1 00:00:24,881 --> 00:00:28,217 (清霞)少しは慣れたか? (美世)はい? 2 00:00:28,217 --> 00:00:30,386 (清霞)日中は 何をして過ごしている? 3 00:00:30,386 --> 00:00:33,723 家事だけでは 時間を持て余すだろう。 4 00:00:33,723 --> 00:00:35,725 えっと…。 5 00:00:35,725 --> 00:00:38,728 ゆり江さんから 雑誌を借りて読んだり 6 00:00:38,728 --> 00:00:40,897 裁縫をしたりしています。 7 00:00:40,897 --> 00:00:45,234 実は 今度の休日に 出かけようかと思っている。 8 00:00:45,234 --> 00:00:48,237 わかりました。 昼食と夕食 9 00:00:48,237 --> 00:00:50,740 お食事のご用意は いかがしましょう? 10 00:00:50,740 --> 00:00:54,744 お前も行くんだ 一緒に。 へっ? 11 00:00:54,744 --> 00:00:57,747 ここへ来てから 一度も街に行ってないだろう。 12 00:00:57,747 --> 00:01:00,082 はい…。 13 00:01:00,082 --> 00:01:02,084 行きたいと思わないか? 14 00:01:02,084 --> 00:01:04,420 えっと…。 なんだ? 15 00:01:04,420 --> 00:01:06,589 私 行けません。 16 00:01:06,589 --> 00:01:08,591 用事もないですし 17 00:01:08,591 --> 00:01:11,260 ご迷惑を おかけしてしまうのでは…。 18 00:01:11,260 --> 00:01:16,032 はぁ… 迷惑ではないし 用事などなくてもいい。 19 00:01:16,032 --> 00:01:19,035 で でも お邪魔では…。 20 00:01:19,035 --> 00:01:21,037 まったく邪魔ではない。 21 00:01:21,037 --> 00:01:24,206 振り袖は ここへ来た日のものと 同じでいい。 22 00:01:24,206 --> 00:01:27,043 ほかに心配ごとはあるか? 23 00:01:27,043 --> 00:01:29,045 いえ…。 24 00:01:29,045 --> 00:01:32,545 では そのつもりで ごちそうさま。 25 00:01:37,720 --> 00:01:41,920 あ 旦那様…。 (ふすまの開閉音) 26 00:01:48,230 --> 00:01:50,232 < このときの私は 27 00:01:50,232 --> 00:01:54,403 旦那様のお考えなど つゆほども わかっておらず 28 00:01:54,403 --> 00:01:59,503 初めてのデエトは 突然決まったのでした> 29 00:03:52,388 --> 00:03:54,388 あっ…。 30 00:03:57,226 --> 00:03:59,895 (ゆり江)美世様 入ってもよろしいですか。 31 00:03:59,895 --> 00:04:01,895 ど どうぞ。 32 00:04:06,402 --> 00:04:09,572 (ゆり江)お支度のほうは いかがですか? 美世様。 33 00:04:09,572 --> 00:04:11,574 は はい…。 34 00:04:11,574 --> 00:04:15,474 こちらの鏡 遠慮なく お使いになってくださいね。 35 00:04:21,684 --> 00:04:23,684 《なんて不釣り合いなんだろう》 36 00:04:25,688 --> 00:04:27,690 (ゆり江)美世様。 あ…。 37 00:04:27,690 --> 00:04:30,192 お化粧はされませんか? 38 00:04:30,192 --> 00:04:32,194 ええと 私…。 39 00:04:32,194 --> 00:04:34,363 あまり お化粧したことがなくて。 40 00:04:34,363 --> 00:04:37,366 それなら ゆり江にお任せくださいな。 41 00:04:37,366 --> 00:04:42,204 で でも私 お化粧道具を 持っていないんです…。 42 00:04:42,204 --> 00:04:45,504 大丈夫ですよ ほら。 えっ? 43 00:04:47,543 --> 00:04:49,743 お道具は こちらにありますからね。 44 00:04:51,714 --> 00:04:53,716 すてき…。 45 00:04:53,716 --> 00:04:55,885 (ゆり江)ハイカラなものは ありませんけれど 46 00:04:55,885 --> 00:05:00,389 これなんか きっと美世様に お似合いになりますよ。 47 00:05:00,389 --> 00:05:02,391 は…。 