1 00:00:13,290 --> 00:00:15,793 《美世:きれいな人》 2 00:00:15,793 --> 00:00:18,128 (清霞)お前が新しい婚約者か。 3 00:00:18,128 --> 00:00:20,130 はい。 4 00:00:20,130 --> 00:00:24,468 いいか ここでは 私の言うことには絶対に従え。 5 00:00:24,468 --> 00:00:27,471 私が出て行けと言ったら出て行け。 6 00:00:27,471 --> 00:00:29,473 死ねと言ったら死ね。 7 00:00:29,473 --> 00:00:31,475 文句や反論は聞かん。 8 00:00:31,475 --> 00:00:33,477 かしこまりました。 9 00:00:33,477 --> 00:00:37,377 はっ? 他には何かございますでしょうか。 10 00:00:39,316 --> 00:00:42,987 よろしくお願いいたします。 11 00:00:42,987 --> 00:00:46,824 <久堂清霞様との新たな生活は 12 00:00:46,824 --> 00:00:50,324 こうして 静かに幕を開けたのでした> 13 00:02:38,302 --> 00:02:40,471 (ゆり江)美世様は こちらのお部屋を 14 00:02:40,471 --> 00:02:42,471 お使いくださいませ。 15 00:02:46,643 --> 00:02:49,146 お気遣い ありがとうございます。 16 00:02:49,146 --> 00:02:51,315 美世様。 はい。 17 00:02:51,315 --> 00:02:53,317 坊ちゃんは いろいろと 18 00:02:53,317 --> 00:02:56,153 よくないウワサが あるようですけれど 19 00:02:56,153 --> 00:02:59,490 本当は お優しい方なのですよ。 20 00:02:59,490 --> 00:03:03,660 んっ? それでは ゆり江は これにて失礼いたします。 21 00:03:03,660 --> 00:03:06,460 はい ありがとうございます。 22 00:03:13,103 --> 00:03:15,606 《上等なお布団。 23 00:03:15,606 --> 00:03:19,610 もっと ののしられたり さげすまれるかと思った。 24 00:03:19,610 --> 00:03:23,110 いきなり追い出されることも 覚悟していたのに》 25 00:03:26,617 --> 00:03:30,787 《きっと 旦那様は 私が斎森家の娘だから 26 00:03:30,787 --> 00:03:33,787 異能を持っていると 思っているはず》 27 00:03:37,961 --> 00:03:39,961 《だとしたら…》 28 00:03:45,969 --> 00:03:48,305 真一:これより 2人に見鬼の才が 29 00:03:48,305 --> 00:03:50,807 あるか否かを確かめる。 30 00:03:50,807 --> 00:03:54,978 美世 香耶 感覚を研ぎ澄ませなさい。 31 00:03:54,978 --> 00:03:58,482 (2人)はい。 32 00:03:58,482 --> 00:04:00,682 では 開けるぞ。 33 00:04:03,320 --> 00:04:05,322 (2人)んっ。 34 00:04:05,322 --> 00:04:08,158 (足音) 35 00:04:08,158 --> 00:04:11,094 (香耶)はっ! 36 00:04:11,094 --> 00:04:13,394 うっ 来ないで。 えっ? 37 00:04:18,268 --> 00:04:21,104 きゃ~! (真一)香耶! 38 00:04:21,104 --> 00:04:25,108 いや! こっちに来ないで! 39 00:04:25,108 --> 00:04:28,779 異形が見えたということは 見鬼の才があるということ! 40 00:04:28,779 --> 00:04:31,782 お前はいずれ 異能にも目覚めるはずだ。 41 00:04:31,782 --> 00:04:33,784 よくやった 香耶! 42 00:04:33,784 --> 00:04:35,784 いのう? 43 00:04:40,624 --> 00:04:44,628 キャハハッ! (香乃子)まあ ウフフッ。 44 00:04:44,628 --> 00:04:47,631 あれから 更に見えるようになったのか。 45 00:04:47,631 --> 00:04:50,801 (香耶)昨日 ちょっとだけ 式も動かせたんだよ。 