1 00:00:04,296 --> 00:00:06,424 (甘水 直(うすい なおし))お初にお目にかかる 2 00:00:06,674 --> 00:00:08,217 久堂(くどう)家当主 3 00:00:08,300 --> 00:00:09,969 薄刃(うすば)家次期当主 4 00:00:10,052 --> 00:00:12,638 それから 我が娘 5 00:00:13,472 --> 00:00:15,975 なんて言ったら仰々しいね 6 00:00:16,058 --> 00:00:17,518 フフフフ… 7 00:00:17,601 --> 00:00:20,312 (久堂清霞(きよか))きさま 甘水直か 8 00:00:20,688 --> 00:00:21,689 (甘水)ええ 9 00:00:22,857 --> 00:00:24,984 フフフ… 10 00:00:28,863 --> 00:00:30,698 美世(みよ) 下がっていろ! 11 00:00:32,658 --> 00:00:34,785 (甘水)イヤだね 物騒だ 12 00:00:35,369 --> 00:00:37,872 今日のところは あいさつをしに来ただけ 13 00:00:37,955 --> 00:00:39,248 (銃を構える音) 14 00:00:39,331 --> 00:00:42,042 (薄刃 新(あらた)) 逃げられると思っているのですか? 15 00:00:43,419 --> 00:00:44,628 あっ! 16 00:00:46,881 --> 00:00:47,923 消えた 17 00:00:48,758 --> 00:00:50,134 油断するな 18 00:00:50,885 --> 00:00:51,886 (甘水)美世 19 00:00:53,929 --> 00:00:55,639 僕の娘 20 00:00:56,056 --> 00:00:59,018 きっとまた 迎えに来るよ 21 00:00:59,435 --> 00:01:00,519 (清霞)美世! 22 00:01:10,946 --> 00:01:12,031 (2人)あっ! 23 00:01:22,208 --> 00:01:23,793 (斎森(さいもり)美世)娘… 24 00:01:26,212 --> 00:01:33,219 ♪~ 25 00:02:46,333 --> 00:02:53,340 ~♪ 26 00:03:00,723 --> 00:03:02,641 (百足山(むかでやま)) 昨日 ヒトフタマルマル— 27 00:03:03,267 --> 00:03:05,394 五道佳斗(ごどう よしと)率いる第一分隊が— 28 00:03:05,477 --> 00:03:08,397 異能心教の拠点を突き止め 突入したところ— 29 00:03:08,480 --> 00:03:10,941 敵が仕掛けたワナにより負傷 30 00:03:11,358 --> 00:03:13,360 五道は全治2か月 31 00:03:13,444 --> 00:03:15,154 ほかにも負傷者が出ました 32 00:03:15,696 --> 00:03:20,492 (清霞)人員補充のため 旧都の第二小隊の隊員が1名入る 33 00:03:20,576 --> 00:03:21,744 陣之内(じんのうち) 34 00:03:22,161 --> 00:03:23,162 (陣之内薫子(かおるこ))はい! 35 00:03:23,454 --> 00:03:25,205 (清霞)陣之内薫子 36 00:03:25,289 --> 00:03:27,207 知っている者も多いだろう 37 00:03:27,291 --> 00:03:30,586 かつては ここの所属で 勝手もよく分かっている 38 00:03:30,669 --> 00:03:33,923 (薫子)五道さんの分も 精いっぱい努めます 39 00:03:34,173 --> 00:03:35,883 よろしくお願いいたします 40 00:03:38,302 --> 00:03:40,679 (清霞)続いて 頼んでいた件だが 41 00:03:40,763 --> 00:03:41,847 (百足山)はい 42 00:03:41,931 --> 00:03:45,184 隊長が 一戦交えたという相手を 調査いたしました 43 00:03:45,434 --> 00:03:47,853 資料は お手元に用意してあります 44 00:03:48,771 --> 00:03:52,107 (ページをめくる音) 45 00:03:52,441 --> 00:03:53,943 (清霞)宝上(ほうじょう)家の者か 46 00:03:54,652 --> 00:03:57,863 異能者は 宮内省にすべて管理されている 47 00:03:57,947 --> 00:04:01,408 その監視をすり抜け 異能心教に加担する 48 00:04:01,492 --> 00:04:03,202 そんなことが可能なのか? 