1 00:00:04,440 --> 00:00:06,770 《御崎:小学生のころの僕は 2 00:00:06,770 --> 00:00:10,280 暗くて ひねくれた嫌な子どもで 3 00:00:10,280 --> 00:00:13,950 そのせいで 友達が一人もいなかった》 4 00:00:13,950 --> 00:00:16,950 こうちゃん。 (ドアの開く音) 5 00:00:16,950 --> 00:00:20,950 親戚のキャロルちゃんが 遊びに来てくれたわよ。 6 00:00:20,950 --> 00:00:23,620 天使みたいに かわいい子なの。 7 00:00:23,620 --> 00:00:26,290 (御崎)大人は すぐ 小さい子どものことを 8 00:00:26,290 --> 00:00:31,190 天使と言うよね。 また そういうこと言って…。 9 00:00:33,800 --> 00:00:35,800 はっ…。 10 00:00:38,140 --> 00:00:40,140 (キャロル)ハハッ。 11 00:00:46,480 --> 00:00:49,980 (キャロル)こんにちは。 12 00:00:49,980 --> 00:00:54,780 《本物の天使だ》 13 00:02:36,030 --> 00:02:38,360 (御崎)はっ はじめまして! 14 00:02:38,360 --> 00:02:40,870 御崎光助です! 15 00:02:40,870 --> 00:02:44,370 (五郎)強くなりたいとは よい心がけだな。 16 00:02:44,370 --> 00:02:46,870 はい! (淳一郎)入門したいって 17 00:02:46,870 --> 00:02:49,880 言ってたけど マジで来たのか。 18 00:02:49,880 --> 00:02:53,310 しかし お主…。 19 00:02:53,310 --> 00:02:56,480 弱いな。 うわっ やっぱり! 20 00:02:56,480 --> 00:02:58,650 いや 待て。 21 00:02:58,650 --> 00:03:01,820 奥のほうに何か。 22 00:03:01,820 --> 00:03:03,920 なっ なんですか? 23 00:03:06,330 --> 00:03:10,000 う~ん… 心に悪鬼が潜んでいるな。 24 00:03:10,000 --> 00:03:14,330 気をつけたほうがいい。 はあ…。 25 00:03:14,330 --> 00:03:16,340 《智:さすが おやじ》 26 00:03:16,340 --> 00:03:20,170 先輩 まずはランニングっす! 押忍! 27 00:03:20,170 --> 00:03:25,840 ハァ ハァ ハァ…。 28 00:03:25,840 --> 00:03:28,680 ほんの200段を 上って下りるだけっす。 29 00:03:28,680 --> 00:03:31,850 はひ はふ はひひ…。 30 00:03:31,850 --> 00:03:35,350 次は 筋トレ。 腕立て50回 3セット。 31 00:03:35,350 --> 00:03:38,860 だ~! 1回も上がらんではないか! 32 00:03:38,860 --> 00:03:41,530 先輩 次は試合っすよ。 33 00:03:41,530 --> 00:03:43,530 こ… このタイミングで? 34 00:03:43,530 --> 00:03:47,870 訓練は 極限の中でってのが この道場の考え方っす。 35 00:03:47,870 --> 00:03:52,140 敵は こっちの体調なんて おかまいなしに来ますから。 36 00:03:52,140 --> 00:03:55,840 まずは 俺が相手っす。 37 00:03:57,810 --> 00:04:00,150 《ジュンくんとの初対戦。 38 00:04:00,150 --> 00:04:03,320 できれば本気で 相手をしてもらいたい》 39 00:04:03,320 --> 00:04:05,320 フフッ…。 40 00:04:05,320 --> 00:04:11,320 この戦いで もしも君に勝てたら…。 41 00:04:11,320 --> 00:04:16,120 相沢さんも 少しは僕のことを 認めてくれるかな。 42 00:04:18,500 --> 00:04:20,700 どうっすかね。 43 00:04:23,500 --> 00:04:26,510 《くっ これが ジュンくんの力。 