1 00:00:02,102 --> 00:00:04,071 <前回までの 『鉄鍋のジャン!』> 2 00:00:04,071 --> 00:00:06,573 す… すまんが…。 やっぱり もう一度…。 3 00:00:06,573 --> 00:00:08,609 もう一度 味見を…。 4 00:00:08,609 --> 00:00:10,611 味見をしたい! 5 00:00:10,611 --> 00:00:14,581 君は一体 何を作ったんだ!? ただの キノコのスープじゃないだろう! 6 00:00:14,581 --> 00:00:19,152 (醤)俺が使ったのは モエギタケの一種と フウセンタケの一種。 7 00:00:19,152 --> 00:00:21,288 どちらも毒性はない。 8 00:00:21,288 --> 00:00:24,591 だが 2つを ある分量で組み合わせたとき➨ 9 00:00:24,591 --> 00:00:29,096 そこに 幻覚興奮成分が 発生するのだ。 10 00:00:29,096 --> 00:00:33,066 (弥一)マジックマッシュルームってやつだな。 11 00:00:37,070 --> 00:00:39,106 気をつけろよ! 12 00:00:39,106 --> 00:00:41,141 こっち こっち! よ~し 一旦 ストップ! 13 00:00:41,141 --> 00:00:44,411 ふう…。 もう だいぶ熱くなってますから➨ 14 00:00:44,411 --> 00:00:46,747 気をつけてください。 おう。 15 00:00:46,747 --> 00:00:49,383 けど なんだ? この でっけぇ鉄板は。 16 00:00:49,383 --> 00:00:52,085 うわっ! うわ~っ! 17 00:00:52,085 --> 00:00:55,088 主任! 早く 軍手 ぬいで! 18 00:00:55,088 --> 00:00:59,726 なっ… なんて クソ熱くしてあるんだ こいつは。 19 00:00:59,726 --> 00:01:04,131 こんなのを 今日の料理大会で 使うんですかね? 20 00:02:46,066 --> 00:02:48,435 (沢田)最低だな。 お前のようなやつは➨ 21 00:02:48,435 --> 00:02:53,073 同じ料理人として 許さないよ 俺。 22 00:02:53,073 --> 00:02:57,044 やっつけてやるよ! この俺の炎の料理でな! 23 00:02:57,044 --> 00:03:00,113 見ろ! この 審査員たちの有様を。 24 00:03:00,113 --> 00:03:02,716 みんな お前の作った 麻薬のようなスープで➨ 25 00:03:02,716 --> 00:03:07,220 こうなっちまったんだぞ! それでも お前は料理人か! 26 00:03:07,220 --> 00:03:09,256 (大沢)盛り上がってるねぇ。 27 00:03:09,256 --> 00:03:12,559 撮れ高 高いっすね。 (沢田)勝てば それでいいのか!? 28 00:03:12,559 --> 00:03:15,395 食事をする人のことは 考えてないのか!? 29 00:03:15,395 --> 00:03:20,067 もう一度 言う! 俺は許さないぜ! 認めないぜ! 30 00:03:20,067 --> 00:03:28,041 この俺… 炎の料理人 沢田圭が お前の邪な野望を打ち砕いてやる。 31 00:03:28,041 --> 00:03:31,078 わかったか 秋山! 32 00:03:31,078 --> 00:03:33,146 《決まったぜ》 33 00:03:33,146 --> 00:03:35,715 そうだ いいぞ! そいつを許すな! 34 00:03:35,715 --> 00:03:38,385 お前がやらねば 誰がやる 沢田! 35 00:03:38,385 --> 00:03:41,054 《フフフフ… つかみは オーケー。 36 00:03:41,054 --> 00:03:45,726 どうだ 秋山… これでもう お前の味方はいなくなったぜ》 37 00:03:45,726 --> 00:03:50,697 (小此木)うわぁ… すっかり ジャンが悪者だ。 38 00:03:50,697 --> 00:03:54,167 (大谷)フフフフ… やっぱりな。 39 00:03:54,167 --> 00:03:57,404 ワシのにらんだとおりに なってきおった。 40 00:03:57,404 --> 00:04:01,408 審査員と会場を敵にまわしては 勝ち目はないわ。 