1 00:00:34,501 --> 00:00:39,506 (比名子)汐莉さんは 本当に妖怪なの? 2 00:00:39,506 --> 00:00:42,175 (汐莉)えぇ まぁそうですね。 3 00:00:42,175 --> 00:00:46,179 本当に私を喰べにきたの? 4 00:00:46,179 --> 00:00:48,515 ねぇ 比名子。 5 00:00:48,515 --> 00:00:52,019 家畜に食べごろがあるのなら➨ 6 00:00:52,019 --> 00:00:55,522 人間にだって 喰べごろがあると 思いませんか? 7 00:02:37,491 --> 00:02:48,668 ♬~ 8 00:02:48,668 --> 00:02:52,673 (汐莉)あら? これはこれは…。 9 00:02:52,673 --> 00:02:57,010 今は 風変わりな 屋台がいろいろあるんですね。 10 00:02:57,010 --> 00:03:00,013 比名子も来てくださいよ~。 11 00:03:00,013 --> 00:03:03,183 早く 早く。 12 00:03:03,183 --> 00:03:06,853 《いったい どうして こんなことに》 13 00:03:06,853 --> 00:03:10,023 ((夏祭りのお誘いに来ました。 14 00:03:10,023 --> 00:03:13,026 君をおいしくしに行きましょう)) 15 00:03:16,696 --> 00:03:21,368 (汐莉)どうぞ。 16 00:03:21,368 --> 00:03:23,537 持ってる人を たくさん見かけたので➨ 17 00:03:23,537 --> 00:03:26,873 比名子も好きかなっと思って。 18 00:03:26,873 --> 00:03:30,043 ありがとう。 19 00:03:30,043 --> 00:03:33,146 それとも こっちのほうが よかったです? 20 00:03:33,146 --> 00:03:35,549 それは いいや。 21 00:03:38,652 --> 00:03:42,155 《甘い。 22 00:03:42,155 --> 00:03:46,993 身勝手で 強引で➨ 23 00:03:46,993 --> 00:03:50,330 人の話も全然 聞いてくれない》 24 00:03:50,330 --> 00:03:53,834 あら? 人が増えてきましたね。 25 00:03:53,834 --> 00:03:58,505 あぁ なるほど。 もうすぐ花火が。 26 00:03:58,505 --> 00:04:00,607 比名子。 27 00:04:03,009 --> 00:04:05,846 《比名子:それなのに》 28 00:04:05,846 --> 00:04:08,648 はぐれないように してくださいね。 29 00:04:12,185 --> 00:04:17,023 《怖いくらい優しい。 30 00:04:17,023 --> 00:04:19,860 変な感じ。 31 00:04:19,860 --> 00:04:23,864 こうして 誰かに 手を引かれてお祭りなんて➨ 32 00:04:23,864 --> 00:04:27,200 まるで あの頃みたい》 33 00:04:27,200 --> 00:04:31,037 ((お父さん お母さん。 34 00:04:31,037 --> 00:04:33,840 お兄ちゃん お祭り楽しいね)) 35 00:04:39,980 --> 00:04:42,783 比名子 どうかしたんですか。 36 00:04:50,157 --> 00:04:53,860 ごめんなさい。 比名子! 37 00:05:01,334 --> 00:05:05,005 《比名子:やっぱり 来るんじゃなかった。 38 00:05:05,005 --> 00:05:08,008 嫌でも思い出して。 39 00:05:08,008 --> 00:05:12,345 違う。 嫌なはずがない。 40 00:05:12,345 --> 00:05:17,184 家族のことを思い出したくない わけじゃない。 41 00:05:17,184 --> 00:05:22,355 忘れたいなんて 一度だって思ったことないけど。 42 00:05:22,355 --> 00:05:25,859 でも…》 ほら こうくん。 43 00:05:25,859 --> 00:05:28,662 お空 見ててごらん。 花火が上がるよ。 44 00:05:43,643 --> 00:05:50,483 《思い出すと 息が止まって しまいそうになるくらい➨ 45 00:05:50,483 --> 00:05:53,320 苦しい》 46 00:05:53,320 --> 00:05:59,326 ハァ ハァ…。 47 00:06:03,163 --> 00:06:07,367 花火 きれいだったね。 あとで写真 送ってね。 48 00:06:11,671 --> 00:06:16,877 あぁ こんなところに いたんですね 比名子。 