44 00:04:26,510 --> 00:04:29,510 自分より相沢さんのほうが 強いなんて言ってたけど 45 00:04:29,510 --> 00:04:31,680 そんなはず ない。 46 00:04:31,680 --> 00:04:33,680 圧倒的だ》 47 00:04:37,520 --> 00:04:40,520 《楽しそうだな ジュンのやつ。 48 00:04:40,520 --> 00:04:43,860 アタシが相手のときと違って》 49 00:04:43,860 --> 00:04:46,530 うぉお~! 50 00:04:46,530 --> 00:04:48,930 ひっ…。 51 00:04:50,800 --> 00:04:52,800 大振りは ダメっすよ。 52 00:04:52,800 --> 00:04:54,800 一時の気合いで 53 00:04:54,800 --> 00:04:57,300 どうにかなるなんて 思わないでください。 54 00:04:57,300 --> 00:04:59,300 うっ…。 55 00:04:59,300 --> 00:05:01,470 強いやつに 認めてもらいたかったら 56 00:05:01,470 --> 00:05:05,480 血へど吐いて 積み上げて追い抜く。 57 00:05:05,480 --> 00:05:08,480 そうじゃなきゃ ダメなんすよ。 58 00:05:08,480 --> 00:05:10,480 あっ…。 59 00:05:10,480 --> 00:05:15,650 《勝てるなんて思えないけど せめて 一発だけでも…》 60 00:05:15,650 --> 00:05:18,820 てやぁ~! 61 00:05:18,820 --> 00:05:20,820 あっ…。 62 00:05:22,830 --> 00:05:25,130 あっ ヤベッ…。 63 00:05:29,170 --> 00:05:31,170 (倒れる音) 64 00:05:33,170 --> 00:05:35,170 うぅ…。 65 00:05:35,170 --> 00:05:38,010 んっ? ここは? 66 00:05:38,010 --> 00:05:41,350 アタシの部屋っす。 練習は? 67 00:05:41,350 --> 00:05:43,350 もう終わったっす。 68 00:05:43,350 --> 00:05:47,190 すんません ジュンのやつ 手加減を知らねえから。 69 00:05:47,190 --> 00:05:50,190 やっぱり 僕って情けないな。 70 00:05:50,190 --> 00:05:52,120 そんなことないっすよ! 71 00:05:52,120 --> 00:05:54,960 っていうか 先輩が強くなりたいのって 72 00:05:54,960 --> 00:05:58,300 もしかして キャロルのためっすか? んなっ! 73 00:05:58,300 --> 00:06:01,800 えっと それは その…。 74 00:06:01,800 --> 00:06:05,470 うん 実は そうなんだ。 75 00:06:05,470 --> 00:06:07,810 やっぱり! 76 00:06:07,810 --> 00:06:09,810 あの子は ああいう性格だし 77 00:06:09,810 --> 00:06:14,310 昔から いろいろとトラブルに 巻き込まれることが多かったんだ。 78 00:06:14,310 --> 00:06:18,980 だから 僕は あの子のために 強くなりたいって思ってた。 79 00:06:18,980 --> 00:06:24,980 でも 何か できたことなんて 一度もない。 この前だって…。 80 00:06:28,990 --> 00:06:31,000 僕って 本当に…。 81 00:06:31,000 --> 00:06:35,670 だから! 先輩は情けなくないって 言ってるじゃないっすか! 82 00:06:35,670 --> 00:06:38,000 どっか一個が 誰かに負けてるからって 83 00:06:38,000 --> 00:06:41,170 自分を全否定すんのは よくないっすよ。 84 00:06:41,170 --> 00:06:45,180 先輩が 自分で言ってたことっす。 あっ…。 85 00:06:45,180 --> 00:06:50,020 それに いくら体を鍛えても こいつで解決できることなんて 86 00:06:50,020 --> 00:06:53,920 たかが知れてますから 強さも いろいろっすよ。 87 00:07:02,790 --> 00:07:06,300 こうちゃん 最近 ちょっと たくましくなったね。 