1 00:00:02,336 --> 00:00:06,340 (体をぶつけ合う音) 2 00:00:06,340 --> 00:00:08,842 (ぶつけ合う音) 3 00:00:23,190 --> 00:00:26,693 《アガット:鱗狼の繁殖期だわ。 4 00:00:26,693 --> 00:00:29,863 生まれてくる子どもを 傷つけないように➨ 5 00:00:29,863 --> 00:00:34,868 体をぶつけ合って 硬い鱗毛を剥がしているのね。 6 00:00:34,868 --> 00:00:40,674 つがいをつくらなければ 強いままでいられるのに…》 7 00:00:44,211 --> 00:00:48,382 《あんな子から得るものなんて 何もないと思ってた。 8 00:00:48,382 --> 00:00:50,884 「知らざる者」はよそ者で➨ 9 00:00:50,884 --> 00:00:53,587 魔法に関わっても しかたがないって…》 10 00:00:55,556 --> 00:01:00,160 《でも 彼女が 正しく掟を学んだら➨ 11 00:01:00,160 --> 00:01:05,365 私たちとの違いって なんなのかしら…》 12 00:02:47,200 --> 00:02:49,403 (描く音) 13 00:02:51,872 --> 00:02:55,709 (ココ)ハァッ…! やったぁ! できました! 14 00:02:55,709 --> 00:02:58,045 (キーフリー)すごいじゃないか! 15 00:02:58,045 --> 00:03:01,815 だいぶ安定した魔法が 描けるようになってきたね ココ。 16 00:03:01,815 --> 00:03:05,485 うれしいです! でも➨ 17 00:03:05,485 --> 00:03:08,989 まだまだ うまくできそう って思える魔法が少なくて➨ 18 00:03:08,989 --> 00:03:13,160 とっさのときに つい同じ陣を 使っちゃうんです。 (フデムシ)ンビ~。 19 00:03:13,160 --> 00:03:15,162 う~ん…。 ンビ? 20 00:03:15,162 --> 00:03:17,164 僕が思うに…。 ビッ! あっ。 21 00:03:17,164 --> 00:03:22,169 失敗が少なくて 無意識のうちに 描いてしまう魔法って➨ 22 00:03:22,169 --> 00:03:27,507 君の得意なんじゃないかな。 あっ…。 23 00:03:27,507 --> 00:03:31,678 私の… 得意…。 24 00:03:31,678 --> 00:03:34,514 うん。 ほら…。 ンビ! 25 00:03:34,514 --> 00:03:39,186 よく使う魔法だと 直線を 多用してるのがわかるだろう? 26 00:03:39,186 --> 00:03:43,690 曲線と比べてみても まっすぐの線は迷いがない。 27 00:03:43,690 --> 00:03:46,693 初めて会ったときに 見せてくれたのも➨ 28 00:03:46,693 --> 00:03:49,396 まっすぐ線を引く姿だったね。 29 00:03:51,531 --> 00:03:53,867 得意な魔法を自覚しておくと➨ 30 00:03:53,867 --> 00:03:59,206 それは自分を信じるべきときに 支えてくれる自信となる。 31 00:03:59,206 --> 00:04:03,410 不安なときは言葉に出して 自分の耳に聞かせてごらん。 32 00:04:05,312 --> 00:04:10,317 私の得意は まっすぐ描くこと。 33 00:04:10,317 --> 00:04:14,321 私の得意は まっすぐ描くことなんですね! 34 00:04:14,321 --> 00:04:17,324 そうとわかれば繰り返し! おっ? 35 00:04:17,324 --> 00:04:20,327 もっとまっすぐ 頑張りまっすぐ! あっ! 36 00:04:20,327 --> 00:04:22,662 待って待って待って待って! んっ? 37 00:04:22,662 --> 00:04:25,999 得意な魔法は意識しなくても 上達するから。 38 00:04:25,999 --> 00:04:30,003 んっ…。 意識しないと使わないような➨ 39 00:04:30,003 --> 00:04:33,507 まだ描けない魔法を練習しなきゃ。 40 00:04:33,507 --> 00:04:36,676 新しい得意に 出会えるかもしれないだろ? 