1 00:00:02,294 --> 00:00:06,298 (体をぶつけ合う音) 2 00:00:06,298 --> 00:00:08,843 (ぶつけ合う音) 3 00:00:23,149 --> 00:00:26,694 《アガット:鱗狼の繁殖期だわ。 4 00:00:26,694 --> 00:00:29,864 生まれてくる子どもを 傷つけないように 5 00:00:29,864 --> 00:00:34,869 体をぶつけ合って 硬い鱗毛を剥がしているのね。 6 00:00:34,869 --> 00:00:40,708 つがいをつくらなければ 強いままでいられるのに…》 7 00:00:44,170 --> 00:00:48,340 《あんな子から得るものなんて 何もないと思ってた。 8 00:00:48,340 --> 00:00:50,885 「知らざる者」はよそ者で 9 00:00:50,885 --> 00:00:53,554 魔法に関わっても しかたがないって…》 10 00:00:55,556 --> 00:01:00,102 《でも 彼女が 正しく掟を学んだら 11 00:01:00,102 --> 00:01:05,274 私たちとの違いって なんなのかしら…》 12 00:02:37,783 --> 00:02:40,703 (描く音) 13 00:02:41,871 --> 00:02:45,708 (ココ)ハァッ…! やったぁ! できました! 14 00:02:45,708 --> 00:02:48,043 (キーフリー) すごいじゃないか! 15 00:02:48,043 --> 00:02:51,797 だいぶ安定した魔法が 描けるようになってきたね ココ。 16 00:02:51,797 --> 00:02:55,467 うれしいです! でも 17 00:02:55,467 --> 00:02:58,971 まだまだ うまくできそう って思える魔法が少なくて 18 00:02:58,971 --> 00:03:03,100 とっさのときに つい同じ陣を 使っちゃうんです。 (フデムシ)ンビ~。 19 00:03:03,100 --> 00:03:05,102 う~ん…。 ンビ? 20 00:03:05,102 --> 00:03:07,104 僕が思うに…。 ビッ! あっ。 21 00:03:07,104 --> 00:03:12,109 失敗が少なくて 無意識のうちに 描いてしまう魔法って 22 00:03:12,109 --> 00:03:17,489 君の得意なんじゃないかな。 あっ…。 23 00:03:17,489 --> 00:03:21,660 私の… 得意…。 24 00:03:21,660 --> 00:03:24,496 うん。 ほら…。 ンビ! 25 00:03:24,496 --> 00:03:29,126 よく使う魔法だと 直線を 多用してるのがわかるだろう? 26 00:03:29,126 --> 00:03:33,672 曲線と比べてみても まっすぐの線は迷いがない。 27 00:03:33,672 --> 00:03:36,675 初めて会ったときに 見せてくれたのも 28 00:03:36,675 --> 00:03:39,303 まっすぐ線を引く姿だったね。 29 00:03:41,513 --> 00:03:43,849 得意な魔法を自覚しておくと 30 00:03:43,849 --> 00:03:49,146 それは自分を信じるべきときに 支えてくれる自信となる。 31 00:03:49,146 --> 00:03:53,275 不安なときは言葉に出して 自分の耳に聞かせてごらん。 32 00:03:55,277 --> 00:04:00,282 私の得意は まっすぐ描くこと。 33 00:04:00,282 --> 00:04:04,286 私の得意は まっすぐ描くことなんですね! 34 00:04:04,286 --> 00:04:07,289 そうとわかれば繰り返し! おっ? 35 00:04:07,289 --> 00:04:10,292 もっとまっすぐ 頑張りまっすぐ! あっ! 36 00:04:10,292 --> 00:04:12,628 待って待って待って待って! んっ? 37 00:04:12,628 --> 00:04:15,965 得意な魔法は意識しなくても 上達するから。 38 00:04:15,965 --> 00:04:19,969 んっ…。 意識しないと使わないような 39 00:04:19,969 --> 00:04:23,472 まだ描けない魔法を練習しなきゃ。 40 00:04:23,472 --> 00:04:26,642 新しい得意に 出会えるかもしれないだろ? 