41 00:04:01,408 --> 00:04:04,845 沢田っちゅう若僧に コテンパンにやられてしまえ。 42 00:04:04,845 --> 00:04:08,749 公衆の面前で 赤っ恥をかくがいい! 43 00:04:08,749 --> 00:04:12,752 ヘッヘッヘッヘ…。 44 00:04:12,752 --> 00:04:18,158 (小此木)大丈夫? すっごい はれてるよ その頬。 45 00:04:18,158 --> 00:04:21,061 あぁ… サンキュー。 46 00:04:21,061 --> 00:04:24,431 キリコのやつ 思いっきり殴りやがって…。 47 00:04:24,431 --> 00:04:27,467 どうしたの? ちょっと 外の空気 吸ってくる。 48 00:04:27,467 --> 00:04:31,772 本選は 30分後だよ。 わかってる。 すぐ戻る。 49 00:04:40,747 --> 00:04:43,550 さっきは ずいぶんなマネしてくれたな。 50 00:04:43,550 --> 00:04:48,121 覚えてろよ。 (霧子)フン! そっちこそ! 51 00:04:48,121 --> 00:04:50,757 もう一度 あんな料理 作ってみろ! 52 00:04:50,757 --> 00:04:54,161 そんときは パンチ一発じゃ すまないからね! 53 00:04:56,429 --> 00:05:00,500 なっ…。 54 00:05:00,500 --> 00:05:03,203 ⸨こんなの 料理じゃない! 毒だ!!⸩ 55 00:05:06,072 --> 00:05:08,074 離せって! 56 00:05:10,744 --> 00:05:13,079 ケッ! バカヤロウめ! 57 00:05:13,079 --> 00:05:16,416 利き腕を傷つけるようでは 料理人 失格だぜ。 58 00:05:16,416 --> 00:05:18,418 ハッハッハッハ! 59 00:05:18,418 --> 00:05:20,787 フン! それが どうした! 60 00:05:20,787 --> 00:05:25,458 幻覚キノコなんて料理を作るやつこそ 料理人 失格よ! 61 00:05:33,066 --> 00:05:37,737 それでは ただ今より 中華料理人選手権大会➨ 62 00:05:37,737 --> 00:05:40,440 1回戦を始めます! 63 00:05:40,440 --> 00:05:44,411 ここからは 予選とは 採点方法が変わります。 64 00:05:44,411 --> 00:05:47,914 まず 10人の審査員は 1人の持ち点が 10点。 65 00:05:47,914 --> 00:05:49,916 最高得点 100点。 66 00:05:49,916 --> 00:05:53,086 あ~っ! あいつ! 67 00:05:53,086 --> 00:05:57,757 そして 今度は 観客の皆さんも 審査に加われます! 68 00:05:57,757 --> 00:06:00,727 1人 1点の持ち点で 100人の皆さんに➨ 69 00:06:00,727 --> 00:06:03,563 審査していただくわけです。 2人の料理のうち➨ 70 00:06:03,563 --> 00:06:07,534 どちらがおいしかったか ボタンを押して 判定してください。 71 00:06:07,534 --> 00:06:11,071 では! 第1試合 開始! 72 00:06:11,071 --> 00:06:14,074 料理人の入場です! 73 00:06:14,074 --> 00:06:19,579 六本木 崑崙! 沢田圭! 74 00:06:19,579 --> 00:06:22,115 ホーッ! ⚟沢田く~ん! 75 00:06:22,115 --> 00:06:25,185 ⚟頑張れよ 沢田! ⚟俺たちは お前の味方だぜ! 76 00:06:25,185 --> 00:06:27,554 フッ…。 77 00:06:27,554 --> 00:06:34,461 続きまして… 銀座 五番町飯店! 秋山醤! 78 00:06:34,461 --> 00:06:37,063 よく出てきたな この恥知らず! 79 00:06:37,063 --> 00:06:41,034 料理人のツラ汚しめ! 負けちまえ バカヤロウ! 80 00:06:44,070 --> 00:06:48,141 《ええで ええで! 全国ネットで 醜態を晒せ! 