41 00:04:36,676 --> 00:04:39,179 あっ! ねっ? 42 00:04:39,179 --> 00:04:41,381 ふぁい…。 43 00:04:45,685 --> 00:04:51,858 《なんだか 前よりもっと 魔法陣がすごいものに見える》 44 00:04:51,858 --> 00:04:54,661 はぁ…。 45 00:04:56,863 --> 00:04:59,032 《その成り立ちを知ったから➨ 46 00:04:59,032 --> 00:05:02,302 とっても難しいこと してるんだって➨ 47 00:05:02,302 --> 00:05:06,973 そういうのが わかるようになったんだ》 48 00:05:06,973 --> 00:05:11,645 はぁ~ すごい。 これはすごい。 おっ? 49 00:05:11,645 --> 00:05:14,314 すごい人の魔法はすごいなぁ…。 50 00:05:14,314 --> 00:05:17,150 (リチェ)称賛のための語彙力が 乏しい…。 51 00:05:17,150 --> 00:05:20,654 すごすぎてへこむくらい すごいんだもん…。 52 00:05:20,654 --> 00:05:22,656 リチェも一緒に見る? 53 00:05:22,656 --> 00:05:26,660 見ない。 ンビ ンビンビ。 54 00:05:26,660 --> 00:05:31,331 ンビ~。 描くのは好きだけど 見るのは好きじゃない。 55 00:05:31,331 --> 00:05:33,667 いいの? 見ないの? 56 00:05:33,667 --> 00:05:35,836 勉強になる…。 別にいい。 57 00:05:35,836 --> 00:05:37,837 ンビ? 動きがウザい。 あっ…。 58 00:05:37,837 --> 00:05:40,006 ふぅ…。 59 00:05:40,006 --> 00:05:43,343 手を動かして描くばかりが 魔法の勉強じゃないんだよ➨ 60 00:05:43,343 --> 00:05:45,679 リチェ。 61 00:05:45,679 --> 00:05:48,348 優れた魔法を見て 研究することは➨ 62 00:05:48,348 --> 00:05:50,684 目の経験を積むようなものだから。 63 00:05:50,684 --> 00:05:53,186 見たくないってば! 64 00:05:53,186 --> 00:05:55,355 リチェ! 大丈夫!? ハッ! 65 00:05:55,355 --> 00:05:57,691 ケガはない? 66 00:05:57,691 --> 00:06:01,294 激こうのままに魔法を使うのは 感心しないな。 67 00:06:01,294 --> 00:06:03,296 危ないよ。 んっ! 68 00:06:03,296 --> 00:06:05,298 んっ! (机の壊れる音) 69 00:06:07,300 --> 00:06:10,804 ハッ! 待って リチェ! 70 00:06:10,804 --> 00:06:13,807 んっ…。 71 00:06:13,807 --> 00:06:16,643 (オルーギオ)学びのしるべに 目を閉じるばかりか➨ 72 00:06:16,643 --> 00:06:20,480 師の言葉に耳まで塞いでちゃ➨ 73 00:06:20,480 --> 00:06:23,650 どこへも進めなく なっちまうのにな。 74 00:06:23,650 --> 00:06:26,319 んっ…。 75 00:06:26,319 --> 00:06:28,989 (ドアの閉まる音) 76 00:06:28,989 --> 00:06:30,991 リチェ! ハァ…。 77 00:06:30,991 --> 00:06:33,660 その… さっきはごめんね。 78 00:06:33,660 --> 00:06:36,162 私…。 79 00:06:36,162 --> 00:06:39,165 あっ! (ドアの開く音) 80 00:06:39,165 --> 00:06:42,002 あれ? リチェ? ンビ…。 81 00:06:42,002 --> 00:06:45,839 いない? (ドアの閉まる音) 82 00:06:45,839 --> 00:06:49,009 寝室かな? ンビンビ! 83 00:06:49,009 --> 00:06:52,846 んっ? ンビ! ンビ! ンビ! ンビ! ンビ! 84 00:06:52,846 --> 00:06:58,018 フデムシ 居場所 知ってるの? ンビ! ンビ! あっ…。 