1 00:00:41,008 --> 00:00:45,345 ((二口女:あの人魚に 血をもらったでしょう? 2 00:00:45,345 --> 00:00:48,515 (あやめ)自分の血が混じった 人間なんて➨ 3 00:00:48,515 --> 00:00:51,318 まずくて 喰べられたものじゃないのに)) 4 00:00:58,859 --> 00:01:01,061 (比名子)汐莉さん…。 5 00:02:45,999 --> 00:02:48,502 (美胡)いっただきま~す! 6 00:02:48,502 --> 00:02:51,004 今日も今日とて ごはんは おいしいし。 7 00:02:51,004 --> 00:02:53,006 比名子と2人っきりだし。 8 00:02:53,006 --> 00:02:56,176 半魚人は なんか知らないけど 今日は寄ってこないし➨ 9 00:02:56,176 --> 00:02:58,845 ハッピー ハッピー。 10 00:02:58,845 --> 00:03:01,848 う… めちゃくちゃおいしひ。 11 00:03:01,848 --> 00:03:03,850 ねっね! 比名子も1個食べてみ! 12 00:03:03,850 --> 00:03:07,054 ぜ~ったい 比名子も好きな味だから。 13 00:03:12,526 --> 00:03:15,862 (美胡)比名子! あっ ごめん。 14 00:03:15,862 --> 00:03:18,865 ちょっと ボーッとしちゃって。 15 00:03:18,865 --> 00:03:22,035 おいしい? んっ。 16 00:03:22,035 --> 00:03:24,871 《本当においしい》 17 00:03:24,871 --> 00:03:27,708 ねぇ 比名子。 18 00:03:27,708 --> 00:03:31,978 私はさ 比名子の助けになりたい。 19 00:03:31,978 --> 00:03:36,149 合宿で あの半魚人と 何かあったなら➨ 20 00:03:36,149 --> 00:03:38,852 話してくれるだけでも うれしいな。 21 00:03:44,991 --> 00:03:49,096 美胡ちゃん。 無理にとは 言わないけどね。 22 00:03:51,665 --> 00:03:57,003 あのね 美胡ちゃん。 実はあの夜。 23 00:03:57,003 --> 00:04:00,006 (美胡)えっ! 24 00:04:00,006 --> 00:04:02,509 あいつの血が 比名子に? 25 00:04:02,509 --> 00:04:05,846 うん。 あの あやめって妖怪が➨ 26 00:04:05,846 --> 00:04:07,848 適当なことを 言ってるんじゃなくて? 27 00:04:10,851 --> 00:04:13,186 ((あやめ:ごめんなさいね)) 28 00:04:13,186 --> 00:04:17,524 たぶん ウソはついてないと思う。 29 00:04:17,524 --> 00:04:21,695 まぁ そんなウソついたところでって 話だもんね。 30 00:04:21,695 --> 00:04:24,030 だけど 匂いだけじゃ わからないくらい➨ 31 00:04:24,030 --> 00:04:26,032 なじんでるってことは➨ 32 00:04:26,032 --> 00:04:28,869 相当 前に血を 入れられたってことになるけど➨ 33 00:04:28,869 --> 00:04:32,139 あいつと会ったことってあるの? 34 00:04:32,139 --> 00:04:35,976 ううん でも…。 35 00:04:35,976 --> 00:04:38,645 汐莉さんの本当の姿は➨ 36 00:04:38,645 --> 00:04:42,482 どこかで見たことが あるような気がして。 37 00:04:42,482 --> 00:04:46,153 猿のミイラとかじゃない? どっちも キモいし。 38 00:04:46,153 --> 00:04:48,155 たぶん違う。 39 00:04:48,155 --> 00:04:50,991 う~ん 日本の人魚なんて➨ 40 00:04:50,991 --> 00:04:55,162 1回見たら 夢に出てきそうな 見た目してるし そうそう➨ 41 00:04:55,162 --> 00:04:58,498 忘れられるようなもんじゃ ないと思うんだけどねぇ。 42 00:04:58,498 --> 00:05:01,668 そう… だよね。 43 00:05:01,668 --> 00:05:04,671 あの あやめってやつが ウソをついているか➨ 44 00:05:04,671 --> 00:05:07,674 半魚人が 何か隠してるのか。 45 00:05:07,674 --> 00:05:11,344 匂いだけじゃ 確かめようがないもんな。 