1 00:00:14,443 --> 00:00:17,112 (鳥のさえずり) 2 00:00:17,112 --> 00:00:19,114 (アニスフィア)え え~。 3 00:00:19,114 --> 00:00:22,451 今日から 新しいお友達が増えました。 4 00:00:22,451 --> 00:00:24,953 シアン男爵家の レイニ嬢です! 5 00:00:24,953 --> 00:00:26,955 みんな 仲よくしよう! 6 00:00:26,955 --> 00:00:28,955 (レイニ)ぐ…。 7 00:00:32,461 --> 00:00:35,464 あ~ あ…。 8 00:00:35,464 --> 00:00:37,966 (イリア)これは失礼。 お茶ですね。 9 00:00:37,966 --> 00:00:39,968 少々 お待ちください。 10 00:00:39,968 --> 00:00:41,970 はああ…。 11 00:00:41,970 --> 00:00:44,973 (ユフィリア)レイニ嬢。 はっ…。 12 00:00:44,973 --> 00:00:47,643 あなたの事情は うかがいました。 13 00:00:47,643 --> 00:00:52,147 私が それに関して思うところは 何もありません。 14 00:00:52,147 --> 00:00:54,316 え…。 15 00:00:54,316 --> 00:00:57,486 (ユフィリア)ですが あなたは気にするでしょうね。 16 00:00:57,486 --> 00:01:01,657 責めたほうが よいのか 許したほうが よいのか…。 17 00:01:01,657 --> 00:01:05,494 難しいものです 申し訳ありません。 18 00:01:05,494 --> 00:01:08,330 はっ… そんな… おやめください! 19 00:01:08,330 --> 00:01:10,499 ユフィリア様が 謝られることなど! 20 00:01:10,499 --> 00:01:12,434 すべては 私が悪いのです! 21 00:01:12,434 --> 00:01:17,940 レイニ嬢 あなたは害意があって 私を陥れたのですか? 22 00:01:17,940 --> 00:01:21,777 いえ まさか! そのようなつもりは まったく…。 23 00:01:21,777 --> 00:01:25,113 であれば あなたの生まれ持つ不幸を 24 00:01:25,113 --> 00:01:27,113 罪には問えません。 25 00:01:29,117 --> 00:01:31,119 あ…。 26 00:01:31,119 --> 00:01:33,121 あなたにも事情があり 27 00:01:33,121 --> 00:01:35,791 助けが必要で ここへ来たのでしょう。 28 00:01:35,791 --> 00:01:40,291 それなら 私は この手を はじくことなどできません。 29 00:01:42,631 --> 00:01:45,634 あ…。 30 00:01:45,634 --> 00:01:47,636 ふ ぐぅ…。 31 00:01:47,636 --> 00:01:53,336 (泣く声) 32 00:03:35,944 --> 00:03:37,946 (ティルティ)ふ~ん。 33 00:03:37,946 --> 00:03:39,948 (ティルティ)その子が例の…。 34 00:03:39,948 --> 00:03:42,951 (ティルティ)心臓に 魔石があるんですって? 35 00:03:42,951 --> 00:03:45,120 ぐ…。 ティルティ。 36 00:03:45,120 --> 00:03:48,623 レイニは 繊細なんだから あんまり怖がらせないで。 37 00:03:48,623 --> 00:03:53,295 あなた あまたの貴族令息を とりこ にしたそうね。 38 00:03:53,295 --> 00:03:56,465 (ティルティ)そんなこと どうやって… あ…。 39 00:03:56,465 --> 00:03:58,633 んっ? どしたの? 40 00:03:58,633 --> 00:04:00,802 …なるほどね。 41 00:04:00,802 --> 00:04:03,472 先に言われてなかったら 危なかったわ。 42 00:04:03,472 --> 00:04:07,809 いま私 その子に対して 申し訳ないって思わされた。 43 00:04:07,809 --> 00:04:12,414 へえ~ 人格破綻者でも 影響 受けるんだ~。 44 00:04:12,414 --> 00:04:15,250 やっぱり すごいね レイニの魅了。 45 00:04:15,250 --> 00:04:18,420 いえ 私には何が何だか…。 46 00:04:18,420 --> 00:04:21,590 本能的に発動しているわけね。 47 00:04:21,590 --> 00:04:23,790 (ティルティ)いかにも 魔石の固有魔法らしいわ。 48 00:04:25,761 --> 00:04:27,763 ていうか これってやっぱり…。 