85 00:06:58,018 --> 00:07:00,453 ンビ! ンビ! あっ? 86 00:07:00,453 --> 00:07:04,624 ンビ~! えぇ~ どこ行くの フデムシ! 87 00:07:04,624 --> 00:07:06,626 ンビ… ンビ! 88 00:07:06,626 --> 00:07:10,463 みゃっ! おっ おぉ… うわ~っ! 89 00:07:10,463 --> 00:07:14,467 おぉ… おぉ… うわっ! 90 00:07:14,467 --> 00:07:16,469 あっ? 91 00:07:16,469 --> 00:07:18,638 フデムシ? 92 00:07:18,638 --> 00:07:21,308 ここ どこだろう? 93 00:07:21,308 --> 00:07:24,010 ハァッ…。 94 00:07:26,980 --> 00:07:28,982 あっ! 95 00:07:31,484 --> 00:07:34,821 ハァッ…。 96 00:07:34,821 --> 00:07:41,161 ハァ… ハァ… あっ! 97 00:07:41,161 --> 00:07:43,163 あっ! 98 00:07:45,332 --> 00:07:48,001 うわぁっ! 99 00:07:48,001 --> 00:07:51,004 ンビ? 入ってきていいって言ってない。 100 00:07:51,004 --> 00:07:54,174 あっ ご… ごめん。 フデムシを追ってて…。 101 00:07:54,174 --> 00:07:56,509 フフッ きれいな魔法だね。 102 00:07:56,509 --> 00:08:00,814 水晶で出来たリボンみたい。 アハハ…。 ンビ~。 103 00:08:02,782 --> 00:08:06,119 名前はまだない。 リチェが作った。 104 00:08:06,119 --> 00:08:08,288 リチェの創作魔法!? 105 00:08:08,288 --> 00:08:11,624 ハハッ そうなんだ… すごい…! 106 00:08:11,624 --> 00:08:15,462 ハァッ… すごいきれい。 目が幸せ。 107 00:08:15,462 --> 00:08:17,464 鑑賞スタイルが斬新…。 はわ~っ! 108 00:08:19,466 --> 00:08:22,569 私 この魔法好きだなぁ。 109 00:08:24,637 --> 00:08:27,807 フフッ イヒヒヒ…! 110 00:08:27,807 --> 00:08:30,477 わぁ~。 あっ…。 111 00:08:30,477 --> 00:08:32,812 それ 欲しいならあげる。 えっ! 112 00:08:32,812 --> 00:08:37,150 どうせたくさんあるし。 えっ! いいの!? アハッ! 113 00:08:37,150 --> 00:08:41,054 うれしい! ありがとう! 114 00:08:42,989 --> 00:08:47,327 ねぇ 聞いてもいい? 115 00:08:47,327 --> 00:08:51,131 どうして本を見るの嫌なの? 116 00:08:53,166 --> 00:08:56,503 私は 魔法のことを 全然知らないから➨ 117 00:08:56,503 --> 00:08:59,339 本を読むのが楽しくて…。 118 00:08:59,339 --> 00:09:01,274 どんな人が➨ 119 00:09:01,274 --> 00:09:04,277 どんなときに使おうと思って 描いた魔法なのか➨ 120 00:09:04,277 --> 00:09:08,481 そういうのを想像しながら 読んだりするのが好きなんだ。 121 00:09:12,786 --> 00:09:17,791 リチェは リチェの魔法のことだけ 考えてたいの。 122 00:09:19,793 --> 00:09:22,629 本を読んだら その次は➨ 123 00:09:22,629 --> 00:09:25,799 「同じように描いてみなさい」 って言われる。 124 00:09:25,799 --> 00:09:28,802 描きたくないものを描かされる。 125 00:09:28,802 --> 00:09:31,304 リチェらしい魔法じゃないのに。 126 00:09:31,304 --> 00:09:35,809 そういうの もう嫌なの。 リチェ。 