1 00:00:02,002 --> 00:00:07,007 (比名子)汐莉さんは 本当に妖怪なの? 2 00:00:07,007 --> 00:00:09,676 (汐莉)えぇ まぁそうですね。 3 00:00:09,676 --> 00:00:13,680 本当に私を喰べにきたの? 4 00:00:13,680 --> 00:00:16,016 ねぇ 比名子。 5 00:00:16,016 --> 00:00:19,520 家畜に食べごろがあるのなら➨ 6 00:00:19,520 --> 00:00:23,023 人間にだって 喰べごろがあると 思いませんか? 7 00:02:04,992 --> 00:02:16,169 ♬~ 8 00:02:16,169 --> 00:02:20,173 (汐莉)あら? これはこれは…。 9 00:02:20,173 --> 00:02:24,511 今は 風変わりな 屋台がいろいろあるんですね。 10 00:02:24,511 --> 00:02:27,514 比名子も来てくださいよ~。 11 00:02:27,514 --> 00:02:30,684 早く 早く。 12 00:02:30,684 --> 00:02:34,354 《いったい どうして こんなことに》 13 00:02:34,354 --> 00:02:37,524 ⸨夏祭りのお誘いに来ました。 14 00:02:37,524 --> 00:02:40,527 君をおいしくしに行きましょう⸩ 15 00:02:44,197 --> 00:02:48,869 (汐莉)どうぞ。 16 00:02:48,869 --> 00:02:51,038 持ってる人を たくさん見かけたので➨ 17 00:02:51,038 --> 00:02:54,374 比名子も好きかなっと思って。 18 00:02:54,374 --> 00:02:57,544 ありがとう。 19 00:02:57,544 --> 00:03:00,647 それとも こっちのほうが よかったです? 20 00:03:00,647 --> 00:03:03,050 それは いいや。 21 00:03:06,153 --> 00:03:09,656 《甘い。 22 00:03:09,656 --> 00:03:14,494 身勝手で 強引で➨ 23 00:03:14,494 --> 00:03:17,831 人の話も全然 聞いてくれない》 24 00:03:17,831 --> 00:03:21,334 あら? 人が増えてきましたね。 25 00:03:21,334 --> 00:03:26,006 あぁ なるほど。 もうすぐ花火が。 26 00:03:26,006 --> 00:03:28,108 比名子。 27 00:03:30,510 --> 00:03:33,346 《比名子:それなのに》 28 00:03:33,346 --> 00:03:36,149 はぐれないように してくださいね。 29 00:03:39,686 --> 00:03:44,524 《怖いくらい優しい。 30 00:03:44,524 --> 00:03:47,360 変な感じ。 31 00:03:47,360 --> 00:03:51,364 こうして 誰かに 手を引かれてお祭りなんて➨ 32 00:03:51,364 --> 00:03:54,701 まるで あの頃みたい》 33 00:03:54,701 --> 00:03:58,538 ⸨お父さん お母さん。 34 00:03:58,538 --> 00:04:01,341 お兄ちゃん お祭り楽しいね⸩ 35 00:04:07,481 --> 00:04:10,283 比名子 どうかしたんですか。 36 00:04:17,657 --> 00:04:21,361 ごめんなさい。 比名子! 37 00:04:28,835 --> 00:04:32,506 《比名子:やっぱり 来るんじゃなかった。 38 00:04:32,506 --> 00:04:35,509 嫌でも思い出して。 39 00:04:35,509 --> 00:04:39,846 違う。 嫌なはずがない。 40 00:04:39,846 --> 00:04:44,684 家族のことを思い出したくない わけじゃない。 41 00:04:44,684 --> 00:04:49,856 忘れたいなんて 一度だって思ったことないけど。 42 00:04:49,856 --> 00:04:53,360 でも…》 ほら こうくん。 43 00:04:53,360 --> 00:04:56,163 お空 見ててごらん。 花火が上がるよ。 44 00:05:11,144 --> 00:05:17,984 《思い出すと 息が止まって しまいそうになるくらい➨ 45 00:05:17,984 --> 00:05:20,820 苦しい》 46 00:05:20,820 --> 00:05:26,827 ハァ ハァ…。 47 00:05:30,664 --> 00:05:34,868 花火 きれいだったね。 あとで写真 送ってね。 48 00:05:39,172 --> 00:05:44,377 あぁ こんなところに いたんですね 比名子。 