1 00:00:05,645 --> 00:00:09,945 (アニスフィア)はぁ… かしこまりました 父上。 2 00:00:13,320 --> 00:00:17,324 (ユフィリア)王位継承権の復権ですか? 3 00:00:17,324 --> 00:00:20,160 フッ… しかたないよ。 4 00:00:20,160 --> 00:00:22,329 もう アルくんもいないからね。 5 00:00:22,329 --> 00:00:24,831 (レイニ)えっと つまり… 6 00:00:24,831 --> 00:00:28,502 次の王様は アニス様 ということですか? 7 00:00:28,502 --> 00:00:32,506 そうだね。 女王って前例にないんだけど 8 00:00:32,506 --> 00:00:36,176 今までどおりなら伴侶…。 9 00:00:36,176 --> 00:00:38,512 王配を迎えることになるかな。 10 00:00:38,512 --> 00:00:40,514 王配…。 11 00:00:40,514 --> 00:00:43,183 王家の血は 残さないといけないから。 12 00:00:43,183 --> 00:00:45,185 あ…。 13 00:00:45,185 --> 00:00:48,855 その前に 私が貴族たちに 認められるかっていう 14 00:00:48,855 --> 00:00:51,358 大問題が残ってるんだけどね! 15 00:00:51,358 --> 00:00:54,528 王位継承権が戻っても ですか? 16 00:00:54,528 --> 00:00:57,864 結局 魔法を使えないことが 17 00:00:57,864 --> 00:01:00,264 どこまで行っても 足を引っ張るんだよね。 18 00:01:02,135 --> 00:01:04,638 私が助けになれると思います。 19 00:01:04,638 --> 00:01:07,974 んっ? マゼンタ公爵家の娘として 20 00:01:07,974 --> 00:01:11,478 アニス様と貴族たちとの 橋渡しができるはずです。 21 00:01:11,478 --> 00:01:13,480 大丈夫。 んっ…。 22 00:01:13,480 --> 00:01:17,651 2人には あんまり関係ないから ゆっくりしていてよ。 23 00:01:17,651 --> 00:01:19,820 か 関係ない…。 24 00:01:19,820 --> 00:01:22,823 ユフィは魔学の研究助手。 25 00:01:22,823 --> 00:01:25,826 レイニは侍女見習いかな? 26 00:01:25,826 --> 00:01:28,829 これは そういうのとは 全然違う問題だから。 27 00:01:28,829 --> 00:01:34,000 (2人)あ…。 じゃあ 工房行ってくるね~。 28 00:01:34,000 --> 00:01:36,670 (ドアが閉まる音) 29 00:01:36,670 --> 00:01:41,508 今の話 ユフィリア様は 反対されるかと思っていました。 30 00:01:41,508 --> 00:01:43,510 どうしてですか? 31 00:01:43,510 --> 00:01:47,347 アニス様に 伴侶とか… その…。 32 00:01:47,347 --> 00:01:50,684 フッ… 私は…。 んっ? 33 00:01:50,684 --> 00:01:54,354 アルガルド様から アニス様を託された身です。 34 00:01:54,354 --> 00:01:58,525 臣下として しっかり お支えしなければなりません。 35 00:01:58,525 --> 00:02:00,794 ん…。 36 00:02:00,794 --> 00:02:03,964 (レイニ)そう ですか…。 37 00:02:03,964 --> 00:02:06,764 (扉の開閉音) 38 00:02:17,477 --> 00:02:21,314 大丈夫 覚悟はしてたよ。 39 00:02:21,314 --> 00:02:24,150 私ならやれるよ。 40 00:02:24,150 --> 00:02:26,820 私はアニスフィア・ウィン・パレッティア。 41 00:02:26,820 --> 00:02:30,824 この国の たったひとりの王女様だから…。 42 00:02:30,824 --> 00:02:32,824 しかたないよ。 43 00:02:36,496 --> 00:02:40,496 大丈夫… 大丈夫…。 44 00:04:22,636 --> 00:04:24,971 (ティルティ)アイツ 本当にバカよね。 45 00:04:24,971 --> 00:04:28,308 さっさと有力貴族の子でも 養子に取ればいいのに。 