88 00:07:06,300 --> 00:07:09,470 えっ 本当に? うん。 89 00:07:09,470 --> 00:07:13,470 実は 最近 相沢さんのうちの 道場に通い始めたんだ。 90 00:07:13,470 --> 00:07:15,640 えっ…。 相沢さんのお父さんは 91 00:07:15,640 --> 00:07:17,640 すごいんだよ。 92 00:07:17,640 --> 00:07:19,980 その分 練習も すごく厳しいけど。 93 00:07:19,980 --> 00:07:21,980 僕は あの人に 94 00:07:21,980 --> 00:07:24,680 認めてもらえるような 男になりたいんだ。 95 00:07:26,650 --> 00:07:30,320 こうちゃんは トモちゃんのこと どう思ってるの? 96 00:07:30,320 --> 00:07:32,820 えっ? なんで そんなこと? 97 00:07:32,820 --> 00:07:35,160 いいから教えて。 98 00:07:35,160 --> 00:07:40,330 相沢さんは 僕にとって その 憧れの人かな。 99 00:07:40,330 --> 00:07:43,340 空手が強いのは もちろんなんだけど 100 00:07:43,340 --> 00:07:46,000 それだけじゃないっていうか 101 00:07:46,000 --> 00:07:48,170 全力で追いかけて 102 00:07:48,170 --> 00:07:51,280 いつか 肩を並べたいって 思える人だよ。 103 00:07:51,280 --> 00:07:53,780 へ~。 104 00:07:57,450 --> 00:08:00,620 ジュンくん ジュンくん。 あぁ? 105 00:08:00,620 --> 00:08:03,960 今日の放課後 私と遊ぼう。 はっ? 106 00:08:03,960 --> 00:08:07,960 俺 別に お前と遊びたくねえんだけど。 107 00:08:07,960 --> 00:08:11,960 私も そんなに。 なんで誘った? 108 00:08:11,960 --> 00:08:14,300 (鼻歌) 109 00:08:14,300 --> 00:08:17,300 (みすず)淳一郎を 遊びに誘ってたみたいだけど 110 00:08:17,300 --> 00:08:20,970 何を考えているの? 見てたんだ~。 111 00:08:20,970 --> 00:08:23,310 (みすず)どういうつもりか 知らないけど 112 00:08:23,310 --> 00:08:27,150 せいぜい引っかき回して…。 ねぇ みすずちゃん。 113 00:08:27,150 --> 00:08:30,850 まだ思いどおりになるって 思ってるの? 114 00:08:36,820 --> 00:08:41,160 こっちこっち! 待ってよ~。 115 00:08:41,160 --> 00:08:46,670 公園なんか来て何すんだよ。 遊んでる人を見るの。 116 00:08:46,670 --> 00:08:49,330 人が遊んでるとこなんて 見てないで 117 00:08:49,330 --> 00:08:51,440 お前も遊べばいいじゃねえか。 118 00:08:51,440 --> 00:08:54,110 トモや群堂なら つきあってくれるだろ。 119 00:08:54,110 --> 00:08:59,440 それは もう無理かも。 何かあったか。 120 00:08:59,440 --> 00:09:02,780 今日 学校で みすずちゃんに ひどいこと言っちゃったし 121 00:09:02,780 --> 00:09:06,950 トモちゃんにも ひどいことしてる。 私は もう…。 122 00:09:06,950 --> 00:09:10,120 トモをバカにすんじゃねえ。 123 00:09:10,120 --> 00:09:15,130 お前が何をしたのか知らねえけど トモは そんな簡単に 124 00:09:15,130 --> 00:09:18,960 友達を見限るようなやつじゃねえ。 125 00:09:18,960 --> 00:09:23,970 しかたねえから 今日は 俺が つきあってやるよ。 126 00:09:23,970 --> 00:09:27,970 遊んでくれるの? 少しだけな。 127 00:09:31,480 --> 00:09:34,810 《なんでだ… なんで こうなった》 128 00:09:34,810 --> 00:09:37,820 へ~ ここが ジュンくんの部屋か~。 