1 00:00:14,114 --> 00:00:16,783 (サクナヒメ)これが稲穂…。 2 00:00:16,783 --> 00:00:19,953 なんという暖かさ。 3 00:00:22,656 --> 00:00:26,260 土と草の匂いの心地よさ。 4 00:00:26,260 --> 00:00:29,596 心が満たされる豊かなる思い。 5 00:00:29,596 --> 00:00:33,467 これが母上の…。 6 00:00:33,467 --> 00:00:36,637 ⦅トヨハナ:サクナ サクナ。 7 00:00:38,639 --> 00:00:40,641 (トヨハナ)サクナ…⦆ (ココロワヒメ)サクナさん。 8 00:00:40,641 --> 00:00:43,143 サクナさん サクナさん。 9 00:00:43,143 --> 00:00:45,646 へ? ココロワ? 10 00:00:45,646 --> 00:00:49,983 なんじゃ 人が気持ちよく眠っておるのに。 11 00:00:49,983 --> 00:00:51,985 爺 水。 12 00:00:51,985 --> 00:00:54,354 タマさんは出かけられました。 13 00:00:54,354 --> 00:01:01,128 先ほど 天浮橋が現れ 人の子が渡ってきたとか。 14 00:01:01,128 --> 00:01:03,130 人の子? 15 00:01:14,141 --> 00:01:16,143 (田右衛門)ここは…。 16 00:01:16,143 --> 00:01:18,178 (きんた)霧で なんも見えねえべ。 17 00:01:18,178 --> 00:01:23,717 ⚟引き返せ! 引き返せ! 18 00:01:23,717 --> 00:01:26,153 (ミルテ)ワット? (ゆい)なぬしゃ? この声は。 19 00:01:26,153 --> 00:01:28,288 ⚟招かれざる客よ。 20 00:01:28,288 --> 00:01:31,191 ⚟ここから先は頂の世。 21 00:01:31,191 --> 00:01:35,128 ⚟人の身で 踏み入ってよいところではない。 22 00:01:35,128 --> 00:01:40,133 ⚟引き返せ! 引き返せ! 23 00:01:40,133 --> 00:01:42,436 (石丸)ヘヘッ…。 ん? 24 00:01:42,436 --> 00:01:47,140 (石丸)ようやく見つけたぜ。 桂。 25 00:01:47,140 --> 00:01:49,142 石丸…。 26 00:01:49,142 --> 00:01:53,146 石丸 なにゆえ そうまでして我らを? 27 00:01:53,146 --> 00:01:58,452 抜けたテメエにゃわからねえだろうが 俺たちだってギリギリ。 28 00:01:58,452 --> 00:02:01,955 そのガキどもも 裏切りもんのテメエも➡ 29 00:02:01,955 --> 00:02:05,158 見過ごすわけにはいかねえんだよ。 30 00:02:05,158 --> 00:02:08,528 な ならば…。 31 00:02:08,528 --> 00:02:11,298 致し方あるまい。 32 00:02:13,934 --> 00:02:16,937 ん? 33 00:02:16,937 --> 00:02:20,607 なんだ そのへっぴり腰は? 34 00:02:20,607 --> 00:02:23,777 ったく 侍が聞いてあきれるぜ。 35 00:02:23,777 --> 00:02:28,949 まあいい とっととカタを… ん? 36 00:02:28,949 --> 00:02:30,951 なんだ テメエは? 37 00:02:30,951 --> 00:02:34,888 気にするな。 ワシに構わず続けるがよい。 38 00:02:34,888 --> 00:02:38,392 おぬしら人じゃろ? ここで早々に斬り合いとは➡ 39 00:02:38,392 --> 00:02:41,428 まったくおもしろい。 ほれ もっとやれ。 40 00:02:41,428 --> 00:02:44,798 おう いい着物じゃねえか。 41 00:02:44,798 --> 00:02:50,704 おぉ おぬしのごとき下郎にも これがわかるのか? 42 00:02:50,704 --> 00:02:53,306 このきぬは高いぞ~。 43 00:02:53,306 --> 00:02:55,809 この豊穣神 サクナヒメの➡ 44 00:02:55,809 --> 00:02:59,146 神としての格を示すに ふさわしい。 