49 00:04:27,763 --> 00:04:29,765 あれじゃないかしら。 50 00:04:29,765 --> 00:04:32,768 あ~ ティルティも そう思った? 51 00:04:32,768 --> 00:04:37,105 魔石持ちの人間なんて そうそう存在しないもの…。 52 00:04:37,105 --> 00:04:39,608 (ティルティ)間違いないわね。 あ…。 53 00:04:39,608 --> 00:04:42,308 ちょっと あれとってくるわね。 54 00:04:50,285 --> 00:04:53,121 それは? 禁書よ。 55 00:04:53,121 --> 00:04:57,793 禁書!? あの… 禁書って? 56 00:04:57,793 --> 00:05:00,796 危険な思想や 技術が記されているから 57 00:05:00,796 --> 00:05:03,131 閲覧を禁じられている本よ。 58 00:05:03,131 --> 00:05:05,467 そんなものが なぜここに!? 59 00:05:05,467 --> 00:05:08,470 いつだったかしら アニス様が持ってきたのよ。 60 00:05:08,470 --> 00:05:11,973 アニス様…。 あ まぁまぁ…。 61 00:05:11,973 --> 00:05:15,243 その辺の話は いま置いといて~。 62 00:05:15,243 --> 00:05:17,245 これは昔々の 63 00:05:17,245 --> 00:05:19,945 とある魔法使いが遺した 研究資料なの。 64 00:05:21,917 --> 00:05:23,919 (ティルティ)その魔法使いの目的は 65 00:05:23,919 --> 00:05:26,755 魔法の真理を 追求することでした。 66 00:05:26,755 --> 00:05:29,591 (ティルティ)しかし その道は果てしなく 67 00:05:29,591 --> 00:05:32,928 生涯をかけても たどりつける境地ではありません。 68 00:05:32,928 --> 00:05:35,931 そこで魔法使いは 足りない命を 69 00:05:35,931 --> 00:05:38,433 他人の命で 補うことにしました。 70 00:05:38,433 --> 00:05:41,603 それは どのように…。 71 00:05:41,603 --> 00:05:44,773 魔法使いは 魔石の力を使ったんだ。 72 00:05:44,773 --> 00:05:47,609 私の「魔薬」みたいな形ではなく 73 00:05:47,609 --> 00:05:50,111 もっと直接的に 74 00:05:50,111 --> 00:05:53,448 奪ってきた魔石を 直接 体内に埋め込んで 75 00:05:53,448 --> 00:05:55,951 自ら 魔物そのものになった。 76 00:05:55,951 --> 00:05:58,954 そして 人々の命を吸った。 77 00:05:58,954 --> 00:06:02,290 あなたたちも 子どものころ 聞いたことがあるでしょう? 78 00:06:02,290 --> 00:06:06,127 人間を惑わし 自らの同胞を増やしながら 79 00:06:06,127 --> 00:06:09,798 闇夜にまぎれて 人に あだなす者。 80 00:06:09,798 --> 00:06:12,133 恐い恐い おとぎ話の怪物。 81 00:06:12,133 --> 00:06:14,333 ヴァンパイア…。 82 00:06:17,405 --> 00:06:20,242 お待ちください 何の話でしょう。 83 00:06:20,242 --> 00:06:24,246 今は レイニ様の問題について 話し合っていたはずでは。 84 00:06:24,246 --> 00:06:26,581 ヴァンパイアに血を吸われた者は 85 00:06:26,581 --> 00:06:28,750 ヴァンパイアになる っていうよね。 86 00:06:28,750 --> 00:06:30,752 その本によると 87 00:06:30,752 --> 00:06:33,421 それってどうも 洗脳のことだったみたいで。 88 00:06:33,421 --> 00:06:35,423 洗脳…。 89 00:06:35,423 --> 00:06:38,426 つまり ヴァンパイアが 同族を増やすっていうのは 90 00:06:38,426 --> 00:06:40,762 自分にとって 都合のいいように 91 00:06:40,762 --> 00:06:43,765 「他人の認識を書き換える」 ことだったんだ。 92 00:06:43,765 --> 00:06:46,768 (ティルティ)かの魔法使いは こう考えた。 93 00:06:46,768 --> 00:06:50,272 自らの思想を受け継ぐ予備を たくさん用意して 94 00:06:50,272 --> 00:06:54,109 いつかどれかが 真理に たどりつけば それでいいと。 