46 00:04:28,308 --> 00:04:30,977 そ そんな言い方…。 47 00:04:30,977 --> 00:04:33,146 アニス様が王になることが 48 00:04:33,146 --> 00:04:35,148 ティルティは不満なのですか? 49 00:04:35,148 --> 00:04:38,985 はぁ? むしろ 不満に思わないといけないのは 50 00:04:38,985 --> 00:04:41,320 あなたじゃないの? あ いえ。 51 00:04:41,320 --> 00:04:43,322 私は特に。 52 00:04:43,322 --> 00:04:46,325 ふん… 本心を言いなさいよ。 53 00:04:46,325 --> 00:04:48,494 本心ですよ。 54 00:04:48,494 --> 00:04:50,496 王を支えるのは 55 00:04:50,496 --> 00:04:52,832 臣下として 当たり前のことじゃないですか。 56 00:04:52,832 --> 00:04:54,834 は… あのね…。 57 00:04:54,834 --> 00:04:56,836 たっだいま~! んっ。 (扉が開く音) 58 00:04:56,836 --> 00:05:00,606 あっ あれ… 診察まだ終わってなかったの? 59 00:05:00,606 --> 00:05:05,277 ふん お貴族様との お話合いのお時間 60 00:05:05,277 --> 00:05:07,780 楽しくお過ごしできたかしら? 61 00:05:07,780 --> 00:05:11,283 ああ… うん まあね…。 62 00:05:11,283 --> 00:05:14,620 意外に私 こういうの 向いてるのかもしれない 63 00:05:14,620 --> 00:05:17,123 みたいな? (ティルティ)は…。 64 00:05:17,123 --> 00:05:19,458 (ティルティ)アンタ なんて顔してるのよ…。 65 00:05:19,458 --> 00:05:21,627 ちょ ちょっと~。 66 00:05:21,627 --> 00:05:24,964 顔の悪口はやめようよ 禁止カードだよ~。 67 00:05:24,964 --> 00:05:29,301 んっ! そういう意味で言ってない ってわかってるでしょ アンタは。 68 00:05:29,301 --> 00:05:32,471 私は私の顔をしてるだけだよ。 69 00:05:32,471 --> 00:05:36,475 さよなら 古い私。 こんにちは ニューノーマルの私。 70 00:05:36,475 --> 00:05:38,644 新しい私って…。 71 00:05:38,644 --> 00:05:41,147 私は アニスフィア・ウィン・パレッティア。 72 00:05:41,147 --> 00:05:43,983 王位継承権を持った王女様! 73 00:05:43,983 --> 00:05:45,983 う… んっ! 74 00:05:48,821 --> 00:05:52,324 く…。 75 00:05:52,324 --> 00:05:56,662 ごめんね。 (イリア)ティルティ様どうかそれ以上は…。 76 00:05:56,662 --> 00:05:58,664 んっ バカ! 77 00:05:58,664 --> 00:06:00,599 本当にバカ! 78 00:06:00,599 --> 00:06:02,601 (ティルティ)アンタが そういう態度をとるなら 79 00:06:02,601 --> 00:06:04,603 私だってもう知らないわよ! 80 00:06:04,603 --> 00:06:06,772 (扉の開閉音) 81 00:06:06,772 --> 00:06:09,442 (遠ざかる足音) 82 00:06:09,442 --> 00:06:11,442 あ…。 83 00:06:18,617 --> 00:06:20,619 (足音) 84 00:06:20,619 --> 00:06:22,619 こちらにいらしたんですね。 あっ。 85 00:06:24,623 --> 00:06:27,126 あ~ さっきはごめんね。 86 00:06:27,126 --> 00:06:29,128 こうなるってわかってたから 87 00:06:29,128 --> 00:06:31,630 ティルティとは 会わないようにしてたんだけど。 88 00:06:31,630 --> 00:06:33,966 いえ…。 気にしないであげて。 89 00:06:33,966 --> 00:06:36,635 んっ。 顔のことで怒られても 90 00:06:36,635 --> 00:06:39,805 困るっていうかねぇ…。 91 00:06:39,805 --> 00:06:41,807 気になります。 