46 00:05:11,344 --> 00:05:13,680 じゃあ…。 47 00:05:13,680 --> 00:05:17,017 ちょっと なめてみる? えっ! 48 00:05:17,017 --> 00:05:19,686 (比名子)もう だいぶ傷 塞がってるけど。 49 00:05:19,686 --> 00:05:22,189 やめて 冗談でもやめて! 50 00:05:22,189 --> 00:05:25,692 冗談じゃすまなくなるから! あぁ…。 51 00:05:25,692 --> 00:05:28,862 ご ごめん美胡ちゃん。 52 00:05:28,862 --> 00:05:32,666 あ 謝らなくていいから 早く腕しまって。 53 00:05:34,634 --> 00:05:38,338 とりあえず 手っ取り早い方法なんだけど。 54 00:05:40,307 --> 00:05:44,311 やっぱ あの半魚人に 直接聞くのが 一番じゃない? 55 00:05:44,311 --> 00:05:46,313 そうなんだけど。 56 00:05:46,313 --> 00:05:50,984 汐莉さん ずっと顔も 合わせてくれなくて。 57 00:05:50,984 --> 00:05:53,987 平気 平気。 私が縛り上げてでも➨ 58 00:05:53,987 --> 00:05:55,989 吐かせてやるから。 59 00:05:55,989 --> 00:05:58,992 できれば 穏便に お願いしたいんだけど。 60 00:05:58,992 --> 00:06:03,096 そうと決まれば早速 放課後 半魚人狩りに行くぞ! 61 00:06:05,165 --> 00:06:08,501 あれ 美胡。 今日 掃除当番でしょ? 62 00:06:08,501 --> 00:06:11,171 そうでした。 というわけで➨ 63 00:06:11,171 --> 00:06:13,840 半魚人狩りは あしたでもいいかな。 64 00:06:13,840 --> 00:06:16,343 気にしないで 美胡ちゃん。 65 00:06:16,343 --> 00:06:19,346 私 一人でも探してみるよ。 66 00:06:19,346 --> 00:06:23,850 汐莉さんなら ちゃんと話をすれば 答えてくれると思うし。 67 00:06:23,850 --> 00:06:28,188 比名子。 じゃあね。 68 00:06:28,188 --> 00:06:30,190 私も! 69 00:06:30,190 --> 00:06:33,460 掃除当番 終わったらすぐ追いかけるね! 70 00:06:33,460 --> 00:06:36,563 うん。 71 00:06:40,634 --> 00:06:46,039 比名子ってば あいつのこと ちょっと信用しすぎじゃない。 72 00:06:57,150 --> 00:07:00,353 汐莉さん… いるの? 73 00:07:04,157 --> 00:07:07,327 (汐莉)うふ バレてました? 74 00:07:07,327 --> 00:07:11,998 ううん わからなかった。 でも…。 75 00:07:11,998 --> 00:07:17,003 汐莉さんは いつだって 私のそばにいてくれたでしょ? 76 00:07:17,003 --> 00:07:20,006 私を喰べにやってくる妖怪から➨ 77 00:07:20,006 --> 00:07:22,509 守ってくれるために。 78 00:07:43,129 --> 00:07:45,632 (比名子)ねぇ 汐莉さん。 79 00:07:45,632 --> 00:07:50,136 私たち どこかで会ったことある? 80 00:07:55,809 --> 00:08:00,313 えぇ 会ってますよ。 81 00:08:00,313 --> 00:08:03,650 学校の教室でも 君の家でも➨ 82 00:08:03,650 --> 00:08:06,353 今もこうして 会ってますしね。 83 00:08:08,655 --> 00:08:14,327 (比名子)じゃあ 質問変えるね。 84 00:08:14,327 --> 00:08:22,836 私の体の中に汐莉さんの血が 混じってるっていうのは 本当? 85 00:08:22,836 --> 00:08:29,843 君は 自分を襲った 妖怪の妄言を信じるんですか? 86 00:08:29,843 --> 00:08:33,346 それじゃ 混じってないの? 87 00:08:36,282 --> 00:08:40,453 私ね あなたの姿を➨ 88 00:08:40,453 --> 00:08:43,623 どこかで見たことが あるような気がするの。 89 00:08:43,623 --> 00:08:46,626 だから あやめさんの言ってたことも➨ 90 00:08:46,626 --> 00:08:49,462 すんなり納得できる。 