127 00:09:35,809 --> 00:09:38,978 ココには関係ない話。 128 00:09:38,978 --> 00:09:41,815 他の人の魔法はいらない。 129 00:09:41,815 --> 00:09:45,652 リチェの魔法 汚されたくないから。 130 00:09:45,652 --> 00:09:49,322 リチェは ここに来る前に➨ 131 00:09:49,322 --> 00:09:53,493 別の魔法使いとの師弟関係を 解消してるからね。 132 00:09:53,493 --> 00:09:57,497 あのかたくなさは 自分を守る盾なんだ。 133 00:09:57,497 --> 00:10:01,167 硬い毛で鎧を作る鱗狼のようで➨ 134 00:10:01,167 --> 00:10:05,338 どこまで踏み込んでいいのか…。 135 00:10:05,338 --> 00:10:09,342 人間は魔法ほど 単純じゃないからな。 136 00:10:11,511 --> 00:10:15,181 ほい。 んっ 何これ? 137 00:10:15,181 --> 00:10:17,350 石? 138 00:10:17,350 --> 00:10:21,187 俺の新作魔法 「ほっか石」だ。 139 00:10:21,187 --> 00:10:23,690 こいつを 寝床の中に入れておくと➨ 140 00:10:23,690 --> 00:10:27,861 足先まで温めて 安眠を助けてくれるはずだ。 141 00:10:27,861 --> 00:10:31,531 気休めかもしれねえが 弟子どもに渡してやってくれ。 142 00:10:31,531 --> 00:10:34,868 ありがとう。 143 00:10:34,868 --> 00:10:37,203 君の魔法は優しいね。 144 00:10:37,203 --> 00:10:39,539 言葉よりも雄弁だ。 145 00:10:39,539 --> 00:10:42,709 しっ 仕事のついでだ! ついで! 146 00:10:42,709 --> 00:10:44,711 売り物の試作品だから➨ 147 00:10:44,711 --> 00:10:47,380 使った感想が 欲しいだけだっつの! ハハハハ。 148 00:10:47,380 --> 00:10:49,883 そういうことに しておいてあげるよ。 149 00:10:52,886 --> 00:10:55,054 あっ。 150 00:10:55,054 --> 00:10:57,557 ねぇ オル。 んっ? 151 00:10:57,557 --> 00:11:00,159 数が多いよ。 5枚ある。 152 00:11:02,162 --> 00:11:04,497 4枚は弟子の。 153 00:11:04,497 --> 00:11:08,001 残りの1枚はお前のだ。 154 00:11:08,001 --> 00:11:10,169 あっ…。 155 00:11:10,169 --> 00:11:13,840 夜中はちゃんと寝るっつう 手本を見せてやれよ。 156 00:11:13,840 --> 00:11:17,544 先生だろ? 157 00:11:23,683 --> 00:11:25,852 気をつけるよ。 158 00:11:25,852 --> 00:11:27,854 (魔法器の動く音) 159 00:11:29,856 --> 00:11:32,559 手紙か。 誰からだろう。 160 00:11:36,196 --> 00:11:39,866 ただ今戻りました。 161 00:11:39,866 --> 00:11:42,035 アガット。 んっ? 162 00:11:42,035 --> 00:11:44,370 ちょうどいいところに 帰ってきたね。 163 00:11:44,370 --> 00:11:46,706 大講堂から知らせが来たよ。 164 00:11:46,706 --> 00:11:49,208 第2の試験の日程が決まった。 165 00:11:49,208 --> 00:11:51,544 ハッ! いつですか! 166 00:11:51,544 --> 00:11:54,714 3日後の早朝。 (カドフォンの鳴き声) 167 00:11:54,714 --> 00:11:58,418 ロモノーン岬の蛇の背洞窟だ。 168 00:12:06,326 --> 00:12:08,995 (リリフィン)水晶で リボンを作りたいのですか? 