81 00:06:48,141 --> 00:06:51,211 ひどい負け方して この世から消えてまえ! 82 00:06:51,211 --> 00:06:54,114 秋山のガキ!》 83 00:06:56,049 --> 00:06:58,051 (指を鳴らす音) 84 00:07:02,088 --> 00:07:05,058 なんだ!? 何かの演出か? 85 00:07:05,058 --> 00:07:09,095 沢田くん お待たせ! (みんな)ゴー ゴー ゴー! 86 00:07:09,095 --> 00:07:12,132 ⚟なんだ なんだ!? (小此木)大きい鉄板? 87 00:07:12,132 --> 00:07:15,702 あれを使って 料理するんですか? (弥一)だろうな。 88 00:07:22,442 --> 00:07:24,711 ⚟わぁ 燃えた! 89 00:07:28,415 --> 00:07:34,087 《フッフフフフ… 悪いが 秋山 お前は 引き立て役さ。 90 00:07:34,087 --> 00:07:37,691 この 灼熱の鉄板に 敵はいないぜ》 91 00:07:40,093 --> 00:07:44,431 では 第1試合 課題は… 牛! 92 00:07:44,431 --> 00:07:47,067 牛肉料理です! 93 00:07:47,067 --> 00:07:49,102 (銅鑼の音) 94 00:07:49,102 --> 00:07:51,071 はじめ! 95 00:07:57,110 --> 00:08:04,017 <中華料理人選手権大会 1回戦 第1試合 課題は 牛肉料理> 96 00:08:04,017 --> 00:08:07,020 おぉ… 見ろよ! 沢田の選んでる肉。 97 00:08:07,020 --> 00:08:09,923 肉質の柔らかい部位ばかりだぜ。 98 00:08:09,923 --> 00:08:13,693 <ランプ イチボは 赤身の旨みが凝縮した➨ 99 00:08:13,693 --> 00:08:17,364 尻周りの肉。 サーロインは 和牛の場合➨ 100 00:08:17,364 --> 00:08:20,700 しっかりと サシが入って 霜降りになる部位。 101 00:08:20,700 --> 00:08:24,771 ヒレは 肉質がしっとりと きめ細かく 柔らか。 102 00:08:24,771 --> 00:08:28,041 どれも ステーキに最適な部位である> 103 00:08:28,041 --> 00:08:31,044 《そう 俺は… 最高の肉を➨ 104 00:08:31,044 --> 00:08:34,014 最高に うまく食べられる料理を 作ってやる》 105 00:08:34,014 --> 00:08:38,018 <対して ジャンが選んだ牛肉は…> 106 00:08:42,689 --> 00:08:44,691 えっ… え~っ!? 107 00:08:44,691 --> 00:08:50,029 ⚟おい! ありゃ すね肉だ! ⚟なに!? あんな硬い肉を? 108 00:08:50,029 --> 00:08:52,365 < すね肉! スジが多く➨ 109 00:08:52,365 --> 00:08:55,702 筋肉が発達した 非常に硬い部位。 110 00:08:55,702 --> 00:08:58,705 ステーキには不向き。 コラーゲンが多く➨ 111 00:08:58,705 --> 00:09:01,374 スープ 煮込みに適する> 112 00:09:01,374 --> 00:09:05,378 なんだよ… 肉の選び方で もう 結果が出ちまった。 113 00:09:05,378 --> 00:09:09,382 ⚟ランプやヒレに すね肉が かなうわけねえじゃねえか。 114 00:09:09,382 --> 00:09:12,719 あぁ もう! ジャン 何をやってんだよ! 115 00:09:12,719 --> 00:09:15,588 あんな安い肉を選ぶなんて…。 116 00:09:15,588 --> 00:09:17,557 ねぇ 総料理長! 117 00:09:20,393 --> 00:09:24,063 さぁ ショータイムの始まりだ! 118 00:09:24,063 --> 00:09:26,066 ホウッ! 119 00:09:26,066 --> 00:09:28,701 うわ~っ! 超速い 玉ねぎのみじん切り! 120 00:09:28,701 --> 00:09:31,037 踊っちゃうぜ~。 121 00:09:31,037 --> 00:09:34,073 ロックンソース! 