129 00:09:37,820 --> 00:09:42,150 もう帰ってくれよ 頼むから。 や~だ。 130 00:09:42,150 --> 00:09:46,490 あのね 実は私 好きな人がいるんだけど 131 00:09:46,490 --> 00:09:49,160 なかなか うまくいかないんだ~。 132 00:09:49,160 --> 00:09:52,330 それが 俺と なんの関係があるんだ。 133 00:09:52,330 --> 00:09:55,830 うまくいかないのは ジュンくんのせいでもあるんだよ。 134 00:09:55,830 --> 00:09:59,670 はぁ? 俺のせい? うん。 135 00:09:59,670 --> 00:10:02,170 だから 八つ当たりをしに来たの。 136 00:10:02,170 --> 00:10:05,340 今から ちょっと いじめるけど 泣かないでね。 137 00:10:05,340 --> 00:10:08,010 俺がか? いくよ~。 138 00:10:08,010 --> 00:10:10,850 好きにしろ。 飽きたら帰れよ。 139 00:10:10,850 --> 00:10:12,850 むちゅ。 140 00:10:12,850 --> 00:10:16,350 おっ お前 今 何しやが…。 ど~ん! 141 00:10:18,860 --> 00:10:21,860 はっ… あぁ…。 142 00:10:21,860 --> 00:10:24,860 がお~。 143 00:10:24,860 --> 00:10:27,530 《こっ… 怖え!》 144 00:10:27,530 --> 00:10:31,540 やめろ~! アハハハハ。 145 00:10:31,540 --> 00:10:33,710 何もしないよ~。 146 00:10:33,710 --> 00:10:37,210 ジュンくんは なんで そんなに女の子を怖がるの? 147 00:10:37,210 --> 00:10:41,210 そうやって トモちゃんのことも 怖がってるでしょ。 148 00:10:41,210 --> 00:10:43,380 トモちゃん かわいそう。 149 00:10:43,380 --> 00:10:47,720 このままだと 一緒にいられなくなっちゃうよ。 150 00:10:47,720 --> 00:10:49,720 あっ…。 151 00:10:49,720 --> 00:10:51,820 わっ。 152 00:10:51,820 --> 00:10:55,490 あぁ…。 153 00:10:55,490 --> 00:10:58,830 (インターホン) 154 00:10:58,830 --> 00:11:02,830 ジュン? 今日は キャロルと遊んでたんじゃ…。 155 00:11:02,830 --> 00:11:05,500 うわ~!? ジュ… ジュン!? 156 00:11:05,500 --> 00:11:09,510 すまねえ…。 157 00:11:09,510 --> 00:11:14,850 なんつうか 予想外の攻撃を受けちまって…。 158 00:11:14,850 --> 00:11:19,680 お前ほどのやつが そんなに追い込まれるなんて。 159 00:11:19,680 --> 00:11:23,690 んっ? 《あの金髪の言うとおりだ。 160 00:11:23,690 --> 00:11:27,190 けど 俺は まだ トモが女だって事実すら 161 00:11:27,190 --> 00:11:30,360 受け入れられないでいる。 それは きっと 162 00:11:30,360 --> 00:11:35,200 あのときの男と男の決着が まだ ついてないからだ》 163 00:11:35,200 --> 00:11:39,040 どうした? 必要なら アタシも手を貸すぜ。 164 00:11:39,040 --> 00:11:43,040 いや お前の助けで どうにかなる問題じゃねえ。 165 00:11:43,040 --> 00:11:45,710 なんせ 相手は あの…。 こんにちは。 166 00:11:45,710 --> 00:11:48,380 (智/淳一郎)うわ~!! 167 00:11:48,380 --> 00:11:50,820 ジュンくん トモちゃん ごめんなさい。 168 00:11:50,820 --> 00:11:54,420 へっ!? ああ… おう。 169 00:12:01,490 --> 00:12:06,160 昨日は ごめんね みすずちゃん。 別に。 