1 00:00:07,424 --> 00:00:09,426 {\an8}♪~ 2 00:01:34,928 --> 00:01:36,930 {\an8}~♪ 3 00:01:46,231 --> 00:01:48,608 (羊の鳴き声) 4 00:01:54,364 --> 00:01:56,950 (侍女)お嬢さま~! 5 00:01:58,451 --> 00:02:00,537 お嬢さま~! 6 00:02:00,620 --> 00:02:01,830 (馬の足音) 7 00:02:01,913 --> 00:02:05,792 (侍女)ハァ… まあ 何をなさってるんですか? 8 00:02:05,875 --> 00:02:08,211 お支度の時間ですよ 9 00:02:08,294 --> 00:02:09,712 ハァ… 10 00:02:09,796 --> 00:02:10,964 (ドレゲネ)行くわ 11 00:02:12,507 --> 00:02:15,093 (風の音) 12 00:02:15,176 --> 00:02:16,636 (ドレゲネ)フゥ… 13 00:02:18,763 --> 00:02:21,641 さようなら ナイマン 14 00:02:24,686 --> 00:02:27,272 (現在のドレゲネ) ここより ずっと西の国 15 00:02:27,355 --> 00:02:29,983 ナイマン族の縁者だった私は— 16 00:02:30,066 --> 00:02:35,113 同盟関係にあるメルキト族のもとに 嫁ぐことが決まっていた 17 00:02:35,530 --> 00:02:38,157 (ドレゲネ)メルキト族って どんな人たちなのかしら? 18 00:02:38,908 --> 00:02:40,702 (ドレゲネの兄嫁) 北の森に住んでいて 19 00:02:40,785 --> 00:02:43,621 メルゲンと呼ばれる弓の名手が 多いそうよ 20 00:02:44,289 --> 00:02:45,290 (ドレゲネ)メルゲン… 21 00:02:45,373 --> 00:02:46,958 (ドレゲネの兄嫁) メルゲンの民だから— 22 00:02:47,041 --> 00:02:48,710 メルキトなんだとか 23 00:02:48,793 --> 00:02:51,921 (ドレゲネ) 要するに 野蛮な狩人ね 24 00:02:53,256 --> 00:02:54,132 まあいいわ 25 00:02:55,383 --> 00:02:57,093 私は高価な贈り物 26 00:02:58,386 --> 00:03:01,973 貴重な宝石や美しい毛皮と同じ 27 00:03:02,974 --> 00:03:04,767 それでいい 28 00:03:04,851 --> 00:03:08,438 それが私の誇りだもの 29 00:03:14,193 --> 00:03:15,945 {\an8}(女性)あの人ね… 30 00:03:17,197 --> 00:03:18,907 (ドレゲネ)ハァ… 31 00:03:18,990 --> 00:03:19,824 (先輩妻)フフッ… 32 00:03:19,908 --> 00:03:21,659 (ドレゲネ)ここがメルキト族の… 33 00:03:22,869 --> 00:03:25,496 思った以上に寂しい所ね 34 00:03:25,955 --> 00:03:28,291 男の人が少ない? 35 00:03:28,374 --> 00:03:29,918 -(ダイル)ドレゲネ -(ドレゲネ)あっ… 36 00:03:30,668 --> 00:03:32,295 (ダイル)よく来たね 37 00:03:32,378 --> 00:03:34,881 大した歓迎もできず 悪いな 38 00:03:35,590 --> 00:03:38,134 旦那が こんなじじいで 驚いたかい? 39 00:03:38,217 --> 00:03:39,427 (ドレゲネ)いえ 40 00:03:41,930 --> 00:03:43,306 (ドレゲネ)まあ いいわ 41 00:03:44,015 --> 00:03:47,101 年の差なんて珍しい話でもないし 42 00:03:48,978 --> 00:03:51,856 (現在のドレゲネ) けれど 夫婦になったダイルは— 43 00:03:51,940 --> 00:03:54,901 私に全く近づこうとしなかった 44 00:03:57,278 --> 00:03:58,863 それどころか… 45 00:03:59,948 --> 00:04:01,366 (ドレゲネ) 今日も お出かけですか? 