1 00:00:03,065 --> 00:00:07,736 (大長老)なるほど 王位継承権の復権ですか? 2 00:00:07,736 --> 00:00:09,905 (アニスフィア)ええ 王女としての 3 00:00:09,905 --> 00:00:12,074 公務から離れて 久しいこともあり 4 00:00:12,074 --> 00:00:14,410 精霊信仰派の皆様に 5 00:00:14,410 --> 00:00:16,745 改めて ご挨拶をと思いまして。 6 00:00:16,745 --> 00:00:19,915 そうですか それはそれは…。 7 00:00:19,915 --> 00:00:21,917 お転婆だった殿下も 8 00:00:21,917 --> 00:00:24,253 ずいぶんと 落ち着かれたご様子。 9 00:00:24,253 --> 00:00:28,590 今後は次期女王として 立たれるおつもりですかな? 10 00:00:28,590 --> 00:00:31,093 そう ですね…。 11 00:00:31,093 --> 00:00:35,097 正気か 女王というだけでも 前例がないのに 12 00:00:35,097 --> 00:00:37,766 魔法が使えぬなど…。 陛下とて 13 00:00:37,766 --> 00:00:39,768 まだ 四十に届かぬお歳。 14 00:00:39,768 --> 00:00:42,104 新たなお世継ぎも まだ望めように。 15 00:00:42,104 --> 00:00:44,273 (幹部A)うむ 国王たるもの 16 00:00:44,273 --> 00:00:48,110 後継を生み育てることも 義務である まったく…。 17 00:00:48,110 --> 00:00:50,946 我ら 下々の者では計りしれぬ 18 00:00:50,946 --> 00:00:53,782 深淵なお考えが あるのでしょうがなぁ。 19 00:00:53,782 --> 00:00:55,784 あるいは 20 00:00:55,784 --> 00:00:59,455 よほどアニス様を 女王にしたいのか。 21 00:00:59,455 --> 00:01:01,390 ふぅ…。 22 00:01:01,390 --> 00:01:03,392 陛下のお考えがどうあれ 23 00:01:03,392 --> 00:01:07,896 私は王位継承者として その職責を全うする所存です。 24 00:01:07,896 --> 00:01:11,400 皆様にお力添えいただけましたら 幸いです。 25 00:01:11,400 --> 00:01:13,402 おっほん…。 26 00:01:13,402 --> 00:01:17,573 アニスフィア殿下のご覚悟のほどは よくわかり申した。 27 00:01:17,573 --> 00:01:20,576 今後の振る舞いに 期待しておりますぞ。 28 00:01:20,576 --> 00:01:23,078 はい 何とぞ 29 00:01:23,078 --> 00:01:26,081 ご指導ご鞭撻のほど よろしくお願いいたします。 30 00:01:26,081 --> 00:01:28,083 うむ うむ…。 はぁ…。 31 00:01:28,083 --> 00:01:31,253 (大長老)ですが 一つよろしいですかな。 32 00:01:31,253 --> 00:01:34,757 あっ…。 魔学とか 言いましたか。 33 00:01:34,757 --> 00:01:37,593 あれは いけません。 はっ! 34 00:01:37,593 --> 00:01:41,263 我々のみ許されていた 魔法の恩恵を 35 00:01:41,263 --> 00:01:43,265 平民が手にするなど 36 00:01:43,265 --> 00:01:48,103 貴族 ひいては王族の権威を いたずらに貶めるものです。 37 00:01:48,103 --> 00:01:50,606 おわかりに なられますかな? 38 00:01:50,606 --> 00:01:53,942 ん…。 心配ないでしょう。 39 00:01:53,942 --> 00:01:57,780 殿下は昔から 魔法が大好きでしたからな。 40 00:01:57,780 --> 00:01:59,782 ふふ…。 41 00:01:59,782 --> 00:02:01,717 となれば この先 42 00:02:01,717 --> 00:02:05,053 次代に魔法を伝える術を 考えねばなりますまい。 43 00:02:05,053 --> 00:02:08,557 いかにも 王家の存在は 精霊から賜った 44 00:02:08,557 --> 00:02:11,059 魔法の才を 引き継ぐためにある。 45 00:02:11,059 --> 00:02:13,896 では殿下には なるべく早く 46 00:02:13,896 --> 00:02:16,398 お世継ぎを 生んでいただきたいですな。 47 00:02:16,398 --> 00:02:18,567 んっ…。 (幹部B)しからば 48 00:02:18,567 --> 00:02:20,569 高い爵位の家から 49 00:02:20,569 --> 00:02:23,405 歳の近い者を 見繕わねばなるまいな。 50 00:02:23,405 --> 00:02:26,575 この際 家柄にこだわらずとも 51 00:02:26,575 --> 00:02:29,912 魔法の才に優れた者であれば よいのではないか。 52 00:02:29,912 --> 00:02:33,081 であれば 歳も気にする必要はないな。 53 00:02:33,081 --> 00:02:37,085 うむ 何人か 囲っておくのがよかろう。 54 00:02:37,085 --> 00:02:40,088 幸い 殿下のお体は 55 00:02:40,088 --> 00:02:42,088 至極 健やかなようだ。 56 00:02:44,927 --> 00:02:47,095 んん…。 (中長老)とはいえ まずは 57 00:02:47,095 --> 00:02:50,265 内政の安定が先決ですかな。 (幹部A)ですな。 58 00:02:50,265 --> 00:02:52,768 (幹部B)しかし なるべくなら 早い方が…。 59 00:02:52,768 --> 00:02:55,604 ゲホッ ゲホッ…。 (水の音) 60 00:02:55,604 --> 00:02:59,107 ハァ… ハァ…。 61 00:02:59,107 --> 00:03:02,544 ハァハァ…。 62 00:03:02,544 --> 00:03:05,644 ハァ… んっ。 63 00:03:08,050 --> 00:03:11,850 大丈夫… 私は 大丈夫…。 64 00:04:52,921 --> 00:04:55,424 (虫の鳴き声) 65 00:04:55,424 --> 00:04:58,593 (レイニ)どうぞ。 (ユフィリア)ありがとうございます。 66 00:04:58,593 --> 00:05:01,196 (レイニ)フッ…。 (イリア)侍女姿も 67 00:05:01,196 --> 00:05:03,365 だいぶ 板についてきましたね。 68 00:05:03,365 --> 00:05:07,536 (レイニ)まだ 見習いですけど… イリア様のおかげです。 69 00:05:07,536 --> 00:05:11,036 (イリア)レイニ相手だと 私も 教えがいがありますよ。 70 00:05:13,041 --> 00:05:15,711 あっ。 はぁ…。 71 00:05:15,711 --> 00:05:19,881 アニス様 明日お時間を いただいても よろしいですか? 72 00:05:19,881 --> 00:05:22,718 お話が。 え…。 73 00:05:22,718 --> 00:05:25,220 イリアとレイニも ぜひ。 74 00:05:25,220 --> 00:05:28,557 んっ。 おっ。 75 00:05:28,557 --> 00:05:31,059 あっ… えっと 76 00:05:31,059 --> 00:05:33,562 明日は ティルティの診察が…。 77 00:05:33,562 --> 00:05:36,565 あっ…。 78 00:05:36,565 --> 00:05:39,901 はぁ… 時間ずらすね。 79 00:05:39,901 --> 00:05:41,903 ありがとうございます。 80 00:05:41,903 --> 00:05:45,741 私は 私の なすべきことを見つけました。 81 00:05:45,741 --> 00:05:49,077 それをアニス様に そして両陛下はじめ 82 00:05:49,077 --> 00:05:51,913 皆様に 聞いていただきたいのです。 83 00:05:51,913 --> 00:05:53,913 あぁ…。 84 00:05:56,918 --> 00:05:59,118 (オルファンス)んっ…。 85 00:06:01,356 --> 00:06:04,693 (ノック) 86 00:06:04,693 --> 00:06:06,695 ああ 来たかアニスよ。 87 00:06:06,695 --> 00:06:08,695 んっ… あっ? 88 00:06:11,033 --> 00:06:13,035 父上 その子は? 89 00:06:13,035 --> 00:06:15,871 (リュミ)初めまして 王女様。 90 00:06:15,871 --> 00:06:20,042 私は リュミ 精霊契約者と名乗れば わかるかしら? 91 00:06:20,042 --> 00:06:24,379 はっ えっ ちょっ なんで精霊契約者がここに…。 92 00:06:24,379 --> 00:06:26,381 ウフフッ…。 93 00:06:26,381 --> 00:06:30,719 陛下 王妃様 本日はお時間を いただき ありがとうございます。 94 00:06:30,719 --> 00:06:33,221 いや 構わんよ。 