1 00:00:02,002 --> 00:00:04,671 (大海渡)御前会議? (清霞)今朝 宮城に➡ 2 00:00:04,671 --> 00:00:07,341 次々と大臣たちを乗せた車が…。 3 00:00:07,341 --> 00:00:11,511 (大海渡)出遅れた老いぼれどもが 慌てて くぎを刺しに来たか。 4 00:00:11,511 --> 00:00:14,515 堯人様と我が隊を けん制する意図があるのは➡ 5 00:00:14,515 --> 00:00:16,850 明白です。 しかし…。 6 00:00:16,850 --> 00:00:21,021 異能心教が政府中枢にまで 入り込んでいるとなると➡ 7 00:00:21,021 --> 00:00:25,526 その会議すらも ヤツらに 利用される場になりかねんな。 8 00:00:25,526 --> 00:00:28,529 堯人様も慎重に動かれている今➡ 9 00:00:28,529 --> 00:00:32,132 探りを入れられるとしたら…。 えぇ。 10 00:00:38,705 --> 00:00:42,542 今頃 目を光らせていることでしょう。 11 00:00:42,542 --> 00:00:46,713 堯人様の 「鷹の目」が…。 12 00:00:46,713 --> 00:00:51,718 ((鷹倉:この鷹倉が 内大臣として 裏切り者を突き止めます。 13 00:00:51,718 --> 00:00:54,721 (堯人)そう簡単にいくまい。 14 00:00:54,721 --> 00:00:59,559 大臣たちの中には 我が帝の代わりを務めることを➡ 15 00:00:59,559 --> 00:01:02,162 よく思わぬ者も多い。 16 00:01:02,162 --> 00:01:06,667 我に否定的というだけでは 特定は難しかろう。 17 00:01:06,667 --> 00:01:10,170 それでも 甘水は必ずやってくるのだ。 18 00:01:10,170 --> 00:01:13,507 狡猾に忍び寄って来る。 19 00:01:13,507 --> 00:01:16,843 しかし その未来は まだ来ていません。 20 00:01:16,843 --> 00:01:19,146 何か打てる手があるはずです。 21 00:01:21,181 --> 00:01:24,184 うむ。 ゆえに あの場で頼れるのは➡ 22 00:01:24,184 --> 00:01:26,687 鷹倉 そなたしかおらぬ。 23 00:01:26,687 --> 00:01:29,890 お任せください)) 24 00:03:14,327 --> 00:03:16,663 (宮内大臣)つまり 帝が➡ 25 00:03:16,663 --> 00:03:18,832 かどわかされたにせよ 神聖な宮城に…。 26 00:03:18,832 --> 00:03:23,503 《鷹倉:宮内大臣。 さすが反堯人派の筆頭。 27 00:03:23,503 --> 00:03:27,007 堯人様への 明確な敵意を感じるな》 28 00:03:27,007 --> 00:03:30,177 (文部大臣)だが かくまって いるのは 一般人とはいえ➡ 29 00:03:30,177 --> 00:03:33,180 高名な異能の家系の者たち なのであろう? 30 00:03:33,180 --> 00:03:36,850 むしろ心強いではないか。 《文部大臣。 31 00:03:36,850 --> 00:03:41,188 軍部に予算が行くのを 避けたいがゆえのごますりか》 32 00:03:41,188 --> 00:03:43,190 (逓信大臣)薄刃 といいましたか➡ 33 00:03:43,190 --> 00:03:46,860 一度その異能の力を…。 《鷹倉:逓信大臣。 34 00:03:46,860 --> 00:03:49,529 一応こちらにつく気は あるのだろうが➡ 35 00:03:49,529 --> 00:03:53,700 あのような振る舞いこそが 敵につけいる隙を与える》 36 00:03:53,700 --> 00:03:56,036 (陸軍大臣)不明の団体ごときに 国家が動揺するとあっては…。 37 00:03:56,036 --> 00:03:59,706 《鷹倉:陸軍大臣。 内閣きっての異能反対派》 38 00:03:59,706 --> 00:04:01,975 (海軍大臣)いや 油断してはならぬ。 39 00:04:01,975 --> 00:04:06,480 《鷹倉:海軍大臣。 陸軍大臣とは犬猿の仲で➡ 40 00:04:06,480 --> 00:04:10,150 いつも勢力争いに 気を取られてばかりだ。 