46 00:04:01,449 --> 00:04:04,327 (ダイル) 留守ばっかで すまねえな 47 00:04:05,119 --> 00:04:06,788 (ドレゲネ) それに もう移営って… 48 00:04:07,455 --> 00:04:09,749 まだ ここに来たばかりですよ 49 00:04:09,832 --> 00:04:11,042 (ダイル)フゥ… 50 00:04:11,125 --> 00:04:14,087 (先輩妻) 同じ所に長くいられないの 51 00:04:14,170 --> 00:04:15,630 早く行ってやってください 52 00:04:15,713 --> 00:04:16,798 -(ダイル)うん -(ドレゲネ)ハッ… 53 00:04:16,881 --> 00:04:17,924 (ダイル)チュウ! 54 00:04:21,803 --> 00:04:23,763 何かあったら言ってね 55 00:04:23,846 --> 00:04:25,515 (ドレゲネ)は… はい あの… 56 00:04:25,598 --> 00:04:28,726 (侍女)奥さま! これ どうなさいます? 57 00:04:28,810 --> 00:04:30,979 (先輩妻)ああ それはね… 58 00:04:32,105 --> 00:04:36,192 (ドレゲネ)ほかの部族って こんな短い間に移動し続けるの? 59 00:04:36,901 --> 00:04:40,613 いいえ 何か… 何か変だわ 60 00:04:40,697 --> 00:04:43,324 まるで 何かから 逃げ回ってるみたい 61 00:04:46,327 --> 00:04:49,831 まあ 私が考えてもしかたないか 62 00:04:50,456 --> 00:04:52,792 私は宝石でいればいいのよ 63 00:04:53,376 --> 00:04:57,046 宝石が ものを考えたところで 何になるの 64 00:04:58,923 --> 00:05:00,008 (泣き声) 65 00:05:01,092 --> 00:05:03,261 (ドレゲネ)ナイマンに帰りたい 66 00:05:05,680 --> 00:05:08,933 (ドレゲネ)ハァハァ… 67 00:05:09,017 --> 00:05:11,436 (タカの鳴き声) 68 00:05:11,519 --> 00:05:12,979 (ドレゲネ)ハァ… 69 00:05:13,062 --> 00:05:14,939 (ドレゲネ) 私なんか いなくなったって— 70 00:05:15,023 --> 00:05:17,692 誰も気がつきやしないんだわ 71 00:05:17,775 --> 00:05:20,695 ダイルさまだって ほかの人たちだって 72 00:05:21,362 --> 00:05:22,530 -(クラン)待って! -(ドレゲネ)ハッ… 73 00:05:23,031 --> 00:05:24,240 アア… 74 00:05:24,324 --> 00:05:25,908 (クラン)そこを動かないで! 75 00:05:26,534 --> 00:05:27,368 (悲鳴) 76 00:05:29,495 --> 00:05:30,329 ハッ… 77 00:05:32,123 --> 00:05:34,792 (クラン)ハァハァ… 危なかった 78 00:05:34,876 --> 00:05:36,044 ケガはない? 79 00:05:36,127 --> 00:05:37,795 (ドレゲネ)アア… 80 00:05:38,421 --> 00:05:39,255 あっ… 81 00:05:39,672 --> 00:05:42,175 {\an8}(クラン)さすが メルゲンね クルトガン 82 00:05:42,258 --> 00:05:44,844 {\an8}(クルトガン) 別に? 普通だし 83 00:05:44,927 --> 00:05:45,762 {\an8}(クラン)あら? 84 00:05:46,262 --> 00:05:48,139 あなた ドレゲネさんね! 85 00:05:48,222 --> 00:05:50,141 私の新しいお母さま! 86 00:05:50,224 --> 00:05:51,726 (ドレゲネ)ハッ… アア… 87 00:05:53,853 --> 00:05:56,272 私 クラン ダイルの娘よ 88 00:05:56,355 --> 00:05:57,440 クルトガン 89 00:05:58,274 --> 00:05:59,108 …です 90 00:06:01,861 --> 00:06:03,446 (現在のドレゲネ) クランはダイルの— 91 00:06:03,529 --> 00:06:06,657 クルトガンは 別の族長の子供だった 92 00:06:06,741 --> 00:06:07,575 (クラン)見て! 93 00:06:07,658 --> 00:06:09,786 {\an8}この川は もっと下流で 94 00:06:09,869 --> 00:06:11,996 カラ川とダル川に分かれるのよ 95 00:06:12,080 --> 00:06:16,501 でね もっと もっと流れていくと セレンゲ川に流れ込むの 96 00:06:16,584 --> 00:06:19,253 私もクルトガンも そこで生まれたのよ 97 00:06:19,337 --> 00:06:20,671 (ドレゲネ)へえ~ 98 00:06:20,755 --> 00:06:22,673 (クラン)じゃ もっと ず~っと先 99 00:06:22,757 --> 00:06:25,343 川の最後は どうなってるか知ってる? 