169 00:12:08,995 --> 00:12:10,997 あっ んっ? 170 00:12:10,997 --> 00:12:14,500 (リリフィン)とてもかわいい魔法ですね リチェリット。 171 00:12:17,337 --> 00:12:20,139 フンッ。 あぁ! あぁ…。 172 00:12:24,177 --> 00:12:27,580 ハァッ… リリ兄 見て。 173 00:12:29,682 --> 00:12:32,685 ころころちらちら きれい! 174 00:12:32,685 --> 00:12:36,689 あっ…。 フッ。 175 00:12:36,689 --> 00:12:38,691 んっ? 176 00:12:43,196 --> 00:12:46,032 リリ兄? 177 00:12:46,032 --> 00:12:48,034 リリ兄はね➨ 178 00:12:48,034 --> 00:12:53,206 リチェのリチェらしい魔法が だ~い好きですよ。 179 00:12:53,206 --> 00:12:57,210 どうかそのままの リチェでいてくださいね。 180 00:12:59,545 --> 00:13:03,316 《リリ兄? どこ行くの? 181 00:13:03,316 --> 00:13:06,653 リチェの魔法 もう見てくれないの? 182 00:13:06,653 --> 00:13:10,156 行っちゃやだ リリ兄…》 183 00:13:12,158 --> 00:13:14,861 んっ… んん…。 184 00:13:16,829 --> 00:13:18,998 夢…。 185 00:13:18,998 --> 00:13:23,503 (アガット)ぐっ…すりと 眠ってしまったわ…。 186 00:13:23,503 --> 00:13:28,007 試験前日は ギリギリまで 練習するつもりだったのに…。 187 00:13:28,007 --> 00:13:30,343 この ほっか石のせいで…。 188 00:13:30,343 --> 00:13:33,513 この ほっかほかのせいで…! ⸨イエーイ⸩ (笑い声) 189 00:13:33,513 --> 00:13:35,515 大丈夫だ アガット。 190 00:13:35,515 --> 00:13:40,019 どれだけ準備しても足りない ような気がするのは 皆そうさ。 191 00:13:40,019 --> 00:13:43,856 今の君らしくやればいい。 192 00:13:43,856 --> 00:13:46,526 次のときの君のためにね。 193 00:13:46,526 --> 00:13:50,029 あっ…。 すぅ~。 194 00:13:50,029 --> 00:13:52,031 次なんてありません。 195 00:13:57,704 --> 00:14:00,640 一度でこなしてみせます。 196 00:14:00,640 --> 00:14:03,309 私はアークロム家の人間ですから! 197 00:14:03,309 --> 00:14:07,647 (クックロウ)いやはや頼もしい。 (一同)ハッ…。 198 00:14:07,647 --> 00:14:11,651 (クックロウ)うちの落ちこぼれとは 雲泥の差ですよ。 199 00:14:11,651 --> 00:14:16,989 私の弟子のユイニイは年に1度しか 申請できない第2の試験に➨ 200 00:14:16,989 --> 00:14:19,992 もう2度も失敗してまして。 201 00:14:19,992 --> 00:14:25,331 名家アークロム家のご息女と 利き手を 取り替えてほしいものです。 202 00:14:25,331 --> 00:14:29,001 クックロウ殿! 弟子は物ではありませんよ。 203 00:14:29,001 --> 00:14:32,338 取り替えるなんて不可能だ。 だから困りものなのです。 204 00:14:32,338 --> 00:14:35,675 あっ! 修理することもできませんし。 205 00:14:35,675 --> 00:14:40,179 そんな言い方すること…! (ユイニイ)あっ あの いいんです。 206 00:14:40,179 --> 00:14:42,682 全部ホントのことなので。 207 00:14:42,682 --> 00:14:44,851 僕が出来の悪い弟子だから➨ 208 00:14:44,851 --> 00:14:48,521 ずっとクックロウ先生にも 迷惑かけてて。 あの…。 209 00:14:48,521 --> 00:14:50,523 っていうか 僕がダメなせいで➨ 210 00:14:50,523 --> 00:14:53,526 先生がまた悪く言われてしまって ホントに申し訳ないです。 