1 00:00:01,101 --> 00:00:04,104 (大星明照) 〈好きな子には意地悪してしまうものだ〉 2 00:00:04,104 --> 00:00:06,106 〈いつの時代から その「仮説」が→ 3 00:00:06,106 --> 00:00:10,110 もっともらしい「真実」として 語られているのか知らないが→ 4 00:00:10,110 --> 00:00:14,081 少なくとも俺にとって それは完全に嘘だった〉 5 00:00:14,081 --> 00:00:16,116 〈常識的に考えて→ 6 00:00:16,116 --> 00:00:19,119 普通に優しく接したほうが いいに決まってる〉 7 00:00:19,119 --> 00:00:23,123 〈と 効率厨の俺なんかは思う…〉 8 00:00:23,123 --> 00:00:25,125 あ…。 9 00:00:25,125 --> 00:00:29,229 〈ツンツンした子が 実は好きだった というギャップが有効?〉 10 00:00:29,229 --> 00:00:31,098 ⚟🔊♬~(音楽) 11 00:00:31,098 --> 00:00:33,100 〈アホか〉 12 00:00:33,100 --> 00:00:37,104 〈戦略的に 効率的に 恋愛戦争を戦おうとしているなら→ 13 00:00:37,104 --> 00:00:40,173 不合理な意地悪なんて 絶対にしない〉 14 00:00:40,173 --> 00:00:43,243 ♬~(小日向彩羽)「蹴飛ばす君は 友達の妹」 🔊♬~(音楽) 15 00:00:43,243 --> 00:00:45,178 ⚟♬~「ASSがパンクでソッコー土下座」 🔊♬~(音楽) 16 00:00:45,178 --> 00:00:50,183 ♬~「見えたパンツにぞっこん! 大げさ?」 🔊♬~(音楽) 17 00:00:50,183 --> 00:00:52,185 ♬~「素人童貞で構わない」 🔊♬~(音楽) 18 00:00:52,185 --> 00:00:55,122 ♬~「だけど妹だけには敵わない」 🔊♬~(音楽) 19 00:00:55,122 --> 00:00:58,091 うるっせえぞ! 何 大音量で流してやがんだ! 20 00:00:58,091 --> 00:01:00,127 ♬~「血縁関係にゃ惚れはしねぇが」 21 00:01:00,127 --> 00:01:03,130 あっ…! んん…。 22 00:01:03,130 --> 00:01:05,098 おっ 先輩じゃーん。 23 00:01:05,098 --> 00:01:09,102 もう~ 部屋に入るなら ノックくらいしてくださいよ。 24 00:01:09,102 --> 00:01:11,104 俺の部屋だ。 25 00:01:11,104 --> 00:01:15,108 …ってか 迷惑だから 音量下げろ。 26 00:01:15,108 --> 00:01:18,111 なんのためにつけてんだよ それ。 27 00:01:18,111 --> 00:01:21,114 あっ 聞いちゃいます? それ。 28 00:01:21,114 --> 00:01:23,116 ホントに聞いちゃいます~? 29 00:01:23,116 --> 00:01:26,119 ゲームなら 個別ルートに突入しちゃうレベルで→ 30 00:01:26,119 --> 00:01:29,122 めっちゃ深い理由があるんですけど。 31 00:01:29,122 --> 00:01:34,127 いや~ そんなに私を攻略したいのかー。 なら しゃあなしですねー。 32 00:01:34,127 --> 00:01:36,129 いや どうでもいい。 33 00:01:36,129 --> 00:01:39,132 アッハー! ホント 心の底から無関心なやつ 来ましたー! 34 00:01:39,132 --> 00:01:41,101 《うっぜえ…》 35 00:01:41,101 --> 00:01:45,138 しっかし 先輩 私が来てること予想できてたのに…。 36 00:01:45,138 --> 00:01:48,141 もし 着替え中だったら どうするつもりだったんです? 37 00:01:48,141 --> 00:01:52,112 はっ! まさか それが狙い? おまわりさーん! 38 00:01:52,112 --> 00:01:57,117 おう 上等だ 不法侵入者。 むしろ 俺が呼んでやろうか? 39 00:01:57,117 --> 00:02:00,120 お~? 法廷で私に勝てるとでも? 40 00:02:00,120 --> 00:02:02,122 くっ…! 41 00:02:02,122 --> 00:02:04,124 〈この小日向彩羽という女は→ 42 00:02:04,124 --> 00:02:09,096 俺を負かして マウントを取らなければ 気が済まない生き物なのだ〉 43 00:02:10,130 --> 00:02:16,136 はあ… 大体 不法侵入だなんて 心外すぎるんですけど…。 44 00:02:21,208 --> 00:02:25,145 同意の上は明らかですよね~。 45 00:02:25,145 --> 00:02:28,115 お前! それは そういう目的で渡してない! 