41 00:04:26,642 --> 00:04:29,144 あっ! ねっ? 42 00:04:29,144 --> 00:04:31,313 ふぁい…。 43 00:04:35,651 --> 00:04:41,824 《なんだか 前よりもっと 魔法陣がすごいものに見える》 44 00:04:41,824 --> 00:04:44,660 はぁ…。 45 00:04:46,829 --> 00:04:48,998 《その成り立ちを知ったから 46 00:04:48,998 --> 00:04:52,251 とっても難しいこと してるんだって 47 00:04:52,251 --> 00:04:56,964 そういうのが わかるようになったんだ》 48 00:04:56,964 --> 00:05:01,635 はぁ~ すごい。 これはすごい。 おっ? 49 00:05:01,635 --> 00:05:04,263 すごい人の魔法はすごいなぁ…。 50 00:05:04,263 --> 00:05:07,099 (リチェ)称賛のための語彙力が 乏しい…。 51 00:05:07,099 --> 00:05:10,644 すごすぎてへこむくらい すごいんだもん…。 52 00:05:10,644 --> 00:05:12,646 リチェも一緒に見る? 53 00:05:12,646 --> 00:05:16,650 見ない。 ンビ ンビンビ。 54 00:05:16,650 --> 00:05:21,280 ンビ~。 描くのは好きだけど 見るのは好きじゃない。 55 00:05:21,280 --> 00:05:23,657 いいの? 見ないの? 56 00:05:23,657 --> 00:05:25,826 勉強になる…。 別にいい。 57 00:05:25,826 --> 00:05:27,828 ンビ? 動きがウザい。 あっ…。 58 00:05:27,828 --> 00:05:29,997 ふぅ…。 59 00:05:29,997 --> 00:05:33,292 手を動かして描くばかりが 魔法の勉強じゃないんだよ 60 00:05:33,292 --> 00:05:35,669 リチェ。 61 00:05:35,669 --> 00:05:38,297 優れた魔法を見て 研究することは 62 00:05:38,297 --> 00:05:40,674 目の経験を積むようなものだから。 63 00:05:40,674 --> 00:05:43,135 見たくないってば! 64 00:05:43,135 --> 00:05:45,304 リチェ! 大丈夫!? ハッ! 65 00:05:45,304 --> 00:05:47,681 ケガはない? 66 00:05:47,681 --> 00:05:51,226 激こうのままに魔法を使うのは 感心しないな。 67 00:05:51,226 --> 00:05:53,228 危ないよ。 んっ! 68 00:05:53,228 --> 00:05:55,230 んっ! (机の壊れる音) 69 00:05:57,232 --> 00:06:00,778 ハッ! 待って リチェ! 70 00:06:00,778 --> 00:06:03,781 んっ…。 71 00:06:03,781 --> 00:06:06,617 (オルーギオ)学びのしるべに 目を閉じるばかりか 72 00:06:06,617 --> 00:06:10,454 師の言葉に耳まで塞いでちゃ 73 00:06:10,454 --> 00:06:13,624 どこへも進めなく なっちまうのにな。 74 00:06:13,624 --> 00:06:16,251 んっ…。 75 00:06:16,251 --> 00:06:18,962 (ドアの閉まる音) 76 00:06:18,962 --> 00:06:20,964 リチェ! ハァ…。 77 00:06:20,964 --> 00:06:23,634 その… さっきはごめんね。 78 00:06:23,634 --> 00:06:26,095 私…。 79 00:06:26,095 --> 00:06:29,098 あっ! (ドアの開く音) 80 00:06:29,098 --> 00:06:31,975 あれ? リチェ? ンビ…。 81 00:06:31,975 --> 00:06:35,813 いない? (ドアの閉まる音) 82 00:06:35,813 --> 00:06:38,982 寝室かな? ンビンビ! 83 00:06:38,982 --> 00:06:42,820 んっ? ンビ! ンビ! ンビ! ンビ! ンビ! 84 00:06:42,820 --> 00:06:47,991 フデムシ 居場所 知ってるの? ンビ! ンビ! あっ…。 