49 00:04:03,452 --> 00:04:05,412 (百足山) 管轄部署に確認したところ— 50 00:04:05,496 --> 00:04:07,957 監視を怠った形跡はありません 51 00:04:08,248 --> 00:04:12,169 しかし 実際に宝上の足取りは 途絶えて久しい 52 00:04:12,252 --> 00:04:15,589 そして それを 誰も疑問に思っていませんでした 53 00:04:15,798 --> 00:04:17,299 (大海渡 征(おおかいと まさし))どういうことだ? 54 00:04:17,383 --> 00:04:19,677 (清霞)甘水の異能が関与している 55 00:04:19,760 --> 00:04:21,720 …と考えるのが妥当でしょう 56 00:04:22,554 --> 00:04:29,103 人の精神や脳内に干渉する 同じ血筋である薄刃と同質の異能だ 57 00:04:29,853 --> 00:04:31,105 (車のドアが閉まった音) 58 00:04:36,276 --> 00:04:39,905 (美世) 建物の中に入るのは初めてね 59 00:04:39,989 --> 00:04:40,990 (ノックする音) 60 00:04:41,281 --> 00:04:42,866 (隊員1)失礼します 61 00:04:48,455 --> 00:04:49,456 (ドアが閉まった音) 62 00:04:49,540 --> 00:04:54,920 さて ここからは参考人として 薄刃家の異能者にも参加してもらう 63 00:04:56,046 --> 00:04:57,464 (隊員2)あれが薄刃の? 64 00:04:57,756 --> 00:04:59,758 (隊員3) 招き入れて大丈夫なのか? 65 00:05:00,050 --> 00:05:02,636 (隊員4)精神干渉されたら どうするんだ 66 00:05:03,262 --> 00:05:04,263 フッ 67 00:05:10,769 --> 00:05:13,939 では 早速 甘水の異能についてだが 68 00:05:14,023 --> 00:05:15,315 薄刃新 69 00:05:15,774 --> 00:05:19,653 彼の異能は 薄刃の中でも非常に強力です 70 00:05:20,154 --> 00:05:24,616 視覚 聴覚 味覚 臭覚 触覚 71 00:05:24,700 --> 00:05:29,538 我々が五感で受け取り 脳内で処理する情報の何もかもを— 72 00:05:29,621 --> 00:05:31,957 あの男は操作できるのです 73 00:05:32,041 --> 00:05:33,292 やろうと思えば— 74 00:05:33,375 --> 00:05:36,754 誰にも気付かれず この場に紛れ込むことだってできる 75 00:05:36,837 --> 00:05:37,921 (隊員たちのどよめき) 76 00:05:38,172 --> 00:05:40,632 (隊員3)相手に気付かれず 毒を盛ることも— 77 00:05:40,716 --> 00:05:44,178 視覚を支配し 幻を見せることも 可能ということだろう 78 00:05:44,636 --> 00:05:46,346 なんと恐ろしい 79 00:05:50,392 --> 00:05:54,188 (新)ただし 条件なしに 力を使えるわけではありません 80 00:05:54,521 --> 00:05:59,109 強力な異能ゆえ 甘水自身にも身体的負荷が高く— 81 00:05:59,193 --> 00:06:02,196 範囲や回数には 限りがあると予測されます 82 00:06:02,529 --> 00:06:03,530 (大海渡)うん 83 00:06:03,614 --> 00:06:05,657 制約があることを踏まえても— 84 00:06:05,741 --> 00:06:10,579 甘水との… 異能心教との戦いは 厳しいものになるだろうな 85 00:06:10,871 --> 00:06:13,040 (清霞)私が交戦した宝上は— 86 00:06:13,123 --> 00:06:18,087 “誰もが異能を持つことができる 新しい世界をつくる”とうたっていた 87 00:06:18,378 --> 00:06:20,589 (大海渡)異形の一部を 人に取り込ませ— 88 00:06:20,672 --> 00:06:24,343 異能を目覚めさせて 一般人を異能者に… 89 00:06:24,426 --> 00:06:26,220 そんな技術があるとはな 90 00:06:26,470 --> 00:06:30,015 彼らの野望を実現する計画の 一環として— 91 00:06:30,099 --> 00:06:34,228 甘水は ここにいる斎森美世を 欲していると私は推測する 92 00:06:34,478 --> 00:06:40,442 斎森美世が持つ“夢見(ゆめみ)の力”は 薄刃のすべてともいえる強力な力です 93 00:06:40,526 --> 00:06:43,487 