46 00:04:50,801 --> 00:04:52,803 香耶えらいでしょ! (香乃子)さすが 47 00:04:52,803 --> 00:04:55,806 真一さんとわたくしの娘だわ。 48 00:04:55,806 --> 00:04:58,475 いつまでたっても 見鬼のけの字も現れない 49 00:04:58,475 --> 00:05:00,978 ごくつぶしとは大違いね。 50 00:05:00,978 --> 00:05:02,980 はっ。 51 00:05:02,980 --> 00:05:05,983 (花)美世様 きっと大丈夫ですよ。 52 00:05:05,983 --> 00:05:08,485 私ね 知ってるの。 53 00:05:08,485 --> 00:05:12,923 みんながひどいウワサしてるの。 54 00:05:12,923 --> 00:05:14,925 アハハハッ! 55 00:05:14,925 --> 00:05:19,096 異能がない私は 役立たず。 56 00:05:19,096 --> 00:05:21,098 (花)美世様…。 57 00:05:21,098 --> 00:05:24,601 きっと私 あのお母様の桜の木のように 58 00:05:24,601 --> 00:05:27,101 いらない子 なのよね 59 00:05:32,776 --> 00:05:35,445 はっ。 60 00:05:35,445 --> 00:05:37,948 夢…。 61 00:05:37,948 --> 00:05:43,120 《ああ もうあの家ではないのだった。 62 00:05:43,120 --> 00:05:46,623 この家では ちゃんと役に立たないと》 63 00:05:46,623 --> 00:05:49,123 あっ。 (おなかの音) 64 00:05:54,298 --> 00:05:56,798 あら? いい匂い。 65 00:06:02,973 --> 00:06:05,475 いい感じ。 美世様? 66 00:06:05,475 --> 00:06:08,812 あっ ゆり江さん お おはようございます。 67 00:06:08,812 --> 00:06:11,248 おはようございます 美世様。 68 00:06:11,248 --> 00:06:13,250 お越しになられて早々 69 00:06:13,250 --> 00:06:16,920 こんな朝早くから 食事の準備だなんて。 70 00:06:16,920 --> 00:06:20,257 あの 勝手をして申し訳ありません。 71 00:06:20,257 --> 00:06:23,093 勝手だなんて めっそうもありませんよ。 72 00:06:23,093 --> 00:06:26,293 美世様は 坊ちゃんの婚約者ですもの。 73 00:06:29,099 --> 00:06:31,101 (ゆり江)あら おいしそう! 74 00:06:31,101 --> 00:06:34,104 これは きっと坊ちゃんも喜びますわ。 75 00:06:34,104 --> 00:06:37,441 お食事の支度は このゆり江の仕事なのですが 76 00:06:37,441 --> 00:06:41,278 見てのとおり もうこんな しわくちゃの婆ですから。 77 00:06:41,278 --> 00:06:45,449 お手伝いをしていただけて 本当に助かりましたよ。 78 00:06:45,449 --> 00:06:47,451 い いえ。 79 00:06:47,451 --> 00:06:50,954 さぁさ 坊ちゃんが起きるまでは まだ時間がありますからね。 80 00:06:50,954 --> 00:06:53,123 ほかのこともやっておきましょう。 81 00:06:53,123 --> 00:06:56,126 (ゆり江)美世様 ここは お任せしてよろしいですか? 82 00:06:56,126 --> 00:06:58,926 はい 私でよろしければ。 83 00:07:06,136 --> 00:07:09,906 (ゆり江)おはようございます 坊ちゃん。 84 00:07:09,906 --> 00:07:11,908 おはよう。 85 00:07:11,908 --> 00:07:16,413 ゆり江 人前で 坊ちゃんと呼ぶのはやめろ。 86 00:07:16,413 --> 00:07:19,583 おはようございます 旦那様。 87 00:07:19,583 --> 00:07:22,419 坊ちゃん 今朝は美世様が 88 00:07:22,419 --> 00:07:24,921 お料理をしてくださったんですよ。 89 00:07:24,921 --> 00:07:26,923 そうか。 (ゆり江)ええ! 90 00:07:26,923 --> 00:07:30,761 それはもう手際もよくて とても助かりました。 91 00:07:30,761 --> 00:07:33,561 ここに座れ。 は はい。 