49 00:05:47,347 --> 00:05:50,851 も~っ 急に いなくなるんですから。 50 00:05:50,851 --> 00:05:53,687 ずいぶんと探し回ったんですよ。 51 00:05:53,687 --> 00:05:56,856 こないで。 52 00:05:56,856 --> 00:06:00,460 比名子。 あのね 汐莉さん。 53 00:06:00,460 --> 00:06:05,298 私が もっとおいしくなるまで 喰べないって言ってたけど➨ 54 00:06:05,298 --> 00:06:10,971 たぶん もうこれ以上は おいしくならないよ。 55 00:06:10,971 --> 00:06:15,141 だって お祭りなんて こなきゃよかったって➨ 56 00:06:15,141 --> 00:06:19,312 後悔してる。 57 00:06:19,312 --> 00:06:23,483 あなたのことを信じて 待ってみようと思ったことを➨ 58 00:06:23,483 --> 00:06:25,986 後悔してしまう。 59 00:06:25,986 --> 00:06:29,489 私をおいしくするって言うけど➨ 60 00:06:29,489 --> 00:06:34,327 汐莉さんが 優しくしてくれるほど 考えちゃうの。 61 00:06:34,327 --> 00:06:38,531 本当に私を喰べるつもりが あるのかなって。 62 00:06:41,835 --> 00:06:45,171 ハァ…。 63 00:06:45,171 --> 00:06:49,509 本当に君は…。 64 00:06:49,509 --> 00:06:51,811 何もわかってない。 65 00:06:59,953 --> 00:07:06,459 汐莉さん。 大丈夫ですよ。 66 00:07:06,459 --> 00:07:08,461 私…。 67 00:07:08,461 --> 00:07:13,800 ひとではないので。 68 00:07:13,800 --> 00:07:16,803 まったく 本能のまま➨ 69 00:07:16,803 --> 00:07:20,307 君に牙を向ける 連中が羨ましい。 70 00:07:20,307 --> 00:07:23,143 私だって本当は➨ 71 00:07:23,143 --> 00:07:25,812 今すぐ 君の皮をはいで➨ 72 00:07:25,812 --> 00:07:31,151 腹を裂いて はらわた全部を 引きずり出して➨ 73 00:07:31,151 --> 00:07:34,854 爪の1枚すら余さず 喰らいつくしたい。 74 00:07:36,823 --> 00:07:40,827 なのに君ときたら…。 ハァ…。 75 00:07:40,827 --> 00:07:44,164 わざわざ 祭りにまで 連れてきてあげたというのに➨ 76 00:07:44,164 --> 00:07:46,666 おいしくならないかもとか➨ 77 00:07:46,666 --> 00:07:50,837 優しくするからとか 何なんですか もう! 78 00:07:50,837 --> 00:07:52,839 私は こんなに頑張って➨ 79 00:07:52,839 --> 00:07:54,841 君をおいしくしようと しているんですよ。 80 00:07:54,841 --> 00:07:59,346 そんな私の気持ちを知らないで。 81 00:07:59,346 --> 00:08:01,781 置いてきぼりにしたり。 82 00:08:01,781 --> 00:08:05,952 えっ あっ  それはごめんなさい。 83 00:08:05,952 --> 00:08:09,122 《なんで私が 謝ってるんだろ?》 84 00:08:09,122 --> 00:08:11,458 (汐莉)わかっていただければ いいんです。 85 00:08:11,458 --> 00:08:15,295 それでは 比名子が私のことを ひとつわかったところで。 86 00:08:15,295 --> 00:08:18,131 お互いの理解と 親睦を深めるため➨ 87 00:08:18,131 --> 00:08:22,969 私から比名子に1つ 質問があります。 88 00:08:22,969 --> 00:08:25,772 (比名子)質問って。 89 00:08:28,641 --> 00:08:32,645 前々から思っていたんですけど。 90 00:08:34,647 --> 00:08:40,053 君… なんでそんなに 死にたがっているんです? 91 00:08:46,826 --> 00:08:50,330 そんなこと思ってない。 思ってない➨ 92 00:08:50,330 --> 00:08:53,033 とは言わせませんよ。 93 00:08:57,670 --> 00:09:00,106 確かに君の血肉は➨ 94 00:09:00,106 --> 00:09:04,611 他の人間とは 比べ物に ならないほどおいしそうですが➨ 95 00:09:04,611 --> 00:09:07,947 私に言わせれば 陸に打ち上げられて➨ 96 00:09:07,947 --> 00:09:12,952 腐ったクジラのような 臭いなんですよね。 