1 00:00:18,560 --> 00:00:20,603 (マリー・アントワネット) 許せないわ 絶対に許せない 2 00:00:20,895 --> 00:00:23,523 (アデレイド) そうですとも あの破廉恥な デュ・バリーが― 3 00:00:23,648 --> 00:00:25,650 事もあろうに オスカルの母親を― 4 00:00:25,775 --> 00:00:29,404 自分付きの侍女にしたいと 国王陛下に願い出るなんて 5 00:00:29,821 --> 00:00:33,033 (ビクトワール) オスカルの人気に 目を付けたんだわよ あの売女(ばいた) 6 00:00:33,450 --> 00:00:35,160 (ソフィー) 陛下のご寵愛(ちょうあい)をいいことに― 7 00:00:35,285 --> 00:00:38,079 あの女 あなたに 挑戦してくる気なのよ 8 00:00:38,246 --> 00:00:40,040 (アデレイド) いいこと? アントワネット 9 00:00:40,165 --> 00:00:42,709 国王陛下の娘である 私(わたくし)たち3人は― 10 00:00:42,834 --> 00:00:45,628 あくまで あなたの味方ですからね 11 00:00:46,504 --> 00:00:48,673 分かりました おば様方 12 00:00:50,925 --> 00:00:52,343 オスカルの母親を― 13 00:00:52,469 --> 00:00:55,013 この 私付きの 侍女にしてくださるよう 14 00:00:55,138 --> 00:00:57,223 王太子殿下に お願いいたします 15 00:01:00,643 --> 00:01:06,649 ♪~ 16 00:02:26,563 --> 00:02:31,651 ~♪ 17 00:02:40,660 --> 00:02:41,578 (オスカル・フランソワ・ド・ ジャルジェ) なぜ 母上を? 18 00:02:42,829 --> 00:02:44,080 (ばあや)では 奥様を― 19 00:02:44,205 --> 00:02:46,166 デュ・バリー夫人か アントワネット様か 20 00:02:46,291 --> 00:02:48,793 どちらかの おそば付きの侍女にと? 21 00:02:49,252 --> 00:02:53,548 オスカル様 このたびの申し入れは大変なご名誉 22 00:02:53,673 --> 00:02:54,674 そんなにイライラなさ… 23 00:02:54,799 --> 00:02:55,800 (オスカル)黙れ! (ばあや)アッ… 24 00:02:56,634 --> 00:02:59,762 理由は分かっている デュ・バリーか 王太子妃か 25 00:02:59,888 --> 00:03:02,265 このオスカルに 選ばせようという魂胆 26 00:03:02,390 --> 00:03:04,183 (アンドレ・グランディエ) おい オスカル 落ち着けよ 27 00:03:04,976 --> 00:03:07,270 いずれは どちらかを 選ばねばならんのだ 28 00:03:07,395 --> 00:03:08,897 この際 長い目で見れば… 29 00:03:09,439 --> 00:03:10,773 (オスカル) 黙れ アンドレ 30 00:03:11,482 --> 00:03:14,861 イヤだ 俺は母上を あんな宮廷の女同士の― 31 00:03:14,986 --> 00:03:17,155 争いの道具にされるのは 絶対に許せない 32 00:03:17,280 --> 00:03:18,031 (ジャルジェ夫人)オスカル 33 00:03:18,615 --> 00:03:21,284 私のことなら 心配しなくていいのよ 34 00:03:21,409 --> 00:03:24,495 あなたが いいと思う方の おそばに お仕えしてよ 35 00:03:24,662 --> 00:03:28,207 イヤです わたしは 2人の勢力争いのために― 36 00:03:28,333 --> 00:03:30,460 母上までが巻き込まれるのが 許せないのです 37 00:03:31,461 --> 00:03:32,670 (ジャルジェ将軍) オスカル 38 00:03:32,921 --> 00:03:35,465 これは国王陛下の ご命令なのだぞ 39 00:03:36,507 --> 00:03:40,094 たとえ たとえ誰の命令でも わたしはイヤです 40 00:03:40,261 --> 00:03:42,138 父上 お断りしてください 41 00:03:42,305 --> 00:03:45,892 (立ち去る足音) 42 00:03:46,643 --> 00:03:47,352 (ジャルジェ夫人)あなた… 43 00:03:47,477 --> 00:03:51,356 (ジャルジェ将軍) 何 少し時間を置けば 頭も冷えるじゃろう 44 00:03:57,403 --> 00:04:01,616 (語り手) その頃 