122 00:09:34,073 --> 00:09:36,109 ホッホー! 123 00:09:36,109 --> 00:09:40,413 おもしれぇ! ロックンソース? 玉ねぎベースのソースかよ! 124 00:09:43,550 --> 00:09:45,552 ハァーッ! 125 00:09:45,552 --> 00:09:47,554 ハァ! 126 00:09:47,554 --> 00:09:49,556 なんだ!? あの金串! 127 00:09:49,556 --> 00:09:51,558 超長~い! 128 00:09:53,726 --> 00:09:57,096 ホーッ! (歓声) 129 00:09:57,096 --> 00:10:01,134 ⚟あの でっかい鉄板は このためのものだったのか! 130 00:10:01,134 --> 00:10:04,037 ほほう…。 あの 沢田という料理人➨ 131 00:10:04,037 --> 00:10:06,072 いい腕を持ってますなぁ。 132 00:10:06,072 --> 00:10:10,076 素材を選ぶ目も確かだし 技術も スピーディーだ。 133 00:10:10,076 --> 00:10:13,079 肉を焼く前に 下味を きちんとつけ➨ 134 00:10:13,079 --> 00:10:15,748 よく もんで 味を染み込ませていたし➨ 135 00:10:15,748 --> 00:10:20,720 中華の技法の油通しも ちゃんと ぬかりなく やっていましたね。 136 00:10:20,720 --> 00:10:23,723 あの 野菜の切り口… 踊りながらでも➨ 137 00:10:23,723 --> 00:10:27,060 ちゃんと 食べやすい切り方を してますよ ほら! 138 00:10:27,060 --> 00:10:32,732 ショーアップして華やかやけど 本質は 筋金入りの職人ちゅうわけやな。 139 00:10:32,732 --> 00:10:37,737 まるで 舞台でも見ているように 楽しませてくれる男ですね。 140 00:10:37,737 --> 00:10:42,108 さぁ クライマックスのファイアーだ! 141 00:10:45,411 --> 00:10:48,047 ホッホー! ⚟すごいぜ! 142 00:10:48,047 --> 00:10:50,717 ⚟沢田く~ん! ⚟いいぞ! ファイアーダンス 沢田! 143 00:10:50,717 --> 00:10:52,752 《とどめは これだ! 144 00:10:52,752 --> 00:10:55,154 特製ソースの味つけ 香りづけ!》 145 00:10:57,157 --> 00:10:59,125 《どうだ!? 秋山!》 146 00:11:03,730 --> 00:11:08,067 (小此木)あ~ もう! 何やってんだよ ジャン! 147 00:11:08,067 --> 00:11:11,437 なんで 今さら あんかけなんか 作ってんのさ! 148 00:11:11,437 --> 00:11:16,042 あれじゃ 沢田の料理に 勝てないよ。 地味すぎるよ~。 149 00:11:16,042 --> 00:11:19,045 ねぇ 総料理長も そう思うでしょ? 150 00:11:19,045 --> 00:11:22,081 (弥一)魔法だ。 はっ? 151 00:11:22,081 --> 00:11:26,386 秋山の料理は魔法… そう 聞いている。 152 00:11:26,386 --> 00:11:30,023 あいつは 今 その魔法を使おうとしている。 153 00:11:30,023 --> 00:11:32,025 ま… 魔法? (弥一)ただし➨ 154 00:11:32,025 --> 00:11:35,628 その魔法がわかる 審査員が何人いるか…。 155 00:11:37,664 --> 00:11:39,699 (銅鑼の音) 156 00:11:39,699 --> 00:11:43,536 終了! すべての作業を 終えてください。 157 00:11:43,536 --> 00:11:45,705 今から 審査に入ります。 158 00:11:45,705 --> 00:11:50,677 《できたぞ! 炎と煙の演出で 観客と審査員の期待を➨ 159 00:11:50,677 --> 00:11:53,346 最高に高まらせた この料理…。 160 00:11:53,346 --> 00:11:57,016 この俺 沢田圭の 無敵のティエバンシャオ! 161 00:11:57,016 --> 00:11:59,185 どんな火力の鉄鍋も➨ 162 00:11:59,185 --> 00:12:02,021 この灼熱の鉄板には ひれ伏すのみ。 