100 00:06:25,426 --> 00:06:26,719 (ドレゲネ)う~ん… 101 00:06:26,803 --> 00:06:28,054 (クラン)ンッ… ンンッ… 102 00:06:28,137 --> 00:06:31,140 北の空に 動かない星があるでしょう? 103 00:06:31,724 --> 00:06:35,228 (クラン)その下には 大きな大きな穴があって 104 00:06:35,311 --> 00:06:39,190 世界中の川は み~んな そこに流れ込むのよ 105 00:06:39,273 --> 00:06:40,441 (ドレゲネ)まあ! 106 00:06:41,401 --> 00:06:42,819 知らなかったわ 107 00:06:42,902 --> 00:06:44,362 (クラン)フフフフッ… 108 00:06:44,445 --> 00:06:45,863 (クルトガン) 自分じゃ見たことないくせに 109 00:06:45,947 --> 00:06:46,781 (クラン)ウッ… 110 00:06:46,864 --> 00:06:49,075 もう クルトガン! 111 00:06:49,158 --> 00:06:50,284 (ドレゲネ)そうなの? 112 00:06:50,368 --> 00:06:54,122 (クルトガン)俺たちには 精霊と話せる巫者(カム)の力がないからね 113 00:06:54,205 --> 00:06:56,124 (クラン)お父さまは巫者(カム)でね 114 00:06:56,207 --> 00:06:59,168 何度も 川の果てに 行ったことがあるんだって 115 00:06:59,710 --> 00:07:02,880 魂が鳥になって飛んでいくのよ~! 116 00:07:03,423 --> 00:07:04,465 (ドレゲネ)巫者(カム)… 117 00:07:04,549 --> 00:07:05,758 フゥ… 118 00:07:05,842 --> 00:07:08,970 私にも 巫者(カム)の力が あればよかったのに 119 00:07:09,053 --> 00:07:11,639 それか もっと弓がうまかったら 120 00:07:11,722 --> 00:07:13,474 (クルトガン) 確かに ひどいもんな 121 00:07:13,558 --> 00:07:15,268 (クラン)何よ うるさいわね! 122 00:07:15,351 --> 00:07:16,769 (クルトガン) 自分で言ったんだろう! 123 00:07:16,853 --> 00:07:17,854 (クラン)何よ! 124 00:07:17,937 --> 00:07:19,147 (クルトガン)何だよ! 125 00:07:19,230 --> 00:07:20,815 -(ドレゲネ)プッ! フフフッ… -(クラン)あっ! 126 00:07:20,898 --> 00:07:23,276 笑った 笑った! ハハハッ! 127 00:07:23,359 --> 00:07:25,278 (ドレゲネ)ごめんなさい フフフフッ… 128 00:07:25,361 --> 00:07:28,781 (笑い声) 129 00:07:30,658 --> 00:07:34,954 (現在のドレゲネ)その日から 私の中で何かが変わったの 130 00:07:36,998 --> 00:07:39,500 周りの景色ひとつひとつが— 131 00:07:39,584 --> 00:07:42,420 心の中に 飛び込んでくるみたいだった 132 00:07:52,722 --> 00:07:56,350 おかしさや喜びを感じた 133 00:08:07,528 --> 00:08:11,073 不満や悲しみを感じた 134 00:08:23,461 --> 00:08:27,882 私は ここでの日常を 愛するようになった 135 00:08:37,975 --> 00:08:41,270 そして 初めて理解したの 136 00:08:47,485 --> 00:08:48,528 (伝令)みんな 起きろ! 137 00:08:48,611 --> 00:08:50,488 -(ドレゲネ)アア… -(伝令)火を落とせ! 138 00:08:50,571 --> 00:08:52,281 すぐ逃げるんだ! 139 00:08:52,365 --> 00:08:53,199 (ドレゲネ)どうしたの!? 140 00:08:53,282 --> 00:08:55,076 (伝令) 族長たちの軍が突破された! 141 00:08:55,618 --> 00:08:57,537 ヤツらが ここまで来る! 142 00:08:58,204 --> 00:08:59,705 (いななき) (伝令)ウワッ! ンッ! 143 00:08:59,789 --> 00:09:02,833 (モンゴル兵たち)オオーッ! (馬の駆ける音) 144 00:09:02,917 --> 00:09:04,460 (女性たちの悲鳴) 145 00:09:05,419 --> 00:09:07,129 (クラン)林の中へ! 146 00:09:07,213 --> 00:09:08,798 ハァハァハァ… 147 00:09:08,881 --> 00:09:11,759 (クルトガン) クラン ドレゲネさん こっち! 148 00:09:11,842 --> 00:09:12,802 (クラン)クルトガン! 