85 00:06:47,991 --> 00:06:50,452 ンビ! ンビ! あっ? 86 00:06:50,452 --> 00:06:54,623 ンビ~! えぇ~ どこ行くの フデムシ! 87 00:06:54,623 --> 00:06:56,625 ンビ… ンビ! 88 00:06:56,625 --> 00:07:00,462 みゃっ! おっ おぉ… うわ~っ! 89 00:07:00,462 --> 00:07:04,466 おぉ… おぉ… うわっ! 90 00:07:04,466 --> 00:07:06,468 あっ? 91 00:07:06,468 --> 00:07:08,637 フデムシ? 92 00:07:08,637 --> 00:07:11,265 ここ どこだろう? 93 00:07:11,265 --> 00:07:13,976 ハァッ…。 94 00:07:16,979 --> 00:07:18,981 あっ! 95 00:07:21,483 --> 00:07:24,820 ハァッ…。 96 00:07:24,820 --> 00:07:31,118 ハァ… ハァ… あっ! 97 00:07:31,118 --> 00:07:33,120 あっ! 98 00:07:35,289 --> 00:07:38,000 うわぁっ! 99 00:07:38,000 --> 00:07:41,003 ンビ? 入ってきていいって言ってない。 100 00:07:41,003 --> 00:07:44,131 あっ ご… ごめん。 フデムシを追ってて…。 101 00:07:44,131 --> 00:07:46,508 フフッ きれいな魔法だね。 102 00:07:46,508 --> 00:07:50,762 水晶で出来たリボンみたい。 アハハ…。 ンビ~。 103 00:07:52,764 --> 00:07:56,059 名前はまだない。 リチェが作った。 104 00:07:56,059 --> 00:07:58,228 リチェの創作魔法!? 105 00:07:58,228 --> 00:08:01,607 ハハッ そうなんだ… すごい…! 106 00:08:01,607 --> 00:08:05,444 ハァッ… すごいきれい。 目が幸せ。 107 00:08:05,444 --> 00:08:07,446 鑑賞スタイルが斬新…。 はわ~っ! 108 00:08:09,448 --> 00:08:12,618 私 この魔法好きだなぁ。 109 00:08:14,620 --> 00:08:17,789 フフッ イヒヒヒ…! 110 00:08:17,789 --> 00:08:20,459 わぁ~。 あっ…。 111 00:08:20,459 --> 00:08:22,794 それ 欲しいならあげる。 えっ! 112 00:08:22,794 --> 00:08:27,090 どうせたくさんあるし。 えっ! いいの!? アハッ! 113 00:08:27,090 --> 00:08:30,969 うれしい! ありがとう! 114 00:08:32,971 --> 00:08:37,267 ねぇ 聞いてもいい? 115 00:08:37,267 --> 00:08:41,104 どうして本を見るの嫌なの? 116 00:08:43,106 --> 00:08:46,485 私は 魔法のことを 全然知らないから 117 00:08:46,485 --> 00:08:49,279 本を読むのが楽しくて…。 118 00:08:49,279 --> 00:08:51,240 どんな人が 119 00:08:51,240 --> 00:08:54,243 どんなときに使おうと思って 描いた魔法なのか 120 00:08:54,243 --> 00:08:58,413 そういうのを想像しながら 読んだりするのが好きなんだ。 121 00:09:02,751 --> 00:09:07,756 リチェは リチェの魔法のことだけ 考えてたいの。 122 00:09:09,758 --> 00:09:12,594 本を読んだら その次は 123 00:09:12,594 --> 00:09:15,764 「同じように描いてみなさい」 って言われる。 124 00:09:15,764 --> 00:09:18,767 描きたくないものを描かされる。 125 00:09:18,767 --> 00:09:21,270 リチェらしい魔法じゃないのに。 126 00:09:21,270 --> 00:09:25,774 そういうの もう嫌なの。 リチェ。 