1 00:00:02,102 --> 00:00:04,605 (雷鳴) 2 00:00:08,609 --> 00:00:13,046 (きんた)プハッ! 早く岸まで たどりつかねえと沈むべ! 3 00:00:13,046 --> 00:00:15,082 (サクナヒメ)乗ってきた船には 戻れぬのか!? 4 00:00:15,082 --> 00:00:18,452 (田右衛門)すでに 都に向けて引き返したと! 5 00:00:18,452 --> 00:00:21,755 こら 立つでない! (かいまる)あい あい~! 6 00:00:21,755 --> 00:00:23,757 あっ? 7 00:00:25,826 --> 00:00:28,328 (雷鳴) 8 00:00:28,328 --> 00:00:32,099 あれが 鬼島…。 (タマ爺)そうです。 9 00:00:32,099 --> 00:00:36,603 おひい様の母上が過ごし 父上と出会われた…。 10 00:00:36,603 --> 00:00:40,607 (田右衛門)来ますぞ! あっ!? 11 00:00:40,607 --> 00:00:44,111 こ… こんなところ! 12 00:00:44,111 --> 00:00:49,116 ワシは嫌じゃ~! 13 00:02:33,086 --> 00:02:36,590 ヘ… ヘ… ヘックション! 14 00:02:36,590 --> 00:02:41,461 あぁ まったく もう少し マシな船はなかったのか? 15 00:02:41,461 --> 00:02:44,765 (きんた)文句ばっか言ってねえで 少しは手伝え。 16 00:02:44,765 --> 00:02:48,602 だいたい 船こいだんは オイラとオッサンだぞ。 17 00:02:48,602 --> 00:02:51,238 やかましいわ! 人の子の分際で! 18 00:02:51,238 --> 00:02:54,174 して爺 ここからどうすればよい? 19 00:02:54,174 --> 00:02:59,579 はい。 この先の龍の抜け穴と 呼ばれる穴を抜けた先の峠に➡ 20 00:02:59,579 --> 00:03:03,750 トヨハナ様が かつて住まわれていた 家があるはず。 21 00:03:03,750 --> 00:03:09,122 ふむ わかった。 まずは そこを抜けるとしよう。 22 00:03:09,122 --> 00:03:11,758 行け! 人の子らよ! 23 00:03:11,758 --> 00:03:13,760 (かいまる)あ~い! 24 00:03:13,760 --> 00:03:15,762 いや おぬしはさすがに…。 25 00:03:15,762 --> 00:03:17,764 おぬしらに言っておるのじゃ! 26 00:03:17,764 --> 00:03:21,301 (ゆい)んだっても この島は鬼だらけなんだべ? 27 00:03:21,301 --> 00:03:25,072 んだんだ。 神様は 人ば守ってくれるんだべ? 28 00:03:25,072 --> 00:03:28,742 まったく口ばかり立つ 生意気なガキどもめ。 29 00:03:28,742 --> 00:03:31,478 おい 田右衛門とか申したな。 ん? 30 00:03:31,478 --> 00:03:33,914 父親として おぬしが先に立て。 31 00:03:33,914 --> 00:03:38,085 父親? いえいえ とんでもございませぬ。 32 00:03:38,085 --> 00:03:40,754 この子らとは親子ではありませぬ。 33 00:03:40,754 --> 00:03:42,756 何じゃと? 34 00:03:42,756 --> 00:03:45,092 かいまるのことは 存じておりますが➡ 35 00:03:45,092 --> 00:03:48,662 他の者とは まだ会って ひと月ほど。 36 00:03:48,662 --> 00:03:51,765 ハァー。 これは 期待できそうにないのう。 37 00:03:51,765 --> 00:03:56,570 ハハハハハ! しかも それがし 武芸の才が備わっておりませぬ。 38 00:03:56,570 --> 00:03:58,605 笑い事ではない! 39 00:03:58,605 --> 00:04:01,108 おひい様。 ん? 40 00:04:04,744 --> 00:04:06,746 重い! おぉ…。 41 00:04:06,746 --> 00:04:09,416 まったく… 他に何かないか? 42 00:04:09,416 --> 00:04:11,585 ん~。 