46 00:02:28,115 --> 00:02:31,184 どうせ 私を追い出したあと→ 47 00:02:31,184 --> 00:02:35,122 私のにおいが たっぷり染み込んだベッドに 顔をうずめて→ 48 00:02:35,122 --> 00:02:38,125 クンクンするんですよね~。 知ってます。 49 00:02:39,126 --> 00:02:41,128 誰がするか。 キャッ! 50 00:02:42,129 --> 00:02:45,098 お前のにおいなんか 1パーセントも残さねえっての。 51 00:02:45,098 --> 00:02:48,135 ちょっ…! いきなりぶっかけるとか ひどっ! 52 00:02:48,135 --> 00:02:53,140 これ以上 やられたくなかったら おとなしく自分の部屋に戻ることだな。 53 00:02:53,140 --> 00:02:58,111 これが 妹に対する仕打ち!? お前 これっぽっちも妹じゃねえだろ。 54 00:02:58,111 --> 00:03:01,114 センパイの友達の妹なんだし 実質 妹。 55 00:03:01,114 --> 00:03:04,084 略して実妹でいいと思うんですよ。 56 00:03:04,084 --> 00:03:07,120 いや それ 他人以外の何者でもないから。 57 00:03:07,120 --> 00:03:11,124 はっ! お兄ちゃんとセンパイが結婚したら 私は 晴れて正式な妹に…。 58 00:03:11,124 --> 00:03:13,126 変な想像するな。 59 00:03:13,126 --> 00:03:17,097 アハハッ! センパイからかうと ホントかわいいなあ。 60 00:03:18,098 --> 00:03:21,101 フフ~ン。 ニヒヒ…! 《このメスガキめ》 61 00:03:21,101 --> 00:03:24,104 (携帯電話の振動音) 62 00:03:24,104 --> 00:03:26,106 おい 大事な用事だ。 63 00:03:26,106 --> 00:03:28,108 今すぐ ここから出ていくか…。 64 00:03:28,108 --> 00:03:31,111 はーい 静かにしてまーっす! (携帯電話の振動音) 65 00:03:31,111 --> 00:03:34,081 …わかってるだろうな? はい! 66 00:03:39,119 --> 00:03:41,121 ニヒ~。 67 00:03:41,121 --> 00:03:47,094 ♬~ 68 00:05:12,078 --> 00:05:15,081 〈大手エンターテインメント企業 ハニープレイスワークス→ 69 00:05:15,081 --> 00:05:17,083 通称ハニプレ〉 70 00:05:17,083 --> 00:05:21,087 (月ノ森真琴) やあやあ 久しぶりだねえ。 明照くん。 71 00:05:21,087 --> 00:05:23,190 月ノ森社長…。 72 00:05:23,190 --> 00:05:26,092 📞(月ノ森)他人行儀な呼び方は寂しいなあ。 73 00:05:26,092 --> 00:05:28,094 伯父さん 泣いちゃうよ? 74 00:05:29,095 --> 00:05:33,166 連絡をくれたってことは… 就職の件ですか? 75 00:05:33,166 --> 00:05:37,170 📞ああ。 入社試験なしで 我が社に就職させてほしいだなんて→ 76 00:05:37,170 --> 00:05:41,107 これまた社会をなめ腐った 大胆なおねだりをしてくれたもんだが…。 77 00:05:41,107 --> 00:05:45,178 うぐっ…! ってことは やっぱり 駄目… ですよね? 78 00:05:45,178 --> 00:05:48,148 📞そうは言っとらんだろう。 それじゃあ…! 79 00:05:48,148 --> 00:05:51,151 📞かわいい おいっ子のためだ 便宜を図ろうじゃないか。 80 00:05:51,151 --> 00:05:54,154 📞ただし 無条件というわけにはいかない。 81 00:05:56,122 --> 00:05:58,124 まず 第一関門だが…。 82 00:06:00,160 --> 00:06:02,162 📞明照くん 君…。 83 00:06:04,164 --> 00:06:07,100 📞よもや 彼女がいたりしないだろうね? 84 00:06:07,100 --> 00:06:09,102 はっ? 85 00:06:10,136 --> 00:06:13,106 フヘヘヘヘ… エヘヘヘヘ…。 86 00:06:13,106 --> 00:06:17,110 《おい 待て! 何たくらんでる! さっさと うせろ》 87 00:06:17,110 --> 00:06:19,112 セーンパイ! 88 00:06:19,112 --> 00:06:22,182 ばっ…! 離れろ! にゃ~ん! 89 00:06:22,182 --> 00:06:25,185 📞そこに誰かいるのかい? 実は 最近 猫を飼いまして。 90 00:06:25,185 --> 00:06:27,120 📞おおっ いいねえ。 種類は? 91 00:06:27,120 --> 00:06:31,124 《やっべ。 種類とか全然わからん》 92 00:06:31,124 --> 00:06:33,126 ねえ センパイ。 93 00:06:33,126 --> 00:06:36,129 女の子と一緒にいるってバレたら 大変なんですよね? 