1 00:01:29,890 --> 00:01:32,392 (ココロワヒメ)書けません。 2 00:01:36,163 --> 00:01:38,165 はぁ…。 3 00:01:40,167 --> 00:01:43,837 ((サクナヒメ:さすが朧月香子 まさに天才じゃな。 4 00:01:43,837 --> 00:01:46,340 グッ グフフ。 ん? なにゆえ笑う? 5 00:01:46,340 --> 00:01:48,342 い… いえ。 6 00:01:48,342 --> 00:01:52,512 それで その後 朧月香子の新刊は 出ておらぬのか? 7 00:01:52,512 --> 00:01:56,516 残念ながら お役目が 忙しいこともあり…。 8 00:01:56,516 --> 00:01:58,518 お役目? い… いえ! 9 00:01:58,518 --> 00:02:03,190 おそらく 筆者の朧月香子様も 忙しいのではないかと。 10 00:02:03,190 --> 00:02:07,861 そうか… 一度会ってみたいがのう)) 11 00:02:07,861 --> 00:02:12,032 《私がその 朧月香子なのです。 12 00:02:12,032 --> 00:02:15,369 サクナさんが求めてくださるならと➡ 13 00:02:15,369 --> 00:02:18,372 こうして 再び筆を執ったのですが…》 14 00:02:18,372 --> 00:02:23,377 はぁ… 一向に書けません。 15 00:02:25,879 --> 00:02:28,382 この 『四季草子』のように➡ 16 00:02:28,382 --> 00:02:32,386 経験を基にして書くほうが よいのでしょうか…。 17 00:02:32,386 --> 00:02:39,893 サクナさんが喜んで 経験を基に 書くとなると やはり…。 18 00:02:47,667 --> 00:02:49,669 おっ。 19 00:02:49,669 --> 00:02:52,506 ウケタマヒメ様! (ウケタマヒメ)押さないでくださいまし。 20 00:02:52,506 --> 00:02:55,342 押さないでくださいまし。 21 00:02:55,342 --> 00:02:57,678 あのお方は…。 22 00:02:57,678 --> 00:03:00,847 (ウケタマヒメ)焦らずとも わらわは逃げませんことよ。 23 00:03:00,847 --> 00:03:02,849 どうすれば 『四季草子』のような➡ 24 00:03:02,849 --> 00:03:05,852 すばらしい随筆を 書けるのですか? 25 00:03:05,852 --> 00:03:09,356 あらあら なんということはありませんわ。 26 00:03:09,356 --> 00:03:11,358 わらわが じかに見聞きした情景を➡ 27 00:03:11,358 --> 00:03:14,695 心のままに つづっているだけですの。 28 00:03:14,695 --> 00:03:16,863 (みんな)おぉ~! 29 00:03:16,863 --> 00:03:20,367 (ウケタマヒメ)そう じかに見聞きというのが肝です。 30 00:03:20,367 --> 00:03:23,870 想像の産物である 物語とは異なり➡ 31 00:03:23,870 --> 00:03:27,040 真に迫る生活感を描けますから。 32 00:03:27,040 --> 00:03:29,042 (ざわめき) 33 00:03:29,042 --> 00:03:32,713 (ウケタマヒメ)ほら 『片恋物語』という 小説があるでしょう? 34 00:03:32,713 --> 00:03:37,984 あの物語ときたら まるで夢を そのままつづったかのようで➡ 35 00:03:37,984 --> 00:03:40,987 わらわの作品とは まるで異なります。 36 00:03:40,987 --> 00:03:43,990 (ざわめき) 37 00:03:43,990 --> 00:03:46,660 あら どなたもご存じでない? 38 00:03:46,660 --> 00:03:50,864 ぜひ読み比べてくださいまし。 オホホホ…。 39 00:04:00,841 --> 00:04:04,010 《期待してくれている サクナさんのためにも➡ 40 00:04:04,010 --> 00:04:09,015 早く書かなければ。 ですが 朧月香子として➡ 41 00:04:09,015 --> 00:04:11,852 粗雑なものを お出しするわけには…》 42 00:04:11,852 --> 00:04:14,855 ココロワ! ココロワ! 43 00:04:16,857 --> 00:04:21,695 ココロワ! サ… サクナさん それに タマさんも。 44 00:04:21,695 --> 00:04:24,531 さっきからずっと 声をかけておったのに。 45 00:04:24,531 --> 00:04:26,533 (タマ爺)ココロワヒメ様➡ 46 00:04:26,533 --> 00:04:29,369 ずいぶんお疲れのように お見受けしますが。 47 00:04:29,369 --> 00:04:33,640 い… いえ! それよりも 都へ来ていらしたのですね。 48 00:04:33,640 --> 00:04:37,644 うむ。 これからおぬしの所へ 向かおうとしとったんじゃ。 49 00:04:37,644 --> 00:04:39,646 お土産も ほれ。 50 00:04:39,646 --> 00:04:45,485 感謝を申し上げますわ。 サクナさん それは? 51 00:04:45,485 --> 00:04:48,488 あぁ 香子の新作を 買いに来たんじゃが➡ 52 00:04:48,488 --> 00:04:50,490 まだ出ていなくてな。 53 00:04:50,490 --> 00:04:53,660 書林に積まれておったから 買うてみた。 54 00:04:53,660 --> 00:04:56,663 『四季草子』という 日記のようでな➡ 55 00:04:56,663 --> 00:04:59,166 冒頭だけ読んでみたが おもしろいぞ。 56 00:04:59,166 --> 00:05:02,002 やはり 経験するしか…。 57 00:05:02,002 --> 00:05:04,004 ん? なんじゃ? 58 00:05:04,004 --> 00:05:08,508 あの サクナさん お願いがございます。 59 00:05:08,508 --> 00:05:11,178 どうしたんじゃ? そんなにかしこまって。 60 00:05:11,178 --> 00:05:14,347 その… 今春からの稲作➡ 61 00:05:14,347 --> 00:05:17,851 私にも手伝わせて いただけないでしょうか。 62 00:05:17,851 --> 00:05:21,521 あぁ まことか! おぬしも忙しいじゃろうに。 63 00:05:21,521 --> 00:05:26,193 田植えから稲刈りまで 一とおりを 体験したいと思いまして。 64 00:05:26,193 --> 00:05:29,029 そうか…。 65 00:05:29,029 --> 00:05:31,698 いや それは やめといたほうがよいな。 66 00:05:31,698 --> 00:05:34,301 え? 慣れないおぬしだけで➡ 67 00:05:34,301 --> 00:05:36,303 野良仕事をやるのは無理じゃろ。 68 00:05:36,303 --> 00:05:39,973 まっ そこは わしらに任せてくれればよい。 