41 00:04:10,150 --> 00:04:12,819 本質が何も見えていない》 42 00:04:12,819 --> 00:04:17,157 とにかく もはや異能の力など 過去の遺物。 43 00:04:17,157 --> 00:04:20,827 今は科学に基づいた 最新鋭の兵器だってある。 44 00:04:20,827 --> 00:04:25,999 異能心教など我が軍の兵力を もってすれば敵ではない。 45 00:04:25,999 --> 00:04:31,004 フッ 帝の誘拐を許すなどという 大失態を犯しておいて➡ 46 00:04:31,004 --> 00:04:33,173 威勢だけはいいことを。 47 00:04:33,173 --> 00:04:36,676 そもそも宮城の警備は陸軍の管轄。 48 00:04:36,676 --> 00:04:38,678 これは責任問題では? 49 00:04:38,678 --> 00:04:40,680 言わせておけば! 50 00:04:40,680 --> 00:04:44,017 元はと言えば海軍が 恒例観艦式などという➡ 51 00:04:44,017 --> 00:04:46,853 バカげた催しのために 警備を回せと言うから➡ 52 00:04:46,853 --> 00:04:49,189 こちらが 手薄になったのではないか! 53 00:04:49,189 --> 00:04:51,191 なにぃ! 54 00:04:51,191 --> 00:04:55,862 はぁ… これでは異能心教の思うつぼだ。 55 00:04:55,862 --> 00:04:58,031 (陸軍大臣)鷹倉内府! あっ!? 56 00:04:58,031 --> 00:05:02,135 何か発言でも? 若くして内大臣になり➡ 57 00:05:02,135 --> 00:05:05,639 殿下のごしょう愛を受けるほどの お方だ。 58 00:05:05,639 --> 00:05:08,975 ぜひとも ご意見をお聞きしたいが。 59 00:05:08,975 --> 00:05:11,144 くだらないことを。 60 00:05:11,144 --> 00:05:13,313 (文部大臣)まぁまぁ皆さん➡ 61 00:05:13,313 --> 00:05:16,316 鷹倉内府がおっしゃることも もっともだ。 62 00:05:16,316 --> 00:05:20,654 いずれにせよ 異能心教は えたいの知れぬ団体。 63 00:05:20,654 --> 00:05:24,991 今こそ 堯人様のもとに 一丸となるときなのでは? 64 00:05:24,991 --> 00:05:27,827 一丸となると言っても…。 (ざわめき) 65 00:05:27,827 --> 00:05:30,997 皆の意見は よくわかった。 66 00:05:30,997 --> 00:05:35,168 同意を得ないまま こたびの策を 推し進めたことについては➡ 67 00:05:35,168 --> 00:05:37,170 謝罪しよう。 68 00:05:37,170 --> 00:05:41,174 だが すべてをつまびらかに することで好転するほど➡ 69 00:05:41,174 --> 00:05:44,678 行く末は御しやすいものではない。 70 00:05:44,678 --> 00:05:47,681 皆 思うところはあるであろう。 71 00:05:47,681 --> 00:05:53,687 だが こたびの件に関しては 策として宮城で守りを固める。 72 00:05:53,687 --> 00:05:56,856 これが現時点で最善なのだ。 73 00:05:56,856 --> 00:06:00,360 守りは一所へ集中せよ。 74 00:06:07,801 --> 00:06:09,970 (美世)美世です。 お呼びでしょうか。 75 00:06:09,970 --> 00:06:12,072 (葉月)どうぞ 入って。 76 00:06:15,308 --> 00:06:17,978 うっ… うっ! 77 00:06:17,978 --> 00:06:21,314 (葉月)来た来た 主役のご登場よ! 78 00:06:21,314 --> 00:06:24,150 固まってないで こちらに座って。 79 00:06:24,150 --> 00:06:26,853 あ… はい…。 80 00:06:31,157 --> 00:06:34,327 ゴホン! さて 今日わざわざ➡ 81 00:06:34,327 --> 00:06:37,163 夜に集まってもらったのは 他でもない。 82 00:06:37,163 --> 00:06:40,834 せっかく こうして一つ屋根の下で 生活しているのだから➡ 83 00:06:40,834 --> 00:06:43,503 女同士 楽しくおしゃべりしましょう➡ 84 00:06:43,503 --> 00:06:45,505 というのが目的よ! 