94 00:06:36,129 --> 00:06:38,098 わかってるなら黙れ アホ! 95 00:06:38,098 --> 00:06:42,202 プレイみたいで楽しいですね。 ドキドキします? 96 00:06:42,202 --> 00:06:44,104 📞明照くん? 97 00:06:44,104 --> 00:06:47,107 ああああ…! うちの猫がスマホを引っかいてきて…。 98 00:06:47,107 --> 00:06:49,142 おい コラッ やめろ! 99 00:06:49,142 --> 00:06:51,111 📞随分 激しい猫だね。 ちゃんと しつけしなよ? 100 00:06:51,111 --> 00:06:56,082 ええ もう全力で しつけてやりたいですよ。 この おん…。 101 00:06:56,082 --> 00:06:58,084 メス猫! 102 00:06:58,084 --> 00:07:01,087 フフッ… しつけられてるのは どっちですか。 103 00:07:01,087 --> 00:07:03,123 くっ…! 104 00:07:03,123 --> 00:07:06,092 一方的に なぶられてるセンパイ かわいい~。 105 00:07:07,093 --> 00:07:09,095 まさか 君…。 106 00:07:09,095 --> 00:07:12,098 いえ 違います。 おい コラッ おとなしくしろ。 107 00:07:12,098 --> 00:07:14,100 にゃ~。 108 00:07:15,101 --> 00:07:18,204 かわいい鳴き声だ。 大事にしたまえよ。 109 00:07:18,204 --> 00:07:20,173 📞おっと 会議の時間だ。 110 00:07:20,173 --> 00:07:23,176 📞まずは 明照くんに彼女がいなくて 安心したよ。 111 00:07:23,176 --> 00:07:27,080 📞追って条件を伝えるからね。 それじゃ バーイ! 112 00:07:27,080 --> 00:07:29,115 (電話が切れる音) (不通音) 113 00:07:29,115 --> 00:07:33,219 あっ 切れちゃった…。 (ため息) 114 00:07:33,219 --> 00:07:35,121 お前 何してくれるんだ バカ! 115 00:07:35,121 --> 00:07:40,093 ねえねえ センパーイ 私 のどが渇いちゃった。 116 00:07:40,093 --> 00:07:42,128 (ため息) 117 00:07:42,128 --> 00:07:48,101 トマトジュースなら 冷蔵庫の2段目だ。 濃厚100パーセントで超ヘルシー。 118 00:07:48,101 --> 00:07:51,104 わーい! さっすがセンパイ! 119 00:07:51,104 --> 00:07:53,106 よっ! 気遣いの達人! (拍手) 120 00:07:53,106 --> 00:07:56,076 はいっ 大好き~! 大好き~! アハハハハ~! 121 00:07:56,076 --> 00:07:58,078 ヘヘッ。 122 00:07:58,078 --> 00:08:00,080 (ドアを閉める音) はあ…。 123 00:08:03,083 --> 00:08:05,118 〈人生は短い〉 124 00:08:05,118 --> 00:08:07,120 〈こうして何げに呼吸している間にも→ 125 00:08:07,120 --> 00:08:11,124 寿命へのカウントダウンは 進んでいるというのに→ 126 00:08:11,124 --> 00:08:14,094 世の中の高校生は お気楽なものだ〉 127 00:08:14,094 --> 00:08:18,098 〈だが 俺は 限られた時間を効率的に運用している〉 128 00:08:18,098 --> 00:08:20,100 〈1分たりとも無駄にできない〉 129 00:08:20,100 --> 00:08:24,104 〈全身全霊で 将来の安定を勝ち取りにいかねば〉 130 00:08:24,104 --> 00:08:26,072 (消しゴムの落ちる音) 131 00:08:28,108 --> 00:08:30,110 おい 落ちたぞ。 132 00:08:30,110 --> 00:08:34,080 (鈴木武司)うおっ びっくりした! なんだよ 大星 いたのかよ。 133 00:08:34,080 --> 00:08:37,117 うわっ ショック。 さっきから ずっといたのに。 134 00:08:37,117 --> 00:08:40,120 す… すまん すまん。 悪気はないんだけど…。 135 00:08:40,120 --> 00:08:43,089 (チャイム) 136 00:08:43,089 --> 00:08:45,091 (小日向乙馬のあくび) 137 00:08:45,091 --> 00:08:47,093 (乙馬)お疲れー アキ。 おう。 138 00:08:49,095 --> 00:08:52,098 ほら ノートは写しといた。 (乙馬)ありがたみ…。 139 00:08:52,098 --> 00:08:54,100 〈小日向乙馬〉 140 00:08:54,100 --> 00:08:58,104 〈生涯付き合っていこうと決めた 唯一無二の親友だ〉 141 00:08:58,104 --> 00:09:02,108 今度 あんみつ おごらせてよ。 