69 00:05:39,973 --> 00:05:45,145 それより早う家へ行こう。 この漬物じゃが もう絶品で。 70 00:05:45,145 --> 00:05:47,147 ん? どうした? 71 00:05:47,147 --> 00:05:51,651 サクナさんまで… サクナさんまで➡ 72 00:05:51,651 --> 00:05:54,321 私にはできないと おっしゃるのですか!? 73 00:05:54,321 --> 00:05:57,824 ココロワ? 何を怒っておるんじゃ? 74 00:05:57,824 --> 00:06:01,328 怒っていません。 怒っとるじゃろ。 75 00:06:01,328 --> 00:06:03,663 怒っていませんわ! えっ! 76 00:06:03,663 --> 00:06:08,335 決めました。 私はヒノエで稲作を行います。 77 00:06:08,335 --> 00:06:12,005 田植え… いえ 田起こしから稲刈りまで! 78 00:06:12,005 --> 00:06:14,674 た… 田起こしからか? 無理じゃろ。 79 00:06:14,674 --> 00:06:16,676 おぬしも都で仕事が…。 80 00:06:16,676 --> 00:06:21,348 また無理って…。 稲作くらい 私にもできますわ! 81 00:06:21,348 --> 00:06:24,517 くらい…。 82 00:06:24,517 --> 00:06:29,189 稲作は おぬしが考えているよりも ずいぶんと大変なものじゃ。 83 00:06:29,189 --> 00:06:31,358 わしも最初はのう…。 84 00:06:31,358 --> 00:06:34,127 米なんかろくに取れんかったし➡ 85 00:06:34,127 --> 00:06:36,630 今でさえうまくいかんこともある。 86 00:06:36,630 --> 00:06:40,467 軽んじるものではないぞ。 軽んじてなどおりません。 87 00:06:40,467 --> 00:06:44,638 ただ… 私もこなしてみせますわ! 88 00:06:44,638 --> 00:06:47,440 お二方とも 少し落ち着かれては…。 89 00:06:50,477 --> 00:06:52,479 わかった。 え? 90 00:06:52,479 --> 00:06:58,318 もはや何も言わぬ。 好きにせい。 91 00:06:58,318 --> 00:07:00,320 おひい様! 92 00:07:02,322 --> 00:07:05,992 えぇ 好きにやらせていただきます! 93 00:07:05,992 --> 00:07:08,828 やってみせますわ。 94 00:07:08,828 --> 00:07:18,438 (雨音) 95 00:07:35,789 --> 00:07:37,791 んっ! 96 00:07:37,791 --> 00:07:43,296 (田右衛門)ふんっ! ふんっ! 97 00:07:43,296 --> 00:07:45,298 ん? 98 00:07:45,298 --> 00:07:48,401 ふんっ! (2人)ん? 99 00:07:52,472 --> 00:07:57,477 ココロワ? ココロワ!? おぬし…。 100 00:07:57,477 --> 00:08:01,815 サクナさん ご連絡もなしに すみません。 101 00:08:01,815 --> 00:08:03,983 約束を果たしに来ました。 102 00:08:03,983 --> 00:08:07,988 まさか 稲作の件か? 103 00:08:07,988 --> 00:08:13,827 はい。 1人で必ず 稲作を成功に導いてみせます。 104 00:08:13,827 --> 00:08:19,833 つきましては 使っていない水田を お貸しいただけないでしょうか? 105 00:08:37,784 --> 00:08:40,620 (喜ぶ声) 106 00:08:40,620 --> 00:08:44,457 (田右衛門)ココロワ様も 何やら 複雑な事情がおありのご様子。 107 00:08:44,457 --> 00:08:47,460 ですが我らも 精いっぱい協力いたしまする。 108 00:08:47,460 --> 00:08:50,630 田右衛門さん ありがとうございます。 109 00:08:50,630 --> 00:08:53,466 サクナさんも。 う… うむ。 110 00:08:53,466 --> 00:08:56,136 ここらでひとつ 空いている田でも…。 111 00:08:56,136 --> 00:09:00,140 ここは サクナさんたちの手が 入っているのではありませんか? 112 00:09:00,140 --> 00:09:02,809 げっ。 私としては➡ 113 00:09:02,809 --> 00:09:06,813 もう少し手入れされていない所が あるとよいのですが。 114 00:09:06,813 --> 00:09:10,483 ふむ… となれば放棄田でしょうか。 115 00:09:10,483 --> 00:09:13,987 ここらで見かけた覚えは ありませぬが。 116 00:09:13,987 --> 00:09:16,489 (アシグモ)それならば…。 (3人)ん? 117 00:09:16,489 --> 00:09:19,159 おぉ アシグモ。 118 00:09:19,159 --> 00:09:21,828 (アシグモ)東に行けば 放棄田があったはずだ。 119 00:09:21,828 --> 00:09:24,330 かなり荒れ果てているが。 120 00:09:34,941 --> 00:09:41,114 おや! サクナ様 ココロワ様 ご覧ください! 121 00:09:41,114 --> 00:09:43,116 ここか。 122 00:09:43,116 --> 00:09:46,619 長らく使われて おらんかったようじゃの。 123 00:09:46,619 --> 00:09:50,824 (田右衛門)小川も流れております。 すぐに水が引けまするぞ。 124 00:09:53,793 --> 00:09:55,795 冷たい。 125 00:09:55,795 --> 00:09:58,465 万全とは言わんが 地力も高そうじゃ。 126 00:09:58,465 --> 00:10:02,168 水田としては 申し分ないようじゃのう。 127 00:10:14,814 --> 00:10:16,816 (田右衛門)サクナ様! 128 00:10:16,816 --> 00:10:18,818 ん? 129 00:10:23,323 --> 00:10:30,663 農具もそろっているようですし ホコリを除けば使えそうですな。 130 00:10:30,663 --> 00:10:33,166 しかし 雑草が不安じゃな。 131 00:10:33,166 --> 00:10:36,336 根を張るから 手入れが 一筋縄ではいかなそうじゃ。 132 00:10:36,336 --> 00:10:42,842 サクナさん 私にこの小屋と放棄田を 使わせていただけませんか? 133 00:10:42,842 --> 00:10:45,845 ココロワ 話を聞いておったか? 134 00:10:45,845 --> 00:10:51,851 だからこそよいのです。 手入れのしがいがありますわ。 135 00:10:51,851 --> 00:10:55,855 しかし これだけの枯れ草 どうやって。 136 00:10:55,855 --> 00:10:58,458 ご心配には及びませんわ。 