1 00:00:35,002 --> 00:00:37,004 ((比名子:私の体の中に 汐莉さんの血が➨ 2 00:00:37,004 --> 00:00:40,107 混じってるっていうのは 本当? 3 00:00:42,175 --> 00:00:45,679 (汐莉)本当ですよ。 4 00:00:45,679 --> 00:00:49,016 (汐莉)あんなに 君しかいらなかったのに➨ 5 00:00:49,016 --> 00:00:53,020 心の底から食べたかったのに。 6 00:00:53,020 --> 00:00:55,522 今の私には➨ 7 00:00:55,522 --> 00:01:00,127 君の血の匂いすら 不快でたまらない。 8 00:01:02,362 --> 00:01:06,033 全部… ウソだったの? 9 00:01:06,033 --> 00:01:11,038 私を喰べてくれるって。 10 00:01:17,044 --> 00:01:19,046 ひとでなし)) 11 00:03:09,022 --> 00:03:11,858 (汐莉)随分 昔の話です。 12 00:03:11,858 --> 00:03:14,528 私は とある入江に➨ 13 00:03:14,528 --> 00:03:18,198 一時的に 棲みついていたんですが…。 14 00:03:18,198 --> 00:03:20,200 近くの漁村から➨ 15 00:03:20,200 --> 00:03:22,869 定期的に子供が 投げ込まれていたんですよね。 16 00:03:22,869 --> 00:03:26,206 ふふ… なんで そんなことをしていたのか➨ 17 00:03:26,206 --> 00:03:28,208 知りませんけど。 18 00:03:28,208 --> 00:03:30,544 《美胡:そんなの 口減らしじゃん》 19 00:03:30,544 --> 00:03:34,815 まあ… 据え膳喰わぬは なんとかと言いますし➨ 20 00:03:34,815 --> 00:03:38,485 ありがたく 頂いていたんですが…。 21 00:03:38,485 --> 00:03:44,658 その子供だけは あまりにも不味そうで。 22 00:03:44,658 --> 00:03:46,660 (汐莉)食べる気に…。 23 00:03:46,660 --> 00:03:48,662 なれなかった。 24 00:03:51,998 --> 00:03:55,502 その子供と 何年か一緒に暮らしました。 25 00:03:55,502 --> 00:04:21,027 ♬~ 26 00:04:21,027 --> 00:04:23,697 (汐莉)まあ 正確には➨ 27 00:04:23,697 --> 00:04:28,702 居つかれた と言ったほうが 正しいかもしれませんね。 28 00:04:28,702 --> 00:04:43,150 ♬~ 29 00:04:43,150 --> 00:04:46,987 (汐莉)そのうち 入江付近の潮の流れが変わり➨ 30 00:04:46,987 --> 00:04:51,491 棲みつくには不便になったので そこで別れましたが。 31 00:04:51,491 --> 00:04:55,829 は? 子供1人置いてったの? 32 00:04:55,829 --> 00:04:59,166 海の中へ連れていっても 仕方ないでしょう。 33 00:04:59,166 --> 00:05:02,335 仕方ないって お前…。 34 00:05:02,335 --> 00:05:04,337 あぁ でも➨ 35 00:05:04,337 --> 00:05:07,507 別れ際に ちゃんとお土産をあげましたよ。 36 00:05:07,507 --> 00:05:09,843 どうせ お前のことだから➨ 37 00:05:09,843 --> 00:05:12,145 ロクなもんじゃないでしょ。 38 00:05:14,347 --> 00:05:16,349 私の肉です。 39 00:05:20,353 --> 00:05:24,691 (美胡)人魚の肉って まさか…。 40 00:05:24,691 --> 00:05:27,360 向こうが 勝手にしてきたとはいえ➨ 41 00:05:27,360 --> 00:05:30,030 色々 世話になりましたからね。 42 00:05:30,030 --> 00:05:32,866 お礼のつもりだったんですよ。 43 00:05:32,866 --> 00:05:35,302 ですが…。 44 00:05:35,302 --> 00:05:37,637 ((あざみ:許さない。 45 00:05:37,637 --> 00:05:41,308 (あざみ)許さない。 お前のせいで…。 46 00:05:41,308 --> 00:05:44,644 (あざみ)この ひとでなし。 