85 00:06:45,505 --> 00:06:48,008 名付けて 「婦女子の会」! 86 00:06:48,008 --> 00:06:50,510 婦女子…。 87 00:06:50,510 --> 00:06:53,013 存分に語り合うとよい。 88 00:06:53,013 --> 00:06:57,183 我のことは気軽に 「タカ子」と呼んでくれてもよいぞ。 89 00:06:57,183 --> 00:06:59,185 (ゆり江)フッフフフフ…。 90 00:06:59,185 --> 00:07:01,121 ようこそ タカ子様! 91 00:07:01,121 --> 00:07:03,290 今夜は 楽しんでいってちょうだい! 92 00:07:03,290 --> 00:07:06,793 あと 参加者は もう一人いるのだけど。 93 00:07:06,793 --> 00:07:08,795 もう一人? 94 00:07:08,795 --> 00:07:18,305 ♬~ 95 00:07:18,305 --> 00:07:20,640 (薫子)美世さ~ん こんばんは~! 96 00:07:20,640 --> 00:07:22,642 えっ? 薫子さん。 97 00:07:22,642 --> 00:07:24,644 今は旧都にいるから➡ 98 00:07:24,644 --> 00:07:27,814 今夜は術を駆使して 遠隔で参加してもらったの。 99 00:07:27,814 --> 00:07:30,317 って あら? もう飲んでいるの? 100 00:07:30,317 --> 00:07:34,321 は~い こちら陣之内薫子 もう飲んでま~す! 101 00:07:34,321 --> 00:07:38,491 もう こっちはまだ 注いでもないのに~。 102 00:07:38,491 --> 00:07:41,995 (ゆり江)では こちらも始めましょうか。 103 00:07:41,995 --> 00:07:44,998 清霞に 大事な婚約者を酔わせないよう➡ 104 00:07:44,998 --> 00:07:47,167 きつ~く言われているから➡ 105 00:07:47,167 --> 00:07:49,669 美世ちゃんは お酒じゃなくて… こっちね。 106 00:07:51,838 --> 00:07:55,508 では 今から 「婦女子の会」を始めます! 107 00:07:55,508 --> 00:07:57,510 かんぱ~い! 108 00:07:57,510 --> 00:07:59,512 (一同)かんぱ~い! 109 00:07:59,512 --> 00:08:02,816 (笑い声) 110 00:08:04,951 --> 00:08:07,454 それでね~ そのときの清霞は➡ 111 00:08:07,454 --> 00:08:10,290 まだ私よりも 背が低かったんだけど…。 112 00:08:10,290 --> 00:08:14,127 《お義姉さん 私の緊張をほぐそうと➡ 113 00:08:14,127 --> 00:08:17,130 こんな会を開いてくださるなんて。 114 00:08:17,130 --> 00:08:22,135 私は つくづく… なんて恵まれているんでしょう》 115 00:08:26,306 --> 00:08:29,476 (葉月)もう 場が あったまってきたと思ったら➡ 116 00:08:29,476 --> 00:08:31,644 寝ちゃうんだから タカ子様は。 117 00:08:31,644 --> 00:08:34,147 相当飲んで いらっしゃいましたから…。 118 00:08:34,147 --> 00:08:37,484 では ゆり江は 先に休ませていただきます。 119 00:08:37,484 --> 00:08:40,653 おやすみなさい。 120 00:08:40,653 --> 00:08:43,990 あっ そうそう。 私 薫子ちゃんに➡ 121 00:08:43,990 --> 00:08:46,159 聞きたかったのだけど。 んっ? 122 00:08:46,159 --> 00:08:48,995 薫子ちゃん 五道くんとどうなの? 123 00:08:48,995 --> 00:08:52,665 ブッ! い… いきなり なんの話ですか!? 124 00:08:52,665 --> 00:08:56,336 五道くんのこと どう思ってるのかな~って話よ➡ 125 00:08:56,336 --> 00:08:58,505 男性として。 