1 00:00:03,003 --> 00:00:06,506 も~っ 最悪なんだけど。 2 00:00:06,506 --> 00:00:09,176 やっば スマホぬれたかも。 3 00:00:09,176 --> 00:00:12,179 今日 雨降るなんて 言ってなかったのにね。 4 00:00:12,179 --> 00:00:15,349 タオル こっちにもちょうだい。 5 00:00:15,349 --> 00:00:18,185 (比名子)ねぇ 汐莉さん。 6 00:00:18,185 --> 00:00:23,090 雨宿りなら さっきの お土産屋さんの横でもできるけど。 7 00:00:32,366 --> 00:00:35,035 (汐莉)足元 気をつけてくださいね。 8 00:00:35,035 --> 00:00:38,872 滑りやすくなってますから。 うん。 9 00:00:38,872 --> 00:00:43,710 海から どんどん離れて いっている気がするんだけど➨ 10 00:00:43,710 --> 00:00:46,380 駅にでも戻るの? 11 00:00:46,380 --> 00:00:50,550 (汐莉)あまり あそこに とどまらないほうがいいと思って。 12 00:00:50,550 --> 00:00:53,387 他の人間も大勢いますし。 13 00:00:53,387 --> 00:00:57,557 雨よりも やっかいなものが 来たら困るでしょう? 14 00:00:57,557 --> 00:01:01,061 それって どういう…。 15 00:01:13,507 --> 00:01:17,177 こらこら 君は人間なんですから。 16 00:01:17,177 --> 00:01:20,847 あんなもの あまり 見ないほうがいいですよ。 17 00:01:20,847 --> 00:01:23,517 (比名子)あれも妖怪なの? 18 00:01:23,517 --> 00:01:26,186 (汐莉)うん? ええっと…。 19 00:01:26,186 --> 00:01:31,024 まぁ 人と妖怪の中間ですかね。 中間? 20 00:01:31,024 --> 00:01:33,860 (汐莉)海で非業の死を遂げた人間。 21 00:01:33,860 --> 00:01:39,366 その未練や 怨嗟が 寄り集まり形になったもの。 22 00:01:39,366 --> 00:01:42,536 怨霊にも妖怪にもなれず➨ 23 00:01:42,536 --> 00:01:47,708 ただ波間から陸に向かって 嘆くだけの存在です。 24 00:01:47,708 --> 00:01:49,710 やかましいだけですが➨ 25 00:01:49,710 --> 00:01:53,213 人間にとっては 毒にも なりかねませんからね。 26 00:02:01,321 --> 00:02:06,026 《比名子:海で死んだ人間…》 27 00:02:12,833 --> 00:02:15,335 見るなと言ってるのに。 28 00:02:15,335 --> 00:02:18,171 あの中に 家族でもいましたか? 29 00:02:18,171 --> 00:02:22,009 ううん。 30 00:02:22,009 --> 00:02:24,678 もし いたら教えてくださいね。 31 00:02:24,678 --> 00:02:28,348 引きずりあげて ご挨拶しなければ。 32 00:02:28,348 --> 00:02:31,351 《本当に…。 33 00:02:31,351 --> 00:02:35,055 あの中にいてくれれば よかったのに》 34 00:04:19,993 --> 00:04:22,496 やれやれ。 35 00:04:22,496 --> 00:04:26,666 この辺りで しばらく やむのを待ちましょうか。 36 00:04:26,666 --> 00:04:29,836 なんだか 本格的に 降ってきちゃったね。 37 00:04:29,836 --> 00:04:33,340 も~ 本当についてないです。 38 00:04:33,340 --> 00:04:38,145 寒いんですか? ううん 平気。 39 00:04:47,854 --> 00:04:52,192 やっぱり 上着脱いだほうが いいんじゃないですか? 40 00:04:52,192 --> 00:04:54,861 えっ? びしょぬれですし➨ 41 00:04:54,861 --> 00:04:56,863 風邪でもひいたら。 だっ…。 42 00:04:56,863 --> 00:05:02,636 大丈夫。 本当に平気だから気にしないで。 43 00:05:02,636 --> 00:05:06,473 君が 気にしなくても 私が気になるんです。 