アキ 和菓子 好きだよね? 142 00:09:02,108 --> 00:09:06,079 マジか。 別に これくらい 気にしなくていいのに。 143 00:09:06,079 --> 00:09:11,117 いや 普段から迷惑かけてるからさ。 ちょっとは お返しさせてほしいんだ。 144 00:09:11,117 --> 00:09:14,120 お前… いい奴だなあ…。 145 00:09:14,120 --> 00:09:19,125 大げさ。 効率厨なのに さりげに感情表現 豊かだね。 146 00:09:19,125 --> 00:09:22,128 自分の感情に嘘はつけん。 147 00:09:22,128 --> 00:09:27,133 変なの。 まっ そういう人間味のあるところが 「らしい」んだけどさ。 148 00:09:27,133 --> 00:09:30,103 いや 計算だけで生きてるとこあるぞ。 149 00:09:30,103 --> 00:09:35,141 (乙馬)その計算に 僕らのことを含めてくれている時点でさ…。 150 00:09:35,141 --> 00:09:38,111 まあ 妹の件もあるしね。 151 00:09:38,111 --> 00:09:41,114 あっ また昨日もアキの所に? ああ…。 152 00:09:41,114 --> 00:09:44,150 (乙馬)多分 彩羽はアキが好きなんだと思うよ。 153 00:09:44,150 --> 00:09:47,120 は? あり得ないだろ。 154 00:09:47,120 --> 00:09:50,123 あのウザ絡みは 絶対 面白がってるだけだ。 155 00:09:50,123 --> 00:09:52,125 好意の裏返しとか…。 156 00:09:52,125 --> 00:09:55,128 はい 出た。 都市伝説。 157 00:09:55,128 --> 00:09:58,097 俺に嫌われるリスクを冒してまで ウザ絡みするとか→ 158 00:09:58,097 --> 00:10:00,100 理屈が通ってないにもほどがある。 159 00:10:00,100 --> 00:10:04,104 乙女心って そういうものじゃないと思うんだけど…。 160 00:10:04,104 --> 00:10:08,074 俺みたいな平均男 特に好かれる理由もないしな。 161 00:10:08,074 --> 00:10:11,111 (乙馬)アキは モテると思うんだけどなー。 162 00:10:11,111 --> 00:10:14,114 イケメンに言われても 嫌みにしか聞こえん。 163 00:10:14,114 --> 00:10:16,082 (ドアの開く音) あ…。 164 00:10:17,116 --> 00:10:23,122 (影石 菫)時間を守れない豚は 今すぐ 荷物をまとめて消えなさい。 165 00:10:23,122 --> 00:10:25,091 ぶひぃ! 166 00:10:25,091 --> 00:10:27,093 〈担任兼数学の教師 影石菫〉 167 00:10:27,093 --> 00:10:29,095 〈通称 「猛毒の女王」〉 168 00:10:29,095 --> 00:10:31,097 さあ ホームルームを始めるわよ。 169 00:10:31,097 --> 00:10:34,100 《偉そうな顔しやがって》 170 00:10:35,101 --> 00:10:37,237 (チャイム) 171 00:10:37,237 --> 00:10:39,105 ⚞(鈴木)お お お お… 大星! ⚞(走ってくる足音) 172 00:10:39,105 --> 00:10:41,107 お お お… お前に お お… お客さんだぞ! 173 00:10:41,107 --> 00:10:43,109 ん? 174 00:10:43,109 --> 00:10:47,080 めちゃくちゃかわいい女の子! あの子 1年だろ? 175 00:10:47,080 --> 00:10:49,082 大星センパーイ。 げっ…。 176 00:10:50,083 --> 00:10:53,086 なんで お前がここにいるんだよ。 177 00:10:53,086 --> 00:10:57,123 もちろん センパイに用があるからですよ。 178 00:10:57,123 --> 00:11:02,095 気持ち悪い。 いつもの頭悪そうなハイテンションに戻れ。 179 00:11:02,095 --> 00:11:05,098 え? なんの話ですか? 180 00:11:05,098 --> 00:11:07,100 《こいつ…》 181 00:11:07,100 --> 00:11:12,105 《学校では 礼儀正しくて頭のいい 清楚な優等生を装いやがって…》 182 00:11:12,105 --> 00:11:15,108 センパイ 一緒に帰りましょ。 183 00:11:15,108 --> 00:11:19,078 荷物取ってくるから待ってろ。 オズも呼んでくる。 184 00:11:19,078 --> 00:11:22,081 あ… お兄ちゃんは いらないです。 はあ? なんで? 185 00:11:23,082 --> 00:11:28,087 もう 言わせないでください。 センパイと2人きりで帰りたいんです。 