48 00:05:02,391 --> 00:05:06,395 (ゆり江)では おしろいを 塗っていきますから 49 00:05:06,395 --> 00:05:09,231 少し目を つぶっていてくださいますか。 50 00:05:09,231 --> 00:05:31,353 ♪~ 51 00:05:31,353 --> 00:05:34,353 (ゆり江)さぁ できましたよ。 52 00:05:37,860 --> 00:05:40,196 わ…。 (ゆり江)ウフフ…。 53 00:05:40,196 --> 00:05:42,698 こんなに すてきな美世様を見たら 54 00:05:42,698 --> 00:05:45,701 坊ちゃんは どんな顔をなさるんでしょうね。 55 00:05:45,701 --> 00:05:48,871 あ…。 そろそろ支度は整ったか? 56 00:05:48,871 --> 00:05:51,871 は… ただいま参ります! 57 00:05:54,877 --> 00:05:57,213 お お待たせいたしました。 58 00:05:57,213 --> 00:05:59,413 ん…。 59 00:06:04,386 --> 00:06:06,386 あ…。 60 00:06:08,390 --> 00:06:12,394 旦那様? あ いや… 待ってはいない。 61 00:06:12,394 --> 00:06:14,330 急かして悪かったな。 62 00:06:14,330 --> 00:06:17,499 いえ…。 行こうか。 63 00:06:17,499 --> 00:06:19,699 はい。 64 00:06:21,837 --> 00:06:25,174 あの 今日は どちらへ行かれるのですか? 65 00:06:25,174 --> 00:06:27,509 ああ 言っていなかったか。 66 00:06:27,509 --> 00:06:30,679 まず私の職場へ行く。 えっ? 67 00:06:30,679 --> 00:06:33,015 そんなに緊張しなくていい。 68 00:06:33,015 --> 00:06:35,684 街に行く前に 車を置きに行くだけだ。 69 00:06:35,684 --> 00:06:37,984 そ そうですか…。 70 00:06:54,036 --> 00:06:57,206 《ここが旦那様の職場…》 71 00:06:57,206 --> 00:06:59,206 (ドアを閉める音) 72 00:07:01,210 --> 00:07:03,379 では 行くか。 はい。 73 00:07:03,379 --> 00:07:06,382 (五道)あれ~? あ…。 74 00:07:06,382 --> 00:07:09,482 五道…。 (五道)隊長じゃないですか。 75 00:07:11,553 --> 00:07:14,323 今日って 非番じゃなかったでしたっけ。 76 00:07:14,323 --> 00:07:17,493 ああ 車を置きに来ただけだ。 77 00:07:17,493 --> 00:07:19,495 な~んだ あ…。 78 00:07:19,495 --> 00:07:21,497 んっ ん~? 79 00:07:21,497 --> 00:07:25,834 あ…。 で こちらのお方は? 80 00:07:25,834 --> 00:07:28,837 私の連れだ 詮索するな。 81 00:07:28,837 --> 00:07:32,174 おお~! 隊長の連れとは また珍しい! 82 00:07:32,174 --> 00:07:35,511 (五道)そして これまたなんとも美しい! 83 00:07:35,511 --> 00:07:37,513 おい。 あっ? 84 00:07:37,513 --> 00:07:40,849 詮索するなと 聞こえなかったのか? 85 00:07:40,849 --> 00:07:43,185 おっと 失敬失敬。 86 00:07:43,185 --> 00:07:47,189 こんなところで油を売ってないで 早く持ち場へ戻れ。 87 00:07:47,189 --> 00:07:49,489 はっ! それではお疲れさまです! 88 00:07:55,531 --> 00:07:58,367 はぁ まったく…。 89 00:07:58,367 --> 00:08:02,705 あれは一応 私の側近で五道という。 90 00:08:02,705 --> 00:08:05,708 ああ見えて 異能者としては できるほうだ。 91 00:08:05,708 --> 00:08:08,208 不本意だがな。 92 00:08:12,548 --> 00:08:15,317 さて どこか行きたいところはあるか? 93 00:08:15,317 --> 00:08:17,319 えっ? 94 00:08:17,319 --> 00:08:20,155 買いたいものや 欲しいものはないのか? 95 00:08:20,155 --> 00:08:23,826 は はい… 特には…。 96 00:08:23,826 --> 00:08:26,161 《どうしよう…。 