163 00:12:02,021 --> 00:12:06,359 お前の負けだ… 秋山醤!》 164 00:12:06,359 --> 00:12:10,530 ほぉ~っ! 香ばしい匂いやなぁ。 165 00:12:10,530 --> 00:12:14,534 焦げたソースで 肉に すばらしい香りがつけられとるわ。 166 00:12:14,534 --> 00:12:17,003 いただくでぇ…。 167 00:12:21,674 --> 00:12:24,043 こりゃ たまらんわ~! 168 00:12:24,043 --> 00:12:28,114 炎と煙が作った 芸術やな これは。 169 00:12:28,114 --> 00:12:32,719 肉も柔らかいね。 ジューシーに焼けてますなぁ。 170 00:12:32,719 --> 00:12:36,222 君らしい 派手な料理だよ。 沢田くん。 171 00:12:36,222 --> 00:12:38,358 ありがとうございます。 172 00:12:38,358 --> 00:12:41,794 いやぁ… ハハハハ! 173 00:12:41,794 --> 00:12:45,031 おや 秋山くん… すごい汗だね。 174 00:12:45,031 --> 00:12:48,368 地味な料理を 一生懸命 作ったんだね。 175 00:12:48,368 --> 00:12:50,403 フフフフフ…。 176 00:12:50,403 --> 00:12:52,438 地味なのは お前のほうだろ。 177 00:12:52,438 --> 00:12:55,041 俺は 汗をかくだけのものは作った。 178 00:12:55,041 --> 00:12:58,678 中華の神髄をな。 あっ そう。 179 00:12:58,678 --> 00:13:02,682 ハハハ… ハハハハハ! 180 00:13:02,682 --> 00:13:04,684 ハハハハハ! 181 00:13:04,684 --> 00:13:08,021 (何かが弾けるような音) 182 00:13:08,021 --> 00:13:10,023 (拍手のような音) 183 00:13:10,023 --> 00:13:12,025 なっ! なんだ? 184 00:13:12,025 --> 00:13:14,394 なんや!? この 割れるような 拍手は…。 185 00:13:14,394 --> 00:13:20,700 《俺の この料理で 審査員どもの舌を確かめてやる》 186 00:13:24,537 --> 00:13:26,539 あっ… あんかけ!? 187 00:13:26,539 --> 00:13:29,342 グオバーを あんかけしてる音か! 188 00:13:36,015 --> 00:13:38,017 よし! 189 00:13:38,017 --> 00:13:43,056 これが 秋山式グオバー… 名づけて タイジーグオバー! 190 00:13:43,056 --> 00:13:49,362 <太極… タイジーとは 陰と陽の二元を表す 中華の思想。 191 00:13:49,362 --> 00:13:53,533 世界万物の根元 宇宙を表している> 192 00:13:53,533 --> 00:13:55,535 さぁ 食べてくれ! 193 00:13:55,535 --> 00:13:57,870 ねぇねぇ アレは なんですか? 194 00:13:57,870 --> 00:14:02,041 グオバーの肉と野菜のあんかけだな。 グオバー? 195 00:14:02,041 --> 00:14:07,046 <グオバー… 炊いた もち米を 薄くのばし 乾燥させたもの。 196 00:14:07,046 --> 00:14:10,383 低温の油で揚げると サックリとふくらむ。 197 00:14:10,383 --> 00:14:13,252 揚げたてのグオバーに あんをかけると➨ 198 00:14:13,252 --> 00:14:16,889 油が弾けて ものすごい音がするのだ> 199 00:14:16,889 --> 00:14:20,526 普通は 肉も野菜も いっしょくたに作るもんだけど➨ 200 00:14:20,526 --> 00:14:23,396 アイツは 2つに分けたみたいね。 201 00:14:23,396 --> 00:14:27,967 醤油色のあんかけは ゼラチンたっぷりの牛のすね肉を➨ 202 00:14:27,967 --> 00:14:31,704 豆板醤 酒 醤油で煮込んだもの。 