47 00:05:44,644 --> 00:05:48,148 絶対に殺してやる! 48 00:05:48,148 --> 00:05:52,853 (あざみ)殺してやる!!)) 49 00:05:55,822 --> 00:05:57,824 はぁ~。 50 00:05:57,824 --> 00:05:59,826 まぁ そうなるでしょ。 51 00:05:59,826 --> 00:06:02,829 望んでいる人間ならともかく➨ 52 00:06:02,829 --> 00:06:05,832 普通の人間に 人魚の肉を食わせるなんて➨ 53 00:06:05,832 --> 00:06:07,834 どうかしてる。 54 00:06:07,834 --> 00:06:11,638 欲しがる人間も たくさんいたんですけどねぇ。 55 00:06:16,176 --> 00:06:18,178 (汐莉)でも…。 56 00:06:18,178 --> 00:06:20,680 不老不死って暇なんでしょうね。 57 00:06:20,680 --> 00:06:22,682 それ以来➨ 58 00:06:22,682 --> 00:06:25,518 その子はずっと…。 59 00:06:25,518 --> 00:06:29,689 (汐莉)私を殺そうと 後を追い続けてきました。 60 00:06:29,689 --> 00:06:33,693 (汐莉)大きな戦争が 終わった頃でしょうか。 61 00:06:35,629 --> 00:06:38,632 (爆発音) 62 00:06:38,632 --> 00:06:40,634 (汐莉)あの頃は まだ物騒なものが➨ 63 00:06:40,634 --> 00:06:43,637 多く残っていましたからね。 64 00:06:43,637 --> 00:06:45,639 ふふっ…。 65 00:06:45,639 --> 00:06:49,809 流石の私も 身体の半分以上を 吹き飛ばされると➨ 66 00:06:49,809 --> 00:06:52,479 再生に時間がかかりました。 67 00:06:52,479 --> 00:06:55,649 笑いごとじゃ ないんですけど。 68 00:06:55,649 --> 00:06:59,653 (汐莉)何十年も海藻みたいに➨ 69 00:06:59,653 --> 00:07:02,822 ただ波まかせで 海を漂っていて。 70 00:07:02,822 --> 00:07:04,824 その間…。 71 00:07:06,826 --> 00:07:09,663 私は世界を見ていました。 72 00:07:09,663 --> 00:07:13,500 まぁ それしか することがなかったので。 73 00:07:13,500 --> 00:07:26,680 ♬~ 74 00:07:26,680 --> 00:07:28,682 (汐莉)そう。 75 00:07:28,682 --> 00:07:33,620 (汐莉)世界を 海底から眺めて➨ 76 00:07:33,620 --> 00:07:36,323 私は知りました。 77 00:07:40,293 --> 00:07:46,132 私は世界の外側にいるんだ と。 78 00:07:46,132 --> 00:07:49,969 (汐莉)不吉の象徴と 恐れた人間たち。 79 00:07:49,969 --> 00:07:53,807 不老不死を求めて 崇める人間たち。 80 00:07:53,807 --> 00:07:58,144 理解し合えなかった あの子供。 81 00:07:58,144 --> 00:08:01,981 私の周りに存在していた あらゆるものは➨ 82 00:08:01,981 --> 00:08:06,086 決して 私を内側に 招いてくれることはなかった。 83 00:08:08,154 --> 00:08:13,159 君は 自分の親兄弟というものを 覚えていますか? 84 00:08:13,159 --> 00:08:16,363 半分は 毛皮になったことくらいなら。 85 00:08:18,331 --> 00:08:22,502 (汐莉)私には 親も兄弟もいません。 86 00:08:22,502 --> 00:08:27,007 (汐莉)気づいた時には 波間に存在していました。 87 00:08:27,007 --> 00:08:30,677 (汐莉)君のように 人間の側にいられない。 88 00:08:30,677 --> 00:08:33,446 血を分けた家族もいない。 89 00:08:33,446 --> 00:08:36,616 心を通わせる者もいない。 90 00:08:36,616 --> 00:08:39,786 あらゆるものと繋がれない。 91 00:08:39,786 --> 00:08:43,623 (汐莉)それを 思い知らされながら 漂い➨ 92 00:08:43,623 --> 00:08:46,126 流され…。 