170 00:12:06,160 --> 00:12:09,000 それより 先輩は どんな反応だったの? 171 00:12:09,000 --> 00:12:11,000 それがね~。 172 00:12:11,000 --> 00:12:14,340 昨日 ジュンくんと遊んだの 2人っきりで。 173 00:12:14,340 --> 00:12:16,340 えっ? 174 00:12:16,340 --> 00:12:19,840 2人で公園 行って そのあと部屋にも行ったんだよ。 175 00:12:19,840 --> 00:12:25,680 へっ へ~。 楽しかったかい? 176 00:12:25,680 --> 00:12:28,350 こうちゃん すっごい変な顔してた。 177 00:12:28,350 --> 00:12:33,530 怖い女。 あなた 野放しだと 何をするか わからないから 178 00:12:33,530 --> 00:12:36,030 もう先輩と くっつけてもいいかしら。 179 00:12:36,030 --> 00:12:38,200 できるの? 180 00:12:38,200 --> 00:12:40,200 みすずちゃん すご…。 181 00:12:40,200 --> 00:12:44,200 《問題が ありそうなのは この子のほう。 182 00:12:44,200 --> 00:12:50,200 キャロル あなたは先輩に 本気を見せたことがあるの?》 183 00:12:55,650 --> 00:12:58,820 (御崎)群堂さん 話って何かな? 184 00:12:58,820 --> 00:13:02,320 先輩は キャロルのこと どう思ってるんですか? 185 00:13:02,320 --> 00:13:06,320 へっ!? どっ どうって 妹のように大切に…。 186 00:13:06,320 --> 00:13:08,330 そういうの もういいんで。 187 00:13:08,330 --> 00:13:13,830 好きなんですよね? キャロルのこと。 188 00:13:13,830 --> 00:13:17,170 そうだよ 僕は あの子のことが好きだ。 189 00:13:17,170 --> 00:13:22,010 でしょうね あの廃工場での 暴れぶりを見れば わかりますよ。 190 00:13:22,010 --> 00:13:24,010 あっ あれ? 191 00:13:24,010 --> 00:13:28,350 それで 先輩は あの子の気持ち わかってますよね? 192 00:13:28,350 --> 00:13:30,850 どうして 応えてあげないんですか? 193 00:13:30,850 --> 00:13:33,850 そっ それは…。 194 00:13:33,850 --> 00:13:38,690 キャロルは僕なんかと違って すごく強い子なんだよ。 195 00:13:38,690 --> 00:13:44,030 長いつきあいだけど 弱ってる姿なんか見たことがない。 196 00:13:44,030 --> 00:13:47,030 あの子の強さに ひかれたはずだったのに 197 00:13:47,030 --> 00:13:50,030 そういう関係になることを 意識しだしたら 198 00:13:50,030 --> 00:13:52,300 急に怖くなったんだ。 199 00:13:52,300 --> 00:13:57,310 僕が どんなに愛をささやいても どんなに非情に突き放しても 200 00:13:57,310 --> 00:14:01,480 当然のように受け止められて しまうんじゃないかって。 201 00:14:01,480 --> 00:14:03,980 あの子に 傷ついてほしいわけじゃない。 202 00:14:03,980 --> 00:14:08,490 そうじゃないんだけど…。 《やっぱり そこなのね》 203 00:14:08,490 --> 00:14:12,660 要するに僕は いつまでたっても あの子が まぶしすぎて 204 00:14:12,660 --> 00:14:17,000 直視できないんだ。 本当に情けない男だよね。 205 00:14:17,000 --> 00:14:20,830 先輩は事あるごとに 別れる別れる言って 206 00:14:20,830 --> 00:14:23,670 結局 別れないカップルを どう思いますか? 207 00:14:23,670 --> 00:14:26,170 えっと それは どうかと…。 そうですよね 208 00:14:26,170 --> 00:14:30,170 この世から消えてほしいですよね。 いや そこまでは…。 