えっ? 92 00:06:41,807 --> 00:06:44,477 ティルティの言うことは めちゃくちゃなのに 93 00:06:44,477 --> 00:06:48,647 お二人は なぜか かみ合っているようでした。 94 00:06:48,647 --> 00:06:51,150 あ…。 95 00:06:51,150 --> 00:06:53,819 あ… あ~! あっ? 96 00:06:53,819 --> 00:06:57,490 そんなことより アルカンシェルを引き取りに行かなきゃ! 97 00:06:57,490 --> 00:06:59,825 あ アルカンシェルですか? 98 00:06:59,825 --> 00:07:02,595 むちゃさせたから 城下町の鍛冶師に 99 00:07:02,595 --> 00:07:04,763 メンテナンスしてもらってたんだよね~。 100 00:07:04,763 --> 00:07:08,267 じゃ そういうわけで。 101 00:07:08,267 --> 00:07:11,437 もう遅いですし明日にしましょう。 102 00:07:11,437 --> 00:07:14,940 あと 私も行きます。 えっ? 103 00:07:14,940 --> 00:07:18,277 アニス様はもう ひとりの身体ではありません。 104 00:07:18,277 --> 00:07:20,446 何かあってからでは遅いですから。 105 00:07:20,446 --> 00:07:23,282 んん~。 106 00:07:23,282 --> 00:07:27,786 それって… デートってこと? へっ? 107 00:07:27,786 --> 00:07:30,789 二人きりで お忍びデートだね! 108 00:07:30,789 --> 00:07:32,958 二人きり!? 護衛は? 109 00:07:32,958 --> 00:07:35,628 お互いに護衛していれば 問題ないない! 110 00:07:35,628 --> 00:07:37,796 そんな… ですが…。 111 00:07:37,796 --> 00:07:39,798 あっ。 112 00:07:39,798 --> 00:07:42,468 は…。 113 00:07:42,468 --> 00:07:46,305 ねぇ ユフィ… ダメ? 114 00:07:46,305 --> 00:07:48,705 う… うぅ…。 115 00:07:50,643 --> 00:07:55,648 ~ 116 00:07:55,648 --> 00:07:57,983 こっちだよ ユフィ。 117 00:07:57,983 --> 00:08:00,152 はい アニス様。 118 00:08:00,152 --> 00:08:03,088 あっ ではなくその… アニス。 119 00:08:03,088 --> 00:08:07,259 フフフッ 早く慣れてよね ユフィ。 120 00:08:07,259 --> 00:08:09,459 んっ? 121 00:08:11,597 --> 00:08:13,599 (トマス)来たか。 122 00:08:13,599 --> 00:08:16,936 あっ トマス 預けてたものは出来てる? 123 00:08:16,936 --> 00:08:19,436 (トマス)当たり前だ。 あ…。 124 00:08:21,941 --> 00:08:25,444 誰だ? 私の助手だよ。 125 00:08:25,444 --> 00:08:30,115 ああ あれの使い手とやらか…。 126 00:08:30,115 --> 00:08:33,619 はじめまして ユフィと申します。 127 00:08:33,619 --> 00:08:36,789 知ってるよ マゼンタ公爵令嬢。 128 00:08:36,789 --> 00:08:40,459 アニス様がアルガルド様から 婚約者をぶんどったんだろ? 129 00:08:40,459 --> 00:08:42,628 いやいや ぶんどってないよ! 130 00:08:42,628 --> 00:08:45,965 両者合意の上 合法的な手続きだよ! 131 00:08:45,965 --> 00:08:48,968 知らねえよ 貴族様の事情なんて。 132 00:08:48,968 --> 00:08:53,138 ん… ここに来ているのは ただのユフィですので 133 00:08:53,138 --> 00:08:55,808 そのようにお願いします。 134 00:08:55,808 --> 00:08:59,311 フッ そうかい そりゃ悪くない。 135 00:08:59,311 --> 00:09:01,311 ちょっと待ってな。 136 00:09:05,584 --> 00:09:08,253 抜いて確かめてくれ。 