甘水は彼女の異能を 狙っているのでしょう 94 00:06:43,737 --> 00:06:45,239 (清霞)彼女を守るため— 95 00:06:45,322 --> 00:06:48,408 明日以降も この屯所に 通ってもらうことにした 96 00:06:48,492 --> 00:06:50,327 本人も了承済みだ 97 00:06:50,536 --> 00:06:52,996 よ… よろしくお願いいたします 98 00:06:54,456 --> 00:06:56,291 (清霞)なお 彼女の護衛だが… 99 00:06:56,375 --> 00:06:58,043 (清霞)陣之内 (薫子)はい 100 00:06:58,127 --> 00:06:59,753 (清霞)お前に任せたい 101 00:07:00,379 --> 00:07:01,380 フッ 102 00:07:01,964 --> 00:07:03,257 あ… 103 00:07:05,092 --> 00:07:08,512 (薫子)これから護衛を担当します 陣之内薫子です 104 00:07:08,762 --> 00:07:12,015 (美世)斎森美世です よろしくお願いいたします 105 00:07:13,267 --> 00:07:14,518 有事の際 真っ先に— 106 00:07:14,601 --> 00:07:18,397 異能心教の異能者および甘水と 対峙(たいじ)することになる 107 00:07:18,480 --> 00:07:19,648 頼んだぞ 108 00:07:19,731 --> 00:07:22,025 はい 精いっぱい務めます 109 00:07:24,278 --> 00:07:26,029 (美世)ステキな方 110 00:07:27,072 --> 00:07:29,825 (薫子)まずは 屯所内をご案内しますね 111 00:07:30,325 --> 00:07:34,830 ここが応接室 お客様をお迎えするお部屋です 112 00:07:35,205 --> 00:07:37,040 こちらは事務室で— 113 00:07:37,583 --> 00:07:41,712 一番奥のこちらが 男性用のお手洗いです 114 00:07:41,795 --> 00:07:44,423 隣は男性用の更衣室ですね 115 00:07:45,299 --> 00:07:47,843 あの… 女性用は どちらに? 116 00:07:47,926 --> 00:07:51,221 女性用のお手洗いは 別棟まで行かないとありません 117 00:07:51,305 --> 00:07:52,306 (美世)えっ? 118 00:07:52,389 --> 00:07:56,393 それが この敷地内で唯一の 女性用なんですよ 119 00:07:56,476 --> 00:08:00,439 しかも 来客用だから 気軽に使えないし… 120 00:08:00,522 --> 00:08:02,941 ほんと不便なんです! 121 00:08:03,525 --> 00:08:05,986 プッ! フフフッ 122 00:08:06,445 --> 00:08:07,446 (美世)フフッ 123 00:08:07,821 --> 00:08:11,491 (薫子)あの 私たち 年が近いですよね 124 00:08:11,950 --> 00:08:13,452 私は二十歳なので 125 00:08:13,911 --> 00:08:15,996 (美世)えっ そうなんですか? 126 00:08:16,079 --> 00:08:18,415 ほかにも共通点がありますよ 127 00:08:18,498 --> 00:08:22,169 この年まで まだ未婚だったり 異能者だったり 128 00:08:24,379 --> 00:08:27,174 つまり 何が言いたいかっていうと— 129 00:08:27,716 --> 00:08:29,343 友達になりませんか? 130 00:08:29,593 --> 00:08:31,970 と… 友達ですか? 131 00:08:32,221 --> 00:08:35,891 はい 長い時間を 共に行動するわけですし— 132 00:08:35,974 --> 00:08:38,060 気楽なほうがいいし 133 00:08:38,310 --> 00:08:41,897 それに私 友達少なくて… 134 00:08:41,980 --> 00:08:44,358 あっ 私を助けると思って 135 00:08:53,533 --> 00:08:56,036 私でよければ 136 00:08:59,122 --> 00:09:00,666 ありがとう! 137 00:09:00,874 --> 00:09:02,501 (2人の笑い声) 138 00:09:04,044 --> 00:09:06,421 (薫子)私のことは “薫子”って呼んで 139 00:09:06,505 --> 00:09:09,258 “陣之内”って なんだかいかついし 仰々しいし 140 00:09:09,549 --> 00:09:11,802 (美世)フフフッ はい 141 00:09:11,885 --> 00:09:14,054 (薫子)私は “美世さん”って呼んでいい? 