209 00:14:30,170 --> 00:14:34,850 だけど 時には多少の駆け引きも 必要だと思うんです。 210 00:14:34,850 --> 00:14:37,180 あの子のほうは たまにやってるみたいですし。 211 00:14:37,180 --> 00:14:41,520 まさか キャロルが そんなこと…。 まんまと やられてます。 212 00:14:41,520 --> 00:14:43,520 あっ…。 213 00:14:43,520 --> 00:14:45,690 優しすぎる先輩には できないでしょうから 214 00:14:45,690 --> 00:14:49,530 私が やりましょうか? えっ? やるって何を? 215 00:14:49,530 --> 00:14:53,130 先輩は あの子を へこませたいんですよね? 216 00:14:53,130 --> 00:14:56,470 あれ? なんで そういう話に…。 217 00:14:56,470 --> 00:14:58,640 あっ。 (ドアが開く音) 218 00:14:58,640 --> 00:15:01,970 フフーン みすずちゃん おかえり~。 219 00:15:01,970 --> 00:15:04,480 こうちゃんと お話ししてきたんでしょ? 220 00:15:04,480 --> 00:15:06,480 どうだった? 221 00:15:06,480 --> 00:15:11,150 《きっと私は この子に嫌われる。 案外 気が重いものね。 222 00:15:11,150 --> 00:15:14,990 だけど この子の素顔を暴くチャンスは 今しかない》 223 00:15:14,990 --> 00:15:16,990 ふぅ…。 224 00:15:16,990 --> 00:15:21,160 正直 無理だと思うわよ。 ガビーン。 225 00:15:21,160 --> 00:15:24,660 それって…。 本当は気付いてるんでしょ? 226 00:15:24,660 --> 00:15:28,330 先輩に 女として意識されてないって。 227 00:15:28,330 --> 00:15:32,000 淳一郎を使って先輩に 揺さぶりをかけてたけど 228 00:15:32,000 --> 00:15:37,010 あれも 娘を嫁にやる父親のような 気持ちだったんじゃないかしら。 229 00:15:37,010 --> 00:15:39,680 《なんて言っても 動じないでしょうけど 230 00:15:39,680 --> 00:15:42,180 少しくらいは動揺して…》 231 00:15:42,180 --> 00:15:44,850 ウソつき。 232 00:15:44,850 --> 00:15:47,190 そう きたときは こう攻めるだろ! 233 00:15:47,190 --> 00:15:50,020 ちげえって もっと上から こう…。 234 00:15:50,020 --> 00:15:54,520 ぐふっ! こら キャロル 廊下を走ると危ねえ…。 235 00:15:58,300 --> 00:16:01,800 (みすず)御崎先輩…。 236 00:16:04,470 --> 00:16:07,140 群堂さん!? 237 00:16:07,140 --> 00:16:11,310 あの子に言ったんです 先輩と つきあうのは無理だって。 238 00:16:11,310 --> 00:16:14,150 え~!? すみません。 239 00:16:14,150 --> 00:16:16,310 まさか あそこまでとは 思っていなくて…。 240 00:16:16,310 --> 00:16:19,480 どういうこと? キャロルに何があったの? 241 00:16:19,480 --> 00:16:23,820 先輩は今すぐ あの子の家へ向かってください。 242 00:16:23,820 --> 00:16:27,330 せめて… せめて 243 00:16:27,330 --> 00:16:30,830 今の あの子を 見てあげてください。 244 00:16:37,840 --> 00:16:43,170 キャロルが早退したのは お前が何かしたからか? 245 00:16:43,170 --> 00:16:45,180 トモ…。 246 00:16:45,180 --> 00:16:49,180 ええ 私が いじめたからよ。 それが何? 247 00:16:49,180 --> 00:16:52,780 悪ぶらなくていいから 説明してくれよ。 248 00:16:52,780 --> 00:16:56,120 アタシだけ仲間外れか? 