1 00:00:04,185 --> 00:00:07,522 (走る息遣い) 2 00:00:07,522 --> 00:00:10,691 最悪だ! 最悪の日だ! 3 00:00:10,691 --> 00:00:14,195 泣きごと言ってる暇があるなら もっと早く走れ~! 4 00:00:14,195 --> 00:00:16,697 走ってどうなるって言うんだよ! 5 00:00:16,697 --> 00:00:20,535 走って 走って 森を出られたら ギルドに連絡できるだろ! 6 00:00:20,535 --> 00:00:22,537 だっかっら! 7 00:00:22,537 --> 00:00:24,872 報告してどうなるってんだ! 8 00:00:24,872 --> 00:00:27,708 あんなの… あんなの! 9 00:00:27,708 --> 00:00:30,108 うおぉ。 ぐ うぅ…。 (地響き) 10 00:00:32,213 --> 00:00:34,215 (地鳴り) 11 00:00:34,215 --> 00:00:39,215 あ… 街どころか 国が消えちまう…。 12 00:02:22,023 --> 00:02:26,323 (鳥のさえずり) 13 00:02:31,365 --> 00:02:33,868 (アニスフィア)ん んん…。 (ユフィリア)あ…。 14 00:02:33,868 --> 00:02:37,371 ん~ だいぶ寝ちゃった~。 15 00:02:37,371 --> 00:02:40,875 ごめんね 膝枕ありがとう。 16 00:02:40,875 --> 00:02:42,877 (ユフィリア)いえ 少しでも 17 00:02:42,877 --> 00:02:45,379 お役に立てたのなら よかったです。 18 00:02:45,379 --> 00:02:48,079 (アニスフィア)ん… ん~? 19 00:02:50,051 --> 00:02:53,054 あ…。 (足音) 20 00:02:53,054 --> 00:02:58,059 (イリア)姫様 こんなところで うたた寝をされてはいけません。 21 00:02:58,059 --> 00:03:00,061 バレてた。 22 00:03:00,061 --> 00:03:02,663 ユフィリアのひざ 本当に寝心地がよくてね~。 23 00:03:02,663 --> 00:03:04,665 (イリア)まったく 姫様は 24 00:03:04,665 --> 00:03:07,668 好きな相手には すぐお腹を見せるのですね。 25 00:03:07,668 --> 00:03:09,837 まるで犬 いえ…。 26 00:03:09,837 --> 00:03:12,006 イリア もしかして今 27 00:03:12,006 --> 00:03:14,175 すっごく 不敬なこと言おうとした? 28 00:03:14,175 --> 00:03:16,177 とんでもないことです。 29 00:03:16,177 --> 00:03:18,846 そこらの野良犬のほうが まだしも毛づくろいに 30 00:03:18,846 --> 00:03:21,849 気をつかうと思っただけです。 んん~! 31 00:03:21,849 --> 00:03:24,685 不敬 不敬 無神経! 32 00:03:24,685 --> 00:03:27,354 (イリア)ちなみに先ほどの姫様は 33 00:03:27,354 --> 00:03:31,192 野良犬も鳴いて逃げ出すほど ひどい匂いでした。 34 00:03:31,192 --> 00:03:34,695 ううぅ~! 不敬! 不敬! さらに余計! 35 00:03:34,695 --> 00:03:38,365 ん… 髪乱れてますよ。 36 00:03:38,365 --> 00:03:42,036 ん… エヘヘ ありがと イリア。 37 00:03:42,036 --> 00:03:44,205 (イリア)こんなことも 一人でできないようでは 38 00:03:44,205 --> 00:03:46,605 よっぽど犬の方が…。 うはぁ! 39 00:03:49,877 --> 00:03:52,077 ユフィ? は…。 40 00:03:54,381 --> 00:03:56,381 あっ あ…。 (鼓動) 41 00:03:58,385 --> 00:04:02,156 ねえ ユフィ もしかして…。 42 00:04:02,156 --> 00:04:04,156 ん…。 43 00:04:06,160 --> 00:04:09,663 んん~ やっぱり風邪かなあ…。 