ウィーンの宮殿で もう1人の偉大な母が 45 00:04:01,741 --> 00:04:06,037 ベルサイユにいる 1人の娘のことで心を痛めていた 46 00:04:06,246 --> 00:04:08,373 マリー・アントワネットの母― 47 00:04:08,498 --> 00:04:12,335 オーストリアの女帝 マリア・テレジアである 48 00:04:18,758 --> 00:04:21,052 (メルシー伯) お呼びでございますか 陛下 49 00:04:21,344 --> 00:04:22,178 (マリア・テレジア)メルシー伯 50 00:04:22,303 --> 00:04:24,347 あなたにフランスへ 行ってもらいたいのです 51 00:04:24,931 --> 00:04:26,307 フランスへ… 52 00:04:26,808 --> 00:04:28,643 アントワネットは若すぎます 53 00:04:28,768 --> 00:04:32,689 外国の宮廷でチヤホヤされて 物事を深く考えない― 54 00:04:32,814 --> 00:04:35,942 ダメな人間になるのではないかと とても心配です 55 00:04:36,484 --> 00:04:40,405 そなた 私の代わりに あの子を指導してはくれませんか? 56 00:04:47,412 --> 00:04:49,789 (メルシー伯) かしこまりました 陛下 57 00:04:59,549 --> 00:05:00,883 (オスカル) 忠告なら無駄だ 58 00:05:01,009 --> 00:05:04,053 違う… 久しぶりで ひと汗 流さないか? 59 00:05:04,220 --> 00:05:07,015 (オスカル) いいだろう 望むところだ 60 00:05:09,600 --> 00:05:11,269 ターッ フッ トワッ 61 00:05:11,394 --> 00:05:12,186 (オスカル)ハッ 62 00:05:13,146 --> 00:05:14,314 ハッ (アンドレ)オワッ フッ 63 00:05:14,731 --> 00:05:16,524 (剣がぶつかり合う音) 64 00:05:16,691 --> 00:05:18,443 (アンドレ) ウワッ ウッ フッ 65 00:05:18,568 --> 00:05:20,528 (剣がぶつかり合う音) 66 00:05:20,987 --> 00:05:22,238 お前は幸せな奴だ 67 00:05:22,363 --> 00:05:22,989 何? 68 00:05:23,531 --> 00:05:26,492 俺には 心配したくても おふくろはいない 69 00:05:28,036 --> 00:05:29,078 どうだ 参ったか? 70 00:05:29,203 --> 00:05:32,749 参ったら 母上殿に心配かけずに どちらかに決めろ 71 00:05:33,124 --> 00:05:33,958 (オスカル)ハッ (アンドレ)おっ… 72 00:05:34,751 --> 00:05:35,877 ああ… 73 00:05:37,837 --> 00:05:38,963 どちらに決めても― 74 00:05:39,088 --> 00:05:41,340 母上が つらい思いをされるのは同じことだ 75 00:05:45,136 --> 00:05:46,554 (アンドレ)フッ (オスカル)ウッ 76 00:05:47,013 --> 00:05:50,099 陛下の命令に背けば 反逆罪だぞ フッ 77 00:05:50,892 --> 00:05:53,770 クウッ 陛下からは デュ・バリー夫人と妃殿下の― 78 00:05:53,895 --> 00:05:56,355 “どちらかに仕えるかは ジャルジェ家の自由にと” 79 00:05:56,481 --> 00:05:58,274 寛大なご沙汰が あったというではないか 80 00:05:59,067 --> 00:06:00,818 それを お前は… 81 00:06:05,114 --> 00:06:06,449 (アンドレ)アアッ フッ 82 00:06:06,783 --> 00:06:08,242 (オスカル)ウッ (アンドレ)フッ 83 00:06:08,534 --> 00:06:10,286 さあ 決めるのだ 84 00:06:10,411 --> 00:06:15,124 お前が強情を張っていればいるだけ 迷惑は父上 母上殿に及ぶのだ 85 00:06:21,130 --> 00:06:22,090 (オスカル)ハーッ (アンドレ)ウッ 86 00:06:25,885 --> 00:06:29,222 (オスカル) 母上 どうしても 選ばなければならないとすれば 87 00:06:29,347 --> 00:06:32,141 今は宮廷一(いち)の権力を 誇っているとはいえ 88 00:06:32,266 --> 00:06:33,935 あこぎなやり方で のし上がり 89 00:06:34,060 --> 00:06:37,021 色香で国王を操っている デュ・バリー夫人よりは 