1 00:01:11,710 --> 00:01:16,880 闇の天才・赤木しげると 昭和の怪物・鷲巣巌 2 00:01:16,880 --> 00:01:21,650 アカギは 致死量の血液を 鷲巣は 全財産を 3 00:01:21,650 --> 00:01:25,120 互いの破滅を懸け 繰り広げられる死闘 4 00:01:25,120 --> 00:01:28,560 南一局 アカギは 鷲巣の裏をかき 5 00:01:28,560 --> 00:01:30,560 その間合いを詰める 6 00:01:30,560 --> 00:01:34,370 アハハハハ… 面白い 7 00:01:34,370 --> 00:01:36,930 こうでなくては つまらん 8 00:01:36,930 --> 00:01:39,930 せいぜい あらがうがいい 9 00:01:42,510 --> 00:01:48,380 追い詰められた 命カラガラ見せる最後の抵抗 10 00:01:48,380 --> 00:01:53,050 それこそが わしの無上の喜び 11 00:01:53,050 --> 00:01:57,350 最高の愉悦なのだからな 12 00:02:00,260 --> 00:02:03,490 南二局 鷲巣の親 13 00:02:03,490 --> 00:02:06,800 現在 鷲巣 3万7400点 14 00:02:06,800 --> 00:02:10,100 アカギ 2万8600点 15 00:02:10,100 --> 00:02:13,640 2人の点差は 8800まで縮まった 16 00:02:13,640 --> 00:02:17,510 ハハハハ… 一矢 報いたつもりだろうが 17 00:02:17,510 --> 00:02:21,810 わしのリードという状況に 変わりはない 18 00:02:21,810 --> 00:02:26,420 そう 縮まったとはいえ 8800の差 19 00:02:26,420 --> 00:02:29,250 この差を逆転し 半荘を終えないかぎり 20 00:02:29,250 --> 00:02:32,160 アカギに生き残る道はない 21 00:02:32,160 --> 00:02:35,430 順位で負ければ 半荘終了時点で 22 00:02:35,430 --> 00:02:38,130 2000シーシー以上の 血を抜かれる 23 00:02:38,130 --> 00:02:41,070 アカギの絶命は 決定的 24 00:02:41,070 --> 00:02:45,870 危うい 圧倒的に危険な 状況であることに変わりはない 25 00:02:45,870 --> 00:02:47,870 ポン 26 00:02:47,870 --> 00:02:51,010 なのに 27 00:02:51,010 --> 00:02:53,950 なぜ こいつは こんなに静かなんだ? 28 00:02:53,950 --> 00:02:57,280 死のふち 逆転しなければ死 29 00:02:57,280 --> 00:03:00,050 そんな状況にいるのに 30 00:03:00,050 --> 00:03:04,920 鷲巣が親である この南二局は 言うまでもなく勝負どころ 31 00:03:04,920 --> 00:03:07,830 ここをうまくしのぎ アガルことができれば 32 00:03:07,830 --> 00:03:10,530 この半荘の勝機も見えてくる 33 00:03:10,530 --> 00:03:14,370 だが もし鷲巣に やられるようなことになれば 34 00:03:14,370 --> 00:03:17,070 前局のアガリも水の泡 35 00:03:17,070 --> 00:03:19,740 差は また1万を超え 連荘 36 00:03:19,740 --> 00:03:23,540 そんな事態だけは 避けなければならない 37 00:03:23,540 --> 00:03:28,210 鷲巣の親だけは 何としても 潰さなければならないんだ 38 00:03:28,210 --> 00:03:32,850 そういう勝負の急所を この男が知らないはずがない 39 00:03:32,850 --> 00:03:37,560 なのに なぜそんなに 平静でいられる? 