44 00:04:09,663 --> 00:04:12,500 あの そういうのじゃなくて…。 45 00:04:12,500 --> 00:04:14,502 大丈夫? 寒くない? 46 00:04:14,502 --> 00:04:16,670 気だるさとか 痛いところは? 47 00:04:16,670 --> 00:04:19,173 大丈夫ですから。 48 00:04:19,173 --> 00:04:21,842 はぁ… 外の風にあたりすぎたかな…。 49 00:04:21,842 --> 00:04:26,180 ごめんね…。 本当に そんな大したことは…。 50 00:04:26,180 --> 00:04:28,516 オオゴトになってからじゃ遅いの! 51 00:04:28,516 --> 00:04:30,518 ちょっと待ってて 薬とってくる! 52 00:04:30,518 --> 00:04:32,853 あっ アニス様! (扉の開閉音) 53 00:04:32,853 --> 00:04:35,189 あ…。 54 00:04:35,189 --> 00:04:37,691 はあ…。 55 00:04:37,691 --> 00:04:42,191 何をしているんだろう… 私。 56 00:04:44,698 --> 00:04:47,034 はあ…。 57 00:04:47,034 --> 00:04:49,370 はっ! お待たせ ユフィ! 58 00:04:49,370 --> 00:04:52,206 は 早かったですね…。 59 00:04:52,206 --> 00:04:54,906 とりあえず お薬だけでも飲もうか。 60 00:04:57,044 --> 00:04:59,046 苦いけど 我慢してね。 61 00:04:59,046 --> 00:05:01,982 ありがとうございます…。 62 00:05:01,982 --> 00:05:03,984 うぅ…。 63 00:05:03,984 --> 00:05:07,321 よく飲めたね~ えらい えらい。 64 00:05:07,321 --> 00:05:11,325 アニス様 子どもじゃないんですから…。 65 00:05:11,325 --> 00:05:15,830 アハハ あ ついね これでもお姉ちゃんだから…。 66 00:05:15,830 --> 00:05:19,130 たぶん 気疲れだよ 無理しなくていいからね。 67 00:05:21,168 --> 00:05:23,838 お手を煩わせて 申し訳ありません。 68 00:05:23,838 --> 00:05:27,341 いいよ いいよ ゆっくり休んで。 69 00:05:27,341 --> 00:05:29,341 ん…。 70 00:05:33,013 --> 00:05:35,683 アルカンシェルを作ることに 頭がいっぱいで 71 00:05:35,683 --> 00:05:39,186 私もユフィのこと 気遣えてなかったと思う。 72 00:05:39,186 --> 00:05:43,190 あ… あ でも アルカンシェルって本当にすごくてね 73 00:05:43,190 --> 00:05:45,860 会心の出来でね 過去10年で最高と言われた 74 00:05:45,860 --> 00:05:48,696 昨年を上回り 伝説のおととしに匹敵する 75 00:05:48,696 --> 00:05:52,199 エレガントで味わい深い手ごたえの 最高の魔導具になったんだよ~。 76 00:05:52,199 --> 00:05:58,205 《アニス様は どこまでも羽ばたく 美しい鳥みたい…》 77 00:05:58,205 --> 00:06:00,905 使いこなしてほしいわけ! はあ~! 78 00:06:03,143 --> 00:06:07,843 《私は… どこにも行けずに 落ちていくだけ…》 79 00:06:12,152 --> 00:06:14,152 空っぽだ…。 80 00:06:16,156 --> 00:06:18,556 ユフィ? は…。 81 00:06:21,161 --> 00:06:23,163 大丈夫? 82 00:06:23,163 --> 00:06:25,163 あ…。 83 00:06:28,002 --> 00:06:31,839 アニス様が うらやましいです。 84 00:06:31,839 --> 00:06:36,510 えっ? 私には 何もないです。 85 00:06:36,510 --> 00:06:38,510 アニス様と違って なにも…。 