149 00:09:15,554 --> 00:09:17,723 (うめき声) 150 00:09:17,807 --> 00:09:19,183 (クルトガンの兄) どのくらい奪われた? 151 00:09:19,684 --> 00:09:21,686 (クルトガン) クドゥの家族がいない 152 00:09:21,769 --> 00:09:23,354 チラウンの妻たちも… 153 00:09:24,522 --> 00:09:25,856 -(ダイル)ドレゲネ! -(ドレゲネたち)ハッ… 154 00:09:25,940 --> 00:09:27,692 -(ダイル)ハァハァ… -(クラン)お父さま! 155 00:09:28,484 --> 00:09:30,319 (ダイル)怖かったろう 156 00:09:30,403 --> 00:09:32,530 よくクランを守ってくれたな 157 00:09:32,613 --> 00:09:35,658 (ドレゲネ)ンッ… 守られたのは私のほうです 158 00:09:35,741 --> 00:09:38,077 あの… 一体 何が? 159 00:09:38,703 --> 00:09:42,415 (ダイル)やっぱり ナイマンで 何も知らされてなかったんだな 160 00:09:42,999 --> 00:09:45,501 ムリもねえか こんな話 161 00:09:46,961 --> 00:09:48,796 俺たちには敵がいる 162 00:09:49,380 --> 00:09:51,007 モンゴル族のテムジン 163 00:09:52,883 --> 00:09:56,387 (ダイル)今は チンギス・カンと呼ばれてる男だ 164 00:10:00,474 --> 00:10:01,976 チンギス・カン… 165 00:10:02,059 --> 00:10:04,729 (ダイル) 俺たちメルキト族とモンゴル族は 166 00:10:04,812 --> 00:10:07,440 昔から小競り合いが絶えなくてな 167 00:10:07,523 --> 00:10:09,775 ヤツらには 家族や財産を— 168 00:10:09,859 --> 00:10:12,403 さんざん奪われたし— 169 00:10:12,486 --> 00:10:14,113 俺たちも同じぐらい奪ってきた 170 00:10:15,489 --> 00:10:18,451 ところが あのテムジンが長(おさ)になって 171 00:10:18,534 --> 00:10:21,245 草原の均衡が崩れたんだ 172 00:10:22,079 --> 00:10:23,414 あんたがナイマンから— 173 00:10:23,497 --> 00:10:26,167 こんなじじいのとこに よこされたのも— 174 00:10:26,250 --> 00:10:29,545 対モンゴル同盟のためだったんだよ 175 00:10:29,629 --> 00:10:30,463 でも… 176 00:10:31,547 --> 00:10:34,258 もう限界かもしれねえな 177 00:10:34,967 --> 00:10:36,469 (クルトガン)ねえ 兄さん 178 00:10:36,552 --> 00:10:39,597 モンゴルに負けたら 俺たち どうなる? 179 00:10:39,680 --> 00:10:41,057 (クルトガンの兄) 決まってるだろう 180 00:10:41,140 --> 00:10:44,685 男は皆殺し 女や子供はヤツらのものだ 181 00:10:44,769 --> 00:10:46,729 (クルトガン)ウウッ… 怖い 182 00:10:46,812 --> 00:10:48,272 俺 まだ死にたくない 183 00:10:48,356 --> 00:10:49,523 (クルトガンの兄)バカ! 184 00:10:49,607 --> 00:10:51,984 メルキトの男が情けねえ 185 00:10:52,068 --> 00:10:52,985 (ダイル)フゥ… 186 00:11:00,701 --> 00:11:01,869 (側近兵)ウスン… 187 00:11:01,952 --> 00:11:03,204 (女性)ウスン… 188 00:11:03,788 --> 00:11:04,622 (クラン)ウスン… 189 00:11:05,122 --> 00:11:10,961 流れる川 大地から いただいた 巫者(カム)としてのお父さまの称号よ 190 00:11:11,045 --> 00:11:14,924 (ダイル)いいか? 