92 00:07:37,934 --> 00:07:39,936 お前 先に食べてみろ。 93 00:07:39,936 --> 00:07:42,439 えっ。 食べられないのか? 94 00:07:42,439 --> 00:07:45,942 あ あの…。 毒でも盛ったか。 95 00:07:45,942 --> 00:07:47,944 わかりやすいことだ。 96 00:07:47,944 --> 00:07:49,946 え…。 毒!? 97 00:07:49,946 --> 00:07:53,450 こんな 何が入っているかも わからないものは食えん。 98 00:07:53,450 --> 00:07:55,452 片づけておけ。 99 00:07:55,452 --> 00:07:57,454 次はもっとうまくやることだ。 100 00:07:57,454 --> 00:08:01,958 (ゆり江)ちょっと 坊ちゃん! 坊ちゃん! 101 00:08:01,958 --> 00:08:04,961 < よかれと思って取った行動は 102 00:08:04,961 --> 00:08:09,661 予期せず大きな失敗を 招いてしまったのでした> 103 00:08:14,237 --> 00:08:17,741 諸君を 対異特殊部隊に歓迎する。 104 00:08:17,741 --> 00:08:20,911 厳しい鍛錬によって 異能の力を磨き 105 00:08:20,911 --> 00:08:23,246 その技を高めていってほしい。 106 00:08:23,246 --> 00:08:28,084 (五道)異能とは 魂に宿りし潜在的な力である。 107 00:08:28,084 --> 00:08:31,254 念動力 発火能力 透視能力。 108 00:08:31,254 --> 00:08:34,090 いかなる異能も 決してこの世のことわりから 109 00:08:34,090 --> 00:08:36,092 外れたものではない。 110 00:08:36,092 --> 00:08:38,929 魂の力が具現化するのだ。 111 00:08:38,929 --> 00:08:44,100 そしてこの国には 古来より異形が住みついている。 112 00:08:44,100 --> 00:08:47,771 鬼や妖とも呼ばれ 人に害をなしてきた存在だ。 113 00:08:47,771 --> 00:08:49,773 もし異形が出現したとき 114 00:08:49,773 --> 00:08:53,109 その脅威に対抗できる 唯一無二の力こそ 115 00:08:53,109 --> 00:08:55,278 異能なのである! 116 00:08:55,278 --> 00:08:57,781 肝心の異形はどこにいるんだ。 117 00:08:57,781 --> 00:08:59,783 どれだけ備えたところで 118 00:08:59,783 --> 00:09:03,119 出動がないんじゃな。 119 00:09:03,119 --> 00:09:05,622 (五道)ゆえに 我々はいついかなる時も 120 00:09:05,622 --> 00:09:07,922 異形の出現に備えて…。 121 00:09:10,060 --> 00:09:12,395 (隊員たち)うおっ! 122 00:09:12,395 --> 00:09:15,398 (隊員たち)あ…。 123 00:09:15,398 --> 00:09:17,734 (隊員たち)んっ! 時代の流れとともに 124 00:09:17,734 --> 00:09:19,903 異形は数を減らし 125 00:09:19,903 --> 00:09:22,739 今や異形討伐の出動もわずかだ。 126 00:09:22,739 --> 00:09:26,243 だからこそ いざ事案が発生したときには 127 00:09:26,243 --> 00:09:29,246 大きな被害と混乱が予想される。 128 00:09:29,246 --> 00:09:32,249 諸君には 先陣を切って異形と戦う 129 00:09:32,249 --> 00:09:34,251 強い覚悟を期待する。 130 00:09:34,251 --> 00:09:36,920 (隊員たち)はっ! 131 00:09:36,920 --> 00:09:39,923 入れ。 (ノック) 132 00:09:39,923 --> 00:09:43,123 隊長 頼まれた書類 持ってきましたよ~。 133 00:09:45,095 --> 00:09:48,932 先ほどの新人訓練 やけに気合いが入ってましたねぇ。 134 00:09:48,932 --> 00:09:52,769 あら? 今日は機嫌が悪いのかな。 135 00:09:52,769 --> 00:09:57,274 聞こえます? お~い 久堂隊長。 