1 00:00:09,009 --> 00:00:13,347 ⸨二口女:あの人魚に 血をもらったでしょう? 2 00:00:13,347 --> 00:00:16,517 (あやめ)自分の血が混じった 人間なんて➨ 3 00:00:16,517 --> 00:00:19,319 まずくて 喰べられたものじゃないのに⸩ 4 00:00:26,860 --> 00:00:29,062 (比名子)汐莉さん…。 5 00:02:14,001 --> 00:02:16,503 (美胡)いっただきま~す! 6 00:02:16,503 --> 00:02:19,006 今日も今日とて ごはんは おいしいし。 7 00:02:19,006 --> 00:02:21,008 比名子と2人っきりだし。 8 00:02:21,008 --> 00:02:24,177 半魚人は なんか知らないけど 今日は寄ってこないし➨ 9 00:02:24,177 --> 00:02:26,847 ハッピー ハッピー。 10 00:02:26,847 --> 00:02:29,850 う… めちゃくちゃおいしひ。 11 00:02:29,850 --> 00:02:31,852 ねっね! 比名子も1個食べてみ! 12 00:02:31,852 --> 00:02:35,055 ぜ~ったい 比名子も好きな味だから。 13 00:02:40,527 --> 00:02:43,864 (美胡)比名子! あっ ごめん。 14 00:02:43,864 --> 00:02:46,867 ちょっと ボーッとしちゃって。 15 00:02:46,867 --> 00:02:50,037 おいしい? んっ。 16 00:02:50,037 --> 00:02:52,873 《本当においしい》 17 00:02:52,873 --> 00:02:55,709 ねぇ 比名子。 18 00:02:55,709 --> 00:02:59,980 私はさ 比名子の助けになりたい。 19 00:02:59,980 --> 00:03:04,151 合宿で あの半魚人と 何かあったなら➨ 20 00:03:04,151 --> 00:03:06,853 話してくれるだけでも うれしいな。 21 00:03:12,993 --> 00:03:17,097 美胡ちゃん。 無理にとは 言わないけどね。 22 00:03:19,666 --> 00:03:25,005 あのね 美胡ちゃん。 実はあの夜。 23 00:03:25,005 --> 00:03:28,008 (美胡)えっ! 24 00:03:28,008 --> 00:03:30,510 あいつの血が 比名子に? 25 00:03:30,510 --> 00:03:33,847 うん。 あの あやめって妖怪が➨ 26 00:03:33,847 --> 00:03:35,849 適当なことを 言ってるんじゃなくて? 27 00:03:38,852 --> 00:03:41,188 ⸨あやめ:ごめんなさいね⸩ 28 00:03:41,188 --> 00:03:45,525 たぶん ウソはついてないと思う。 29 00:03:45,525 --> 00:03:49,696 まぁ そんなウソついたところでって 話だもんね。 30 00:03:49,696 --> 00:03:52,032 だけど 匂いだけじゃ わからないくらい➨ 31 00:03:52,032 --> 00:03:54,034 なじんでるってことは➨ 32 00:03:54,034 --> 00:03:56,870 相当 前に血を 入れられたってことになるけど➨ 33 00:03:56,870 --> 00:04:00,140 あいつと会ったことってあるの? 34 00:04:00,140 --> 00:04:03,977 ううん でも…。 35 00:04:03,977 --> 00:04:06,646 汐莉さんの本当の姿は➨ 36 00:04:06,646 --> 00:04:10,484 どこかで見たことが あるような気がして。 37 00:04:10,484 --> 00:04:14,154 猿のミイラとかじゃない? どっちも キモいし。 38 00:04:14,154 --> 00:04:16,156 たぶん違う。 39 00:04:16,156 --> 00:04:18,992 う~ん 日本の人魚なんて➨ 40 00:04:18,992 --> 00:04:23,163 1回見たら 夢に出てきそうな 見た目してるし そうそう➨ 41 00:04:23,163 --> 00:04:26,500 忘れられるようなもんじゃ ないと思うんだけどねぇ。 42 00:04:26,500 --> 00:04:29,669 そう… だよね。 43 00:04:29,669 --> 00:04:32,672 あの あやめってやつが ウソをついているか➨ 44 00:04:32,672 --> 00:04:35,675 半魚人が 何か隠してるのか。 45 00:04:35,675 --> 00:04:39,346 匂いだけじゃ 確かめようがないもんな。 