95 00:06:33,221 --> 00:06:37,121 しかし いったい なんの話をされるやら。 96 00:06:43,231 --> 00:06:46,234 今回は 私から 陛下にお願いがございます。 97 00:06:46,234 --> 00:06:48,236 ふむ。 98 00:06:48,236 --> 00:06:52,574 私はリュミ様に 精霊契約の 資格を見い出されました。 99 00:06:52,574 --> 00:06:54,576 なんだと!? 100 00:06:54,576 --> 00:06:57,913 えっ!? 101 00:06:57,913 --> 00:07:02,517 えっ せっ 精霊契約って ユフィが? 102 00:07:02,517 --> 00:07:05,353 そう 今この世で ただ一人 103 00:07:05,353 --> 00:07:08,523 彼女だけが その資格と意志を持っている。 104 00:07:08,523 --> 00:07:11,860 本気なのか? んっ。 105 00:07:11,860 --> 00:07:15,864 精霊契約者の真実を 知った上でもか? 106 00:07:15,864 --> 00:07:19,534 はい。 あっ はぁ…。 107 00:07:19,534 --> 00:07:21,703 (シルフィーヌ)精霊契約者に なるということは 108 00:07:21,703 --> 00:07:24,039 俗世では 生きづらくなるのよ。 109 00:07:24,039 --> 00:07:26,875 それって どういうことです? 110 00:07:26,875 --> 00:07:31,546 んっ… リュミ様がいくつに見える? 111 00:07:31,546 --> 00:07:33,548 ウフフ…。 112 00:07:33,548 --> 00:07:36,885 いくつって… 私と同じくらい。 113 00:07:36,885 --> 00:07:39,054 この方はね 114 00:07:39,054 --> 00:07:42,390 私たちが初めて会った時から この姿よ。 115 00:07:42,390 --> 00:07:44,726 何十年も前からね。 116 00:07:44,726 --> 00:07:49,397 はっ… 精霊契約者って もしかして不老なの? 117 00:07:49,397 --> 00:07:51,399 まぁ そうね。 118 00:07:51,399 --> 00:07:53,568 けど それだけじゃないわ。 119 00:07:53,568 --> 00:07:57,405 精霊契約とは 力を手にする代償に 120 00:07:57,405 --> 00:08:00,408 いずれ精霊 そのものになる契約。 121 00:08:00,408 --> 00:08:03,512 精霊に… なる? 122 00:08:03,512 --> 00:08:06,014 私の本当の名前は 123 00:08:06,014 --> 00:08:08,016 リュミエル・レネ・パレッティア。 124 00:08:08,016 --> 00:08:11,019 つまり あなたたちのご先祖様。 125 00:08:11,019 --> 00:08:13,319 ご先祖って それって。 126 00:08:18,860 --> 00:08:21,696 私にも 伴侶がいた。 127 00:08:21,696 --> 00:08:25,367 いい人だったわ とてもね。 128 00:08:25,367 --> 00:08:29,037 ずっと 一緒に生きることができたら 129 00:08:29,037 --> 00:08:32,037 そう思うこともあった。 130 00:08:34,376 --> 00:08:37,712 でも 私たちの生きる時間は 131 00:08:37,712 --> 00:08:40,882 絶望的に異なっていた。 132 00:08:40,882 --> 00:08:42,884 精霊になれば 133 00:08:42,884 --> 00:08:45,387 人が当たり前に抱く欲求は 134 00:08:45,387 --> 00:08:47,389 消え失せる…。 135 00:08:47,389 --> 00:08:49,391 記憶も 感情も 136 00:08:49,391 --> 00:08:52,727 不要になる…。 137 00:08:52,727 --> 00:08:54,729 想像できる? 138 00:08:54,729 --> 00:08:56,731 すべて忘れるの。 139 00:08:56,731 --> 00:08:59,568 困ったように微笑む顔も 140 00:08:59,568 --> 00:09:02,504 優しく名前を呼ぶ声も 141 00:09:02,504 --> 00:09:05,674 遠慮がちに触れる温もりも 142 00:09:05,674 --> 00:09:09,074 すべて 忘れてしまう。 