86 00:06:40,514 --> 00:06:44,814 は… 本当 ユフィは不器用だなあ…。 87 00:06:48,022 --> 00:06:51,191 アニス様…。 んっ? 88 00:06:51,191 --> 00:06:55,529 私は これから 何をすればいいんですか? 89 00:06:55,529 --> 00:06:58,198 そうだなあ…。 90 00:06:58,198 --> 00:07:01,635 ユフィがしたいことをすれば いいんじゃないかな。 91 00:07:01,635 --> 00:07:04,635 それが わからないなら? 92 00:07:07,975 --> 00:07:11,645 命じてほしいです。 命じる? 93 00:07:11,645 --> 00:07:14,982 王族である あなたが願ってくれるなら 94 00:07:14,982 --> 00:07:17,082 私 きっと なんでも…。 95 00:07:19,820 --> 00:07:23,320 ユフィ…。 あ…。 96 00:07:25,659 --> 00:07:29,830 欲しいものも 望みたいものも わからないなら 97 00:07:29,830 --> 00:07:32,130 ゆっくり 一緒に探そう。 98 00:07:34,501 --> 00:07:36,503 いっしょに? 99 00:07:36,503 --> 00:07:39,840 ここで一緒に 笑ってくれるだけで 嬉しいんだ。 100 00:07:39,840 --> 00:07:41,840 私はあなたを自由にするよ。 101 00:07:43,844 --> 00:07:46,513 でも…。 フフッ。 102 00:07:46,513 --> 00:07:48,849 まず身体を治さなくっちゃ。 103 00:07:48,849 --> 00:07:51,185 ちょっとそのまま動かないでね~。 104 00:07:51,185 --> 00:07:54,188 え… えっ? ほら じっとして。 105 00:07:54,188 --> 00:07:56,690 何を… きゃっ。 106 00:07:56,690 --> 00:08:00,027 ちょ… あ アニスさ…。 107 00:08:00,027 --> 00:08:01,962 くは…。 108 00:08:01,962 --> 00:08:09,303 ~ 109 00:08:09,303 --> 00:08:11,638 あ…。 ~ 110 00:08:11,638 --> 00:08:15,642 ~ 111 00:08:15,642 --> 00:08:19,480 《アニス様の体温 気持ちいい…》 112 00:08:19,480 --> 00:08:23,984 ~ 113 00:08:23,984 --> 00:08:27,154 う~ん… やっぱり ちょっと熱っぽいかも。 114 00:08:27,154 --> 00:08:29,156 あ…。 んっ? 115 00:08:29,156 --> 00:08:31,158 いえ… 大丈夫です。 116 00:08:31,158 --> 00:08:33,827 フフッ。 117 00:08:33,827 --> 00:08:36,830 さあもう寝よう。 子守歌 歌ってあげるね。 118 00:08:36,830 --> 00:08:39,130 いいですから…。 119 00:08:41,835 --> 00:08:44,171 あ…。 120 00:08:44,171 --> 00:08:47,508 は… あっ。 121 00:08:47,508 --> 00:08:51,178 (寝息) 122 00:08:51,178 --> 00:08:55,516 アニス様 風邪ひきますよ…。 んん…。 123 00:08:55,516 --> 00:08:57,616 フフッ もう…。 124 00:09:00,187 --> 00:09:03,457 あなたは まぶしすぎて…。 125 00:09:03,457 --> 00:09:07,127 胸が苦しくなるほどの この温もりを 126 00:09:07,127 --> 00:09:10,627 もう手放せそうにありません。 127 00:09:19,807 --> 00:09:22,976 (アルガルド)入れ。 (ノック) 128 00:09:22,976 --> 00:09:25,813 (シャルトルーズ)失礼いたします。 129 00:09:25,813 --> 00:09:29,316 謹慎中の愚かな王子と 魔法省の長官。 130 00:09:29,316 --> 00:09:33,320 無用な接触は 慎むべきではないのか。 