23,029 でね もっともっと流れていくと セレンゲ川に流れ込むの。 73 00:09:23,029 --> 00:09:26,032 私もクルトガンも そこで生まれたのよ。 74 00:09:26,032 --> 00:09:28,034 へえ~…。 75 00:09:28,034 --> 00:09:32,038 じゃあ もっと ずーっと先 川の最後はどうなってるか 知ってる? 76 00:09:32,038 --> 00:09:34,007 うーん…。 77 00:09:35,041 --> 00:09:39,045 北の空に 動かない星があるでしょ? 78 00:09:39,045 --> 00:09:42,048 その下には 大きな大きな穴があって→ 79 00:09:42,048 --> 00:09:46,052 世界中の川は みーんな そこに流れ込むのよ! 80 00:09:46,052 --> 00:09:50,023 まあ…! 知らなかったわ。 81 00:09:50,023 --> 00:09:52,025 フフフフフ…。 82 00:09:52,025 --> 00:09:54,027 自分じゃ見たことないくせに。 ぐっ…。 83 00:09:54,027 --> 00:09:57,030 もう… クルトガン! そうなの? 84 00:09:57,030 --> 00:10:01,034 (クルトガン)俺たちには 精霊と話せる カムの力がないからね。 85 00:10:01,034 --> 00:10:03,036 お父さまは カムでね→ 86 00:10:03,036 --> 00:10:07,040 何度も 川の果てに行ったことがあるんだって! 87 00:10:07,040 --> 00:10:10,043 魂が鳥になって 飛んでいくのよ。 88 00:10:10,043 --> 00:10:12,045 カム…。 89 00:10:13,046 --> 00:10:16,049 私にも カムの力があれば良かったのに。 90 00:10:16,049 --> 00:10:19,052 それか もっと弓がうまかったら…。 91 00:10:19,052 --> 00:10:21,054 確かに ひどいもんな。 92 00:10:21,054 --> 00:10:24,057 何よ! うるさいわね。 (クルトガン)自分で言ったんだろ! 93 00:10:24,057 --> 00:10:26,059 (クラン)何よ! (クルトガン)なんだよ! 94 00:10:26,059 --> 00:10:30,063 プッ… フフフフ…! (クラン)あっ! 笑った 笑った。 95 00:10:30,063 --> 00:10:33,032 ごめんなさい。 フフフフフ…! 96 00:10:33,032 --> 00:10:36,035 (3人の笑い声) 97 00:10:37,103 --> 00:10:42,075 〈その日から 私の中で 何かが変わったの〉 98 00:10:44,077 --> 00:10:50,049 〈周りの景色 一つ一つが 心の中に飛び込んでくるみたいだった〉 99 00:10:50,049 --> 00:11:00,059 ♬~ 100 00:11:00,059 --> 00:11:03,062 〈おかしさや喜びを感じた〉 101 00:11:03,062 --> 00:11:14,040 ♬~ 102 00:11:14,040 --> 00:11:18,044 〈不満や悲しみを感じた〉 103 00:11:18,044 --> 00:11:30,056 ♬~ 104 00:11:30,056 --> 00:11:35,028 〈私は ここでの日常を愛するようになった〉 105 00:11:35,028 --> 00:11:45,038 ♬~ 106 00:11:45,038 --> 00:11:48,007 〈そして 初めて理解したの〉 107 00:11:54,047 --> 00:11:56,049 みんな 起きろ! 108 00:11:56,049 --> 00:11:59,052 火を落とせ! すぐ逃げるんだ! 109 00:11:59,052 --> 00:12:02,021 どうしたの!? 族長たちの軍が突破された! 110 00:12:02,021 --> 00:12:04,023 奴らが ここまで来る! 111 00:12:05,058 --> 00:12:07,093 (いななき) うわっ…! 112 00:12:07,093 --> 00:12:10,029 ⚟(太鼓) 113 00:12:10,029 --> 00:12:12,031 (人々の悲鳴) 114 00:12:12,031 --> 00:12:14,033 (クラン)林の中へ! 115 00:12:14,033 --> 00:12:16,035 (人々の悲鳴) 116 00:12:16,035 --> 00:12:19,038 (クルトガン)クラン! ドレゲネさん! こっち! 117 00:12:19,038 --> 00:12:21,007 (クラン)クルトガン! 118 00:12:25,044 --> 00:12:27,046 (クルトガンの兄)どのくらい奪われた? 119 00:12:27,046 --> 00:12:29,048 (クルトガン)クドゥの家族がいない。 