97 00:08:26,161 --> 00:08:29,832 欲しいものなんて 全然 思いつかない…》 98 00:08:29,832 --> 00:08:32,167 ふん… そうか…。 99 00:08:32,167 --> 00:08:35,504 では 私の買い物に 付き合ってもらおう。 100 00:08:35,504 --> 00:08:37,840 はい…。 101 00:08:37,840 --> 00:08:48,517 ♪~ 102 00:08:48,517 --> 00:08:50,686 楽しいか? は…。 103 00:08:50,686 --> 00:08:52,855 も 申し訳ありません! 104 00:08:52,855 --> 00:08:55,858 私ったら すっかり夢中に…。 105 00:08:55,858 --> 00:08:57,860 気にすることはない。 106 00:08:57,860 --> 00:09:00,029 好きなだけ景色を楽しむといい。 107 00:09:00,029 --> 00:09:03,532 私も 誰も それをとがめたりはしない。 108 00:09:03,532 --> 00:09:05,732 でも…。 109 00:09:07,703 --> 00:09:11,707 あ…。 私への迷惑を考える必要はない。 110 00:09:11,707 --> 00:09:15,978 お前を誘ったのは ほかでもない 私だ。 111 00:09:15,978 --> 00:09:18,147 は…。 いいな。 112 00:09:18,147 --> 00:09:20,947 は はい…。 113 00:09:23,819 --> 00:09:25,988 よそ見をして はぐれるなよ。 114 00:09:25,988 --> 00:09:28,657 き 気をつけます! 115 00:09:28,657 --> 00:09:30,657 よろしい。 116 00:09:32,828 --> 00:09:35,928 《この人のどこが 冷酷無慈悲なのだろう…》 117 00:09:38,834 --> 00:09:40,834 《こんなにお優しいのに…》 118 00:09:43,005 --> 00:09:46,675 (実)話が違うだろう! (真一)話 とは? 119 00:09:46,675 --> 00:09:50,179 (実)とぼけるな なぜ美世を久堂家にやった。 120 00:09:50,179 --> 00:09:52,514 うちの長男にと頼んだはずだが。 121 00:09:52,514 --> 00:09:54,683 (真一)ああ そのことか。 122 00:09:54,683 --> 00:09:56,685 くっ うぅ~。 123 00:09:56,685 --> 00:10:00,689 ちょうど 久堂家からも 縁談を申し込まれていてな 124 00:10:00,689 --> 00:10:02,858 断るわけにもいかんだろう。 125 00:10:02,858 --> 00:10:06,361 美世は あの薄刃家の娘を 母に持つのだぞ。 126 00:10:06,361 --> 00:10:09,698 だが あれは異能を継がなかった。 127 00:10:09,698 --> 00:10:12,034 だとしても 美世の子が 128 00:10:12,034 --> 00:10:14,536 薄刃の異能を 継がないとも限らない。 129 00:10:14,536 --> 00:10:19,875 はぁ… そうまでして 薄刃の力が欲しいのか フンッ。 130 00:10:19,875 --> 00:10:23,879 薄刃の異能は 異能者の中でも特別なものだぞ。 131 00:10:23,879 --> 00:10:26,048 これ以上 久堂家が強くなれば 132 00:10:26,048 --> 00:10:28,884 我々の立場とて 危ういというのに! 133 00:10:28,884 --> 00:10:31,553 美世に異能がないと知れば 134 00:10:31,553 --> 00:10:34,056 どうせ久堂は すぐに捨てるのだ。 135 00:10:34,056 --> 00:10:37,726 そうなった暁には そちらで嫁に迎えればいい。 136 00:10:37,726 --> 00:10:41,396 チッ。 (真一)拾ってもらえるとなれば 137 00:10:41,396 --> 00:10:44,066 美世も泣いて喜ぶことだろう。 138 00:10:44,066 --> 00:10:47,402 《いくら下の娘がかわいくとも 139 00:10:47,402 --> 00:10:51,406 金の卵を産むかもしれない美世を わざわざ放り出すなど 140 00:10:51,406 --> 00:10:54,409 正気の沙汰ではない》 141 00:10:54,409 --> 00:10:57,746 では 斎森家は今後一切 142 00:10:57,746 --> 00:11:00,582 美世の処遇に 口出ししないということでいいか。 143 00:11:00,582 --> 00:11:03,752 ああ 捨てたも同然の娘だ。 