90 00:06:37,146 --> 00:06:40,483 せめて 血筋の正しい アントワネット様を選びます 91 00:06:40,608 --> 00:06:43,111 その代わり このオスカルは必ず 92 00:06:43,236 --> 00:06:45,738 母上の身を お守り申し上げます 93 00:06:50,243 --> 00:06:52,703 (語り手) 次の日 ベルサイユ宮殿は 94 00:06:52,912 --> 00:06:56,249 マリー・アントワネットの デュ・バリー夫人に対する― 95 00:06:56,374 --> 00:06:59,210 最初の勝利のうわさで 沸き返っていた 96 00:07:01,462 --> 00:07:03,005 (貴婦人A) それが デュ・バリー夫人ったら… 97 00:07:03,131 --> 00:07:04,966 (貴族A) オスカルも思い切ったことを… 98 00:07:05,258 --> 00:07:09,011 (侍従) 王太子妃殿下のおなーりー 99 00:07:10,138 --> 00:07:11,472 (一同)まあ 100 00:07:18,104 --> 00:07:19,689 (デュ・バリー夫人) おのれ オスカル 101 00:07:19,981 --> 00:07:22,483 青二才の分際で このあたしに たてついて 102 00:07:22,608 --> 00:07:25,528 あの母親め ただではおくものか 103 00:07:25,653 --> 00:07:27,905 どうなるか 見ているがいい 104 00:07:29,240 --> 00:07:30,867 ううーっ 105 00:07:41,794 --> 00:07:43,337 まあっ メルシー伯 106 00:07:47,592 --> 00:07:51,137 ねえ 郷里のシェーンブルン宮の 庭園に勝るとも劣らない― 107 00:07:51,262 --> 00:07:52,805 美しいお庭でしょ? 108 00:07:52,930 --> 00:07:54,182 (メルシー伯) 仰せのとおりで 109 00:07:54,307 --> 00:07:58,269 (アントワネット) 私の結婚式の時には 下々の者たちにも解放されたのよ 110 00:07:58,394 --> 00:08:00,354 花火も上がって きれいだったわあ 111 00:08:02,523 --> 00:08:04,317 ところで アントワネット様 112 00:08:04,442 --> 00:08:07,487 王太子殿下のお姿が 一向に見えませんが 113 00:08:07,612 --> 00:08:10,323 ウフッ 王太子様なら また鍛冶場にこもって― 114 00:08:10,448 --> 00:08:11,449 錠前を作ってるわ 115 00:08:11,824 --> 00:08:13,910 え? 錠前… 116 00:08:14,035 --> 00:08:17,121 うっ 錠前と申しますと あの鍵をかける あの… 117 00:08:17,330 --> 00:08:20,708 ウフフッ そう その錠前作りが趣味なのよ 118 00:08:20,833 --> 00:08:22,084 アハハハハッ 119 00:08:22,210 --> 00:08:23,169 (貴婦人A) ええっ まだ ひと言も? 120 00:08:23,169 --> 00:08:24,086 (貴婦人A) ええっ まだ ひと言も? 121 00:08:23,169 --> 00:08:24,086 (メルシー伯)おっ? 122 00:08:24,086 --> 00:08:24,420 (貴婦人A) ええっ まだ ひと言も? 123 00:08:24,545 --> 00:08:27,590 (貴婦人B) そうよ もう3か月もたつのに アントワネット様 124 00:08:27,840 --> 00:08:30,218 まだ ひと言も お声をおかけにならないのよ 125 00:08:30,343 --> 00:08:32,678 (貴婦人C) さすがのデュ・バリー夫人も オスカルの母親を― 126 00:08:32,803 --> 00:08:35,515 アントワネット様の侍女に 横取りされたと知った時は… 127 00:08:36,015 --> 00:08:38,476 そう わなわなと震えて 真っ青だったわ 128 00:08:38,601 --> 00:08:40,686 (貴婦人たち)オホホホ… 129 00:08:41,938 --> 00:08:45,274 (貴族A) よーし わしは アントワネット様のほうに賭けるぞ 130 00:08:45,399 --> 00:08:46,359 (貴族B)なら わたしは― 131 00:08:46,484 --> 00:08:49,487 デュ・バリー夫人のほうに 5,000リーブル賭ける 132 00:08:49,612 --> 00:08:50,780 (貴族C) ああ 何と言っても― 133 00:08:50,905 --> 