143 00:09:15,183 --> 00:09:17,519 どれだけ必死に書き留めても 144 00:09:17,519 --> 00:09:19,854 紙の上のできごと。 145 00:09:19,854 --> 00:09:22,691 想いを伴わない 146 00:09:22,691 --> 00:09:25,391 単なる記憶でしかなくなり…。 147 00:09:28,863 --> 00:09:32,701 忘れたことさえ 忘れてしまう。 148 00:09:32,701 --> 00:09:36,037 人の身も 人の命も 149 00:09:36,037 --> 00:09:40,208 いずれは 人の心さえも失って 150 00:09:40,208 --> 00:09:42,908 永劫の孤独にとらわれる。 151 00:09:49,718 --> 00:09:53,388 それが 精霊契約の真実…。 152 00:09:53,388 --> 00:09:57,726 それでもあなたは 精霊契約を望むの? 153 00:09:57,726 --> 00:10:00,228 んっ… はい。 154 00:10:00,228 --> 00:10:03,728 私の望みをかなえるのに 精霊契約は欠かせません。 155 00:10:05,734 --> 00:10:09,237 陛下 精霊契約をかなえた暁には 156 00:10:09,237 --> 00:10:12,407 私を王家に 養子として迎え入れていただき 157 00:10:12,407 --> 00:10:15,410 王位継承権を賜りたく存じます。 158 00:10:15,410 --> 00:10:17,746 あっ…。 はっ? 159 00:10:17,746 --> 00:10:19,748 あっ…。 あっ。 160 00:10:19,748 --> 00:10:22,751 まっ 待て待て 何を言い出す! 161 00:10:22,751 --> 00:10:25,751 お前を養子? なぜ そんな話になる!? 162 00:10:27,756 --> 00:10:31,926 あぁ~ グランツ どういうつもりだ! 163 00:10:31,926 --> 00:10:33,928 なぜ ユフィリアが こんなことを言い出す!? 164 00:10:33,928 --> 00:10:36,264 (グランツ)私とて 認めたわけではない。 165 00:10:36,264 --> 00:10:38,600 あっ フッ…。 166 00:10:38,600 --> 00:10:40,602 はっ…! 167 00:10:40,602 --> 00:10:44,939 ユフィ… なんで そんな…。 168 00:10:44,939 --> 00:10:49,110 私は アニス様が 王になるのが許せないのです。 169 00:10:49,110 --> 00:10:51,112 えっ!? あっ! 170 00:10:51,112 --> 00:10:53,114 なっ なんで? 171 00:10:53,114 --> 00:10:55,450 (オルファンス)どっ どういうことだ ユフィリア。 172 00:10:55,450 --> 00:10:59,287 アニス様が この国の貴族に 認められることはありません。 173 00:10:59,287 --> 00:11:03,058 魔法の才能がない その一点だけで。 174 00:11:03,058 --> 00:11:07,158 だから 自分に 王位継承権を授けよ と? 175 00:11:09,230 --> 00:11:13,068 んん… たしかに お前の才能は素晴らしい。 176 00:11:13,068 --> 00:11:17,238 だが 養子にしたとて 貴族の理解が得られるわけが…。 177 00:11:17,238 --> 00:11:19,741 だからこその 精霊契約です。 178 00:11:19,741 --> 00:11:22,911 建国の国王と 同じ偉業を成し遂げれば 179 00:11:22,911 --> 00:11:26,748 精霊信仰に傾倒する 貴族を納得させられます。 180 00:11:26,748 --> 00:11:30,752 はっ…! ユフィ どうして? 181 00:11:30,752 --> 00:11:34,422 アニス様が 望まぬ王位に つかずにすみます。 182 00:11:34,422 --> 00:11:36,591 待って 待ってよ! 183 00:11:36,591 --> 00:11:38,760 私 そんなこと頼んだ覚えない! 184 00:11:38,760 --> 00:11:43,098 はい これは私が勝手に 果たすと決めた誓いです。 185 00:11:43,098 --> 00:11:45,934 私は あなたを王になどしたくない。 186 00:11:45,934 --> 00:11:47,934 本気で言ってるの? 187 00:11:49,938 --> 00:11:52,440 はっ…。 188 00:11:52,440 --> 00:11:54,776 人間じゃなくなるんだよ!? 