93 00:08:46,126 --> 00:08:48,628 辿り着いた あの浜辺で…。 94 00:08:50,630 --> 00:08:53,633 私は初めて➨ 95 00:08:53,633 --> 00:08:57,137 内側からの景色を…。 96 00:08:57,137 --> 00:09:01,641 (汐莉)八百歳比名子という人間に 出会いました。 97 00:09:01,641 --> 00:09:06,312 <汐莉:焼けつくような 灼熱の太陽。 98 00:09:06,312 --> 00:09:09,315 それに照らされてきらめく白波。 99 00:09:09,315 --> 00:09:14,487 あの日 あの海で出会った君は➨ 100 00:09:14,487 --> 00:09:18,591 世界中の何よりも輝いて見えた> 101 00:09:20,660 --> 00:09:22,662 ((比名子:大丈夫? 102 00:09:22,662 --> 00:09:25,498 おばけ? お魚さん? 103 00:09:25,498 --> 00:09:28,501 見たことない)) 104 00:09:28,501 --> 00:09:31,004 <汐莉:きっと➨ 105 00:09:31,004 --> 00:09:33,940 腕が きちんと生え揃っていれば➨ 106 00:09:33,940 --> 00:09:36,609 その場で 彼女を喰らっていただろう。 107 00:09:36,609 --> 00:09:41,448 たまたま 捕まえる腕がなかった。 108 00:09:41,448 --> 00:09:43,950 ただ それだけ> 109 00:09:51,624 --> 00:09:55,628 <汐莉:その子供が 私に怯えて逃げたとしても➨ 110 00:09:55,628 --> 00:09:58,965 他の人間を 呼びに行ったとしても➨ 111 00:09:58,965 --> 00:10:01,801 別に どうでも良かった。 112 00:10:01,801 --> 00:10:05,472 痩せた子供は 食べるところが少ない。 113 00:10:05,472 --> 00:10:08,141 可食部の多い 大人を連れてくるなら➨ 114 00:10:08,141 --> 00:10:10,977 それに越したことはない。 115 00:10:10,977 --> 00:10:13,813 どちらでもいい。 116 00:10:13,813 --> 00:10:17,150 どちらにせよ 私は…> 117 00:10:17,150 --> 00:10:19,486 ((お魚さん! 118 00:10:19,486 --> 00:10:21,821 お腹空いてる? 119 00:10:21,821 --> 00:10:24,824 お母さんの作ってくれた お弁当! 120 00:10:24,824 --> 00:10:28,995 (比名子)お母さんの玉子焼き すごく美味しいんだよ! 121 00:10:28,995 --> 00:10:32,332 (比名子)お魚さんも食べれる? 122 00:10:32,332 --> 00:10:36,169 (比名子)お魚さん びょうき? けが? 123 00:10:36,169 --> 00:10:38,171 ごはん いっぱい食べて➨ 124 00:10:38,171 --> 00:10:41,508 はやく治さなきゃだね)) 125 00:10:41,508 --> 00:10:44,677 <汐莉:たとえ 腕がなくても➨ 126 00:10:44,677 --> 00:10:49,682 少し首を持ち上げれば 容易に喰える距離だった。 127 00:10:49,682 --> 00:10:53,353 小さな箱に詰められた食物より➨ 128 00:10:53,353 --> 00:10:58,024 痩せていても 子供1人の方が食い出がある。 129 00:10:58,024 --> 00:11:01,194 それなのに 私は➨ 130 00:11:01,194 --> 00:11:04,364 その子を喰えなかった。 131 00:11:04,364 --> 00:11:08,535 その子供は 比名子といった> 132 00:11:08,535 --> 00:11:15,041 ((ヒナね お父さんとお母さんと お兄ちゃんと一緒にね➨ 133 00:11:15,041 --> 00:11:17,710 あそこの ホテルに泊まってるの。 134 00:11:17,710 --> 00:11:19,712 あっ お魚さん。 135 00:11:19,712 --> 00:11:21,714 まだ お腹空いてる? 136 00:11:21,714 --> 00:11:28,221 え~と… 明日の 明日の 次… くらい? 137 00:11:28,221 --> 00:11:31,391 よくわかんなくなっちゃった。 