136 00:09:57,274 --> 00:09:59,442 おやおや? もしかして 137 00:09:59,442 --> 00:10:01,945 また婚約者に 逃げられでもしましたか? 138 00:10:01,945 --> 00:10:04,614 くだらんことを言ってないで さっさと出ていけ。 139 00:10:04,614 --> 00:10:06,616 あれ 図星ですか? 140 00:10:06,616 --> 00:10:08,618 焼かれたいのか? おっと。 141 00:10:08,618 --> 00:10:11,788 今日は特段 虫の居所がお悪いようで。 142 00:10:11,788 --> 00:10:14,088 それでは自分はこれにて。 143 00:10:16,459 --> 00:10:18,461 (ドアの開閉音) 144 00:10:18,461 --> 00:10:20,463 はぁ。 145 00:10:20,463 --> 00:10:22,632 ゆり江:坊ちゃん 聞いてらっしゃいますか? 146 00:10:22,632 --> 00:10:25,135 ああ 聞いている。 147 00:10:25,135 --> 00:10:28,305 何もあんな言い方することは ないでしょうに。 148 00:10:28,305 --> 00:10:32,475 美世様は 一生懸命お食事の用意を なさっておいででした。 149 00:10:32,475 --> 00:10:35,475 毒など入れるような方には 思えません 150 00:10:37,647 --> 00:10:40,647 《ゆり江が あそこまで言うのは珍しい》 151 00:10:42,819 --> 00:10:45,989 まったく ほかのことを考えるなど。 152 00:10:45,989 --> 00:10:47,989 我ながら たるんでいるな。 153 00:10:51,995 --> 00:10:56,333 《ここに来て早々に 失敗してしまうだなんて。 154 00:10:56,333 --> 00:10:59,169 旦那様がウワサどおりの人ならば 155 00:10:59,169 --> 00:11:03,006 もう この家には いられないかもしれない》 156 00:11:03,006 --> 00:11:06,009 (真一)幸次くんの部屋を 用意しておいた。 157 00:11:06,009 --> 00:11:08,511 今日から自由に使いなさい。 158 00:11:08,511 --> 00:11:10,447 (幸次)ありがとうございます。 159 00:11:10,447 --> 00:11:13,617 婿入りの準備も 始めなければいけないだろう? 160 00:11:13,617 --> 00:11:15,619 これから忙しくなると思うが 161 00:11:15,619 --> 00:11:17,621 よろしく頼んだぞ。 162 00:11:17,621 --> 00:11:19,623 はい。 163 00:11:19,623 --> 00:11:22,459 こちらのお荷物 どちらに持っていきましょう? 164 00:11:22,459 --> 00:11:25,128 (香耶)お姉様の部屋に 持って行ってちょうだい。 165 00:11:25,128 --> 00:11:27,797 こんばんは 香耶。 166 00:11:27,797 --> 00:11:29,799 あら 幸次さんじゃない。 167 00:11:29,799 --> 00:11:33,136 その荷物 よければ僕が持っていきますよ。 168 00:11:33,136 --> 00:11:36,306 重いでしょうし。 お姉様以外の使用人にも 169 00:11:36,306 --> 00:11:39,809 優しいだなんて さすが幸次さんね。 170 00:11:39,809 --> 00:11:41,909 フッ…。 171 00:11:46,316 --> 00:11:49,819 こんなところで 美世は。 172 00:11:49,819 --> 00:11:51,821 《もし久堂家に追い出され 173 00:11:51,821 --> 00:11:54,824 美世が路頭に 迷うようなことがあれば 174 00:11:54,824 --> 00:11:57,827 その時は僕が 美世の居場所にならなければ》 175 00:11:57,827 --> 00:12:00,330 (香耶)ちょっと幸次さん。 んっ。 176 00:12:00,330 --> 00:12:02,499 (香耶)これも お願いしていいかしら? 177 00:12:02,499 --> 00:12:06,503 はぁ… ああ すぐに行くよ。 178 00:12:06,503 --> 00:12:09,903 《僕にしか できないこともあるはずだ》 179 00:12:12,275 --> 00:12:15,445 おかえりなさいませ 旦那様。 