137 00:11:10,370 --> 00:11:12,372 これは…。 138 00:11:12,372 --> 00:11:15,708 試作ですが 農具を付け替えることで➡ 139 00:11:15,708 --> 00:11:18,545 田起こしや代かきなども行えます。 140 00:11:18,545 --> 00:11:22,048 おぬし また便利な物を作ったのう! 141 00:11:22,048 --> 00:11:25,385 我が家にも 1体欲しいくらいですなぁ。 142 00:11:25,385 --> 00:11:31,391 クフッ… 農書もありますし 機巧兵もいます。 大丈夫です。 143 00:11:33,493 --> 00:11:35,995 はぁ… わかった。 144 00:11:35,995 --> 00:11:40,500 よし これより この田んぼをココロワ おぬしに任せるぞ。 145 00:11:40,500 --> 00:11:46,005 ありがとうございます。 立派な稲を育ててみせますわ。 146 00:11:49,842 --> 00:11:51,844 ココロワはどうした? 147 00:11:51,844 --> 00:11:54,347 お誘いしたのですが➡ 148 00:11:54,347 --> 00:11:57,684 「食料も都から 定期船で運ばせるので」と。 149 00:11:57,684 --> 00:12:03,523 (ミルテ)ココロワの歓迎にと 腕によりをかけたのに 残念です。 150 00:12:03,523 --> 00:12:05,525 そうか。 151 00:12:05,525 --> 00:12:08,027 (きんた)飯くらい 一緒に食えばいいでねか。 152 00:12:08,027 --> 00:12:10,230 (ゆい)ほだねぇ。 153 00:12:21,874 --> 00:12:27,480 《私が1人で稲作を成し遂げれば サクナさんも きっと…》 154 00:12:32,819 --> 00:13:10,857 ♬~ 155 00:13:10,857 --> 00:13:13,026 終わりました。 156 00:13:13,026 --> 00:13:16,229 次は いよいよ稲ですわね。 157 00:13:16,229 --> 00:13:46,326 ♬~ 158 00:13:46,326 --> 00:13:49,495 あれは 種もみのかます? 159 00:13:49,495 --> 00:13:54,500 えっ お湯の中に? いったい何を…。 160 00:13:54,500 --> 00:14:19,525 ♬~ 161 00:14:19,525 --> 00:14:22,028 いい感じですわ。 162 00:14:32,538 --> 00:14:34,540 あっ。 163 00:14:39,312 --> 00:14:45,318 想定以上の負荷と 泥水が内部に かなり入っていたようですね。 164 00:14:50,823 --> 00:15:13,513 ♬~ 165 00:15:13,513 --> 00:15:15,515 ふぅ…。 166 00:15:19,352 --> 00:15:22,855 こんなにも進まないなんて。 167 00:15:29,862 --> 00:15:33,466 体が重い。 (扉が閉まる音) 168 00:15:33,466 --> 00:15:36,803 田右衛門さん? 169 00:15:36,803 --> 00:15:38,805 えっ? 170 00:15:40,807 --> 00:15:44,811 私の苗が…。 171 00:15:44,811 --> 00:15:50,316 あっ まさか 田右衛門さんが…。 172 00:15:55,822 --> 00:15:57,824 (笑い声) 173 00:15:57,824 --> 00:16:01,327 ((あぁ~ あぁ~!)) 174 00:16:09,335 --> 00:16:11,337 あっ。 175 00:16:11,337 --> 00:16:16,342 うっ うぅ… う~ わっ! 176 00:16:18,344 --> 00:16:27,353 こんなことでは サクナさんのために 新作が… 書けま…。 177 00:16:36,796 --> 00:16:39,799 うぅ…。 178 00:16:41,968 --> 00:16:43,970 ココロワ! 179 00:16:43,970 --> 00:16:48,307 サクナさん…。 180 00:16:48,307 --> 00:16:50,810 皆さん…。 181 00:16:53,813 --> 00:16:58,150 そうですか… 苗いじめ。 182 00:16:58,150 --> 00:17:01,654 (田右衛門)苗が 徒長ぎみでしたので。 183 00:17:01,654 --> 00:17:04,490 サクナ様に 申しつかったこととはいえ➡ 184 00:17:04,490 --> 00:17:07,827 ココロワ様にも お伝えしておくべきでした。 185 00:17:07,827 --> 00:17:12,164 いえ… 田右衛門さんは 私の苗を思って➡ 186 00:17:12,164 --> 00:17:14,834 押しつぶしてくださったんですね。 187 00:17:14,834 --> 00:17:17,670 もう1つお聞きしたいのですが➡ 188 00:17:17,670 --> 00:17:21,173 お二人が種もみを お湯に入れていたのは…。 189 00:17:21,173 --> 00:17:26,679 うむ ああするとな どうも苗に 病が出にくくなるようなんじゃ。 190 00:17:26,679 --> 00:17:29,849 そんな方法があったなんて。 191 00:17:29,849 --> 00:17:33,119 稲作くらい私でもできるなどと。 192 00:17:33,119 --> 00:17:36,455 素人が 知識だけでできるものでは…。 193 00:17:36,455 --> 00:17:39,292 大したもんじゃのう ココロワは。 194 00:17:39,292 --> 00:17:42,628 えっ わ… 私は何ひとつ…。 195 00:17:42,628 --> 00:17:47,466 それでも ココロワは ひたむきに 励み続けておる。 立派じゃ。 196 00:17:47,466 --> 00:17:51,304 そんな… そんなこと…。 197 00:17:51,304 --> 00:17:55,308 ココロワ 都でのことを謝罪するぞ。 198 00:17:55,308 --> 00:18:01,314 おぬしには無理じゃなどと 決めつけて すまなかった。 199 00:18:01,314 --> 00:18:03,316 このとおりじゃ。 200 00:18:03,316 --> 00:18:06,319 謝るのは私のほうですわ。 201 00:18:06,319 --> 00:18:10,990 稲作を独力でこなせると 思い上がっていたのです。 202 00:18:10,990 --> 00:18:12,992 ですが…。 203 00:18:12,992 --> 00:18:18,831 私は このヒノエ島で もっと 稲作のことを知りたいのです。 204 00:18:18,831 --> 00:18:20,833 ですから サクナさん➡ 205 00:18:20,833 --> 00:18:28,674 私の稲作を手伝って いただけないでしょうか? 206 00:18:28,674 --> 00:18:34,947 もちろんじゃ! この豊穣神サクナと この1年 共に力を尽くそうぞ! 