137 00:09:08,253 --> 00:09:10,255 んっ。 138 00:09:10,255 --> 00:09:12,455 (剣を抜く音) 139 00:09:16,762 --> 00:09:19,262 はっ…。 140 00:09:22,267 --> 00:09:24,937 ふう… あっ? 141 00:09:24,937 --> 00:09:26,939 あの なにか? 142 00:09:26,939 --> 00:09:30,442 フフフン すごいでしょ 私の助手は。 143 00:09:30,442 --> 00:09:33,612 ああ…。 144 00:09:33,612 --> 00:09:37,116 (トマス)アニス様に 気に入られるだけのことはある。 145 00:09:37,116 --> 00:09:39,118 フッ。 146 00:09:39,118 --> 00:09:42,454 今はアルカンシェルがないと 落ち着かないほどです。 147 00:09:42,454 --> 00:09:45,791 完璧な仕事を ありがとうございます トマス。 148 00:09:45,791 --> 00:09:47,960 ん… どうも。 149 00:09:47,960 --> 00:09:50,629 あっ? (ノック) 150 00:09:50,629 --> 00:09:52,798 (2人)んっ? 151 00:09:52,798 --> 00:09:56,135 おお! 本物のアニス様じゃ! 152 00:09:56,135 --> 00:09:58,303 ねっ! だから言ったでしょ! 153 00:09:58,303 --> 00:10:00,806 アニス様 今日は 活きのいい魚が入ったぜ! 154 00:10:00,806 --> 00:10:04,143 ねぇねぇ! この前の遊びの続きしようよ! 155 00:10:04,143 --> 00:10:06,979 (楽しげな声) 156 00:10:06,979 --> 00:10:10,149 アハハ…。 157 00:10:10,149 --> 00:10:12,151 行ってこい。 158 00:10:12,151 --> 00:10:15,988 コイツの最後の確認だけしたら ユフィ様に渡すから。 159 00:10:15,988 --> 00:10:19,825 うん。 ごめん すぐ戻るね。 160 00:10:19,825 --> 00:10:21,827 アハハッ 順番ね! 161 00:10:21,827 --> 00:10:23,827 はぁ…。 162 00:10:28,167 --> 00:10:32,004 (トマス)ひとつ 教えてくれ。 163 00:10:32,004 --> 00:10:34,006 はい。 164 00:10:34,006 --> 00:10:37,176 次の王様は アニス様なのか? 165 00:10:37,176 --> 00:10:40,345 は…。 166 00:10:40,345 --> 00:10:42,347 そうなるかと思います。 167 00:10:42,347 --> 00:10:45,184 はぁ… そうか。 168 00:10:45,184 --> 00:10:47,686 アニス様が国王になるのは 169 00:10:47,686 --> 00:10:50,189 そんなに不安なのですか? 170 00:10:50,189 --> 00:10:52,858 フッ… 不安はない。 171 00:10:52,858 --> 00:10:56,695 アニス様は ちょくちょく街に 顔を出すからな。 172 00:10:56,695 --> 00:10:58,697 あの人なら信頼できる。 173 00:10:58,697 --> 00:11:01,633 そう考えるヤツらは多いよ。 174 00:11:01,633 --> 00:11:05,304 ですが あなたは 喜んでいるようには見えません。 175 00:11:05,304 --> 00:11:09,475 ああ うれしくないね。 なぜですか? 176 00:11:09,475 --> 00:11:12,144 アンタは何も… あっ。 (扉が開く音) 177 00:11:12,144 --> 00:11:14,146 いっぱい もらっちゃった~。 178 00:11:14,146 --> 00:11:16,815 トマスにも分けてあげる! 179 00:11:16,815 --> 00:11:20,152 あ… 何かあった? 180 00:11:20,152 --> 00:11:23,989 いや 話は終わった。 181 00:11:23,989 --> 00:11:26,189 もう帰れ。 182 00:11:38,170 --> 00:11:40,172 あっ! ああ…。 183 00:11:40,172 --> 00:11:42,508 ありがとうございます。 