あっ! 126 00:08:58,505 --> 00:09:02,108 そんな 何も思ってませんよ! 127 00:09:02,108 --> 00:09:05,278 五道さんは ただの尊敬する先輩です! 128 00:09:05,278 --> 00:09:09,949 えぇ~!? 彼 まぁちょっと 軽薄なところはあるけど➡ 129 00:09:09,949 --> 00:09:13,620 そこそこかっこいいし 部隊でも出世頭だし➡ 130 00:09:13,620 --> 00:09:17,624 薫子ちゃんと気が合いそうだな~ って思っていたのに。 131 00:09:17,624 --> 00:09:20,460 五道先輩がどうかっていうか…。 132 00:09:20,460 --> 00:09:22,462 っていうか!? 133 00:09:22,462 --> 00:09:25,632 私 もう しばらく恋はいいんです。 134 00:09:25,632 --> 00:09:27,801 えっ どうして? 135 00:09:27,801 --> 00:09:31,304 恋愛って お酒に似てると思うんです。 136 00:09:31,304 --> 00:09:33,640 酔ってるときは心地いいけど➡ 137 00:09:33,640 --> 00:09:36,643 自分を見失ってもいたというか…。 138 00:09:36,643 --> 00:09:38,978 相手のあることだし➡ 139 00:09:38,978 --> 00:09:43,082 私は恋愛を通して 弱い自分を知ったんです。 140 00:09:45,151 --> 00:09:48,154 怖いです 恋って。 141 00:09:48,154 --> 00:09:52,325 怖い ねぇ…。 わかる気がします。 142 00:09:52,325 --> 00:09:56,496 薫子さんの言っていること。 美世ちゃん? 143 00:09:56,496 --> 00:09:59,499 あっ… すみません。 144 00:09:59,499 --> 00:10:02,001 私も… 怖いんです。 145 00:10:02,001 --> 00:10:06,506 恋心は… 誰かに執着する心は…。 146 00:10:06,506 --> 00:10:10,310 きっと 人を変えてしまうから…。 147 00:10:14,848 --> 00:10:18,184 ここは人生の先輩の出番かしらね。 148 00:10:18,184 --> 00:10:20,186 (美世/薫子)えっ? 149 00:10:20,186 --> 00:10:23,356 ほら 私 離婚したじゃない。 150 00:10:23,356 --> 00:10:27,360 (薫子)元旦那さんって たしか あの大海渡少将…。 151 00:10:27,360 --> 00:10:30,530 今は もう吹っ切れたけれど…。 152 00:10:30,530 --> 00:10:34,367 当時は後悔したわ。 だって私たち➡ 153 00:10:34,367 --> 00:10:37,170 愛し合っていたから。 あっ…! 154 00:10:39,205 --> 00:10:42,709 大ゲンカが 離婚のきっかけでしたよね。 155 00:10:42,709 --> 00:10:46,880 そう。 周りの目や勝手な思い込み➡ 156 00:10:46,880 --> 00:10:51,885 意地… 今思えば ささいな雑音に気を取られて➡ 157 00:10:51,885 --> 00:10:54,554 私は あなたが大切なんだって➡ 158 00:10:54,554 --> 00:10:57,390 そんな簡単なことさえ 言葉にできないまま➡ 159 00:10:57,390 --> 00:11:00,994 取り返しが つかなくなってしまった。 160 00:11:00,994 --> 00:11:04,664 バカよねぇ…。 161 00:11:04,664 --> 00:11:08,168 要はね 離れがたい人だと思うなら➡ 162 00:11:08,168 --> 00:11:14,007 愛を伝え合って 切れない絆を 作っておくのが大事ってこと。 163 00:11:14,007 --> 00:11:16,176 人生は短いのよ。 164 00:11:16,176 --> 00:11:19,178 怖いなんて言ってる場合じゃ ないんだからね? 165 00:11:21,181 --> 00:11:23,183 あっ! 166 00:11:23,183 --> 00:11:25,852 突き進むことを恐れないで。 167 00:11:25,852 --> 00:11:30,523 これが不器用で 妹思いの姉からの助言。 フッ。 