186 00:11:28,087 --> 00:11:30,089 その声色は やめろ! 187 00:11:30,089 --> 00:11:34,093 その気がないのに 無駄に心がくすぐられるだろう。 188 00:11:34,093 --> 00:11:38,097 えっ そんな… ひどいです! 私たち 付き合ってるのに!! 189 00:11:38,097 --> 00:11:40,099 はあっ!? (男子生徒たちのどよめき) 190 00:11:40,099 --> 00:11:42,101 昨日も あんなに激しく愛し合ったのに! 191 00:11:42,101 --> 00:11:45,104 ド突き合ったの間違いだろ! 192 00:11:45,104 --> 00:11:47,106 ひどい! 私のことは遊びだったんですね!? 193 00:11:47,106 --> 00:11:49,108 (男子生徒たちのどよめき) 194 00:11:49,108 --> 00:11:52,111 どうしたの? アキ。 …え? 彩羽? 195 00:11:52,111 --> 00:11:58,117 ああ お兄ちゃん お疲れさまです。 実は私 大星センパイと付き合ってたんです。 196 00:11:58,117 --> 00:12:00,119 えーと…? 197 00:12:00,119 --> 00:12:03,156 ああああ… もう わけわからん! 198 00:12:03,156 --> 00:12:07,126 おい 彩羽! お前 いったん こっち来い! アハハハハ…! きゃん! 199 00:12:09,162 --> 00:12:12,165 えーっと…? 200 00:12:13,099 --> 00:12:15,101 いきなり なんのつもりだよ!? 201 00:12:15,101 --> 00:12:19,105 だって 私たち 付き合ってるようなものですよね? 202 00:12:19,105 --> 00:12:21,107 そういうの いいから! 203 00:12:21,107 --> 00:12:24,110 センパイ 彼女いたら困るって。 204 00:12:25,111 --> 00:12:28,114 昨日の電話の件か…。 205 00:12:28,114 --> 00:12:30,083 だから 私が彼女になろうかと! 206 00:12:31,117 --> 00:12:33,119 まあ 確かに→ 207 00:12:33,119 --> 00:12:35,121 私と センパイみたいなフツメンが 付き合ってるってのは→ 208 00:12:35,121 --> 00:12:37,123 非現実的かもしれないし→ 209 00:12:37,123 --> 00:12:40,093 センパイが吹聴したら 「非モテの妄想乙」で終わりですけど→ 210 00:12:40,093 --> 00:12:42,095 私から発信してますからね。 211 00:12:42,095 --> 00:12:45,131 説得力が違うってか!? 212 00:12:45,131 --> 00:12:48,101 そのとおりです! 勘弁してくれ。 213 00:12:49,135 --> 00:12:54,107 こちとら将来が懸かってるんだ。 邪魔しないでくれ。 214 00:12:58,111 --> 00:13:04,117 鈍感すぎますよ センパイ。 どうして気づいてくれないんですか? 215 00:13:04,117 --> 00:13:06,119 な… なんのつもりだ? 216 00:13:06,119 --> 00:13:10,089 センパイに振り向いてほしかったから…。 217 00:13:10,089 --> 00:13:14,093 いつもの意地悪だって…。 (速い鼓動) 218 00:13:14,093 --> 00:13:17,096 センパイが将来に向けて本気なのは 知っています。 219 00:13:17,096 --> 00:13:24,103 でも 遠くの景色にばっかり目をやって こんなに近くにいるのに 見てもくれない…。 220 00:13:24,103 --> 00:13:28,074 寂しいと思うのは当然じゃないですか? 221 00:13:28,074 --> 00:13:30,076 彩羽…? 222 00:13:30,076 --> 00:13:34,113 遠くに行っちゃ やだ。 ずっとずっと仲良くしてほしい。 223 00:13:34,113 --> 00:13:36,082 《なんだよ こいつ》 224 00:13:36,082 --> 00:13:38,117 《なんで 今さら こんなこと言いやがるんだよ》 225 00:13:38,117 --> 00:13:42,088 《俺は… 俺は… どうすれば…》 226 00:13:42,088 --> 00:13:44,090 …なーんちゃって! 227 00:13:44,090 --> 00:13:48,094 期待した? 期待しちゃいましたーっ!? 228 00:13:48,094 --> 00:13:52,098 いや~ 一度やってみたかったんですよね ガチ告白シチュエーション! 229 00:13:52,098 --> 00:13:55,101 いつも私を女扱いしないセンパイが 胸キュンしちゃったら→ 230 00:13:55,101 --> 00:13:59,105 最高にかわいいなーって! ねっ どうでした!? 231 00:14:00,106 --> 00:14:03,076 おっ 照れすぎて言葉もないってやつです? 