44 00:05:06,473 --> 00:05:10,310 あぁ ほら こんなにも冷たくなってる。 45 00:05:10,310 --> 00:05:12,612 大丈夫だって言って…。 46 00:05:24,991 --> 00:05:28,328 (汐莉)その傷…。 ごめんね。 47 00:05:28,328 --> 00:05:31,832 汚いもの見せちゃって。 48 00:05:31,832 --> 00:05:35,335 でもね これだけじゃないんだ。 49 00:05:35,335 --> 00:05:39,172 隠れてるところは もっと ひどいの。 50 00:05:39,172 --> 00:05:44,344 汐莉さんには あんまり 見られたくなかったんだけど。 51 00:05:44,344 --> 00:05:48,148 食欲 失せちゃった? 52 00:05:56,856 --> 00:05:59,159 なぜ? 53 00:06:04,464 --> 00:06:08,802 比名子 私は君の入れ物が➨ 54 00:06:08,802 --> 00:06:15,475 美しかろうが 醜かろうが どうだって構いません。 55 00:06:15,475 --> 00:06:18,144 たったひとつ。 56 00:06:18,144 --> 00:06:22,315 比名子が 比名子であるということ。 57 00:06:22,315 --> 00:06:28,154 それだけが 私にとって いちばん大切なことなんです。 58 00:06:28,154 --> 00:06:30,357 《あの日からずっと》 59 00:06:33,159 --> 00:06:36,162 なので 見た目うんぬんより➨ 60 00:06:36,162 --> 00:06:38,999 風邪なんかひいて 君の味が落ちることのほうが➨ 61 00:06:38,999 --> 00:06:41,001 よっぽど 問題なんです。 62 00:06:41,001 --> 00:06:44,838 ハァ… 早くやまないですかね 雨。 63 00:06:44,838 --> 00:06:50,176 比名子が 凍死してしまいます。 《近い。 64 00:06:50,176 --> 00:06:56,583 でも今は 嫌じゃない》 65 00:06:59,686 --> 00:07:06,793 《触れられる手も体も 私よりずっと冷たいのに。 66 00:07:06,793 --> 00:07:09,596 こんなにも…》 67 00:07:21,474 --> 00:07:25,312 (汐莉)日がさすと やっぱり暖かいですね。 68 00:07:25,312 --> 00:07:29,316 暖かいっていうか 暑くなりそうだけど。 69 00:07:29,316 --> 00:07:32,152 寒いよりは いいんじゃないですか? 70 00:07:32,152 --> 00:07:36,356 あっ すみません。 ちょっと待っててください。 71 00:07:38,325 --> 00:07:40,327 《早っ》 72 00:07:40,327 --> 00:07:43,997 何か買ったの? えぇ まぁ。 73 00:07:43,997 --> 00:07:47,500 今日のおわびも兼ねて。 74 00:07:47,500 --> 00:07:52,672 上着 まだぬれてるでしょう? 75 00:07:52,672 --> 00:07:56,343 それと…。 76 00:07:56,343 --> 00:07:59,512 せっかく電車に乗ってまで 遠出してもらったのに➨ 77 00:07:59,512 --> 00:08:03,450 君を十分に楽しませることが できなかったので➨ 78 00:08:03,450 --> 00:08:05,952 そのおわびです。 79 00:08:05,952 --> 00:08:10,256 天候にだけは いつの時代も かないませんねぇ。 80 00:08:12,292 --> 00:08:16,463 ねぇ 汐莉さん。 81 00:08:16,463 --> 00:08:19,766 だったら また連れてきてくれる? 82 00:08:26,139 --> 00:08:30,043 もちろん 喜んで。 83 00:08:32,812 --> 00:08:36,816 はい 美胡ちゃん。 こないだのお土産。 84 00:08:36,816 --> 00:08:40,153 えっ いいの? わ~ ありがと! 85 00:08:40,153 --> 00:08:42,155 すっごくかわいい! 86 00:08:42,155 --> 00:08:47,494 今度は 美胡ちゃんも 一緒に行けるといいね。 87 00:08:47,494 --> 00:08:49,496 うんうん! 比名子と一緒なら➨ 88 00:08:49,496 --> 00:08:51,498 どこへだって行くよ。 