144 00:11:03,752 --> 00:11:05,754 どこでどうしようが 145 00:11:05,754 --> 00:11:08,924 生きていようが死んでいようが 興味はない。 146 00:11:08,924 --> 00:11:12,261 フッ そうか 了解した。 147 00:11:12,261 --> 00:11:17,199 《斎森美世を手に入れるのは 我が辰石家だ。 148 00:11:17,199 --> 00:11:19,699 久堂家などに奪われてたまるか》 149 00:11:25,040 --> 00:11:27,042 (香耶)ねぇ。 は はい。 150 00:11:27,042 --> 00:11:30,045 お父様たちは 何をお話しになっているの? 151 00:11:30,045 --> 00:11:34,550 詳しくは存じませんが 美世様についてのようで。 152 00:11:34,550 --> 00:11:38,220 はあ? どうして お姉様の名前が出てくるのよ! 153 00:11:38,220 --> 00:11:40,556 も 申し訳ございません! 154 00:11:40,556 --> 00:11:44,226 (幸次)香耶 そんなに大きな声 出すものじゃないよ。 155 00:11:44,226 --> 00:11:48,397 幸次さん 私にお説教するの? あ…。 156 00:11:48,397 --> 00:11:50,899 お父様も 辰石のおじさまも 157 00:11:50,899 --> 00:11:54,903 今さら お姉様について 何を話すことがあるっていうの? 158 00:11:54,903 --> 00:11:57,239 まぁ そう言わずに…。 159 00:11:57,239 --> 00:12:00,576 そうだ 香耶 せっかく天気もいいし 160 00:12:00,576 --> 00:12:02,578 買い物にでも行かないかい。 161 00:12:02,578 --> 00:12:04,580 (幸次)先週 開店したっていう 162 00:12:04,580 --> 00:12:06,915 デパートメントに 行きたがっていただろう。 163 00:12:06,915 --> 00:12:09,585 フン… まぁいいわ。 164 00:12:09,585 --> 00:12:11,753 どうせ やることもないし 行きましょう。 165 00:12:11,753 --> 00:12:15,357 仲道に また新しい店ができたんだ。 166 00:12:15,357 --> 00:12:17,526 店の中も…。 《香耶:幸次さんはきっと 167 00:12:17,526 --> 00:12:19,861 今だって お姉様を想ってるんでしょ。 168 00:12:19,861 --> 00:12:21,863 今ごろ 久堂家で 169 00:12:21,863 --> 00:12:24,366 野垂れ死んでるかもしれない っていうのに…》 170 00:12:24,366 --> 00:12:27,966 ああ… ほんっとに おもしろくないわ。 171 00:12:33,875 --> 00:12:35,877 ここは すずしま屋といって 172 00:12:35,877 --> 00:12:39,214 久堂家が 昔から ひいきにしている店だ。 173 00:12:39,214 --> 00:12:42,384 帝のお召し物を 仕立てることもあるらしい。 174 00:12:42,384 --> 00:12:46,388 す すごいお店なのですね…。 175 00:12:46,388 --> 00:12:49,057 (桂子)いらっしゃいませ 久堂様。 176 00:12:49,057 --> 00:12:51,057 今日は世話になる。 177 00:12:57,399 --> 00:13:01,403 事前にご連絡いただいたお品 条件に合う物を 178 00:13:01,403 --> 00:13:04,573 すでに何点か 選ばせていただいておりますよ。 179 00:13:04,573 --> 00:13:07,909 奥へどうぞ。 ああ。 180 00:13:07,909 --> 00:13:12,581 ウフフ… 久堂様もようやっと ですわねぇ。 181 00:13:12,581 --> 00:13:15,017 別に そういうことでは…。 182 00:13:15,017 --> 00:13:17,686 恥ずかしがらなくても よろしいんですよ。 183 00:13:17,686 --> 00:13:22,524 久堂様が女性を連れてくるなんて 初めてじゃありませんか。 184 00:13:22,524 --> 00:13:26,028 《まぁ それはそうなのだが…》 185 00:13:26,028 --> 00:13:28,530 ((ゆり江:坊ちゃん ご存じですか? 186 00:13:28,530 --> 00:13:30,532 (ゆり江)どうやら美世様は 187 00:13:30,532 --> 00:13:34,536 古着を ご自分で つくろわれているようなのです。 