95 00:06:54,109 --> 00:06:56,778 外道ですね。 96 00:06:56,778 --> 00:07:00,782 (ティルティ)魔石の力で 他人の思考を操作する人間…。 97 00:07:00,782 --> 00:07:04,119 最近どこかで 聞いた話よね。 98 00:07:04,119 --> 00:07:08,957 私… ヴァンパイアなんですか…。 あ…。 99 00:07:08,957 --> 00:07:11,293 あ…。 んっ…。 100 00:07:11,293 --> 00:07:16,398 ああ うん… ヴァンパイアっていうか まぁ その子孫的なやつ? 101 00:07:16,398 --> 00:07:19,067 禁書によると 体内に取り込んだ魔石は 102 00:07:19,067 --> 00:07:22,237 遺伝するみたいだから たぶん レイニのお母さんの 103 00:07:22,237 --> 00:07:25,240 お母さんの そのまたお母さんの…。 104 00:07:25,240 --> 00:07:28,910 あ… もしレイニが自分の力を 制御できるようになったら 105 00:07:28,910 --> 00:07:31,079 逆にそれは すごいことになるよ! 106 00:07:31,079 --> 00:07:33,081 そうなんでしょうか…。 107 00:07:33,081 --> 00:07:35,250 それ おもしろそうね。 108 00:07:35,250 --> 00:07:38,753 さっそく実験… いえ 特訓をしましょう。 109 00:07:38,753 --> 00:07:42,253 (ティルティ)魔石の力を 制御したいんでしょ? あ…。 110 00:07:45,260 --> 00:07:48,096 魔力の流れが滞ってるわね…。 111 00:07:48,096 --> 00:07:50,598 今から 私の言うようにしてみて。 112 00:07:50,598 --> 00:07:53,998 は はい! すぅ…。 113 00:07:59,441 --> 00:08:01,443 ふぅ…。 114 00:08:01,443 --> 00:08:04,112 うん 初めてにしては 上々だわ。 115 00:08:04,112 --> 00:08:06,114 今日は ここまでにしましょう。 116 00:08:06,114 --> 00:08:08,283 ありがとうございました。 117 00:08:08,283 --> 00:08:11,983 おっ? レイニ その目…。 え…。 118 00:08:14,222 --> 00:08:16,224 お…。 119 00:08:16,224 --> 00:08:19,894 あ あれ… 何これ 歯が…。 120 00:08:19,894 --> 00:08:22,397 歯? あっ 牙! 121 00:08:22,397 --> 00:08:24,399 レイニ どう? 122 00:08:24,399 --> 00:08:26,568 魅了は意識して 抑えられそうかしら。 123 00:08:26,568 --> 00:08:30,739 あ はい! なんだか モヤが取れたような…。 124 00:08:30,739 --> 00:08:33,241 今なら 力の使い方が 125 00:08:33,241 --> 00:08:35,577 はっきりわかるような 気がします! 126 00:08:35,577 --> 00:08:40,081 ヴァンパイアの魔石が活性化した… 思ったとおりだわ。 127 00:08:40,081 --> 00:08:42,751 これなら あとはレイニしだいだね! 128 00:08:42,751 --> 00:08:44,753 この子の場合 魔石は 129 00:08:44,753 --> 00:08:47,255 体内にあって 当たり前のものだった。 130 00:08:47,255 --> 00:08:50,925 (ティルティ)そんな不活性化状態の方が 健全ではなかったのよ。 131 00:08:50,925 --> 00:08:54,929 だから 一度魔力の流れを…。 あの2人は すごいですね…。 132 00:08:54,929 --> 00:08:56,931 ん…。 133 00:08:56,931 --> 00:09:00,435 (ティルティ)今のレイニが 何かしている感じはしないわ。 134 00:09:00,435 --> 00:09:04,272 となると たぶん…。 ん ユフィ? どうかした? 135 00:09:04,272 --> 00:09:07,108 あ いえ… 何でも…。 136 00:09:07,108 --> 00:09:09,444 ん…。 137 00:09:09,444 --> 00:09:13,381 ああ そうだ。 これ書庫に返してこなきゃ。 138 00:09:13,381 --> 00:09:16,051 でも1人じゃ つまんないわね。 139 00:09:16,051 --> 00:09:19,054 アニス様 ちょっとユフィリア様を 借りるわよ。 