46 00:04:39,346 --> 00:04:41,681 じゃあ…。 47 00:04:41,681 --> 00:04:45,018 ちょっと なめてみる? えっ! 48 00:04:45,018 --> 00:04:47,687 (比名子)もう だいぶ傷 塞がってるけど。 49 00:04:47,687 --> 00:04:50,190 やめて 冗談でもやめて! 50 00:04:50,190 --> 00:04:53,693 冗談じゃすまなくなるから! あぁ…。 51 00:04:53,693 --> 00:04:56,863 ご ごめん美胡ちゃん。 52 00:04:56,863 --> 00:05:00,667 あ 謝らなくていいから 早く腕しまって。 53 00:05:02,636 --> 00:05:06,339 とりあえず 手っ取り早い方法なんだけど。 54 00:05:08,308 --> 00:05:12,312 やっぱ あの半魚人に 直接聞くのが 一番じゃない? 55 00:05:12,312 --> 00:05:14,314 そうなんだけど。 56 00:05:14,314 --> 00:05:18,985 汐莉さん ずっと顔も 合わせてくれなくて。 57 00:05:18,985 --> 00:05:21,988 平気 平気。 私が縛り上げてでも➨ 58 00:05:21,988 --> 00:05:23,990 吐かせてやるから。 59 00:05:23,990 --> 00:05:26,993 できれば 穏便に お願いしたいんだけど。 60 00:05:26,993 --> 00:05:31,097 そうと決まれば早速 放課後 半魚人狩りに行くぞ! 61 00:05:33,166 --> 00:05:36,503 あれ 美胡。 今日 掃除当番でしょ? 62 00:05:36,503 --> 00:05:39,172 そうでした。 というわけで➨ 63 00:05:39,172 --> 00:05:41,841 半魚人狩りは あしたでもいいかな。 64 00:05:41,841 --> 00:05:44,344 気にしないで 美胡ちゃん。 65 00:05:44,344 --> 00:05:47,347 私 一人でも探してみるよ。 66 00:05:47,347 --> 00:05:51,851 汐莉さんなら ちゃんと話をすれば 答えてくれると思うし。 67 00:05:51,851 --> 00:05:56,189 比名子。 じゃあね。 68 00:05:56,189 --> 00:05:58,191 私も! 69 00:05:58,191 --> 00:06:01,461 掃除当番 終わったらすぐ追いかけるね! 70 00:06:01,461 --> 00:06:04,564 うん。 71 00:06:08,635 --> 00:06:14,040 比名子ってば あいつのこと ちょっと信用しすぎじゃない。 72 00:06:25,151 --> 00:06:28,355 汐莉さん… いるの? 73 00:06:32,158 --> 00:06:35,328 (汐莉)うふ バレてました? 74 00:06:35,328 --> 00:06:39,100 ううん わからなかった。 でも…。 75 00:06:39,100 --> 00:06:45,005 汐莉さんは いつだって 私のそばにいてくれたでしょ? 76 00:06:45,005 --> 00:06:48,008 私を喰べにやってくる妖怪から➨ 77 00:06:48,008 --> 00:06:50,510 守ってくれるために。 78 00:07:11,131 --> 00:07:13,633 (比名子)ねぇ 汐莉さん。 79 00:07:13,633 --> 00:07:18,138 私たち どこかで会ったことある? 80 00:07:23,810 --> 00:07:28,315 えぇ 会ってますよ。 81 00:07:28,315 --> 00:07:31,651 学校の教室でも 君の家でも➨ 82 00:07:31,651 --> 00:07:34,354 今もこうして 会ってますしね。 83 00:07:36,656 --> 00:07:42,329 (比名子)じゃあ 質問変えるね。 84 00:07:42,329 --> 00:07:50,837 私の体の中に汐莉さんの血が 混じってるっていうのは 本当? 85 00:07:50,837 --> 00:07:57,844 君は 自分を襲った 妖怪の妄言を信じるんですか? 86 00:07:57,844 --> 00:08:01,348 それじゃ 混じってないの? 87 00:08:04,284 --> 00:08:08,455 私ね あなたの姿を➨ 88 00:08:08,455 --> 00:08:11,624 どこかで見たことが あるような気がするの。 89 00:08:11,624 --> 00:08:14,627 だから あやめさんの言ってたことも➨ 90 00:08:14,627 --> 00:08:17,464 すんなり納得できる。 