40 00:03:37,560 --> 00:03:39,520 おお… 41 00:03:39,520 --> 00:03:42,130 そんな無欲さが引き込むのか 42 00:03:42,130 --> 00:03:44,930 アカギ この手牌の 成就の鍵 43 00:03:44,930 --> 00:03:47,630 中を持ってくる 44 00:03:47,630 --> 00:03:50,900 手牌のほとんどが透けて見える この鷲巣麻雀では 45 00:03:50,900 --> 00:03:54,210 敵からは この中など まず鳴けない 46 00:03:54,210 --> 00:03:57,710 鳴くとすれば 仲間の安岡からしかない 47 00:03:57,710 --> 00:04:01,150 ある意味 最も処理に困る牌 48 00:04:01,150 --> 00:04:05,150 それを序盤で あっさり 暗刻にしちまった 49 00:04:05,150 --> 00:04:07,920 風が吹き始めていた 50 00:04:07,920 --> 00:04:10,820 いったん途切れた順風が 51 00:04:10,820 --> 00:04:13,390 再び 52 00:04:13,390 --> 00:04:16,860 アタマがドラで確定 イーシャンテン 53 00:04:16,860 --> 00:04:21,700 しかし 鷲巣も かなり早そうな気配 54 00:04:21,700 --> 00:04:26,540 それにシモチャ あの部下も鷲巣のロン牌を抱え 55 00:04:26,540 --> 00:04:30,070 差し込む準備を着々と整えている 56 00:04:30,070 --> 00:04:33,680 どっちだ どっちが先にハル? 57 00:04:33,680 --> 00:04:36,980 アカギか?鷲巣か? 58 00:04:39,020 --> 00:04:41,890 やった 先にハッたのは アカギ 59 00:04:41,890 --> 00:04:45,260 テンパイ ウーパーピン 60 00:04:45,260 --> 00:04:49,530 アカギの手牌は 鷲巣から見ると この形 61 00:04:49,530 --> 00:04:51,560 待ちは ウーパーピンか リャンウーソーで 62 00:04:51,560 --> 00:04:53,700 ほぼ決まりである 63 00:04:53,700 --> 00:04:56,130 敵からの振り込みは ありえない 64 00:04:56,130 --> 00:04:59,470 頼みは 自分のツモか 安岡 65 00:04:59,470 --> 00:05:03,070 しかし その安岡の手牌に アカギのロン牌 66 00:05:03,070 --> 00:05:05,380 ウーパーピンはない 67 00:05:05,380 --> 00:05:07,950 しめた 68 00:05:07,950 --> 00:05:10,750 うっおお 来た! ふん 69 00:05:10,750 --> 00:05:13,950 値千金 鷲巣の親を蹴り 70 00:05:13,950 --> 00:05:16,920 アカギに 満貫8000点を与える 71 00:05:16,920 --> 00:05:19,760 まさに 起死回生のパーピン 72 00:05:19,760 --> 00:05:24,500 うっ… バカな なぜアガらない? 73 00:05:24,500 --> 00:05:28,100 何を考えている?アカギ 74 00:05:28,100 --> 00:05:31,000 この時 アガルことのみに 意識がいっている 75 00:05:31,000 --> 00:05:33,070 仰木には 見えていない 76 00:05:33,070 --> 00:05:35,970 アカギの手に内包されたワナ 77 00:05:35,970 --> 00:05:41,080 鷲巣を押さえつける 呪縛の牌の背中が 78 00:05:41,080 --> 00:05:44,050 おおん… そう アカギのテンパイは 79 00:05:44,050 --> 00:05:46,520 ウーパーピンか リャンウーソー 80 00:05:46,520 --> 00:05:49,090 牌の背中は そう告げている 81 00:05:49,090 --> 00:05:51,860 その一方の パーピンが通ったとなると 82 00:05:51,860 --> 00:05:54,730 九分九厘 アカギの待ちは リャンウーソー 83 00:05:54,730 --> 00:05:57,730 そう考えるしかない そうか 84 00:05:57,730 --> 00:06:03,200 このリャンウーソー待ち 鷲巣にとっては いわば幻想 85 00:06:03,200 --> 00:06:07,070 