49 00:06:19,846 --> 00:06:23,350 も~っ 急に いなくなるんですから。 50 00:06:23,350 --> 00:06:26,186 ずいぶんと探し回ったんですよ。 51 00:06:26,186 --> 00:06:29,356 こないで。 52 00:06:29,356 --> 00:06:32,959 比名子。 あのね 汐莉さん。 53 00:06:32,959 --> 00:06:37,797 私が もっとおいしくなるまで 喰べないって言ってたけど➨ 54 00:06:37,797 --> 00:06:43,470 たぶん もうこれ以上は おいしくならないよ。 55 00:06:43,470 --> 00:06:47,641 だって お祭りなんて こなきゃよかったって➨ 56 00:06:47,641 --> 00:06:51,811 後悔してる。 57 00:06:51,811 --> 00:06:55,982 あなたのことを信じて 待ってみようと思ったことを➨ 58 00:06:55,982 --> 00:06:58,485 後悔してしまう。 59 00:06:58,485 --> 00:07:01,988 私をおいしくするって言うけど➨ 60 00:07:01,988 --> 00:07:06,826 汐莉さんが 優しくしてくれるほど 考えちゃうの。 61 00:07:06,826 --> 00:07:11,031 本当に私を喰べるつもりが あるのかなって。 62 00:07:14,334 --> 00:07:17,671 ハァ…。 63 00:07:17,671 --> 00:07:22,008 本当に君は…。 64 00:07:22,008 --> 00:07:24,311 何もわかってない。 65 00:07:32,452 --> 00:07:38,959 汐莉さん。 大丈夫ですよ。 66 00:07:38,959 --> 00:07:40,961 私…。 67 00:07:40,961 --> 00:07:46,299 ひとではないので。 68 00:07:46,299 --> 00:07:49,302 まったく 本能のまま➨ 69 00:07:49,302 --> 00:07:52,806 君に牙を向ける 連中が羨ましい。 70 00:07:52,806 --> 00:07:55,642 私だって本当は➨ 71 00:07:55,642 --> 00:07:58,311 今すぐ 君の皮をはいで➨ 72 00:07:58,311 --> 00:08:03,650 腹を裂いて はらわた全部を 引きずり出して➨ 73 00:08:03,650 --> 00:08:07,354 爪の1枚すら余さず 喰らいつくしたい。 74 00:08:09,322 --> 00:08:13,326 なのに君ときたら…。 ハァ…。 75 00:08:13,326 --> 00:08:16,663 わざわざ 祭りにまで 連れてきてあげたというのに➨ 76 00:08:16,663 --> 00:08:19,165 おいしくならないかもとか➨ 77 00:08:19,165 --> 00:08:23,336 優しくするからとか 何なんですか もう! 78 00:08:23,336 --> 00:08:25,338 私は こんなに頑張って➨ 79 00:08:25,338 --> 00:08:27,340 君をおいしくしようと しているんですよ。 80 00:08:27,340 --> 00:08:31,845 そんな私の気持ちを知らないで。 81 00:08:31,845 --> 00:08:34,280 置いてきぼりにしたり。 82 00:08:34,280 --> 00:08:38,451 えっ あっ  それはごめんなさい。 83 00:08:38,451 --> 00:08:41,621 《なんで私が 謝ってるんだろ?》 84 00:08:41,621 --> 00:08:43,957 (汐莉)わかっていただければ いいんです。 85 00:08:43,957 --> 00:08:47,794 それでは 比名子が私のことを ひとつわかったところで。 86 00:08:47,794 --> 00:08:50,630 お互いの理解と 親睦を深めるため➨ 87 00:08:50,630 --> 00:08:55,468 私から比名子に1つ 質問があります。 88 00:08:55,468 --> 00:08:58,271 (比名子)質問って。 89 00:09:01,141 --> 00:09:05,145 前々から思っていたんですけど。 90 00:09:07,147 --> 00:09:12,552 君… なんでそんなに 死にたがっているんです? 91 00:09:19,325 --> 00:09:22,829 そんなこと思ってない。 思ってない➨ 92 00:09:22,829 --> 00:09:25,532 とは言わせませんよ。 93 00:09:30,170 --> 00:09:32,605 確かに君の血肉は➨ 94 00:09:32,605 --> 00:09:37,110 他の人間とは 比べ物に ならないほどおいしそうですが➨ 95 00:09:37,110 --> 00:09:40,447 私に言わせれば 陸に打ち上げられて➨ 96 00:09:40,447 --> 00:09:45,452 腐ったクジラのような 臭いなんですよね。 