189 00:11:54,776 --> 00:11:57,278 みんないなくなって 全部忘れて 190 00:11:57,278 --> 00:11:59,778 この先 ずっと一人になるんだよ!? 191 00:12:01,883 --> 00:12:04,052 そんなの ダメだよ…。 192 00:12:04,052 --> 00:12:07,555 ユフィにそんなこと させるくらいなら 私が王に…。 193 00:12:07,555 --> 00:12:12,227 アニス様は 自分が王になって この国を導いていけると 194 00:12:12,227 --> 00:12:14,896 本当に そう思っているのですか? 195 00:12:14,896 --> 00:12:16,898 はっ! 196 00:12:16,898 --> 00:12:19,567 ふっ…。 197 00:12:19,567 --> 00:12:21,736 そうだよ。 198 00:12:21,736 --> 00:12:24,906 私には 魔法の才能なんてない。 199 00:12:24,906 --> 00:12:28,743 この国の貴族に受け入れられない なんてわかってる。 200 00:12:28,743 --> 00:12:30,745 でも だからって 201 00:12:30,745 --> 00:12:33,248 ユフィに背負わせていい 理由にはならない! 202 00:12:33,248 --> 00:12:35,917 それでも 私が王になれば 203 00:12:35,917 --> 00:12:38,420 あなたの夢を 守ることができます。 204 00:12:38,420 --> 00:12:41,756 あなたは魔法を愛して 解明して 205 00:12:41,756 --> 00:12:43,925 もっと多くの人に 素晴らしさを 206 00:12:43,925 --> 00:12:45,927 伝えたいのでは なかったのですか!? 207 00:12:45,927 --> 00:12:48,596 それが あなたの夢だったのでしょう! 208 00:12:48,596 --> 00:12:51,266 私の 夢…。 209 00:12:51,266 --> 00:12:54,269 私は あなたに 夢をかなえてほしい。 210 00:12:54,269 --> 00:12:58,273 その夢こそが この国を豊かにするからです。 211 00:12:58,273 --> 00:13:01,209 あなたの夢を ともに見させてください。 212 00:13:01,209 --> 00:13:04,712 あなたが自由であることが 私の願いであり 213 00:13:04,712 --> 00:13:07,882 望みなのです。 214 00:13:07,882 --> 00:13:12,220 ですから アニス様 どうか私の手をとってください。 215 00:13:12,220 --> 00:13:14,722 はっ…。 216 00:13:14,722 --> 00:13:21,062 ~ 217 00:13:21,062 --> 00:13:23,565 はっ…? ダメだよ…。 218 00:13:23,565 --> 00:13:26,734 そんなこと 言わないでよ…。 219 00:13:26,734 --> 00:13:29,571 すがらせないでよ…。 220 00:13:29,571 --> 00:13:31,573 アニス様…。 221 00:13:31,573 --> 00:13:35,577 私は 王女なんだ! どんなに 受け入れられなくたって 222 00:13:35,577 --> 00:13:37,577 私は この国の王女なの! 223 00:13:39,581 --> 00:13:42,417 ユフィに その役割まで取られたら 224 00:13:42,417 --> 00:13:46,254 私に なんの価値が残るの? 225 00:13:46,254 --> 00:13:49,591 (シルフィーヌ)アニス? (泣く声) 226 00:13:49,591 --> 00:13:52,594 あぁ…。 あっ あっ…。 227 00:13:52,594 --> 00:13:55,263 はっ はっ…。 228 00:13:55,263 --> 00:13:57,432 はっ… くぅ…! 229 00:13:57,432 --> 00:13:59,434 あっ…。 (シルフィーヌ)待ちなさい アニス! 230 00:13:59,434 --> 00:14:01,369 アニスフィア! 231 00:14:01,369 --> 00:14:05,540 (雨の音) 232 00:14:05,540 --> 00:14:12,714 (すすり泣く声) 233 00:14:12,714 --> 00:14:15,216 うぅ… うっ…。 