180 00:12:15,445 --> 00:12:18,615 あの…。 なんだ? 181 00:12:18,615 --> 00:12:21,451 今朝は申し訳ありませんでした。 182 00:12:21,451 --> 00:12:23,620 出過ぎたまねをしてしまい…。 183 00:12:23,620 --> 00:12:25,955 旦那様のお立場であれば 184 00:12:25,955 --> 00:12:30,960 信用できない者の料理など 口にできるはずもないと 185 00:12:30,960 --> 00:12:34,297 少し考えれば わかることでした。 186 00:12:34,297 --> 00:12:38,468 夕食はすべて ゆり江さんが 作っていかれたものを 187 00:12:38,468 --> 00:12:40,470 そのままご用意しています。 188 00:12:40,470 --> 00:12:44,974 誓って毒など入れておりません。 どうか…。 189 00:12:44,974 --> 00:12:47,977 別にお前を 本気で疑ったわけではない。 190 00:12:47,977 --> 00:12:51,314 見知らぬ者の飯を 食う気にはならなかっただけだ。 191 00:12:51,314 --> 00:12:54,114 本当に申し訳ありませんでした。 192 00:13:07,497 --> 00:13:09,933 冷えているな。 193 00:13:09,933 --> 00:13:11,935 申し訳ありません。 194 00:13:11,935 --> 00:13:14,104 今のは謝るところではない。 195 00:13:14,104 --> 00:13:17,440 お前は息をするように謝るのだな。 196 00:13:17,440 --> 00:13:19,609 なぜだ? 197 00:13:19,609 --> 00:13:21,611 言わないか。 申し訳…。 198 00:13:21,611 --> 00:13:23,613 謝るな。 はっ。 199 00:13:23,613 --> 00:13:25,949 謝罪はしすぎると軽くなる。 200 00:13:25,949 --> 00:13:28,952 食事は お前はもうとったのか? 201 00:13:28,952 --> 00:13:31,788 え えっと 私は…。 202 00:13:31,788 --> 00:13:34,290 なぜ自分の分を用意しない? 203 00:13:34,290 --> 00:13:36,292 ゆり江はもう帰ったのだろう? 204 00:13:36,292 --> 00:13:40,630 はい。 ゆり江はお前の食事を 用意しなかったのか? 205 00:13:40,630 --> 00:13:42,632 ち 違うんです! 206 00:13:42,632 --> 00:13:44,968 あの 食欲がなくて。 207 00:13:44,968 --> 00:13:47,470 私がゆり江さんに いらないと言ったのです。 208 00:13:47,470 --> 00:13:49,472 具合でも悪いのか? 209 00:13:49,472 --> 00:13:51,872 いえ 大したことでは…。 210 00:13:53,810 --> 00:13:56,980 まあ いいだろう。 211 00:13:56,980 --> 00:13:59,149 ごちそうさま。 212 00:13:59,149 --> 00:14:01,484 あ あの お風呂をすぐに沸かして…。 213 00:14:01,484 --> 00:14:04,487 自分でやる。 ですが…。 214 00:14:04,487 --> 00:14:06,489 今までも自分でやっていた。 215 00:14:06,489 --> 00:14:09,325 わざわざ火をおこして 湯を沸かすよりも 216 00:14:09,325 --> 00:14:11,427 私が異能を使って 沸かしたほうが 217 00:14:11,427 --> 00:14:13,763 手っとり早いからな。 218 00:14:13,763 --> 00:14:16,263 あまり余計なことはしなくていい。 219 00:14:18,601 --> 00:14:20,603 《異能がない私は 220 00:14:20,603 --> 00:14:24,274 この家では お風呂すら沸かせないのね。 221 00:14:24,274 --> 00:14:28,274 私は なんの役にも 立てない》 222 00:14:33,783 --> 00:14:35,785 少しいいか。 223 00:14:35,785 --> 00:14:39,455 は はい! 224 00:14:39,455 --> 00:14:42,458 今朝は 食べずに残して悪かった。 