188 00:13:34,536 --> 00:13:36,705 お声掛けしようかと 思ったのですが 189 00:13:36,705 --> 00:13:40,005 あまり知られたくない ご様子でしたので…)) 190 00:13:42,044 --> 00:13:45,213 《地方の貧しい 農民かと思うような 191 00:13:45,213 --> 00:13:48,050 傷んだ古着…。 192 00:13:48,050 --> 00:13:51,553 おそらく まともな着物はあれ一着…。 193 00:13:51,553 --> 00:13:55,891 名家の年頃の令嬢ならば 当然 持ちうるものを 194 00:13:55,891 --> 00:13:59,061 彼女は ほとんど 持ち合わせていない…》 195 00:13:59,061 --> 00:14:02,230 (桂子)久堂様? あ…。 196 00:14:02,230 --> 00:14:04,232 ああ すまない…。 197 00:14:04,232 --> 00:14:06,234 彼女には どんなものが合うだろうか? 198 00:14:06,234 --> 00:14:09,237 あのお嬢様には こういった淡い色が 199 00:14:09,237 --> 00:14:11,239 お似合いになると思いますよ。 200 00:14:11,239 --> 00:14:13,675 (桂子)こちらや こんな組み合わせも。 201 00:14:13,675 --> 00:14:15,675 ん… あれは? 202 00:14:17,679 --> 00:14:22,851 (桂子)ああ あちらも とても上等なお品ですわね。 203 00:14:22,851 --> 00:14:25,354 でも 今から仕立てるとなると 204 00:14:25,354 --> 00:14:29,191 少し季節が合わなくなるかも しれませんけれど。 205 00:14:29,191 --> 00:14:31,691 そうか…。 206 00:14:35,030 --> 00:14:37,430 《似合う… だろうな》 207 00:14:39,701 --> 00:14:43,205 (桂子)いかがですか。 ん あ ああ…。 208 00:14:43,205 --> 00:14:45,207 これでひとつ仕立ててくれ。 209 00:14:45,207 --> 00:14:48,877 ほかにも この中から いくつか 仕立ててもらえると助かる。 210 00:14:48,877 --> 00:14:51,477 かしこまりました。 211 00:14:54,049 --> 00:14:56,051 こちらは 212 00:14:56,051 --> 00:14:58,720 今日 お持ち帰りで よろしかったですか? 213 00:14:58,720 --> 00:15:00,722 ああ もらっていく。 214 00:15:00,722 --> 00:15:04,059 あの 久堂様。 なんだ。 215 00:15:04,059 --> 00:15:07,729 あのお嬢様は 絶対に離してはいけませんよ。 216 00:15:07,729 --> 00:15:10,065 あの方は いわば原石 217 00:15:10,065 --> 00:15:13,068 計り知れないほどの 伸びしろがございます。 218 00:15:13,068 --> 00:15:15,003 あ…。 今日 219 00:15:15,003 --> 00:15:18,840 お買い上げくださった品々は 始まりに過ぎません。 220 00:15:18,840 --> 00:15:23,512 これから 久堂様の愛と財力で 離さず 磨き続けるのです。 221 00:15:23,512 --> 00:15:26,848 (桂子)そうすれば…。 そうすれば? 222 00:15:26,848 --> 00:15:28,850 美しい女性を 223 00:15:28,850 --> 00:15:31,853 遠慮なく 着飾る楽しみが生まれますわ。 224 00:15:31,853 --> 00:15:34,653 まったく…。 225 00:15:40,695 --> 00:15:42,695 んっ? 226 00:15:49,037 --> 00:15:51,206 お母様…。 227 00:15:51,206 --> 00:16:05,053 ♪~ 228 00:16:05,053 --> 00:16:07,055 どうだ 味は。 229 00:16:07,055 --> 00:16:10,058 えっと… おいしいです。 230 00:16:10,058 --> 00:16:13,495 あまり おいしいと 思ってる顔ではないな。 231 00:16:13,495 --> 00:16:15,831 そ そんなことは…。 232 00:16:15,831 --> 00:16:18,500 お前は 本当に笑わない。 233 00:16:18,500 --> 00:16:21,002 あ… 申し訳ありません。 234 00:16:21,002 --> 00:16:23,672 いや… 責めているわけではなくてだな。 