232 00:14:03,076 --> 00:14:06,112 もう 耳まで真っ赤にしちゃって。 233 00:14:06,112 --> 00:14:08,081 センパイってば…→ 234 00:14:08,081 --> 00:14:13,119 か わ い い ぞ。 235 00:14:13,119 --> 00:14:18,124 二度と てめえの言葉なんか信じねえぞ このクソメスがーーっ!! 236 00:14:18,124 --> 00:14:20,093 キャハハハ! ひゃっほーい! 237 00:14:20,093 --> 00:14:24,063 逃げろーい! コラッ 待て! 逃がさねえからなーっ!! 238 00:14:28,067 --> 00:14:30,069 (月ノ森)わざわざ悪いね。 239 00:14:30,069 --> 00:14:34,040 いえ こちらこそ。 お忙しいのに すみません。 240 00:14:37,043 --> 00:14:40,046 ああ… 実は もう一人いるんだが→ 241 00:14:40,046 --> 00:14:43,049 先に2人だけで ざっと説明を終わらせてしまおうか。 242 00:14:43,049 --> 00:14:45,051 はい。 243 00:14:45,051 --> 00:14:47,053 (月ノ森)驚いたよ。 244 00:14:47,053 --> 00:14:51,023 まさか 自分で一本のゲームを完成させ 配信に至るなんてね。 245 00:14:51,023 --> 00:14:55,128 一人じゃありません。 チームみんなの作品です。 246 00:14:55,128 --> 00:14:57,029 (月ノ森)「5階同盟」…。 247 00:14:57,029 --> 00:14:59,031 プログラマーの「OZ」→ 248 00:14:59,031 --> 00:15:01,067 イラストレーター 「紫式部先生」→ 249 00:15:01,067 --> 00:15:03,035 シナリオ 「巻貝なまこ」→ 250 00:15:03,035 --> 00:15:06,005 そして 通称「謎の声優旅団X」→ 251 00:15:06,005 --> 00:15:09,041 最後に プロデューサー兼ディレクターの「AKI」。 252 00:15:09,041 --> 00:15:11,043 つまり 君だ。 253 00:15:11,043 --> 00:15:14,046 俺たちは全員で一つの共同体です。 254 00:15:14,046 --> 00:15:18,050 誰が欠けても このゲームはできなかった。 255 00:15:18,050 --> 00:15:21,053 ふむ。 業界でも話題になってるね。 256 00:15:21,053 --> 00:15:23,022 突如現れた 謎のクリエイター集団。 257 00:15:23,022 --> 00:15:27,026 口コミだけで評価を上げていき 100万ダウンロードを突破した…。 258 00:15:27,026 --> 00:15:29,028 まだまだですけどね。 259 00:15:29,028 --> 00:15:33,032 ハニプレは 軒並み1000万ダウンロード超えですし。 260 00:15:33,032 --> 00:15:37,036 (月ノ森)大資本と比べるのは ナンセンスだよ。 261 00:15:38,004 --> 00:15:42,041 少人数で 工夫して競争力を獲得している。 262 00:15:42,041 --> 00:15:46,045 僕が学生の頃に 同じことができたかどうか…。 263 00:15:46,045 --> 00:15:49,048 人気にふさわしい面白さだった。 264 00:15:49,048 --> 00:15:53,052 それで… 先日おっしゃっていた条件とは…。 265 00:15:53,052 --> 00:15:56,022 ああ。 その前にオーダーをしよう。 266 00:15:56,022 --> 00:15:59,058 《確か もう一人 来るとか言っていたな》 267 00:15:59,058 --> 00:16:02,061 《やはり 現場の採用責任者か…》 268 00:16:02,061 --> 00:16:04,030 《条件は なんだろう…》 269 00:16:04,030 --> 00:16:07,066 《この場で ゲームの踏み込んだ話に なるかもしれないと→ 270 00:16:07,066 --> 00:16:09,068 企画書を準備してきて よかった…》 271 00:16:09,068 --> 00:16:14,040 それと ドリンクバーを2人… いや 3人分もらえるかな。 272 00:16:14,040 --> 00:16:16,042 (店員)はい。 273 00:16:16,042 --> 00:16:18,044 君 なかなか素敵な指をしているね。 274 00:16:18,044 --> 00:16:20,046 えっ? はっ? 275 00:16:20,046 --> 00:16:22,081 (店員)はあ…。 どうかな? このあと。 276 00:16:22,081 --> 00:16:27,053 君と出会う この日のために 僕の心の助手席は空いていたのかも。 277 00:16:27,053 --> 00:16:30,056 (店員)仕事中ですので 失礼します! 