89 00:08:51,498 --> 00:08:54,501 海でも山でも ジャングルでも 楽しめちゃうよ~。 90 00:08:54,501 --> 00:08:57,003 ジャングルは ちょっと。 91 00:08:57,003 --> 00:08:59,506 ハッ! 比名子と一緒で思い出した! 92 00:08:59,506 --> 00:09:05,945 実はさぁ 折り入って 比名子に頼みがあるんだけど。 93 00:09:05,945 --> 00:09:09,115 (比名子)バスケ部の合宿? (美胡)うん。 94 00:09:09,115 --> 00:09:12,786 そういえば いろいろ 部活かけもちしてたっけ。 95 00:09:12,786 --> 00:09:14,954 助っ人みたいなもんで➨ 96 00:09:14,954 --> 00:09:18,124 ちゃんと活動してるわけじゃ ないんだけどね。 97 00:09:18,124 --> 00:09:22,796 それで 週末の合宿に 参加することになったんだけど➨ 98 00:09:22,796 --> 00:09:27,467 マネージャーの子たちがねぇ。 どうかしたの? 99 00:09:27,467 --> 00:09:29,469 (美胡)2人いるんだけど➨ 100 00:09:29,469 --> 00:09:34,307 そろって用事があって 参加が難しくてさ。 101 00:09:34,307 --> 00:09:37,811 なるほど。 だからね 比名子さえよければ➨ 102 00:09:37,811 --> 00:09:41,147 一緒に 参加してくれないかなって。 103 00:09:41,147 --> 00:09:44,984 難しい仕事とかは全然ないからさ。 (比名子)う~ん。 104 00:09:44,984 --> 00:09:48,321 私抜きで ずいぶん 盛り上がっていますね。 105 00:09:48,321 --> 00:09:50,323 うわっ 出たよ。 106 00:09:50,323 --> 00:09:52,492 合宿って どんな感じなんですかね~。 107 00:09:52,492 --> 00:09:54,494 ワクワクしちゃいます。 108 00:09:54,494 --> 00:09:58,164 なんで 当然のようにお前も ついてくる流れになってんの? 109 00:09:58,164 --> 00:10:00,667 あら 私のことより➨ 110 00:10:00,667 --> 00:10:05,672 君のほうこそ 合宿になんて 出向いて大丈夫なんですか? 111 00:10:05,672 --> 00:10:08,508 ふ~んだ! 合宿所は ここからそんなに➨ 112 00:10:08,508 --> 00:10:11,010 離れてないから 大丈夫なんですぅ~。 113 00:10:11,010 --> 00:10:13,680 それは残念。 あぁ? 114 00:10:13,680 --> 00:10:16,349 合宿所 遠かったらだめなの? 115 00:10:16,349 --> 00:10:19,853 えっ? 別に だめってわけじゃなくて。 116 00:10:19,853 --> 00:10:22,355 ホームシックになっちゃう的な? 117 00:10:22,355 --> 00:10:26,192 ホームシック? 地元 大好きだから! 118 00:10:26,192 --> 00:10:31,097 で 比名子 合宿 一緒に行ってくれる? 119 00:10:35,201 --> 00:10:40,540 3人でだったら 行ってみたいかも。 120 00:10:40,540 --> 00:10:45,044 本当? やった~! それじゃ3人で。 121 00:10:45,044 --> 00:10:49,048 って えっ何? こいつとなんかあった? 122 00:10:49,048 --> 00:10:51,050 別に何も。 123 00:10:51,050 --> 00:10:54,220 そうそう 仮に何かあったとしても➨ 124 00:10:54,220 --> 00:10:56,723 君に教える義理もないですし。 125 00:10:58,725 --> 00:11:00,994 だ~っ! やっぱ お前と比名子を➨ 126 00:11:00,994 --> 00:11:03,496 2人きりで 出かけさせるんじゃなかった! 127 00:11:03,496 --> 00:11:06,332 (汐莉)後悔 先に立たずの お手本みたいな子ですね。 128 00:11:06,332 --> 00:11:11,337 うるせぇ! あ~ はいはい。 129 00:11:11,337 --> 00:11:13,840 (美胡)この… ふぬぬ。 130 00:11:13,840 --> 00:11:18,011 これが 身長8センチの差。 (比名子)美胡ちゃん。 131 00:11:18,011 --> 00:11:21,014 合宿 楽しみにしてるね。 132 00:11:23,183 --> 00:11:27,020 う~ うん。 133 00:11:27,020 --> 00:11:30,356 はい みんな集合。 134 00:11:30,356 --> 00:11:34,027 荷物置いたら 練習するよ。 (みんな)は~い。 135 00:11:34,027 --> 00:11:36,029 比名子~。 136 00:11:36,029 --> 00:11:38,531 比名子たちは 食堂に オーナーさんがいるから➨ 137 00:11:38,531 --> 00:11:43,036 そっちに行ってだって。 うん わかった。 138 00:11:43,036 --> 00:11:48,041 美胡ちゃん 練習頑張ってね。 もっちろん! 139 00:11:48,041 --> 00:11:50,043 比名子に変なことしないでよ。 140 00:11:50,043 --> 00:11:53,546 早く練習 行ってくださ~い。 141 00:11:53,546 --> 00:11:57,216 先生に聞いてますよ。 142 00:11:57,216 --> 00:12:00,486 マネージャーさんの代わりなんて 偉いわねぇ。 143 00:12:00,486 --> 00:12:04,157 あら その腕。 そうなのよ。 144 00:12:04,157 --> 00:12:07,160 階段で転んじゃって 恥ずかしいわ。 145 00:12:07,160 --> 00:12:09,162 あぁ でも安心して。 146 00:12:09,162 --> 00:12:13,833 難しいお仕事は ちゃんと パートさんがやってくれるから。 147 00:12:13,833 --> 00:12:15,835 ねっ あやめさん。 148 00:12:15,835 --> 00:12:18,171 (あやめ)千羽あやめです。 149 00:12:18,171 --> 00:12:22,175 わからないことがあったら 何でも聞いてくださいね。 150 00:12:22,175 --> 00:12:25,845 あっ… 八百歳比名子です。 151 00:12:25,845 --> 00:12:29,015 よろしくお願いします。 (あやめ)こちらこそ。 152 00:12:29,015 --> 00:12:32,685 じゃあ館内を簡単に 説明して回りましょうか。 153 00:12:32,685 --> 00:12:34,687 (比名子)はい。 154 00:12:34,687 --> 00:12:38,191 汐莉さん どうしたの? 155 00:12:38,191 --> 00:12:41,194 あ~ いえいえ。 なんでもありませんよ。 156 00:12:41,194 --> 00:12:43,896 さっ 行きましょ。 うん。 157 00:12:53,039 --> 00:12:55,842 ナイスシュー。 ファイトー。 158 00:12:57,877 --> 00:12:59,879 《暑いなか よくやりますねぇ》 159 00:12:59,879 --> 00:13:01,814 (美胡)こら。 160 00:13:01,814 --> 00:13:04,817 こんなところで 人間の物色すんな。 161 00:13:04,817 --> 00:13:08,655 おや サボリですか? 休憩中! 162 00:13:08,655 --> 00:13:12,325 それは 失礼しました。 お疲れさまです~。 163 00:13:12,325 --> 00:13:14,994 思ってもないことを。 164 00:13:14,994 --> 00:13:17,497 お前こそ 比名子に 仕事押しつけて➨ 165 00:13:17,497 --> 00:13:21,834 遊んでるんじゃないでしょうね。 アハハ まさか。 166 00:13:21,834 --> 00:13:25,004 あの子は 従業員の方とお料理中です。 167 00:13:25,004 --> 00:13:27,840 私は 食べるの専門なので➨ 168 00:13:27,840 --> 00:13:31,511 代わりにお布団の準備なんかを していたんですよ。 169 00:13:31,511 --> 00:13:35,014 ふ~ん 意外に ちゃんとやってたんだ。 170 00:13:35,014 --> 00:13:38,518 あら 私のことを なんだと思っているんですか? 171 00:13:38,518 --> 00:13:42,021 野蛮で 胡散臭くて どこの馬の骨かもわからない➨ 172 00:13:42,021 --> 00:13:44,023 ひとでなし。 