249 00:16:56,120 --> 00:17:01,320 怒ってくれないのね。 はっ なめんな。 250 00:17:04,300 --> 00:17:10,600 ハァ ハァ… あの キャロルが 早退したって聞いたんですけど。 251 00:17:12,640 --> 00:17:14,810 (フェリス)フン! いっ! 252 00:17:14,810 --> 00:17:19,480 今回は痛み分けですね 光助くん。 どうぞ。 253 00:17:19,480 --> 00:17:21,880 うぅ…。 254 00:17:24,650 --> 00:17:26,980 キャロル? 255 00:17:26,980 --> 00:17:31,320 《僕は間接的にキャロルを振ったと 思われてるんだよね。 256 00:17:31,320 --> 00:17:34,660 それでも あの子は いつもの笑顔で 257 00:17:34,660 --> 00:17:36,990 僕を迎えてくれるのだろうか》 258 00:17:36,990 --> 00:17:40,000 入るよ。 259 00:17:40,000 --> 00:17:43,330 (泣き声) 260 00:17:43,330 --> 00:17:47,000 キャロ…。 261 00:17:47,000 --> 00:17:49,010 (泣き声) 262 00:17:49,010 --> 00:17:52,110 《僕は 大バカ者だ…》 263 00:17:52,110 --> 00:17:58,120 (泣き声) 264 00:17:58,120 --> 00:18:01,120 《僕には何も見えてなかった。 265 00:18:01,120 --> 00:18:04,290 いや 見ようとしてなかったんだ。 266 00:18:04,290 --> 00:18:07,790 この子は天使でもなければ 女神でもない。 267 00:18:07,790 --> 00:18:12,130 ただの寂しがりやな女の子》 268 00:18:12,130 --> 00:18:14,470 ごめん キャロ…。 269 00:18:14,470 --> 00:18:16,470 い~! ぐ~! 270 00:18:16,470 --> 00:18:19,470 バカ! バカ! なんで来たの なんでいるの! 271 00:18:19,470 --> 00:18:21,470 キャロル! 聞いて! 272 00:18:21,470 --> 00:18:24,310 群堂さんが言ったことは ウソなんだ! 273 00:18:24,310 --> 00:18:26,810 ウソ? そうだよ。 274 00:18:26,810 --> 00:18:30,310 群堂さんは君を へこませようとしてあんなことを。 275 00:18:30,310 --> 00:18:32,650 うぅ…。 キャロル? 276 00:18:32,650 --> 00:18:36,150 群堂~! 277 00:18:36,150 --> 00:18:39,660 みすずちゃん! もう バカ! なんなの あの人! 278 00:18:39,660 --> 00:18:43,490 違うんだ きっと 群堂さんは僕のために…。 279 00:18:43,490 --> 00:18:46,660 なんで みすずちゃんが 私をいじめると 280 00:18:46,660 --> 00:18:49,330 こうちゃんのためになるの? えっ!? 281 00:18:49,330 --> 00:18:51,940 いや… それは…。 282 00:18:51,940 --> 00:18:55,270 言って。 はっ はい! 283 00:18:55,270 --> 00:18:58,280 《群堂さんが 嫌われ役になってくれた。 284 00:18:58,280 --> 00:19:01,780 キャロルが こんなに自分を さらけ出してくれた。 285 00:19:01,780 --> 00:19:06,280 もう 臆病者に 逃げ道はないみたいだ》 286 00:19:08,790 --> 00:19:11,960 群堂さんは 背中を押してくれたんだよ。 287 00:19:11,960 --> 00:19:15,630 僕が思いを伝えられるように。 288 00:19:15,630 --> 00:19:20,970 愛してるよ キャロル。 289 00:19:20,970 --> 00:19:23,670 遅くなって ごめん。 290 00:19:28,640 --> 00:19:33,640 バンザーイ! フフフ! 291 00:19:33,640 --> 00:19:37,480 あのね あのね 私も こうちゃんのこと大好きだよ。 