45 00:02:59,146 --> 00:03:01,148 豊穣神…。 46 00:03:01,148 --> 00:03:04,618 神だ? なに言い出すかと思えば。 47 00:03:04,618 --> 00:03:08,121 ガキのくせに 酒の匂いをプンプンさせやがって。 48 00:03:08,121 --> 00:03:14,127 なんじゃと? わしゃ…。 49 00:03:14,127 --> 00:03:16,163 大人じゃ~! 50 00:03:16,163 --> 00:03:18,198 どわっ! 51 00:03:18,198 --> 00:03:21,468 ふんぎぇ~! 52 00:03:21,468 --> 00:03:25,639 あまりの無礼さに すっかり 酔いがさめてしもうたわい。 53 00:03:25,639 --> 00:03:27,641 おい 人の子よ。 54 00:03:27,641 --> 00:03:31,311 ここから先は神の領域 頂の世じゃ。 55 00:03:31,311 --> 00:03:33,647 この橋はいずれ消える。 56 00:03:33,647 --> 00:03:36,283 その前に さっさと引き返すんじゃな。 57 00:03:36,283 --> 00:03:39,286 (田右衛門)神の領域…。 58 00:03:39,286 --> 00:03:42,622 ヤナト 二つの世ある…。 59 00:03:42,622 --> 00:03:45,125 あ あれ! 60 00:05:30,110 --> 00:05:32,280 (タマ爺)け 蹴り飛ばした? 61 00:05:32,280 --> 00:05:34,780 人の子を でございますか? 62 00:05:34,780 --> 00:05:38,950 あまりに無礼じゃったからの。 当然の報いじゃ。 63 00:05:38,950 --> 00:05:41,790 何度も申しておるでしょう。 64 00:05:41,790 --> 00:05:45,860 ここは ヤナト八百万の神族が住まう 頂の世。 65 00:05:45,860 --> 00:05:49,930 おひい様も 神としての自覚をもって…。 66 00:05:49,930 --> 00:05:53,930 おひい様! わかっておる。 うっさいの! 67 00:05:53,930 --> 00:05:56,730 サクナさん 戻られたのですね。 68 00:05:56,730 --> 00:06:00,100 おぉ ココロワ。 おもしろかったぞ。 69 00:06:00,100 --> 00:06:02,640 無礼な人の子がおってな。 70 00:06:02,640 --> 00:06:06,940 蹴り飛ばしたら米粒のように かなたに飛んでいった。 71 00:06:06,940 --> 00:06:10,450 では やはり あの天浮橋は➡ 72 00:06:10,450 --> 00:06:15,590 本当に頂の世と 人の住む麓の世をつないで…。 73 00:06:15,590 --> 00:06:17,590 橋が…。 74 00:06:17,590 --> 00:06:21,590 天浮橋は突然現れ 突然消える。 75 00:06:21,590 --> 00:06:26,100 カムヒツキ様でも 御し難いと言いますからな。 76 00:06:26,100 --> 00:06:28,100 (ドラの音) 77 00:06:28,100 --> 00:06:31,770 カムヒツキ様のおな~り~! 78 00:06:31,770 --> 00:06:34,740 おな~り~! 79 00:06:42,610 --> 00:06:45,750 (カムヒツキ) 今年も朕の即位記念に際し➡ 80 00:06:45,750 --> 00:06:50,420 このような立派な祝いのうたげ うれしく思う。 81 00:06:50,420 --> 00:06:55,590 これもひとえに 皆の力があってこそ。 礼を言う。 82 00:06:55,590 --> 00:06:58,930 相変わらず大きいのう カムヒツキ様は。 83 00:06:58,930 --> 00:07:01,000 聞こえますぞ。 84 00:07:01,000 --> 00:07:05,000 では これより 今年のお役目を発表する。 85 00:07:05,000 --> 00:07:08,610 (みんな)おぉ! 86 00:07:08,610 --> 00:07:10,610 ふわぁ…。 