173 00:13:44,023 --> 00:13:46,526 ずいぶんな言いようですね。 (美胡)だから➨ 174 00:13:46,526 --> 00:13:49,862 なんで お前みたいなやつに 比名子が心を許すのか➨ 175 00:13:49,862 --> 00:13:52,699 私には理解できない。 176 00:13:52,699 --> 00:13:57,704 でしょうね。 それを理解してしまったら➨ 177 00:13:57,704 --> 00:14:00,306 君はもう あの子の友人では➨ 178 00:14:00,306 --> 00:14:04,143 いられなくなって しまいますから。 179 00:14:04,143 --> 00:14:09,482 違いますか? 君はね 愚直で正直すぎるんですよ。 180 00:14:09,482 --> 00:14:12,318 あの子が 何を 望んでいるのか知っていて➨ 181 00:14:12,318 --> 00:14:15,988 それを 与えることを拒んでいる。 182 00:14:15,988 --> 00:14:19,826 しかも そのことを 隠そうともしないんですから。 183 00:14:19,826 --> 00:14:24,163 比名子の本心に 触れられないのは当然では? 184 00:14:24,163 --> 00:14:28,501 妖怪なんて 身勝手で 嘘つきなのが当たり前。 185 00:14:28,501 --> 00:14:33,172 人間をだまし はかり たぶらかすのが我々のさが。 186 00:14:33,172 --> 00:14:36,676 人間の真似をして けなげに振る舞っていれば➨ 187 00:14:36,676 --> 00:14:39,011 受け入れてもらえるだなんて➨ 188 00:14:39,011 --> 00:14:43,516 そんな都合のいい話 あるはずないでしょう。 189 00:14:43,516 --> 00:14:48,688 ハァ… 本当お前とは合わないわ。 190 00:14:48,688 --> 00:14:51,591 相思相合ですね。 (美胡)辞書ひいてこい。 191 00:14:54,694 --> 00:14:57,697 (汐莉)ですが その 人間かぶれの思想は➨ 192 00:14:57,697 --> 00:15:00,133 君のいいところだと思いますよ。 193 00:15:00,133 --> 00:15:02,802 ハァ? 嫌味言ってんの? 194 00:15:02,802 --> 00:15:05,805 いえいえ 本当ですって。 195 00:15:05,805 --> 00:15:08,808 比名子の望みと 真逆の願いを持ちながら➨ 196 00:15:08,808 --> 00:15:12,145 それでも 比名子に 突き放されることなく➨ 197 00:15:12,145 --> 00:15:15,314 そばに い続けられる。 198 00:15:15,314 --> 00:15:19,318 羨ましいですね。 お前…。 199 00:15:21,320 --> 00:15:23,489 あっ 近江さんいたいた。 200 00:15:23,489 --> 00:15:28,828 食堂のほう行きましょうか。 は~い。 201 00:15:28,828 --> 00:15:32,632 それじゃあ美胡 練習 頑張ってくださいね。 202 00:15:37,170 --> 00:15:39,672 お前に言われなくても➨ 203 00:15:39,672 --> 00:15:43,009 あの子が 本当は 何を望んでいるかなんて➨ 204 00:15:43,009 --> 00:15:45,678 ずっと前から わかってる。 205 00:15:45,678 --> 00:15:49,682 私は いつだって あの子の願いも望みも➨ 206 00:15:49,682 --> 00:15:52,585 何ひとつ かなえてあげられない。 207 00:15:55,521 --> 00:16:00,460 だけど お前はどうなの? 208 00:16:00,460 --> 00:16:05,298 妖怪が皆 嘘つきで 身勝手だって言うなら➨ 209 00:16:05,298 --> 00:16:08,801 あの子にとって 耳当たりのいい➨ 210 00:16:08,801 --> 00:16:11,604 お前の言葉は…。 211 00:16:13,639 --> 00:16:16,976 ゴミ置き場 体育館の裏でしたっけ? 212 00:16:16,976 --> 00:16:22,982 そうそう 生ゴミって書いてる ポリバケツがあるからその中ね。 213 00:16:22,982 --> 00:16:25,985 力持ちの子が いてくれると助かるわ。 214 00:16:25,985 --> 00:16:27,987 どうも ありがとう。 