97 00:09:12,952 --> 00:09:15,121 腐りかけが いちばん おいしいなんていう➨ 98 00:09:15,121 --> 00:09:17,957 やからもいますが 私➨ 99 00:09:17,957 --> 00:09:20,794 見てのとおり 美食家なんですよね。 100 00:09:20,794 --> 00:09:25,131 あの 人のこと 腐ったクジラとかさすがに。 101 00:09:25,131 --> 00:09:28,635 知っていますか? 比名子。 102 00:09:28,635 --> 00:09:33,139 死にたがってる人間は 総じて そんな臭いなんですよ。 103 00:09:37,977 --> 00:09:40,280 それだけじゃありません。 104 00:09:43,983 --> 00:09:46,486 先日 磯女に襲われたとき➨ 105 00:09:46,486 --> 00:09:49,155 君は驚きこそすれど➨ 106 00:09:49,155 --> 00:09:53,159 抵抗する そぶりすら見せなかった。 107 00:09:56,162 --> 00:09:59,165 私が 君を喰べると 発言するたび➨ 108 00:09:59,165 --> 00:10:02,669 それを望んでいるようにも 見えましたしね。 109 00:10:05,672 --> 00:10:08,842 どうしてなんです? 110 00:10:08,842 --> 00:10:13,546 《本当に このひとの瞳は…》 111 00:10:17,851 --> 00:10:21,688 海みたい。 112 00:10:21,688 --> 00:10:26,192 汐莉さんに初めて 会ったときから思ってたの。 113 00:10:26,192 --> 00:10:29,095 それは どういう…。 114 00:10:31,197 --> 00:10:33,199 (比名子)私の…。 115 00:10:33,199 --> 00:10:40,373 私の家族が 車ごと焼かれて 飲み込まれた海。 116 00:10:40,373 --> 00:10:45,078 その海に 怖いくらいにそっくり。 117 00:10:48,882 --> 00:10:54,888 私が6歳のとき 家族 みんな死んじゃったの。 118 00:10:54,888 --> 00:10:58,391 初めての家族旅行。 119 00:10:58,391 --> 00:11:01,094 (ブレーキ音) 120 00:11:07,667 --> 00:11:12,672 ⸨お… お父さん。 121 00:11:12,672 --> 00:11:17,076 お母さん お兄ちゃん…⸩ 122 00:11:20,179 --> 00:11:26,019 (比名子)崖から落ちる途中で 私だけ 外に放り出されて➨ 123 00:11:26,019 --> 00:11:33,526 気がつけば 両親も兄も 燃える車ごと海の中。 124 00:11:33,526 --> 00:11:36,129 私は 何もできなかった。 125 00:11:38,865 --> 00:11:44,704 あのとき いっそ 私もみんなと一緒に…。 126 00:11:44,704 --> 00:11:48,374 あと数メートル はいずれば➨ 127 00:11:48,374 --> 00:11:54,547 家族と同じ黒い海。 でも…。 128 00:11:54,547 --> 00:11:58,551 でもね 聞こえちゃったの。 129 00:11:58,551 --> 00:12:03,323 比名子だけは生きてって。 130 00:12:03,323 --> 00:12:06,993 幻聴だったかもしれない。 131 00:12:06,993 --> 00:12:11,331 燃える車から 人の声なんて届くはずがない。 132 00:12:11,331 --> 00:12:15,001 でも はっきりと耳に残っている。 133 00:12:15,001 --> 00:12:17,670 あの声は 確かに。 134 00:12:17,670 --> 00:12:22,342 だから 私は 死にたいくらい悲しくても➨ 135 00:12:22,342 --> 00:12:26,012 死にたいなんて 絶対に言っちゃいけない。 136 00:12:26,012 --> 00:12:30,617 家族の分まで。 私は…。 137 00:12:35,021 --> 00:12:37,824 比名子。 そんなとき…。 138 00:12:40,360 --> 00:12:42,662 あなたが やってきた。 139 00:12:46,699 --> 00:12:50,203 私… ですか。 140 00:12:53,539 --> 00:12:56,376 ずっと望んでた。 