131 00:09:33,320 --> 00:09:37,491 (シャルトルーズ)それが いささか状況が変わりまして。 132 00:09:37,491 --> 00:09:39,827 状況? 133 00:09:39,827 --> 00:09:45,327 (シャルトルーズ)この無意味な謹慎を解く 絶好の機会にございます。 134 00:09:54,508 --> 00:09:56,608 ふぅ…。 135 00:09:58,846 --> 00:10:01,515 《昨日よりも だいぶ身体が軽い…。 136 00:10:01,515 --> 00:10:05,115 休んだおかげか… それとも…》 137 00:10:08,856 --> 00:10:10,858 んっ! 138 00:10:10,858 --> 00:10:12,860 アニス様? 139 00:10:12,860 --> 00:10:14,862 はぁ…。 140 00:10:14,862 --> 00:10:17,197 ふっ! うっ! 141 00:10:17,197 --> 00:10:20,367 うっ! 142 00:10:20,367 --> 00:10:23,203 型稽古? 143 00:10:23,203 --> 00:10:26,373 (イリア)我流ですね 姫様の型は。 144 00:10:26,373 --> 00:10:29,376 イリア。 145 00:10:29,376 --> 00:10:33,046 基礎自体は 騎士団で鍛えたものですが 146 00:10:33,046 --> 00:10:35,716 多くは実戦で培われていますから。 147 00:10:35,716 --> 00:10:38,051 実戦…。 148 00:10:38,051 --> 00:10:41,555 それよりユフィリア様 体調はいかがですか? 149 00:10:41,555 --> 00:10:45,225 あ… おかげさまで だいぶよくなりました。 150 00:10:45,225 --> 00:10:48,228 それは何よりです。 151 00:10:48,228 --> 00:10:54,067 環境 心境の変化の影響が 出たのでしょう。 ん…。 152 00:10:54,067 --> 00:10:56,069 お二人には感謝しています。 153 00:10:56,069 --> 00:10:58,739 恐縮でございます。 154 00:10:58,739 --> 00:11:00,739 どうかご自愛くださいませ。 155 00:11:03,510 --> 00:11:05,512 あっ。 156 00:11:05,512 --> 00:11:07,612 ん…。 157 00:11:12,686 --> 00:11:16,690 《手持ちぶさたで ついて来ちゃったけど…》 158 00:11:16,690 --> 00:11:19,860 なにか? あ いえ… なにも。 159 00:11:19,860 --> 00:11:21,860 そうですか。 160 00:11:27,034 --> 00:11:29,036 (イリア)無理に お手伝いいただかなくとも 161 00:11:29,036 --> 00:11:31,872 かまいませんよ。 あ…。 162 00:11:31,872 --> 00:11:36,877 役割以外のことを 自発的にするのは 難しいですか? 163 00:11:36,877 --> 00:11:41,548 あ…。 図星… という顔ですね。 164 00:11:41,548 --> 00:11:43,550 ん…。 165 00:11:43,550 --> 00:11:47,221 私はその… 幼いころから 166 00:11:47,221 --> 00:11:50,224 次期王妃として 公爵令嬢として 167 00:11:50,224 --> 00:11:53,727 恥じない自分であるように 心がけていました。 168 00:11:53,727 --> 00:11:57,231 はい。 誰もがそうである自分を 169 00:11:57,231 --> 00:12:00,734 望んでくれていると 思っていたのです。 170 00:12:00,734 --> 00:12:03,837 求められた理想を 体現することこそが 171 00:12:03,837 --> 00:12:06,837 自分の価値だと 思ってこられたのですね。 172 00:12:09,843 --> 00:12:12,012 否定できないですね。 