91 00:08:49,462 --> 00:08:53,299 ねぇ 教えてほしいの。 92 00:08:53,299 --> 00:08:57,303 私は 汐莉さんから 血をもらったの? 93 00:09:00,807 --> 00:09:04,644 汐莉さん。 94 00:09:04,644 --> 00:09:08,648 おいしそう? 95 00:09:08,648 --> 00:09:10,650 あやめさんに聞いたの。 96 00:09:10,650 --> 00:09:13,653 あなたたちは 自分が 血をあげた人間は➨ 97 00:09:13,653 --> 00:09:16,656 まずくて 喰べられないって。 98 00:09:16,656 --> 00:09:24,497 汐莉さんは 本当に 私のこと喰べたい? 99 00:09:24,497 --> 00:09:27,834 もし あの 妖怪の言ってたことが➨ 100 00:09:27,834 --> 00:09:33,773 すべて真実だったとしたら…。 101 00:09:33,773 --> 00:09:39,779 君は 私を拒絶しますか? えっ? 102 00:09:39,779 --> 00:09:43,116 私の前から姿を消しますか? 103 00:09:43,116 --> 00:09:47,287 なりふり構わず 自ら命を散らしますか? 104 00:09:47,287 --> 00:09:53,293 そんなこと… 急に言われても。 105 00:09:56,129 --> 00:09:59,299 本当ですよ。 106 00:09:59,299 --> 00:10:03,303 君を喰べたかったのは本当です。 107 00:10:03,303 --> 00:10:07,307 そして あの妖怪の言ったとおり➨ 108 00:10:07,307 --> 00:10:13,146 かつて君に 血を渡したのも本当です。 109 00:10:13,146 --> 00:10:16,316 あんなに君しか いらなかったのに➨ 110 00:10:16,316 --> 00:10:20,153 心の底から食べたかったのに。 111 00:10:20,153 --> 00:10:22,655 今の私には➨ 112 00:10:22,655 --> 00:10:27,160 君の血の匂いすら 不快でたまらない。 113 00:10:31,498 --> 00:10:34,000 ごめんなさい。 114 00:10:34,000 --> 00:10:39,506 言っていることが 理解できない。 115 00:10:39,506 --> 00:10:45,845 君は 忘れているでしょうが 10年前➨ 116 00:10:45,845 --> 00:10:50,016 君と私は 一度 会ったことがあるんですよ。 117 00:10:50,016 --> 00:10:54,187 10年前。 118 00:10:54,187 --> 00:10:58,691 《そういえば 私の記憶の中にある➨ 119 00:10:58,691 --> 00:11:02,195 汐莉さんがいた海は…》 120 00:11:02,195 --> 00:11:07,700 それって もしかして あの旅行のとき。 121 00:11:07,700 --> 00:11:10,203 えぇ。 122 00:11:15,542 --> 00:11:19,546 どうして私に? 123 00:11:19,546 --> 00:11:23,883 (汐莉)君には 少々 借りがありましてね。 124 00:11:23,883 --> 00:11:30,223 それの恩返しなんて おこがましいかもしれませんが。 125 00:11:30,223 --> 00:11:36,429 私はあの日 幼かった君に 自分の血を与えました。 126 00:11:40,166 --> 00:11:42,335 人魚の肉に比べたら➨ 127 00:11:42,335 --> 00:11:45,672 血なんて大した 代物ではありません。 128 00:11:45,672 --> 00:11:51,177 せいぜい 病気になりにくいとか 妖怪を寄せつけないとか➨ 129 00:11:51,177 --> 00:11:55,682 そんな程度の お守りのつもりだったんです。 130 00:11:55,682 --> 00:12:00,019 そのあと すぐだったんですってね。 131 00:12:00,019 --> 00:12:03,356 君と家族が事故に遭ったのは。 132 00:12:03,356 --> 00:12:06,359 本来であれば 何年もかけて➨ 133 00:12:06,359 --> 00:12:09,028 体になじんでいくはずだった 私の血が➨ 134 00:12:09,028 --> 00:12:11,030 その事故によって おそらく➨ 135 00:12:11,030 --> 00:12:15,034 一気に君の体に取り込まれた。 