141 00:12:56,376 --> 00:12:59,879 残酷で 優しくて➨ 142 00:12:59,879 --> 00:13:04,150 気まぐれに 人を殺したり 生かしたりできる。 143 00:13:04,150 --> 00:13:06,653 人の力じゃ どうしようもない。 144 00:13:06,653 --> 00:13:10,823 あの日 家族を飲み込んだ 海みたいな➨ 145 00:13:10,823 --> 00:13:16,996 私の命を 絶対的に奪ってくれる何か。 146 00:13:16,996 --> 00:13:20,667 なるほど 君は…。 147 00:13:20,667 --> 00:13:22,669 自分が生き残ったことを➨ 148 00:13:22,669 --> 00:13:25,338 幸運だとは 思わなかったのですか? 149 00:13:25,338 --> 00:13:30,510 大切な人たちが 突然 みんないなくなって➨ 150 00:13:30,510 --> 00:13:33,680 私だけ助かって ラッキーだった➨ 151 00:13:33,680 --> 00:13:37,016 なんて思える? う~ん。 152 00:13:37,016 --> 00:13:39,519 私は 思いますけどね。 153 00:13:39,519 --> 00:13:43,122 ホント… ひとでなし。 154 00:13:46,359 --> 00:13:49,696 今のお話で 君のことも だいぶわかりました。 155 00:13:49,696 --> 00:13:55,702 親睦を深めるというのは 実にすばらしいことですね。 156 00:13:55,702 --> 00:13:59,205 死にたいのに それを 口に出すことすら許されない。 157 00:13:59,205 --> 00:14:01,808 実に人間らしい君に➨ 158 00:14:01,808 --> 00:14:04,811 私から1つ 助言をしてあげましょう。 159 00:14:08,147 --> 00:14:10,650 君は ご家族の望みどおり➨ 160 00:14:10,650 --> 00:14:15,321 日々を健やかに生きてください。 でも…。 161 00:14:15,321 --> 00:14:18,658 悲しみ以外にも 目を向けてください。 162 00:14:18,658 --> 00:14:24,163 そうすれば いずれ 月日が君の心を癒やしてくれる。 163 00:14:24,163 --> 00:14:28,501 そして君が 人生に 希望と喜びを見いだして➨ 164 00:14:28,501 --> 00:14:34,674 死にたくない もっと生きたいと願ったとき➨ 165 00:14:34,674 --> 00:14:38,878 私が 君のすべてを 喰らいつくします。 166 00:14:42,014 --> 00:14:44,016 ですから比名子。 167 00:14:44,016 --> 00:14:46,853 早く私に喰べられたいと 願うなら➨ 168 00:14:46,853 --> 00:14:50,857 幸福に生きる 努力をしてください。 169 00:14:50,857 --> 00:14:56,696 死ぬために 生きる努力って何それ。 170 00:14:56,696 --> 00:14:59,198 利害関係の一致というやつです。 171 00:14:59,198 --> 00:15:04,637 比名子の頑張りしだいで みんなが そろって報われる。 172 00:15:04,637 --> 00:15:07,974 なんだか 私に 丸投げな気もするけど。 173 00:15:07,974 --> 00:15:10,977 比名子に 期待してるってことですよ。 174 00:15:13,479 --> 00:15:15,782 汐莉さん。 175 00:15:17,817 --> 00:15:21,821 私 汐莉さんより ひどいひとが現れたら➨ 176 00:15:21,821 --> 00:15:25,491 そっちに喰べられに いっちゃうかもしれないよ。 177 00:15:25,491 --> 00:15:29,495 フフ… そんなことは 絶対にありえません。 178 00:15:29,495 --> 00:15:31,998 どんな ひとでなしが やってきても➨ 179 00:15:31,998 --> 00:15:36,502 君の指一本 くれてやるつもりは ありませんから。 180 00:15:39,505 --> 00:15:41,507 そうだ 夜店。 181 00:15:41,507 --> 00:15:43,843 まだ開いてたら 寄っていきましょう。 182 00:15:43,843 --> 00:15:48,181 えっ 私も汐莉さんも 血まみれなんだけど。 183 00:15:48,181 --> 00:15:51,184 普通の人間に 妖怪の血なんて見えませんし➨ 184 00:15:51,184 --> 00:15:54,353 じきに ちりになるから平気ですよ。 