だが この幻想が呪縛となる 86 00:06:07,070 --> 00:06:09,070 この時 鷲巣もテンパイ 87 00:06:09,070 --> 00:06:13,610 リャンソーか ウーソーを通せば シモチャの部下が差し込める態勢 88 00:06:13,610 --> 00:06:17,550 だが 肝心要 そのリャンウーソーが切れない 89 00:06:17,550 --> 00:06:20,950 切れる牌ではない 90 00:06:20,950 --> 00:06:23,990 結局 手を回さざるを得ない 91 00:06:23,990 --> 00:06:29,030 ガラス牌ゆえに生まれる 絶対的で決定的な足止め 92 00:06:29,030 --> 00:06:30,960 慌ててアガらずとも 93 00:06:30,960 --> 00:06:34,830 アカギには 猶予の時間が あったということか 94 00:06:34,830 --> 00:06:38,530 そして10巡目 その猶予の時 95 00:06:40,600 --> 00:06:44,210 中西 ドラドラ 満貫 おおー 96 00:06:44,210 --> 00:06:47,710 引き入れる 逆転の満貫 97 00:06:47,710 --> 00:06:50,750 安岡からの差し込みでは 逆転に届かない 98 00:06:50,750 --> 00:06:53,650 だが自分で引き込めば 差し馬相手の 99 00:06:53,650 --> 00:06:56,490 鷲巣からの4000が入り 逆転 100 00:06:56,490 --> 00:07:02,090 アカギ 逆に3200の差をつけ 再びトップへ 101 00:07:02,090 --> 00:07:06,660 差し込みを見逃しての パーピン引き 102 00:07:06,660 --> 00:07:10,760 こいつ ふざけたまねを 103 00:07:13,540 --> 00:07:15,670 越えられる 104 00:07:15,670 --> 00:07:19,410 あと2局しのげば この半荘は 越えられる 105 00:07:19,410 --> 00:07:22,710 そうすれば 一度 清算する決まりだから 106 00:07:22,710 --> 00:07:26,050 失った血も戻すことができる 107 00:07:26,050 --> 00:07:30,020 2万点で2000シーシーという むちゃくちゃなレート 108 00:07:30,020 --> 00:07:32,490 アカギなら不可能ではない 109 00:07:32,490 --> 00:07:37,190 要するに これと同じことを 6回 繰りかえせばいいんだ 110 00:07:37,190 --> 00:07:41,600 鷲巣の全財産 5億をさらうことは無理でも 111 00:07:41,600 --> 00:07:47,510 2~3億の金は得て この屋敷を出られるということ 112 00:07:47,510 --> 00:07:50,670 できる 他の者なら いざ知らず 113 00:07:50,670 --> 00:07:54,550 アカギ お前なら きっと 114 00:07:54,550 --> 00:08:00,080 南三局 鷲巣の部下・鈴木の親 115 00:08:00,080 --> 00:08:02,890 死のふちを行き あいくちを突きつけられた 116 00:08:02,890 --> 00:08:05,090 残りの二局が始まる 117 00:08:07,530 --> 00:08:11,400 なるほどな 少しはやる この男 118 00:08:11,400 --> 00:08:15,270 単なるクズではないということか 119 00:08:15,270 --> 00:08:17,800 ただ向こう見ずに 突っ走るだけという 120 00:08:17,800 --> 00:08:22,170 ありきたりの命知らずではない 121 00:08:22,170 --> 00:08:26,980 似て非なるもの この男は 己の利を切れる 122 00:08:26,980 --> 00:08:29,810 通常の命知らずには それはできん 123 00:08:29,810 --> 00:08:32,780 死んで構うものかと 己の不利に目をつぶり 124 00:08:32,780 --> 00:08:35,620 突っ走ることはできても 125 00:08:35,620 --> 00:08:38,290 現実に手にした利は 離せない 126 