87 00:07:10,610 --> 00:07:14,180 集合せいというから 何かと思ったら。 88 00:07:14,180 --> 00:07:17,210 どうせ 今年もワシで決まりじゃ。 89 00:07:17,210 --> 00:07:19,750 お役目は献上品で決まるからの。 90 00:07:19,750 --> 00:07:21,920 おひい様 お慎みを。 91 00:07:21,920 --> 00:07:25,960 では 一人目のお役目を発表する。 92 00:07:25,960 --> 00:07:28,360 サクナヒメ 前に。 93 00:07:28,360 --> 00:07:30,360 ほ~れ。 94 00:07:37,570 --> 00:07:40,000 ありがたく存じ奉ります。 95 00:07:40,000 --> 00:07:43,440 そなたの献上米 見事な味であったぞ。 96 00:07:43,440 --> 00:07:47,110 今年もよろしく頼む。 97 00:07:47,110 --> 00:07:50,050 はは! 98 00:07:50,050 --> 00:07:52,620 (ヒョウタン)また今年もサクナヒメか。 99 00:07:52,620 --> 00:07:55,290 (女将)当分続くだろうよ。 100 00:07:55,290 --> 00:07:59,460 まだ備蓄された米が 山ほどあるらしいからな。 101 00:08:03,760 --> 00:08:06,760 ふ~ 疲れるわい。 102 00:08:06,760 --> 00:08:10,930 ん? なんじゃ? このカラクリ人形は。 103 00:08:10,930 --> 00:08:13,600 私の今年の献上品です。 104 00:08:13,600 --> 00:08:17,570 神殿の警備にうってつけの 人形なのですが。 105 00:08:17,570 --> 00:08:20,110 ほう! すごいの。 106 00:08:20,110 --> 00:08:23,280 ココロワも いつかお役目につけるとよいな。 107 00:08:23,280 --> 00:08:26,650 さぁ 行くぞ。 今年はお役目を賜った者に➡ 108 00:08:26,650 --> 00:08:29,420 新たに部屋を 用意してくれるらしいからな。 109 00:08:29,420 --> 00:08:31,420 (ココロワヒメ)部屋 ですか? 110 00:08:31,420 --> 00:08:34,390 だいぶ上のほうらしい。 見にいこう。 111 00:08:34,390 --> 00:08:36,390 フンッ…。 112 00:08:38,560 --> 00:08:41,730 おぉ すごいのう すごいのう! 113 00:08:41,730 --> 00:08:44,570 見てみい あんな遠くまで見えるぞ。 114 00:08:44,570 --> 00:08:46,600 それに この広さ。 115 00:08:46,600 --> 00:08:49,640 いくら寝返りを打っても どこにもぶつからん! 116 00:08:49,640 --> 00:08:54,410 (ココロワヒメ)すごいですね こんな部屋があるなんて。 117 00:08:54,410 --> 00:08:57,750 いくらでも 遊びに来てよいからな。 118 00:08:57,750 --> 00:09:01,080 この景色を肴に 飲み直すとしよう。 119 00:09:01,080 --> 00:09:03,050 爺 酒じゃ。 120 00:09:03,050 --> 00:09:06,060 その前に 一つお話がございます。 121 00:09:06,060 --> 00:09:08,590 話はあとじゃ まず酒じゃ。 122 00:09:08,590 --> 00:09:10,560 おひい様! 123 00:09:10,560 --> 00:09:15,230 手短に申せ。 ゴホン! では改めて。 124 00:09:15,230 --> 00:09:18,670 今 おひい様が 献上なさっている米は➡ 125 00:09:18,670 --> 00:09:23,410 かつて おひい様の母君である 豊穣神 トヨハナ様が➡ 126 00:09:23,410 --> 00:09:28,910 自ら汗水たらして育み 収穫されたもの。 127 00:09:28,910 --> 00:09:34,080 タケリビ様と遠く鬼島で作り始め 蓄えてきたもの。 128 00:09:34,080 --> 00:09:38,220 おひい様は何もされずに 蓄えられたその米を➡ 129 00:09:38,220 --> 00:09:41,390 毎年献上しているだけでは ございませぬか。 