234 00:14:15,216 --> 00:14:17,218 (足音) 235 00:14:17,218 --> 00:14:19,718 (ティルティ)アンタ 何してんの? んっ! 236 00:14:22,557 --> 00:14:24,893 ティルティ なんで? 237 00:14:24,893 --> 00:14:27,896 (ティルティ)往診に来いって 言ったのアンタでしょ。 238 00:14:27,896 --> 00:14:31,733 だいたい 自分が どれだけ目立つのかわかってる? 239 00:14:31,733 --> 00:14:33,902 馬車から見かけても わかったわよ。 240 00:14:33,902 --> 00:14:36,602 ああ めんどくさい…。 241 00:14:40,408 --> 00:14:42,577 立てる? え…。 242 00:14:42,577 --> 00:14:46,414 言ったでしょ 目立つの 早く行くわよ。 243 00:14:46,414 --> 00:14:48,750 うん…。 244 00:14:48,750 --> 00:14:50,950 (雷の音) 245 00:14:58,593 --> 00:15:00,528 はぁ…。 246 00:15:00,528 --> 00:15:03,531 んっ。 247 00:15:03,531 --> 00:15:08,036 落ち着いたら帰ってよね それとも迎え呼んだ方がいい? 248 00:15:08,036 --> 00:15:12,373 ごめん やめて 今はまだ。 249 00:15:12,373 --> 00:15:14,709 めんどくさ。 250 00:15:14,709 --> 00:15:17,545 こういう時って 何も言わずに 251 00:15:17,545 --> 00:15:19,881 慰めてくれるもんじゃないの? 252 00:15:19,881 --> 00:15:22,383 私に 何を期待してるの。 253 00:15:22,383 --> 00:15:25,553 変な騒ぎになる前に帰って 邪魔。 254 00:15:25,553 --> 00:15:29,057 邪魔… うっ…。 255 00:15:29,057 --> 00:15:31,893 あっ 悪かったわよ! 256 00:15:31,893 --> 00:15:34,228 ほんっと 調子狂うわね…。 257 00:15:34,228 --> 00:15:36,564 はぁ…。 258 00:15:36,564 --> 00:15:40,068 好きなだけいればいいわ。 259 00:15:40,068 --> 00:15:44,739 うん…。 けど 迎えが来たら帰りなさい。 260 00:15:44,739 --> 00:15:46,908 来るかな…。 261 00:15:46,908 --> 00:15:50,745 ふぅ… 来なかったら ずっといればいいじゃない。 262 00:15:50,745 --> 00:15:55,245 片手間でいいなら 話くらい聞いてあげるわ。 263 00:16:01,189 --> 00:16:03,191 (鼻をすする音) 264 00:16:03,191 --> 00:16:05,860 そう アニス様は 265 00:16:05,860 --> 00:16:08,363 王位なんか どうでもよかったんじゃないの? 266 00:16:08,363 --> 00:16:10,698 どうでもよかったよ…。 267 00:16:10,698 --> 00:16:13,201 でも もうアルくんはいない。 268 00:16:13,201 --> 00:16:17,872 王の責務を背負わなきゃ いけないのは 私なんだ…。 269 00:16:17,872 --> 00:16:21,709 じゃないと 私は王女としての価値がない。 270 00:16:21,709 --> 00:16:24,712 なのに 王にならなくていいなんて 271 00:16:24,712 --> 00:16:27,048 今さら ヒドくない? 272 00:16:27,048 --> 00:16:30,051 でも 諦めないといけないんだ。 273 00:16:30,051 --> 00:16:33,388 許されるわけないよ。 274 00:16:33,388 --> 00:16:37,058 別に 許してもらう 必要なんてないでしょ。 275 00:16:37,058 --> 00:16:39,060 えっ? 276 00:16:39,060 --> 00:16:42,063 娘に責任だけ押しつける バカな父親 277 00:16:42,063 --> 00:16:46,401 古臭いカビの生えた伝統を ありがたがってる バカな貴族 278 00:16:46,401 --> 00:16:49,070 アンタを認められない バカな国。 279 00:16:49,070 --> 00:16:52,073 そんな連中に 許してもらう必要ある? 280 00:16:52,073 --> 00:16:54,742 でも でもさ…。 281 00:16:54,742 --> 00:16:56,744 あ~ もう…。 282 00:16:56,744 --> 00:16:59,244 んっ。 うっ うぅ…。 