終わるまで 誰も立ち入っちゃなんねえよ 191 00:11:16,300 --> 00:11:20,221 精霊に俺たちの未来を問うてくる 192 00:11:21,055 --> 00:11:24,850 (風の音) 193 00:11:24,934 --> 00:11:28,479 (ダイル)精霊よ 天へ連れていってくれ 194 00:11:28,562 --> 00:11:31,524 我々の未来を教えてくれ 195 00:11:33,776 --> 00:11:36,862 (呼吸音) (太鼓の演奏) 196 00:11:48,082 --> 00:11:50,000 (風の音) 197 00:12:01,178 --> 00:12:06,058 (太鼓のリズムが速くなる) 198 00:12:19,155 --> 00:12:20,740 アア~… 199 00:12:28,372 --> 00:12:29,206 ハッ… 200 00:12:35,504 --> 00:12:37,965 アア~… 201 00:12:51,187 --> 00:12:52,730 (ダイル)ウウッ! 202 00:12:52,813 --> 00:12:54,482 (側近兵)ウスン! アア… 203 00:12:55,900 --> 00:12:59,028 ウウッ… クラン… いるか? 204 00:12:59,570 --> 00:13:00,905 -(クラン)あっ… -(ドレゲネ)あっ… 205 00:13:00,988 --> 00:13:03,073 (クラン)ここにいます お父さま 206 00:13:03,824 --> 00:13:06,494 (ダイル)豊かな草原が見えた 207 00:13:06,577 --> 00:13:09,830 川が いくつも分かれて流れていた 208 00:13:10,456 --> 00:13:13,209 (ダイル)そして その川を遡ると 209 00:13:13,292 --> 00:13:18,923 天にも届きそうな高い山に 清らかな源流があった 210 00:13:19,381 --> 00:13:22,885 川は血脈… 草原の民 211 00:13:23,469 --> 00:13:26,680 モンゴルの血が 広がっていくという意味だ 212 00:13:26,764 --> 00:13:27,598 (ドレゲネ)じゃ… 213 00:13:27,681 --> 00:13:30,309 (ダイル) 俺たちはモンゴルに負ける 214 00:13:30,392 --> 00:13:32,978 (女性たち)ウウッ… 215 00:13:33,062 --> 00:13:36,565 (側近兵)それじゃ 俺たちは みんな殺されるんですか? 216 00:13:36,649 --> 00:13:39,026 いや そんなことはさせねえ 217 00:13:39,735 --> 00:13:41,904 精霊は こう言ってるんだ 218 00:13:41,987 --> 00:13:45,533 モンゴルへ下っても メルキトの血は続くと 219 00:13:45,616 --> 00:13:46,951 {\an8}(兵士)しかし チンギス・カンは— 220 00:13:47,034 --> 00:13:49,245 {\an8}俺たちを 許すでしょうか? 221 00:13:49,328 --> 00:13:50,704 {\an8}(ダイル) もちろん それには— 222 00:13:50,788 --> 00:13:54,291 {\an8}相応のものを差し出して わびるしかねえ 223 00:13:54,792 --> 00:13:58,462 {\an8}清らかな源流 俺の娘を— 224 00:13:58,546 --> 00:14:01,006 {\an8}チンギス・カンに ささげる 225 00:14:01,090 --> 00:14:02,299 {\an8}-(ダイル)クラン -(ドレゲネ)ハッ… 226 00:14:02,883 --> 00:14:04,385 {\an8}クッ… ダメよ! 227 00:14:05,094 --> 00:14:07,096 クランを犠牲にするなんて 絶対ダメ! 228 00:14:07,805 --> 00:14:10,266 この子は 心ある人間よ! 229 00:14:10,349 --> 00:14:12,476 宝石や毛皮じゃないのよ! 230 00:14:12,560 --> 00:14:13,602 ハッ… 231 00:14:15,563 --> 00:14:17,189 私とは… 232 00:14:17,273 --> 00:14:18,816 違うのよ 233 00:14:21,527 --> 00:14:22,903 -(クラン)ドレゲネ -(ドレゲネ)ハッ… 234 00:14:22,987 --> 00:14:25,823 (クラン)ありがとう 大丈夫よ 235 00:14:26,407 --> 00:14:27,616 (ドレゲネ)クラン… 236 00:14:29,368 --> 00:14:32,663 お父さま クランは うれしいです 237 00:14:32,746 --> 00:14:36,500 今まで 守られるばかりの女の身が 悔しかった 238 00:14:36,584 --> 00:14:40,713 でも 今度は 私が みんなを守る矢となりましょう 239 00:14:40,796 --> 00:14:42,506 (ダイル)お前… 240 00:14:42,590 --> 00:14:45,134 (クラン)メルキト族は弓の名手 241 00:14:45,217 --> 00:14:49,305 メルゲンの民の娘が オオカミをしとめてご覧に入れます 242 00:14:54,685 --> 00:14:58,397 (現在のドレゲネ)こうして 私たちはモンゴルに下った 243 00:14:59,398 --> 00:15:00,524 クランは— 244 00:15:00,608 --> 00:15:07,197 モンゴルとメルキトの間に連なる 長い長い憎しみの連鎖を断ち切って 245 00:15:07,281 --> 00:15:09,491 メルキト人たちの命を救ったの 246 00:15:13,162 --> 00:15:17,124 一方 クルトガンたち 別のメルキトの氏族は— 247 00:15:17,207 --> 00:15:19,835 あくまで モンゴルに抵抗する道を選び 248 00:15:19,918 --> 00:15:22,254 西へ逃れていった 249 00:15:26,550 --> 00:15:28,260 (ダイル)みんな集まったな? 250 00:15:28,344 --> 00:15:30,137 (女性)どうしたのです? 急に 251 00:15:30,721 --> 00:15:32,222 (ドレゲネ)若い女ばかり 252 00:15:32,306 --> 00:15:34,600 (イルケ) あなたがダイル・ウスンか 253 00:15:34,683 --> 00:15:38,979 我々は カンの第3皇子 オゴタイさまに仕えている者だ 254 00:15:39,063 --> 00:15:42,691 今は 軍の後方で待機し 補給を担っている 255 00:15:42,775 --> 00:15:45,861 そうかい なら 安心だ 256 00:15:45,945 --> 00:15:47,655 この女たちを頼むよ 257 00:15:47,738 --> 00:15:49,490 -(女性たち)えっ? -(ドレゲネ)ダイルさま!? 258 00:15:50,574 --> 00:15:54,953 お前たちの身は モンゴルの 身分ある方々に引き取ってもらう 259 00:15:55,037 --> 00:15:56,413 (ドレゲネ)そんな… 260 00:15:56,497 --> 00:15:59,875 (ダイル)ドレゲネ みんな 聞きなさい 261 00:15:59,958 --> 00:16:03,837 モンゴルが許してくれたのは あくまで命だけだ 262 00:16:03,921 --> 00:16:07,174 今までの争いまで 水に流したわけじゃねえ 263 00:16:07,758 --> 00:16:10,177 俺たちは奴隷の身に落ちるだろう 264 00:16:10,678 --> 00:16:12,596 だが お前たちは違う 265 00:16:13,222 --> 00:16:15,975 お前たち女の人生は これからだ 266 00:16:16,058 --> 00:16:18,560 ここで幸せにおなり 267 00:16:20,104 --> 00:16:21,522 なあ あんた 268 00:16:21,939 --> 00:16:24,483 ちゃんと皇子やカンに伝えるんだぜ 269 00:16:24,566 --> 00:16:28,070 この女たちは メルキトとは もう無関係 270 00:16:28,153 --> 00:16:29,989 この先も ずっとな 271 00:16:30,072 --> 00:16:31,949 (イルケ)こ… 心得た 272 00:16:32,741 --> 00:16:33,575 アア… 273 00:16:34,702 --> 00:16:36,120 -(ダイル)ドレゲネ -(ドレゲネ)ハッ… 274 00:16:36,620 --> 00:16:38,080 (ダイル)手を出しな 275 00:16:38,747 --> 00:16:39,581 (ドレゲネ)あっ… 276 00:16:43,752 --> 00:16:44,920 (ダイル)ジャダ石 277 00:16:45,004 --> 00:16:46,755 嵐を呼ぶ石だ 278 00:16:46,839 --> 00:16:47,881 (ドレゲネ)ハッ… 279 00:16:47,965 --> 00:16:50,300 こんなものしか やれねえが— 280 00:16:50,384 --> 00:16:52,052 餞別(せんべつ)だよ 281 00:16:53,429 --> 00:16:56,557 あんたが うちに来てくれて 楽しかった 282 00:16:56,640 --> 00:16:58,183 (ドレゲネ)アア… 283 00:16:58,267 --> 00:16:59,476 (ダイル)じゃあな 284 00:17:01,103 --> 00:17:03,105 笑って生きなさい 285 00:17:11,780 --> 00:17:13,407 (現在のドレゲネ) その日の夜は— 286 00:17:13,490 --> 00:17:15,367 ひどく静かだった 287 00:17:16,827 --> 00:17:18,078 フゥ… 288 00:17:18,162 --> 00:17:19,913 (兵士)馬を回せ! 