211 00:14:53,526 --> 00:14:55,528 こんな僕がまともな魔法使いに なれるはずなんて…。 212 00:14:55,528 --> 00:14:59,966 あの… ユイニイくん? (アライラ)いやぁ遅れたな 悪ぃ悪ぃ。 213 00:14:59,966 --> 00:15:03,136 (アライラ)いちばん近くの 扉窓が使えなくなってたから➨ 214 00:15:03,136 --> 00:15:07,974 ここまで延々と 歩くはめになったぜ。 215 00:15:07,974 --> 00:15:11,978 大きなフデムシがしゃべってる! 216 00:15:11,978 --> 00:15:13,980 ハァッ…。 よ~く見てごらん。 えっ? 217 00:15:13,980 --> 00:15:17,150 彼女はれっきとした魔法使いだよ。 218 00:15:17,150 --> 00:15:20,653 えっ! でも 変身は禁止魔法じゃ…。 219 00:15:20,653 --> 00:15:23,322 (アライラ)影借りの鏡外套。 220 00:15:23,322 --> 00:15:26,826 まとっている間 目の前にいる獣の姿の➨ 221 00:15:26,826 --> 00:15:30,830 幻を見せてくれる魔法器さ。 222 00:15:30,830 --> 00:15:33,499 はじめまして! アタシはアライラ。 223 00:15:33,499 --> 00:15:38,004 第2の試験で立ち会いを務める 試験監督のお姉さんさ! 224 00:15:38,004 --> 00:15:42,008 試験監督が君とはね。 偶然だ。 225 00:15:42,008 --> 00:15:45,845 試験を受ける弟子以外も 全員連れてきたんだな。 226 00:15:45,845 --> 00:15:49,182 (アライラ)第2の試験 「騎士の忠誠」は➨ 227 00:15:49,182 --> 00:15:53,519 その名のとおり 騎士のように ある対象を守りながら➨ 228 00:15:53,519 --> 00:15:55,855 蛇の背洞窟を 入り口から出口まで➨ 229 00:15:55,855 --> 00:15:58,691 無事に送り届ける護衛任務なんだ。 230 00:15:58,691 --> 00:16:01,461 途中で護衛対象を見失ってもダメ。 231 00:16:01,461 --> 00:16:05,131 どちらか片方だけが 先に出口に着いちまってもアウト。 232 00:16:05,131 --> 00:16:09,635 もちろん 魔法を描くところを 見られちまっても失格だ。 233 00:16:09,635 --> 00:16:13,306 もし見られてしまった場合は どうすれば…。 あっ。 234 00:16:13,306 --> 00:16:15,641 魔法の秘密がバレる心配はないが➨ 235 00:16:15,641 --> 00:16:18,311 試験は不合格になるだろうな。 236 00:16:18,311 --> 00:16:21,147 人間ってバレちまうから。 237 00:16:21,147 --> 00:16:24,484 そのマント着て こっからのぞいてみな。 238 00:16:24,484 --> 00:16:27,653 あっ…。 プハッ! 239 00:16:27,653 --> 00:16:30,490 (鳥の鳴き声) 240 00:16:30,490 --> 00:16:32,825 (3人)うわぁ! 241 00:16:32,825 --> 00:16:35,495 (鳴き声) 242 00:16:35,495 --> 00:16:37,997 グリフォン… ですか? (鳴き声) 243 00:16:37,997 --> 00:16:40,666 いや 彼らはメルフォンさ。 (鳴き声) 244 00:16:40,666 --> 00:16:43,002 水辺に住むのは種が違う。 (鳴き声) 245 00:16:43,002 --> 00:16:48,841 試験で使われる蛇の背洞窟は 混とんの時代の魔法遺跡でね。 246 00:16:48,841 --> 00:16:55,014 中は迷宮の魔法が渦巻いていて 道を外れると危険なんだ。 247 00:16:55,014 --> 00:16:59,018 (アガット)じゃあ 彼らを 魔法から魔法で守るのが➨ 248 00:16:59,018 --> 00:17:01,287 第2の試験なんですね。 