138 00:11:31,391 --> 00:11:34,494 そのくらいまで ヒナたち お泊まりしてるから➨ 139 00:11:34,494 --> 00:11:37,830 また ごはん持って来てあげるね)) 140 00:11:37,830 --> 00:11:41,501 <汐莉:その言葉通り➨ 141 00:11:41,501 --> 00:11:45,171 比名子は 親の目を盗んでは➨ 142 00:11:45,171 --> 00:11:49,008 私の知らない菓子や食物やらを 運んできた。 143 00:11:49,008 --> 00:11:53,179 この時代の食物は 栄養価が高いのだろう。 144 00:11:53,179 --> 00:11:55,682 波間を漂っていた時は➨ 145 00:11:55,682 --> 00:11:58,351 口に飛び込んでくる 小魚くらいしか➨ 146 00:11:58,351 --> 00:12:00,520 食べることが出来なかった➨ 147 00:12:00,520 --> 00:12:04,357 穴だらけだった私の身体は➨ 148 00:12:04,357 --> 00:12:08,194 目に見えて回復していった> 149 00:12:08,194 --> 00:12:12,699 ((君は 私が怖くないのですか? 150 00:12:12,699 --> 00:12:17,537 お… お魚さんが喋った…。 151 00:12:17,537 --> 00:12:25,044 私の肉を… 不老不死を求めて 私を助けたのですか? 152 00:12:25,044 --> 00:12:27,213 そうでないなら➨ 153 00:12:27,213 --> 00:12:31,618 信仰対象とでも 思っているのですか? 154 00:12:37,991 --> 00:12:39,993 ヒナね。 155 00:12:39,993 --> 00:12:43,997 ヒナのお家の前の海も 大好きだけど➨ 156 00:12:43,997 --> 00:12:47,166 この海も とっても好き。 157 00:12:47,166 --> 00:12:51,504 お魚さん この海みたいで とっても きれい。 158 00:12:51,504 --> 00:12:53,506 だからね➨ 159 00:12:53,506 --> 00:12:58,111 お魚さんのこと 怖くなんてないよ)) 160 00:13:01,014 --> 00:13:03,516 (汐莉)彼女が触れた瞬間➨ 161 00:13:03,516 --> 00:13:05,518 まるで 別の世界に➨ 162 00:13:05,518 --> 00:13:09,022 放り込まれたような 感覚がしました。 163 00:13:09,022 --> 00:13:13,192 (汐莉)あの子が… 比名子だけが➨ 164 00:13:13,192 --> 00:13:17,530 私を内側に招き入れてくれた。 165 00:13:17,530 --> 00:13:19,866 ((だから さみしいな。 166 00:13:19,866 --> 00:13:25,071 ヒナ 明日には 帰らなきゃいけないんだもん)) 167 00:13:27,540 --> 00:13:29,542 <汐莉:あぁ…。 168 00:13:29,542 --> 00:13:33,313 この子を 私だけのものにしたい。 169 00:13:33,313 --> 00:13:35,314 他の妖怪にも➨ 170 00:13:35,314 --> 00:13:37,817 どんな天災にも➨ 171 00:13:37,817 --> 00:13:39,819 あらゆる病にも➨ 172 00:13:39,819 --> 00:13:42,989 この子を渡したくない。 173 00:13:42,989 --> 00:13:48,494 生きる喜びに満ちた 穢れのない人間の肉。 174 00:13:48,494 --> 00:13:53,499 たとえ 子供で肉付きが悪くても 極上の一品。 175 00:13:53,499 --> 00:13:55,501 今すぐ 皮を剥いで➨ 176 00:13:55,501 --> 00:13:57,503 腹を裂いて➨ 177 00:13:57,503 --> 00:14:00,173 腸全部を引きずり出して➨ 178 00:14:00,173 --> 00:14:05,011 爪の一枚すら余さず 喰らい尽くしたい。 179 00:14:05,011 --> 00:14:07,513 けれど➨ 180 00:14:07,513 --> 00:14:11,017 この輝きを失いたくない。 181 00:14:11,017 --> 00:14:13,019 初めてだった。 