130 00:09:41,390 --> 00:09:46,060 それがなんだというのじゃ? 父上と母上の米は ワシの米。 131 00:09:46,060 --> 00:09:50,400 2人の行方がわからぬ今 ワシが好きにするしかなかろう。 132 00:09:50,400 --> 00:09:54,500 しかし 周りの神々も そのことは知っておるのですぞ。 133 00:09:54,500 --> 00:09:59,080 何の汗もかかず 毎年お役目の座に ついてるおひい様に➡ 134 00:09:59,080 --> 00:10:02,250 よからぬ感情を抱く神も おるでしょう。 135 00:10:02,250 --> 00:10:06,420 ここは心を入れ替え 母君のように…。 136 00:10:06,420 --> 00:10:08,420 (寝息) 137 00:10:08,420 --> 00:10:11,090 終わったか? 138 00:10:11,090 --> 00:10:14,090 終わってはおりませぬ! そもそも…。 139 00:10:14,090 --> 00:10:16,460 おっ おぉ~! 140 00:10:16,460 --> 00:10:18,930 ハッハッハッハッ…。 141 00:10:21,000 --> 00:10:23,400 だから 爺は犬ではありませぬぞ! 142 00:10:23,400 --> 00:10:27,600 その姿 丸っちい狛犬以外に なんだというのじゃ。 143 00:10:27,600 --> 00:10:31,440 姿はそうであっても 爺はタケリビ様が手にしていた➡ 144 00:10:31,440 --> 00:10:33,580 ホシダマノツルギの精霊。 145 00:10:33,580 --> 00:10:36,410 折れて 一部のみ精霊化したゆえに➡ 146 00:10:36,410 --> 00:10:38,750 このような形を してはおりますが…。 147 00:10:38,750 --> 00:10:41,420 (蒸気の噴射音) 148 00:10:41,420 --> 00:10:44,690 ん? どうした? 侵入者を検知したようです。 149 00:10:46,820 --> 00:10:49,260 (蒸気の噴射音) 150 00:10:49,260 --> 00:10:51,430 うわ~ なんじゃ? 151 00:10:53,730 --> 00:10:56,130 なにごと! あれを。 152 00:11:00,900 --> 00:11:02,910 な なんだ? 153 00:11:02,910 --> 00:11:04,910 (きんた)でっけぇ人形が動いてる。 154 00:11:04,910 --> 00:11:07,880 (ミルテ)プラクティグ! スバラシイ! 155 00:11:14,080 --> 00:11:16,090 逃げろ! 156 00:11:18,090 --> 00:11:22,730 すごい力じゃのう。 さすが発明神ココロワの人形じゃ。 157 00:11:22,730 --> 00:11:26,060 クフ…。 それより なぜ人の子がここに? 158 00:11:26,060 --> 00:11:28,930 蹴り飛ばされたのでは ございませぬか? 159 00:11:28,930 --> 00:11:33,100 一人はな。 まったく戻れと申したのに。 160 00:11:33,100 --> 00:11:35,940 カムヒツキ様に 人の子をここに入れたとバレたら➡ 161 00:11:35,940 --> 00:11:38,070 大変なことになる。 162 00:11:38,070 --> 00:11:40,080 どうなさるおつもりか? 163 00:11:40,080 --> 00:11:44,250 騒ぎになる前に とっ捕まえて 雲の海に放り出してやるわ! 164 00:11:44,250 --> 00:11:48,920 乱暴な! いちいちうるさいのう! 165 00:11:48,920 --> 00:11:53,260 そんなこと 気にしてる場合ではなかろう。 166 00:11:53,260 --> 00:11:55,760 が~ お 落ちる! 167 00:11:55,760 --> 00:11:57,760 あっ きんた! 168 00:12:02,730 --> 00:12:06,240 いかん あのカラクリ人形め。 169 00:12:06,240 --> 00:12:08,740 どんどん騒ぎを大きくしおって。 