235 00:16:23,672 --> 00:16:25,672 ただ…。 236 00:16:27,843 --> 00:16:30,679 笑っているところを 少し見てみたいというか…。 237 00:16:30,679 --> 00:16:32,679 えっ? 238 00:16:34,850 --> 00:16:39,350 旦那様は その… 変わっていらっしゃいますね。 239 00:16:41,356 --> 00:16:44,192 あ… も 申し訳ありません。 240 00:16:44,192 --> 00:16:46,528 私 生意気なことを…。 241 00:16:46,528 --> 00:16:48,697 私は怒ってなどいない。 242 00:16:48,697 --> 00:16:51,366 だから そんなふうに小さくなるな。 243 00:16:51,366 --> 00:16:53,366 ですが…。 244 00:16:56,872 --> 00:17:01,209 私たちは このままいけば結婚する仲だ。 245 00:17:01,209 --> 00:17:04,045 思ったことは なんでも 言い合えるほうがいいだろう。 246 00:17:04,045 --> 00:17:08,383 私も お前が素直な言葉を 口にするほうが うれしい。 247 00:17:08,383 --> 00:17:10,385 謝罪ではなく。 248 00:17:10,385 --> 00:17:13,385 結婚する仲…。 249 00:17:16,658 --> 00:17:19,160 《旦那様は きっと知らない。 250 00:17:19,160 --> 00:17:22,831 私が異能を持たないことを。 251 00:17:22,831 --> 00:17:25,667 いつか自分で告げなければ…。 252 00:17:25,667 --> 00:17:29,671 でも 望んでしまった…。 253 00:17:29,671 --> 00:17:33,371 少しでも長く この人と ともにいたい… と》 254 00:17:35,343 --> 00:17:39,347 《あとでいくらでも どんな罰でも受けます。 255 00:17:39,347 --> 00:17:42,517 だから お願いします。 256 00:17:42,517 --> 00:17:45,020 もう少しだけ…。 257 00:17:45,020 --> 00:17:49,520 いつか自分でけじめをつける その日まで…》 258 00:18:00,035 --> 00:18:03,705 あら 坊ちゃま? 美世様ならお風呂ですよ? 259 00:18:03,705 --> 00:18:07,208 ゆり江… まだ帰ってなかったのか。 260 00:18:07,208 --> 00:18:09,377 まだとは失礼ですね。 261 00:18:09,377 --> 00:18:12,177 んっ? それは…。 262 00:18:35,670 --> 00:18:37,670 わあ…。 263 00:18:41,009 --> 00:18:43,509 だ 旦那様! これ…。 264 00:18:45,847 --> 00:18:47,849 おとなしく もらっておけ。 265 00:18:47,849 --> 00:18:50,518 こんな高価なもの いただけません。 266 00:18:50,518 --> 00:18:52,687 気にすることはないだろう。 267 00:18:52,687 --> 00:18:55,023 ですが…。 気にするな。 268 00:18:55,023 --> 00:18:57,025 えっと…。 269 00:18:57,025 --> 00:19:01,225 置いたのは 旦那様… ですよね。 270 00:19:03,698 --> 00:19:06,201 ((ゆり江:くしを贈る ということには 271 00:19:06,201 --> 00:19:08,703 求婚の意味がございます。 272 00:19:08,703 --> 00:19:10,872 とくに深い意味はない。 273 00:19:10,872 --> 00:19:12,874 求婚されるのですね? 274 00:19:12,874 --> 00:19:16,645 ただのくしだ。 特に意味はないと言っている。 275 00:19:16,645 --> 00:19:20,315 そうですよね そうですよねえ。 276 00:19:20,315 --> 00:19:23,485 美世様は 壊れかけのおくしを 使っていらっしゃいましたし 277 00:19:23,485 --> 00:19:26,821 坊ちゃんが新しいくしを 今 お贈りになられても 278 00:19:26,821 --> 00:19:30,659 なんにも おかしく ありませんでしたね~。 279 00:19:30,659 --> 00:19:33,328 美世様は 今まで うちにお越しになられた 280 00:19:33,328 --> 00:19:35,330 どの女性とも違います。 