207 00:18:34,947 --> 00:18:37,450 は… はい! 208 00:18:37,450 --> 00:18:39,619 (かいまる)あい~。 209 00:18:39,619 --> 00:18:42,788 (ゆい)ココロワ様 これ。 210 00:18:42,788 --> 00:18:44,790 私に でしょうか。 211 00:18:44,790 --> 00:18:49,629 ココロワ様 都からの着物が まんず大変そうだったし➡ 212 00:18:49,629 --> 00:18:52,465 織りすたよ ぜひ着てけらいん。 213 00:18:52,465 --> 00:18:55,301 ありがとうございます。 ゆいさん。 214 00:18:55,301 --> 00:18:59,305 これからは ココロワも 一緒にご飯食べましょう。 215 00:18:59,305 --> 00:19:02,141 そのほうが もっとおいしくなります。 216 00:19:02,141 --> 00:19:04,143 (きんた)まぁ そんだな。 217 00:19:04,143 --> 00:19:08,814 我々も よりいっそうココロワ様の 稲作をお手伝いいたしまする。 218 00:19:08,814 --> 00:19:10,816 あい~! 219 00:19:10,816 --> 00:19:15,488 皆さんも… 改めて よろしくお願いいたします。 220 00:19:15,488 --> 00:19:17,490 ゴゴロバ! えっ? 221 00:19:17,490 --> 00:19:19,992 サクナさんがお先に泣くのですか? 222 00:19:19,992 --> 00:19:23,162 うぅ~! ざびじがったよう。 223 00:19:23,162 --> 00:19:26,499 ずっとココロワと しゃべれておらんかったがら~。 224 00:19:26,499 --> 00:19:30,169 サクナさん 私も…。 225 00:19:30,169 --> 00:19:32,171 一緒じゃぞ! 226 00:19:32,171 --> 00:19:35,875 (泣き声) 227 00:19:44,784 --> 00:19:46,786 (ココロワヒメ)サクナさん。 228 00:19:46,786 --> 00:19:49,455 ココロワ! 来てくれたか。 229 00:19:49,455 --> 00:19:51,457 お言葉に甘えて。 230 00:19:51,457 --> 00:19:54,360 早速 ご飯支度します。 231 00:19:56,462 --> 00:20:00,800 まさか あの倉に 母上の巻子本があったとは。 232 00:20:00,800 --> 00:20:05,137 はい。 サクナさん この巻子本➡ 233 00:20:05,137 --> 00:20:07,807 読ませていただいても よろしいでしょうか。 234 00:20:07,807 --> 00:20:12,311 別にかまわんが こんな状態で読めるかのう。 235 00:20:12,311 --> 00:20:16,982 トヨハナ様の貴重な農書 解読してみせますわ。 236 00:20:16,982 --> 00:20:18,984 ココロワヒメ様! 237 00:20:22,822 --> 00:20:25,991 都の機巧兵に 狂いが? 238 00:20:25,991 --> 00:20:29,495 急ぎ 都に戻ってほしいとの ことですじゃ。 239 00:20:29,495 --> 00:20:33,499 出立前に つぶさにあらためてきました。 240 00:20:33,499 --> 00:20:37,837 不具合が出るとは思えません。 それに…。 241 00:20:37,837 --> 00:20:39,839 稲のことは心配するな。 242 00:20:39,839 --> 00:20:43,676 わしらが責任を持って 面倒を見ておくわい。 243 00:20:43,676 --> 00:20:47,012 (田右衛門)はい 我らにお任せください。 244 00:20:47,012 --> 00:20:53,919 わかりました。 しばしの間 稲のことをよろしくお願いします。 245 00:21:04,864 --> 00:21:07,366 《ココロワヒメ:すべて動力油の漏れ。 246 00:21:07,366 --> 00:21:11,871 傷も見当たりませんし 油を差せば元どおり。 247 00:21:11,871 --> 00:21:14,874 いったい どういうことでしょう》 248 00:21:22,548 --> 00:21:25,251 蒸し羊かんと煎茶を。 249 00:21:35,661 --> 00:21:37,863 やっぱり。 250 00:21:41,834 --> 00:21:46,672 《もう ずいぶんと昔 自分で物語をつづって➡ 251 00:21:46,672 --> 00:21:49,842 1人で読むことだけを 楽しんでいたとき➡ 252 00:21:49,842 --> 00:21:54,346 その本を 茶屋に置き忘れてしまい…》 253 00:22:01,854 --> 00:22:05,858 《そこには私の本と短冊があって。 254 00:22:05,858 --> 00:22:10,529 「あなたの本を 世間に発表しませんか」➡ 255 00:22:10,529 --> 00:22:13,365 そういう旨の歌でした。 256 00:22:13,365 --> 00:22:17,536 お断りの返歌を入れたのですが お相手の方と➡ 257 00:22:17,536 --> 00:22:20,873 そのあとも ここでやり取りを繰り返し➡ 258 00:22:20,873 --> 00:22:24,376 ついに 私が折れて…》 259 00:22:28,881 --> 00:22:33,986 《こうして サクナさんが喜んで くださっている 『片恋物語』は➡ 260 00:22:33,986 --> 00:22:39,325 朧月香子の名義で本を 発表することになったのですよ。 261 00:22:39,325 --> 00:22:43,829 あなたも 待ってくださっているのですね。 262 00:22:43,829 --> 00:22:47,666 ですが 二兎を追うわけにはいきません。 263 00:22:47,666 --> 00:22:50,169 今年は稲作に集中しますわ》 264 00:22:52,171 --> 00:22:54,173 (鳴き声) 265 00:22:54,173 --> 00:22:57,176 えっ! あらあら ごめんあそばせ。 266 00:22:57,176 --> 00:23:00,846 おケガはなくて? ウケタマヒメさん。 267 00:23:00,846 --> 00:23:04,516 あら それは わらわの 新刊ではありませんこと? 268 00:23:04,516 --> 00:23:06,518 え? 269 00:23:06,518 --> 00:23:09,855 あっ。 署名を入れて差し上げましょう。 270 00:23:09,855 --> 00:23:12,858 サラサラ… はい。 271 00:23:12,858 --> 00:23:16,528 そなた よく本は お読みになるのかしら? 272 00:23:16,528 --> 00:23:20,699 はい。 その… たしなむ程度ですが。 273 00:23:20,699 --> 00:23:25,371 そう。 それでは 『片恋物語』という 小説はお読みに? 274 00:23:25,371 --> 00:23:29,875 筆者の朧月香子という神は おそらく夢想家でしょう。 