1 00:00:02,002 --> 00:00:05,172 (ジル)うっ… ハァハァ…。 2 00:00:05,172 --> 00:00:07,841 ハァハァ…。 3 00:00:07,841 --> 00:00:11,011 ハァハァハァ…。 4 00:00:11,011 --> 00:00:13,013 《傷が塞がらない》 5 00:00:13,013 --> 00:00:16,016 いたぞ! ジル・サーヴェルだ! 観念しろ! 6 00:00:16,016 --> 00:00:18,018 化け物め! 7 00:00:18,018 --> 00:00:20,687 (兵士たち)うわ~! 8 00:00:20,687 --> 00:00:23,190 《もし 今日 果てるとしても➡ 9 00:00:23,190 --> 00:00:27,027 せめて あの男が 笑えない死に方をしなければ! 10 00:00:27,027 --> 00:00:30,030 腹の虫がおさまらない!》 11 00:00:35,702 --> 00:00:37,704 (ジェラルド)そこまでだ。 12 00:00:39,706 --> 00:00:41,909 処刑は 明日だというのに…。 13 00:00:43,877 --> 00:00:47,714 往生際の悪いことだ。 くっ…。 14 00:00:47,714 --> 00:00:51,919 《初対面で求婚された夜は 今でも覚えている》 15 00:00:56,890 --> 00:00:59,393 ⦅一目見て 君だと思った。 16 00:01:04,331 --> 00:01:07,167 《ジル:普通の女の子とは 違う青春でも…》 17 00:01:07,167 --> 00:01:09,336 うっ! うっ! 18 00:01:09,336 --> 00:01:13,006 この軍神令嬢め! うわっ!⦆ 19 00:01:13,006 --> 00:01:15,008 《ジル:いつしか そう呼ばれ➡ 20 00:01:15,008 --> 00:01:18,178 男子より女子に恋文を もらうようになっても➡ 21 00:01:18,178 --> 00:01:23,350 化け物だ 戦場でしか笑わぬ 冷血女だと嘲笑されても➡ 22 00:01:23,350 --> 00:01:28,689 初恋の人のためと思えば なんでもなかった。 23 00:01:28,689 --> 00:01:31,024 ジェラルド・デア・クレイトス。 24 00:01:31,024 --> 00:01:35,362 この男の本性を知るまでは》 25 00:01:35,362 --> 00:01:40,701 私の妃になるはずだった女性が 罪を認めず 逃げ出すなど➡ 26 00:01:40,701 --> 00:01:45,205 恥を知れ。 なんの罪です? えん罪ばかり並べ立てて。 27 00:01:45,205 --> 00:01:49,209 今回の騒動 フェイリスが胸を痛めている。 28 00:01:49,209 --> 00:01:52,379 あれが悲しむのを見るのは 私も つらい。 29 00:01:52,379 --> 00:01:55,215 相変わらず 妹様思い…。 当然だろ。 30 00:01:55,215 --> 00:01:58,385 我が妹に勝るものなど この世にはいない。 31 00:01:58,385 --> 00:02:02,322 《この腐れシスコンが》 32 00:02:02,322 --> 00:02:04,992 しかし どうやって ろうから出たのだか。 33 00:02:04,992 --> 00:02:08,662 そんなもの 自分で たたき壊してまいりました。 34 00:02:08,662 --> 00:02:12,165 全く これだから 筋肉バカは。 35 00:02:12,165 --> 00:02:16,003 ただ 私を盲信し続けていれば 長生きできただろうに。 36 00:02:16,003 --> 00:02:20,007 うっ…。 君が聡明な判断をしたならば➡ 37 00:02:20,007 --> 00:02:22,342 私たちの子どもを育てる 名誉くらい➡ 38 00:02:22,342 --> 00:02:25,512 与えようかと思ったのだが…。 39 00:02:25,512 --> 00:02:28,015 これで よかったのかもしれないな。 40 00:02:28,015 --> 00:02:32,819 フェイリスとの子を 君みたいにされてはたまらない。 41 00:02:35,022 --> 00:02:37,024 連行しろ。 (兵士たち)はっ! 42 00:02:41,361 --> 00:02:45,866 《こんな男を 尊敬していたなんて…》 43 00:02:45,866 --> 00:02:48,035 どけ! 44 00:02:48,035 --> 00:02:50,037 フッ! 45 00:02:55,208 --> 00:02:57,210 捕らえろ。 