278 00:16:30,056 --> 00:16:32,058 (遠ざかる足音) 279 00:16:32,058 --> 00:16:35,061 伯父さん 今のは さすがにまずいでしょう。 280 00:16:35,061 --> 00:16:38,064 好意は口にしなければ伝わらない。 281 00:16:38,064 --> 00:16:43,069 ツンデレで思いが伝わるのはアニメだけさ。 まあ 確かに。 282 00:16:43,069 --> 00:16:46,038 ほーら。 283 00:16:46,038 --> 00:16:49,041 初手で あの反応なら あと2回で いけるな。 284 00:16:49,041 --> 00:16:51,043 《ろくなもんじゃねえな このおっさん》 285 00:16:52,044 --> 00:16:55,114 《いけない! こび売りモードが切れかけている》 286 00:16:55,114 --> 00:16:58,084 ちょっと トイレ いいですか? (月ノ森)ああ 行っておいで。 287 00:17:00,086 --> 00:17:03,055 《店員を口説くスケベおやじなんて 見なかったと→ 288 00:17:03,055 --> 00:17:05,057 自己催眠をかけておこう》 289 00:17:05,057 --> 00:17:10,062 《俺は社長の犬 俺は社長の犬→ 290 00:17:10,062 --> 00:17:13,065 俺は社長の犬…》 291 00:17:13,065 --> 00:17:15,067 (月ノ森真白)ふえ…? 292 00:17:15,067 --> 00:17:17,036 ん…? 293 00:17:22,108 --> 00:17:24,110 ⚟いやあああーーーっ!! 294 00:17:25,044 --> 00:17:27,046 ん…? 295 00:17:27,046 --> 00:17:30,082 (音井)どうした? 小日向。 まだ帰らないのか? 296 00:17:30,082 --> 00:17:34,053 ええ。 今日は センパイいないから つまんないんですよ~。 297 00:17:34,053 --> 00:17:37,056 からかう相手がいなくって。 298 00:17:37,056 --> 00:17:40,026 ふ~ん…。 そういや お前ら どうなんだ? 299 00:17:41,060 --> 00:17:43,029 どうもないですよ~。 300 00:17:43,029 --> 00:17:46,032 なんも起こらないですからね 私とセンパイは。 301 00:17:46,032 --> 00:17:48,034 そうか… なんもないか。 302 00:17:49,035 --> 00:17:51,037 …で その人は? 303 00:17:53,039 --> 00:17:55,041 おや 覚えてないのかな。 304 00:17:55,041 --> 00:17:59,011 小さい頃 よく うちに来て 一緒に遊んでたけどねえ。 305 00:18:00,046 --> 00:18:03,049 もしかして… 真白…? 306 00:18:03,049 --> 00:18:05,051 〈月ノ森真白〉 307 00:18:05,051 --> 00:18:08,054 〈伯父さんの娘 つまり 俺のいとこ〉 308 00:18:09,055 --> 00:18:13,125 《確か 都内の有名なお嬢様学校に…》 309 00:18:13,125 --> 00:18:16,062 でも どうして 真白が ここに? 310 00:18:16,062 --> 00:18:19,031 僕が連れてきたのさ。 311 00:18:19,031 --> 00:18:22,068 君の「5階同盟」のメンバーを ハニプレに就職させる→ 312 00:18:22,068 --> 00:18:25,037 その条件に関係あるんだよ…。 313 00:18:26,038 --> 00:18:30,009 卒業までの間 君に 真白のニセ彼氏になってほしい。 314 00:18:32,044 --> 00:18:35,047 えーっと 何になってほしいと? 315 00:18:35,047 --> 00:18:38,050 ニセ彼氏だ。 えっ? えーっ!? 316 00:18:38,050 --> 00:18:40,052 意味わからない。 馬鹿なの? 317 00:18:40,052 --> 00:18:43,022 なんで 真白が そんな拷問 受けなきゃいけないの。 318 00:18:43,022 --> 00:18:45,024 (たたく音) 319 00:18:45,024 --> 00:18:47,026 (月ノ森) これ以上 わがままを言うんじゃない!! 320 00:18:47,026 --> 00:18:50,029 名門女子校から共学の公立高校に 転校したいというだけでも→ 321 00:18:50,029 --> 00:18:53,032 断腸の思いで かなえたんだ!! 322 00:18:53,032 --> 00:18:56,135 せめて 性欲モンスターどもが寄ってこないように→ 323 00:18:56,135 --> 00:19:00,039 ボディーガードをつけたいと考えるのは おかしなことじゃないだろう!? 324 00:19:00,039 --> 00:19:05,044 それで ニセ彼氏という発想になるのが 意味不明。 