136 00:12:15,034 --> 00:12:21,541 そしてあの日 私の血によって 君の体は変質してしまった。 137 00:12:23,543 --> 00:12:27,880 《人魚の血 私の体。 138 00:12:27,880 --> 00:12:32,485 あの旅行先の海で汐莉さんに? 139 00:12:32,485 --> 00:12:35,488 ううん そんなことより➨ 140 00:12:35,488 --> 00:12:40,159 あの事故で私だけ 生き残ったのは…》 141 00:12:40,159 --> 00:12:42,829 (汐莉)正直に言うと➨ 142 00:12:42,829 --> 00:12:45,331 大けがを負った君の体が➨ 143 00:12:45,331 --> 00:12:49,836 私の血によって変質したのは 想定外の出来事でした。 144 00:12:52,505 --> 00:12:55,174 けれど…。 145 00:12:55,174 --> 00:12:59,846 祈り。 君に血を与える際➨ 146 00:12:59,846 --> 00:13:03,016 私は 祈りを込めました。 147 00:13:03,016 --> 00:13:06,519 どうか この子が健やかに➨ 148 00:13:06,519 --> 00:13:10,356 今の輝きを失わず➨ 149 00:13:10,356 --> 00:13:13,192 たとえ 何があっても➨ 150 00:13:13,192 --> 00:13:17,096 比名子だけは 生きてと。 151 00:13:20,033 --> 00:13:26,039 ((比名子だけは 比名子だけは…。 152 00:13:26,039 --> 00:13:29,208 (汐莉)生きて)) 153 00:13:29,208 --> 00:13:34,147 えっ 待って。 それって…。 154 00:13:34,147 --> 00:13:37,150 《私が あのとき聞いた➨ 155 00:13:37,150 --> 00:13:40,820 家族の声だと 思っていたものは➨ 156 00:13:40,820 --> 00:13:43,656 私が守り続けていた➨ 157 00:13:43,656 --> 00:13:47,560 家族の願いだと 思っていたものは…》 158 00:13:50,663 --> 00:13:54,834 全部… ウソだったの? 159 00:13:54,834 --> 00:14:00,840 私を喰べてくれるって。 160 00:14:00,840 --> 00:14:05,178 妖怪は ウソつきで 身勝手ですからね。 161 00:14:05,178 --> 00:14:09,015 君には悪いけど 私は 私のために➨ 162 00:14:09,015 --> 00:14:12,852 君を死なせるわけには いかないんですよ。 163 00:14:12,852 --> 00:14:17,023 おいしそうだって言った…。 164 00:14:17,023 --> 00:14:21,527 とても おいしそうだと 思っていましたよ。 165 00:14:21,527 --> 00:14:24,831 私の血を与えるまでは。 ハァ ハァ…。 166 00:14:26,866 --> 00:14:32,972 《息が苦しい。 167 00:14:32,972 --> 00:14:40,980 私の海が 私を沈めてくれる はずだった海が…。 168 00:14:40,980 --> 00:14:44,083 干上がっていくみたい》 169 00:14:51,491 --> 00:14:54,660 今さら 自ら 命を絶とうなんて➨ 170 00:14:54,660 --> 00:14:57,497 しないでくださいね。 171 00:14:57,497 --> 00:15:02,001 君の四肢をもいで どこかで飼い殺しなんて➨ 172 00:15:02,001 --> 00:15:06,005 私もできれば したくないので。 173 00:15:06,005 --> 00:15:10,176 あぁ もうあの妖怪のせいで 何もかも台なしです。 174 00:15:10,176 --> 00:15:13,679 せっかく 君が人間らしく なってきたというところで。 175 00:15:13,679 --> 00:15:16,015 (比名子)あなたのこと…。 176 00:15:16,015 --> 00:15:20,019 信じてたのに。 177 00:15:20,019 --> 00:15:24,023 ひとでなし。 178 00:15:31,531 --> 00:15:34,300 あっ 比名子いたいた。 179 00:15:34,300 --> 00:15:36,803 半魚人 捕まえられたんだね。 