127 00:09:25,774 --> 00:09:28,944 ココには関係ない話。 128 00:09:28,944 --> 00:09:31,780 他の人の魔法はいらない。 129 00:09:31,780 --> 00:09:35,617 リチェの魔法 汚されたくないから。 130 00:09:35,617 --> 00:09:39,288 リチェは ここに来る前に 131 00:09:39,288 --> 00:09:43,458 別の魔法使いとの師弟関係を 解消してるからね。 132 00:09:43,458 --> 00:09:47,462 あのかたくなさは 自分を守る盾なんだ。 133 00:09:47,462 --> 00:09:51,133 硬い毛で鎧を作る鱗狼のようで 134 00:09:51,133 --> 00:09:55,304 どこまで踏み込んでいいのか…。 135 00:09:55,304 --> 00:09:59,308 人間は魔法ほど 単純じゃないからな。 136 00:10:01,476 --> 00:10:05,147 ほい。 んっ 何これ? 137 00:10:05,147 --> 00:10:07,316 石? 138 00:10:07,316 --> 00:10:11,153 俺の新作魔法 「ほっか石」だ。 139 00:10:11,153 --> 00:10:13,655 こいつを 寝床の中に入れておくと 140 00:10:13,655 --> 00:10:17,826 足先まで温めて 安眠を助けてくれるはずだ。 141 00:10:17,826 --> 00:10:21,496 気休めかもしれねえが 弟子どもに渡してやってくれ。 142 00:10:21,496 --> 00:10:24,833 ありがとう。 143 00:10:24,833 --> 00:10:27,169 君の魔法は優しいね。 144 00:10:27,169 --> 00:10:29,504 言葉よりも雄弁だ。 145 00:10:29,504 --> 00:10:32,674 しっ 仕事のついでだ! ついで! 146 00:10:32,674 --> 00:10:34,676 売り物の試作品だから 147 00:10:34,676 --> 00:10:37,346 使った感想が 欲しいだけだっつの! ハハハハ。 148 00:10:37,346 --> 00:10:39,848 そういうことに しておいてあげるよ。 149 00:10:42,851 --> 00:10:45,020 あっ。 150 00:10:45,020 --> 00:10:47,522 ねぇ オル。 んっ? 151 00:10:47,522 --> 00:10:50,108 数が多いよ。 5枚ある。 152 00:10:52,110 --> 00:10:54,488 4枚は弟子の。 153 00:10:54,488 --> 00:10:57,991 残りの1枚はお前のだ。 154 00:10:57,991 --> 00:11:00,118 あっ…。 155 00:11:00,118 --> 00:11:03,830 夜中はちゃんと寝るっつう 手本を見せてやれよ。 156 00:11:03,830 --> 00:11:07,501 先生だろ? 157 00:11:13,673 --> 00:11:15,842 気をつけるよ。 158 00:11:15,842 --> 00:11:17,844 (魔法器の動く音) 159 00:11:19,846 --> 00:11:22,516 手紙か。 誰からだろう。 160 00:11:26,144 --> 00:11:29,856 ただ今戻りました。 161 00:11:29,856 --> 00:11:32,025 アガット。 んっ? 162 00:11:32,025 --> 00:11:34,319 ちょうどいいところに 帰ってきたね。 163 00:11:34,319 --> 00:11:36,696 大講堂から知らせが来たよ。 164 00:11:36,696 --> 00:11:39,157 第2の試験の日程が決まった。 165 00:11:39,157 --> 00:11:41,535 ハッ! いつですか! 166 00:11:41,535 --> 00:11:44,704 3日後の早朝。 (カドフォンの鳴き声) 167 00:11:44,704 --> 00:11:48,333 ロモノーン岬の蛇の背洞窟だ。 168 00:11:56,258 --> 00:11:58,969 (リリフィン)水晶で リボンを作りたいのですか? 