97 00:09:45,452 --> 00:09:47,620 腐りかけが いちばん おいしいなんていう➨ 98 00:09:47,620 --> 00:09:50,457 やからもいますが 私➨ 99 00:09:50,457 --> 00:09:53,293 見てのとおり 美食家なんですよね。 100 00:09:53,293 --> 00:09:57,630 あの 人のこと 腐ったクジラとかさすがに。 101 00:09:57,630 --> 00:10:01,134 知っていますか? 比名子。 102 00:10:01,134 --> 00:10:05,638 死にたがってる人間は 総じて そんな臭いなんですよ。 103 00:10:10,477 --> 00:10:12,779 それだけじゃありません。 104 00:10:16,483 --> 00:10:18,985 先日 磯女に襲われたとき➨ 105 00:10:18,985 --> 00:10:21,654 君は驚きこそすれど➨ 106 00:10:21,654 --> 00:10:25,658 抵抗する そぶりすら見せなかった。 107 00:10:28,661 --> 00:10:31,664 私が 君を喰べると 発言するたび➨ 108 00:10:31,664 --> 00:10:35,168 それを望んでいるようにも 見えましたしね。 109 00:10:38,171 --> 00:10:41,341 どうしてなんです? 110 00:10:41,341 --> 00:10:46,045 《本当に このひとの瞳は…》 111 00:10:50,350 --> 00:10:54,187 海みたい。 112 00:10:54,187 --> 00:10:58,691 汐莉さんに初めて 会ったときから思ってたの。 113 00:10:58,691 --> 00:11:01,594 それは どういう…。 114 00:11:03,696 --> 00:11:05,698 (比名子)私の…。 115 00:11:05,698 --> 00:11:12,872 私の家族が 車ごと焼かれて 飲み込まれた海。 116 00:11:12,872 --> 00:11:17,577 その海に 怖いくらいにそっくり。 117 00:11:21,381 --> 00:11:27,387 私が6歳のとき 家族 みんな死んじゃったの。 118 00:11:27,387 --> 00:11:30,890 初めての家族旅行。 119 00:11:30,890 --> 00:11:33,593 (ブレーキ音) 120 00:11:40,166 --> 00:11:45,171 ((お… お父さん。 121 00:11:45,171 --> 00:11:49,576 お母さん お兄ちゃん…)) 122 00:11:52,679 --> 00:11:58,518 (比名子)崖から落ちる途中で 私だけ 外に放り出されて➨ 123 00:11:58,518 --> 00:12:06,025 気がつけば 両親も兄も 燃える車ごと海の中。 124 00:12:06,025 --> 00:12:08,628 私は 何もできなかった。 125 00:12:11,364 --> 00:12:17,203 あのとき いっそ 私もみんなと一緒に…。 126 00:12:17,203 --> 00:12:20,873 あと数メートル はいずれば➨ 127 00:12:20,873 --> 00:12:27,046 家族と同じ黒い海。 でも…。 128 00:12:27,046 --> 00:12:31,050 でもね 聞こえちゃったの。 129 00:12:31,050 --> 00:12:35,822 比名子だけは生きてって。 130 00:12:35,822 --> 00:12:39,492 幻聴だったかもしれない。 131 00:12:39,492 --> 00:12:43,830 燃える車から 人の声なんて届くはずがない。 132 00:12:43,830 --> 00:12:47,500 でも はっきりと耳に残っている。 133 00:12:47,500 --> 00:12:50,169 あの声は 確かに。 134 00:12:50,169 --> 00:12:54,841 だから 私は 死にたいくらい悲しくても➨ 135 00:12:54,841 --> 00:12:58,511 死にたいなんて 絶対に言っちゃいけない。 136 00:12:58,511 --> 00:13:03,116 家族の分まで。 私は…。 137 00:13:07,520 --> 00:13:10,323 比名子。 そんなとき…。 138 00:13:12,859 --> 00:13:15,161 あなたが やってきた。 139 00:13:19,198 --> 00:13:22,702 私… ですか。 140 00:13:26,039 --> 00:13:28,875 ずっと望んでた。 