140 00:09:19,054 --> 00:09:21,054 (アニスフィア/ユフィリア)はあ? 141 00:09:26,728 --> 00:09:31,232 (ティルティ)さて… それで? えっ? 142 00:09:31,232 --> 00:09:35,236 私 ただならぬ視線を 向けられていたわけだけど。 143 00:09:35,236 --> 00:09:38,073 (ティルティ)何か言いたいことが あるんじゃないかしら。 144 00:09:38,073 --> 00:09:40,241 はあ… 特には…。 145 00:09:40,241 --> 00:09:42,911 嫉妬? 146 00:09:42,911 --> 00:09:44,913 あ…。 147 00:09:44,913 --> 00:09:48,917 え 何このお嬢様 自覚なしなの? 148 00:09:48,917 --> 00:09:51,086 そう見えたのでしょうか? 149 00:09:51,086 --> 00:09:54,586 ほかの何に見えるのか 逆に聞きたいぐらいよ。 150 00:09:56,591 --> 00:10:01,091 そうですか… 私は嫉妬をしていたのですね…。 151 00:10:03,098 --> 00:10:06,267 ああ もう やりにくい子ね。 ん…。 152 00:10:06,267 --> 00:10:09,270 あなた アニス様の何なの? 153 00:10:09,270 --> 00:10:12,107 助手 ですけど…。 154 00:10:12,107 --> 00:10:15,944 だから 本気で助手のつもりなの って聞いてるの。 155 00:10:15,944 --> 00:10:18,780 あ… んっ。 156 00:10:18,780 --> 00:10:21,116 ちょっとやめてよ そんな顔。 157 00:10:21,116 --> 00:10:23,952 まるで私 悪者みたいじゃない。 158 00:10:23,952 --> 00:10:27,122 アニス様が ユフィリア様を助手にしたのは 159 00:10:27,122 --> 00:10:30,959 あなたの名誉を 回復するためなんでしょう? 160 00:10:30,959 --> 00:10:35,130 その目的はドラゴン討伐で ある程度 達成されてるし 161 00:10:35,130 --> 00:10:38,967 騒動の原因だった レイニのなぞも解明された。 162 00:10:38,967 --> 00:10:42,971 もう あなたが助手を 続ける理由なんてないじゃない。 163 00:10:42,971 --> 00:10:45,473 あ それは…。 164 00:10:45,473 --> 00:10:48,977 別に あなたの立場を 奪うつもりはないわ。 165 00:10:48,977 --> 00:10:52,313 私 アニス様の魔学や魔導具は 166 00:10:52,313 --> 00:10:54,649 おもしろいから 手を貸してるけど 167 00:10:54,649 --> 00:10:56,651 魔法使いになりたいとかいう 168 00:10:56,651 --> 00:10:59,988 アイツの馬鹿みたいな夢に 寄り添うつもりはないもの。 169 00:10:59,988 --> 00:11:02,157 そうなんですか? 170 00:11:02,157 --> 00:11:04,826 私の話は いいのよ。 171 00:11:04,826 --> 00:11:07,328 あなた自身は どうなのって話。 172 00:11:07,328 --> 00:11:09,831 どう とは…。 173 00:11:09,831 --> 00:11:13,434 たとえば アルガルド王子が 次の国王になったら 174 00:11:13,434 --> 00:11:16,104 彼に毛嫌いされてる アニス王女は 175 00:11:16,104 --> 00:11:19,274 遠い辺境の地に 追放されるかもしれない。 176 00:11:19,274 --> 00:11:21,943 あなた それに付き合えるの? 177 00:11:21,943 --> 00:11:23,945 あ…。 178 00:11:23,945 --> 00:11:27,949 そうよね 感情任せに 即答はできないわよね。 179 00:11:27,949 --> 00:11:32,549 あなたの言動には マゼンタ公爵家の 行く末が かかわるんだから。 180 00:11:34,622 --> 00:11:36,624 アニス様は 異端なのよ。 181 00:11:36,624 --> 00:11:40,128 中途半端なままで そばにいると 後悔するわ。 182 00:11:40,128 --> 00:11:43,328 (ティルティ)しっかり 考えておきなさい。 ん…。 183 00:11:45,300 --> 00:11:47,300 そうですね…。 184 00:11:54,976 --> 00:11:56,978 (ノック) 185 00:11:56,978 --> 00:11:58,980 どうぞ。 (扉が開く音) 186 00:11:58,980 --> 00:12:01,149 ヘヘッ…。 187 00:12:01,149 --> 00:12:04,319 アニス様 どうされました? (扉が閉まる音) 188 00:12:04,319 --> 00:12:08,823 うん うん~ 別に用とかは ないんだけど…。 189 00:12:08,823 --> 00:12:12,927 まぁ ちょっと ユフィの元気がなかったかな~って。 190 00:12:12,927 --> 00:12:15,227 あ… フッ。 191 00:12:18,766 --> 00:12:21,436 ユフィ いま何してた? 192 00:12:21,436 --> 00:12:23,438 なんでしょう…。 193 00:12:23,438 --> 00:12:26,441 これからのことを考えていました。 194 00:12:26,441 --> 00:12:28,443 え~? なにそれ。 195 00:12:28,443 --> 00:12:31,446 一連の騒動も 落ち着いてきましたから。 196 00:12:31,446 --> 00:12:35,450 その先のことを…。 そっか…。 197 00:12:35,450 --> 00:12:38,450 中途半端は 私も嫌ですから。 198 00:12:40,455 --> 00:12:43,255 え なに? 何でもありません。 199 00:12:46,127 --> 00:12:49,464 私は… 私自身は 200 00:12:49,464 --> 00:12:53,468 何を本気でしたいんだろうって 考えていたんです。 201 00:12:53,468 --> 00:12:55,468 答えは見つかった? 202 00:12:57,805 --> 00:13:00,975 アニス様は どうしてそんなに 魔法が好きなのですか? 203 00:13:00,975 --> 00:13:04,479 フッフフ… 突然だね~。 んん~。 204 00:13:04,479 --> 00:13:08,149 それはもう好きだからって理由に 尽きるかな~。 205 00:13:08,149 --> 00:13:12,049 たぶん 恋みたいなものだよ。 知らないけどね! 206 00:13:13,921 --> 00:13:16,021 私も 好きになりたいです。 207 00:13:18,760 --> 00:13:20,762 ねぇ ユフィ。 208 00:13:20,762 --> 00:13:23,097 私 今日ここで寝ていい? 209 00:13:23,097 --> 00:13:25,997 あ… フッ…。 210 00:13:29,437 --> 00:13:32,437 (鳥のさえずり) 211 00:13:34,942 --> 00:13:38,446 (レイニ)あ あの…。 ん…。 212 00:13:38,446 --> 00:13:40,782 ん んん…。 213 00:13:40,782 --> 00:13:43,951 レイニ様 どうかなさいましたか。 214 00:13:43,951 --> 00:13:48,122 え えと 私その…。 215 00:13:48,122 --> 00:13:53,294 また… お願いしても いいですか? 216 00:13:53,294 --> 00:13:55,463 はあ…。 217 00:13:55,463 --> 00:13:59,063 (イリア)かまいません どうぞ。 218 00:14:02,470 --> 00:14:04,472 (ティルティ)吸血衝動? 219 00:14:04,472 --> 00:14:06,474 はい…。 220 00:14:06,474 --> 00:14:10,478 レイニの魔石 私たちが 活性化させちゃったからね。 221 00:14:10,478 --> 00:14:14,415 今までよりも 魔力を消耗しやすいんだと思う。 222 00:14:14,415 --> 00:14:16,584 体が魔力不足を感じると 223 00:14:16,584 --> 00:14:20,088 吸血衝動っていう形で 現れちゃうみたいで。 224 00:14:20,088 --> 00:14:22,090 さすが ヴァンパイア。 225 00:14:22,090 --> 00:14:24,258 血に含まれてる魔力を 自分のものとして 226 00:14:24,258 --> 00:14:26,260 取り込めるってわけね。 227 00:14:26,260 --> 00:14:28,262 で 血は吸わせてるの? 228 00:14:28,262 --> 00:14:32,100 うん イリアが。 あ…。 229 00:14:32,100 --> 00:14:34,602 私たちも協力するって 言ったんだけど 230 00:14:34,602 --> 00:14:37,772 身分を考えろって しかられちゃってさ。 231 00:14:37,772 --> 00:14:42,777 イリア様には 本当に感謝しています。 (扉の開閉音) 232 00:14:42,777 --> 00:14:44,779 (イリア)姫様。 