あっ…。 43 00:04:13,587 --> 00:04:16,056 こんなものしかないのか。 44 00:04:24,097 --> 00:04:26,066 ん? 45 00:04:26,066 --> 00:04:29,102 何じゃ これは…。 46 00:04:29,102 --> 00:04:31,772 寒気がするっちゃ。 47 00:04:31,772 --> 00:04:36,643 かなり強力な邪気でございます。 さすが鬼島。 48 00:04:38,578 --> 00:04:43,083 (ほうこう) 49 00:04:43,083 --> 00:04:45,051 やはり帰る。 50 00:04:45,051 --> 00:04:47,087 おひい様? 51 00:04:47,087 --> 00:04:49,089 帰る! 52 00:04:49,089 --> 00:04:51,558 あっ。 53 00:04:51,558 --> 00:04:54,127 (みんな)あっ! ま まさか…。 54 00:04:54,127 --> 00:04:57,764 グルルルル…。 55 00:04:57,764 --> 00:05:01,568 そ そ… それがしは 桂右衛門尉。 (ミルテ)これが 鬼…。 56 00:05:01,568 --> 00:05:03,737 シャッ。 57 00:05:03,737 --> 00:05:05,739 キェ~! 58 00:05:05,739 --> 00:05:07,707 (みんな)ひぃ~! 59 00:05:10,610 --> 00:05:12,579 それ~い! 60 00:05:16,416 --> 00:05:19,085 下がっておれ。 61 00:05:19,085 --> 00:05:22,722 ワシが相手じゃ! お気をつけを。 62 00:05:22,722 --> 00:05:27,093 案ずるでない。 鬼といえど兎 この程度なら…。 63 00:05:27,093 --> 00:05:30,096 いや そうではなく鬼は…。 64 00:05:30,096 --> 00:05:32,566 1匹とはかぎりませぬ! 65 00:05:37,571 --> 00:05:39,573 はぁっ! 66 00:05:39,573 --> 00:05:42,075 そ~れいっ! 67 00:05:44,077 --> 00:05:46,079 受けてみよ! 68 00:05:46,079 --> 00:05:48,081 ウギャー! 69 00:05:50,083 --> 00:05:55,088 ホワット? さすが戦神 タケリビ様の娘。 70 00:05:55,088 --> 00:05:57,123 フゥー。 71 00:05:57,123 --> 00:05:59,159 トヨハナ様の魂も➡ 72 00:05:59,159 --> 00:06:02,562 同じように受け継いで いただければよかったのですが。 73 00:06:02,562 --> 00:06:05,565 素直に褒めることはできんのか? 74 00:06:05,565 --> 00:06:07,567 あっ。 75 00:06:07,567 --> 00:06:11,238 これでわかったであろう? 人の子と神が いかに違うか。 76 00:06:11,238 --> 00:06:15,742 フンッ 知るか! ここまで こいできたんはオイラたちだ。 77 00:06:15,742 --> 00:06:18,411 おあいこになっただけだ。 ぐぬぬ~! 78 00:06:18,411 --> 00:06:21,281 なんという 性格のひん曲がったガキじゃ。 79 00:06:21,281 --> 00:06:24,818 いきなり このような場に放り出されて➡ 80 00:06:24,818 --> 00:06:26,820 心もすさんでおるのでしょう。 81 00:06:26,820 --> 00:06:32,259 相手は童 神として 寛大な心を持つのが肝要かと。 82 00:06:32,259 --> 00:06:34,227 行くぞ! 83 00:06:36,229 --> 00:06:38,231 おひい様! あっ。 84 00:06:40,233 --> 00:06:42,269 まだ鬼が残っておったか!? 85 00:06:42,269 --> 00:06:44,237 (アシグモ)鬼ではない。 ん!? 86 00:06:44,237 --> 00:06:47,574 (アシグモ)カムヒツキの手の者か。 87 00:06:47,574 --> 00:06:50,076 む? アヤツは…。 