275 00:23:29,875 --> 00:23:35,648 わらわの本と また違った 読み味ですことよ? オホホホホ! 276 00:23:35,648 --> 00:23:38,817 このところ 新刊も 出していないようですし➡ 277 00:23:38,817 --> 00:23:41,487 筆を 折ってしまったのかしら? 278 00:23:41,487 --> 00:23:43,822 きっと…。 ん? 279 00:23:43,822 --> 00:23:48,661 きっとすぐに 朧月香子の新刊は出ますわ。 280 00:23:48,661 --> 00:23:51,163 彼女は やる気に満ちあふれています。 281 00:23:51,163 --> 00:23:53,999 以前とは違うものに なるはずですわ! 282 00:23:53,999 --> 00:23:56,835 それは どういうことですの? 283 00:23:56,835 --> 00:24:00,005 あっ! と 伝え聞いたのです。 284 00:24:00,005 --> 00:24:04,677 ヒノエから天穂が届くころ 必ず新刊は出ます。 285 00:24:04,677 --> 00:24:08,180 それでは し… 失礼いたします。 286 00:24:19,358 --> 00:24:23,529 《今年中に私は 稲作と両立させて➡ 287 00:24:23,529 --> 00:24:26,865 サクナさんに 新作を届けてみせます》 288 00:24:26,865 --> 00:24:32,871 一刻も早く稲作を再開して そして 執筆を始めなくては! 289 00:30:35,834 --> 00:30:45,844 ♬「植えよ根付けよ」 290 00:30:47,846 --> 00:30:53,852 ♬「根付きの悪さぁヨー(ホイホイ)」 291 00:30:53,852 --> 00:31:00,192 ♬「心根弱さぁヨー(ホイセ)」 292 00:31:00,192 --> 00:31:06,364 ♬「泥に足沈め(ホイホイ)」 293 00:31:06,364 --> 00:31:12,037 ♬「腰を折る(ヨッホイセー)」 294 00:31:12,037 --> 00:31:18,043 ♬「苗の細さぁヨー(ホイホイ)」 295 00:31:18,043 --> 00:31:23,882 ♬「吾が身細さぁヨー (ホイセ)」 296 00:31:23,882 --> 00:31:30,222 ♬「空き腹で願う (ホイホイ)」 297 00:31:30,222 --> 00:31:35,994 ♬「黄金原(ヨッホイセー)」 298 00:31:35,994 --> 00:31:44,402 ♬「植えよ根付けよ」 299 00:31:51,843 --> 00:31:55,514 (サクナヒメ)おぉ~ 草が沈んでいくぞ。 300 00:31:55,514 --> 00:31:58,517 (田右衛門)田んぼを打つ車の輪…。 301 00:31:58,517 --> 00:32:01,853 さしずめ 田打車といったところか。 302 00:32:01,853 --> 00:32:05,190 これならば ずいぶんと手間が省けるぞ! 303 00:32:05,190 --> 00:32:08,193 またよいものを作ってくれたのう。 304 00:32:08,193 --> 00:32:11,363 (ココロワヒメ)お役に立てたのなら 何よりですわ。 305 00:32:11,363 --> 00:32:14,533 さぁ! 今日も張り切って草取りじゃ! 306 00:32:14,533 --> 00:32:16,535 (ココロワヒメ)はい! 307 00:32:26,378 --> 00:32:32,384 今年中に稲作もこなし 新作も完成させてみせますわ。 308 00:32:39,491 --> 00:32:42,394 (ミルテ)ココロワ! 309 00:32:44,329 --> 00:32:46,998 (ミルテ)お菓子 作ってきました。 310 00:32:46,998 --> 00:32:51,169 なんと美しいお菓子でしょう。 311 00:32:51,169 --> 00:32:53,171 それは? 312 00:32:53,171 --> 00:32:55,674 (きんた)あいなやいばじゃ すぐだめさなる。 313 00:32:55,674 --> 00:32:58,176 オイラが新しく打った。 314 00:32:58,176 --> 00:33:03,181 きんたさんが? 感謝を申し上げますわ。 315 00:33:03,181 --> 00:33:05,851 (紙を丸める音) 316 00:33:05,851 --> 00:33:08,854 書けません。 317 00:33:08,854 --> 00:33:13,458 稲作作業を終えたところまでは 書けるはずなのですが。 318 00:33:21,032 --> 00:33:23,869 (ココロワヒメ)いけません! 雨で水かさが! 319 00:33:23,869 --> 00:33:26,037 ハァ ハァ ハァ…。 320 00:33:26,037 --> 00:33:28,373 うわっ! 321 00:33:28,373 --> 00:33:30,375 大丈夫か? ココロワ! 322 00:33:30,375 --> 00:33:33,311 サクナさん! 稲が…。 323 00:33:33,311 --> 00:33:36,414 安心せい ワシがやろう。 324 00:33:43,822 --> 00:33:48,827 あんなに小さかったのに ずいぶんと大きくなって。 325 00:33:57,836 --> 00:34:01,339 あっ。 326 00:34:01,339 --> 00:34:05,844 稲作はサクナさんたちのおかげで 順調なのに…。 327 00:34:29,701 --> 00:34:32,971 (ココロワヒメ)田右衛門さん 中干しの具合は➡ 328 00:34:32,971 --> 00:34:35,473 このようなもので よろしいでしょうか? 329 00:34:35,473 --> 00:34:39,311 はい。 そろそろ入水の頃合いかと。 330 00:34:39,311 --> 00:34:41,646 分けつで茎が増えれば➡ 331 00:34:41,646 --> 00:34:44,816 それだけお米ができて よさそうなものですが。 332 00:34:44,816 --> 00:34:49,487 どうも育つ力が分かれてしまい 米が小粒になるのです。 333 00:34:49,487 --> 00:34:51,489 なるほど…。 334 00:34:51,489 --> 00:34:55,827 茎の数を抑えれば 大粒のよい米ができます。 335 00:34:55,827 --> 00:34:59,998 土も硬くなるため 稲刈りもしやすくなりまする。 336 00:34:59,998 --> 00:35:06,504 稲刈り… ここまで育てば あとは収穫まで一直線ですね。 337 00:35:06,504 --> 00:35:10,675 そううまく運べばいいのですが…。 えっ? 338 00:35:10,675 --> 00:35:14,179 暑くなれば 稲もぐんぐん育ちまする。 339 00:35:14,179 --> 00:35:18,883 ですが 育つのは 稲だけではありませぬ。 340 00:35:20,852 --> 00:35:23,855 (ココロワヒメ)それは? イネツトムシにござりまする。 341 00:35:23,855 --> 00:35:28,860 他にも ウンカにカメムシなど 大量の虫が現れるのです。 