225 00:14:42,458 --> 00:14:45,295 えっ。 明朝 226 00:14:45,295 --> 00:14:47,964 ゆり江は少しばかり遅れるらしい。 227 00:14:47,964 --> 00:14:49,966 明日の朝食は頼む。 228 00:14:49,966 --> 00:14:51,968 はっ わ 私なんかが…。 229 00:14:51,968 --> 00:14:55,972 無論 本当に毒を入れるならば 容赦しないが。 230 00:14:55,972 --> 00:14:58,975 め めっそうもございません! 231 00:14:58,975 --> 00:15:00,977 ならば 問題ないな? 232 00:15:00,977 --> 00:15:03,479 は はい! 風呂はまだ熱い。 233 00:15:03,479 --> 00:15:05,982 冷める前にさっさと入ってしまえ。 234 00:15:05,982 --> 00:15:08,151 あ あの…。 235 00:15:08,151 --> 00:15:11,951 ありがとう ございます…。 236 00:15:14,424 --> 00:15:17,927 《お礼 ちゃんと言えなかった》 237 00:15:17,927 --> 00:15:19,929 坊ちゃんは いろいろと 238 00:15:19,929 --> 00:15:22,265 よくないウワサが あるようですけれど 239 00:15:22,265 --> 00:15:26,102 本当はお優しい方なのですよ 240 00:15:26,102 --> 00:15:29,802 《旦那様から せっかくいただけた機会》 241 00:15:31,774 --> 00:15:35,945 《明日は絶対に失敗できない》 242 00:15:35,945 --> 00:15:37,947 花! 243 00:15:37,947 --> 00:15:39,949 花! 244 00:15:39,949 --> 00:15:41,951 美世お嬢様 どうなさいました? 245 00:15:41,951 --> 00:15:44,120 ないの! お母様の形見も 246 00:15:44,120 --> 00:15:46,956 お母様の桜色の着物も全部! 247 00:15:46,956 --> 00:15:49,459 そんな いったいどうして? 248 00:15:49,459 --> 00:15:52,462 きっと香乃子さんよ! 私 お母様の形見 249 00:15:52,462 --> 00:15:54,464 返してもらいに行ってくるわ! 250 00:15:54,464 --> 00:15:57,634 そんな! お嬢様が お一人で行ったら何をされるか! 251 00:15:57,634 --> 00:16:01,971 大丈夫! いざとなったら お父様に言うから。 252 00:16:01,971 --> 00:16:05,642 きゃ! 253 00:16:05,642 --> 00:16:09,312 ほんと あの泥棒猫の娘なだけあるわね。 254 00:16:09,312 --> 00:16:11,748 人を盗人呼ばわりだなんて 255 00:16:11,748 --> 00:16:14,248 性根が腐っているにも ほどがあるわ。 256 00:16:16,252 --> 00:16:19,923 こんなもの まだ持っていたのね。 257 00:16:19,923 --> 00:16:22,759 やめて! それはお母様の…。 258 00:16:22,759 --> 00:16:25,428 ふんっ! 259 00:16:25,428 --> 00:16:27,430 はっ。 反省するまで 260 00:16:27,430 --> 00:16:30,934 わたくしの前に 姿を見せないでもらえるかしら。 261 00:16:30,934 --> 00:16:32,934 (香乃子)閉めてちょうだい。 262 00:16:34,938 --> 00:16:38,441 い いやっ 出して! 誰か! 263 00:16:38,441 --> 00:16:40,777 お父様! お父様! 264 00:16:40,777 --> 00:16:43,446 (花)奥様 ご主人様! おやめくださいませ! 265 00:16:43,446 --> 00:16:47,283 お黙り! 使用人の分際で何様のつもり!? 266 00:16:47,283 --> 00:16:49,452 (花)これではあまりに美世様が! 花…。 267 00:16:49,452 --> 00:16:51,454 (香乃子)あなた わたくしに盾ついて 268 00:16:51,454 --> 00:16:53,456 どうなるか わかっているんでしょうね!? 269 00:16:53,456 --> 00:16:58,628 出して 誰か 助けて 270 00:16:58,628 --> 00:17:00,964 はっ。 