249 00:17:01,287 --> 00:17:05,458 そのとおり! 人間は なかなか立ち入らない廃虚だが➨ 250 00:17:05,458 --> 00:17:07,793 獣たちにとっては 古くから➨ 251 00:17:07,793 --> 00:17:11,297 繁殖地と越冬地をつなぐ 渡りのルートの一つだ。 252 00:17:11,297 --> 00:17:15,601 魔法使いは彼らの世界を 変えてしまった責任がある。 253 00:17:18,304 --> 00:17:22,642 だから毎年 巣立ったばかりで 道を知らない若い連中を➨ 254 00:17:22,642 --> 00:17:26,812 迷わないよう導きながら 護衛してるってわけ! 255 00:17:26,812 --> 00:17:29,148 そのマントの魔法で メルフォンには➨ 256 00:17:29,148 --> 00:17:32,652 今 お前たちの姿が 仲間に見えてるはずだ。 257 00:17:32,652 --> 00:17:37,490 脱いだり 陣をダメにしちまうと すぐ逃げられるから気をつけろよ。 258 00:17:37,490 --> 00:17:39,659 《アガット:なるほどね。 259 00:17:39,659 --> 00:17:42,995 人間の目をごまかして 魔法を描くよりも➨ 260 00:17:42,995 --> 00:17:45,831 ある意味 難しいってことか…》 261 00:17:45,831 --> 00:17:48,501 (アライラ)担当は1人1羽ずつな。 262 00:17:48,501 --> 00:17:52,338 この子はお前。 この子はアンタ。 263 00:17:52,338 --> 00:17:55,675 え~ そんで最後の1羽は…。 264 00:17:55,675 --> 00:17:59,178 アンタだ。 えっ…。 (鳴き声) 265 00:17:59,178 --> 00:18:01,113 リチェに? 266 00:18:01,113 --> 00:18:05,618 これ 間違ってる。 リチェは試験受けないもん。 267 00:18:05,618 --> 00:18:09,789 あれ おっかしいなぁ。 申請は出てるぞ。 268 00:18:09,789 --> 00:18:11,791 間違いじゃないよ。 269 00:18:11,791 --> 00:18:15,127 君も試験を受けるんだ リチェ。 270 00:18:15,127 --> 00:18:17,129 あっ…。 (風の音) 271 00:18:17,129 --> 00:18:21,534 (風の音) 272 00:18:25,471 --> 00:18:27,473 ウソつき…。 273 00:18:27,473 --> 00:18:30,142 (テティア)リチェ…。 あっ…。 274 00:18:30,142 --> 00:18:34,981 キーフリー先生 リチェのしたいようにして いいって言った。 275 00:18:34,981 --> 00:18:38,150 だから先生のとこに来たのに…。 276 00:18:38,150 --> 00:18:41,654 先生も リチェの望みはどうでもよくて➨ 277 00:18:41,654 --> 00:18:44,657 大人がやりたいことを やらせるんだ…。 278 00:18:44,657 --> 00:18:48,160 どうでもいいなんて思わないさ。 279 00:18:48,160 --> 00:18:50,997 どうでもいいって 思わないからこそ➨ 280 00:18:50,997 --> 00:18:53,165 試験を受けてほしいんだよ。 281 00:18:53,165 --> 00:18:55,835 この試験で学べることはきっと➨ 282 00:18:55,835 --> 00:19:00,773 君が望むように生きるための 力になる。 だから➨ 283 00:19:00,773 --> 00:19:04,777 今日は僕を 信じてみてくれないかな? 284 00:19:04,777 --> 00:19:07,279 んっ…。 285 00:19:09,281 --> 00:19:11,283 あっ…。 286 00:19:11,283 --> 00:19:16,789 試験では リチェのしたいようにするから。 287 00:19:16,789 --> 00:19:20,459 うん… うん。 いいんだよ。 288 00:19:20,459 --> 00:19:24,296 やってみて嫌だったら もうやらないから。 