184 00:11:42,508 --> 00:11:44,510 何かございましたか? 185 00:11:44,510 --> 00:11:47,346 えっ? お帰りになってから 186 00:11:47,346 --> 00:11:50,349 ずっとぼんやりしておられますね。 187 00:11:50,349 --> 00:11:53,185 ん… ちょっと… 188 00:11:53,185 --> 00:11:55,485 わからなくなってしまって…。 189 00:11:59,525 --> 00:12:03,962 アニス様なら 貴族と平民をつなぐ 王様になる… 190 00:12:03,962 --> 00:12:08,467 と 私は信じているのですが…。 191 00:12:08,467 --> 00:12:11,470 イリアもそう思いませんか? 192 00:12:11,470 --> 00:12:13,806 名君になれると思いますよ。 193 00:12:13,806 --> 00:12:16,475 は…。 ですが 194 00:12:16,475 --> 00:12:20,312 向いていないでしょうね。 ん…。 195 00:12:20,312 --> 00:12:23,982 力があることと やらされることは違います。 196 00:12:23,982 --> 00:12:26,318 姫様が王になったら 197 00:12:26,318 --> 00:12:30,155 街にお出かけすることも できなくなるのではありませんか。 198 00:12:30,155 --> 00:12:32,157 それは…。 199 00:12:32,157 --> 00:12:34,993 でも 責任がありますから…。 200 00:12:34,993 --> 00:12:37,663 やむを得ないことかと…。 201 00:12:37,663 --> 00:12:39,665 (ため息) 202 00:12:39,665 --> 00:12:41,667 こちらにいらしてください。 203 00:12:41,667 --> 00:12:43,967 は…。 204 00:12:46,004 --> 00:12:48,004 (扉を開く音) 205 00:12:50,175 --> 00:12:52,177 あ…。 206 00:12:52,177 --> 00:12:58,016 ~ 207 00:12:58,016 --> 00:13:01,620 これは… アニス様が? 208 00:13:01,620 --> 00:13:06,124 姫様は破天荒で 常識知らず みたいに振る舞っていますが 209 00:13:06,124 --> 00:13:09,628 本質的なところでは とても真面目な方です。 210 00:13:09,628 --> 00:13:12,631 それは そうですが…。 211 00:13:12,631 --> 00:13:15,968 皆に認められる 王様となるために 212 00:13:15,968 --> 00:13:19,471 もう 魔学に 触れるつもりはないのでしょう。 213 00:13:19,471 --> 00:13:21,974 そんなっ…。 214 00:13:21,974 --> 00:13:24,643 あの方は背負いすぎるのです。 215 00:13:24,643 --> 00:13:27,479 小さいころから変わりません。 216 00:13:27,479 --> 00:13:30,816 王様になったら…。 217 00:13:30,816 --> 00:13:34,319 きっと大切なものを捨ててしまう。 218 00:13:34,319 --> 00:13:36,519 はっ! 219 00:13:38,657 --> 00:13:41,827 でも… 私は… 220 00:13:41,827 --> 00:13:43,996 マゼンタ公爵家の娘です。 221 00:13:43,996 --> 00:13:48,500 貴族の… 王族の責務があるのです。 222 00:13:48,500 --> 00:13:51,670 (イリア)責務を果たした姫様は…。 223 00:13:51,670 --> 00:13:54,339 はっ…。 224 00:13:54,339 --> 00:13:57,509 幸せに… 笑ってくれますか? 225 00:13:57,509 --> 00:13:59,509 はっ…。 226 00:14:01,446 --> 00:14:04,746 そんな… そんなこと…。 227 00:14:06,785 --> 00:14:10,122 でも… どうして…。 228 00:14:10,122 --> 00:14:12,722 私はっ…。 