271 00:17:00,964 --> 00:17:03,964 また 嫌な夢。 272 00:17:06,636 --> 00:17:10,406 《花は今 どうしているんだろう。 273 00:17:10,406 --> 00:17:14,744 あの日をきっかけに 花が解雇されてしまってからは 274 00:17:14,744 --> 00:17:17,044 一度も会えていない》 275 00:17:19,082 --> 00:17:21,882 《どうか 幸せになっていてほしい》 276 00:17:27,924 --> 00:17:32,428 あ… これも寿命ね。 277 00:17:32,428 --> 00:17:34,628 (米をとぐ音) 278 00:17:37,266 --> 00:17:39,936 はっ。 あら 美世様。 279 00:17:39,936 --> 00:17:43,106 おはようございます。 ゆり江さん? 280 00:17:43,106 --> 00:17:45,775 (ゆり江)本日も ずいぶん早起きですのね。 281 00:17:45,775 --> 00:17:49,779 はい あの 今日は遅れるんじゃ…。 282 00:17:49,779 --> 00:17:52,949 ゆり江は 昨日の朝のことが ありましたから 283 00:17:52,949 --> 00:17:55,785 気になって 早く来てしまったのですよ。 284 00:17:55,785 --> 00:17:58,287 食事の用意は ゆり江がいたしますから 285 00:17:58,287 --> 00:18:01,457 美世様は居間で おくつろぎになってくださいな。 286 00:18:01,457 --> 00:18:03,793 あの それが…。 287 00:18:03,793 --> 00:18:07,130 (ゆり江)まあまあ 坊ちゃんったら。 288 00:18:07,130 --> 00:18:09,298 美世様の手料理を 食べたいのなら 289 00:18:09,298 --> 00:18:11,234 そうおっしゃればいいのに。 290 00:18:11,234 --> 00:18:14,570 いえ そういうわけでは ないと思いますが 291 00:18:14,570 --> 00:18:16,739 ただ ちょっと自信がなくて。 292 00:18:16,739 --> 00:18:19,075 ウフフッ では美世様。 293 00:18:19,075 --> 00:18:21,744 このゆり江にも 手伝わせてくださいな。 294 00:18:21,744 --> 00:18:23,844 は はい。 295 00:18:27,750 --> 00:18:31,250 《この味で いいのかな》 296 00:18:34,590 --> 00:18:36,926 は… きれい。 297 00:18:36,926 --> 00:18:39,095 (ゆり江)いつも作っていますから。 298 00:18:39,095 --> 00:18:42,598 ゆり江は早いだけで 味のほうは保証できませんよ。 299 00:18:42,598 --> 00:18:44,600 とってもおいしそうです。 300 00:18:44,600 --> 00:18:48,104 料理がお上手な美世様に そう言っていただけるなんて 301 00:18:48,104 --> 00:18:50,604 使用人冥利に尽きますわ。 302 00:18:56,112 --> 00:18:58,448 《私なんかが作った料理を 303 00:18:58,448 --> 00:19:01,284 本当に食べてもらえるのかしら。 304 00:19:01,284 --> 00:19:04,620 もう私には後がない》 305 00:19:04,620 --> 00:19:07,623 ささ 坊ちゃんが そろそろお目覚めですから 306 00:19:07,623 --> 00:19:10,560 あちらに朝食をお運びくださいな。 307 00:19:10,560 --> 00:19:12,760 はい。 308 00:19:15,064 --> 00:19:19,064 おはよう。 おはようございます 旦那様。 309 00:19:23,239 --> 00:19:25,239 んっ。 はっ。 310 00:19:27,910 --> 00:19:30,913 では いただこう。 311 00:19:30,913 --> 00:19:33,249 お前も食べるんだぞ。 312 00:19:33,249 --> 00:19:35,918 も 申し訳… いえ。 313 00:19:35,918 --> 00:19:38,118 いただきます。 314 00:19:44,427 --> 00:19:46,427 はっ。 315 00:19:56,272 --> 00:19:58,372 うまい。 