169 00:11:58,969 --> 00:12:00,971 あっ んっ? 170 00:12:00,971 --> 00:12:04,474 (リリフィン)とてもかわいい魔法ですね リチェリット。 171 00:12:07,269 --> 00:12:10,105 フンッ。 あぁ! あぁ…。 172 00:12:14,109 --> 00:12:17,487 ハァッ… リリ兄 見て。 173 00:12:19,656 --> 00:12:22,659 ころころちらちら きれい! 174 00:12:22,659 --> 00:12:26,663 あっ…。 フッ。 175 00:12:26,663 --> 00:12:28,665 んっ? 176 00:12:33,128 --> 00:12:36,006 リリ兄? 177 00:12:36,006 --> 00:12:38,008 リリ兄はね 178 00:12:38,008 --> 00:12:43,138 リチェのリチェらしい魔法が だ~い好きですよ。 179 00:12:43,138 --> 00:12:47,142 どうかそのままの リチェでいてくださいね。 180 00:12:49,519 --> 00:12:53,273 《リリ兄? どこ行くの? 181 00:12:53,273 --> 00:12:56,651 リチェの魔法 もう見てくれないの? 182 00:12:56,651 --> 00:13:00,113 行っちゃやだ リリ兄…》 183 00:13:02,115 --> 00:13:04,826 んっ… んん…。 184 00:13:06,828 --> 00:13:08,997 夢…。 185 00:13:08,997 --> 00:13:13,502 (アガット)ぐっ…すりと 眠ってしまったわ…。 186 00:13:13,502 --> 00:13:18,006 試験前日は ギリギリまで 練習するつもりだったのに…。 187 00:13:18,006 --> 00:13:20,300 この ほっか石のせいで…。 188 00:13:20,300 --> 00:13:23,512 この ほっかほかのせいで…! ((イエーイ)) (笑い声) 189 00:13:23,512 --> 00:13:25,514 大丈夫だ アガット。 190 00:13:25,514 --> 00:13:30,018 どれだけ準備しても足りない ような気がするのは 皆そうさ。 191 00:13:30,018 --> 00:13:33,855 今の君らしくやればいい。 192 00:13:33,855 --> 00:13:36,525 次のときの君のためにね。 193 00:13:36,525 --> 00:13:40,028 あっ…。 すぅ~。 194 00:13:40,028 --> 00:13:42,030 次なんてありません。 195 00:13:47,702 --> 00:13:50,622 一度でこなしてみせます。 196 00:13:50,622 --> 00:13:53,250 私はアークロム家の人間ですから! 197 00:13:53,250 --> 00:13:57,629 (クックロウ)いやはや頼もしい。 (一同)ハッ…。 198 00:13:57,629 --> 00:14:01,633 (クックロウ)うちの落ちこぼれとは 雲泥の差ですよ。 199 00:14:01,633 --> 00:14:06,972 私の弟子のユイニィは年に1度しか 申請できない第2の試験に 200 00:14:06,972 --> 00:14:09,975 もう2度も失敗してまして。 201 00:14:09,975 --> 00:14:15,272 名家アークロム家のご息女と 利き手を 取り替えてほしいものです。 202 00:14:15,272 --> 00:14:18,984 クックロウ殿! 弟子は物ではありませんよ。 203 00:14:18,984 --> 00:14:22,279 取り替えるなんて不可能だ。 だから困りものなのです。 204 00:14:22,279 --> 00:14:25,657 あっ! 修理することもできませんし。 205 00:14:25,657 --> 00:14:30,120 そんな言い方すること…! (ユイニィ)あっ あの いいんです。 206 00:14:30,120 --> 00:14:32,664 全部ホントのことなので。 207 00:14:32,664 --> 00:14:34,833 僕が出来の悪い弟子だから 208 00:14:34,833 --> 00:14:38,503 ずっとクックロウ先生にも 迷惑かけてて。 あの…。 