229 00:14:20,632 --> 00:14:22,634 (ティルティ)それで? 230 00:14:22,634 --> 00:14:24,970 どうすればいいのか わからなくなって 231 00:14:24,970 --> 00:14:27,639 わざわざ私に相談に来たわけ? 232 00:14:27,639 --> 00:14:29,639 はい…。 233 00:14:31,643 --> 00:14:35,981 私は… ただお助けしたいだけなのです。 234 00:14:35,981 --> 00:14:38,984 悲しむ姿なんて見たくないのに 235 00:14:38,984 --> 00:14:44,823 アニス様が抱える問題を 解決できないのが 苦しくて…。 236 00:14:44,823 --> 00:14:48,493 はぁ… 「アニス様が抱える問題」? 237 00:14:48,493 --> 00:14:50,829 間違っているのは そこからよ。 238 00:14:50,829 --> 00:14:52,831 えっ? 239 00:14:52,831 --> 00:14:56,501 本当は あなた自身の問題でしょ。 240 00:14:56,501 --> 00:14:59,004 私の? そう。 241 00:14:59,004 --> 00:15:00,939 あなたの気持ちの問題。 242 00:15:00,939 --> 00:15:03,775 あなたは今 どう思ってるの? 243 00:15:03,775 --> 00:15:06,611 ん…。 244 00:15:06,611 --> 00:15:08,613 言って。 245 00:15:08,613 --> 00:15:11,450 でも… 私は…。 246 00:15:11,450 --> 00:15:14,786 言いなさい! 247 00:15:14,786 --> 00:15:17,622 王家を支える立場なのに 248 00:15:17,622 --> 00:15:19,922 私個人は…。 249 00:15:23,462 --> 00:15:27,262 アニス様に 王になってほしくないのです…。 250 00:15:29,301 --> 00:15:31,470 フッ…。 251 00:15:31,470 --> 00:15:37,142 立場と心が バラバラになって 苦しかったんでしょう? 252 00:15:37,142 --> 00:15:41,313 わかっています… こんな気持ち正しくないって。 253 00:15:41,313 --> 00:15:45,317 正しい 正しくないなんて どうだっていいでしょ。 254 00:15:45,317 --> 00:15:47,319 は…。 255 00:15:47,319 --> 00:15:49,321 探してみなさい。 256 00:15:49,321 --> 00:15:54,159 本当にあなたが 進みたいと思う道を。 257 00:15:54,159 --> 00:15:57,662 望んでも… よいのでしょうか。 258 00:15:57,662 --> 00:16:00,165 あなたがそうと決めたなら 259 00:16:00,165 --> 00:16:02,768 阻める人は誰もいないわよ。 260 00:16:02,768 --> 00:16:07,439 あなたはこの国きっての 天才令嬢 でしょ? 261 00:16:07,439 --> 00:16:12,778 ~ 262 00:16:12,778 --> 00:16:14,778 んっ。 263 00:16:18,450 --> 00:16:22,788 (グランツ)執務室に 訪ねてくるとは珍しいな ユフィ。 264 00:16:22,788 --> 00:16:24,956 お父様にご相談があります。 265 00:16:24,956 --> 00:16:27,959 ほう ますます珍しい。 266 00:16:27,959 --> 00:16:30,128 ん…。 267 00:16:30,128 --> 00:16:32,130 次の国王は 268 00:16:32,130 --> 00:16:35,130 どうしてもアニス様でなければ ならないのですか。 269 00:16:37,135 --> 00:16:39,235 なぜ そんな質問をする? 270 00:16:42,474 --> 00:16:46,474 アニス様に 国王になってほしくないからです。 271 00:16:51,483 --> 00:16:55,320 王国とは王があって成り立つもの。 272 00:16:55,320 --> 00:16:58,323 国を守るために アニスフィア王女には 273 00:16:58,323 --> 00:17:00,926 務めを果たして もらわなければならない。 274 00:17:00,926 --> 00:17:04,930 それを支えるのが お前の責任だ。 違うか? 275 00:17:04,930 --> 00:17:07,599 あ… 私は…。 