283 00:17:04,185 --> 00:17:07,021 いいじゃない こんな国捨てちゃえば。 284 00:17:07,021 --> 00:17:09,691 王位も 何もかも捨てて 285 00:17:09,691 --> 00:17:11,693 どこか全然 違うところで 286 00:17:11,693 --> 00:17:13,695 魔法の研究すればいい。 287 00:17:13,695 --> 00:17:16,364 別に ここじゃなくたって できるでしょ。 288 00:17:16,364 --> 00:17:19,033 無理だよ…。 289 00:17:19,033 --> 00:17:21,202 資料とか資材が足りないなら 290 00:17:21,202 --> 00:17:23,538 私が手伝ってあげる。 291 00:17:23,538 --> 00:17:26,708 一緒に いろんなところ 旅するのもいいわね。 292 00:17:26,708 --> 00:17:29,544 ほかの国の 魔法や呪いを調べて 293 00:17:29,544 --> 00:17:32,380 たまに 美味しいもの食べて 294 00:17:32,380 --> 00:17:35,717 ついでに悪い貴族とか 悪徳商人から 295 00:17:35,717 --> 00:17:37,719 金を巻き上げたりして…。 296 00:17:37,719 --> 00:17:40,119 いいね それ…。 297 00:17:42,390 --> 00:17:44,559 でも ダメ…。 298 00:17:44,559 --> 00:17:46,894 それでも 捨てられない。 299 00:17:46,894 --> 00:17:49,564 王女であることは 捨てられないの。 300 00:17:49,564 --> 00:17:51,564 そう…。 301 00:17:53,568 --> 00:17:57,238 ティルティ いらっしゃいますか いましたらお返事を! 302 00:17:57,238 --> 00:17:59,574 お迎えが 来ちゃったわね。 303 00:17:59,574 --> 00:18:02,677 ふっ…。 304 00:18:02,677 --> 00:18:05,577 はぁ… いい? 305 00:18:09,016 --> 00:18:11,185 はぁ… ハァハァ…。 306 00:18:11,185 --> 00:18:14,689 ハァハァ… ハァ…。 307 00:18:14,689 --> 00:18:17,189 はっ アニス様…。 308 00:18:19,527 --> 00:18:23,197 私は席を外すわ 出る時は声をかけて。 309 00:18:23,197 --> 00:18:26,868 申し訳ありません ご迷惑をおかけします。 310 00:18:26,868 --> 00:18:28,868 (雨の音) 311 00:18:33,708 --> 00:18:36,377 はぁ…。 放っておいてよ。 312 00:18:36,377 --> 00:18:38,713 そんなわけには いきません。 313 00:18:38,713 --> 00:18:41,048 あっ… は…。 314 00:18:41,048 --> 00:18:44,552 あっ…。 315 00:18:44,552 --> 00:18:46,554 フッ…。 316 00:18:46,554 --> 00:18:49,557 なんで そんな顔するの? 317 00:18:49,557 --> 00:18:54,228 アニス様に怒りを向けられるのは 初めてですね。 318 00:18:54,228 --> 00:18:56,228 えっ? 319 00:18:58,399 --> 00:19:01,335 アニス様の中で 王女であることは 320 00:19:01,335 --> 00:19:04,835 私が考えていたよりも 大切なものだったのですね。 321 00:19:06,841 --> 00:19:10,011 はぁ… ふっ…。 322 00:19:10,011 --> 00:19:13,681 はっ…。 (鼻をすする音) 323 00:19:13,681 --> 00:19:18,519 ユフィは ずるい… 私だって 魔法は使いたかった! 324 00:19:18,519 --> 00:19:22,523 そうすれば 誰も 何も! 325 00:19:22,523 --> 00:19:25,193 失わなかったのに…。 326 00:19:25,193 --> 00:19:29,530 どうして今になって 私が王女で あることを とりあげるの! 327 00:19:29,530 --> 00:19:34,202 これは 私の義務で これしか残ってないの! 328 00:19:34,202 --> 00:19:37,705 認められなくても 期待されなくても 329 00:19:37,705 --> 00:19:40,041 私は この国の王女で 330 00:19:40,041 --> 00:19:43,044 父上と母上の娘なの! 