203 00:14:31,704 --> 00:14:35,375 白いあんかけは 4種の野菜を使っているわ。 204 00:14:35,375 --> 00:14:39,045 油通しをして 緑を鮮やかにした アスパラガス。 205 00:14:39,045 --> 00:14:44,050 それと 細めに千切りした 人参 セロリ シイタケを炒め➨ 206 00:14:44,050 --> 00:14:47,720 塩 コショウで味を調え 片栗で とろみをつけてる。 207 00:14:47,720 --> 00:14:51,724 肉と野菜の リャンウェイグオバーってとこか。 208 00:14:51,724 --> 00:14:56,362 リャンウェイグオバー… でも あれの魔法ってのは? 209 00:14:56,362 --> 00:15:00,366 (弥一)それは 審査員しだいで わかることだ。 210 00:15:00,366 --> 00:15:03,369 でもまぁ なんやね… 2時間たっぷり➨ 211 00:15:03,369 --> 00:15:06,372 時間をかけたわりには この グオバーちゅうのは➨ 212 00:15:06,372 --> 00:15:08,708 あまり 珍しくない料理やね。 213 00:15:08,708 --> 00:15:12,111 乾し飯ですか。 2色に分けたのが➨ 214 00:15:12,111 --> 00:15:15,381 新しいかな…。 まぁまぁ ひと口…。 215 00:15:18,718 --> 00:15:22,021 なるほど… 家庭的な味ですな。 216 00:15:22,021 --> 00:15:26,692 でもまぁ その… 地味ですな これは。 217 00:15:26,692 --> 00:15:30,029 沢田くんの料理と 比べてしまうとね…。 218 00:15:30,029 --> 00:15:35,368 彼の料理は 最高の素材を使った 華のある料理でしたからねぇ。 219 00:15:35,368 --> 00:15:38,538 たしかに この すね肉もうまいんですが…。 220 00:15:38,538 --> 00:15:44,010 《クックック… ざまぁみろ 秋山め。 負けて 赤っ恥かいてまえ》 221 00:15:44,010 --> 00:15:48,347 おっと… ワシも一応 ひと口 食っとくかな。 フフ…。 222 00:15:48,347 --> 00:15:52,251 《グオバー… こんなもんで この料理大会を➨ 223 00:15:52,251 --> 00:15:56,622 乗り切れると思っとったんかい バカめ! クッヘヘヘヘ…》 224 00:16:03,362 --> 00:16:05,364 《おっ!?》 225 00:16:09,035 --> 00:16:11,370 《おぉ~っ! 226 00:16:11,370 --> 00:16:15,074 こ… こりゃ… この味は~!》 227 00:16:17,009 --> 00:16:20,379 あんたには わかったみたいだな。 うっ!? 228 00:16:20,379 --> 00:16:26,719 さすが 舌だけは一級品だ。 なぁ… 大谷さんよ! 229 00:16:26,719 --> 00:16:30,857 なんだ? どうしたんです? 大谷さん。 230 00:16:30,857 --> 00:16:34,727 聞け! 大谷先生は 2つを食べ比べてみろと➨ 231 00:16:34,727 --> 00:16:36,796 言っている。 なっ! 232 00:16:36,796 --> 00:16:39,699 ただし! 今度は 目隠しをしてだ。 233 00:16:39,699 --> 00:16:41,834 うん? 目隠し? 234 00:16:41,834 --> 00:16:45,037 《えぇっ!? コッ… コイツ…》 235 00:16:53,012 --> 00:16:55,014 あっ…。 あれ? 236 00:16:55,014 --> 00:16:58,384 これは…。 味が 鮮明に感じられますなぁ。 237 00:16:58,384 --> 00:17:03,523 うん うん。 心なしか 秋山のほうが うまい! 238 00:17:03,523 --> 00:17:06,692 えっ… えぇっ!? 239 00:17:06,692 --> 00:17:10,696 うん… 目を隠したせいで 味が よくわかるな。 240 00:17:10,696 --> 00:17:13,132 グオバーのパリッとした食感と➨ 241 00:17:13,132 --> 00:17:17,036 牛すね肉のこってりとした ゼラチンの味が よく合っているよ。 