182 00:14:13,019 --> 00:14:16,022 こんなことを考えるのは> 183 00:14:16,022 --> 00:14:18,024 ((お魚さん?)) 184 00:14:18,024 --> 00:14:20,026 <汐莉:喰えば なくなってしまう。 185 00:14:20,026 --> 00:14:24,530 そんな 幼子ですら わかりきっていることに➨ 186 00:14:24,530 --> 00:14:27,867 私は 初めて気づいた> 187 00:14:27,867 --> 00:14:30,203 ((由利:比名子? 188 00:14:30,203 --> 00:14:33,139 (由利)比名子 どこ~? 189 00:14:33,139 --> 00:14:35,641 (由利)ホテル 戻るわよ~。 190 00:14:35,641 --> 00:14:37,643 お母さんだ。 191 00:14:37,643 --> 00:14:39,645 戻らなくちゃ。 192 00:14:44,150 --> 00:14:47,987 (比名子)どうしたの? お魚さん)) 193 00:14:47,987 --> 00:14:49,989 <汐莉:たとえ 永遠に味わうことが➨ 194 00:14:49,989 --> 00:14:52,492 出来なくなったとしても➨ 195 00:14:52,492 --> 00:14:54,827 それでも…> 196 00:14:54,827 --> 00:14:57,163 ((比名子。 197 00:14:57,163 --> 00:15:00,666 口を開けて)) 198 00:15:00,666 --> 00:15:03,336 <汐莉:私は…。 199 00:15:03,336 --> 00:15:06,038 比名子を失いたくない> 200 00:15:18,351 --> 00:15:20,353 ((汐莉:お礼です)) 201 00:15:20,353 --> 00:15:23,022 <汐莉:どうか この子が健やかに➨ 202 00:15:23,022 --> 00:15:26,025 この輝きを失わないように。 203 00:15:26,025 --> 00:15:28,528 何があっても> 204 00:15:28,528 --> 00:15:34,467 《汐莉:生きて。 私のために…》 205 00:15:34,467 --> 00:15:36,803 ((忘れてください。 206 00:15:36,803 --> 00:15:39,806 私の比名子)) 207 00:15:39,806 --> 00:15:42,308 <汐莉:私との この出会いが➨ 208 00:15:42,308 --> 00:15:47,980 万が一にでも輝く君の人生の 憚りにならないよう➨ 209 00:15:47,980 --> 00:15:52,652 何もかも忘れ… 生きて下さい。 210 00:15:52,652 --> 00:15:54,987 この世で たったひとり➨ 211 00:15:54,987 --> 00:15:59,826 私を 内側へ招き入れてくれた君へ➨ 212 00:15:59,826 --> 00:16:02,995 祈りを込めて。 213 00:16:02,995 --> 00:16:08,000 幸せに生きて下さい> 214 00:16:10,002 --> 00:16:13,506 🔊本日はご来園 ありがとうございました。 215 00:16:13,506 --> 00:16:15,508 楽しかったね。 また来たいな! 216 00:16:15,508 --> 00:16:20,513 🔊当園は 17時をもちまして 閉園となります。 217 00:16:20,513 --> 00:16:25,117 比名子と別れ もう それっきり…。 218 00:16:37,463 --> 00:16:42,635 (汐莉)彼女には 会わないつもりでした。 219 00:16:42,635 --> 00:16:46,138 (汐莉)あれは… そう。 220 00:16:46,138 --> 00:16:50,543 この夏を迎える 少し前だったでしょうか。 221 00:16:52,478 --> 00:16:56,282 ((フナ虫たち:キィ~ キィ…。 222 00:16:58,651 --> 00:17:00,653 うるさい。 223 00:17:00,653 --> 00:17:03,155 いったい 何を…。 224 00:17:08,494 --> 00:17:10,663 この血の匂いは…。 225 00:17:10,663 --> 00:17:14,333 チョウダイ 人魚 ソレ チョウダイ。 226 00:17:14,333 --> 00:17:17,003 ソレ ワタシタチノ。 227 00:17:17,003 --> 00:17:19,839 人魚 強イカラ 必要ナイ。 