342 00:35:28,860 --> 00:35:32,364 虫… ですか。 343 00:35:38,803 --> 00:35:42,307 きれい。 フゥー くったくたじゃ。 344 00:35:42,307 --> 00:35:44,309 (タマ爺)ココロワヒメ様。 345 00:35:44,309 --> 00:35:46,311 お疲れさまです。 346 00:35:46,311 --> 00:35:50,648 あっ お召し物が…。 本日は どちらへ? 347 00:35:50,648 --> 00:35:54,819 落石口のほうへ 宿火の眼を探しにな。 348 00:35:54,819 --> 00:35:58,657 火山のふもとへ? そんな危ない所まで。 349 00:35:58,657 --> 00:36:01,159 どうして そのようなものを? 350 00:36:01,159 --> 00:36:04,662 肥に混ぜると 虫を抑える力があるんじゃ。 351 00:36:04,662 --> 00:36:07,832 んまあ今回は空振りじゃったが。 352 00:36:07,832 --> 00:36:12,170 こんなにもきれいならば 虫も心配ないのでは? 353 00:36:12,170 --> 00:36:17,008 いや 草は手取りで対処できるが 虫には それが効かん。 354 00:36:17,008 --> 00:36:20,011 念を入れすぎるという ことはないぞ。 355 00:36:23,515 --> 00:36:27,519 (田右衛門)これは それがしの 生まれる前の話になりまする。 356 00:36:27,519 --> 00:36:30,522 過去に例を見ないほどの 飢きんが起こり➡ 357 00:36:30,522 --> 00:36:34,125 何万もの人々が倒れたと。 358 00:36:34,125 --> 00:36:38,296 その原因もまた虫… ウンカでござりました。 359 00:36:38,296 --> 00:36:40,965 ウンカ… ですか? 360 00:36:40,965 --> 00:36:43,468 あの たまに見かける小さな…。 361 00:36:43,468 --> 00:36:47,472 さよう。 ただ 集まれば 坪枯れが起こって➡ 362 00:36:47,472 --> 00:36:50,308 稲は だめになりまする。 363 00:36:50,308 --> 00:36:53,144 (ゆい)今まで 大丈夫だったけんども➡ 364 00:36:53,144 --> 00:36:57,148 ヒノエでほいなこと起こったら オラたち どうなるっちゃね。 365 00:36:57,148 --> 00:37:01,986 今 ヒノエには 豊穣神と発明神の 二柱がおるのじゃ。 366 00:37:01,986 --> 00:37:06,825 どんな問題も乗り越えられる。 何も恐れることなどないわ。 367 00:37:06,825 --> 00:37:11,663 そうですわね。 私はともかく サクナさんがいれば➡ 368 00:37:11,663 --> 00:37:13,832 きっと大丈夫です。 369 00:37:13,832 --> 00:37:19,337 神が二柱。 これほど頼もしい ことはござりませぬな。 ハッハッハ! 370 00:37:19,337 --> 00:37:21,339 そうじゃろ そうじゃろ。 (笑い声) 371 00:37:27,512 --> 00:37:31,683 (ウンカが飛ぶ音) 372 00:37:31,683 --> 00:37:37,889 あっ 稲が 出穂していますわ。 373 00:37:39,791 --> 00:37:42,794 サクナさんにもお教えしませんと! 374 00:38:01,813 --> 00:38:04,816 ハァ ハァ ハァ…。 375 00:38:04,816 --> 00:38:06,985 サクナさん! 376 00:38:06,985 --> 00:38:09,654 聞いてください! 田んぼで…。 377 00:38:09,654 --> 00:38:13,491 やはり おぬしの田んぼもか? どれくらい害にあった!? 378 00:38:13,491 --> 00:38:16,161 害… と申しますと? 379 00:38:16,161 --> 00:38:19,664 私は 出穂したことを お伝えしようと…。 380 00:38:19,664 --> 00:38:22,834 そうか 田は無事なんじゃな。 381 00:38:22,834 --> 00:38:26,004 いったい何があったのですか? 382 00:38:26,004 --> 00:38:28,907 坪枯れが起こったんじゃ。 383 00:38:32,510 --> 00:38:35,280 あれが坪枯れなのですか? 384 00:38:35,280 --> 00:38:37,782 (田右衛門)まだ 出始めにござりまするが➡ 385 00:38:37,782 --> 00:38:41,786 ウンカがついた稲が たちどころに 枯れだしているのです。 386 00:38:41,786 --> 00:38:44,289 それでは あの稲は…。 387 00:38:44,289 --> 00:38:49,294 米にならぬどころか 田んぼ全体が 害にあうやもしれませぬ。 388 00:38:49,294 --> 00:38:51,296 そんな…。 389 00:38:51,296 --> 00:38:55,300 ありゃ~。 ここもかや。 390 00:38:55,300 --> 00:38:58,970 時期が早いのも気にかかる。 早い? 391 00:38:58,970 --> 00:39:02,307 ウンカは例年 秋に最も増える。 392 00:39:02,307 --> 00:39:05,810 じゃが こたびは 出穂後 まもなくじゃ。 393 00:39:05,810 --> 00:39:07,812 今の時期にこれでは➡ 394 00:39:07,812 --> 00:39:10,982 更に おびただしい数に 増えるやもしれませぬ。 395 00:39:10,982 --> 00:39:15,153 そうなれば…。 どうなるのですか? 396 00:39:15,153 --> 00:39:20,358 今年の天穂は 全滅するやもしれませぬ。 397 00:39:23,494 --> 00:39:27,999 サクナさん 私も改めて 自分の稲を見てきます! 398 00:39:27,999 --> 00:39:31,502 うむ。 ワシらも 枯れた稲を刈り取るぞ。 399 00:39:31,502 --> 00:39:33,504 承知つかまつりまする。 400 00:39:35,440 --> 00:39:38,443 すまぬ ココロワ。 (ココロワヒメ)いいえ。 401 00:39:38,443 --> 00:39:42,347 これだけの害で食い止められて よかったですわ。 402 00:39:44,449 --> 00:39:48,119 しかし 実際なじょすんのかや。 403 00:39:48,119 --> 00:39:51,623 夏でこいじゃ いったい秋はどうなるべや。 404 00:39:51,623 --> 00:39:55,793 収穫量も大幅に減じそうですな。 405 00:39:55,793 --> 00:39:57,795 神様…。 406 00:40:09,307 --> 00:40:11,309 サクナさん! 407 00:40:11,309 --> 00:40:14,646 ココロワ? どうした こんな夜中に。 408 00:40:14,646 --> 00:40:17,482 宿火の眼ですね? 