141 00:13:28,875 --> 00:13:32,378 残酷で 優しくて➨ 142 00:13:32,378 --> 00:13:36,649 気まぐれに 人を殺したり 生かしたりできる。 143 00:13:36,649 --> 00:13:39,152 人の力じゃ どうしようもない。 144 00:13:39,152 --> 00:13:43,322 あの日 家族を飲み込んだ 海みたいな➨ 145 00:13:43,322 --> 00:13:49,495 私の命を 絶対的に奪ってくれる何か。 146 00:13:49,495 --> 00:13:53,166 なるほど 君は…。 147 00:13:53,166 --> 00:13:55,168 自分が生き残ったことを➨ 148 00:13:55,168 --> 00:13:57,837 幸運だとは 思わなかったのですか? 149 00:13:57,837 --> 00:14:03,009 大切な人たちが 突然 みんないなくなって➨ 150 00:14:03,009 --> 00:14:06,179 私だけ助かって ラッキーだった➨ 151 00:14:06,179 --> 00:14:09,515 なんて思える? う~ん。 152 00:14:09,515 --> 00:14:12,018 私は 思いますけどね。 153 00:14:12,018 --> 00:14:15,621 ホント… ひとでなし。 154 00:14:18,858 --> 00:14:22,195 今のお話で 君のことも だいぶわかりました。 155 00:14:22,195 --> 00:14:28,201 親睦を深めるというのは 実にすばらしいことですね。 156 00:14:28,201 --> 00:14:31,704 死にたいのに それを 口に出すことすら許されない。 157 00:14:31,704 --> 00:14:34,307 実に人間らしい君に➨ 158 00:14:34,307 --> 00:14:37,310 私から1つ 助言をしてあげましょう。 159 00:14:40,646 --> 00:14:43,149 君は ご家族の望みどおり➨ 160 00:14:43,149 --> 00:14:47,820 日々を健やかに生きてください。 でも…。 161 00:14:47,820 --> 00:14:51,157 悲しみ以外にも 目を向けてください。 162 00:14:51,157 --> 00:14:56,662 そうすれば いずれ 月日が君の心を癒やしてくれる。 163 00:14:56,662 --> 00:15:01,000 そして君が 人生に 希望と喜びを見いだして➨ 164 00:15:01,000 --> 00:15:07,173 死にたくない もっと生きたいと願ったとき➨ 165 00:15:07,173 --> 00:15:11,377 私が 君のすべてを 喰らいつくします。 166 00:15:14,514 --> 00:15:16,516 ですから比名子。 167 00:15:16,516 --> 00:15:19,352 早く私に喰べられたいと 願うなら➨ 168 00:15:19,352 --> 00:15:23,356 幸福に生きる 努力をしてください。 169 00:15:23,356 --> 00:15:29,195 死ぬために 生きる努力って何それ。 170 00:15:29,195 --> 00:15:31,697 利害関係の一致というやつです。 171 00:15:31,697 --> 00:15:37,136 比名子の頑張りしだいで みんなが そろって報われる。 172 00:15:37,136 --> 00:15:40,473 なんだか 私に 丸投げな気もするけど。 173 00:15:40,473 --> 00:15:43,476 比名子に 期待してるってことですよ。 174 00:15:45,978 --> 00:15:48,281 汐莉さん。 175 00:15:50,316 --> 00:15:54,320 私 汐莉さんより ひどいひとが現れたら➨ 176 00:15:54,320 --> 00:15:57,990 そっちに喰べられに いっちゃうかもしれないよ。 177 00:15:57,990 --> 00:16:01,994 フフ… そんなことは 絶対にありえません。 178 00:16:01,994 --> 00:16:04,497 どんな ひとでなしが やってきても➨ 179 00:16:04,497 --> 00:16:09,001 君の指一本 くれてやるつもりは ありませんから。 180 00:16:12,004 --> 00:16:14,006 そうだ 夜店。 181 00:16:14,006 --> 00:16:16,342 まだ開いてたら 寄っていきましょう。 182 00:16:16,342 --> 00:16:20,680 えっ 私も汐莉さんも 血まみれなんだけど。 183 00:16:20,680 --> 00:16:23,683 普通の人間に 妖怪の血なんて見えませんし➨ 184 00:16:23,683 --> 00:16:26,853 じきに ちりになるから平気ですよ。 