91 00:08:17,464 --> 00:08:21,301 ねぇ 教えてほしいの。 92 00:08:21,301 --> 00:08:25,305 私は 汐莉さんから 血をもらったの? 93 00:08:28,808 --> 00:08:32,645 汐莉さん。 94 00:08:32,645 --> 00:08:36,649 おいしそう? 95 00:08:36,649 --> 00:08:38,651 あやめさんに聞いたの。 96 00:08:38,651 --> 00:08:41,654 あなたたちは 自分が 血をあげた人間は➨ 97 00:08:41,654 --> 00:08:44,657 まずくて 喰べられないって。 98 00:08:44,657 --> 00:08:52,499 汐莉さんは 本当に 私のこと喰べたい? 99 00:08:52,499 --> 00:08:55,835 もし あの 妖怪の言ってたことが➨ 100 00:08:55,835 --> 00:09:01,775 すべて真実だったとしたら…。 101 00:09:01,775 --> 00:09:07,781 君は 私を拒絶しますか? えっ? 102 00:09:07,781 --> 00:09:11,117 私の前から姿を消しますか? 103 00:09:11,117 --> 00:09:15,288 なりふり構わず 自ら命を散らしますか? 104 00:09:15,288 --> 00:09:21,294 そんなこと… 急に言われても。 105 00:09:24,130 --> 00:09:27,300 本当ですよ。 106 00:09:27,300 --> 00:09:31,304 君を喰べたかったのは本当です。 107 00:09:31,304 --> 00:09:35,308 そして あの妖怪の言ったとおり➨ 108 00:09:35,308 --> 00:09:41,147 かつて君に 血を渡したのも本当です。 109 00:09:41,147 --> 00:09:44,317 あんなに君しか いらなかったのに➨ 110 00:09:44,317 --> 00:09:48,154 心の底から食べたかったのに。 111 00:09:48,154 --> 00:09:50,657 今の私には➨ 112 00:09:50,657 --> 00:09:55,161 君の血の匂いすら 不快でたまらない。 113 00:09:59,499 --> 00:10:02,001 ごめんなさい。 114 00:10:02,001 --> 00:10:07,507 言っていることが 理解できない。 115 00:10:07,507 --> 00:10:13,847 君は 忘れているでしょうが 10年前➨ 116 00:10:13,847 --> 00:10:18,017 君と私は 一度 会ったことがあるんですよ。 117 00:10:18,017 --> 00:10:22,188 10年前。 118 00:10:22,188 --> 00:10:26,693 《そういえば 私の記憶の中にある➨ 119 00:10:26,693 --> 00:10:30,196 汐莉さんがいた海は…》 120 00:10:30,196 --> 00:10:35,702 それって もしかして あの旅行のとき。 121 00:10:35,702 --> 00:10:38,204 えぇ。 122 00:10:43,543 --> 00:10:47,547 どうして私に? 123 00:10:47,547 --> 00:10:51,885 (汐莉)君には 少々 借りがありましてね。 124 00:10:51,885 --> 00:10:58,224 それの恩返しなんて おこがましいかもしれませんが。 125 00:10:58,224 --> 00:11:04,430 私はあの日 幼かった君に 自分の血を与えました。 126 00:11:08,168 --> 00:11:10,336 人魚の肉に比べたら➨ 127 00:11:10,336 --> 00:11:13,673 血なんて大した 代物ではありません。 128 00:11:13,673 --> 00:11:19,178 せいぜい 病気になりにくいとか 妖怪を寄せつけないとか➨ 129 00:11:19,178 --> 00:11:23,683 そんな程度の お守りのつもりだったんです。 130 00:11:23,683 --> 00:11:28,021 そのあと すぐだったんですってね。 131 00:11:28,021 --> 00:11:31,357 君と家族が事故に遭ったのは。 132 00:11:31,357 --> 00:11:34,360 本来であれば 何年もかけて➨ 133 00:11:34,360 --> 00:11:37,030 体になじんでいくはずだった 私の血が➨ 134 00:11:37,030 --> 00:11:39,032 その事故によって おそらく➨ 135 00:11:39,032 --> 00:11:43,036 一気に君の体に取り込まれた。 