242 00:17:17,036 --> 00:17:19,038 野菜のあんかけのほうは➨ 243 00:17:19,038 --> 00:17:21,908 さわやかさを出して それを引き立てている。 244 00:17:21,908 --> 00:17:23,943 なるほど! 245 00:17:23,943 --> 00:17:27,546 たしかに 私も そう感じますよ! おっ… おいおい…。 246 00:17:27,546 --> 00:17:32,585 さすがだね 大谷さん。 なるほど 味を見るには 目をつぶれってか。 247 00:17:32,585 --> 00:17:35,855 いや… ハハハ…。 そう言われてみれば➨ 248 00:17:35,855 --> 00:17:38,691 あと一つ 何か 味がありますね。 249 00:17:38,691 --> 00:17:42,361 こりゃ なんですか? 大谷さん。 ほら! 250 00:17:42,361 --> 00:17:45,031 大谷センセ。 251 00:17:45,031 --> 00:17:47,033 あ… 油や! 252 00:17:47,033 --> 00:17:51,504 グオバーを揚げた油の香りですわ これは…。 253 00:17:51,504 --> 00:17:55,708 油!? 油の香りですか へぇ…。 254 00:17:55,708 --> 00:18:01,080 いやぁ… 油ってものが これほど 味わい深いものだとはね。 255 00:18:01,080 --> 00:18:04,617 私 感服しましたよ 大谷先生。 256 00:18:04,617 --> 00:18:09,355 《もともと グオバーのあんかけは 牛丼や ぶっかけ飯のようなもの。 257 00:18:09,355 --> 00:18:12,258 肉と野菜の旨みを たっぷり吸い込んだ飯が➨ 258 00:18:12,258 --> 00:18:16,696 香ばしい匂いをさせてるんや うまくないわけないわい…》 259 00:18:16,696 --> 00:18:20,366 なるほど… 私は勘違いしていたようだ。 260 00:18:20,366 --> 00:18:22,368 へっ? ごちそうならば➨ 261 00:18:22,368 --> 00:18:25,371 なんでもいいというものでも なさそうですね。 262 00:18:25,371 --> 00:18:28,374 くっ! クックックック! 263 00:18:28,374 --> 00:18:31,544 <沢田の料理は たしかに うまかった。 264 00:18:31,544 --> 00:18:36,415 最高の肉と すばらしいテクニックで 作った ティエバンシャオだった。 265 00:18:36,415 --> 00:18:39,518 だが 彼らの期待を 盛り上げるだけ 盛り上げて➨ 266 00:18:39,518 --> 00:18:44,056 できた料理は 誰が見ても ただの ごちそうだった。 267 00:18:44,056 --> 00:18:48,194 ところが ジャンは 硬い すね肉と どこにでもある野菜と➨ 268 00:18:48,194 --> 00:18:52,531 大衆的なグオバーという すべて 安い材料を使い➨ 269 00:18:52,531 --> 00:18:55,701 手を惜しまぬことで その素材の持つ旨みを➨ 270 00:18:55,701 --> 00:18:59,038 何倍も超えた料理を作りあげた! 271 00:18:59,038 --> 00:19:02,341 そして それは うまかった!> 272 00:19:02,341 --> 00:19:05,678 行くか キリコ… 次は お前の試合だろ? 273 00:19:05,678 --> 00:19:08,347 うん。 274 00:19:08,347 --> 00:19:12,351 へっ? で… でも まだ 点数が発表されてませんよ? 275 00:19:12,351 --> 00:19:15,054 (弥一)見るまでもない。 秋山の勝ちだ。 276 00:19:15,054 --> 00:19:18,024 審査員たちが 採点に悩んでいるってことは➨ 277 00:19:18,024 --> 00:19:22,361 秋山の魔法… 手をかけてこそ 中華の神髄。 278 00:19:22,361 --> 00:19:26,032 それを 感じ取ったということだからな。 