209 00:14:38,503 --> 00:14:40,505 っていうか 僕がダメなせいで 210 00:14:40,505 --> 00:14:43,508 先生がまた悪く言われてしまって ホントに申し訳ないです。 211 00:14:43,508 --> 00:14:45,510 こんな僕がまともな魔法使いに なれるはずなんて…。 212 00:14:45,510 --> 00:14:49,931 あの… ユイニィくん? (アライラ)いやぁ遅れたな 悪ぃ悪ぃ。 213 00:14:49,931 --> 00:14:53,101 (アライラ)いちばん近くの 扉窓が使えなくなってたから 214 00:14:53,101 --> 00:14:57,939 ここまで延々と 歩くはめになったぜ。 215 00:14:57,939 --> 00:15:01,943 大きなフデムシがしゃべってる! 216 00:15:01,943 --> 00:15:03,945 ハァッ…。 よ~く見てごらん。 えっ? 217 00:15:03,945 --> 00:15:07,115 彼女はれっきとした魔法使いだよ。 218 00:15:07,115 --> 00:15:10,619 えっ! でも 変身は禁止魔法じゃ…。 219 00:15:10,619 --> 00:15:13,288 (アライラ)影借りの鏡外套。 220 00:15:13,288 --> 00:15:16,791 まとっている間 目の前にいる獣の姿の 221 00:15:16,791 --> 00:15:20,795 幻を見せてくれる魔法器さ。 222 00:15:20,795 --> 00:15:23,465 はじめまして! アタシはアライラ。 223 00:15:23,465 --> 00:15:27,969 第2の試験で立ち会いを務める 試験監督のお姉さんさ! 224 00:15:27,969 --> 00:15:31,973 試験監督が君とはね。 偶然だ。 225 00:15:31,973 --> 00:15:35,810 試験を受ける弟子以外も 全員連れてきたんだな。 226 00:15:35,810 --> 00:15:39,147 (アライラ)第2の試験 「騎士の忠誠」は 227 00:15:39,147 --> 00:15:43,485 その名のとおり 騎士のように ある対象を守りながら 228 00:15:43,485 --> 00:15:45,820 蛇の背洞窟を 入り口から出口まで 229 00:15:45,820 --> 00:15:48,657 無事に送り届ける護衛任務なんだ。 230 00:15:48,657 --> 00:15:51,451 途中で護衛対象を見失ってもダメ。 231 00:15:51,451 --> 00:15:55,080 どちらか片方だけが 先に出口に着いちまってもアウト。 232 00:15:55,080 --> 00:15:59,626 もちろん 魔法を描くところを 見られちまっても失格だ。 233 00:15:59,626 --> 00:16:03,254 もし見られてしまった場合は どうすれば…。 あっ。 234 00:16:03,254 --> 00:16:05,632 魔法の秘密がバレる心配はないが 235 00:16:05,632 --> 00:16:08,259 試験は不合格になるだろうな。 236 00:16:08,259 --> 00:16:11,096 人間ってバレちまうから。 237 00:16:11,096 --> 00:16:14,474 そのマント着て こっからのぞいてみな。 238 00:16:14,474 --> 00:16:17,644 あっ…。 プハッ! 239 00:16:17,644 --> 00:16:20,480 (鳥の鳴き声) 240 00:16:20,480 --> 00:16:22,816 (3人)うわぁ! 241 00:16:22,816 --> 00:16:25,485 (鳴き声) 242 00:16:25,485 --> 00:16:27,987 グリフォン… ですか? (鳴き声) 243 00:16:27,987 --> 00:16:30,657 いや 彼らはメルフォンさ。 (鳴き声) 244 00:16:30,657 --> 00:16:32,992 水辺に住むのは種が違う。 (鳴き声) 245 00:16:32,992 --> 00:16:38,832 試験で使われる蛇の背洞窟は 混とんの時代の魔法遺跡でね。 246 00:16:38,832 --> 00:16:45,004 中は迷宮の魔法が渦巻いていて 道を外れると危険なんだ。 247 00:16:45,004 --> 00:16:49,008 (アガット)じゃあ 彼らを 魔法から魔法で守るのが 248 00:16:49,008 --> 00:16:51,219 第2の試験なんですね。 