276 00:17:07,599 --> 00:17:10,435 ん…。 277 00:17:10,435 --> 00:17:13,605 それでも私は 認められません。 278 00:17:13,605 --> 00:17:15,607 なぜだ? 279 00:17:15,607 --> 00:17:18,207 そこにアニス様の 本当の笑顔はないのです。 280 00:17:20,445 --> 00:17:23,115 はぁ… 笑顔…。 281 00:17:23,115 --> 00:17:26,785 それが 国の未来よりも 重いというのか? 282 00:17:26,785 --> 00:17:31,123 この国が… 多くの民が 283 00:17:31,123 --> 00:17:35,627 一人の笑顔に代えられるものでは ないことは わかっています。 284 00:17:35,627 --> 00:17:37,629 それでも。 285 00:17:37,629 --> 00:17:39,929 しかたないとは 言いたくないのです! 286 00:17:43,301 --> 00:17:46,638 それは忠義か? それとも恩義か? 287 00:17:46,638 --> 00:17:48,807 あるいは… 同情か? 288 00:17:48,807 --> 00:17:51,143 あ…。 289 00:17:51,143 --> 00:17:54,980 ただ… お慕いしているのです。 290 00:17:54,980 --> 00:17:56,982 あっ。 291 00:17:56,982 --> 00:18:00,485 立場も 家族も すべてを失ったとしても 292 00:18:00,485 --> 00:18:03,922 この気持ちは変わりません。 293 00:18:03,922 --> 00:18:07,926 それほどまでに アニスフィア王女を想っているのか。 294 00:18:07,926 --> 00:18:10,426 ふ… はい。 295 00:18:13,598 --> 00:18:15,600 (グランツ)マゼンタ公爵として 296 00:18:15,600 --> 00:18:19,938 その誤った想いを 認めることは断じてできない。 297 00:18:19,938 --> 00:18:22,941 はぁ… わかっています。 298 00:18:22,941 --> 00:18:26,778 ですが どれほど 正しくないとわかっていても 299 00:18:26,778 --> 00:18:28,978 私はもう…。 300 00:18:32,951 --> 00:18:36,121 んっ? 301 00:18:36,121 --> 00:18:41,459 昔 オルファンスは土いじりを 誰より好んでいた。 302 00:18:41,459 --> 00:18:46,631 臣籍に下って 植生の 研究をするのが夢だと公言する 303 00:18:46,631 --> 00:18:50,969 アニスフィア王女に負けず劣らずの 問題児だったのだ。 304 00:18:50,969 --> 00:18:54,806 だが彼は その幸せな夢を捨てた。 305 00:18:54,806 --> 00:18:58,476 貴族たちの反乱を鎮め 王となるために。 306 00:18:58,476 --> 00:19:01,413 私もそれを全力で支えた。 307 00:19:01,413 --> 00:19:03,415 この国ために。 308 00:19:03,415 --> 00:19:05,417 はっ! 309 00:19:05,417 --> 00:19:08,753 しかし… 本当はあのとき 310 00:19:08,753 --> 00:19:12,424 私たちには もう1つの選択肢があった…。 311 00:19:12,424 --> 00:19:15,093 それは…。 312 00:19:15,093 --> 00:19:18,096 あっ。 313 00:19:18,096 --> 00:19:20,098 あ…。 314 00:19:20,098 --> 00:19:23,698 精霊? でも どうして…。 315 00:19:28,106 --> 00:19:30,108 あっ。 316 00:19:30,108 --> 00:19:42,287 ~ 317 00:19:42,287 --> 00:19:45,290 急な訪問は困りますな。 318 00:19:45,290 --> 00:19:47,292 (リュミ)久しぶりね。 319 00:19:47,292 --> 00:19:50,795 フフッ グランツもだいぶ老けたわね。 320 00:19:50,795 --> 00:19:53,465 あなた様はお変わりないようで…。 321 00:19:53,465 --> 00:19:55,634 どういったご用件でしょう。 