88 00:06:50,076 --> 00:06:52,078 (地鳴り) 89 00:06:52,078 --> 00:06:54,080 おっ? なっ 何じゃ!? 90 00:06:54,080 --> 00:06:56,750 (みんな)うわ~! 91 00:06:56,750 --> 00:06:58,752 チッ! 92 00:06:58,752 --> 00:07:00,754 おい 待て! 93 00:07:09,162 --> 00:07:11,731 おぬし 何者じゃ!? 94 00:07:11,731 --> 00:07:14,401 む? なにゆえ ここまで? 95 00:07:14,401 --> 00:07:16,403 なにゆえ!? 96 00:07:16,403 --> 00:07:20,240 この峠には まどいの術が かけられておりましてな。 97 00:07:20,240 --> 00:07:25,245 ここに峠があると知る者にしか たどりつくことがかなわぬのです。 98 00:07:25,245 --> 00:07:28,915 お前もしや タケリビの剣霊? 99 00:07:28,915 --> 00:07:33,086 久しいの アシグモ。 争うつもりはない。 100 00:07:33,086 --> 00:07:35,055 得物を収めてくれぬか。 101 00:07:35,055 --> 00:07:37,057 何じゃ 知り合いか? 102 00:07:37,057 --> 00:07:41,561 この島に昔から住む アシグモ族にございます。 103 00:07:41,561 --> 00:07:46,566 島の危機に タケリビ様とトヨハナ様と手を取り合い➡ 104 00:07:46,566 --> 00:07:51,738 オオミズチという悪の竜神を倒した仲。 105 00:07:51,738 --> 00:07:53,740 父上たちと…。 106 00:07:53,740 --> 00:07:55,742 んっ… 父? 107 00:07:55,742 --> 00:07:57,777 なっ 何じゃ? 108 00:07:57,777 --> 00:08:03,383 フッ… よく見れば 確かに面影があるな あのばかと。 109 00:08:03,383 --> 00:08:08,588 (ミルテ)オー! ヤナトの家 すばらしい! 110 00:08:08,588 --> 00:08:11,591 (田右衛門)少しばかり 傷んではいるものの➡ 111 00:08:11,591 --> 00:08:13,560 朽ちてはおりませぬな。 112 00:08:13,560 --> 00:08:17,564 当たり前だ。 我が手入れしていたのだからな。 113 00:08:17,564 --> 00:08:19,599 おぬしが? 114 00:08:19,599 --> 00:08:24,404 それだけ お前の父と母には 借りがあるということだ。 115 00:08:24,404 --> 00:08:28,408 父上と母上が ここで…。 116 00:08:28,408 --> 00:08:30,410 (戸を開ける音) 117 00:08:30,410 --> 00:08:33,847 (ゆい)奥さ 部屋が2つもある。 (ミルテ)オー 囲炉裏ですか? 118 00:08:33,847 --> 00:08:38,585 なっ! おぬしら なんでワシの家に ワシより先に入っとるんじゃ! 119 00:08:38,585 --> 00:08:40,587 家主は ワシじゃぞ! 120 00:08:40,587 --> 00:08:44,557 苦労かけたようじゃな。 この家 使わせてもらうぞ。 121 00:08:44,557 --> 00:08:49,396 他ならぬタケリビたちの娘とあれば 断る筋はない。 122 00:08:49,396 --> 00:08:51,398 どこに行く? 123 00:08:51,398 --> 00:08:56,102 最近 鬼どもが騒がしい。 それに 頻繁に地鳴りもする。 124 00:08:56,102 --> 00:09:00,573 まどいの術をかけてるとはいえ 気は抜かぬようにな。 125 00:09:03,777 --> 00:09:06,079 ん… ぬぬ…。 126 00:09:06,079 --> 00:09:08,915 おい こら! 何 勝手に開けとるんじゃ! 127 00:09:08,915 --> 00:09:12,085 腹減ったべ。 何かねえのかや? 128 00:09:12,085 --> 00:09:14,254 だから ワシに言われても…。 129 00:09:14,254 --> 00:09:17,257 さっき 家主って語っとりすたよ。 