292 00:19:37,480 --> 00:19:40,150 ありがとう うれしいよ。 293 00:19:40,150 --> 00:19:43,820 キャロルは なんで 僕のこと 好きになってくれたのかな? 294 00:19:43,820 --> 00:19:46,990 んっとね~ 考えたことないな~。 295 00:19:46,990 --> 00:19:50,330 ないの!? だって こうちゃんは 296 00:19:50,330 --> 00:19:55,000 ずっと私のそばにいてくれたし いっぱい優しくしてくれたから 297 00:19:55,000 --> 00:20:00,500 いつ? とか なんで? とか もう わかんないよ。 298 00:20:00,500 --> 00:20:03,200 好きだから 好き。 299 00:20:05,510 --> 00:20:09,010 あ~ん。 待ってキャロル! あ~んって何? 300 00:20:09,010 --> 00:20:12,180 (ホイッスル) 301 00:20:12,180 --> 00:20:15,880 そこまでです。 ちぇ~。 302 00:20:19,190 --> 00:20:22,190 キャロルちゃんが 笑顔を絶やさないのは 303 00:20:22,190 --> 00:20:26,860 私が笑顔のほうが かわいいですよ と言ったからなのです。 304 00:20:26,860 --> 00:20:30,530 はい? 幼いあの子が泣いていたので 305 00:20:30,530 --> 00:20:35,040 慰めるために言ったんですけど そうしたら あの子は…。 306 00:20:35,040 --> 00:20:37,380 わかった 307 00:20:37,380 --> 00:20:41,210 それ以来 泣かない子になってしまいました。 308 00:20:41,210 --> 00:20:43,880 私は怖いのです。 309 00:20:43,880 --> 00:20:47,220 ただでさえ 恋は人を変えるというのに 310 00:20:47,220 --> 00:20:49,890 恋人のあなたが 変なことを言ったら 311 00:20:49,890 --> 00:20:52,660 あの子は どんな 変なことになってしまうか 312 00:20:52,660 --> 00:20:55,160 心配で心配で…。 313 00:20:55,160 --> 00:20:59,330 いえ 変なことを 言うつもりはないですけど。 314 00:20:59,330 --> 00:21:03,830 大丈夫ですよ 今のキャロルには 僕や家族以外にも 315 00:21:03,830 --> 00:21:07,340 大切な人たちが 友達がいますから。 316 00:21:07,340 --> 00:21:11,840 自分が周りに愛されていることを ちゃんと知っているはずです。 317 00:21:11,840 --> 00:21:16,180 僕一人の言葉で あの子は変わったりしませんよ。 318 00:21:16,180 --> 00:21:21,190 フフッ。 今ので ちょっと こうちゃんを信用しました。 319 00:21:21,190 --> 00:21:24,020 このくらいです! 320 00:21:24,020 --> 00:21:27,530 アハハ! 先は長そうですね。 321 00:21:27,530 --> 00:21:30,360 遅えな キャロルのやつ。 322 00:21:30,360 --> 00:21:32,530 あいつ 今日 学校 来ねえのかな。 323 00:21:32,530 --> 00:21:37,370 無理もないわ 昨日の今日だもの。 さすがに あの子だって。 324 00:22:06,350 --> 00:22:08,350 (ドアが開く音) 325 00:22:10,850 --> 00:22:14,020 み~す~ず~ちゃ~ん。 326 00:22:14,020 --> 00:22:19,290 なっ 何よ? 怒ってるぞ 謝れ みすず! 327 00:22:19,290 --> 00:22:22,130 フフッ むちゅ。 328 00:22:22,130 --> 00:22:25,630 ありがとう。 329 00:22:25,630 --> 00:22:29,970 なっはっは! みすず お前の負けだ! 330 00:22:29,970 --> 00:22:33,980 負け~。 負けてないわよ。 331 00:22:33,980 --> 00:22:38,380 なははははっ! まったく…。