173 00:12:12,012 --> 00:12:14,112 (風の音) 174 00:12:17,517 --> 00:12:20,354 (イリア)そういう御仁を 引っ掛けてくるのが 175 00:12:20,354 --> 00:12:24,524 趣味なんでしょうかね 姫様は。 176 00:12:24,524 --> 00:12:26,526 ハクシュン! 177 00:12:26,526 --> 00:12:32,199 イリアとアニス様の関係は少し その… 変わっていますね。 178 00:12:32,199 --> 00:12:36,536 姫様は 敬われるのが お嫌いですからね。 179 00:12:36,536 --> 00:12:39,039 (イリア)あえて おふざけに 付き合っているのです。 180 00:12:39,039 --> 00:12:44,044 私としては 心の底から 敬いたいところなのですが。 181 00:12:44,044 --> 00:12:46,144 イリアにしか できない対応ですね…。 182 00:12:48,215 --> 00:12:52,219 (イリア)私も昔は 型にはまった人間でしたよ。 183 00:12:52,219 --> 00:12:55,722 あ…。 親の言うことにまるで逆らわず 184 00:12:55,722 --> 00:12:58,725 金持ちのご老人に 嫁げと言われても 185 00:12:58,725 --> 00:13:01,828 一切の疑問を持ちませんでした。 186 00:13:01,828 --> 00:13:05,666 それは 型にはまるという 話なのでしょうか…。 187 00:13:05,666 --> 00:13:07,668 (イリア)ですが。 あ…。 188 00:13:07,668 --> 00:13:09,836 そんな型どおりの生き方は 189 00:13:09,836 --> 00:13:14,675 型破りの姫様に 粉みじんに されてしまいましてね。 190 00:13:14,675 --> 00:13:16,677 はあ…。 191 00:13:16,677 --> 00:13:19,846 今となっては 実家の両親には 192 00:13:19,846 --> 00:13:24,184 ざまあみろ という気持ちで いっぱいですね。 193 00:13:24,184 --> 00:13:26,186 あ…。 194 00:13:26,186 --> 00:13:31,191 イリアはだいぶ あの… 個性的になったのですね…。 195 00:13:31,191 --> 00:13:35,696 (イリア)あ… 恐縮です。 褒めてないです…。 196 00:13:35,696 --> 00:13:38,532 ふ…。 (イリア)だから。 あっ…。 197 00:13:38,532 --> 00:13:42,536 姫様とは別の意味で 放っておけないのですよね。 198 00:13:42,536 --> 00:13:45,539 えっ…。 ユフィリア様。 199 00:13:45,539 --> 00:13:48,542 あなたはとても 聞き分けのいい方です。 200 00:13:48,542 --> 00:13:51,044 (イリア)キテレツな姫様はもちろん 201 00:13:51,044 --> 00:13:54,214 昔の私よりも 手がかからなかったでしょう。 202 00:13:54,214 --> 00:13:56,414 私が保証いたします。 203 00:13:58,385 --> 00:14:01,655 ですから そのぶん 悩む権利がございます。 204 00:14:01,655 --> 00:14:05,158 どうぞ 心ゆくまでお悩みください。 205 00:14:05,158 --> 00:14:10,330 その時間は 姫様がいくらでも 稼いでくれることでしょう。 206 00:14:10,330 --> 00:14:13,166 は… イリア…。 207 00:14:13,166 --> 00:14:15,168 たとえ 手遅れになっても 208 00:14:15,168 --> 00:14:19,005 どうせ 自分が責任もって 引き取ると言い出しますよ。 209 00:14:19,005 --> 00:14:21,675 私にしたように。 210 00:14:21,675 --> 00:14:23,675 は…。 211 00:14:25,679 --> 00:14:30,183 まだ うまく言えないのですが。 はい。 212 00:14:30,183 --> 00:14:35,883 私はきっと この離宮に来られて よかったと思います。 213 00:14:38,191 --> 00:14:40,193 フッ…。 