142 00:09:14,137 --> 00:09:16,431 (美世)あ… はい 143 00:09:19,685 --> 00:09:21,186 (薫子)続いてご案内するのは— 144 00:09:21,270 --> 00:09:24,022 給湯室でーす… 145 00:09:24,106 --> 00:09:25,774 (虫の羽音) 146 00:09:26,858 --> 00:09:27,985 (ドアが閉まった音) 147 00:09:28,068 --> 00:09:29,194 (薫子)見ちゃった? 148 00:09:29,695 --> 00:09:32,698 (美世)はい 見えてしまいました 149 00:09:32,781 --> 00:09:35,117 (薫子)軍は男所帯だからね 150 00:09:35,200 --> 00:09:37,536 行き届かないところが多くて 151 00:09:37,619 --> 00:09:41,039 あー 私が ここにいたときからだから… 152 00:09:41,331 --> 00:09:43,375 かなり前から この状態かも 153 00:09:44,876 --> 00:09:47,587 これ以上は見せられないから 次 行こう 154 00:09:47,671 --> 00:09:48,797 (美世)はい 155 00:09:52,050 --> 00:09:54,261 続いては食堂でーす! 156 00:09:54,344 --> 00:09:55,679 (美世)いい匂い 157 00:09:55,762 --> 00:09:58,265 (薫子)ここの料理は すごくおいしいの 158 00:09:58,348 --> 00:10:01,393 旧都の屯所の仕出し弁当も 悪くはないんだけど— 159 00:10:01,601 --> 00:10:03,895 ここの料理と比べるとね 160 00:10:04,354 --> 00:10:06,815 でも ちょっと量が多くって 161 00:10:07,983 --> 00:10:09,985 (美世)もしかして旦那様も— 162 00:10:10,068 --> 00:10:14,281 お弁当より ここのお料理が よかったりするのかしら? 163 00:10:15,282 --> 00:10:17,451 (美世)ん? 薫子さんのほかに— 164 00:10:17,534 --> 00:10:20,495 女性の軍人さんって いらっしゃるんですか? 165 00:10:20,579 --> 00:10:22,372 いいえ 私だけ 166 00:10:22,456 --> 00:10:25,250 普通 女は 軍人になれないんだけどね 167 00:10:25,334 --> 00:10:26,793 異能者は希少だから— 168 00:10:26,877 --> 00:10:29,963 力を見込まれて この部隊に抜擢(ばってき)されたの 169 00:10:30,589 --> 00:10:31,923 (美世)すごい 170 00:10:32,007 --> 00:10:33,425 エヘヘッ 171 00:10:34,384 --> 00:10:36,094 (竹刀で打つ音) 172 00:10:36,762 --> 00:10:37,929 (隊員1)やー! 173 00:10:38,221 --> 00:10:39,931 (隊員2)やー! 174 00:10:40,682 --> 00:10:43,268 (薫子)さあ 最後に案内するのは こちら 175 00:10:43,352 --> 00:10:44,436 道場です 176 00:10:44,519 --> 00:10:46,146 (美世)わあ… 177 00:10:46,229 --> 00:10:50,442 (薫子)私 ここが大好きだから 一番最後に取っておいたんだ 178 00:10:50,942 --> 00:10:53,070 (美世)大好き? (薫子)うん 179 00:10:53,403 --> 00:10:55,614 (薫子)私 実家が道場でね 180 00:10:55,697 --> 00:10:58,325 小さい頃から ずっと入り浸っていたから— 181 00:10:58,408 --> 00:11:00,327 ここが一番 落ち着くの 182 00:11:01,370 --> 00:11:04,331 (百足山)陣之内 来たのか 183 00:11:05,082 --> 00:11:07,709 百足山班長 お疲れさまです 184 00:11:08,126 --> 00:11:09,878 (百足山)隊長の婚約者殿も 185 00:11:09,961 --> 00:11:11,838 ごあいさつが遅れまして 186 00:11:11,922 --> 00:11:14,841 こんにちは 斎森美世と申します 187 00:11:15,133 --> 00:11:18,220 改めまして 班長の百足山です 188 00:11:18,303 --> 00:11:21,640 先ほどは会議に同席いただき ありがとうございました 189 00:11:21,723 --> 00:11:22,766 (美世)いえ 190 00:11:22,849 --> 00:11:25,602 ここへは どのような用向きで? 