120 00:12:29,048 --> 00:12:31,017 チラウンの妻たちも…。 121 00:12:31,017 --> 00:12:33,019 (ダイル)ドレゲネ! 122 00:12:33,019 --> 00:12:35,021 (クラン)お父さま! 123 00:12:35,021 --> 00:12:37,023 怖かったろう。 124 00:12:37,023 --> 00:12:40,026 よく クランを守ってくれたな。 125 00:12:40,026 --> 00:12:43,029 守られたのは 私のほうです。 126 00:12:43,029 --> 00:12:45,064 あの… 一体 何が? 127 00:12:45,064 --> 00:12:50,036 (ダイル)やっぱり ナイマンで 何も知らされてなかったんだな。 128 00:12:50,036 --> 00:12:53,006 無理もねえか こんな話。 129 00:12:54,040 --> 00:12:56,042 俺たちには 敵がいる。 130 00:12:56,042 --> 00:12:58,011 モンゴル族のテムジン。 131 00:13:00,046 --> 00:13:03,049 (ダイル)今は チンギス・カンと呼ばれてる男だ。 132 00:15:07,039 --> 00:15:09,075 チンギス・カン…。 133 00:15:09,075 --> 00:15:15,047 (ダイル)俺たちメルキト族と モンゴル族は 昔から 小競り合いが絶えなくてな…。 134 00:15:15,047 --> 00:15:19,051 奴らには 家族や財産を散々奪われたし→ 135 00:15:19,051 --> 00:15:22,054 俺たちも 同じぐらい奪ってきた。 136 00:15:22,054 --> 00:15:28,027 ところが あのテムジンが おさになって 草原の均衡が崩れたんだ。 137 00:15:29,061 --> 00:15:33,065 (ダイル)あんたが ナイマンから こんなじじいのとこに よこされたのも→ 138 00:15:33,065 --> 00:15:36,035 対モンゴル同盟のためだったんだよ。 139 00:15:37,036 --> 00:15:41,040 でも もう限界かもしれねえなあ…。 140 00:15:42,041 --> 00:15:46,045 (クルトガン)ねえ 兄さん モンゴルに負けたら 俺たち どうなる? 141 00:15:46,045 --> 00:15:48,047 (クルトガンの兄)決まってるだろ。 142 00:15:48,047 --> 00:15:52,051 男は皆殺し 女や子供は奴らのものだ。 143 00:15:53,052 --> 00:15:56,055 (クルトガン) 怖い…。 俺 まだ死にたくない。 144 00:15:56,055 --> 00:15:59,025 (クルトガンの兄) 馬鹿! メルキトの男が情けねえ。 145 00:16:07,066 --> 00:16:09,068 (兵士)ウスン…。 146 00:16:09,068 --> 00:16:11,070 ウスン…。 147 00:16:11,070 --> 00:16:14,073 (クラン)ウスン。 「流れる川」。 148 00:16:14,073 --> 00:16:18,077 大地から頂いた カムとしてのお父さまの称号よ。 149 00:16:18,077 --> 00:16:22,048 いいか。 終わるまで 誰も立ち入っちゃなんねえよ。 150 00:16:23,082 --> 00:16:27,053 (ダイル)精霊に 俺たちの未来を問うてくる。 151 00:16:28,054 --> 00:16:32,058 (風の音) 152 00:16:32,058 --> 00:16:35,061 (ダイル)《精霊よ 天へ連れていってくれ》 153 00:16:35,061 --> 00:16:39,065 《われわれの未来を教えてくれ》 154 00:16:40,066 --> 00:16:45,071 ♬~(太鼓) 155 00:16:45,071 --> 00:17:04,056 ♬~ 156 00:17:04,056 --> 00:17:22,041 ♬~ 157 00:17:25,077 --> 00:17:43,062 ♬~ 158 00:17:43,062 --> 00:17:58,044 ♬~ 159 00:17:58,044 --> 00:18:00,046 (ダイル)ううっ…。 160 00:18:00,046 --> 00:18:02,048 ウスン! 161 00:18:04,050 --> 00:18:07,019 クラン… いるか…? 162 00:18:08,054 --> 00:18:11,057 (クラン)ここにいます お父さま。 163 00:18:11,057 --> 00:18:13,059 豊かな草原が見えた。 164 00:18:13,059 --> 00:18:17,096 川が いくつも分かれて流れていた…。 165 00:18:17,096 --> 00:18:20,066 そして その川をさかのぼると→ 166 00:18:20,066 --> 00:18:26,038 天にも届きそうな高い山に 清らかな源流があった。 