00:08:38,290 --> 00:08:43,690 それほどに 利とは甘美なものなのだ 127 00:08:43,690 --> 00:08:47,460 だが この男は その利を離すことができる 128 00:08:47,460 --> 00:08:49,700 それも あっさりと 129 00:08:49,700 --> 00:08:54,000 通常のはかりは 通用しない 130 00:08:54,000 --> 00:08:56,010 今まで わしが殺してきた 131 00:08:56,010 --> 00:09:01,750 無頼を装った平凡なやからとは 明らかに異質 132 00:09:01,750 --> 00:09:05,050 だが 才気も時に意味をなさん 133 00:09:05,050 --> 00:09:07,450 それが麻雀だ 134 00:09:07,450 --> 00:09:10,190 死ね! 135 00:09:10,190 --> 00:09:12,720 ハハハ こりゃ面白い 136 00:09:12,720 --> 00:09:16,590 この手 多面張への 変化もあるが 137 00:09:16,590 --> 00:09:19,600 アカギの手は ちょうどイーピンが浮きかげん 138 00:09:19,600 --> 00:09:22,270 ハレば こぼれるか 139 00:09:22,270 --> 00:09:26,970 それまでは このイーピン単騎で 待つのも面白い 140 00:09:30,440 --> 00:09:32,380 アカギ テンパイ 141 00:09:32,380 --> 00:09:35,280 イーピン切りで イースーチーワンの三面張 142 00:09:35,280 --> 00:09:38,120 どうする? このイーピンさえ通せば 143 00:09:38,120 --> 00:09:40,850 安岡がスーワンをすぐ差し込める 144 00:09:40,850 --> 00:09:43,320 だが 鷲巣の あの手 145 00:09:43,320 --> 00:09:46,220 そのイーピン待ちも 十分にありうる 146 00:09:46,220 --> 00:09:49,130 むろんイーピンがアタマで確定し 147 00:09:49,130 --> 00:09:51,060 スーピンのカンチャン待ちか 148 00:09:51,060 --> 00:09:53,400 サブローピンの 両面待ち 149 00:09:53,400 --> 00:09:57,700 あるいは まだハッてない… ということも 150 00:10:00,870 --> 00:10:06,080 危険は 重々承知で 勝つために勝負を賭けるか 151 00:10:06,080 --> 00:10:09,810 うう うっ 回した ここは リスクを回避 152 00:10:09,810 --> 00:10:13,980 フフフ そうとも お前は そういう男だ 153 00:10:13,980 --> 00:10:19,390 これぐらいは 見抜いてくる しかし よく覚えておけ 154 00:10:19,390 --> 00:10:23,790 見抜いて なお負けるが麻雀 155 00:10:23,790 --> 00:10:26,830 リーチ 156 00:10:26,830 --> 00:10:30,330 ウッ… 鷲巣は 待ちをチェンジ 157 00:10:30,330 --> 00:10:32,270 最高のローピンを引き入れ 158 00:10:32,270 --> 00:10:35,510 リャンウーパー もしくは サブローピンの多面張 159 00:10:35,510 --> 00:10:37,440 理想型である 160 00:10:37,440 --> 00:10:40,410 イーピンを打たなかったアカギは テンパイを崩し 161 00:10:40,410 --> 00:10:42,680 この時 イーシャンテン 162 00:10:42,680 --> 00:10:46,050 フフフフ 分かるか? 163 00:10:46,050 --> 00:10:48,450 直感と度胸を持ち合わせ 164 00:10:48,450 --> 00:10:52,550 最善の手を打って なお 負けるが麻雀 165 00:10:54,390 --> 00:10:59,700 当然だ わしと お前とでは 元々の器が違う 166 00:10:59,700 --> 00:11:04,230 お前は 仕掛けを打って やっと わしの域へと近づける 167 00:11:04,230 --> 00:11:07,100 だが わしは そんなことをせずとも 168 00:11:07,100 --> 00:11:10,200 お前を足止めさせ… 169 00:11:12,280 --> 00:11:15,880 フフフ 引き上がれる 170 00:11:15,880 --> 00:11:19,780 裏は つかぬが リーチ一発 ツモマン ドラ1 171 00:11:19,780 --> 00:11:23,190 満貫 逆転だな 172 00:11:23,190 --> 00:11:26,990 ハハハ さあ あと1局 173 00:11:29,590 --> 00:11:33,090 追い詰めたぞ アカギ 174 00:11:36,500 --> 00:11:40,200 鷲巣のツモにより 2000点を支払ったアカギは 175 00:11:40,200 --> 00:11:43,040 200シーシーの血を抜かれる 176 00:11:43,040 --> 00:11:46,680 アカギがここまで失った血液は 600シーシー 177 00:11:46,680 --> 00:11:49,510 致死量の3分の1 178 00:11:49,510 --> 00:11:51,780 逆転されて 残り1局 179 00:11:51,780 --> 00:11:55,790 この南四局でアガらなければ アカギは 負ける 180 00:11:55,790 --> 00:12:01,390 順位で負ければ トップ賞を含め 鷲巣と5万点以上の差がつき 181 00:12:01,390 --> 00:12:04,600 血液に換算すれば 5000シーシー 182 00:12:04,600 --> 00:12:07,200 当然 即死 183 00:12:07,200 --> 00:12:10,230 まさに死を懸けた1局である 184 00:12:10,230 --> 00:12:14,070 アカギは ここまで 鷲巣への打ち込みを避けながら 185 00:12:14,070 --> 00:12:16,810 この半荘をしのいできた 186 00:12:16,810 --> 00:12:19,380 東一局の回し打ち 187 00:12:19,380 --> 00:12:21,380 東二局の早アガリ 188 00:12:21,380 --> 00:12:26,250 南一局 鷲巣の手牌を読んでの あふれ待ち 189 00:12:26,250 --> 00:12:29,050 基本的には 丁寧に回していき 190 00:12:29,050 --> 00:12:33,490 鷲巣の間隙を つく形でのアガリを拾ってきた 191 00:12:33,490 --> 00:12:36,160 通常の打ち回しではない 192 00:12:36,160 --> 00:12:39,960 常に鷲巣を意識しての 押さえた打ち回し 193 00:12:39,960 --> 00:12:44,640 だが 往々にして そのような麻雀は 流れをゆがめる 194 00:12:44,640 --> 00:12:49,570 朽ち木が 流れのよどみに 寄せ集められるかのように 195 00:12:49,570 --> 00:12:54,650 アカギには くぐもったような 迷い多き手牌ばかり 196 00:12:54,650 --> 00:12:58,520 一方 鷲巣には 悠々とした手が入る 197 00:12:58,520 --> 00:13:02,520 まとめやすい配牌 伸びやかなツモ 198 00:13:02,520 --> 00:13:06,990 単に点差の問題だけでなく アカギは苦しい 199 00:13:06,990 --> 00:13:09,660 そんな逆流の中 オーラス 200 00:13:09,660 --> 00:13:13,030 親は アカギである 201 00:13:13,030 --> 00:13:15,370 アカギの配牌 202 00:13:15,370 --> 00:13:20,170 最悪… とまでは言わねえが かなり苦しい配牌だ 203 00:13:20,170 --> 00:13:22,610 救いは 翻牌のトイツ 204 00:13:22,610 --> 00:13:26,840 東と中を 安岡が持っていることか 205 00:13:26,840 --> 00:13:29,180 鳴こうと思えば いつでも鳴ける 206 00:13:29,180 --> 00:13:34,620 アカギは 実質 すでに2メンツと 役を手にしている 207 00:13:34,620 --> 00:13:38,790 しかし この東中のみでは