228 00:17:19,839 --> 00:17:23,175 弱イ ワタシタチニ チョウダイ。 229 00:17:23,175 --> 00:17:25,344 これを どこで手に入れた? 230 00:17:25,344 --> 00:17:29,015 死ニカケノヤツ 流レツイタ。 231 00:17:29,015 --> 00:17:31,517 ソイツ 持ッテタ。 232 00:17:31,517 --> 00:17:34,453 四国ノ海辺ニ 美味イ人間 イル。 233 00:17:34,453 --> 00:17:37,290 デモ 襲ッタケド 邪魔サレタッテ。 234 00:17:37,290 --> 00:17:40,293 ソレ ソノ人間ノ血 付イテル。 235 00:17:40,293 --> 00:17:42,295 ダカラ ソレ チョウダ…)) 236 00:17:44,797 --> 00:17:49,468 《汐莉:どうして…。 間違いなく 比名子の血だ。 237 00:17:49,468 --> 00:17:51,470 何故 こんな…。 238 00:17:51,470 --> 00:17:56,809 何故 何故 何故 何故…。 239 00:17:56,809 --> 00:18:00,012 こんなに変わってしまった?》 240 00:18:04,483 --> 00:18:06,986 《汐莉:行かなければ…。 241 00:18:06,986 --> 00:18:09,822 確かめなければ》 242 00:18:09,822 --> 00:18:13,326 私の血が入った 比名子の居場所は➨ 243 00:18:13,326 --> 00:18:15,995 おおまかにですが感じとれます。 244 00:18:15,995 --> 00:18:18,331 だから…。 245 00:18:18,331 --> 00:18:22,034 (汐莉)すぐに あの子を 見つけることができました。 246 00:18:24,003 --> 00:18:28,107 (汐莉)けれど… 上手くいかないものですね。 247 00:18:30,176 --> 00:18:32,845 (汐莉)やっと会えた彼女は➨ 248 00:18:32,845 --> 00:18:34,780 あらゆる意味で➨ 249 00:18:34,780 --> 00:18:37,783 なにもかも 変わってしまっていました。 250 00:18:44,290 --> 00:18:47,960 (汐莉)私 少し 期待していたんです。 251 00:18:47,960 --> 00:18:51,797 (汐莉)あの子を 陰らせたという件の事故。 252 00:18:51,797 --> 00:18:56,802 比名子から その話を聞いた時…。 253 00:18:56,802 --> 00:18:59,805 ((君は 自分が生き残ったことを➨ 254 00:18:59,805 --> 00:19:04,643 幸運だとは 思わなかったんですか?)) 255 00:19:04,643 --> 00:19:07,146 《汐莉:幸せですよね。 256 00:19:07,146 --> 00:19:10,483 生き残れて嬉しいですよね。 257 00:19:10,483 --> 00:19:13,652 幸運だったと思いますよね。 258 00:19:13,652 --> 00:19:19,659 私の血が 君を救ったのだから》 259 00:19:19,659 --> 00:19:23,996 ((大切な人達が 突然 みんないなくなって➨ 260 00:19:23,996 --> 00:19:29,301 私だけ助かって ラッキーだった なんて思える?)) 261 00:19:31,337 --> 00:19:33,272 (汐莉)私は ただ➨ 262 00:19:33,272 --> 00:19:35,274 あの子が健やかに➨ 263 00:19:35,274 --> 00:19:38,444 平穏に生きてくれればよかった。 264 00:19:38,444 --> 00:19:42,615 私を 内側に招き入れてくれた 彼女が➨ 265 00:19:42,615 --> 00:19:44,617 1秒でも長く➨ 266 00:19:44,617 --> 00:19:48,287 ただ 存在し続けて くれるだけでよかった。 267 00:19:48,287 --> 00:19:50,289 それだけでした。 268 00:19:50,289 --> 00:19:52,291 はぁ~。 269 00:19:52,291 --> 00:19:55,294 今 あたしが考えてること わかる? 270 00:19:57,296 --> 00:19:59,298 さっき熊にあげた餌➨ 271 00:19:59,298 --> 00:20:02,301 美味しそうだったなとかですか? (美胡)違うわ! 272 00:20:02,301 --> 00:20:04,470 あ~ もう…。 