170 00:12:08,740 --> 00:12:12,780 羽衣はいけませんぞ。 いつぞやも それで大騒ぎを。 171 00:12:12,780 --> 00:12:14,980 もう遅いわ! はっ! 172 00:12:21,580 --> 00:12:23,550 うわっ! 173 00:12:25,590 --> 00:12:27,990 ハァ ハァ ハァ ハァ…。 174 00:12:27,990 --> 00:12:31,430 どこに行った? 175 00:12:31,430 --> 00:12:35,330 あっちは カムヒツキ様に献上した米が 収められている➡ 176 00:12:35,330 --> 00:12:37,370 饌殿のほうではないか。 177 00:12:37,370 --> 00:12:39,740 おい おぬしたち 待て! 178 00:12:45,780 --> 00:12:48,680 あ~! 179 00:12:54,450 --> 00:12:57,790 おら 白い米ば食ったの初めてだ。 180 00:12:57,790 --> 00:13:00,620 まだ こいなにあるべ。 181 00:13:00,620 --> 00:13:02,590 やりおったな。 182 00:13:02,590 --> 00:13:05,090 人の子の分際で! 183 00:13:08,600 --> 00:13:11,100 ん? あっ! 184 00:13:15,770 --> 00:13:19,140 なにやら 香ばしきにおい…。 185 00:13:21,080 --> 00:13:23,250 申し開きのしようもありません! 186 00:13:23,250 --> 00:13:28,150 サクナヒメよ その方 あの武神 タケリビが娘として➡ 187 00:13:28,150 --> 00:13:30,720 重用してきたにもかかわらず➡ 188 00:13:30,720 --> 00:13:33,890 捧げ物を饌殿ごとぶっ飛ばすとは。 189 00:13:33,890 --> 00:13:36,530 うぅ 違う 違うのです。 190 00:13:36,530 --> 00:13:40,230 カムヒツキ様 そもそも始まりは人の子らが。 191 00:13:40,230 --> 00:13:44,070 神ともあろうものが 人に責をなすりつけるでない! 192 00:13:44,070 --> 00:13:46,370 そもそも 招き入れたのも➡ 193 00:13:46,370 --> 00:13:49,040 その方のうつけが 引き起こしたものではないか。 194 00:13:49,040 --> 00:13:51,410 え~ん! 195 00:13:51,410 --> 00:13:53,380 して 人の子らは? 196 00:13:53,380 --> 00:13:56,210 こちらに。 197 00:13:56,210 --> 00:13:58,880 (きんた)な 化け物か? 198 00:13:58,880 --> 00:14:02,050 つがう 神様だ 神様。 199 00:14:02,050 --> 00:14:05,220 コレが ヤナトの…。 200 00:14:05,220 --> 00:14:10,560 いかにも 朕はこの頂の世の主神 カムヒツキ。 201 00:14:10,560 --> 00:14:14,630 人の子らよ 名乗れ。 202 00:14:14,630 --> 00:14:19,370 それがしは 桂右衛門尉高盛。 203 00:14:19,370 --> 00:14:22,240 人呼んで田右衛門にござりまする。 204 00:14:22,240 --> 00:14:25,810 おいら きんただ。 おめがミカドってやつか? 205 00:14:25,810 --> 00:14:30,550 ゆいだ こいなとこやんだお。 早くけえしてけらいん。 206 00:14:30,550 --> 00:14:32,550 ミルテと…。 (かいまる)あ~い! 207 00:14:32,550 --> 00:14:34,550 かいまるデス! 208 00:14:34,550 --> 00:14:37,490 ふむ。 神と人は二つ世➡ 209 00:14:37,490 --> 00:14:42,860 すなわち 頂の世と麓の世に 分かれてあらねばならぬ定め。 210 00:14:42,860 --> 00:14:46,760 されど その方らが渡ってきた天浮橋は➡ 211 00:14:46,760 --> 00:14:49,330 すでに隠れてしもうての。 