130 00:09:17,257 --> 00:09:19,259 ぐむむ…。 131 00:09:24,731 --> 00:09:27,567 何にもなさそうじゃな。 132 00:09:27,567 --> 00:09:29,569 ん? 133 00:09:29,569 --> 00:09:31,571 何じゃ? これは。 134 00:09:31,571 --> 00:09:33,740 こき箸のようですな。 135 00:09:33,740 --> 00:09:38,578 どうやら ここは野良仕事のための 小屋でござりまするな。 136 00:09:38,578 --> 00:09:42,115 ということは 外の空き地は やはり➡ 137 00:09:42,115 --> 00:09:44,684 もともとは田であったか。 138 00:09:44,684 --> 00:09:46,586 田…。 139 00:09:46,586 --> 00:09:50,423 蓄えられた米とかはないのか!? 140 00:09:50,423 --> 00:09:52,459 残念ながら…。 141 00:09:52,459 --> 00:09:56,729 近くに木の実などはあるにせよ 食料は当面は狩りに出て➡ 142 00:09:56,729 --> 00:10:01,134 調達してくるしかありますまい。 狩り? 143 00:10:03,102 --> 00:10:07,740 ま… 待て! ワシがコヤツらの食料も 集めてこいと申すのか!? 144 00:10:07,740 --> 00:10:10,410 それも神の務めですぞ。 145 00:10:10,410 --> 00:10:13,580 なんでも神の務めで済ますな。 146 00:10:13,580 --> 00:10:19,252 外の田で オラたちが何か こさえられればいいんだけんども。 147 00:10:19,252 --> 00:10:22,922 よい考えじゃが どこかで種は調達せねばな。 148 00:10:22,922 --> 00:10:27,393 稲のモミなら ここにありますぞ。 なんと! 149 00:10:27,393 --> 00:10:33,333 それがしは武門の生まれなれど 頭の内は常に剣よりも野良仕事。 150 00:10:33,333 --> 00:10:35,568 山賊に身を落としてからも➡ 151 00:10:35,568 --> 00:10:38,738 これだけは 手放せなかったのでござりまする。 152 00:10:38,738 --> 00:10:42,742 なるほど。 では…。 153 00:10:42,742 --> 00:10:45,745 (田右衛門)それがしたちが ここで米を作り…。 154 00:10:45,745 --> 00:10:49,749 ワシは 外で狩りをして当面の糧を得…。 155 00:10:49,749 --> 00:10:53,753 折を見て鬼が いずこから現れるかを調べる➡ 156 00:10:53,753 --> 00:10:57,423 大役を果たす ということになりますな。 157 00:10:57,423 --> 00:10:59,893 不満がないといえばウソになるが➡ 158 00:10:59,893 --> 00:11:02,595 今のところは そうするしかあるまい。 159 00:11:02,595 --> 00:11:06,232 よし! では 明日からの英気を養うために➡ 160 00:11:06,232 --> 00:11:08,735 飯の調達じゃ! 161 00:11:11,404 --> 00:11:13,406 こ… これだけ? 162 00:11:13,406 --> 00:11:17,777 ししゃねえべ。 まだ寒くて ろくなもん生えてねえ。 163 00:11:17,777 --> 00:11:20,413 (ゆい)ドングリもありすよ。 うぅ…。 164 00:11:20,413 --> 00:11:24,918 いらねえなら よこせ。 こいでも 今までよりは ずっとマシだ。 165 00:11:24,918 --> 00:11:27,754 待て! ったく…。 166 00:11:27,754 --> 00:11:30,256 しかし これでマシとは➡ 167 00:11:30,256 --> 00:11:33,393 人の世は そんなにも ひどいことになっておるのか? 168 00:11:33,393 --> 00:11:37,096 戦と飢きんで 退廃の一途にござりまする。 169 00:11:37,096 --> 00:11:41,067 それがしがいた山賊も かつては貧する者。 