早く! 289 00:17:19,997 --> 00:17:21,039 (兵士)りょ… 了解! 290 00:17:21,123 --> 00:17:22,040 (ドレゲネ)アア… 291 00:17:22,124 --> 00:17:24,126 (兵士たち)ハァハァハァ… 292 00:17:24,209 --> 00:17:25,252 (ドレゲネ)アア… 293 00:17:26,420 --> 00:17:30,299 (現在のドレゲネ) 燃えているような… 血のような… 294 00:17:30,382 --> 00:17:33,510 あんな不気味な空は 見たことがなかった 295 00:17:33,594 --> 00:17:35,220 -(兵士)何が起きたんスか? -(ドレゲネ)あっ… 296 00:17:35,304 --> 00:17:38,265 (兵士)反乱だ! 捕虜兵が山に立てこもりやがった 297 00:17:38,766 --> 00:17:41,643 既に オゴタイさまの軍が 討伐に向かっている 298 00:17:41,727 --> 00:17:43,687 -(兵士)クソ ダイル・ウスンめ! -(ドレゲネ)ハッ… 299 00:17:43,771 --> 00:17:46,190 (兵士)これだから メルキト族は信用できん 300 00:17:46,815 --> 00:17:48,484 -(ドレゲネ)どいて! -(兵士たち)ウオッ… 301 00:17:48,567 --> 00:17:49,401 (ドレゲネ)チュウ! 302 00:17:49,485 --> 00:17:50,611 (兵士)お… おい 待て! 303 00:17:50,694 --> 00:17:52,863 ハァハァ… 304 00:17:55,407 --> 00:17:58,410 (現在のドレゲネ)そうよ モンゴルが 彼らを許しても— 305 00:18:00,913 --> 00:18:04,875 彼らは モンゴルを 許してなんかいなかったの 306 00:18:05,459 --> 00:18:08,420 (ダイル)俺たちは森の狩人だ 307 00:18:08,504 --> 00:18:10,923 羊飼いどもの奴隷にはならねえ 308 00:18:11,715 --> 00:18:13,884 (ダイル)ここで幸せにおなり 309 00:18:13,967 --> 00:18:16,804 (現在のドレゲネ) じゃ あの言葉もウソ? 310 00:18:17,471 --> 00:18:20,265 いいえ きっと全部 彼の本心だった 311 00:18:21,225 --> 00:18:24,895 だからこそ 私に 何も教えてくれなかったんだわ 312 00:18:26,855 --> 00:18:27,731 (ドレゲネ)ンッ… 313 00:18:27,815 --> 00:18:28,774 (現在のドレゲネ)でもね— 314 00:18:28,857 --> 00:18:32,236 ダイルさまは ひとつ 大きな見落としをしていた 315 00:18:32,903 --> 00:18:39,076 あの方が思うより ずっと 私は あの方を… 316 00:18:39,159 --> 00:18:41,370 (ドレゲネ)ハァハァ ハァハァ… 317 00:18:41,453 --> 00:18:44,123 ハァハァハァ… 318 00:18:44,206 --> 00:18:48,043 ウッ… ハァハァハァ… 319 00:18:49,670 --> 00:18:51,046 ハッ… アア… 320 00:18:51,130 --> 00:18:53,632 (オゴタイ)ああ… そうか 321 00:18:54,633 --> 00:18:58,762 (オゴタイ)巫者(カム)の魂は 天に昇れるんだった 322 00:18:58,846 --> 00:19:02,933 体に穴を開けちゃ 取り逃がすわけだ 323 00:19:04,309 --> 00:19:06,436 赤い川のようだね 324 00:19:07,104 --> 00:19:07,938 うん? 325 00:19:08,021 --> 00:19:11,608 (風の音) 326 00:19:11,692 --> 00:19:13,360 (オゴタイ)君は… 327 00:19:13,944 --> 00:19:15,153 ハッ… 328 00:19:15,237 --> 00:19:16,071 フフッ… 329 00:19:18,115 --> 00:19:20,826 (イルケ)貴様 なぜ ここにいる!? ンッ! 330 00:19:20,909 --> 00:19:23,996 (現在のドレゲネ) 反乱は あっけなく鎮圧された 331 00:19:25,330 --> 00:19:28,000 クルトガンたちも 殺されてしまったって— 332 00:19:28,083 --> 00:19:29,877 あとになって聞いたわ 333 00:19:31,837 --> 00:19:34,131 そして チンギス・カンが帰還したとき 334 00:19:34,882 --> 00:19:37,634 反乱のことは クランの耳にも届いた 335 00:19:39,011 --> 00:19:41,346 あの子は それを聞いたとき… 336 00:19:44,266 --> 00:19:47,436 (クラン) 愚かな父の招いた当然の報いです 337 00:19:47,519 --> 00:19:51,648 カンのご威光は 何人(なんぴと)にも傷つけられません 338 00:19:52,858 --> 00:19:54,568 (現在のドレゲネ)クラン 339 00:19:54,651 --> 00:19:57,738 あなたは あのとき どうして笑っていられたの? 