00:08:53,241 夫人の後ろには 陛下が付いておられるんだ 134 00:08:53,533 --> 00:08:55,076 よしっ わしも5,000 賭ける 135 00:08:55,576 --> 00:08:57,662 (メルシー伯) 一体 どういうことだ 136 00:08:57,828 --> 00:09:02,124 アントワネット様は 国王陛下の愛人と真正面から… 137 00:09:02,625 --> 00:09:05,044 なんと そんなことをして もし… 138 00:09:05,419 --> 00:09:08,548 もし 国王のお怒りを 買ったりしたら… 139 00:09:27,400 --> 00:09:28,317 (デュ・バリー夫人)ううっ 140 00:09:28,442 --> 00:09:30,653 ああ 許せないわ あの小娘 141 00:09:30,778 --> 00:09:33,322 このあたしをバカにして 絶対に許せない 142 00:09:37,326 --> 00:09:40,079 陛下 なんとかしてくださいまし 143 00:09:40,204 --> 00:09:41,122 あの小娘ったら… 144 00:09:41,247 --> 00:09:42,707 (ルイ15世)また その話か 145 00:09:42,832 --> 00:09:45,209 わたしは もう面倒なことは ごめんなんだよ 146 00:09:46,419 --> 00:09:49,130 頼むから ほっといてくれないか 147 00:09:53,384 --> 00:09:54,594 ハァーッ 148 00:09:55,678 --> 00:09:57,138 宝石でも 馬車でも― 149 00:09:57,263 --> 00:09:59,974 好きな物は全部 手に入れたではないか 150 00:10:00,099 --> 00:10:01,851 これ以上 何を… (デュ・バリー夫人)いいえ 151 00:10:01,976 --> 00:10:04,687 陛下は宮廷での話題を ご存じございませんでしょう 152 00:10:04,812 --> 00:10:06,355 あたしは あの赤毛の小娘から― 153 00:10:06,480 --> 00:10:09,066 今日まで ひと言も 言葉をかけてもらえないために 154 00:10:09,191 --> 00:10:11,611 宮廷中の 物笑いの種にされております 155 00:10:12,361 --> 00:10:14,572 あの小娘から 言葉をかけられないうちは 156 00:10:14,697 --> 00:10:18,492 あたしは宮廷で存在を正当に 認められていないことになります 157 00:10:18,618 --> 00:10:21,078 ええ ええ あたしは侮辱されているんです 158 00:10:21,579 --> 00:10:24,957 陛下は あたしを守ってくださる 義務がおありです 159 00:10:25,082 --> 00:10:26,667 陛下が 何もしてくださらないから 160 00:10:26,792 --> 00:10:31,255 あたしは こんなひどい侮辱を 受けているんです ううっ… 161 00:10:31,380 --> 00:10:32,006 うん? 162 00:10:32,256 --> 00:10:34,592 (デュ・バリー夫人の泣き声) 163 00:10:35,343 --> 00:10:39,597 わしが何もせんから お前が侮辱されたと言ったな 164 00:10:39,722 --> 00:10:40,473 はい 165 00:10:40,598 --> 00:10:43,100 陛下に ご寵愛を頂いている あたしへの侮辱は― 166 00:10:43,225 --> 00:10:44,810 すなわち 陛下への侮辱 167 00:10:45,353 --> 00:10:47,772 ううっ わしへの侮辱… 168 00:10:50,107 --> 00:10:51,984 ううっ 誰か! 169 00:10:52,109 --> 00:10:54,904 アントワネット付きの者を 余の部屋に呼べ! 170 00:10:58,491 --> 00:11:01,577 (ノアイユ夫人) 大変でございます たった今 国王陛下ご自身から― 171 00:11:01,702 --> 00:11:03,371 アントワネット様の デュ・バリー夫人に対する― 172 00:11:03,496 --> 00:11:06,957 お振る舞いについて ご注意と ご警告がありました 173 00:11:07,792 --> 00:11:09,126 ああ… 174 00:11:09,460 --> 00:11:11,879 アントワネット 心配は要りませんよ 175 00:11:12,004 --> 00:11:14,882 どうせ あの女が 陛下に泣きついたに決まっています 176 00:11:15,007 --> 00:11:16,133 (ヴィクトワール) ええ そうですとも 177 00:11:16,258 --> 00:11:18,010 (ソフィー) あたしたちが ついていますからね 178 00:11:18,135 --> 00:11:19,345 あなたは デュ・バリーなんかには― 179 00:11:19,470 --> 00:11:21,055 負けてはいけませんよ いいこと? 180 00:11:21,847 --> 00:11:23,516 (メルシー伯) なんということだ 181 00:11:23,682 --> 00:11:26,310 女同士の つまらぬ意地の張り合いから― 182 00:11:26,435 --> 00:11:29,730 オーストリアとの同盟が 破れるようなことにでもなれば 183 00:11:29,855 --> 00:11:33,818 全ヨーロッパを 戦争に巻き込んでしまうことになる 184 00:11:41,158 --> 00:11:43,536 (マリア・テレジア) あの子がベルサイユで そんな騒ぎを… 185 00:11:43,786 --> 00:11:48,374 (カウニッツ) メルシー伯からの急便とあらば 事態は かなり深刻かと思われます 186 00:11:48,499 --> 00:11:52,753 早速 女帝陛下 御自ら アントワネット様に お手紙を 187 00:11:54,422 --> 00:11:57,508 (テレジア) ああ そんなこと できるわけないわ 188 00:11:59,051 --> 00:12:00,845 (アントワネット) ウフフフッ… 189 00:12:00,970 --> 00:12:02,304 (テレジア) あたしは あの子に 190 00:12:02,430 --> 00:12:05,975 お金で体を男に売ったり めかけになるなどということは 191 00:12:06,100 --> 00:12:08,853 女として 卑しいことだと 教えてきたのに 192 00:12:08,978 --> 00:12:11,439 自分の娘に そんな種類の女である― 193 00:12:11,564 --> 00:12:14,150 デュ・バリー夫人への 礼儀を教えるなんて… 194 00:12:18,195 --> 00:12:20,656 陛下 お心は お察ししますが 195 00:12:20,781 --> 00:12:23,909 フランスとの同盟のことを 考えますと この際… 196 00:12:24,535 --> 00:12:27,246 (テレジア) そう フランス国王に 逆らうようなことは 197 00:12:27,371 --> 00:12:28,789 できるわけがない 198 00:12:29,832 --> 00:12:32,751 カウニッツ 手紙は あなたが書いてください 199 00:12:32,877 --> 00:12:35,671 総理大臣カウニッツの 訓令という形でなら 200 00:12:35,796 --> 00:12:37,506 あの子も受け入れるでしょう 201 00:12:37,798 --> 00:12:38,716 はっ 202 00:12:54,982 --> 00:12:59,236 (メルシー伯) ええ されば 国王陛下が 交際される人に対する侮辱は 203 00:12:59,361 --> 00:13:03,365 つまり 国王陛下を侮辱することに 等しいことであるから 204 00:13:03,491 --> 00:13:05,284 直ちに改めるようにと 205 00:13:05,409 --> 00:13:09,330 総理大臣カウニッツ公からの 訓令でありますぞ 妃殿下 206 00:13:09,455 --> 00:13:10,789 ええ それから… (アントワネット)はいはい 207 00:13:10,915 --> 00:13:12,958 よく分ったから あとはいいわ 208 00:13:13,083 --> 00:13:14,376 (メルシー伯) では 今日のパーティーで 209 00:13:14,502 --> 00:13:16,420 よろしいですね? アントワネット様 210 00:13:16,921 --> 00:13:18,672 一度 聞けば分かります 211 00:13:19,006 --> 00:13:19,965 はっ 212 00:13:20,341 --> 00:13:22,885 (アントワネット) うんっ 何さ カウニッツのガリガリじじい 213 00:13:23,010 --> 00:13:25,179 勝手に好きなこと 言ってればいいわ 214 00:13:25,346 --> 00:13:27,681 ああ それにしても どうしてこんなことが― 215 00:13:27,806 --> 00:13:30,100 オーストリアに 知られてしまったのかしら… 216 00:13:38,692 --> 00:13:41,195 (貴婦人A) オーストリアの総理大臣から お手紙があったそうよ 217 00:13:41,320 --> 00:13:42,363 (貴婦人B) では アントワネット様は… 218 00:13:42,488 --> 00:13:44,740 (貴婦人C) ええ とうとう説得されて 219 00:13:44,865 --> 00:13:46,784 ほら ねえ ご覧あそばせ 220 00:13:46,909 --> 00:13:49,745 オスカル様が ぴったり妃殿下に付き添われて 221 00:13:49,912 --> 00:13:51,705 (貴婦人B) そりゃあ お母様が心配ですもの 222 00:13:51,830 --> 00:13:54,667 (貴婦人C) デュ・バリー夫人が怒ったら 何をなさるか分かりませんものね 223 00:13:54,792 --> 00:13:55,793 ああ そういえば 224 00:13:55,918 --> 00:13:58,379 まだ デュ・バリー夫人のお姿が 見えませんわね 225 00:13:58,504 --> 00:13:59,421 (貴婦人D) ほら デュ・バリー夫人よ 226 00:13:59,547 --> 00:14:00,422 (貴族A) さあ お出ましだ 227 00:14:01,006 --> 00:14:02,883 (貴婦人A) いよいよ デュ・バリー夫人の登場よ 228 00:14:03,008 --> 00:14:05,844 (貴婦人B) まあ 今日は珍しく ご機嫌のいいこと 229 00:14:07,179 --> 00:14:08,973 (貴婦人E) じゃあ やっぱり オーストリアからの手紙のこと― 230 00:14:09,098 --> 00:14:10,015 本当かしら? 231 00:14:10,140 --> 00:14:11,559 (貴族B) うん らしいな 232 00:14:11,684 --> 00:14:14,436 もしかしたら アントワネット様は今日め… 233 00:14:14,562 --> 00:14:16,897 (貴婦人E) そう デュ・バリー夫人に お声をおかけになるかも 234 00:14:17,022 --> 00:14:19,149 (貴婦人F) では ベルサイユ宮殿 始まって以来の― 235 00:14:19,275 --> 00:14:21,277 劇的シーンが この目で… 236 00:14:24,154 --> 00:14:25,322 (デュ・バリー夫人)フンッ 237 00:14:25,447 --> 00:14:28,367 あたしは何の地位もない 下町の平民に生まれ 238 00:14:28,492 --> 00:14:32,288 苦労して とうとう 伯爵夫人の称号も手に入れた 239 00:14:32,413 --> 00:14:34,373 国王の寵愛も 権力も 240 00:14:34,790 --> 00:14:38,419 宝石やお城も 望むものは何もかも手に入れたわ 241 00:14:38,544 --> 00:14:42,423 フフッ あとは ただ1つ 王太子妃に言葉をかけさせて 242 00:14:42,548 --> 00:14:45,301 あたしの力が あの小娘よりも上だということを 243 00:14:45,426 --> 00:14:47,887 今日こそ認めさせなくては 244 00:14:48,470 --> 00:14:50,931 フフフフッ… 245 00:15:15,372 --> 00:15:18,709 (アントワネット) いけない たとえ国王陛下の ご命令でも 246 00:15:18,834 --> 00:15:22,212 あの女に言葉をかければ 売春婦や めかけが 247 00:15:22,338 --> 00:15:26,258 堂々と この宮廷に出入りするのを 私が認めたことになる 248 00:15:27,635 --> 00:15:29,678 そんなこと 絶対 許されないわ 249 00:15:29,887 --> 00:15:32,264 もう これはおばたちに 言われたことだからではなく 250 00:15:32,389 --> 00:15:37,019 私自身の問題だわ そう 私自身の… 251 00:15:37,186 --> 00:15:40,648 フランス王太子妃としての 誇りの問題なのだわ 252 00:15:47,071 --> 00:15:47,696 あっ 253 00:15:49,740 --> 00:15:51,200 あっ… 254 00:15:51,408 --> 00:15:52,076 あっ 255 00:15:52,201 --> 00:15:53,369 ああっ 256 00:15:58,165 --> 00:15:59,708 (貴婦人A) まあ なんということ 257 00:16:00,417 --> 00:16:01,752 (貴婦人B) ものすごい顔… 258 00:16:02,920 --> 00:16:04,463 (貴婦人C) ほんと恐ろしいこと 259 00:16:05,172 --> 00:16:08,050 (デュ・バリー夫人) どうしたっていうの まさか この娘は 260 00:16:08,175 --> 00:16:13,097 本国の総理大臣の訓令を まさか まさか 踏みにじる気では… 261 00:16:13,722 --> 00:16:15,432 (メルシー伯) アントワネット様 