191 00:11:25,852 --> 00:11:30,565 今 薫子さんに 屯所内を 案内していただいている途中で 192 00:11:30,649 --> 00:11:32,567 ああ そうですか 193 00:11:33,402 --> 00:11:34,528 陣之内 194 00:11:34,945 --> 00:11:37,030 久しぶりに 一本どうだ? 195 00:11:37,406 --> 00:11:39,866 でも私 護衛任務中ですし… 196 00:11:40,158 --> 00:11:43,078 ちょうど稽古をつけてほしい 新人がいたんだ 197 00:11:43,161 --> 00:11:45,372 婚約者殿は俺が見ているから 198 00:11:45,872 --> 00:11:47,124 ですが… 199 00:11:47,541 --> 00:11:49,126 大丈夫ですよ 200 00:11:51,086 --> 00:11:55,424 では お言葉に甘えて 一本だけ 201 00:12:03,640 --> 00:12:04,891 (田中(たなか)・薫子)お願いします 202 00:12:08,520 --> 00:12:10,689 (隊員3)田中 絶対勝てよ! 203 00:12:10,772 --> 00:12:13,567 (隊員4)女に負けたら 一生の恥だぞ! 204 00:12:13,650 --> 00:12:16,027 (隊員たちの笑い声) 205 00:12:16,111 --> 00:12:18,905 (百足山)婚約者殿は どちらが勝つと思いますか? 206 00:12:19,197 --> 00:12:20,198 (竹刀を合わせる音) 207 00:12:20,449 --> 00:12:22,075 (美世)えっと… 208 00:12:25,495 --> 00:12:26,746 (田中)やあー! 209 00:12:28,373 --> 00:12:29,416 はっ! 210 00:12:32,461 --> 00:12:35,130 (美世)薫子さん… でしょうか? 211 00:12:35,213 --> 00:12:36,798 (百足山)まあ そうでしょうな 212 00:12:37,090 --> 00:12:40,010 実力は陣之内が 何枚も うわてです 213 00:12:40,093 --> 00:12:42,095 異能の力も優れている 214 00:12:42,304 --> 00:12:45,056 女でなければ もっと出世できたはずだ 215 00:12:45,140 --> 00:12:46,308 もったいない 216 00:12:47,934 --> 00:12:51,771 軍人は どうしても 体力がものをいう仕事です 217 00:12:51,855 --> 00:12:55,358 女性は どうしたって 足手まといになってしまう 218 00:12:56,193 --> 00:12:58,236 あなたも無関係な話ではないですよ 219 00:12:58,320 --> 00:12:59,321 (美世)え? 220 00:13:00,197 --> 00:13:01,406 女性に対して— 221 00:13:01,490 --> 00:13:05,702 この屯所内をうろうろされると迷惑だ と考える隊員も— 222 00:13:05,785 --> 00:13:08,079 少なからずいるという意味です 223 00:13:08,997 --> 00:13:11,458 ましてや あなたは薄刃の血縁 224 00:13:11,875 --> 00:13:15,462 いわば 異能者でありながら 異能者の敵だ 225 00:13:15,545 --> 00:13:17,881 (美世)ハッ… 敵? 226 00:13:22,052 --> 00:13:24,596 ずっと なんとなく感じていた 227 00:13:25,305 --> 00:13:27,390 ここでは異物なんだわ 228 00:13:27,474 --> 00:13:30,101 私も薫子さんも 229 00:13:31,353 --> 00:13:32,562 (田中)くっ… 230 00:13:32,646 --> 00:13:33,772 たあー! 231 00:13:35,440 --> 00:13:36,566 なっ… 232 00:13:36,650 --> 00:13:40,779 (美世)それでも薫子さんは こんなにも… 233 00:13:43,406 --> 00:13:44,407 フウ… 234 00:13:45,867 --> 00:13:47,452 ありがとうございました 235 00:13:50,956 --> 00:13:52,624 ありがとうございました 236 00:13:52,916 --> 00:13:53,959 (百足山)うん 237 00:13:55,877 --> 00:13:57,754 (美世)薫子さ… (隊員3)男を立てるって常識— 238 00:13:57,837 --> 00:13:59,005 知らねえのか? 