ザンクかヨンパー止まり 208 00:13:38,790 --> 00:13:42,490 鷲巣との点差 6800には届かない 209 00:13:42,490 --> 00:13:45,530 逆転するには 直撃しかないが 210 00:13:45,530 --> 00:13:50,700 このオーラスに 鷲巣が そんな愚を犯すとは 考えにくい 211 00:13:50,700 --> 00:13:53,970 となると ホンイツか 212 00:13:53,970 --> 00:13:55,940 トイトイか 213 00:13:55,940 --> 00:14:00,610 あるいは ドラのスーソーを引いて手の内で使うかだが 214 00:14:00,610 --> 00:14:04,480 いずれにせよ あまりグズグズしてはいられない 215 00:14:04,480 --> 00:14:08,350 一見しただけでも 鷲巣の手の形はいい 216 00:14:08,350 --> 00:14:11,260 恐らく リャンシャンテンか サンシャンテン 217 00:14:11,260 --> 00:14:15,630 おまけにシモチャの部下が 先々 鷲巣の待ちになりそうな 218 00:14:15,630 --> 00:14:18,530 ウーワンやサンピンを持っている 219 00:14:18,530 --> 00:14:21,370 ウッ なんてとこ ツモりやがる 220 00:14:21,370 --> 00:14:25,100 手を進めるうえで 一番の 難所と思っていた發を 221 00:14:25,100 --> 00:14:28,070 しょっぱなに暗刻にするなんて ヘヘヘヘ… 222 00:14:28,070 --> 00:14:30,510 これでリャンシャンテン確実 223 00:14:30,510 --> 00:14:33,410 アカギが自力で イーシャンテンまで持っていき 224 00:14:33,410 --> 00:14:37,280 俺の東中で差し込むのが 理想だが… 225 00:14:37,280 --> 00:14:39,720 あまり悠長なことは 言ってられん 226 00:14:39,720 --> 00:14:42,950 今は 1手の遅れが命取り 227 00:14:42,950 --> 00:14:44,950 動け アカギ 228 00:14:47,190 --> 00:14:50,090 げ… まだ待つのか? 229 00:14:50,090 --> 00:14:53,500 ええ… 今は 一刻を争うときなんだぞ! 230 00:14:53,500 --> 00:14:56,000 ヘヘ ハハハ 231 00:14:56,000 --> 00:14:58,270 ああっ また入った 232 00:14:58,270 --> 00:15:01,140 イーシャンテン 233 00:15:01,140 --> 00:15:03,110 5巡目 安岡 234 00:15:03,110 --> 00:15:06,780 おっ… アカギの手中にあるトイツ 235 00:15:06,780 --> 00:15:09,310 これで3つ鳴かせられる 236 00:15:09,310 --> 00:15:11,650 やったあ もう限界だ 237 00:15:11,650 --> 00:15:14,650 いいな?アカギ 鳴かせるぞ 238 00:15:18,390 --> 00:15:22,290 まだか まだ待てと言うのか 239 00:15:24,760 --> 00:15:27,230 アカギ 一体 お前は… 240 00:15:27,230 --> 00:15:29,730 何を考えている? 241 00:15:33,900 --> 00:15:36,410 ええ… 242 00:15:36,410 --> 00:15:40,040 おっ おい 何切ってんだ いくらドラとはいえ 243 00:15:40,040 --> 00:15:44,880 そのスーソーは 手牌の中じゃ 完全に孤立する牌だぞ 244 00:15:44,880 --> 00:15:46,880 次巡 アカギ 245 00:15:49,320 --> 00:15:51,820 これは チートイツ 246 00:15:51,820 --> 00:15:54,730 チートイツを狙っているのか 247 00:15:54,730 --> 00:15:57,030 親であるアカギのチートイツ 248 00:15:57,030 --> 00:15:59,860 これにドラ2となれば 9600 249 00:15:59,860 --> 00:16:04,500 アガれば 安岡の差し込みでも 逆転できる 250 00:16:04,500 --> 00:16:08,370 さらに この手牌 鷲巣から見れば この形 251 00:16:08,370 --> 00:16:11,210 テンパイと思えなくもない 252 00:16:11,210 --> 00:16:15,950 うまくハマれば 鷲巣の足止めも可能 しかし… 253 00:16:15,950 --> 00:16:20,380 ハハハハ 愚かな 縛るつもりか? 