249 00:16:51,219 --> 00:16:55,432 そのとおり! 人間は なかなか立ち入らない廃虚だが 250 00:16:55,432 --> 00:16:57,767 獣たちにとっては 古くから 251 00:16:57,767 --> 00:17:01,229 繁殖地と越冬地をつなぐ 渡りのルートの一つだ。 252 00:17:01,229 --> 00:17:05,608 魔法使いは彼らの世界を 変えてしまった責任がある。 253 00:17:08,236 --> 00:17:12,615 だから毎年 巣立ったばかりで 道を知らない若い連中を 254 00:17:12,615 --> 00:17:16,786 迷わないよう導きながら 護衛してるってわけ! 255 00:17:16,786 --> 00:17:19,080 そのマントの魔法で メルフォンには 256 00:17:19,080 --> 00:17:22,625 今 お前たちの姿が 仲間に見えてるはずだ。 257 00:17:22,625 --> 00:17:27,464 脱いだり 陣をダメにしちまうと すぐ逃げられるから気をつけろよ。 258 00:17:27,464 --> 00:17:29,632 《アガット:なるほどね。 259 00:17:29,632 --> 00:17:32,969 人間の目をごまかして 魔法を描くよりも 260 00:17:32,969 --> 00:17:35,805 ある意味 難しいってことか…》 261 00:17:35,805 --> 00:17:38,475 (アライラ)担当は1人1羽ずつな。 262 00:17:38,475 --> 00:17:42,270 この子はお前。 この子はアンタ。 263 00:17:42,270 --> 00:17:45,648 え~ そんで最後の1羽は…。 264 00:17:45,648 --> 00:17:49,110 アンタだ。 えっ…。 (鳴き声) 265 00:17:49,110 --> 00:17:51,070 リチェに? 266 00:17:51,070 --> 00:17:55,617 これ 間違ってる。 リチェは試験受けないもん。 267 00:17:55,617 --> 00:17:59,788 あれ おっかしいなぁ。 申請は出てるぞ。 268 00:17:59,788 --> 00:18:01,790 間違いじゃないよ。 269 00:18:01,790 --> 00:18:05,084 君も試験を受けるんだ リチェ。 270 00:18:05,084 --> 00:18:07,086 あっ…。 (風の音) 271 00:18:07,086 --> 00:18:11,466 (風の音) 272 00:18:15,470 --> 00:18:17,472 ウソつき…。 273 00:18:17,472 --> 00:18:20,099 (テティア)リチェ…。 あっ…。 274 00:18:20,099 --> 00:18:24,979 キーフリー先生 リチェのしたいようにして いいって言った。 275 00:18:24,979 --> 00:18:28,107 だから先生のとこに来たのに…。 276 00:18:28,107 --> 00:18:31,653 先生も リチェの望みはどうでもよくて 277 00:18:31,653 --> 00:18:34,656 大人がやりたいことを やらせるんだ…。 278 00:18:34,656 --> 00:18:38,117 どうでもいいなんて思わないさ。 279 00:18:38,117 --> 00:18:40,995 どうでもいいって 思わないからこそ 280 00:18:40,995 --> 00:18:43,122 試験を受けてほしいんだよ。 281 00:18:43,122 --> 00:18:45,834 この試験で学べることはきっと 282 00:18:45,834 --> 00:18:50,755 君が望むように生きるための 力になる。 だから 283 00:18:50,755 --> 00:18:54,759 今日は僕を 信じてみてくれないかな? 284 00:18:54,759 --> 00:18:57,220 んっ…。 285 00:18:59,222 --> 00:19:01,224 あっ…。 286 00:19:01,224 --> 00:19:06,771 試験では リチェのしたいようにするから。 287 00:19:06,771 --> 00:19:10,441 うん… うん。 いいんだよ。 288 00:19:10,441 --> 00:19:14,237 やってみて嫌だったら もうやらないから。 