239 00:13:59,089 --> 00:14:02,050 (隊員4)やめろって お前も めった打ちにされるぞ 240 00:14:02,133 --> 00:14:04,719 静かにしろ! 訓練に戻れ! 241 00:14:05,053 --> 00:14:06,596 (隊員たち)は… はい! 242 00:14:10,100 --> 00:14:11,810 (息を吐く音) 243 00:14:16,398 --> 00:14:21,820 (美世)周りの目にも 心ない言葉にも負けず立っている 244 00:14:22,529 --> 00:14:25,240 私もこんなふうに いつか— 245 00:14:25,907 --> 00:14:29,119 旦那様と並び立つことが できるかしら? 246 00:14:37,544 --> 00:14:41,256 (ページをめくる音) 247 00:14:44,050 --> 00:14:45,051 (ドアが開く音) 248 00:14:45,135 --> 00:14:47,596 (薄刃義浪(よしろう))甘水直のことか? 249 00:14:47,679 --> 00:14:48,680 (新)はい 250 00:14:48,763 --> 00:14:53,393 彼の異能について 先ほど 軍に資料を提出してきたところです 251 00:14:53,685 --> 00:14:56,354 調べながら ずっと考えていました 252 00:14:58,648 --> 00:15:02,736 堯人(たかいひと)様に薄刃家のあり方を変えるよう 仰せつかってから— 253 00:15:02,819 --> 00:15:07,782 俺が これからの薄刃家を 正しく導こうと努めてきました 254 00:15:10,493 --> 00:15:15,582 でも 俺はまだ 薄刃家のことを何も知らない 255 00:15:15,665 --> 00:15:18,627 祖父君(おじぎみ) 彼は何者なのですか? 256 00:15:19,252 --> 00:15:23,715 まさか このような形で やつの名を聞くとはな 257 00:15:24,007 --> 00:15:26,926 お前は 直接 会ったこともないだろう 258 00:15:27,385 --> 00:15:29,721 お前が物心ついた頃には— 259 00:15:29,804 --> 00:15:33,183 もう甘水直は 薄刃家を出ていたからな 260 00:15:33,266 --> 00:15:37,270 (セミの鳴き声) 261 00:15:37,479 --> 00:15:42,233 (義浪)直は暴力的で 手がつけられない子どもだった 262 00:15:42,442 --> 00:15:48,198 異能の力は 子どもながら 一族の中でも群を抜いていた 263 00:15:49,074 --> 00:15:52,202 誰も信じず 何者にも従わない 264 00:15:52,535 --> 00:15:56,206 それゆえ 直は腫れ物扱いだった 265 00:15:56,998 --> 00:16:00,669 わしも うまく扱えていなかった 266 00:16:10,595 --> 00:16:11,846 (近づく足音) 267 00:16:12,555 --> 00:16:13,723 (甘水)あっ! 268 00:16:16,810 --> 00:16:17,852 ん… 269 00:16:18,228 --> 00:16:23,566 (義浪)そんな中で 直が唯一 心を許していたのは澄美(すみ) 270 00:16:23,650 --> 00:16:26,152 わしの娘だけだった 271 00:16:27,654 --> 00:16:28,863 澄美さん? 272 00:16:29,197 --> 00:16:32,534 ああ やつは澄美に懐いていたのだ 273 00:16:32,617 --> 00:16:36,079 護衛のように そばを離れなかった 274 00:16:36,371 --> 00:16:41,334 澄美なら もう少しは 直のことを語れただろうが 275 00:16:44,379 --> 00:16:46,548 (美世)それで 大きな道場や— 276 00:16:46,631 --> 00:16:48,925 演習場を案内していただいて 277 00:16:49,008 --> 00:16:50,802 食堂にも行きました 278 00:16:50,885 --> 00:16:51,886 そうか 279 00:16:52,137 --> 00:16:56,391 その中でも食堂のお食事が おいしいってお話を聞いて… 280 00:16:56,474 --> 00:16:59,394 あっ 私 もしかして— 281 00:16:59,477 --> 00:17:02,021 お弁当を作らないほうが いいですか? 