170 00:11:41,067 --> 00:11:46,739 女 子どもからは とらないと 決めていたのでござるのですが。 171 00:11:46,739 --> 00:11:48,741 ハァー。 172 00:11:48,741 --> 00:11:51,077 何か事情がありそうじゃの。 173 00:11:51,077 --> 00:11:54,147 そもそも なにゆえ この者たちとここに? 174 00:11:54,147 --> 00:11:56,583 はぁ 実は…。 175 00:11:56,583 --> 00:12:01,254 それがしと同じ山賊だった石丸が 捕らわれていたこの者たちを➡ 176 00:12:01,254 --> 00:12:03,923 売りさばこうと していたのでござりまする。 177 00:12:03,923 --> 00:12:05,892 石丸? 178 00:12:07,894 --> 00:12:10,296 あの男か…。 179 00:12:10,296 --> 00:12:15,401 石丸は それを止めた頭をあやめ 事を進めようとした。 180 00:12:15,401 --> 00:12:17,737 それを見て それがしは➡ 181 00:12:17,737 --> 00:12:19,906 捕らわれてきた この者たちを逃がし➡ 182 00:12:19,906 --> 00:12:21,908 かいまるを連れ…。 183 00:12:21,908 --> 00:12:25,411 なるほど。 そして 石丸に追われ➡ 184 00:12:25,411 --> 00:12:29,082 あの天浮橋まで来た… ということじゃな。 185 00:12:29,082 --> 00:12:31,084 そのとおりにござりまする。 186 00:12:31,084 --> 00:12:34,420 なんじゃ! では アヤツを蹴り飛ばしたワシは➡ 187 00:12:34,420 --> 00:12:36,456 正しかったのではないか。 188 00:12:36,456 --> 00:12:39,225 結果として ではございますがな。 189 00:12:39,225 --> 00:12:43,396 殺された頭は かいまるの父。 190 00:12:43,396 --> 00:12:46,566 かいまるは その場を目の当たりにして➡ 191 00:12:46,566 --> 00:12:49,736 言葉を失ったのでござりまする。 192 00:12:49,736 --> 00:12:55,241 そう思うと こうなる前に 何かできたのではないかと…。 193 00:12:55,241 --> 00:12:59,746 どっちにしろ同じだべ。 ろくに食ってねえんだ。 194 00:12:59,746 --> 00:13:01,614 死ぬしかなかったべ。 195 00:13:01,614 --> 00:13:04,117 (ゆい)んだなや…。 196 00:13:06,619 --> 00:13:10,123 ん? 寝る。 197 00:13:10,123 --> 00:13:12,125 おひい様。 198 00:13:14,794 --> 00:13:19,198 ワシは神じゃ。 鬼などには負けぬ。 199 00:13:19,198 --> 00:13:24,270 明日からは たらふく食えるだけの 糧を調達してきてやるから➡ 200 00:13:24,270 --> 00:13:27,674 ワシに従え。 (戸が閉まる音) 201 00:13:37,784 --> 00:13:42,689 ご立派でございますぞ おひい様。 202 00:13:42,689 --> 00:13:47,126 フン… まったく 人の子というのは➡ 203 00:13:47,126 --> 00:13:50,096 めんどくさいものじゃな。 204 00:13:55,101 --> 00:13:57,136 (あくび) 205 00:13:57,136 --> 00:13:59,105 ん? 206 00:13:59,105 --> 00:14:02,508 おぉ サクナ様 おはようござりまする。 207 00:14:02,508 --> 00:14:04,577 早いのう! 208 00:14:04,577 --> 00:14:06,446 ハハハハハ! 209 00:14:06,446 --> 00:14:10,316 野良仕事と聞くと ついつい 気がせいてしまいましてな。 