212 00:14:49,330 --> 00:14:51,570 (田右衛門)では 我らは…。 213 00:14:51,570 --> 00:14:56,740 橋が現れるまで こたびの狼藉の 始末をつけるがよい。 214 00:14:56,740 --> 00:14:59,740 始末… と申されますと? 215 00:14:59,740 --> 00:15:03,750 サクナヒメよ 鬼島のことは存じておろうな。 216 00:15:03,750 --> 00:15:06,750 その方の父と母が出会い➡ 217 00:15:06,750 --> 00:15:10,390 あの悪神 オオミズチを討ち取りし離島じゃ。 218 00:15:10,390 --> 00:15:13,820 はぁ… しかし いまだ鬼が巣くい➡ 219 00:15:13,820 --> 00:15:16,960 カムヒツキ様の支配も 及んでいないという…。 220 00:15:16,960 --> 00:15:21,730 その方らは その鬼島に渡り 島をひらきながら➡ 221 00:15:21,730 --> 00:15:25,430 なにゆえ鬼が生まれいずるのかを 調べてまいるのじゃ。 222 00:15:25,430 --> 00:15:29,810 お 鬼島…。 さすがにそれは…。 223 00:15:29,810 --> 00:15:32,810 ここからでは片道だけで何日も…。 224 00:15:32,810 --> 00:15:36,880 うん? まさかここから 通うつもりではあるまいな? 225 00:15:36,880 --> 00:15:41,050 無論 鬼島に住みついて 命を果たすのじゃ。 226 00:15:41,050 --> 00:15:43,520 住み… では都は…。 227 00:15:43,520 --> 00:15:48,360 そうじゃな それまでは そなたをこの都から追放とする。 228 00:15:48,360 --> 00:15:52,860 つい ほう~! 229 00:15:52,860 --> 00:15:57,870 これは正式なる勅であるぞ。 以上じゃ 下がれ。 230 00:15:57,870 --> 00:16:00,540 お お待ちください カムヒツキ様! 231 00:16:00,540 --> 00:16:02,910 それはあまりに あまりに! 232 00:16:02,910 --> 00:16:06,040 カムヒツキ様! 233 00:16:06,040 --> 00:16:10,050 消えた。 こいが神様すかや。 234 00:16:10,050 --> 00:16:17,420 お お お おぬしらの おぬしらのせいで…。 235 00:16:17,420 --> 00:16:19,390 なんだ? 236 00:16:19,390 --> 00:16:21,790 戻れと申したのに なぜ戻らなんだ! 237 00:16:21,790 --> 00:16:25,830 申したじゃろ! ここは人の子が 踏み入ってよい場所ではないと。 238 00:16:25,830 --> 00:16:28,930 戻る場所などなかったのです。 239 00:16:28,930 --> 00:16:33,100 我らは進むしかなかったので ござりまする。 240 00:16:35,070 --> 00:16:37,070 離せ! 241 00:16:37,070 --> 00:16:40,080 おひい様 謁見の間ですぞ。 242 00:16:40,080 --> 00:16:42,080 わかっておる。 243 00:16:46,120 --> 00:16:51,050 うぅ~! ココロワ! 244 00:16:51,050 --> 00:16:54,960 そうじゃ ココロワ おぬしも一緒に来てくれんか? 245 00:16:54,960 --> 00:16:57,760 え? そうじゃ それがいい。 246 00:16:57,760 --> 00:17:01,230 そなたは発明神 そなたがおれば助かる。 247 00:17:01,230 --> 00:17:04,230 幼なじみじゃろ? 親友じゃろ? 248 00:17:04,230 --> 00:17:06,670 頼む! 249 00:17:06,670 --> 00:17:08,740 ですが…。 250 00:17:08,740 --> 00:17:11,770 だいたい タマ爺は それでよいのか? 251 00:17:11,770 --> 00:17:16,410 かつてワシが 母上を捜しに 鬼島に行くと申したときには➡ 252 00:17:16,410 --> 00:17:18,580 あんなに 反対しておったというのに。 