136 00:11:43,036 --> 00:11:49,542 そしてあの日 私の血によって 君の体は変質してしまった。 137 00:11:51,544 --> 00:11:55,882 《人魚の血 私の体。 138 00:11:55,882 --> 00:12:00,486 あの旅行先の海で汐莉さんに? 139 00:12:00,486 --> 00:12:03,489 ううん そんなことより➨ 140 00:12:03,489 --> 00:12:08,161 あの事故で私だけ 生き残ったのは…》 141 00:12:08,161 --> 00:12:10,830 (汐莉)正直に言うと➨ 142 00:12:10,830 --> 00:12:13,333 大けがを負った君の体が➨ 143 00:12:13,333 --> 00:12:17,837 私の血によって変質したのは 想定外の出来事でした。 144 00:12:20,506 --> 00:12:23,176 けれど…。 145 00:12:23,176 --> 00:12:27,847 祈り。 君に血を与える際➨ 146 00:12:27,847 --> 00:12:31,017 私は 祈りを込めました。 147 00:12:31,017 --> 00:12:34,520 どうか この子が健やかに➨ 148 00:12:34,520 --> 00:12:38,358 今の輝きを失わず➨ 149 00:12:38,358 --> 00:12:41,194 たとえ 何があっても➨ 150 00:12:41,194 --> 00:12:45,098 比名子だけは 生きてと。 151 00:12:48,034 --> 00:12:54,040 ⸨比名子だけは 比名子だけは…。 152 00:12:54,040 --> 00:12:57,210 (汐莉)生きて⸩ 153 00:12:57,210 --> 00:13:02,148 えっ 待って。 それって…。 154 00:13:02,148 --> 00:13:05,151 《私が あのとき聞いた➨ 155 00:13:05,151 --> 00:13:08,821 家族の声だと 思っていたものは➨ 156 00:13:08,821 --> 00:13:11,658 私が守り続けていた➨ 157 00:13:11,658 --> 00:13:15,561 家族の願いだと 思っていたものは…》 158 00:13:18,665 --> 00:13:22,835 全部… ウソだったの? 159 00:13:22,835 --> 00:13:28,841 私を喰べてくれるって。 160 00:13:28,841 --> 00:13:33,179 妖怪は ウソつきで 身勝手ですからね。 161 00:13:33,179 --> 00:13:37,016 君には悪いけど 私は 私のために➨ 162 00:13:37,016 --> 00:13:40,853 君を死なせるわけには いかないんですよ。 163 00:13:40,853 --> 00:13:45,024 おいしそうだって言った…。 164 00:13:45,024 --> 00:13:49,529 とても おいしそうだと 思っていましたよ。 165 00:13:49,529 --> 00:13:52,832 私の血を与えるまでは。 ハァ ハァ…。 166 00:13:54,867 --> 00:14:00,973 《息が苦しい。 167 00:14:00,973 --> 00:14:08,981 私の海が 私を沈めてくれる はずだった海が…。 168 00:14:08,981 --> 00:14:12,085 干上がっていくみたい》 169 00:14:19,492 --> 00:14:22,662 今さら 自ら 命を絶とうなんて➨ 170 00:14:22,662 --> 00:14:25,498 しないでくださいね。 171 00:14:25,498 --> 00:14:30,002 君の四肢をもいで どこかで飼い殺しなんて➨ 172 00:14:30,002 --> 00:14:34,006 私もできれば したくないので。 173 00:14:34,006 --> 00:14:38,177 あぁ もうあの妖怪のせいで 何もかも台なしです。 174 00:14:38,177 --> 00:14:41,681 せっかく 君が人間らしく なってきたというところで。 175 00:14:41,681 --> 00:14:44,016 (比名子)あなたのこと…。 176 00:14:44,016 --> 00:14:48,020 信じてたのに。 177 00:14:48,020 --> 00:14:52,024 ひとでなし。 178 00:14:59,532 --> 00:15:02,301 あっ 比名子いたいた。 179 00:15:02,301 --> 00:15:04,804 半魚人 捕まえられたんだね。 