282 00:17:02,397 --> 00:17:03,898 な… なぜ? 283 00:17:04,399 --> 00:17:07,485 えっと それは… 284 00:17:08,570 --> 00:17:11,990 あの 食堂のお食事は 出来たてで… 285 00:17:12,073 --> 00:17:13,199 それで? 286 00:17:13,283 --> 00:17:16,745 えっと 量も多くて… 287 00:17:17,120 --> 00:17:20,373 旦那様も お弁当よりそっちのほうが… 288 00:17:20,457 --> 00:17:21,583 ありえない 289 00:17:21,666 --> 00:17:23,543 (美世)あ… ありえないのですか? 290 00:17:23,752 --> 00:17:24,961 ありえない 291 00:17:26,129 --> 00:17:30,175 美世 私はお前の弁当を 食べたくて食べている 292 00:17:30,633 --> 00:17:32,302 作るのが負担だとか— 293 00:17:32,385 --> 00:17:35,638 作りたくなくなったなら やめてもかまわないが— 294 00:17:35,722 --> 00:17:38,141 できれば 今後も作ってほしい 295 00:17:38,224 --> 00:17:39,476 は… はい 296 00:17:39,559 --> 00:17:42,061 これからも お弁当 作らせてください 297 00:17:43,813 --> 00:17:44,814 ああ 298 00:17:50,612 --> 00:17:54,449 すっかり冷えてしまったな 寒くはないか? 299 00:17:54,783 --> 00:17:56,075 大丈夫です 300 00:17:59,120 --> 00:18:01,831 あ… 見てください 旦那様 301 00:18:02,123 --> 00:18:04,250 月がとってもきれい 302 00:18:04,334 --> 00:18:05,335 (清霞)ああ 303 00:18:11,466 --> 00:18:13,843 (久堂正清(ただきよ))異能心教か 304 00:18:14,135 --> 00:18:15,303 (清霞)ああ 305 00:18:15,386 --> 00:18:18,389 いつ この家も 危険にさらされるか分からない 306 00:18:24,604 --> 00:18:28,525 いざとなったら 美世のことを頼むかもしれない 307 00:18:31,069 --> 00:18:34,989 (正清)清霞が そんなことを 僕に頼んでくる日が来ようとはね 308 00:18:35,323 --> 00:18:36,407 悪いか 309 00:18:36,491 --> 00:18:37,492 (正清)いいや 310 00:18:37,826 --> 00:18:42,288 ただ 美世さんを 本当に愛しているんだなと思って 311 00:18:46,835 --> 00:18:49,671 (清霞)これが愛だとしたら— 312 00:18:49,754 --> 00:18:51,631 やっかいなものだな 313 00:19:07,522 --> 00:19:09,023 (薄刃澄美)コラ 直君 314 00:19:09,315 --> 00:19:11,025 (澄美)また ケンカをしたんですって? 315 00:19:11,276 --> 00:19:13,236 (甘水)フフフフッ 316 00:19:13,319 --> 00:19:15,947 先に手を出してきたのは 向こうだよ 317 00:19:16,030 --> 00:19:17,407 正当防衛だ 318 00:19:17,699 --> 00:19:21,995 過剰防衛の間違いでしょう 相手は入院したのよ 319 00:19:22,078 --> 00:19:24,581 (甘水の笑い声) 320 00:19:24,664 --> 00:19:26,666 甘水直? 321 00:19:26,749 --> 00:19:28,918 (甘水)次から気をつけるよ 322 00:19:30,086 --> 00:19:31,170 (澄美)なあに? 323 00:19:31,504 --> 00:19:34,382 もしかしたら 僕もケガをしたかも 324 00:19:34,465 --> 00:19:35,675 立てそうにないや 325 00:19:36,342 --> 00:19:37,719 手を貸して 326 00:19:40,138 --> 00:19:41,306 (ため息) 327 00:19:41,389 --> 00:19:43,057 (澄美)ウソつきね 328 00:19:49,606 --> 00:19:52,025 (美世)なぜ こんな夢を… 