340 00:19:58,363 --> 00:19:59,198 そのあと— 341 00:19:59,865 --> 00:20:02,701 私はオゴタイに嫁ぎ 生かされた 342 00:20:05,704 --> 00:20:08,165 (グユクの泣き声) 343 00:20:08,248 --> 00:20:10,709 (現在のドレゲネ) 彼の子供も産んだわ 344 00:20:11,501 --> 00:20:13,795 過ぎていく日々は穏やかだった 345 00:20:15,005 --> 00:20:17,507 けれど 私は ずっと… 346 00:20:18,258 --> 00:20:21,470 この帝国を めちゃくちゃにするような嵐を… 347 00:20:22,095 --> 00:20:23,513 待っているの 348 00:20:24,348 --> 00:20:27,726 さっき助けたのは あなたが笑っていたからよ 349 00:20:28,435 --> 00:20:31,313 あのときのクランと似ていたの 350 00:20:31,396 --> 00:20:33,398 (現在のドレゲネ) 今なら もう分かる 351 00:20:33,482 --> 00:20:36,818 本当は どれほど悲しくて 悔しかったかしれない 352 00:20:37,736 --> 00:20:42,199 けれど あの子は 自分の役割を ちゃんと知っていたんだわ 353 00:20:42,282 --> 00:20:46,828 あのとき 誰よりも私が それを 分かってあげるべきだったのに… 354 00:20:46,912 --> 00:20:48,247 (シタラ)んん… 355 00:20:49,081 --> 00:20:50,207 -(ドレゲネ)それで? -(シタラ)ハッ… 356 00:20:50,290 --> 00:20:52,417 (ドレゲネ)あなた 本当は誰? 357 00:20:52,501 --> 00:20:55,003 (シタラ)わ… 私は… 358 00:20:55,545 --> 00:20:56,880 -(ドレゲネ)まあいいわ -(シタラ)あっ… 359 00:20:56,964 --> 00:20:58,423 あなたが誰であろうと どうせ… 360 00:20:58,507 --> 00:21:00,634 (シタラ)ソルコクタニさまが おっしゃいました 361 00:21:01,551 --> 00:21:03,512 トルイさまと大(だい)カアン 362 00:21:03,595 --> 00:21:07,516 軍事力と権威のねじれは きっと不幸の種になると… 363 00:21:07,975 --> 00:21:11,019 つまり 今 この国は かつてなく もろい 364 00:21:11,103 --> 00:21:12,771 (ドレゲネ)ハッ… あなた 365 00:21:13,397 --> 00:21:14,481 (シタラ)ンッ… 366 00:21:15,273 --> 00:21:18,193 私の名はシタラ 奴隷です 367 00:21:18,610 --> 00:21:21,571 お仕えしていた奥さまを モンゴル軍に殺され 368 00:21:21,655 --> 00:21:24,157 あの方の大切な本も奪われました 369 00:21:24,241 --> 00:21:27,953 本を取り戻すことが 私にできる最後の務めだと 370 00:21:28,036 --> 00:21:28,954 けれど… 371 00:21:29,037 --> 00:21:33,291 むやみに抵抗すれば また不幸が起こるかもと… 372 00:21:33,375 --> 00:21:34,876 それが恐ろしくて— 373 00:21:34,960 --> 00:21:37,170 今日まで 漫然と生きてまいりましたが… 374 00:21:37,963 --> 00:21:41,258 きっと 私も この時を待っていたのです 375 00:21:41,341 --> 00:21:42,217 ハッ… 376 00:21:42,300 --> 00:21:44,594 しかし 私たちに何ができると? 377 00:21:52,227 --> 00:21:54,187 (シタラ)知恵がございます 378 00:21:54,980 --> 00:21:58,191 私が あなたさまの 新たなジャダ石となりましょう 379 00:21:59,359 --> 00:22:02,487 どうか 力をお貸しください 380 00:22:04,281 --> 00:22:07,784 2人でなら 嵐も起こせましょう 381 00:22:09,411 --> 00:22:11,413 ♪~ 382 00:23:36,873 --> 00:23:38,875 ~♪ 383 00:23:40,001 --> 00:23:41,211 {\an8}次回…