215 00:16:27,987 --> 00:16:34,494 さてと 残りの洗い物も 済ませちゃいましょうか。 216 00:16:34,494 --> 00:16:36,495 比名子ちゃん? 217 00:16:36,495 --> 00:16:39,499 どうかしたの? 218 00:16:39,499 --> 00:16:44,504 ⸨由利:比名子。 ほら クッキー焼けたから⸩ 219 00:16:44,504 --> 00:16:48,674 いえ なんでもないです。 220 00:16:48,674 --> 00:16:50,676 そう。 221 00:16:50,676 --> 00:16:54,847 比名子ちゃん お料理がうまくて助かったわ。 222 00:16:54,847 --> 00:16:56,849 お家でも作ってるの? 223 00:16:56,849 --> 00:17:00,119 あっ はい。 友達に教わって。 224 00:17:00,119 --> 00:17:02,121 さっきの汐莉ちゃん? 225 00:17:02,121 --> 00:17:05,124 本当に仲のいいお友達なのね。 226 00:17:05,124 --> 00:17:07,627 《友達》 227 00:17:07,627 --> 00:17:12,298 いえ お料理を 教えてくれたのは別の友達で➨ 228 00:17:12,298 --> 00:17:16,802 汐莉さんじゃなくて。 あら そうだったの? 229 00:17:16,802 --> 00:17:21,307 ずいぶん 仲がよさそうに 見えたから てっきり。 230 00:17:21,307 --> 00:17:25,144 私と汐莉さんが? 231 00:17:25,144 --> 00:17:27,813 そんなふうに見えました? 232 00:17:27,813 --> 00:17:30,316 えぇ もちろん。 233 00:17:30,316 --> 00:17:32,985 だって お友達なんでしょう? 234 00:17:32,985 --> 00:17:35,988 《私と汐莉さんは…。 235 00:17:35,988 --> 00:17:41,661 お互いに お互いの望みを かなえるだけの関係で…。 236 00:17:41,661 --> 00:17:44,830 それ以上でも それ以下でもなくて。 237 00:17:44,830 --> 00:17:49,835 美胡ちゃんみたいに 友達になれるような➨ 238 00:17:49,835 --> 00:17:52,638 優しいひとじゃ…》 239 00:17:57,343 --> 00:18:00,947 (美胡)今度こそ サボリだ。 240 00:18:00,947 --> 00:18:03,950 休憩中ですよ 休憩中。 241 00:18:03,950 --> 00:18:08,287 こまめな水分補給は 大切ですから。 242 00:18:08,287 --> 00:18:10,456 そのまま 干からびちゃえばいいのに。 243 00:18:10,456 --> 00:18:13,626 んっ? あれって…。 244 00:18:13,626 --> 00:18:19,131 なんか比名子 妙に懐いてるよね。 245 00:18:19,131 --> 00:18:21,133 愛想つかされた? 246 00:18:21,133 --> 00:18:23,636 それ 君にも刺さってますよ。 247 00:18:25,638 --> 00:18:29,308 あの人間 比名子と少し似ています。 248 00:18:29,308 --> 00:18:32,311 う~ん そう? 私から見れば➨ 249 00:18:32,311 --> 00:18:34,313 比名子っていうより あの子の。 250 00:18:34,313 --> 00:18:37,483 いえいえ 見た目の話ではなく。 251 00:18:37,483 --> 00:18:40,319 嫌な臭いがするんですよね。 252 00:18:40,319 --> 00:18:44,657 せっかく 比名子からその 臭いが抜けつつあるというのに➨ 253 00:18:44,657 --> 00:18:47,326 傷のなめあいなんて➨ 254 00:18:47,326 --> 00:18:50,630 つまらないことを しないといいんですけどね。 255 00:18:54,333 --> 00:18:58,838 お待たせ お風呂あいたよ。 (理菜/冬花)は~い。 256 00:18:58,838 --> 00:19:01,440 (冬花)おっ 美胡の ヘアゴムいいじゃん。 257 00:19:01,440 --> 00:19:03,943 買ったの? ん~? 258 00:19:03,943 --> 00:19:08,447 いや~ 比名子がね お土産でくれたの。 