254 00:16:20,380 --> 00:16:24,620 あれでチートイツのテンパイを 装ってるつもりだろうが 255 00:16:24,620 --> 00:16:27,820 それは 100パーセントない 256 00:16:27,820 --> 00:16:32,160 あの手がチートイツであるには 3つある黒牌のうち2つが 257 00:16:32,160 --> 00:16:36,030 浮いているチーワンと スーソーということになる 258 00:16:36,030 --> 00:16:40,270 だがそれは すでにありえん ありえんのだよ 259 00:16:40,270 --> 00:16:45,410 なぜなら 黒牌のスーソーは すでに わしの手中 260 00:16:45,410 --> 00:16:49,180 奴のチートイツは よくてイーシャンテン止まり 261 00:16:49,180 --> 00:16:52,650 ハハハハハ 流れがないわ 262 00:16:52,650 --> 00:16:58,160 あがこうと わめこうと このオーラス お前にツキはない 263 00:16:58,160 --> 00:17:00,820 黒牌スーソーのありかさえ 知られなければ 264 00:17:00,820 --> 00:17:06,030 その見せかけのチートイツも いくらかの脅しにはなったものを 265 00:17:06,030 --> 00:17:10,200 そういう形にもなるし 手の進みも悪い 266 00:17:10,200 --> 00:17:12,140 それは 明らか 267 00:17:12,140 --> 00:17:15,010 もし あの手牌が まとまっているのなら 268 00:17:15,010 --> 00:17:20,380 命の懸かった この1局 何をためらうことがあろう 269 00:17:20,380 --> 00:17:25,220 さっさとシモチャの東を鳴き 中を差し込ませればいい 270 00:17:25,220 --> 00:17:30,820 ドラが1つ乗って 親の30符3翻 ゴッパー 271 00:17:30,820 --> 00:17:35,530 逆転には届かず 決着は 次に持ち越されるが 272 00:17:35,530 --> 00:17:40,730 わしがアガれば それまでという このオーラス ギリギリの状況 273 00:17:40,730 --> 00:17:43,630 逆転できぬから などと 甘ったるいことは 274 00:17:43,630 --> 00:17:47,840 言ってられまい わしがハレば それで 275 00:17:47,840 --> 00:17:50,840 終わりだ 276 00:17:50,840 --> 00:17:53,980 ハハハ 277 00:17:53,980 --> 00:17:56,810 動けるものなら動くはず 278 00:17:56,810 --> 00:17:59,820 それをしないということは… 279 00:17:59,820 --> 00:18:04,120 東と中 イーワンと鳴いても まだハラないのだろう 280 00:18:04,120 --> 00:18:07,060 それほど手が悪いと言うことだ 281 00:18:07,060 --> 00:18:11,660 どう考えても わしの イーシャンテンのほうが早い 282 00:18:11,660 --> 00:18:14,030 おまけに カンチャンのウーワン 283 00:18:14,030 --> 00:18:17,500 両面 サブローピンの どれが来ようと 284 00:18:17,500 --> 00:18:22,770 わしのロン牌を 鈴木が差し込める態勢 万全だ 285 00:18:22,770 --> 00:18:26,080 アカギ お前は 敗れる 286 00:18:26,080 --> 00:18:29,280 これは 小細工に走り 麻雀の大きな流れを 287 00:18:29,280 --> 00:18:32,620 軽く見た お前のミス 288 00:18:32,620 --> 00:18:36,920 その失策は もはや取り戻せん 289 00:18:36,920 --> 00:18:39,720 死ぬがいい 290 00:18:39,720 --> 00:18:43,460 鈴木は ウーソーも持っている ということは 291 00:18:43,460 --> 00:18:46,900 このリャンウーパーソー待ちも 差し込める 292 00:18:46,900 --> 00:18:50,300 ならば このカンチャンは 用済み 293 00:18:50,300 --> 00:18:57,070 さらに盤石なイーシャンテンへ 流れは わしにある! 