210 00:14:10,316 --> 00:14:12,452 フン! 211 00:14:12,452 --> 00:14:15,388 ん? んっ んんっ! 212 00:14:15,388 --> 00:14:19,292 ん? んっ ん~っ! 213 00:14:19,292 --> 00:14:22,161 ん~っ! おぉっ! 214 00:14:24,697 --> 00:14:26,699 おぉ。 215 00:14:26,699 --> 00:14:29,802 き… 気をつけるのじゃぞ。 216 00:14:31,771 --> 00:14:34,807 では いってまいる。 217 00:14:34,807 --> 00:14:37,944 できたら 魚ばとってきてけさい。 218 00:14:37,944 --> 00:14:39,946 ムチャを申すな。 219 00:14:39,946 --> 00:14:43,116 では 田のほう くれぐれも頼… ん? 220 00:14:43,116 --> 00:14:45,284 さぁ 行きましょう。 221 00:14:45,284 --> 00:14:49,288 待て待て。 言ったじゃろう 外は鬼ばかりじゃと。 222 00:14:49,288 --> 00:14:51,958 おぬしも残って手伝いじゃ。 223 00:14:51,958 --> 00:14:54,460 ミルテ 外 見たいです。 224 00:14:54,460 --> 00:14:57,597 だめじゃ! 行くぞ 爺。 225 00:14:57,597 --> 00:15:00,767 ヘヘヘ。 まったく…。 226 00:15:00,767 --> 00:15:02,769 しかし この調子であれば➡ 227 00:15:02,769 --> 00:15:06,773 カムヒツキ様の大役 果たすこともできるであろう。 228 00:15:06,773 --> 00:15:11,277 ご油断めされるな。 まだまだ 何があるかわからぬ島ゆえ。 229 00:15:11,277 --> 00:15:16,449 案ずるでない。 あの程度の鬼どもであれば…。 230 00:15:16,449 --> 00:15:18,618 ウギャー! 231 00:15:20,586 --> 00:15:22,622 ワシにかなうわけもない! 232 00:15:22,622 --> 00:15:24,590 お見事でございます。 233 00:15:27,593 --> 00:15:30,263 これは食せる草であろう。 234 00:15:30,263 --> 00:15:34,133 もう少し奥まで行って 採っていくか。 235 00:15:41,607 --> 00:15:45,111 ん? グルルルル…。 236 00:15:45,111 --> 00:15:47,613 (ほうこう) 237 00:15:50,249 --> 00:15:53,119 (ほうこう) 238 00:15:53,119 --> 00:15:55,621 どこを見ておる! 239 00:15:55,621 --> 00:15:57,657 んっ!? 240 00:15:57,657 --> 00:16:00,426 どっこいしょ~! 241 00:16:00,426 --> 00:16:03,629 ぐわぁ…。 242 00:16:05,598 --> 00:16:10,069 やれやれ… これで当分 食うには困らぬぞ。 243 00:16:12,605 --> 00:16:15,775 お~い 戻ったぞ~! 244 00:16:15,775 --> 00:16:20,146 (田右衛門)うぉ~! な… 何じゃ? 245 00:16:20,146 --> 00:16:23,916 すまぬ。 なして先に言わなかった!? 246 00:16:23,916 --> 00:16:26,953 オイラたちば飢えさす気か? この! 247 00:16:26,953 --> 00:16:30,089 あぁ! 怒る よくないです。 248 00:16:30,089 --> 00:16:35,294 どの国でも 怒る いいことありませんでした。 249 00:16:35,294 --> 00:16:38,764 おい どうした? 何があった? 250 00:16:38,764 --> 00:16:42,435 この人 種もみ 水さ流しちまったっちゃ。 251 00:16:42,435 --> 00:16:44,437 何じゃと!? 252 00:16:44,437 --> 00:16:47,106 申し開きもありませぬ。 253 00:16:47,106 --> 00:16:50,276 手元に残ったのは わずか ひとつまみ。 254 00:16:50,276 --> 00:16:52,778 こ… これだけ? 255 00:16:52,778 --> 00:16:56,649 しかも 聞けば 野良仕事は見よう見まねで➡ 256 00:16:56,649 --> 00:16:59,252 ろくろくできた試しがねえんだと。 