262 00:16:17,977 --> 00:16:19,144 ああっ 263 00:16:38,122 --> 00:16:38,998 ああ… 264 00:16:46,088 --> 00:16:49,675 ううっ あの小娘 ぐうっ 265 00:16:51,301 --> 00:16:54,471 (オルレアン公) デュ・バリー夫人 そう カッカしなさんな 266 00:16:55,014 --> 00:16:57,099 フフフフフッ 267 00:17:00,978 --> 00:17:03,313 このたび アフリカの黄金海岸で― 268 00:17:03,439 --> 00:17:05,607 すばらしいワインを 手に入れましてな 269 00:17:05,733 --> 00:17:08,861 ぜひ デュ・バリー夫人に 1本 差し上げたいと 270 00:17:11,030 --> 00:17:13,699 (デュ・バリー夫人) 何よ… ただのブドウ酒じゃないの? 271 00:17:13,824 --> 00:17:16,952 (オルレアン公) フフフッ そう ただのブドウ酒 272 00:17:17,536 --> 00:17:19,913 香りは芳じゅん 味も一品 273 00:17:20,873 --> 00:17:26,211 だが 1口でも口に含んだら あっという間に あの世行き 274 00:17:29,006 --> 00:17:32,092 しかも あとには どんな証拠も残らないという― 275 00:17:32,217 --> 00:17:35,137 極上のワインでしてな デュ・バリー夫人なら― 276 00:17:35,262 --> 00:17:38,223 さぞや 使い道も いろいろ あろうかと… 277 00:17:38,432 --> 00:17:40,517 フフフハハハハッ… 278 00:17:46,982 --> 00:17:48,150 (ノック) 279 00:17:48,484 --> 00:17:49,401 どうぞ 280 00:17:51,528 --> 00:17:52,780 (老女官)ジャルジェ夫人 (ジャルジェ夫人)はい 281 00:17:52,905 --> 00:17:56,492 王太子妃殿下が ブドウ酒を デュ・バリー夫人の私室まで― 282 00:17:56,617 --> 00:17:59,244 運んでくださるようにとの ご命令です 283 00:17:59,745 --> 00:18:02,664 王太子妃殿下が デュ・バリー夫人のお部屋に? 284 00:18:03,290 --> 00:18:03,916 はい 285 00:18:04,500 --> 00:18:07,920 (ジャルジェ夫人) それは 妙なことがあるものだわ アントワネット様が 286 00:18:08,045 --> 00:18:10,130 あの 仲の悪い デュ・バリー夫人の部屋に… 287 00:18:10,672 --> 00:18:13,926 早くしてください 陛下の内密のご命令で 288 00:18:14,051 --> 00:18:15,511 お二人で 話し合われているのです 289 00:18:15,844 --> 00:18:17,221 えっ 陛下の? 290 00:18:17,346 --> 00:18:20,933 でも それなら どうして ブドウ酒の運搬係の者に 291 00:18:21,058 --> 00:18:24,937 アントワネット様の お食事係は168人もいるのに 292 00:18:25,854 --> 00:18:28,398 ジャルジェ夫人にとの ご命令なのです 293 00:18:29,066 --> 00:18:29,900 フンッ 294 00:18:46,083 --> 00:18:47,209 (ノック) 295 00:18:48,335 --> 00:18:49,378 (ドアが閉まる音) 296 00:18:49,795 --> 00:18:52,631 (ジャルジェ夫人) 妃殿下にブドウ酒を お持ちいたしました 297 00:18:57,719 --> 00:19:02,224 まあ ジャルジェ夫人 わざわざ すみませんね 298 00:19:02,349 --> 00:19:05,894 いえ… あの アントワネット様は? 299 00:19:06,186 --> 00:19:08,814 あら 残念ですわ アントワネット様は― 300 00:19:08,939 --> 00:19:11,567 たった今 ご退出なさいましたのよ 301 00:19:11,733 --> 00:19:12,526 ええっ? 302 00:19:17,322 --> 00:19:17,948 オスカル 303 00:19:18,532 --> 00:19:21,368 アンドレか どうした? そんなに慌てて 304 00:19:21,493 --> 00:19:24,163 今 奥様が デュ・バリー夫人の お部屋に行かれたが 305 00:19:24,288 --> 00:19:25,873 オスカル お前 知っているか? 