167 00:18:26,038 --> 00:18:29,041 川は血脈…→ 168 00:18:29,041 --> 00:18:33,045 草原の民 モンゴルの血が広がっていく という意味だ。 169 00:18:33,045 --> 00:18:35,047 じゃあ…。 170 00:18:35,047 --> 00:18:37,049 俺たちは モンゴルに負ける。 171 00:18:40,052 --> 00:18:44,056 それじゃあ 俺たちは みんな 殺されるんですか? 172 00:18:44,056 --> 00:18:47,059 いや そんなことはさせねえ。 173 00:18:47,059 --> 00:18:49,061 精霊は こう言ってるんだ。 174 00:18:49,061 --> 00:18:52,064 モンゴルへ下っても メルキトの血は続くと。 175 00:18:52,064 --> 00:18:56,035 しかし チンギス・カンは 俺たちを許すでしょうか? 176 00:18:56,035 --> 00:19:01,007 もちろん それには 相応のものを差し出して わびるしかねえ。 177 00:19:02,074 --> 00:19:04,043 (ダイル)清らかな源流…→ 178 00:19:04,043 --> 00:19:08,047 俺の娘をチンギス・カンにささげる。 179 00:19:08,047 --> 00:19:10,049 クラン。 180 00:19:11,050 --> 00:19:15,054 駄目よ! クランを犠牲にするなんて 絶対駄目! 181 00:19:15,054 --> 00:19:17,056 この子は 心ある人間よ。 182 00:19:17,056 --> 00:19:20,059 宝石や毛皮じゃないのよ! 183 00:19:22,061 --> 00:19:26,065 私とは違うのよ…。 184 00:19:28,067 --> 00:19:30,069 (クラン)ドレゲネ。 185 00:19:30,069 --> 00:19:33,072 ありがとう。 大丈夫よ。 186 00:19:33,072 --> 00:19:35,041 クラン…? 187 00:19:36,075 --> 00:19:40,079 お父さま クランはうれしいです。 188 00:19:40,079 --> 00:19:44,083 今まで 守られるばかりの女の身が 悔しかった。 189 00:19:44,083 --> 00:19:48,054 でも 今度は 私が みんなを守る矢となりましょう。 190 00:19:48,054 --> 00:19:50,056 おまえ…。 191 00:19:50,056 --> 00:19:52,058 メルキト族は 弓の名手。 192 00:19:52,058 --> 00:19:56,062 メルゲンの民の娘が オオカミを仕留めてご覧に入れます。 193 00:20:01,067 --> 00:20:06,072 〈こうして私たちは モンゴルに下った〉 194 00:20:06,072 --> 00:20:08,074 〈クランは→ 195 00:20:08,074 --> 00:20:14,080 モンゴルとメルキトの間に連なる 長い長い憎しみの連鎖を断ち切って→ 196 00:20:14,080 --> 00:20:17,049 メルキト人たちの命を救ったの〉 197 00:20:20,052 --> 00:20:24,056 〈一方 クルトガンたち 別のメルキトの氏族は→ 198 00:20:24,056 --> 00:20:27,059 あくまで モンゴルに抵抗する道を選び→ 199 00:20:27,059 --> 00:20:29,061 西へ逃れていった〉 200 00:20:33,065 --> 00:20:35,067 みんな 集まったな。 201 00:20:35,067 --> 00:20:38,070 (女性)どうしたのです? 急に。 202 00:20:38,070 --> 00:20:40,072 《若い女ばかり》 203 00:20:40,072 --> 00:20:42,041 (イルケ)あなたが ダイル・ウスンか。 204 00:20:42,041 --> 00:20:46,045 われわれは カンの第三皇子 オゴタイさまに 仕えている者だ。 205 00:20:46,045 --> 00:20:50,049 今は 軍の後方で待機し 補給を担っている。 206 00:20:50,049 --> 00:20:53,052 そうかい。 なら 安心だ。 207 00:20:53,052 --> 00:20:55,054 この女たちを頼むよ。 208 00:20:55,054 --> 00:20:57,056 ダイルさま!? 209 00:20:57,056 --> 00:21:02,061 おまえたちの身は モンゴルの身分ある方々に 引き取ってもらう。 210 00:21:02,061 --> 00:21:04,063 そんな…! 211 00:21:04,063 --> 00:21:07,066 ドレゲネ… みんな 聞きなさい。 