214 00:14:40,193 --> 00:14:43,029 イリア~! 215 00:14:43,029 --> 00:14:47,033 (ユフィリア/イリア)んっ。 ユフィ~! 大変だよ~! 216 00:14:47,033 --> 00:14:49,703 う ぐぅ! 217 00:14:49,703 --> 00:14:53,203 冒険者ギルドからの緊急案件だ! 218 00:14:56,376 --> 00:14:59,379 待ってください! あ…。 219 00:14:59,379 --> 00:15:04,651 なぜアニス様に 冒険者ギルドから 召集のしらせが届くのですか!? 220 00:15:04,651 --> 00:15:10,323 なぜって… 私が高位ランクの冒険者だから。 221 00:15:10,323 --> 00:15:14,327 ご ゴールドランク!? 222 00:15:14,327 --> 00:15:18,498 どうして 王女殿下が 冒険者になっているんですか!? 223 00:15:18,498 --> 00:15:21,334 だって 魔物の素材欲しいし 224 00:15:21,334 --> 00:15:24,838 自分で 資金の調達できたら便利だし? 225 00:15:24,838 --> 00:15:28,175 研究一筋がすぎます… でも! 226 00:15:28,175 --> 00:15:30,177 ユフィ! あ…。 227 00:15:30,177 --> 00:15:32,345 緊急事態なんだ。 228 00:15:32,345 --> 00:15:37,017 魔物の大群 「スタンピード」が来るよ。 229 00:15:37,017 --> 00:15:39,019 は…。 230 00:15:39,019 --> 00:15:42,522 スタンピードの原因 知ってる? 231 00:15:42,522 --> 00:15:45,122 魔物の縄張り争い でしょうか? 232 00:15:47,360 --> 00:15:49,863 負けたほうが 新たな住処を目指して 233 00:15:49,863 --> 00:15:53,533 村や町に近づく場合だね。 234 00:15:53,533 --> 00:15:55,702 でも もうひとつのケースがある。 235 00:15:55,702 --> 00:15:59,372 それは? 魔物の群れが 236 00:15:59,372 --> 00:16:01,641 こぞって逃げださなくちゃ いけないほどの 237 00:16:01,641 --> 00:16:04,978 「大物」が現れた場合だよ。 238 00:16:04,978 --> 00:16:08,778 は…。 だから 急いで向かわないと。 239 00:16:11,318 --> 00:16:15,018 それでどうして アニス様が 行くという話になるんですか! 240 00:16:16,990 --> 00:16:21,495 今回のスタンピードの原因は 間違いなく魔石持ちだ。 241 00:16:21,495 --> 00:16:26,333 しかも この機会を逃したら 絶対に手に入らない相手。 242 00:16:26,333 --> 00:16:31,338 誰もが畏怖する 生命の頂点 ドラゴンだ。 243 00:16:31,338 --> 00:16:33,840 は… ドラゴン!? 244 00:16:33,840 --> 00:16:36,640 私はどうしても その魔石がほしい。 245 00:16:38,845 --> 00:16:41,145 何がそこまで あなたを駆り立てるのですか? 246 00:16:43,183 --> 00:16:45,183 私が私であるために。 247 00:16:47,187 --> 00:16:49,587 行かないとダメなんだ。 248 00:16:53,026 --> 00:16:55,026 ん…。 249 00:16:57,030 --> 00:17:00,030 《そうだ この方は…》 250 00:17:02,469 --> 00:17:05,769 《一人きりで どこまでも 飛んでいける人なんだ…》 251 00:17:10,644 --> 00:17:12,644 《でも…》 252 00:17:14,648 --> 00:17:18,652 ん…。 わかりました。 んっ? 253 00:17:18,652 --> 00:17:22,489 どうしても行かれると 言うのでしたら 254 00:17:22,489 --> 00:17:24,991 私を連れて行ってください。 255 00:17:24,991 --> 00:17:26,991 はえ? 256 00:17:28,995 --> 00:17:30,997 (重臣)報告いたします。 257 00:17:30,997 --> 00:17:32,999 ドラゴンと魔物の群れに対し 258 00:17:32,999 --> 00:17:38,004 現在 騎士団とギルドが 前線の防衛を着実に進めており…。 259 00:17:38,004 --> 00:17:40,674 (オルファンス)着実な防衛 だと? 260 00:17:40,674 --> 00:17:45,011 (オルファンス)おぬし こたびの事態を見誤っておらぬか。 261 00:17:45,011 --> 00:17:48,348 お…。 (グランツ)通常のスタンピードであれば 262 00:17:48,348 --> 00:17:51,685 防衛線を構築するのは 間違っていません。 263 00:17:51,685 --> 00:17:55,689 しかし 今回の相手はドラゴンです。 264 00:17:55,689 --> 00:17:58,358 きゃつは空を飛ぶのだぞ。 265 00:17:58,358 --> 00:18:02,963 (オルファンス)天の災いに あらゆる陸の防衛は 無意味だ! 266 00:18:02,963 --> 00:18:06,466 ならば下手に刺激せず 素通りを祈るほうが…。 267 00:18:06,466 --> 00:18:10,470 魔物の群れも見逃せと? (重臣)ドラゴンが魔物の群れを 268 00:18:10,470 --> 00:18:12,970 狙ってくれるかもしれん。 バカな…。 269 00:18:14,975 --> 00:18:17,477 (オルファンス)魔物は魔物を襲って食う。 270 00:18:17,477 --> 00:18:19,479 現時点のドラゴンの目標が 271 00:18:19,479 --> 00:18:22,649 魔物の群れであるのは 間違いなかろう。 272 00:18:22,649 --> 00:18:25,318 (重臣たち)お…。 ということは 273 00:18:25,318 --> 00:18:28,822 我々はあふれた魔物の対処に 集中すれば…。 274 00:18:28,822 --> 00:18:32,993 ドラゴンのエサを横取りする という形になるな。 275 00:18:32,993 --> 00:18:34,995 あぁ…。 276 00:18:34,995 --> 00:18:39,795 獲物を失ったドラゴンが 次に狙うのは… 王都だ。 277 00:18:43,003 --> 00:18:45,338 (重臣)防衛するも しないも危うく 278 00:18:45,338 --> 00:18:48,842 そもそも 防衛できるかすら 不明…。 279 00:18:48,842 --> 00:18:50,844 いったい どうすれば? 280 00:18:50,844 --> 00:18:54,848 ドラゴンの襲撃自体 王国の歴史上初めてのことだ。 281 00:18:54,848 --> 00:18:57,517 誰もわかるわけが…。 (ノック) 282 00:18:57,517 --> 00:18:59,686 んっ 誰だ! 283 00:18:59,686 --> 00:19:03,186 (アルガルド)父上 アルガルドです! なっ!? あ…。 284 00:19:08,294 --> 00:19:10,296 失礼ながら 父上。 285 00:19:10,296 --> 00:19:14,134 ドラゴンの出現があったと 耳にいたしました。 286 00:19:14,134 --> 00:19:16,970 まったく どこから聞きつけたのか…。 287 00:19:16,970 --> 00:19:20,306 謹慎中のお前に 何の関係がある? 288 00:19:20,306 --> 00:19:25,979 どうか私に ドラゴン討伐に参加する 許可をいただきたいのです。 289 00:19:25,979 --> 00:19:29,649 ん… お前は何を言っているのだ。 290 00:19:29,649 --> 00:19:32,485 私には 欲しいものがあります。 291 00:19:32,485 --> 00:19:35,655 ドラゴンの討伐を成し遂げた暁には 292 00:19:35,655 --> 00:19:38,992 それを報酬として いただきたいのです。 293 00:19:38,992 --> 00:19:43,997 そのためならば この命をかける覚悟がございます。 