233 00:14:44,779 --> 00:14:47,615 ああ イリア。 えっ どしたの? 234 00:14:47,615 --> 00:14:49,617 暗い顔して…。 235 00:14:49,617 --> 00:14:52,453 このようなものを 預かってしまいました…。 236 00:14:52,453 --> 00:14:54,789 (イリア)魔法省からです。 237 00:14:54,789 --> 00:14:58,960 う~わ… めんどくさ…。 238 00:14:58,960 --> 00:15:01,963 クソ魔法省 なんですって? 239 00:15:01,963 --> 00:15:05,967 アニス様に講演会を 開いていただきたいとのことです。 240 00:15:05,967 --> 00:15:08,970 講演会? アニス様すごいです! 241 00:15:08,970 --> 00:15:11,806 あ~ そういうんじゃなくてね。 242 00:15:11,806 --> 00:15:15,076 要は ドラゴンの素材を いったい何に使うのか 243 00:15:15,076 --> 00:15:17,912 大勢の前で説明しろってこと。 244 00:15:17,912 --> 00:15:19,914 そうなんですか? 245 00:15:19,914 --> 00:15:22,917 あ…。 246 00:15:22,917 --> 00:15:26,921 あ… なかなか挑戦的な文面ですね。 247 00:15:26,921 --> 00:15:30,925 ねっ かかわりたくないでしょ? え えっと…。 248 00:15:30,925 --> 00:15:34,595 伝統を重んじる魔法省の エリートさん方は 249 00:15:34,595 --> 00:15:38,099 王女殿下の魔学やら 魔導具やらが 気に入らないのよ。 250 00:15:38,099 --> 00:15:42,937 精霊信仰に そぐわないだの 国民に 悪影響を及ぼすだの 251 00:15:42,937 --> 00:15:45,273 ま~た ゴチャゴチャ難癖つけて 252 00:15:45,273 --> 00:15:48,776 私の素材を取りあげようって つもりなんだよ どうせ。 253 00:15:48,776 --> 00:15:51,612 ん…。 で どうするの? 254 00:15:51,612 --> 00:15:54,115 面倒だからって 講演を断れば 255 00:15:54,115 --> 00:15:56,117 勝手に邪推されて 256 00:15:56,117 --> 00:15:59,620 よからぬウワサが 広がることになるわよねぇ? 257 00:15:59,620 --> 00:16:02,290 (ティルティ)アニス様はもちろん 周囲の人間も 258 00:16:02,290 --> 00:16:04,292 まとめて ブッたたかれちゃうんだわ~。 259 00:16:04,292 --> 00:16:06,461 それはダメだ! 260 00:16:06,461 --> 00:16:09,630 といっても どうしたもんか…。 261 00:16:09,630 --> 00:16:14,030 貴重なドラゴンの素材… 一片たりとも取られたくないぞ。 262 00:16:16,070 --> 00:16:18,739 よし こうなったら 魔法省も納得する 263 00:16:18,739 --> 00:16:21,576 壮大な 新プロダクトを打ちたてよう! 264 00:16:21,576 --> 00:16:24,412 異端児の姫様が 何を言ったところで 265 00:16:24,412 --> 00:16:27,248 納得しますかね… あの方々…。 266 00:16:27,248 --> 00:16:29,250 それな。 267 00:16:29,250 --> 00:16:32,420 ああ~ もう 魔法省め~! 268 00:16:32,420 --> 00:16:34,922 アニス様。 んっ? 269 00:16:34,922 --> 00:16:38,922 私に 任せてもらえませんか? えっ? 270 00:16:46,100 --> 00:16:51,600 (ざわめき) 271 00:17:02,283 --> 00:17:04,285 皆様 ごきげんよう。 272 00:17:04,285 --> 00:17:07,955 本日の講演を務めます アニスフィア・ウィン・パレッティアです。 273 00:17:07,955 --> 00:17:10,291 (数人の拍手) 274 00:17:10,291 --> 00:17:13,227 あら ノリの悪いお客さんたち。 275 00:17:13,227 --> 00:17:16,397 でしょうね。 ん…。 276 00:17:16,397 --> 00:17:20,067 それでは 私が討伐した ドラゴンの素材 277 00:17:20,067 --> 00:17:22,904 その用途について 開示させていただきます。 278 00:17:22,904 --> 00:17:26,073 が 本題へ入る前に 279 00:17:26,073 --> 00:17:28,743 まずは こちらの魔導具を ご覧ください。 