168 00:11:30,523 --> 00:11:35,194 私は…。 (薫子)そうです! あっ。 169 00:11:35,194 --> 00:11:38,531 私だって応援しているんですから。 170 00:11:38,531 --> 00:11:41,201 美世さんにも 隊長にも➡ 171 00:11:41,201 --> 00:11:44,037 ちゃんと 幸せになってもらわないと…。 172 00:11:44,037 --> 00:11:47,373 あらあら 遅くまでありがとう。 173 00:11:47,373 --> 00:11:49,375 おやすみなさい 薫子ちゃん。 174 00:11:49,375 --> 00:11:51,878 おやすみなさい…。 175 00:11:54,380 --> 00:11:57,884 いい子ね 薫子ちゃん。 はい。 176 00:11:57,884 --> 00:12:01,387 自慢の お友達です。 177 00:12:09,162 --> 00:12:12,665 (堯人)こよいは いつになく飲んでしまった。 178 00:12:12,665 --> 00:12:15,335 実に楽しい夜だった。 179 00:12:15,335 --> 00:12:19,172 しかも そなたと ゆっくり話すことができる。 180 00:12:19,172 --> 00:12:22,342 私と? そうだ。 181 00:12:22,342 --> 00:12:25,511 我と似た異能を持つ そなたと…。 182 00:12:25,511 --> 00:12:30,183 天啓の異能は恵みであり くびきだ。 183 00:12:30,183 --> 00:12:32,852 未来の一端が見えるからこそ➡ 184 00:12:32,852 --> 00:12:36,689 投じる一石は 水の震えでしかなく➡ 185 00:12:36,689 --> 00:12:41,861 その波紋が何を描くのか 理解する者は少ない。 186 00:12:41,861 --> 00:12:46,699 未来を知る者は 孤独と戦わねばならぬのだ。 187 00:12:46,699 --> 00:12:49,535 孤独…。 持て余している➡ 188 00:12:49,535 --> 00:12:52,038 その力と孤独に向き合わねば➡ 189 00:12:52,038 --> 00:12:54,707 果たすべき責務を果たせぬ。 190 00:12:54,707 --> 00:12:57,877 斎森美世。 はい。 191 00:12:57,877 --> 00:13:01,981 そなたは雪が好きか? 雪… ですか? 192 00:13:01,981 --> 00:13:06,319 私は好きだった。 小さい頃は雪が降れば➡ 193 00:13:06,319 --> 00:13:09,822 喜々として庭に遊びに出たものだ。 194 00:13:09,822 --> 00:13:14,327 しかし今は 素直に喜べぬ。 195 00:13:14,327 --> 00:13:18,164 ハッ…! 雪が どうかなされたのですか。 196 00:13:18,164 --> 00:13:20,366 ああ。 197 00:13:23,336 --> 00:13:26,673 雪に乱れる夢見草が➡ 198 00:13:26,673 --> 00:13:29,676 夜の帳を降ろす。 199 00:13:38,017 --> 00:13:41,521 今日は夕食を共にできて よかった。 200 00:13:41,521 --> 00:13:43,523 はい。 201 00:13:46,025 --> 00:13:48,528 美世 何かあったのか? 202 00:13:48,528 --> 00:13:51,364 あっ い… いいえ。 203 00:13:51,364 --> 00:13:53,700 今夜も冷えます。 204 00:13:53,700 --> 00:13:56,703 お風邪など召されませんよう お気をつけて。 205 00:13:56,703 --> 00:13:59,038 ありがとう。 206 00:13:59,038 --> 00:14:01,474 では 行ってくる。 207 00:14:01,474 --> 00:14:04,077 いってらっしゃいませ。 208 00:14:07,313 --> 00:14:11,317 《どうか… 雪が降りませんように》 209 00:14:11,317 --> 00:14:14,320 (新)美世。 あっ。 210 00:14:14,320 --> 00:14:16,522 新さん。 211 00:14:18,991 --> 00:14:22,495 (新)久堂さんが心配ですか? はい。 