294 00:19:43,997 --> 00:19:46,666 な… んん。 295 00:19:46,666 --> 00:19:49,669 (オルファンス)シアン男爵令嬢か? 296 00:19:49,669 --> 00:19:53,673 私の心情を つまびらかにする 時間はありません。 297 00:19:53,673 --> 00:19:57,343 ですが このまま甘んじることだけは 298 00:19:57,343 --> 00:19:59,345 できないのです。 299 00:19:59,345 --> 00:20:02,182 な…。 《なんだこの目は…。 300 00:20:02,182 --> 00:20:04,851 恋に盲目になったわけではない 301 00:20:04,851 --> 00:20:07,151 むしろ ほの暗い闇に満ちた…》 302 00:20:09,189 --> 00:20:13,693 ただ示された道を ただ与えられたままに進む。 303 00:20:13,693 --> 00:20:18,031 そんな王が 本当にこの国に必要なのですか? 304 00:20:18,031 --> 00:20:21,201 何が言いたい アルガルド。 305 00:20:21,201 --> 00:20:26,706 フッ… 「あの人」に 魔法の才能さえあれば 306 00:20:26,706 --> 00:20:30,043 「あの人」が男でさえあれば…。 307 00:20:30,043 --> 00:20:34,714 そうささやく声が 私の耳に入らないとでも? 308 00:20:34,714 --> 00:20:36,914 あ…。 309 00:20:39,552 --> 00:20:41,552 あ…。 310 00:20:43,556 --> 00:20:48,061 《オルファンス:幼いアニスフィアと アルガルドは仲がよかった。 311 00:20:48,061 --> 00:20:51,361 いつも2人一緒で 笑いあっていた…》 312 00:20:53,566 --> 00:20:57,737 《しかし アニスフィアが魔学の道を 見出したときから 313 00:20:57,737 --> 00:21:00,137 少しずつ 何かが狂ってしまった》 314 00:21:02,008 --> 00:21:05,845 《私も 本当はわかっている。 315 00:21:05,845 --> 00:21:08,515 アニスフィアが 王位継承権を放棄し 316 00:21:08,515 --> 00:21:10,517 うつけ者として 振る舞ってきたのは 317 00:21:10,517 --> 00:21:13,186 弟のためだろう。 318 00:21:13,186 --> 00:21:18,024 自らに担がれる素質はないと 知らしめたかったのだ。 319 00:21:18,024 --> 00:21:21,324 だがそれでも 今日も誰かがうわさする》 320 00:21:23,363 --> 00:21:26,699 《アルガルドには 光輝く才能がない。 321 00:21:26,699 --> 00:21:30,599 アニスフィアのほうが あるいは と…》 322 00:21:32,539 --> 00:21:34,541 はあ…。 323 00:21:34,541 --> 00:21:38,545 父として もう一度だけ問う。 324 00:21:38,545 --> 00:21:41,714 命をかける覚悟があるのだな? 325 00:21:41,714 --> 00:21:44,884 すべては覚悟の上。 326 00:21:44,884 --> 00:21:48,221 く… もはや是非もなし。 327 00:21:48,221 --> 00:21:52,225 王の名のもとに命ず アルガルドよ…。 328 00:21:52,225 --> 00:21:55,395 (衛兵)へ 陛下~! 大変でございます! 329 00:21:55,395 --> 00:21:58,731 アニスフィア王女殿下が ユフィリア様とともに 330 00:21:58,731 --> 00:22:02,001 黒の森方面に 飛び去ったとの目撃情報が! 331 00:22:02,001 --> 00:22:04,003 ぐ…。 332 00:22:04,003 --> 00:22:06,840 ん んん…。 333 00:22:06,840 --> 00:22:09,342 んんん~! 334 00:22:09,342 --> 00:22:12,842 (オルファンス)あんの バカ娘が~!