306 00:19:26,665 --> 00:19:27,958 何 母上が? 307 00:19:28,333 --> 00:19:30,502 今 アントワネット様の 言いつけということで 308 00:19:30,627 --> 00:19:31,837 ブドウ酒を持っていかれた 309 00:19:33,255 --> 00:19:33,922 しまった 310 00:19:44,016 --> 00:19:47,019 せっかくですから ブドウ酒は頂きましょう 311 00:19:47,144 --> 00:19:49,688 あなたも こっちへ来て 1杯いただきなさい 312 00:19:50,147 --> 00:19:52,858 (侍女) まあ よろしいんですの? 私などが… 313 00:19:52,983 --> 00:19:54,151 ありがとうございます 314 00:19:54,276 --> 00:19:55,903 ええ ジャルジェ夫人が― 315 00:19:56,028 --> 00:19:59,156 私のために持ってきてくれた ブドウ酒ですからね 316 00:20:22,304 --> 00:20:22,971 ああっ 317 00:20:23,096 --> 00:20:24,056 ああっ… 318 00:20:25,057 --> 00:20:26,683 ああっ 319 00:20:26,850 --> 00:20:28,435 (ジャルジェ夫人) どうしました? しっかりなさい 320 00:20:30,270 --> 00:20:31,104 ああっ 321 00:20:31,230 --> 00:20:34,024 毒だわ ブドウ酒に毒が入っていたんだわ 322 00:20:34,274 --> 00:20:35,859 こっ これは… 323 00:20:38,654 --> 00:20:42,866 しまった 罠(わな)だ デュ・バリー夫人の罠だったんだわ 324 00:20:42,991 --> 00:20:46,119 私が アントワネット様のほうに お仕えした仕返し 325 00:20:46,536 --> 00:20:50,123 ジャルジェ夫人 よくも私のブドウ酒に毒を… 326 00:20:50,499 --> 00:20:51,541 はあっ… 327 00:20:52,125 --> 00:20:53,794 王太子妃の差し金? 328 00:20:53,919 --> 00:20:56,338 それとも お前一人が企てたこと? 329 00:20:56,672 --> 00:20:57,839 ああっ 330 00:21:00,717 --> 00:21:01,385 ああっ (デュ・バリー夫人)ハッ 331 00:21:01,510 --> 00:21:02,302 ハッ 332 00:21:07,849 --> 00:21:09,142 恐ろしいお方だ 333 00:21:09,268 --> 00:21:11,895 召し使いの命さえ まるで道具のように… 334 00:21:12,020 --> 00:21:14,273 ぶっ 無礼な 何のことを… 335 00:21:15,315 --> 00:21:17,985 毒の入ったワインを わざわざ 母上に運ばせ 336 00:21:18,110 --> 00:21:22,072 デュ・バリー夫人 毒殺未遂の 罪を着せようとは 卑怯(ひきょう)な! 337 00:21:22,322 --> 00:21:23,949 なっ 何を言う 338 00:21:24,366 --> 00:21:27,244 こんな見え透いた芝居が 見破られないとでも お思いか 339 00:21:27,369 --> 00:21:28,578 デュ・バリー夫人 340 00:21:31,331 --> 00:21:32,958 (風の音) 341 00:21:34,960 --> 00:21:39,172 どのような女であれ 恐れ多くも 国王陛下が愛されたお方 342 00:21:39,298 --> 00:21:41,133 今宵(こよい)のことは 決して口外しないゆえ 343 00:21:41,258 --> 00:21:42,843 安心されるがよい 344 00:21:43,427 --> 00:21:44,678 だが 覚えておかれい 345 00:21:45,095 --> 00:21:45,929 ハッ… 346 00:21:46,513 --> 00:21:48,390 この オスカルが そばにある限り 347 00:21:48,515 --> 00:21:52,519 二度とアントワネット様と母上を 陥れるようなことはさせない 348 00:21:53,145 --> 00:21:54,229 ああっ 349 00:21:55,063 --> 00:21:57,482 (風の音) 350 00:22:09,953 --> 00:22:11,121 (デュ・バリー夫人)ああっ… 351 00:22:11,246 --> 00:22:13,081 (オスカル) 参りましょう 母上 352 00:22:32,851 --> 00:22:38,231 ♪~ 353 00:23:38,166 --> 00:23:43,839 ~♪