212 00:14:22,495 --> 00:14:25,498 異能は思いの強さで 強くなったり➡ 213 00:14:25,498 --> 00:14:28,000 弱くなったりすることも あるそうです。 214 00:14:28,000 --> 00:14:31,504 思いの強さで? えぇ。 215 00:14:31,504 --> 00:14:34,340 もしそれが本当だとしたら➡ 216 00:14:34,340 --> 00:14:37,844 君の思いは いずれ強い武器になる。 217 00:14:37,844 --> 00:14:40,012 待つことしかできない もどかしさも➡ 218 00:14:40,012 --> 00:14:42,615 君の糧になっているはずです。 219 00:14:44,684 --> 00:14:48,187 そう でしょうか…。 それにしても➡ 220 00:14:48,187 --> 00:14:52,191 いったい何が君の覚醒を 押しとどめているんでしょうね。 221 00:14:52,191 --> 00:14:54,360 わかりません…。 222 00:14:54,360 --> 00:14:57,363 もし久堂さんに 言えないことがあるなら➡ 223 00:14:57,363 --> 00:14:59,866 俺が聞いてもいいですよ。 224 00:15:02,468 --> 00:15:04,470 あっ…! 225 00:15:04,470 --> 00:15:08,574 君を困らせるものは 全部 俺が壊します。 226 00:15:10,643 --> 00:15:12,812 あっ! (エンジン音) 227 00:15:12,812 --> 00:15:17,984 (エンジン音) 228 00:15:17,984 --> 00:15:21,988 あれは…。 どこかの大臣の公用車ですね。 229 00:15:21,988 --> 00:15:25,658 今日 前殿で 会議を開いていたはずですから。 230 00:15:25,658 --> 00:15:27,994 なぜ ここに…。 231 00:15:27,994 --> 00:15:30,596 んっ! 232 00:15:33,332 --> 00:15:36,002 これはこれは 薄刃殿。 233 00:15:36,002 --> 00:15:40,339 失礼ですが あなたは 文部大臣閣下とお見受けします。 234 00:15:40,339 --> 00:15:44,177 堯人殿下の私邸に いったい何用でしょうか。 235 00:15:44,177 --> 00:15:47,013 うちの秘書官が 迷ってしまったので➡ 236 00:15:47,013 --> 00:15:50,349 道を聞こうと思いまして。 なあ? 237 00:15:50,349 --> 00:15:53,019 (秘書官)申し訳ございません。 238 00:15:53,019 --> 00:15:56,689 それなら ここで迂回して 来た道を戻られれば➡ 239 00:15:56,689 --> 00:15:58,858 ただちに ご帰宅できますよ。 240 00:15:58,858 --> 00:16:04,297 なるほど。 ところで こう宮城に 閉じ込められていたら➡ 241 00:16:04,297 --> 00:16:06,799 窮屈でないかと思ってね。 242 00:16:06,799 --> 00:16:09,802 異能への風当たりが強い今時分➡ 243 00:16:09,802 --> 00:16:13,806 君たちの今回の待遇を よく思わぬ者も多い。 244 00:16:13,806 --> 00:16:17,643 何がおっしゃりたいのですか。 なんでも➡ 245 00:16:17,643 --> 00:16:20,980 薄刃の異能は精神干渉だとか? 246 00:16:20,980 --> 00:16:23,983 それは どんな者にも 有効なのだろう? 247 00:16:23,983 --> 00:16:25,985 ふん。 248 00:16:28,988 --> 00:16:31,490 その力 私のために➡ 249 00:16:31,490 --> 00:16:33,826 使おうとは思わんかね? 250 00:16:33,826 --> 00:16:37,496 お引き取りください。 足りないかね? 251 00:16:37,496 --> 00:16:40,833 欲張りな若者だ。 秘書官。 252 00:16:40,833 --> 00:16:42,835 あっ! なっ! 253 00:16:42,835 --> 00:16:45,171 お引き取りくださいと言っている。 254 00:16:45,171 --> 00:16:48,674 これ以上 俺たちを侮辱するなら…。 