180 00:15:08,141 --> 00:15:10,543 比名子…。 181 00:15:20,987 --> 00:15:24,490 (妖狐)あの子に何をした? 182 00:15:24,490 --> 00:15:28,294 私が お前の頭を かみ砕く前に答えろ。 183 00:15:30,496 --> 00:15:32,498 チッ。 184 00:15:35,334 --> 00:15:40,039 都合が悪くなると だんまりか。 時間の無駄ね。 185 00:15:42,842 --> 00:15:46,646 美胡。 あした空いてますか? 186 00:15:49,682 --> 00:15:53,186 デートしましょう。 187 00:15:53,186 --> 00:15:55,855 ハァ? 188 00:15:55,855 --> 00:16:05,965 ♬~ 189 00:16:05,965 --> 00:16:08,801 なんで 私がお前と 動物園デートなんか➨ 190 00:16:08,801 --> 00:16:11,637 しなきゃいけないの! いやですね。 191 00:16:11,637 --> 00:16:14,974 デートなんて 自意識過剰な狐ですこと。 192 00:16:14,974 --> 00:16:17,276 お前が言いだしたんでしょ! 193 00:16:20,146 --> 00:16:22,648 (美胡)いや マジで意味わからん。 194 00:16:22,648 --> 00:16:25,651 どうせなら 比名子と一緒に来たかったのに。 195 00:16:25,651 --> 00:16:29,155 比名子は比名子で 連絡しても 既読しかつかないし。 196 00:16:29,155 --> 00:16:32,491 マジでお前 比名子に 何したわけ? ねぇ。 197 00:16:32,491 --> 00:16:35,995 よく回る舌ですねぇ。 こいつ。 198 00:16:35,995 --> 00:16:39,499 ⚟は~い お待たせしました。 199 00:16:39,499 --> 00:16:43,503 これより ペンギンの 餌やりショーを始めたいと思います。 200 00:16:43,503 --> 00:16:46,806 おっ 比名子に 動画送ってあげよっと。 201 00:16:56,349 --> 00:16:59,018 (汐莉)美胡。 202 00:16:59,018 --> 00:17:01,954 あれを見て 君はどう思います? 203 00:17:01,954 --> 00:17:05,124 あれって ペンギン? 204 00:17:05,124 --> 00:17:08,127 普通に かわいいなって感じだけど。 205 00:17:08,127 --> 00:17:12,298 フフ… かわいいですか。 206 00:17:12,298 --> 00:17:16,969 ハァ? ばかにしてる? いえいえ そんなそんな。 207 00:17:16,969 --> 00:17:19,972 きっと君には➨ 208 00:17:19,972 --> 00:17:22,475 この眼前に広がる光景も➨ 209 00:17:22,475 --> 00:17:25,978 さぞかし ほほ笑ましく 見えるんでしょうね。 210 00:17:25,978 --> 00:17:28,781 あぁ もう。 だったら何? 211 00:17:30,816 --> 00:17:36,322 本当に君が羨ましい。 212 00:17:36,322 --> 00:17:39,325 肉塊。 213 00:17:39,325 --> 00:17:46,332 今 目の前にいる人間 動物すべて➨ 214 00:17:46,332 --> 00:17:51,337 私には 等しく ただの肉塊としか思えません。 215 00:17:57,009 --> 00:18:01,447 <波の音 深い海の色。 216 00:18:01,447 --> 00:18:05,618 終わりの見えない 夏のにおい。 217 00:18:05,618 --> 00:18:09,956 満たされた空虚な日々。 218 00:18:09,956 --> 00:18:15,061 苦しかった 沈んでしまいたかった> 219 00:18:17,463 --> 00:18:22,568 < それでも輝く太陽を 曇らせたくなくて> 220 00:18:26,973 --> 00:18:32,478 < もう いない人たちの声を 裏切りたくなくて> 221 00:18:35,815 --> 00:18:41,020 <苦しくても沈めなかった> 222 00:18:43,489 --> 00:18:46,993 < だけど あなたが…。 223 00:18:46,993 --> 00:18:51,497 あなただけが…。 