185 00:16:26,853 --> 00:16:29,155 さぁ 早く。 186 00:16:38,297 --> 00:16:41,801 《幸福に生きるか…。 187 00:16:41,801 --> 00:16:47,640 お父さん お母さん お兄ちゃん。 188 00:16:47,640 --> 00:16:49,642 私 頑張るよ。 189 00:16:49,642 --> 00:16:53,646 1日も早く みんなのところへ行くために。 190 00:16:53,646 --> 00:16:57,817 どんな地獄の海底でも 笑って生きる》 191 00:16:57,817 --> 00:16:59,819 なに食べます? 192 00:17:03,155 --> 00:17:05,992 (汐莉)あ~ もうあんまり 開いてないですね。 193 00:17:05,992 --> 00:17:08,661 (比名子)東京ケーキなら やってるけど。 194 00:17:08,661 --> 00:17:13,065 なんです? それ。 ベビーカステラみたいな? 195 00:17:15,501 --> 00:17:18,004 (美胡)比名子? 196 00:17:27,346 --> 00:17:30,516 ((早く私に 喰べられたいと思うなら➨ 197 00:17:30,516 --> 00:17:34,120 幸福に生きる 努力をしてください)) 198 00:17:36,789 --> 00:17:38,791 (比名子)いってきます。 199 00:17:38,791 --> 00:17:45,631 (セミの鳴き声) 200 00:17:45,631 --> 00:17:49,635 《不思議。 昨日までは ただのけん騒にしか➨ 201 00:17:49,635 --> 00:17:52,138 聞こえなかった波の音も➨ 202 00:17:52,138 --> 00:17:57,143 苦しいくらい 煩わしいだけだった夏の太陽も➨ 203 00:17:57,143 --> 00:17:59,145 あの人の言葉ひとつで➨ 204 00:17:59,145 --> 00:18:02,348 こんなにも違って 感じるものなんだ》 205 00:18:04,650 --> 00:18:06,652 比名子 おはよっ! 206 00:18:06,652 --> 00:18:08,654 おはよう 美胡ちゃん。 207 00:18:08,654 --> 00:18:11,490 今日は 私のほうが早かったね。 208 00:18:11,490 --> 00:18:14,827 今朝は 体調よさそうだね。 まあね。 209 00:18:14,827 --> 00:18:17,663 そう毎日 寝込んでもいられないし。 210 00:18:17,663 --> 00:18:21,334 てか 比名子こそ なんか元気そうじゃん。 211 00:18:21,334 --> 00:18:23,836 なんか いいことでもあった? 212 00:18:23,836 --> 00:18:26,005 どうだろ。 えっ。 213 00:18:26,005 --> 00:18:29,175 何その意味ありげな反応。 214 00:18:29,175 --> 00:18:32,178 え~ 何? めちゃくちゃ 気になるんですけど! 215 00:18:32,178 --> 00:18:36,115 (比名子)なんでもないって。 216 00:18:36,115 --> 00:18:38,618 あっ そういえばさ➨ 217 00:18:38,618 --> 00:18:45,624 花火 見えた? えっ えっと…。 218 00:18:45,624 --> 00:18:48,628 《汐莉さんと 一緒に行ったところ➨ 219 00:18:48,628 --> 00:18:51,130 見られてた?》 220 00:18:51,130 --> 00:18:53,966 昨日のお祭りのこと? 221 00:18:53,966 --> 00:18:57,970 そうそう 家の2階から見えるって 言ってたでしょ? 222 00:18:57,970 --> 00:19:00,306 家? 223 00:19:00,306 --> 00:19:04,310 他に何かあるの? う ううん。 224 00:19:04,310 --> 00:19:06,812 そう えっと…。 225 00:19:06,812 --> 00:19:10,483 《よかった。 見られてたわけじゃ なかったんだ》 226 00:19:10,483 --> 00:19:13,319 家でね ええっと➨ 227 00:19:13,319 --> 00:19:16,822 花火の時間 ちょうどお風呂に入ってて。 228 00:19:16,822 --> 00:19:19,158 え~っ 見てないの? 229 00:19:19,158 --> 00:19:22,161 う うん。 去年のもすごかったけど➨ 230 00:19:22,161 --> 00:19:24,830 今年のやつ めっちゃ大きくてね。 231 00:19:24,830 --> 00:19:27,667 そうだったんだ。 