255 00:16:48,674 --> 00:16:51,344 あっ…。 (鷹倉)初瀬部文部相! 256 00:16:51,344 --> 00:16:53,346 何をしていらっしゃる! 257 00:16:55,348 --> 00:16:58,684 ハァ ハァ ハァ…。 258 00:16:58,684 --> 00:17:01,954 いくら大臣といえど この状況下➡ 259 00:17:01,954 --> 00:17:05,625 宮中で勝手な行動は 慎んでいただきたい! 260 00:17:05,625 --> 00:17:07,793 なんだと 若造が! 261 00:17:07,793 --> 00:17:10,963 そもそも 人を惑わす 化け物まがいの者たちを➡ 262 00:17:10,963 --> 00:17:13,132 宮中に招き入れるなどと➡ 263 00:17:13,132 --> 00:17:15,635 勝手をしたのは そちらだろうが! 264 00:17:15,635 --> 00:17:18,804 まあまあ 閣下。 これ以上騒ぎになっても➡ 265 00:17:18,804 --> 00:17:22,108 問題ですから。 むぅ…。 266 00:17:25,144 --> 00:17:27,980 この度は申し訳ありませんでした。 267 00:17:27,980 --> 00:17:32,318 自分が道を誤ったせいで とんだ騒ぎになってしまって。 268 00:17:32,318 --> 00:17:34,820 一刻も早くお戻りを。 269 00:17:34,820 --> 00:17:37,123 えぇ えぇ それはもう。 270 00:17:40,493 --> 00:17:42,495 お勤めご苦労さまです。 271 00:17:42,495 --> 00:17:44,497 あっ…。 272 00:17:44,497 --> 00:17:47,166 あっ…。 (秘書官)では また。 273 00:17:47,166 --> 00:17:51,170 (エンジン音) 274 00:17:54,173 --> 00:17:57,843 美世 大丈夫ですか? あっ はい。 275 00:17:57,843 --> 00:18:01,781 まったく やっかい事が尽きないですね。 276 00:18:01,781 --> 00:18:03,983 新さん…。 277 00:18:05,952 --> 00:18:09,288 鷹倉様から連絡があったときは 肝が冷えたぞ。 278 00:18:09,288 --> 00:18:12,458 本当にケガはないんだな? 279 00:18:12,458 --> 00:18:16,629 大丈夫です そんなに何度も確認しなくても。 280 00:18:16,629 --> 00:18:18,798 そういうわけにはいかない。 281 00:18:18,798 --> 00:18:21,601 とにかく 今夜は…。 あっ? 282 00:18:26,639 --> 00:18:30,309 私のお布団って こんな形でしたっけ? 283 00:18:30,309 --> 00:18:32,979 堯人様の仕業か…。 284 00:18:32,979 --> 00:18:37,316 謀られたな。 おっ? 285 00:18:37,316 --> 00:18:40,152 しかたない 私は畳で寝る。 286 00:18:40,152 --> 00:18:42,154 お前は布団を使え。 287 00:18:42,154 --> 00:18:44,490 えっ! いけません旦那様! 288 00:18:44,490 --> 00:18:47,660 それなら旦那様が お布団で休んでください。 289 00:18:47,660 --> 00:18:51,330 私だけで ぬくぬくと布団に くるまって寝ろというのか? 290 00:18:51,330 --> 00:18:53,499 そのほうがいいと思います。 291 00:18:53,499 --> 00:18:55,668 冗談はよせ。 292 00:18:55,668 --> 00:18:59,005 旦那様が布団を 使ってくださらないと嫌です。 293 00:18:59,005 --> 00:19:03,609 私も 美世が布団を 使わないのならば眠らない。 294 00:19:12,618 --> 00:19:16,122 《どうして こんなことに…》 295 00:19:16,122 --> 00:19:20,292 眠れないのか。 あっ! はい…。 296 00:19:20,292 --> 00:19:24,797 では 眠れるようになるまで 少し話すか。 297 00:19:24,797 --> 00:19:27,800 わかり ました…。 