257 00:16:59,252 --> 00:17:03,923 何じゃと!? おぬし 得意だと申しておったではないか。 258 00:17:03,923 --> 00:17:09,428 おそれながら… 実は その… 武芸だけではなく➡ 259 00:17:09,428 --> 00:17:12,398 野良仕事も下手の横好きで…。 260 00:17:12,398 --> 00:17:15,401 いや そこで泣かれても…。 261 00:17:15,401 --> 00:17:18,271 うぉ~! 262 00:17:18,271 --> 00:17:20,406 やかましい! 263 00:17:20,406 --> 00:17:25,244 面目次第もありませぬ。 かくなるうえは 腹を切って…。 264 00:17:25,244 --> 00:17:27,780 そういうことを 申しておるのではない! 265 00:17:27,780 --> 00:17:31,384 いいや 食いでが減るのは 悪くねえかもなや。 266 00:17:31,384 --> 00:17:37,590 コイツ こいで食う量だけは5人前だ。 まったく さもしいべ。 267 00:17:37,590 --> 00:17:41,894 どした? 侍だべ? 語ったことは まともに…。 268 00:17:41,894 --> 00:17:43,596 ストッパー ミー! 269 00:17:43,596 --> 00:17:46,899 なぜ傷つける? 田右衛門 優しい。 270 00:17:46,899 --> 00:17:51,404 失敗 あるだけです! 271 00:17:51,404 --> 00:17:54,073 ハァー。 272 00:17:54,073 --> 00:17:56,108 きんた! 273 00:17:56,108 --> 00:17:59,579 (きんた)ついてくんでねえ! あっ…。 274 00:17:59,579 --> 00:18:02,582 まったく… これではバラバラではないか。 275 00:18:04,550 --> 00:18:06,585 それは…。 276 00:18:06,585 --> 00:18:11,891 ワシがとってきた肉じゃ。 腹が減るから腹も立つというもの。 277 00:18:11,891 --> 00:18:14,727 こよいは これを食うて寝てしまえ! 278 00:18:14,727 --> 00:18:19,432 オー! では ミルテ ベンタニアの料理 作ります! 279 00:18:19,432 --> 00:18:21,400 ベンタニア? 280 00:18:21,400 --> 00:18:25,104 ミルテの故郷 港の国です! 281 00:18:28,074 --> 00:18:31,477 これが… ベンタニア料理か…。 282 00:18:31,477 --> 00:18:36,582 ヤナトの食材 ベンタニア料理 合わなかった… かも? 283 00:18:36,582 --> 00:18:39,752 あむ… こっ これは! 284 00:18:39,752 --> 00:18:44,390 炭の味しかしねえっちゃ。 次 頑張ります。 285 00:18:44,390 --> 00:18:48,561 ったく どいつもこいつも 口ばっこだな。 286 00:18:48,561 --> 00:18:51,564 あぁ…。 そう申すでない。 287 00:18:51,564 --> 00:18:54,100 わざとやったわけではなかろう。 288 00:18:54,100 --> 00:18:58,571 ミルテとやら 他に任せられる者がおらぬゆえ➡ 289 00:18:58,571 --> 00:19:03,109 今は おぬしに炊事場を 任せるしかない。 できるか? 290 00:19:03,109 --> 00:19:10,249 はい! ヤナトの食材 ヤナトの料理 いちばんです! 考えます! 291 00:19:10,249 --> 00:19:12,218 頼むぞ。 292 00:19:16,088 --> 00:19:20,226 はぁ… 先が思いやられるわ。 293 00:19:20,226 --> 00:19:24,597 むやみに腹を立てずに 人の子を導くとは。 294 00:19:24,597 --> 00:19:28,401 神としての自覚が 生まれてきたようでございますな。 295 00:19:28,401 --> 00:19:32,071 あきれて怒る気力もないだけじゃ。 