331 00:19:43,044 --> 00:19:46,047 これからも 頑張れるから 332 00:19:46,047 --> 00:19:48,549 もっと頑張るから 333 00:19:48,549 --> 00:19:52,053 だから 私を いらない子にしないで…。 334 00:19:52,053 --> 00:19:55,353 うぅ…。 335 00:19:58,226 --> 00:20:00,728 (鼻をすする音) 336 00:20:00,728 --> 00:20:04,565 大丈夫… 私は 大丈夫だから…。 337 00:20:04,565 --> 00:20:08,069 はっ… 大丈夫なわけないでしょ! 338 00:20:08,069 --> 00:20:11,572 自分以外の 誰かが大事で 339 00:20:11,572 --> 00:20:13,908 放っておけなくて 340 00:20:13,908 --> 00:20:16,577 自分を 犠牲にしてしまうような人が 341 00:20:16,577 --> 00:20:19,413 誰にも認められず 342 00:20:19,413 --> 00:20:22,250 嫌われて 平気なわけ… 343 00:20:22,250 --> 00:20:24,752 大丈夫なわけ ないんですよ! 344 00:20:24,752 --> 00:20:26,754 やめて…。 345 00:20:26,754 --> 00:20:29,423 あなたが悪いわけじゃない! 346 00:20:29,423 --> 00:20:32,426 魔法がなければ 人を幸せにできない 347 00:20:32,426 --> 00:20:34,428 国こそが 悪いんじゃないですか! 348 00:20:34,428 --> 00:20:36,597 それでも この国は 349 00:20:36,597 --> 00:20:39,600 父上と母上が 守ろうとした国なの! 350 00:20:39,600 --> 00:20:44,438 それを 私は壊すことしかできない…。 351 00:20:44,438 --> 00:20:47,608 うっ うぅ~…。 352 00:20:47,608 --> 00:20:49,777 守ってきたじゃないですか。 353 00:20:49,777 --> 00:20:53,281 あなたが誰よりも信じた 「魔法」の力で 354 00:20:53,281 --> 00:20:56,284 あなたは 誰よりもこの国を思い 355 00:20:56,284 --> 00:20:59,954 ただ一人で 戦い続けてきたじゃないですか。 356 00:20:59,954 --> 00:21:02,390 誰かに認められなくても 357 00:21:02,390 --> 00:21:04,392 あなただけの魔法を 358 00:21:04,392 --> 00:21:07,561 形にして みせたじゃないですか。 359 00:21:07,561 --> 00:21:11,065 私が誰よりも あなたを肯定します。 360 00:21:11,065 --> 00:21:13,067 アニス様。 361 00:21:13,067 --> 00:21:17,067 うっ… うっ…。 362 00:21:20,741 --> 00:21:24,078 はっ! 363 00:21:24,078 --> 00:21:27,248 もういいよ もう充分だよ。 364 00:21:27,248 --> 00:21:29,250 あぁ…。 365 00:21:29,250 --> 00:21:31,252 《諦めていい。 366 00:21:31,252 --> 00:21:34,755 私が誰より憧れた ユフィが認めてくれた。 367 00:21:34,755 --> 00:21:37,758 もう充分 報われた》 368 00:21:37,758 --> 00:21:39,760 アニス様…。 369 00:21:39,760 --> 00:21:41,762 やっぱり 無理だよ。 370 00:21:41,762 --> 00:21:43,764 ユフィを犠牲にしたくない。 371 00:21:43,764 --> 00:21:46,434 私の夢と ユフィの人生 372 00:21:46,434 --> 00:21:48,436 比べるまでもないよ。 373 00:21:48,436 --> 00:21:50,438 ですが…。 374 00:21:50,438 --> 00:21:54,275 わかるよ ユフィが譲れないのも 375 00:21:54,275 --> 00:21:56,975 ユフィの気持ちも 言いたいことも…。 376 00:21:59,113 --> 00:22:01,549 だから 勝負しよう。 377 00:22:01,549 --> 00:22:03,551 えっ…。 378 00:22:03,551 --> 00:22:06,351 それで 私を納得させて。 379 00:22:11,058 --> 00:22:13,058 わかりました。