212 00:21:07,066 --> 00:21:11,036 モンゴルが許してくれたのは あくまで命だけだ。 213 00:21:11,036 --> 00:21:15,040 今までの争いまで 水に流したわけじゃねえ。 214 00:21:15,040 --> 00:21:18,043 俺たちは 奴隷の身に落ちるだろう。 215 00:21:18,043 --> 00:21:20,079 だが おまえたちは違う。 216 00:21:20,079 --> 00:21:23,048 おまえたち女の人生は これからだ。 217 00:21:23,048 --> 00:21:25,050 ここで幸せにおなり。 218 00:21:27,052 --> 00:21:29,054 なあ あんた。 219 00:21:29,054 --> 00:21:32,057 ちゃんと 皇子やカンに伝えるんだぜ。 220 00:21:32,057 --> 00:21:37,062 この女たちは メルキトとは もう無関係。 この先も ずっとな。 221 00:21:37,062 --> 00:21:39,064 こ… 心得た。 222 00:21:42,034 --> 00:21:45,037 (ダイル)ドレゲネ 手を出しな。 223 00:21:51,043 --> 00:21:54,046 (ダイル)ジャダ石。 嵐を呼ぶ石だ。 224 00:21:55,047 --> 00:21:59,051 こんなものしかやれねえが 餞別だよ。 225 00:22:00,052 --> 00:22:04,023 あんたがうちに来てくれて 楽しかった。 226 00:22:05,057 --> 00:22:07,026 (ダイル)じゃあな。 227 00:22:08,060 --> 00:22:10,029 笑って生きなさい。 228 00:22:19,038 --> 00:22:23,042 (ドレゲネの声) その日の夜は ひどく静かだった。 229 00:22:25,177 --> 00:22:28,180 ⚞(兵士)馬を回せ! 早く! ⚞(兵士)りょ… 了解。 230 00:22:33,052 --> 00:22:37,056 〈燃えているような 血のような…→ 231 00:22:37,056 --> 00:22:40,059 あんな不気味な空は 見たことがなかった〉 232 00:22:40,059 --> 00:22:42,061 (兵士)何が起きたんすか? 233 00:22:42,061 --> 00:22:46,098 (兵士)反乱だ。 捕虜兵が山に立てこもりやがった! 234 00:22:46,098 --> 00:22:49,068 既に オゴタイさまの軍が 討伐に向かっている。 235 00:22:49,068 --> 00:22:51,070 クソッ! ダイル・ウスンめ。 236 00:22:51,070 --> 00:22:53,038 これだから メルキト族は信用できん。 237 00:22:54,073 --> 00:22:56,075 どいて! チュウ! 238 00:22:56,075 --> 00:22:58,043 おい! 待て! 239 00:23:02,081 --> 00:23:06,051 〈そうよ モンゴルが彼らを許しても…〉 240 00:23:08,053 --> 00:23:12,057 〈彼らは モンゴルを許してなんかいなかったの〉 241 00:23:12,057 --> 00:23:15,060 (ダイル)俺たちは 森の狩人だ。 242 00:23:15,060 --> 00:23:18,063 羊飼いどもの奴隷にはならねえ。 243 00:23:18,063 --> 00:23:21,066 (ダイルの声)ここで幸せにおなり。 244 00:23:21,066 --> 00:23:24,069 〈じゃあ あの言葉も嘘?〉 245 00:23:24,069 --> 00:23:28,073 〈いいえ きっと 全部 彼の本心だった〉 246 00:23:28,073 --> 00:23:32,044 〈だからこそ 私に何も教えてくれなかったんだわ〉 247 00:23:35,080 --> 00:23:40,052 〈でもね ダイルさまは 一つ 大きな見落としをしていた〉 248 00:23:40,052 --> 00:23:46,058 〈あの方が思うより ずっと 私は あの方を…〉 249 00:23:46,058 --> 00:23:51,063 (荒い息) 250 00:23:52,064 --> 00:23:55,034 (荒い息) 251 00:23:56,035 --> 00:23:58,037 あっ…! あっ…。 252 00:23:58,037 --> 00:24:01,040 (オゴタイ)ああ そうか。 253 00:24:01,040 --> 00:24:05,044 (オゴタイ)カムの魂は 天に昇れるんだった。 254 00:24:06,045 --> 00:24:10,049 体に穴を開けちゃ 取り逃がすわけだ。 255 00:24:11,050 --> 00:24:13,018 (オゴタイ)赤い川のようだね。 256 00:24:14,053 --> 00:24:16,021 あっ…。 