180 00:15:40,139 --> 00:15:42,542 比名子…。 181 00:15:52,985 --> 00:15:56,489 (妖狐)あの子に何をした? 182 00:15:56,489 --> 00:16:00,293 私が お前の頭を かみ砕く前に答えろ。 183 00:16:02,495 --> 00:16:04,497 チッ。 184 00:16:07,333 --> 00:16:12,038 都合が悪くなると だんまりか。 時間の無駄ね。 185 00:16:14,841 --> 00:16:18,644 美胡。 あした空いてますか? 186 00:16:21,681 --> 00:16:25,184 デートしましょう。 187 00:16:25,184 --> 00:16:27,854 ハァ? 188 00:16:27,854 --> 00:16:37,964 ♬~ 189 00:16:37,964 --> 00:16:40,800 なんで 私がお前と 動物園デートなんか➨ 190 00:16:40,800 --> 00:16:43,636 しなきゃいけないの! いやですね。 191 00:16:43,636 --> 00:16:46,973 デートなんて 自意識過剰な狐ですこと。 192 00:16:46,973 --> 00:16:49,275 お前が言いだしたんでしょ! 193 00:16:52,144 --> 00:16:54,647 (美胡)いや マジで意味わからん。 194 00:16:54,647 --> 00:16:57,650 どうせなら 比名子と一緒に来たかったのに。 195 00:16:57,650 --> 00:17:01,153 比名子は比名子で 連絡しても 既読しかつかないし。 196 00:17:01,153 --> 00:17:04,490 マジでお前 比名子に 何したわけ? ねぇ。 197 00:17:04,490 --> 00:17:07,994 よく回る舌ですねぇ。 こいつ。 198 00:17:07,994 --> 00:17:11,497 ⚟は~い お待たせしました。 199 00:17:11,497 --> 00:17:15,501 これより ペンギンの 餌やりショーを始めたいと思います。 200 00:17:15,501 --> 00:17:18,804 おっ 比名子に 動画送ってあげよっと。 201 00:17:28,347 --> 00:17:31,017 (汐莉)美胡。 202 00:17:31,017 --> 00:17:33,953 あれを見て 君はどう思います? 203 00:17:33,953 --> 00:17:37,123 あれって ペンギン? 204 00:17:37,123 --> 00:17:40,126 普通に かわいいなって感じだけど。 205 00:17:40,126 --> 00:17:44,297 フフ… かわいいですか。 206 00:17:44,297 --> 00:17:48,968 ハァ? ばかにしてる? いえいえ そんなそんな。 207 00:17:48,968 --> 00:17:51,971 きっと君には➨ 208 00:17:51,971 --> 00:17:54,473 この眼前に広がる光景も➨ 209 00:17:54,473 --> 00:17:57,977 さぞかし ほほ笑ましく 見えるんでしょうね。 210 00:17:57,977 --> 00:18:00,780 あぁ もう。 だったら何? 211 00:18:02,815 --> 00:18:08,321 本当に君が羨ましい。 212 00:18:08,321 --> 00:18:11,324 肉塊。 213 00:18:11,324 --> 00:18:18,331 今 目の前にいる人間 動物すべて➨ 214 00:18:18,331 --> 00:18:23,336 私には 等しく ただの肉塊としか思えません。 215 00:18:29,008 --> 00:18:33,446 <波の音 深い海の色。 216 00:18:33,446 --> 00:18:37,617 終わりの見えない 夏のにおい。 217 00:18:37,617 --> 00:18:41,954 満たされた空虚な日々。 218 00:18:41,954 --> 00:18:47,059 苦しかった 沈んでしまいたかった> 219 00:18:49,462 --> 00:18:54,567 < それでも輝く太陽を 曇らせたくなくて> 220 00:18:58,971 --> 00:19:04,477 < もう いない人たちの声を 裏切りたくなくて> 221 00:19:07,813 --> 00:19:13,019 <苦しくても沈めなかった> 222 00:19:15,488 --> 00:19:18,991 < だけど あなたが…。 223 00:19:18,991 --> 00:19:23,496 あなただけが…。 