289 00:19:14,237 --> 00:19:16,948 リチェがリチェじゃ なくなっちゃったら 290 00:19:16,948 --> 00:19:21,077 先生の言うこと もう信じてあげないから。 291 00:19:21,077 --> 00:19:24,956 (走り去る足音) 292 00:19:24,956 --> 00:19:28,459 そちらも大変そうですねぇ。 293 00:19:28,459 --> 00:19:31,629 ダメなヤツは言い聞かせても 本当にダメで 294 00:19:31,629 --> 00:19:34,799 へ理屈こねて 「でもでも だ~って」。 295 00:19:34,799 --> 00:19:39,470 はぁ… 本当に苦労しますよね。 296 00:19:39,470 --> 00:19:42,098 なんで子どもってのは…。 すみません。 えっ。 297 00:19:42,098 --> 00:19:45,476 今 何かしゃべりましたか? 298 00:19:45,476 --> 00:19:49,105 はっ? えっえっ…。 あっ もうこんな時間だ。 299 00:19:49,105 --> 00:19:51,816 私はそろそろ大講堂に戻らねば。 300 00:19:51,816 --> 00:19:54,652 ほっ! えっ? 301 00:19:54,652 --> 00:19:56,988 弟子の試験に立ち会わずに 帰るのか? 302 00:19:56,988 --> 00:20:00,992 あ~? あなたたちがいれば 大丈夫でしょう。 303 00:20:00,992 --> 00:20:03,995 あと よろしくお願いしますね。 304 00:20:07,290 --> 00:20:11,002 ウソだろ 本当に帰りやがった…。 305 00:20:11,002 --> 00:20:15,673 ユイニィくん。 ぼ… 僕 頑張りますね! 306 00:20:15,673 --> 00:20:18,509 あっ うん 頑張って…。 307 00:20:24,140 --> 00:20:26,517 そろそろだ。 308 00:20:26,517 --> 00:20:31,022 《誰もが暗闇に迷わず 出口にたどりつけたらいい。 309 00:20:31,022 --> 00:20:35,026 そのための魔法だ。 そのための》 310 00:20:35,026 --> 00:20:37,862 クァーッ。 311 00:20:37,862 --> 00:20:41,866 (鳴き声) 312 00:20:45,036 --> 00:20:47,163 移動が始まったな。 313 00:20:47,163 --> 00:20:57,799 (鳴き声) 314 00:20:57,799 --> 00:21:00,468 それじゃあ出発だ! 315 00:21:04,806 --> 00:21:06,808 あっ? 316 00:21:06,808 --> 00:21:16,818 ♪~ 317 00:21:16,818 --> 00:21:18,820 んっ。 318 00:21:21,656 --> 00:21:24,158 (テティア)行っちゃった…。 319 00:21:24,158 --> 00:21:27,328 さぁ 僕らは 遅い朝ごはんでも食べようか。 320 00:21:27,328 --> 00:21:29,831 歴史の話でもしながらね。 321 00:21:29,831 --> 00:21:32,667 歴史? ンビ? そう。 322 00:21:32,667 --> 00:21:38,339 蛇の背洞窟のような魔法の遺跡 ココはまだあまり知らないだろう? 323 00:21:38,339 --> 00:21:40,675 ハァ ハァ ハァ…。 324 00:21:40,675 --> 00:21:43,845 「結託の日」以前に描かれた 禁止魔法が…。 325 00:21:43,845 --> 00:21:46,014 ハッ…! 326 00:21:46,014 --> 00:21:48,516 世界に残した爪痕のこと…。 327 00:21:50,643 --> 00:21:53,271 こ… この道を行くんですか!? 328 00:21:53,271 --> 00:21:58,276 言ったろ? 魔法から魔法で守る試験だって。 329 00:21:58,276 --> 00:22:01,279 さぁ この道をどう進む? 330 00:22:01,279 --> 00:22:04,991 小さな魔法の騎士さんたちは。