絶対に嫌。 325 00:19:05,044 --> 00:19:08,047 うちの学校に転校してくるんですか? 326 00:19:08,047 --> 00:19:12,051 ああ 手続きは済ませてある。 なんで また 突然? 327 00:19:12,051 --> 00:19:16,022 実は…。 や… やめて。 アキに言うのは嫌。 328 00:19:16,022 --> 00:19:18,024 (月ノ森)そういうわけにも いかんだろう。 329 00:19:22,061 --> 00:19:27,066 実はね 真白は ほとんど高校に通ってないんだ。 330 00:19:27,066 --> 00:19:29,068 不登校ってことですか? 331 00:19:31,037 --> 00:19:34,040 (月ノ森)まっ 有り体に言えば そうなるね。 332 00:19:35,041 --> 00:19:40,046 (月ノ森)何があったのかを説明すると 長くなるのだが…。 333 00:19:40,046 --> 00:19:42,048 理由は いりません。 334 00:19:43,049 --> 00:19:45,051 何かあって不登校になって→ 335 00:19:45,051 --> 00:19:48,054 でも 変わりたいから 転校を決めたんですよね。 336 00:19:49,055 --> 00:19:52,058 それだけで必要な情報は十分です。 337 00:19:52,058 --> 00:19:57,063 〈俺は効率厨だから 不要な詮索も 必要以上の干渉もしない〉 338 00:19:57,063 --> 00:20:01,067 これ以上 踏み込もうとするなら それは下世話な興味でしかない。 339 00:20:01,067 --> 00:20:03,069 アキ…。 340 00:20:03,069 --> 00:20:05,071 いい哲学を持ってるね。 341 00:20:05,071 --> 00:20:09,041 事情は わかりました。 それに伯父さんの心配も。 342 00:20:09,041 --> 00:20:13,045 そして これは ハニプレ就職の譲れない条件だってことも。 343 00:20:13,045 --> 00:20:16,048 ああ 絶対に譲れない。 344 00:20:16,048 --> 00:20:18,050 俺 引き受けます。 345 00:20:19,085 --> 00:20:22,054 真白は? 真白は どうする? 346 00:20:26,092 --> 00:20:29,061 ニセなら… 許す。 347 00:20:29,061 --> 00:20:35,067 条件をのまないと駄目って言うから。 ホントは絶対やだけど。 348 00:20:36,068 --> 00:20:39,071 なら 交渉成立だね。 349 00:20:40,072 --> 00:20:42,041 よろしくな 真白。 350 00:20:42,041 --> 00:20:44,110 (はたく音) 351 00:20:44,110 --> 00:20:47,046 なれなれしくしないで 変態 不快。 352 00:20:47,046 --> 00:20:50,049 ニセモノだから。 仲良くとか しないから。 フンッ! 353 00:20:51,050 --> 00:20:53,018 …まっ いいけどさ。 354 00:20:54,053 --> 00:20:57,056 フフフ…! うまくやれそうで何よりだよ。 355 00:20:57,056 --> 00:20:59,024 どこをどう見たら そう思うんですか? 356 00:20:59,024 --> 00:21:03,028 ホントそれ。 お父さんは目が腐ってると思う。 357 00:21:03,028 --> 00:21:06,031 ハハハッ! ほら 息ぴったりじゃあないか! 358 00:21:07,032 --> 00:21:09,034 (月ノ森)あっ そうそう 明照くん。 はい? 359 00:21:09,034 --> 00:21:12,037 君は あくまでもニセ彼氏。 360 00:21:12,037 --> 00:21:16,041 真白に 本当に手を出したりしたら…→ 361 00:21:16,041 --> 00:21:18,043 わかるね? 362 00:21:18,043 --> 00:21:20,045 心配ありません。 363 00:21:20,045 --> 00:21:23,015 真白 俺のこと めちゃくちゃ嫌いみたいですし。 364 00:21:24,049 --> 00:21:28,053 〈ツンツンしたり 意地悪したりする子が 実は好きでした…→ 365 00:21:28,053 --> 00:21:31,023 なんてことは 絶対にあり得ない…〉 366 00:21:31,023 --> 00:21:37,029 〈それにしても どうして 俺の周りは そういう面倒くさい女ばかりなんだ…〉 367 00:21:37,029 --> 00:21:41,033 それじゃあ 明日から よろしく頼むよ。 ニセ彼氏くん。 368 00:21:41,033 --> 00:21:43,035 …うっす。 369 00:21:46,038 --> 00:21:49,008 《…忙しくなりそうだな》 370 00:21:50,042 --> 00:21:58,017 ♬~