224 00:19:23,496 --> 00:19:31,604 私を死なせてくれると 救ってくれると信じていたのに> 225 00:19:38,444 --> 00:19:42,281 そんな くだらない話をするために ここに来たわけ? 226 00:19:42,281 --> 00:19:45,785 わかりやすいかと思って。 227 00:19:45,785 --> 00:19:48,454 私と君が その気になれば➨ 228 00:19:48,454 --> 00:19:50,456 3日とたたずこの園内➨ 229 00:19:50,456 --> 00:19:55,628 すべての生物を喰らい尽くす ことも できるでしょうね。 230 00:19:55,628 --> 00:20:00,633 は~ それは無理。 あら 減量中でした? 231 00:20:00,633 --> 00:20:03,469 そんなことになる前に➨ 232 00:20:03,469 --> 00:20:06,472 私が お前を喰い殺すから。 233 00:20:06,472 --> 00:20:11,143 君の守護する土地の人間は 見逃してやると言っても? 234 00:20:11,143 --> 00:20:14,313 たとえ私に縁のない 人間だとしても➨ 235 00:20:14,313 --> 00:20:18,984 お前が いたずらについばむなんて 許すはずがないでしょ。 236 00:20:18,984 --> 00:20:26,659 本当に君は内側にいるんですね。 内側? 237 00:20:26,659 --> 00:20:30,996 (汐莉)羨ましい。 人間との関わり➨ 238 00:20:30,996 --> 00:20:34,333 この世とのつながり。 239 00:20:34,333 --> 00:20:43,175 私には よくわからないもの。 240 00:20:43,175 --> 00:20:46,011 私には お前の言ってることのほうが➨ 241 00:20:46,011 --> 00:20:49,181 よくわからないよ。 でしょうね~。 242 00:20:49,181 --> 00:20:51,684 いちいち腹立つやつだな。 243 00:20:54,019 --> 00:20:56,021 私だって➨ 244 00:20:56,021 --> 00:21:00,359 最初から 人間の側にいたわけじゃない。 245 00:21:00,359 --> 00:21:04,697 きっかけは それこそ 不本意なものだったけど➨ 246 00:21:04,697 --> 00:21:07,399 それでも…。 247 00:21:10,870 --> 00:21:14,206 私は…。 248 00:21:14,206 --> 00:21:18,377 縁を結ぶことができた。 249 00:21:18,377 --> 00:21:22,047 それは それは 運がよかったですねぇ。 250 00:21:22,047 --> 00:21:26,552 ハァ… それを 運のひと言で片づけるから➨ 251 00:21:26,552 --> 00:21:29,555 お前は だめなんじゃないの? 252 00:21:29,555 --> 00:21:32,158 手厳しいですね。 ていうか➨ 253 00:21:32,158 --> 00:21:34,660 そんなに人間と 関わりたいなら➨ 254 00:21:34,660 --> 00:21:38,831 お前も私みたいに 人間のそばで 暮らしてみればいいじゃん。 255 00:21:38,831 --> 00:21:42,668 まぁ お前には無理だろうけど。 256 00:21:42,668 --> 00:21:47,840 えぇ。 実際 無理でしたから。 257 00:21:47,840 --> 00:21:52,011 昔 短い間ですが➨ 258 00:21:52,011 --> 00:21:55,848 人間と暮らしていたことが あるんですよ。 259 00:21:55,848 --> 00:21:57,850 ハァ? 260 00:21:57,850 --> 00:22:00,653 お前が 人間と? 261 00:22:06,025 --> 00:22:09,695 えぇ。 262 00:22:09,695 --> 00:22:16,202 記憶にあるのは 虫のたかった魚の白い腹。 263 00:22:16,202 --> 00:22:20,372 腐敗臭のただよう 薄暗い海辺の村。 264 00:22:20,372 --> 00:22:25,044 とても食べる気にならないほど➨ 265 00:22:25,044 --> 00:22:28,714 まるで 今の彼女のような➨ 266 00:22:28,714 --> 00:22:31,984 生きることを放棄し➨ 267 00:22:31,984 --> 00:22:35,654 腐った鯨のような臭いをした➨ 268 00:22:35,654 --> 00:22:40,059 まずそうな子どもでした。