273 00:20:04,470 --> 00:20:08,808 なんで こんな話 あたしにするんだよ。 274 00:20:08,808 --> 00:20:10,810 君が➨ 275 00:20:10,810 --> 00:20:15,314 本心から 比名子のことを 想っているからですよ。 276 00:20:17,817 --> 00:20:20,986 あたしは…。 277 00:20:20,986 --> 00:20:23,823 本当に あの家族が好きだった。 278 00:20:23,823 --> 00:20:27,326 だから… 一人だけ生き残った比名子が➨ 279 00:20:27,326 --> 00:20:31,330 どれだけ辛い思いを してるかも分かる。 280 00:20:31,330 --> 00:20:35,334 それでも あの子が生きていてくれて➨ 281 00:20:35,334 --> 00:20:39,004 本当によかったと思ってるよ。 282 00:20:39,004 --> 00:20:41,006 そうですか。 283 00:20:41,006 --> 00:20:43,008 あ~あ。 284 00:20:43,008 --> 00:20:47,346 お前に感謝すべきか 殴るべきか 分かんないわ。 285 00:20:47,346 --> 00:20:49,682 勝手に感謝しないでください。 286 00:20:49,682 --> 00:20:52,518 君にあげたものでもないので。 287 00:20:52,518 --> 00:20:54,520 じゃあ 殴る一択じゃん。 288 00:20:54,520 --> 00:20:58,023 それは単純に嫌で~す。 289 00:21:02,528 --> 00:21:04,697 これから どうするの? 290 00:21:04,697 --> 00:21:06,699 あら? 291 00:21:06,699 --> 00:21:08,701 私の心配を してくれているんです? 292 00:21:08,701 --> 00:21:10,703 んな訳ねえだろ。 293 00:21:10,703 --> 00:21:13,706 お前じゃなくて 比名子の心配だっつうの。 294 00:21:13,706 --> 00:21:15,708 う~ん…。 295 00:21:15,708 --> 00:21:17,710 そうですね。 296 00:21:17,710 --> 00:21:19,712 あの合宿での出来事を➨ 297 00:21:19,712 --> 00:21:22,381 まるっと忘れさせる呪いでも かけましょうか。 298 00:21:22,381 --> 00:21:26,085 お前のそういうところ 本当に最悪だから。 299 00:21:28,053 --> 00:21:30,890 お前は ちゃんと対話すべき。 300 00:21:30,890 --> 00:21:33,993 (美胡)お前は ずっと言葉足らずなんだよ。 301 00:21:33,993 --> 00:21:37,830 (美胡)勝手に考えた 勝手なことを 勝手にするから➨ 302 00:21:37,830 --> 00:21:41,667 罰が当たって 身体 吹っ飛ばされたんでしょ。 303 00:21:41,667 --> 00:21:44,503 比名子は そんなことしませんよ。 304 00:21:44,503 --> 00:21:47,339 あんたを 殺しにかかるんじゃなくて➨ 305 00:21:47,339 --> 00:21:52,545 自分自身を殺しにかかったら どうすんのって話。 306 00:21:55,848 --> 00:21:57,850 対話というのは➨ 307 00:21:57,850 --> 00:22:00,186 同じ価値観と 立ち位置の者同士でしか➨ 308 00:22:00,186 --> 00:22:03,189 成り立たないと思いますが…? 309 00:22:03,189 --> 00:22:07,026 だったら寄り添える努力をしろ。 310 00:22:07,026 --> 00:22:09,028 お前が 本当に➨ 311 00:22:09,028 --> 00:22:11,831 あの子のことを 想ってるのならね。 312 00:22:15,034 --> 00:22:17,036 ふぅ…。 313 00:22:17,036 --> 00:22:19,638 簡単に言ってくれますね。 314 00:22:21,707 --> 00:22:24,210 ((比名子:あなたのこと➨ 315 00:22:24,210 --> 00:22:27,713 信じてたのに。 316 00:22:27,713 --> 00:22:29,715 ひとでなし)) 317 00:22:39,992 --> 00:22:41,994 (汐莉)比名子。