253 00:17:18,580 --> 00:17:22,450 それは おひい様が 幼かったがゆえ。 254 00:17:22,450 --> 00:17:24,550 フンッ ああ言えばこう言う。 255 00:17:24,550 --> 00:17:28,060 爺は ワシの言うことに 反対してばかりじゃ。 256 00:17:28,060 --> 00:17:32,090 サクナさん 少しかわいそう。 257 00:17:32,090 --> 00:17:35,230 ハァ…。 しかし こたびの勅➡ 258 00:17:35,230 --> 00:17:39,240 カムヒツキ様は おひい様に 心を入れ替えるよう➡ 259 00:17:39,240 --> 00:17:42,070 促しているようにも思うのです。 260 00:17:42,070 --> 00:17:47,740 おひい様のお母上 トヨハナ様は オオミズチを討ち取りしのち➡ 261 00:17:47,740 --> 00:17:52,250 お父上とともに あの島で米を作り 狩りをし➡ 262 00:17:52,250 --> 00:17:55,080 自らの力で暮らしておりました。 263 00:17:55,080 --> 00:17:58,290 同じことを おひい様が経験することで➡ 264 00:17:58,290 --> 00:18:01,660 豊穣神としても 自覚を芽生えさせる➡ 265 00:18:01,660 --> 00:18:05,590 そのような思いも あったのではないかと。 266 00:18:05,590 --> 00:18:08,730 そうかもしれません。 267 00:18:08,730 --> 00:18:12,230 ここで しばらくお待ちください。 268 00:18:12,230 --> 00:18:16,140 いきなし広ぇな。 こいが海か。 269 00:18:16,140 --> 00:18:19,680 あ…。 270 00:18:19,680 --> 00:18:23,880 しょっぺ! 味は オラたちがいた海と同じだ。 271 00:18:23,880 --> 00:18:27,050 頂の世と麓の世は 二つで一つ。 272 00:18:27,050 --> 00:18:29,090 影響し合っていると いいます。 273 00:18:29,090 --> 00:18:32,250 麓の世で 飢饉や戦が増えれば➡ 274 00:18:32,250 --> 00:18:35,660 頂の世でも 収穫が減ったりといった➡ 275 00:18:35,660 --> 00:18:37,660 悪影響が出ると。 276 00:18:37,660 --> 00:18:40,730 では よからぬことが 起きるやもしれませぬ。 277 00:18:40,730 --> 00:18:45,570 麓の世は 今 戦と飢えで ひどいありさまでござるので。 278 00:18:45,570 --> 00:18:47,700 そうですか。 279 00:18:47,700 --> 00:18:51,540 麓の世… この下 ですか? 280 00:18:51,540 --> 00:18:54,610 言われてみればほだすね。 281 00:18:54,610 --> 00:18:58,710 海の底の向こうに 人の世がありすかや? 282 00:18:58,710 --> 00:19:02,550 底に行くに従い 雲が広がっているといいます。 283 00:19:02,550 --> 00:19:05,690 もっとも 神でさえ そこに到達するのは➡ 284 00:19:05,690 --> 00:19:09,230 不可能ですので 確かめるすべはありませんが。 285 00:19:09,230 --> 00:19:12,700 オー すごい! ヤナトすごいところ! 286 00:19:12,700 --> 00:19:16,700 まったく 世とは 不思議なものでござりまするな。 287 00:19:16,700 --> 00:19:18,700 あ~い! 288 00:19:18,700 --> 00:19:23,210 んで あの静ねえ神様は なにしてんだ? 289 00:19:32,210 --> 00:19:34,720 おひい様 刻限ですぞ。 290 00:19:34,720 --> 00:19:39,120 わかっておる。 ハァ…。 291 00:19:39,120 --> 00:19:41,120 酒は置いていくのです。 292 00:19:41,120 --> 00:19:43,060 はぁ? なんじゃと? 