280 00:17:28,743 --> 00:17:32,413 魔導具… あの魔学とかいう怪しげな…。 281 00:17:32,413 --> 00:17:36,584 魔法の真似事など 精霊への冒涜ではないのか? 282 00:17:36,584 --> 00:17:38,586 これは 魔女ボウキ。 283 00:17:38,586 --> 00:17:42,757 私が魔学によって編み出した 飛行用 魔導具です。 284 00:17:42,757 --> 00:17:44,759 これによって我々は 285 00:17:44,759 --> 00:17:48,095 空という 未踏の領域へ 踏み出すことができます。 286 00:17:48,095 --> 00:17:52,934 あんなもの キテレツ王女のほかに 誰が使えるというのだ バカバカしい。 287 00:17:52,934 --> 00:17:56,034 やはり 魔法も使えぬ王女様では 話になりませんな。 288 00:17:58,105 --> 00:18:00,942 《う~わ いちゃもんつける気しかないな 289 00:18:00,942 --> 00:18:02,944 このおっちゃんたち…》 290 00:18:02,944 --> 00:18:06,280 アニス様。 あ…。 291 00:18:06,280 --> 00:18:08,780 (シャルトルーズ)ん~? (足音) 292 00:18:10,785 --> 00:18:13,554 アニスフィア王女の 助手を務めております 293 00:18:13,554 --> 00:18:15,723 ユフィリア・マゼンタです。 294 00:18:15,723 --> 00:18:19,727 ここからは私が 魔法使いとしての観点を交えて 295 00:18:19,727 --> 00:18:21,729 ご説明させていただきます。 296 00:18:21,729 --> 00:18:24,732 (モーリッツ)マゼンタ公爵家の天才令嬢…。 297 00:18:24,732 --> 00:18:26,734 ぬぅ…。 298 00:18:26,734 --> 00:18:28,736 皆様 ご承知のとおり 299 00:18:28,736 --> 00:18:32,406 飛行魔法は習得も制御も 極めて困難であり 300 00:18:32,406 --> 00:18:34,575 誰もが 自由に空を飛ぶことは 301 00:18:34,575 --> 00:18:37,244 実質的に不可能とされてきました。 302 00:18:37,244 --> 00:18:41,082 しかし 飛行用魔導具は それを可能にします。 303 00:18:41,082 --> 00:18:46,087 王女殿下の研究を間近に 見てきた私が 断言いたします。 304 00:18:46,087 --> 00:18:51,258 誰でも飛べるですと? ふむ 興味深い話ですな…。 305 00:18:51,258 --> 00:18:53,260 この魔女ボウキ 306 00:18:53,260 --> 00:18:56,263 すでに開発者自身によって 実用化されています。 307 00:18:56,263 --> 00:18:58,265 しかし…。 んっ? 308 00:18:58,265 --> 00:19:00,434 この形状は いただけません。 309 00:19:00,434 --> 00:19:02,770 開発者の趣味のようですが 310 00:19:02,770 --> 00:19:05,439 安全面の観点から 問題があります。 311 00:19:05,439 --> 00:19:09,276 え~ 魔法使いが飛ぶって言ったら 普通 ホウキじゃん。 312 00:19:09,276 --> 00:19:11,612 どこの普通よ それ…。 313 00:19:11,612 --> 00:19:13,547 そこで王女殿下は 314 00:19:13,547 --> 00:19:17,051 より汎用性の高い魔導具の開発に 踏み切りました。 315 00:19:17,051 --> 00:19:19,553 こちらをご覧ください。 316 00:19:19,553 --> 00:19:23,391 (聴衆たち)おお…。 それは? 317 00:19:23,391 --> 00:19:26,060 空を舞うドラゴンのように という意味で 318 00:19:26,060 --> 00:19:28,062 「エアドラ」と名づけられました。 319 00:19:28,062 --> 00:19:32,066 こちらであれば 馬に乗る要領で 身体を固定するため 320 00:19:32,066 --> 00:19:35,903 操作性・安全性ともに 申し分ありません。 321 00:19:35,903 --> 00:19:38,739 研究が進み 量産化が実現すれば 322 00:19:38,739 --> 00:19:42,076 我が国の交通網は めざましい発展を遂げ 323 00:19:42,076 --> 00:19:46,414 それによって 莫大な経済効果を もたらすことになるでしょう。 