294 00:18:57,070 --> 00:19:02,970 この1打 オーラス 鷲巣が見せた わずかな緩みであった 295 00:19:05,120 --> 00:19:07,720 鳴かす か… 296 00:19:12,390 --> 00:19:14,830 ポン 期 至る 297 00:19:14,830 --> 00:19:19,660 ポン ポン 298 00:19:19,660 --> 00:19:23,470 アカギ 瞬く間に3フーロ 299 00:19:23,470 --> 00:19:25,740 えっ? 300 00:19:25,740 --> 00:19:28,470 イーシャンテン しかし この手 301 00:19:28,470 --> 00:19:31,780 鷲巣から見れば この形 302 00:19:31,780 --> 00:19:36,150 エエッ? そうか これがアカギの狙い 303 00:19:36,150 --> 00:19:40,420 いつでも鳴ける この3つを 止めてまで 期を待った 304 00:19:40,420 --> 00:19:44,090 そのポイントは 2つ まずテンパイに至らずとも 305 00:19:44,090 --> 00:19:46,920 自分の手に マンヅが満ちるのを待った 306 00:19:46,920 --> 00:19:49,730 つまり 鷲巣から見たとき 307 00:19:49,730 --> 00:19:54,530 テンパイに見えるような 形になるのを待った 308 00:19:54,530 --> 00:19:59,470 そして もう1つ 重要なポイントは このスーワン 309 00:19:59,470 --> 00:20:03,240 鷲巣が これを切る前に 東 中 イーワンと鳴いて 310 00:20:03,240 --> 00:20:06,040 ホンイツのテンパイを におわせたとしても 311 00:20:06,040 --> 00:20:10,250 鷲巣は 手牌のスーワンと ローワンを切らないだけのこと 312 00:20:10,250 --> 00:20:13,220 好調 鷲巣の足は止まらない 313 00:20:13,220 --> 00:20:15,590 だが そのカンチャンの片割れ 314 00:20:15,590 --> 00:20:19,290 スーワンを落としてから 急遽 場が激変 315 00:20:19,290 --> 00:20:23,960 残ったローワンが通しにくい 危険牌となっては 話が別である 316 00:20:23,960 --> 00:20:28,160 こうなって初めて 鷲巣の足を止められる 317 00:20:28,160 --> 00:20:32,340 これは困る 切れないとなったら もう このローワンに 318 00:20:32,340 --> 00:20:36,140 何かがくっつくのを待って ハリ直すしかない 319 00:20:36,140 --> 00:20:41,410 だからこそ アカギは 顔を伏し 息を殺して待っていたんだ 320 00:20:41,410 --> 00:20:44,350 鷲巣のわずかな緩みを 321 00:20:44,350 --> 00:20:48,990 絶妙の泣き 渾身のブラフ 322 00:20:48,990 --> 00:20:53,390 あとは これが鷲巣に 通じるかどうか 323 00:20:53,390 --> 00:20:56,860 小僧 324 00:20:56,860 --> 00:20:59,560 死のふちを行くオーラス 325 00:20:59,560 --> 00:21:02,530 闇のトンネルを進む 破滅への死闘は 326 00:21:02,530 --> 00:21:06,530 さらに大きな うねりを伴って動き出す 327 00:22:15,770 --> 00:22:19,170 次回 「鬼神の昏迷」