296 00:19:32,071 --> 00:19:36,075 して これから どうなさるおつもりですかな? 297 00:19:36,075 --> 00:19:38,110 どうとは? 298 00:19:38,110 --> 00:19:41,013 このまま あの田右衛門とやらに➡ 299 00:19:41,013 --> 00:19:44,917 この田を 任せておいてよいものかと。 300 00:19:44,917 --> 00:19:50,289 聞けば いつぞやも苗を潰し 畔を崩したといいます。 301 00:19:50,289 --> 00:19:54,093 まったく… 下手どころの騒ぎではないな。 302 00:19:54,093 --> 00:19:56,429 フム…。 待て。 303 00:19:56,429 --> 00:20:00,433 まさか これ以上 ワシに働けと 申すのではあるまいな? 304 00:20:00,433 --> 00:20:02,501 他におりますまい。 305 00:20:02,501 --> 00:20:07,406 考えてもみよ! 奉納する稲を 豊穣神自ら作るなど…。 306 00:20:07,406 --> 00:20:10,910 何一つ おかしいことなどございませぬ。 307 00:20:10,910 --> 00:20:15,414 我が国の豊穣神とは 元来そういうもの。 308 00:20:15,414 --> 00:20:18,918 トヨハナ様はもちろん カムヒツキ様ですら➡ 309 00:20:18,918 --> 00:20:21,554 毎年 田植えはしておいでです。 310 00:20:21,554 --> 00:20:26,058 だ… だが… ワシは何一つ知らぬのじゃぞ。 311 00:20:26,058 --> 00:20:30,563 田植えも 稲作も… んっ。 312 00:20:30,563 --> 00:20:33,933 それなら 案ずるに及びませぬ。 313 00:20:33,933 --> 00:20:35,901 あぁ…。 314 00:20:35,901 --> 00:20:38,571 先ほど見つけました。 315 00:20:38,571 --> 00:20:42,274 トヨハナ様が残した農書にございます。 316 00:20:42,274 --> 00:20:44,910 この地での稲作の記録と➡ 317 00:20:44,910 --> 00:20:48,080 その技が 事細かに書かれております。 318 00:20:48,080 --> 00:20:50,583 母上の…。 319 00:21:01,093 --> 00:21:06,232 あの田右衛門という者も 仕事はまったくできませぬが➡ 320 00:21:06,232 --> 00:21:09,135 知識はある様子。 助けに…。 321 00:21:09,135 --> 00:21:11,737 ならぬ。 おっ… おひい様! 322 00:21:11,737 --> 00:21:14,607 やらぬ! 絶対にやらぬぞ! 323 00:21:14,607 --> 00:21:18,244 ワシは カムヒツキ様に賜った 大役があるうえに➡ 324 00:21:18,244 --> 00:21:22,581 狩りまでせねばならぬのじゃぞ。 できるわけなかろう! 325 00:21:22,581 --> 00:21:24,583 あぁ…。 326 00:21:26,652 --> 00:21:31,257 ん? サクナ怒ってました? 今。 327 00:21:31,257 --> 00:21:35,628 いや 怒ってはおらぬ。 328 00:21:35,628 --> 00:21:48,174 ♬~ 329 00:21:48,174 --> 00:21:50,142 母上…。 330 00:22:02,454 --> 00:22:04,456 (あくび) 331 00:22:04,456 --> 00:22:06,458 ん? 332 00:22:10,062 --> 00:22:12,565 サクナ様。 333 00:22:12,565 --> 00:22:17,570 これが豊穣神 トヨハナ様のご息女じゃ。 334 00:22:17,570 --> 00:22:19,605 んっ! 335 00:22:19,605 --> 00:22:22,308 これは…。 336 00:22:22,308 --> 00:22:25,211 田が目を覚ましたのです。 337 00:22:25,211 --> 00:22:29,715 この地で再び 米作りが始まるのです。 338 00:22:32,785 --> 00:22:35,187 ハァ ハァ ハァ…。