293 00:19:43,060 --> 00:19:46,230 恐れ多くも カムヒツキ様の勅ですぞ。 294 00:19:46,230 --> 00:19:48,700 しばらくは酒はお控えを。 295 00:19:48,700 --> 00:19:50,700 そんな…。 296 00:19:50,700 --> 00:19:53,600 嫌じゃ…。 おひい様…。 297 00:19:53,600 --> 00:19:59,080 やっぱり 嫌じゃ~! 298 00:19:59,080 --> 00:20:02,550 おひい様 だだっ子のようなことは おやめください。 299 00:20:02,550 --> 00:20:05,050 神なのですぞ。 うるさい! 300 00:20:05,050 --> 00:20:08,980 かつてカムヒツキ様も このように 閉じこもったと聞くぞ。 301 00:20:08,980 --> 00:20:12,390 どうしました? おお ココロワ様。 302 00:20:12,390 --> 00:20:15,560 ご覧のように おひい様が。 303 00:20:15,560 --> 00:20:17,730 サクナさん…。 304 00:20:17,730 --> 00:20:19,700 ココロワか? 頼む! 305 00:20:19,700 --> 00:20:23,070 カムヒツキ様にワシを許すように 申してきてくれぬか? 306 00:20:23,070 --> 00:20:27,370 論の立つおぬしなら カムヒツキ様も耳を貸すじゃろう。 307 00:20:27,370 --> 00:20:29,370 サクナさん。 308 00:20:29,370 --> 00:20:33,380 それで本当にいいのでしょうか? ん? 309 00:20:33,380 --> 00:20:36,880 サクナさん 以前 言っていたではないですか。 310 00:20:36,880 --> 00:20:42,220 いつか立派な神様になって 必ず両親を見つけ出すと。 311 00:20:42,220 --> 00:20:45,890 あの言葉はウソだったのですか? そうではない! 312 00:20:45,890 --> 00:20:49,230 だが もうあれから どれだけたったと思うのじゃ? 313 00:20:49,230 --> 00:20:53,260 行方知れずになったのは ワシが乳飲み子のときじゃぞ。 314 00:20:53,260 --> 00:20:57,070 いないのじゃ ワシには父も母も最初から! 315 00:20:57,070 --> 00:20:59,870 では 諦めるということですね。 316 00:20:59,870 --> 00:21:04,570 父 タケリビ様と母 トヨハナ様が かつて過ごした➡ 317 00:21:04,570 --> 00:21:09,880 唯一の手がかりが残る鬼島に 行かないというのですね。 318 00:21:28,300 --> 00:21:30,570 ココロワ…。 319 00:21:30,570 --> 00:21:32,570 サクナさん。 320 00:21:32,570 --> 00:21:35,940 ん? これは…。 321 00:21:35,940 --> 00:21:38,240 『朧草子』ではないか? 322 00:21:38,240 --> 00:21:41,140 わっ これ 待て! 何をする! 323 00:21:41,140 --> 00:21:44,780 ワシは神じゃぞ! 丁重に扱え! おい 離せ! 324 00:21:44,780 --> 00:21:47,920 サクナさんをよろしくお願いします。 325 00:21:47,920 --> 00:21:51,420 この命に代えましても。 では。 326 00:21:53,590 --> 00:21:56,690 寂しい でも…。 327 00:22:04,730 --> 00:22:07,100 やっぱり嫌じゃ! 328 00:22:07,100 --> 00:22:10,910 ワシは都を離れては生きていけん。 死んでしまう! 329 00:22:10,910 --> 00:22:15,910 大げさだべ。 ホント 静ねえ神様だ。 330 00:22:15,910 --> 00:22:17,950 あ~い! 331 00:22:17,950 --> 00:22:22,420 オー! きれいな朝日でござりまするな。 332 00:22:25,090 --> 00:22:28,060 この向こうに…。 333 00:22:28,060 --> 00:22:33,030 待っておりますぞ。 おひい様と縁深き島が。