185 00:15:54,353 --> 00:15:56,656 さぁ 早く。 186 00:16:05,798 --> 00:16:09,302 《幸福に生きるか…。 187 00:16:09,302 --> 00:16:15,141 お父さん お母さん お兄ちゃん。 188 00:16:15,141 --> 00:16:17,143 私 頑張るよ。 189 00:16:17,143 --> 00:16:21,147 1日も早く みんなのところへ行くために。 190 00:16:21,147 --> 00:16:25,318 どんな地獄の海底でも 笑って生きる》 191 00:16:25,318 --> 00:16:27,320 なに食べます? 192 00:16:30,656 --> 00:16:33,492 (汐莉)あ~ もうあんまり 開いてないですね。 193 00:16:33,492 --> 00:16:36,162 (比名子)東京ケーキなら やってるけど。 194 00:16:36,162 --> 00:16:40,566 なんです? それ。 ベビーカステラみたいな? 195 00:16:43,002 --> 00:16:45,505 (美胡)比名子? 196 00:16:54,847 --> 00:16:58,017 ⸨早く私に 喰べられたいと思うなら➨ 197 00:16:58,017 --> 00:17:01,621 幸福に生きる 努力をしてください⸩ 198 00:17:04,290 --> 00:17:06,292 (比名子)いってきます。 199 00:17:06,292 --> 00:17:13,132 (セミの鳴き声) 200 00:17:13,132 --> 00:17:17,136 《不思議。 昨日までは ただのけん騒にしか➨ 201 00:17:17,136 --> 00:17:19,639 聞こえなかった波の音も➨ 202 00:17:19,639 --> 00:17:24,644 苦しいくらい 煩わしいだけだった夏の太陽も➨ 203 00:17:24,644 --> 00:17:26,646 あの人の言葉ひとつで➨ 204 00:17:26,646 --> 00:17:29,849 こんなにも違って 感じるものなんだ》 205 00:17:32,151 --> 00:17:34,153 比名子 おはよっ! 206 00:17:34,153 --> 00:17:36,155 おはよう 美胡ちゃん。 207 00:17:36,155 --> 00:17:38,991 今日は 私のほうが早かったね。 208 00:17:38,991 --> 00:17:42,328 今朝は 体調よさそうだね。 まあね。 209 00:17:42,328 --> 00:17:45,164 そう毎日 寝込んでもいられないし。 210 00:17:45,164 --> 00:17:48,834 てか 比名子こそ なんか元気そうじゃん。 211 00:17:48,834 --> 00:17:51,337 なんか いいことでもあった? 212 00:17:51,337 --> 00:17:53,506 どうだろ。 えっ。 213 00:17:53,506 --> 00:17:56,676 何その意味ありげな反応。 214 00:17:56,676 --> 00:17:59,679 え~ 何? めちゃくちゃ 気になるんですけど! 215 00:17:59,679 --> 00:18:03,616 (比名子)なんでもないって。 216 00:18:03,616 --> 00:18:06,118 あっ そういえばさ➨ 217 00:18:06,118 --> 00:18:13,125 花火 見えた? えっ えっと…。 218 00:18:13,125 --> 00:18:16,128 《汐莉さんと 一緒に行ったところ➨ 219 00:18:16,128 --> 00:18:18,631 見られてた?》 220 00:18:18,631 --> 00:18:21,467 昨日のお祭りのこと? 221 00:18:21,467 --> 00:18:25,471 そうそう 家の2階から見えるって 言ってたでしょ? 222 00:18:25,471 --> 00:18:27,807 家? 223 00:18:27,807 --> 00:18:31,811 他に何かあるの? う ううん。 224 00:18:31,811 --> 00:18:34,313 そう えっと…。 225 00:18:34,313 --> 00:18:37,984 《よかった。 見られてたわけじゃ なかったんだ》 226 00:18:37,984 --> 00:18:40,820 家でね ええっと➨ 227 00:18:40,820 --> 00:18:44,323 花火の時間 ちょうどお風呂に入ってて。 228 00:18:44,323 --> 00:18:46,659 え~っ 見てないの? 229 00:18:46,659 --> 00:18:49,662 う うん。 去年のもすごかったけど➨ 230 00:18:49,662 --> 00:18:52,331 今年のやつ めっちゃ大きくてね。 231 00:18:52,331 --> 00:18:55,167 そうだったんだ。 