232 00:19:27,667 --> 00:19:30,002 比名子にも見てほしかったな。 233 00:19:30,002 --> 00:19:32,605 あつ 写真撮ってあるから 見て見て。 234 00:19:35,941 --> 00:19:40,946 《やっぱり 美胡ちゃんに 悪いことしちゃったかな》 235 00:19:48,120 --> 00:19:52,124 (チャイム) 236 00:19:52,124 --> 00:19:54,126 (汐莉)えっ? 237 00:19:54,126 --> 00:19:56,128 昨日 私とお祭りに行ったこと➨ 238 00:19:56,128 --> 00:20:00,466 あの子に ないしょにしてほしい? できれば。 239 00:20:00,466 --> 00:20:02,468 別に かまいませんけど➨ 240 00:20:02,468 --> 00:20:06,305 それくらいで怒るような子には 見えませんけどね。 241 00:20:06,305 --> 00:20:09,809 どちらかといえば 私のほうに かみつきそうですけど。 242 00:20:12,812 --> 00:20:18,117 怒らせるっていうか 傷つけちゃうかもしれないから。 243 00:20:20,986 --> 00:20:24,490 君にとって 彼女は 少々特別なようですね。 244 00:20:27,326 --> 00:20:30,329 (比名子)あの事故のあと。 245 00:20:30,329 --> 00:20:32,832 ((ほら あの子。 246 00:20:32,832 --> 00:20:35,668 八百歳さんのところのお嬢さん)) 247 00:20:35,668 --> 00:20:37,837 (比名子)周りの人は みんな➨ 248 00:20:37,837 --> 00:20:42,842 私に対して 腫れ物を 扱うように接してきたの。 249 00:20:42,842 --> 00:20:46,345 ((まだ小さいのに。 かわいそうに)) 250 00:20:54,520 --> 00:20:57,356 でも…。 251 00:20:57,356 --> 00:21:00,192 ((比名子! おはよ! 252 00:21:00,192 --> 00:21:03,028 早く学校 行こっ!)) 253 00:21:03,028 --> 00:21:05,531 (比名子)美胡ちゃんだけは➨ 254 00:21:05,531 --> 00:21:09,201 事故の前と 全然 変わりなくて。 255 00:21:09,201 --> 00:21:16,208 こんな私のそばに ずっといてくれた。 256 00:21:16,208 --> 00:21:20,212 優しい子なんだよ とっても。 257 00:21:20,212 --> 00:21:23,883 わかりました。 昨夜のことは黙っておきましょう。 258 00:21:23,883 --> 00:21:27,219 親友思いの君の意をくんでね。 259 00:21:27,219 --> 00:21:29,889 ありがとう。 260 00:21:29,889 --> 00:21:32,658 それに私の比名子の 親友ということは➨ 261 00:21:32,658 --> 00:21:36,829 すなわち 私の親友と言っても 過言ではありませんしね。 262 00:21:36,829 --> 00:21:40,032 それは ちょっと 違う気がするけど。 263 00:21:43,836 --> 00:21:47,173 じゃあ私 ゴミ捨ててくるから。 264 00:21:47,173 --> 00:21:50,676 はい。 ホウキは私が 片づけておきますね。 265 00:21:50,676 --> 00:21:52,678 うん よろしくね。 266 00:21:58,017 --> 00:22:01,520 やれやれ。 267 00:22:01,520 --> 00:22:04,190 《磯女を始末したとき➨ 268 00:22:04,190 --> 00:22:06,192 ついでに ここら一帯の妖怪を➨ 269 00:22:06,192 --> 00:22:10,696 けん制したつもり だったんですけど…。 270 00:22:10,696 --> 00:22:14,200 そもそも 知性も理性もない 有象無象相手では➨ 271 00:22:14,200 --> 00:22:17,536 あまり意味が なかったみたいですね。 272 00:22:17,536 --> 00:22:20,706 しかし 想像以上ですね。 273 00:22:20,706 --> 00:22:23,876 あの子が ここまで 妖怪を引き寄せるとは…。 274 00:22:23,876 --> 00:22:27,880 よく まぁ今日まで 五体満足でいられたもので…》 275 00:22:27,880 --> 00:22:30,549 (美胡)わっ! 276 00:22:30,549 --> 00:22:34,553 やだ 何これ。