259 00:19:08,447 --> 00:19:12,952 比名子が 私のために。 260 00:19:12,952 --> 00:19:16,956 暑苦しいので離れてくださ~い。 261 00:19:16,956 --> 00:19:19,625 あとお風呂まだの子 誰? 262 00:19:19,625 --> 00:19:23,796 (理菜)え~っと 私とあこと 冬花にゆうちゃん➨ 263 00:19:23,796 --> 00:19:26,132 近江さんと。 264 00:19:26,132 --> 00:19:29,802 比名子ちゃん お風呂まだだよね。 265 00:19:29,802 --> 00:19:33,139 今から入るけど 一緒に行かない? 266 00:19:33,139 --> 00:19:36,842 えっ えっと私…。 267 00:19:40,646 --> 00:19:44,316 すみません。 まだ マネージャーの仕事が残ってるので➨ 268 00:19:44,316 --> 00:19:47,153 お風呂は あとでいただきます~。 269 00:19:47,153 --> 00:19:50,990 そうなんだ。 じゃあ 私たちだけで先入っちゃうね。 270 00:19:50,990 --> 00:19:53,325 (汐莉)は~い どうぞ。 271 00:19:53,325 --> 00:19:57,630 お仕事 パパッとすませちゃいましょ。 う うん。 272 00:20:02,334 --> 00:20:05,171 (比名子)ねぇ 汐莉さん。 273 00:20:05,171 --> 00:20:09,675 マネージャーのお仕事って 何か頼まれてたっけ? 274 00:20:09,675 --> 00:20:12,845 ん~? あぁ はいはい。 275 00:20:12,845 --> 00:20:16,515 お仕事 お仕事。 う~ん。 276 00:20:16,515 --> 00:20:19,018 私の勘違いでしたかねぇ。 277 00:20:19,018 --> 00:20:21,120 うっかり うっかり。 278 00:20:23,522 --> 00:20:28,527 汐莉さんは どうして そんなに優しくしてくれるの? 279 00:20:33,532 --> 00:20:36,836 (汐莉)そんなの 決まってるじゃないですか。 280 00:20:41,540 --> 00:20:44,043 私自身のためですよ。 281 00:20:47,379 --> 00:20:54,720 君に与えるのも施すのも 何ひとつ君のためじゃない。 282 00:20:54,720 --> 00:20:58,224 すべて私のために やっていることです。 283 00:21:00,659 --> 00:21:03,496 私と汐莉さんは➨ 284 00:21:03,496 --> 00:21:07,333 人間と妖怪だし➨ 285 00:21:07,333 --> 00:21:12,171 お互いの望みを 押しつけ合うだけの関係。 286 00:21:12,171 --> 00:21:19,345 でも 美胡ちゃんも妖怪だけど 友達になれた。 287 00:21:19,345 --> 00:21:23,649 私たちは 友達にはなれないの? 288 00:21:30,189 --> 00:21:35,895 君とあの狐のように 友達ごっこをしろと? 289 00:21:38,030 --> 00:21:42,535 残念ですが それは 永遠にありえません。 290 00:21:47,873 --> 00:21:51,710 人間らしい顔が できるようになりましたね。 291 00:21:51,710 --> 00:21:54,046 何よりです。 292 00:21:54,046 --> 00:21:56,048 さてと。 293 00:21:56,048 --> 00:21:59,385 私は 適当なところで 時間を潰していますから➨ 294 00:21:59,385 --> 00:22:02,655 今入ってる人間が 風呂から上がったら➨ 295 00:22:02,655 --> 00:22:06,325 一人で 入っていらっしゃい。 296 00:22:06,325 --> 00:22:09,028 汐莉さん…。 297 00:22:18,504 --> 00:22:21,006 ⸨汐莉:永遠にありえません⸩ 298 00:22:27,680 --> 00:22:29,682 あら? 299 00:22:29,682 --> 00:22:33,686 こんな時間に 一人でどうしたの? 300 00:22:33,686 --> 00:22:36,388 でも ちょうどよかったわ。 301 00:22:39,692 --> 00:22:43,095 少し お時間いいかしら?