281 00:19:35,330 --> 00:19:38,667 ゆり江は大賛成ですよ 坊ちゃん。 282 00:19:38,667 --> 00:19:41,336 だから そんな意味では…。 283 00:19:41,336 --> 00:19:44,436 美世様は きっと喜んでくださいますよ)) 284 00:19:47,175 --> 00:19:50,475 ともかく 遠慮せず使ってくれ。 285 00:19:55,850 --> 00:19:59,350 ありがとうございます 旦那様。 286 00:20:02,524 --> 00:20:05,524 大事に 使わせていただきます。 287 00:20:07,529 --> 00:20:11,700 まあ よくある異能の お家騒動ってところだろうな。 288 00:20:11,700 --> 00:20:14,369 だとしても度を超えている。 289 00:20:14,369 --> 00:20:18,206 少なくとも 名家の者のする 振る舞いではない。 290 00:20:18,206 --> 00:20:22,544 義理の母である 斎森香乃子は よほど恨んでいたんだろう。 291 00:20:22,544 --> 00:20:25,547 もともと恋仲だった 斎森真一が 292 00:20:25,547 --> 00:20:30,051 家の都合で 別の女と結婚し 子をもうけたことを。 293 00:20:30,051 --> 00:20:32,721 親としては最低だ…。 294 00:20:32,721 --> 00:20:35,223 それで 本題は? 295 00:20:35,223 --> 00:20:38,226 ああ 旦那のお察しのとおり 296 00:20:38,226 --> 00:20:40,562 斎森美世には 異能がない。 297 00:20:40,562 --> 00:20:43,398 一方で 妹の香耶は 298 00:20:43,398 --> 00:20:46,401 3歳には 見鬼の才を発現させている。 299 00:20:46,401 --> 00:20:50,071 長女の美世の扱いが ひどくなっていったのは 300 00:20:50,071 --> 00:20:52,071 おそらく ここがきっかけだろう。 301 00:20:54,075 --> 00:20:56,745 《自分を虐げる継母と妹。 302 00:20:56,745 --> 00:20:59,080 愛のない父親…。 303 00:20:59,080 --> 00:21:01,916 その中でひとり… か。 304 00:21:01,916 --> 00:21:04,252 着物を買い与えたくらいでは 305 00:21:04,252 --> 00:21:09,257 彼女の心の傷をいやすことなど 到底できそうにないな…》 306 00:21:09,257 --> 00:21:11,926 あ そういや旦那。 307 00:21:11,926 --> 00:21:15,029 ひとつ気になることが。 んっ? 308 00:21:15,029 --> 00:21:20,368 斎森真一の先妻 斎森美世の実の母親なんだが 309 00:21:20,368 --> 00:21:23,872 どうやら 薄刃家の人間だったようでな。 310 00:21:23,872 --> 00:21:25,874 なんだと? 311 00:21:25,874 --> 00:21:28,209 まったく 驚いたもんだ。 312 00:21:28,209 --> 00:21:32,881 薄刃家の存在なんて 眉唾もんだと思ってたからな。 313 00:21:32,881 --> 00:21:34,883 薄刃家といえば 314 00:21:34,883 --> 00:21:39,053 人心に干渉することのできる 異能持ちの家系だったか…。 315 00:21:39,053 --> 00:21:42,891 その情報は確かなのか。 ああ。 316 00:21:42,891 --> 00:21:46,394 斎森美世の母親の名は 薄刃澄美。 317 00:21:46,394 --> 00:21:48,396 どういう事情で 彼女が 318 00:21:48,396 --> 00:21:51,566 斎森家に入ったのかまでは つかめねえがな…。 319 00:21:51,566 --> 00:21:53,566 ん…。 320 00:21:55,904 --> 00:21:59,407 《まったく 彼女が来てからというもの 321 00:21:59,407 --> 00:22:01,576 本当にらしくない…》 322 00:22:01,576 --> 00:22:03,578 あ…。 323 00:22:03,578 --> 00:22:20,028 ♪~ 324 00:22:20,028 --> 00:22:23,528 愚かな… くだらないことをする。 325 00:22:25,533 --> 00:22:28,369 《こんな簡単な 式神を送ってこようとは…。 326 00:22:28,369 --> 00:22:32,169 しかし どこの誰のしわざか…》