289 00:19:24,296 --> 00:19:26,966 リチェがリチェじゃ なくなっちゃったら➨ 290 00:19:26,966 --> 00:19:31,137 先生の言うこと もう信じてあげないから。 291 00:19:31,137 --> 00:19:34,974 (走り去る足音) 292 00:19:34,974 --> 00:19:38,477 そちらも大変そうですねぇ。 293 00:19:38,477 --> 00:19:41,647 ダメなヤツは言い聞かせても 本当にダメで➨ 294 00:19:41,647 --> 00:19:44,817 へ理屈こねて 「でもでも だ~って」。 295 00:19:44,817 --> 00:19:49,488 はぁ… 本当に苦労しますよね。 296 00:19:49,488 --> 00:19:52,158 なんで子どもってのは…。 すみません。 えっ。 297 00:19:52,158 --> 00:19:55,494 今 何かしゃべりましたか? 298 00:19:55,494 --> 00:19:59,165 はっ? えっえっ…。 あっ もうこんな時間だ。 299 00:19:59,165 --> 00:20:01,834 私はそろそろ大講堂に戻らねば。 300 00:20:01,834 --> 00:20:04,670 ほっ! えっ? 301 00:20:04,670 --> 00:20:07,006 弟子の試験に立ち会わずに 帰るのか? 302 00:20:07,006 --> 00:20:11,010 あ~? あなたたちがいれば 大丈夫でしょう。 303 00:20:11,010 --> 00:20:14,013 あと よろしくお願いしますね。 304 00:20:17,349 --> 00:20:21,020 ウソだろ 本当に帰りやがった…。 305 00:20:21,020 --> 00:20:25,691 ユイニイくん。 ぼ… 僕 頑張りますね! 306 00:20:25,691 --> 00:20:28,594 あっ うん 頑張って…。 307 00:20:34,200 --> 00:20:36,535 そろそろだ。 308 00:20:36,535 --> 00:20:41,040 《誰もが暗闇に迷わず 出口にたどりつけたらいい。 309 00:20:41,040 --> 00:20:45,044 そのための魔法だ。 そのための》 310 00:20:45,044 --> 00:20:47,880 クァーッ。 311 00:20:47,880 --> 00:20:51,884 (鳴き声) 312 00:20:55,054 --> 00:20:57,223 移動が始まったな。 313 00:20:57,223 --> 00:21:07,833 (鳴き声) 314 00:21:07,833 --> 00:21:10,536 それじゃあ出発だ! 315 00:21:14,840 --> 00:21:16,842 あっ? 316 00:21:16,842 --> 00:21:26,852 ♬~ 317 00:21:26,852 --> 00:21:28,854 んっ。 318 00:21:31,690 --> 00:21:34,193 (テティア)行っちゃった…。 319 00:21:34,193 --> 00:21:37,363 さぁ 僕らは 遅い朝ごはんでも食べようか。 320 00:21:37,363 --> 00:21:39,865 歴史の話でもしながらね。 321 00:21:39,865 --> 00:21:42,701 歴史? ンビ? そう。 322 00:21:42,701 --> 00:21:48,374 蛇の背洞窟のような魔法の遺跡 ココはまだあまり知らないだろう? 323 00:21:48,374 --> 00:21:50,709 ハァ ハァ ハァ…。 324 00:21:50,709 --> 00:21:53,879 「結託の日」以前に描かれた 禁止魔法が…。 325 00:21:53,879 --> 00:21:56,048 ハッ…! 326 00:21:56,048 --> 00:21:58,551 世界に残した爪痕のこと…。 327 00:22:00,653 --> 00:22:03,322 こ… この道を行くんですか!? 328 00:22:03,322 --> 00:22:08,327 言ったろ? 魔法から魔法で守る試験だって。 329 00:22:08,327 --> 00:22:11,330 さぁ この道をどう進む? 330 00:22:11,330 --> 00:22:15,034 小さな魔法の騎士さんたちは。