224 00:18:51,497 --> 00:18:59,605 私を死なせてくれると 救ってくれると信じていたのに> 225 00:19:06,445 --> 00:19:10,282 そんな くだらない話をするために ここに来たわけ? 226 00:19:10,282 --> 00:19:13,786 わかりやすいかと思って。 227 00:19:13,786 --> 00:19:16,455 私と君が その気になれば➨ 228 00:19:16,455 --> 00:19:18,457 3日とたたずこの園内➨ 229 00:19:18,457 --> 00:19:23,629 すべての生物を喰らい尽くす ことも できるでしょうね。 230 00:19:23,629 --> 00:19:28,634 は~ それは無理。 あら 減量中でした? 231 00:19:28,634 --> 00:19:31,470 そんなことになる前に➨ 232 00:19:31,470 --> 00:19:34,473 私が お前を喰い殺すから。 233 00:19:34,473 --> 00:19:39,145 君の守護する土地の人間は 見逃してやると言っても? 234 00:19:39,145 --> 00:19:42,314 たとえ私に縁のない 人間だとしても➨ 235 00:19:42,314 --> 00:19:46,986 お前が いたずらについばむなんて 許すはずがないでしょ。 236 00:19:46,986 --> 00:19:54,660 本当に君は内側にいるんですね。 内側? 237 00:19:54,660 --> 00:19:58,998 (汐莉)羨ましい。 人間との関わり➨ 238 00:19:58,998 --> 00:20:02,334 この世とのつながり。 239 00:20:02,334 --> 00:20:11,177 私には よくわからないもの。 240 00:20:11,177 --> 00:20:14,013 私には お前の言ってることのほうが➨ 241 00:20:14,013 --> 00:20:17,183 よくわからないよ。 でしょうね~。 242 00:20:17,183 --> 00:20:19,685 いちいち腹立つやつだな。 243 00:20:22,021 --> 00:20:24,023 私だって➨ 244 00:20:24,023 --> 00:20:28,360 最初から 人間の側にいたわけじゃない。 245 00:20:28,360 --> 00:20:32,698 きっかけは それこそ 不本意なものだったけど➨ 246 00:20:32,698 --> 00:20:35,401 それでも…。 247 00:20:38,871 --> 00:20:42,208 私は…。 248 00:20:42,208 --> 00:20:46,378 縁を結ぶことができた。 249 00:20:46,378 --> 00:20:50,049 それは それは 運がよかったですねぇ。 250 00:20:50,049 --> 00:20:54,553 ハァ… それを 運のひと言で片づけるから➨ 251 00:20:54,553 --> 00:20:57,556 お前は だめなんじゃないの? 252 00:20:57,556 --> 00:21:00,159 手厳しいですね。 ていうか➨ 253 00:21:00,159 --> 00:21:02,661 そんなに人間と 関わりたいなら➨ 254 00:21:02,661 --> 00:21:06,832 お前も私みたいに 人間のそばで 暮らしてみればいいじゃん。 255 00:21:06,832 --> 00:21:10,669 まぁ お前には無理だろうけど。 256 00:21:10,669 --> 00:21:15,841 えぇ。 実際 無理でしたから。 257 00:21:15,841 --> 00:21:20,012 昔 短い間ですが➨ 258 00:21:20,012 --> 00:21:23,849 人間と暮らしていたことが あるんですよ。 259 00:21:23,849 --> 00:21:25,851 ハァ? 260 00:21:25,851 --> 00:21:28,654 お前が 人間と? 261 00:21:34,026 --> 00:21:37,696 えぇ。 262 00:21:37,696 --> 00:21:44,203 記憶にあるのは 虫のたかった魚の白い腹。 263 00:21:44,203 --> 00:21:48,374 腐敗臭のただよう 薄暗い海辺の村。 264 00:21:48,374 --> 00:21:53,045 とても食べる気にならないほど➨ 265 00:21:53,045 --> 00:21:56,715 まるで 今の彼女のような➨ 266 00:21:56,715 --> 00:21:59,985 生きることを放棄し➨ 267 00:21:59,985 --> 00:22:03,656 腐った鯨のような臭いをした➨ 268 00:22:03,656 --> 00:22:08,060 まずそうな子どもでした。