298 00:19:27,800 --> 00:19:31,804 ここへ来てから 何か困ったことはないか。 299 00:19:31,804 --> 00:19:36,475 いいえ。 皆さん親切に 心を砕いてくださって。 300 00:19:36,475 --> 00:19:39,645 恵まれていると 思うことばかりです。 301 00:19:39,645 --> 00:19:43,649 そうか。 美世は何か聞きたいことはないか。 302 00:19:43,649 --> 00:19:45,818 ええと…。 303 00:19:45,818 --> 00:19:51,157 旦那様は 今までお仕事を つらく感じたことはありますか? 304 00:19:51,157 --> 00:19:55,161 職務自体を つらいと感じた経験はないな。 305 00:19:55,161 --> 00:19:57,163 一度も? 306 00:19:57,163 --> 00:20:00,100 軍務の関係で それなりに 辛苦を感じるときはある。 307 00:20:00,100 --> 00:20:06,839 同僚や部下が傷つき 倒れたときなどは後悔もする。 308 00:20:06,839 --> 00:20:10,843 それでも つらい役目であると 思ったことはない。 309 00:20:10,843 --> 00:20:14,513 そう ですか…。 お前はどうだ。 310 00:20:14,513 --> 00:20:19,852 私の婚約者になって数か月たつが 後悔などしていないか。 311 00:20:19,852 --> 00:20:25,357 フッ… そんな 後悔なんてしていません。 312 00:20:25,357 --> 00:20:28,194 フッ… そうか。 313 00:20:28,194 --> 00:20:31,697 身勝手かもしれないが➡ 314 00:20:31,697 --> 00:20:36,368 もっと聞かせてくれないか お前の言葉を。 315 00:20:36,368 --> 00:20:39,038 ええと…。 316 00:20:39,038 --> 00:20:42,708 だ… 旦那様は…。 んっ? 317 00:20:42,708 --> 00:20:45,878 恋 という感情を…。 318 00:20:45,878 --> 00:20:48,681 覚えたことはありますか? 319 00:20:52,051 --> 00:20:54,720 恋 か…。 320 00:20:54,720 --> 00:20:59,992 これやあれが恋 恋愛などと 確信した覚えはない。 321 00:20:59,992 --> 00:21:02,328 だが 今ならわかる。 322 00:21:02,328 --> 00:21:08,667 私は誰かから向けられる感情にも あえて鈍感でいたのだと…。 323 00:21:08,667 --> 00:21:11,170 恐ろしかったのかもしれない。 324 00:21:11,170 --> 00:21:14,006 真剣に相対することが。 325 00:21:14,006 --> 00:21:19,678 旦那様は そうしてご自身を 守っていたのですね。 326 00:21:19,678 --> 00:21:21,847 美世はどうなのだ。 327 00:21:21,847 --> 00:21:25,684 お前も何かを 恐れているのではないか。 328 00:21:25,684 --> 00:21:27,686 旦那様…? 329 00:21:27,686 --> 00:21:30,689 私は 頼りないか。 あっ! 330 00:21:30,689 --> 00:21:32,691 そんなこと… あっ! 331 00:21:32,691 --> 00:21:35,394 あぁ…! 332 00:21:39,031 --> 00:21:41,534 ハッ! 美世➡ 333 00:21:41,534 --> 00:21:43,702 私は もはや以前とは違う。 334 00:21:43,702 --> 00:21:46,872 もっと多くを手にしたいと 望んでいる。 335 00:21:46,872 --> 00:21:51,544 できるなら もっと深みに はまっていきたいとすら願う。 336 00:21:51,544 --> 00:21:55,047 他でもない お前と…。 337 00:21:59,718 --> 00:22:01,654 もっ 申し訳ありません! 338 00:22:01,654 --> 00:22:06,058 いい。 私は待っているから。 339 00:22:08,494 --> 00:22:11,297 おやすみ 美世。 340 00:22:13,499 --> 00:22:16,802 おやすみなさい…。