279 00:19:26,032 --> 00:19:30,002 《たしかに 安い材料を使い 手をかけることで➨ 280 00:19:30,002 --> 00:19:35,374 その旨みを 何倍にも膨らませる… それこそが 中華の神髄や。 281 00:19:35,374 --> 00:19:39,712 だが… よくも この大谷を コケにしてくれよったな! 282 00:19:39,712 --> 00:19:43,015 ワシを 狂言回しのサル扱いしよって! 283 00:19:43,015 --> 00:19:48,020 秋山… やはり キサマは 絶対 許さんぞ!》 284 00:19:50,022 --> 00:19:52,024 中華の神髄…。 285 00:19:52,024 --> 00:19:59,198 《秋山のやつ… アイツの魔法の 引き出しは いくつあるんだ》 286 00:19:59,198 --> 00:20:06,539 1回戦 第1試合! 勝者 五番町飯店 秋山醤! 287 00:20:06,539 --> 00:20:12,511 <中華の神髄に勝るものなし!> 288 00:20:14,513 --> 00:20:17,016 フッ フッ フッ フッ! 昨日は お疲れさま。 289 00:20:17,016 --> 00:20:20,352 ヒヤヒヤしたけど 見事な勝利だったね。 290 00:20:20,352 --> 00:20:24,023 当然だ! 料理は勝負だぜ。 291 00:20:24,023 --> 00:20:27,026 お前も やるか? いいの!? 292 00:20:27,026 --> 00:20:29,028 左腕が 料理をうまくする。 293 00:20:29,028 --> 00:20:31,030 うっ! だから 俺はいつも➨ 294 00:20:31,030 --> 00:20:33,032 鍛えているんだ。 うぐぐっ…。 295 00:20:33,032 --> 00:20:35,701 まっ 無理するなよ。 296 00:20:35,701 --> 00:20:37,670 うん…。 297 00:20:44,610 --> 00:20:49,715 こんなキズ… かっこ悪くて 誰にも見せられねえぜ。 298 00:20:49,715 --> 00:20:53,519 《だけど このキズこそ…》 299 00:20:53,519 --> 00:20:55,521 (ドアを開ける音) 300 00:20:55,521 --> 00:21:00,025 誰だ!? 今 シャワーは 俺が使ってんだ! 外で待てよ。 301 00:21:00,025 --> 00:21:02,928 なんだよ 返事くらい…。 302 00:21:02,928 --> 00:21:04,864 《しまった! 背中…》 303 00:21:04,864 --> 00:21:07,566 キャーッ! あたっ! 304 00:21:09,568 --> 00:21:11,637 キリコか…。 305 00:21:16,041 --> 00:21:20,045 なんの用だ? わ… 私は認めてないから。 306 00:21:20,045 --> 00:21:22,014 予選のアレ。 あぁ? 307 00:21:22,014 --> 00:21:26,352 1回戦は 正攻法で勝ったろ。 お前好みのやり方でな。 308 00:21:26,352 --> 00:21:30,356 はぁ!? なんで あんたに 私の好みがわかんのよ! 309 00:21:30,356 --> 00:21:34,527 お前… 俺の背中 見た? 310 00:21:34,527 --> 00:21:36,529 見ちゃったよ。 311 00:21:36,529 --> 00:21:39,865 なんなの? あのキズ! 誰にやられたの!? 312 00:21:39,865 --> 00:21:43,969 お前には関係ない。 それに 人のキズを➨ 313 00:21:43,969 --> 00:21:48,007 心配するひまがあったら 早く 自分のキズを治せ。 314 00:21:48,007 --> 00:21:50,676 それこそ あなたには 関係ないでしょ! 315 00:21:50,676 --> 00:21:53,579 勘違いするな… これは キズじゃない。 316 00:21:53,579 --> 00:21:56,382 えっ? だって どう見ても キズじゃない! 317 00:21:56,382 --> 00:21:58,384 違う! うっ…。 318 00:21:58,384 --> 00:22:03,522 これは 俺の料理人としての自信の源…。 319 00:22:03,522 --> 00:22:07,993 ジジイと俺の執念を刻んだものだ。