329 00:19:52,609 --> 00:19:55,194 未熟な自分がもどかしい 330 00:19:55,278 --> 00:20:00,241 夢で未来を見ることも 精神に介入することもできるって— 331 00:20:00,325 --> 00:20:02,619 新さんは言っていたけれど… 332 00:20:02,702 --> 00:20:06,915 私はまだ この力のことを 何も分かっていない 333 00:20:07,790 --> 00:20:10,710 甘水直の夢を見たところで— 334 00:20:10,793 --> 00:20:15,298 今は まだ 旦那様のお役には立てない 335 00:20:15,381 --> 00:20:20,511 それでも私は 何か旦那様のお役に立ちたい 336 00:20:21,846 --> 00:20:23,181 (虫の羽音) 337 00:20:23,264 --> 00:20:25,016 (美世)まずは お掃除ね 338 00:20:28,853 --> 00:20:32,565 とはいっても 何から片づければ… 339 00:20:33,775 --> 00:20:36,569 (薫子)ほんと 何から片づけようか? 340 00:20:37,236 --> 00:20:40,156 あの… すみません 巻き込んでしまって 341 00:20:40,657 --> 00:20:44,452 保護していただくといっても 何かお役に立ちたいのです 342 00:20:44,661 --> 00:20:47,622 じっとしているだけでは 申し訳ないですし… 343 00:20:47,705 --> 00:20:48,915 (薫子)ううん 344 00:20:49,207 --> 00:20:53,670 隊長の許可も取ったことだし 私も ここを掃除したかったの 345 00:20:54,003 --> 00:20:55,672 さあ 一緒にやろう! 346 00:20:55,755 --> 00:20:56,839 はい 347 00:20:58,758 --> 00:21:00,051 (辰石一志(たついし かずし))というわけで— 348 00:21:00,301 --> 00:21:03,721 美世さんは保護のため 屯所に通うことになったらしい 349 00:21:03,805 --> 00:21:05,223 (五道佳斗)そうか 350 00:21:05,848 --> 00:21:10,812 あーあ 美世さんが屯所にいるんなら 俺が護衛したかったな 351 00:21:11,020 --> 00:21:13,314 じゃあ さっさとケガを治しなよ 352 00:21:13,398 --> 00:21:16,150 僕まで駆り出されたりしたら迷惑だ 353 00:21:16,234 --> 00:21:17,568 (五道)しかたないだろ 354 00:21:17,860 --> 00:21:20,321 ワナにかかったのは 不覚だったけど… 355 00:21:20,405 --> 00:21:22,240 もう治ったも同然だ 356 00:21:22,323 --> 00:21:24,784 お前の手なんて 頼まれても借りないからな 357 00:21:24,867 --> 00:21:26,703 (一志)ふ~ん 358 00:21:26,786 --> 00:21:27,996 痛っ! 359 00:21:28,663 --> 00:21:31,082 お前 もうちょっと ねぎらえよ! 360 00:21:31,499 --> 00:21:33,334 治ったも同然なんでしょ? 361 00:21:35,169 --> 00:21:36,337 ああ そうだよ! 362 00:21:36,671 --> 00:21:40,299 俺は とっとと退院して 美世さんの護衛を務めるんだ 363 00:21:40,383 --> 00:21:43,761 (一志)そのことだけど 残念ながら必要ないよ 364 00:21:43,845 --> 00:21:46,264 もう女性の護衛が ついているみたい 365 00:21:46,347 --> 00:21:47,348 (五道)女性? 366 00:21:47,598 --> 00:21:50,268 うん 旧都から来た隊員で— 367 00:21:50,351 --> 00:21:53,980 たしか陣之内薫子っていう… 368 00:21:54,230 --> 00:21:55,231 えっ? 369 00:21:55,732 --> 00:21:57,692 イテテテ… 370 00:21:58,359 --> 00:22:00,194 陣之内って 371 00:22:00,278 --> 00:22:01,487 何さ? 372 00:22:01,779 --> 00:22:02,989 だって— 373 00:22:03,990 --> 00:22:05,533 あいつは… 374 00:22:10,955 --> 00:22:17,962 ♪~ 375 00:23:31,953 --> 00:23:38,960 ~♪