409 00:40:17,482 --> 00:40:20,818 落石口では 見つけられんかったからのう。 410 00:40:20,818 --> 00:40:23,988 火山の奥まで 行ってみるつもりじゃ。 411 00:40:23,988 --> 00:40:27,158 私も 連れて行ってください。 412 00:40:27,158 --> 00:40:30,828 その言葉だけで十分じゃ。 413 00:40:30,828 --> 00:40:35,333 でも! ワシには これしかできんのじゃ。 414 00:40:35,333 --> 00:40:39,170 ココロワも ココロワにしか できんことをやってくれ。 415 00:40:39,170 --> 00:40:42,006 そのほうが ワシもうれしいぞ。 416 00:40:42,006 --> 00:40:45,843 私にしか できないこと…。 417 00:40:45,843 --> 00:40:52,350 ハァ ハァ ハァ…。 418 00:41:01,859 --> 00:41:07,865 《トヨハナ様の農書 もしかしたら ここになら…》 419 00:41:13,871 --> 00:41:18,209 ハァ ハァ ハァ…。 420 00:41:18,209 --> 00:41:20,211 サクナさん! 421 00:41:20,211 --> 00:41:24,882 ココロワ ただいま。 いや おはようかのう? 422 00:41:24,882 --> 00:41:26,884 おケガなどは? 423 00:41:26,884 --> 00:41:31,889 大丈夫じゃ 大丈夫 ほれ。 424 00:41:31,889 --> 00:41:36,160 すごいですわ! 本当に見つけてくるなんて。 425 00:41:36,160 --> 00:41:39,330 一夜探して やっとこれっぱかしじゃ。 426 00:41:39,330 --> 00:41:43,167 せいぜい一畝の田んぼを まかなえるくらいじゃろう。 427 00:41:43,167 --> 00:41:45,837 別の場所も探そうと思うが…。 428 00:41:45,837 --> 00:41:51,342 あの サクナさん 私からも提案があるのですが。 429 00:41:51,342 --> 00:41:56,681 虫送りなど 最後にしたのは いつごろでしたか? 430 00:41:56,681 --> 00:42:00,351 (きんた)もう害が出てんだ。 遅いんでねか? 431 00:42:00,351 --> 00:42:03,855 これは 母上の巻子本にあった方法じゃ。 432 00:42:03,855 --> 00:42:07,024 ワシらがやったものとは ひと味違うぞ。 433 00:42:07,024 --> 00:42:09,026 その油かや? 434 00:42:09,026 --> 00:42:14,365 うむ。 このガマの油を 田んぼ全体に たらすんじゃ。 435 00:42:14,365 --> 00:42:28,713 ♬「うんしょと稲をつついたら」 436 00:42:28,713 --> 00:42:41,659 ♬「浮塵子とおさらば えっさっさ」 437 00:42:41,659 --> 00:42:55,339 ♬「さあさ 送れや いざ踊れ」 438 00:42:55,339 --> 00:43:21,866 ♬「黄金の花を咲かせましょ 黄金の花を咲かせましょ」 439 00:43:32,376 --> 00:43:35,480 ハァー。 どうしてこんなにも➡ 440 00:43:35,480 --> 00:43:38,483 着想が 浮かんでこないのでしょうか? 441 00:43:38,483 --> 00:43:43,888 稲作では いろいろなことを 体験しているというのに。 442 00:43:48,659 --> 00:43:50,661 あっ また…。 443 00:43:50,661 --> 00:43:56,868 やはり 幻覚ではなかった。 あれは まさかオオミヅチ…。 444 00:44:02,340 --> 00:44:04,342 んっ? 445 00:44:07,345 --> 00:44:09,347 何じゃ? 446 00:44:13,518 --> 00:44:19,857 あれは 龍なんかではありません。 あれは ウンカの群れ! 447 00:44:19,857 --> 00:44:36,307 ♬~ 448 00:44:36,307 --> 00:44:39,310 なぜ 船に群がるのですか。 449 00:44:42,480 --> 00:44:47,318 まさか… 私がウンカの群れを 運んでしまった? 450 00:44:47,318 --> 00:44:50,821 でもなぜ これほどの数に…。 451 00:44:50,821 --> 00:44:52,823 うっ。 452 00:44:52,823 --> 00:44:54,825 焼き払います! 453 00:44:54,825 --> 00:44:56,827 うっ! 454 00:44:56,827 --> 00:45:10,174 ♬~ 455 00:45:10,174 --> 00:45:13,844 あっ 虫鬼? 456 00:45:13,844 --> 00:45:18,349 ウンカを 取り込んでいるというのですか? 457 00:45:18,349 --> 00:45:22,853 ならば片は私がつけます! 機巧兵! 458 00:45:22,853 --> 00:45:48,312 ♬~ 459 00:45:48,312 --> 00:45:50,314 あっ! 460 00:45:50,314 --> 00:45:53,150 うっ! 461 00:45:53,150 --> 00:45:55,820 えっ? 462 00:45:55,820 --> 00:45:58,322 あっ! 463 00:45:58,322 --> 00:46:01,826 あっ… あっ…。 464 00:46:01,826 --> 00:46:04,495 《わ… 私は…》 465 00:46:04,495 --> 00:46:09,834 ((アハハハ! や~い や~い! 466 00:46:09,834 --> 00:46:12,136 アハハハハ! 467 00:46:15,006 --> 00:46:18,409 んっ? あっ。 468 00:46:21,345 --> 00:46:24,348 あっ あの それは…。 469 00:46:24,348 --> 00:46:27,184 すっばらしいのう! えっ? 470 00:46:27,184 --> 00:46:31,856 めちゃくちゃおもしろいぞ! ほ… 本当に? 471 00:46:31,856 --> 00:46:35,459 何じゃ これ おぬしが書いたのか? 472 00:46:35,459 --> 00:46:37,795 い… いえ 違います。 473 00:46:37,795 --> 00:46:42,633 そうか。 いったい どこの誰が書いたのかのう。 474 00:46:42,633 --> 00:46:45,836 ぜひとも 続きが読みたいものじゃ)) 475 00:46:49,807 --> 00:46:52,977 《あぁ… どうしてこんな昔のことを➡ 476 00:46:52,977 --> 00:46:56,380 今更 思い返しているのでしょう》 477 00:46:58,816 --> 00:47:01,318 うっ…。 478 00:47:01,318 --> 00:47:03,320 ココロワ! 479 00:47:10,661 --> 00:47:12,663 間に合ったか! 