232 00:18:55,167 --> 00:18:57,503 比名子にも見てほしかったな。 233 00:18:57,503 --> 00:19:00,106 あつ 写真撮ってあるから 見て見て。 234 00:19:03,442 --> 00:19:08,447 《やっぱり 美胡ちゃんに 悪いことしちゃったかな》 235 00:19:15,621 --> 00:19:19,625 (チャイム) 236 00:19:19,625 --> 00:19:21,627 (汐莉)えっ? 237 00:19:21,627 --> 00:19:23,629 昨日 私とお祭りに行ったこと➨ 238 00:19:23,629 --> 00:19:27,967 あの子に ないしょにしてほしい? できれば。 239 00:19:27,967 --> 00:19:29,969 別に かまいませんけど➨ 240 00:19:29,969 --> 00:19:33,806 それくらいで怒るような子には 見えませんけどね。 241 00:19:33,806 --> 00:19:37,309 どちらかといえば 私のほうに かみつきそうですけど。 242 00:19:40,312 --> 00:19:45,618 怒らせるっていうか 傷つけちゃうかもしれないから。 243 00:19:48,487 --> 00:19:51,991 君にとって 彼女は 少々特別なようですね。 244 00:19:54,827 --> 00:19:57,830 (比名子)あの事故のあと。 245 00:19:57,830 --> 00:20:00,332 ⸨ほら あの子。 246 00:20:00,332 --> 00:20:03,169 八百歳さんのところのお嬢さん⸩ 247 00:20:03,169 --> 00:20:05,337 (比名子)周りの人は みんな➨ 248 00:20:05,337 --> 00:20:10,342 私に対して 腫れ物を 扱うように接してきたの。 249 00:20:10,342 --> 00:20:13,846 ⸨まだ小さいのに。 かわいそうに⸩ 250 00:20:22,021 --> 00:20:24,857 でも…。 251 00:20:24,857 --> 00:20:27,693 ⸨比名子! おはよ! 252 00:20:27,693 --> 00:20:30,529 早く学校 行こっ!⸩ 253 00:20:30,529 --> 00:20:33,032 (比名子)美胡ちゃんだけは➨ 254 00:20:33,032 --> 00:20:36,702 事故の前と 全然 変わりなくて。 255 00:20:36,702 --> 00:20:43,709 こんな私のそばに ずっといてくれた。 256 00:20:43,709 --> 00:20:47,713 優しい子なんだよ とっても。 257 00:20:47,713 --> 00:20:51,383 わかりました。 昨夜のことは黙っておきましょう。 258 00:20:51,383 --> 00:20:54,720 親友思いの君の意をくんでね。 259 00:20:54,720 --> 00:20:57,389 ありがとう。 260 00:20:57,389 --> 00:21:00,159 それに私の比名子の 親友ということは➨ 261 00:21:00,159 --> 00:21:04,330 すなわち 私の親友と言っても 過言ではありませんしね。 262 00:21:04,330 --> 00:21:07,533 それは ちょっと 違う気がするけど。 263 00:21:11,337 --> 00:21:14,673 じゃあ私 ゴミ捨ててくるから。 264 00:21:14,673 --> 00:21:18,177 はい。 ホウキは私が 片づけておきますね。 265 00:21:18,177 --> 00:21:20,179 うん よろしくね。 266 00:21:25,518 --> 00:21:29,021 やれやれ。 267 00:21:29,021 --> 00:21:31,690 《磯女を始末したとき➨ 268 00:21:31,690 --> 00:21:33,692 ついでに ここら一帯の妖怪を➨ 269 00:21:33,692 --> 00:21:38,197 けん制したつもり だったんですけど…。 270 00:21:38,197 --> 00:21:41,700 そもそも 知性も理性もない 有象無象相手では➨ 271 00:21:41,700 --> 00:21:45,037 あまり意味が なかったみたいですね。 272 00:21:45,037 --> 00:21:48,207 しかし 想像以上ですね。 273 00:21:48,207 --> 00:21:51,377 あの子が ここまで 妖怪を引き寄せるとは…。 274 00:21:51,377 --> 00:21:55,381 よく まぁ今日まで 五体満足でいられたもので…》 275 00:21:55,381 --> 00:21:58,050 (美胡)わっ! 276 00:21:58,050 --> 00:22:02,054 やだ 何これ。