257 00:24:18,057 --> 00:24:20,025 (オゴタイ)君は…。 258 00:24:25,064 --> 00:24:27,032 (イルケ)貴様 なぜ ここにいる! 259 00:24:28,067 --> 00:24:31,036 〈反乱は あっけなく鎮圧された〉 260 00:24:32,037 --> 00:24:37,042 〈クルトガンたちも 殺されてしまったって 後になって聞いたわ〉 261 00:24:39,044 --> 00:24:42,047 〈そして チンギス・カンが帰還した時→ 262 00:24:42,047 --> 00:24:45,050 反乱のことは クランの耳にも届いた〉 263 00:24:46,051 --> 00:24:48,020 〈あの子は それを聞いた時…〉 264 00:24:51,023 --> 00:24:55,060 愚かな父の招いた 当然の報いです。 265 00:24:55,060 --> 00:24:59,031 カンのご威光は 何人にも傷つけられません。 266 00:25:00,065 --> 00:25:05,037 〈クラン… あなたは あの時 どうして笑っていられたの?〉 267 00:25:05,037 --> 00:25:10,042 〈その後 私はオゴタイに嫁ぎ 生かされた〉 268 00:25:13,045 --> 00:25:15,047 (グユクの泣き声) 269 00:25:15,047 --> 00:25:17,049 〈彼の子供も産んだわ〉 270 00:25:18,050 --> 00:25:22,054 〈過ぎていく日々は穏やかだった〉 271 00:25:22,054 --> 00:25:25,057 〈けれど 私は ずっと→ 272 00:25:25,057 --> 00:25:30,028 この帝国を めちゃくちゃにするような嵐を 待っているの〉 273 00:25:31,063 --> 00:25:35,034 さっき 助けたのは あなたが笑っていたからよ。 274 00:25:35,034 --> 00:25:38,036 あの時のクランと似ていたの。 275 00:25:38,036 --> 00:25:40,039 今なら もう分かる。 276 00:25:40,039 --> 00:25:44,043 本当は どれほど悲しくて 悔しかったか 知れない。 277 00:25:45,043 --> 00:25:49,047 けれど あの子は 自分の役割を ちゃんと知っていたんだわ。 278 00:25:49,047 --> 00:25:54,053 あの時 誰よりも私が それを分かってあげるべきだったのに…。 279 00:25:56,054 --> 00:25:59,024 それで? あなた 本当は誰? 280 00:26:00,059 --> 00:26:02,061 (シタラ)私は…。 281 00:26:02,061 --> 00:26:04,063 まあ いいわ。 282 00:26:04,063 --> 00:26:06,064 あなたが誰であろうと どうせ…。 283 00:26:06,064 --> 00:26:08,066 ソルコクタニさまが おっしゃいました。 284 00:26:08,066 --> 00:26:10,069 トルイさまと大カアン。 285 00:26:10,069 --> 00:26:15,073 軍事力と権威のねじれは きっと 不幸の種になると。 286 00:26:15,073 --> 00:26:19,078 つまり 今 この国は かつてなく もろい…。 287 00:26:19,078 --> 00:26:21,046 あなた…。 288 00:26:22,081 --> 00:26:26,051 私の名はシタラ。 奴隷です。 289 00:26:26,051 --> 00:26:29,054 お仕えしていた奥さまを モンゴル軍に殺され→ 290 00:26:29,054 --> 00:26:31,056 あの方の大切な本も奪われました。 291 00:26:31,056 --> 00:26:35,093 本を取り戻すことが 私にできる最後のつとめだと。 292 00:26:35,093 --> 00:26:40,065 けれど むやみに抵抗すれば また不幸が起こるかもと…。 293 00:26:40,065 --> 00:26:45,070 それが恐ろしくて 今日まで 漫然と生きてまいりましたが→ 294 00:26:45,070 --> 00:26:48,040 きっと 私も この時を待っていたのです。 295 00:26:49,074 --> 00:26:52,044 しかし 私たちに何ができると? 296 00:26:52,044 --> 00:26:59,051 ♬~ 297 00:26:59,051 --> 00:27:01,053 知恵がございます。 298 00:27:02,054 --> 00:27:06,058 私が あなたさまの新たなジャダ石と なりましょう。 299 00:27:06,058 --> 00:27:09,061 どうか 力をお貸しください。 300 00:27:11,063 --> 00:27:15,067 2人でなら 嵐も起こせましょう。 301 00:27:16,068 --> 00:27:18,036 ♬~