480 00:47:12,663 --> 00:47:15,499 サクナさん! タマさんも! 481 00:47:15,499 --> 00:47:17,501 ご無事で! 482 00:47:23,841 --> 00:47:25,843 あれで鬼化したんじゃな。 483 00:47:25,843 --> 00:47:30,514 しかし 結界石は すべて破壊したはずじゃが。 484 00:47:30,514 --> 00:47:33,617 ココロワ 1人でよく耐えてくれた。 485 00:47:33,617 --> 00:47:36,620 ち… 違うのです! 原因は私です。 486 00:47:36,620 --> 00:47:40,458 あの虫鬼は 私の船に乗ってきたウンカが…。 487 00:47:40,458 --> 00:47:43,861 悪いのは おぬしではなく あやつじゃ! 488 00:47:45,796 --> 00:47:49,133 稲作において虫はつきものじゃ。 489 00:47:49,133 --> 00:47:52,470 おぬしのせいなわけがあるか! 490 00:47:52,470 --> 00:47:56,640 さあ 手っとり早くあやつを倒して 家に帰ろう。 491 00:47:56,640 --> 00:47:58,642 はい! 492 00:48:00,644 --> 00:48:02,646 て~やっ! 493 00:48:04,648 --> 00:48:06,984 (鳴き声) 494 00:48:06,984 --> 00:48:09,320 す… すごい。 495 00:48:09,320 --> 00:48:11,322 もらった! 496 00:48:13,324 --> 00:48:16,494 うっ なんじゃこれ!? 497 00:48:16,494 --> 00:48:18,496 サクナさん! 498 00:48:18,496 --> 00:48:20,498 ぐあっ! 499 00:48:20,498 --> 00:48:23,901 いくらサクナさんでも このままでは…。 500 00:48:28,672 --> 00:48:31,876 おひい様! んっ! 501 00:48:36,280 --> 00:48:39,784 サクナさん! 虫送りです! 502 00:48:42,286 --> 00:48:44,288 そうか! 503 00:48:47,291 --> 00:48:49,894 ココロワ! はい! 504 00:48:52,797 --> 00:48:55,633 フッ! 505 00:48:55,633 --> 00:48:58,436 (鳴き声) 506 00:49:00,471 --> 00:49:03,474 あっ… サクナさん!? 507 00:49:05,476 --> 00:49:07,878 サクナさん! 508 00:49:09,980 --> 00:49:11,982 ぷはっ! 509 00:49:11,982 --> 00:49:15,152 サクナさん。 510 00:49:15,152 --> 00:49:17,154 やれやれ…。 511 00:49:17,154 --> 00:49:21,992 さぁ 家へ帰ろう。 眠くてしかたないぞ。 512 00:49:21,992 --> 00:49:25,830 おっ コ… ココロワ? どうしたんじゃ? 513 00:49:25,830 --> 00:49:28,499 く… 苦しいぞ。 514 00:49:28,499 --> 00:49:35,439 サクナさん あなたは いつも私の元へ 駆けつけてくれるのですね。 515 00:49:35,439 --> 00:49:37,942 当たり前じゃ。 516 00:49:37,942 --> 00:49:41,445 ワシは おぬしの 親友なんじゃからな。 517 00:49:41,445 --> 00:49:45,783 《あぁ 今わかりました。 518 00:49:45,783 --> 00:49:50,454 なぜ 私が書けないでいたのか》 519 00:49:50,454 --> 00:49:55,459 うっ おっ コ… ココロワ 苦しい。 520 00:49:59,797 --> 00:50:03,133 いよいよ 稲刈りじゃのう。 521 00:50:03,133 --> 00:50:08,472 問題ござりません。 ちょうど刈りどきにござりますぞ。 522 00:50:08,472 --> 00:50:10,474 立派に育ってます。 523 00:50:10,474 --> 00:50:12,476 はっ はい。 524 00:50:12,476 --> 00:50:15,479 ほいに硬くなることねえべ。 525 00:50:15,479 --> 00:50:19,817 ココロワ様 頑張って。 (かいまる)がんばえ~。 526 00:50:19,817 --> 00:50:25,823 ほれ ココロワ。 腰を落として 手で稲を持つんじゃ。 527 00:50:25,823 --> 00:50:28,325 え… え~と…。 528 00:50:34,832 --> 00:50:37,835 サクナさん 私…。 529 00:50:37,835 --> 00:50:42,172 うむ ちゃんと稲刈りできておる。 530 00:50:42,172 --> 00:50:44,174 ありがとうございます。 531 00:50:44,174 --> 00:51:01,892 ♬~ 532 00:51:06,196 --> 00:51:09,033 じゃじゃ~ん! 533 00:51:09,033 --> 00:51:11,368 おぉっ 今日は新米か! 534 00:51:11,368 --> 00:51:15,706 はい! でも ただの新米ではありません。 535 00:51:15,706 --> 00:51:17,708 ココロワの新米です! 536 00:51:17,708 --> 00:51:22,546 えっ? これが私の作った 白米? 537 00:51:22,546 --> 00:51:28,452 そうじゃ。 ココロワよ おぬしが 一から育てた米じゃぞ。 538 00:51:30,888 --> 00:51:34,491 それでは皆の者 いただきます。 539 00:51:34,491 --> 00:51:36,894 (タマ爺たち)いただきます! 540 00:51:42,166 --> 00:51:44,168 はむっ。 541 00:51:47,838 --> 00:51:52,343 ココロワよ どうじゃ? 542 00:51:54,345 --> 00:51:58,449 とても… とてもおいしいです! 543 00:52:00,517 --> 00:52:03,520 よかったのう ココロワ! 544 00:52:03,520 --> 00:52:45,162 ♬~ 545 00:52:45,162 --> 00:52:48,832 (ウケタマヒメ)礼にはおよびません 朧月香子。 546 00:52:48,832 --> 00:52:52,336 いつか 本当のそなたに会える日を➡ 547 00:52:52,336 --> 00:52:55,839 わらわは いつまでも待ち続けます。 548 00:53:00,511 --> 00:53:03,847 《ココロワヒメ:私が書きたかったもの。 549 00:53:03,847 --> 00:53:08,852 それは サクナさんのためのものではなく➡ 550 00:53:08,852 --> 00:53:15,359 私の 大好きなサクナさん あなただったのです》 551 00:53:15,359 --> 00:53:20,864 今年も よい米ができるとよいのう。 552 00:53:20,864 --> 00:53:22,866 はい!