316 00:20:02,445 --> 00:20:06,445 ゆり江とは少し味付けが 違うようだが 悪くない。 317 00:20:08,784 --> 00:20:11,284 あ ありがとうございます。 318 00:20:14,457 --> 00:20:17,460 なぜここで泣くんだ? 319 00:20:17,460 --> 00:20:19,660 えっ。 320 00:20:24,967 --> 00:20:27,470 も 申し訳 ありませ…。 321 00:20:27,470 --> 00:20:29,972 だから 謝るな。 322 00:20:29,972 --> 00:20:31,974 はい…。 323 00:20:31,974 --> 00:20:36,145 《いつぶりだろう 誰かに褒められたのなんて。 324 00:20:36,145 --> 00:20:39,145 誰かに認められたのなんて》 325 00:20:41,984 --> 00:20:44,987 《育ってきた背景が見えない。 326 00:20:44,987 --> 00:20:47,990 古着とも呼べないような 粗末な着物。 327 00:20:47,990 --> 00:20:51,327 日々の生活に問題があったとしか 思えないほど 328 00:20:51,327 --> 00:20:53,329 やせ細った体。 329 00:20:53,329 --> 00:20:55,998 水仕事をしている者の手。 330 00:20:55,998 --> 00:21:00,002 とても名家の令嬢とは思えない》 331 00:21:00,002 --> 00:21:02,004 ゆり江。 332 00:21:02,004 --> 00:21:04,840 もしや 彼女は普通の名家の娘として 333 00:21:04,840 --> 00:21:07,009 育ってはいないのだろうか。 334 00:21:07,009 --> 00:21:09,512 そうですわね ええ。 335 00:21:09,512 --> 00:21:12,281 事情を尋ねたら話すと思うか? 336 00:21:12,281 --> 00:21:14,617 (ゆり江)難しいでしょうね。 337 00:21:14,617 --> 00:21:17,453 それとなく注意して見ておけ。 338 00:21:17,453 --> 00:21:20,456 私は外から少し 斎森家を調べてみる。 339 00:21:20,456 --> 00:21:23,793 かしこまりました。 それにしても坊ちゃん 340 00:21:23,793 --> 00:21:27,129 いつになく 婚約者様に興味津々ですこと。 341 00:21:27,129 --> 00:21:29,131 興味? まあまあ。 342 00:21:29,131 --> 00:21:31,467 感情を素直に 表現できないようじゃ 343 00:21:31,467 --> 00:21:34,136 美世様に嫌われてしまいますよ? 344 00:21:34,136 --> 00:21:36,973 嫌うなら勝手に嫌えばいい。 345 00:21:36,973 --> 00:21:39,642 今までの婚約者も ほとんどが最初から 346 00:21:39,642 --> 00:21:42,478 金や権力目当ての女ばかりだった。 347 00:21:42,478 --> 00:21:45,481 ゆり江は 美世様はよいと思いますよ。 348 00:21:45,481 --> 00:21:49,151 坊ちゃんの奥様に。 やけに きっぱり言い切るな。 349 00:21:49,151 --> 00:21:52,822 とにかく 頼んだぞ。 お任せくださいな。 350 00:21:52,822 --> 00:21:55,992 《斎森家か。 351 00:21:55,992 --> 00:21:59,161 異能持ちの家は決して多くない。 352 00:21:59,161 --> 00:22:03,332 厄介な事実が 出てこなければいいが》 353 00:22:03,332 --> 00:22:07,169 (実)おい! 約束を反故にする とはどういうことだ! 354 00:22:07,169 --> 00:22:10,773 お前には あの娘の価値がわからぬのか!? 355 00:22:10,773 --> 00:22:12,775 何が約束だ。 356 00:22:12,775 --> 00:22:16,279 美世のことで とやかく言われる筋合いなどない。 357 00:22:16,279 --> 00:22:19,615 (実)ふざけるな! しかと約束したはずだ! 358 00:22:19,615 --> 00:22:23,119 美世は あの薄刃の血を引く娘は 359 00:22:23,119 --> 00:22:25,119 辰石家がもらうと!