322 00:19:55,634 --> 00:19:57,636 気づいているのでしょう? 323 00:19:57,636 --> 00:19:59,971 紹介してくれないかしら。 324 00:19:59,971 --> 00:20:02,641 あ…。 はぁ…。 325 00:20:02,641 --> 00:20:07,312 このお方は… 「精霊契約者」のリュミ殿だ。 326 00:20:07,312 --> 00:20:10,315 精霊契約者…。 327 00:20:10,315 --> 00:20:12,651 フッ。 328 00:20:12,651 --> 00:20:15,820 あの… 席を外しましょうか? 329 00:20:15,820 --> 00:20:18,490 あら ダメよ。 330 00:20:18,490 --> 00:20:20,992 私はあなたに会いに来たんだから。 331 00:20:20,992 --> 00:20:22,994 えっ? 332 00:20:22,994 --> 00:20:24,996 ねぇ ユフィリア。 333 00:20:24,996 --> 00:20:29,334 精霊契約とは この国で何を意味するのかしら? 334 00:20:29,334 --> 00:20:31,836 えっ あ えっと…。 335 00:20:31,836 --> 00:20:35,840 巨大な力を持つ大精霊と 契約を果たすことで 336 00:20:35,840 --> 00:20:39,177 王族の権威を表すもの… です。 337 00:20:39,177 --> 00:20:42,347 フフッ パレッティア王国を建国した 338 00:20:42,347 --> 00:20:45,183 初代国王の伝説ね。 339 00:20:45,183 --> 00:20:47,519 (リュミ)精霊契約を 成し遂げたものは 340 00:20:47,519 --> 00:20:51,856 新たな王家を 興すことだってできる。 341 00:20:51,856 --> 00:20:56,695 そう… 正当な 王位継承者をも乗り越えて 342 00:20:56,695 --> 00:20:58,697 新しい王に。 343 00:20:58,697 --> 00:21:01,132 はっ! それはつまり…。 344 00:21:01,132 --> 00:21:05,470 フッ。 もしも私が 精霊契約を成し遂げて 345 00:21:05,470 --> 00:21:08,306 貴族たちに 認められる資格を得たら…。 346 00:21:08,306 --> 00:21:10,475 アニス様は王なんかにならなくても。 347 00:21:10,475 --> 00:21:13,645 やめろ! 私は…。 348 00:21:13,645 --> 00:21:18,316 (リュミ)ええ。 あなたは 契約しなかったわね グランツ。 349 00:21:18,316 --> 00:21:22,320 ん…。 お父様が精霊契約を? 350 00:21:22,320 --> 00:21:24,823 私には資格があった。 351 00:21:24,823 --> 00:21:27,659 そして望まなかった。 352 00:21:27,659 --> 00:21:30,161 それだけだ。 353 00:21:30,161 --> 00:21:32,163 どうして…。 354 00:21:32,163 --> 00:21:36,501 精霊契約は この国の民たちが 信じているような 355 00:21:36,501 --> 00:21:38,837 よいものじゃないからよ。 356 00:21:38,837 --> 00:21:41,506 ん…。 357 00:21:41,506 --> 00:21:43,508 はぁ…。 358 00:21:43,508 --> 00:21:47,178 あぁ… 嫌な目をしているわ あなた。 359 00:21:47,178 --> 00:21:50,678 申し訳ありません。 ですが私はどうしても…。 360 00:21:52,684 --> 00:21:56,521 そこまで強い想いがあるのね。 361 00:21:56,521 --> 00:21:59,858 とても… とても残酷ね。 362 00:21:59,858 --> 00:22:01,793 リュミ様? 363 00:22:01,793 --> 00:22:04,629 私はあなたを止めるために来たの。 364 00:22:04,629 --> 00:22:07,298 過ちを繰り返さないために。 365 00:22:07,298 --> 00:22:09,634 あ…。 366 00:22:09,634 --> 00:22:11,970 語りましょう。 367 00:22:11,970 --> 00:22:14,670 あるひとつの物語を。