324 00:19:46,414 --> 00:19:50,014 そういうことであれば…。 無視できぬ 研究ですな…。 325 00:19:52,086 --> 00:19:54,755 このエアドラの開発には ドラゴンの素材が 326 00:19:54,755 --> 00:19:56,757 必要不可欠となります。 327 00:19:56,757 --> 00:19:59,760 そりゃそうよね。 そもそも ドラゴンの素材を 328 00:19:59,760 --> 00:20:02,930 横取りされないために 考え出した魔導具なんだし。 329 00:20:02,930 --> 00:20:06,100 ティルティ うるさい。 …固有魔法に着想を得たものです。 330 00:20:06,100 --> 00:20:11,272 また皆様 ご承知のとおり…。 チッ。 んん…。 331 00:20:11,272 --> 00:20:15,276 むぅ 理にはかなっている…。 332 00:20:15,276 --> 00:20:20,448 だが しかしこれは 旧来の精霊信仰に対する…。 333 00:20:20,448 --> 00:20:24,948 ドラゴンの素材の用途説明については おおむね以上となります。 334 00:20:26,954 --> 00:20:30,458 まずまず だったわね。 うん さすが ユフィだ。 335 00:20:30,458 --> 00:20:32,460 ですが。 (ティルティ/アニスフィア)んっ? 336 00:20:32,460 --> 00:20:36,630 こうした革新的な研究が 魔法省の方々には 337 00:20:36,630 --> 00:20:39,967 精霊や神々への 冒涜と 捉えられてしまうことを 338 00:20:39,967 --> 00:20:41,969 私は懸念しております。 339 00:20:41,969 --> 00:20:46,307 な なんだと? 事実 冒涜ではないか! 340 00:20:46,307 --> 00:20:49,810 へっ? へぇ そこまで切り込むんだぁ? 341 00:20:49,810 --> 00:20:51,812 いや 聞いてないし…。 342 00:20:51,812 --> 00:20:53,814 あら 彼女の独断? 343 00:20:53,814 --> 00:20:56,814 やるじゃない あなたの助手。 あ…。 344 00:20:58,819 --> 00:21:01,989 世を知り ことわりを知り 魔法を知り… 345 00:21:01,989 --> 00:21:06,159 そのすべてが総合されて 魔学は 生まれています。 346 00:21:06,159 --> 00:21:09,663 それは学問であって 決して信仰や 伝統を 347 00:21:09,663 --> 00:21:11,832 ないがしろにするものでは ありません。 348 00:21:11,832 --> 00:21:16,436 たしかに王女殿下の魔学は 既存の枠を外れた 大胆な 349 00:21:16,436 --> 00:21:18,438 言い換えれば 異端で 350 00:21:18,438 --> 00:21:21,274 理解しがたいものに 見えるかもしれません。 351 00:21:21,274 --> 00:21:25,278 しかしそれは 精霊たちへの 敬意の表れなのです。 352 00:21:25,278 --> 00:21:28,114 な…。 いえ むしろ 353 00:21:28,114 --> 00:21:32,285 今まで 我らが受け継いできた 信仰や伝統あってこそ 354 00:21:32,285 --> 00:21:34,485 生まれたものなのです。 あ…。 355 00:21:36,790 --> 00:21:39,793 王女殿下が精霊の加護を 賜らなかったのは 356 00:21:39,793 --> 00:21:41,962 無才だったからでは ありません。 357 00:21:41,962 --> 00:21:46,299 その才を 精霊が お認めになったがゆえなのだと 358 00:21:46,299 --> 00:21:48,969 私は 皆様に お伝えしたく思います。 359 00:21:48,969 --> 00:21:51,972 ユフィ…。 私は思うのです。 360 00:21:51,972 --> 00:21:55,976 今こそ 我らは 変化とともに 歩むべきなのだと。 361 00:21:55,976 --> 00:21:58,645 ここまで歩んできた 礎とともに 362 00:21:58,645 --> 00:22:02,315 皆様とともに 未来を目指したく思うのです。 363 00:22:02,315 --> 00:22:05,318 本日は そのよき未来のための 364 00:22:05,318 --> 00:22:08,518 第一歩になればと 願うばかりでございます。 365 00:22:10,824 --> 00:22:16,324 (大きな拍手) 366 00:22:21,268 --> 00:22:24,468 ありがとう ユフィ…。