46 00:02:57,210 --> 00:03:00,480 うっ! ハァハァ ハァハァ…。 47 00:03:00,480 --> 00:03:03,083 ハァハァハァ…。 48 00:03:07,654 --> 00:03:11,058 勘違いしないでくださいね 殿下。 49 00:03:14,828 --> 00:03:17,531 あなたが私を捨てたんじゃない。 50 00:03:21,501 --> 00:03:25,172 私が お前を捨てるんだ。 51 00:03:25,172 --> 00:03:27,674 矢を射よ! 殺してもかまわん。 52 00:03:27,674 --> 00:03:29,676 フッ! ああっ…。 53 00:03:32,846 --> 00:03:36,349 《やり? 止まらない。 54 00:03:36,349 --> 00:03:39,686 こいつ まるで 意思があるみたいに…。 55 00:03:39,686 --> 00:03:43,023 負けるものか 負けるものか。 56 00:03:43,023 --> 00:03:45,826 こんな終わり方をしてたまるか》 57 00:03:47,861 --> 00:03:52,699 《もしも あの男の婚約者に ならなかったら➡ 58 00:03:52,699 --> 00:03:58,038 あの日 あのとき 違う選択をしていたなら…。 59 00:03:58,038 --> 00:04:00,640 誰かを好きだったこと➡ 60 00:04:00,640 --> 00:04:03,343 失敗のまま 終わらせたくないのに》 61 00:04:06,313 --> 00:04:09,649 《次… 次さえあったなら➡ 62 00:04:09,649 --> 00:04:12,986 利用されたままで 終わらないのに》 63 00:04:12,986 --> 00:04:18,325 (鐘の音) 64 00:04:18,325 --> 00:04:34,641 ♬~ 65 00:04:45,852 --> 00:04:51,024 ♬~ 66 00:04:51,024 --> 00:04:57,197 ♬~ 67 00:04:57,197 --> 00:05:00,967 (ビリー)ジル… ジル。 68 00:05:00,967 --> 00:05:05,639 ジル どうしたんだ? ぼんやりして。 (シャーロット)気分でも悪いの? 69 00:05:05,639 --> 00:05:08,475 《ジル:お父様に お母様? 70 00:05:08,475 --> 00:05:11,311 とっくに死んだ両親が なぜ?》 71 00:05:11,311 --> 00:05:16,316 さては 緊張しているな。 そりゃ ジルだって気後れしますよ。 72 00:05:16,316 --> 00:05:19,653 初めての王都で こんな にぎやかなパーティーですもの。 73 00:05:19,653 --> 00:05:24,825 (ビリー)ハハハ! こよいは ジェラルド王子 15歳のお誕生祝いだからな。 74 00:05:24,825 --> 00:05:28,328 《ジル:ジェラルド王子… 15歳? 75 00:05:28,328 --> 00:05:33,834 あの男は 今 21歳のはず。 走馬灯でも見ているのか?》 76 00:05:33,834 --> 00:05:37,170 ジル 選ばれるといいわね。 お前は 刺しゅうも料理も➡ 77 00:05:37,170 --> 00:05:39,673 てんで ダメ。 色気より食い気。 78 00:05:39,673 --> 00:05:44,844 だが お母様に似て美人だし しっかり者で優しいからな。 79 00:05:44,844 --> 00:05:49,349 サーヴェル侯爵ご夫婦と そのご令嬢 ご到着! 80 00:05:52,686 --> 00:05:56,890 《覚えてる。 このパーティーは…》 81 00:06:00,961 --> 00:06:03,263 あっ あっ ああ…。 82 00:06:07,634 --> 00:06:12,138 ジェラルド・デア・クレイトス王太子殿下 ご入場! 83 00:06:12,138 --> 00:06:14,341 ああ…。 84 00:06:21,982 --> 00:06:23,984 うぅっ! うぅ…。 85 00:06:23,984 --> 00:06:26,486 お父様 お母様 人混みに酔ってしまったので➡ 86 00:06:26,486 --> 00:06:31,324 外の空気を吸ってきます! あら 大好物の豚の丸焼きはいいの? 87 00:06:31,324 --> 00:06:33,326 胸焼けがするので! 88 00:06:41,167 --> 00:06:43,169 《城内の構造は変わらない。 89 00:06:43,169 --> 00:06:48,008 左は ギャラリー 右の階段を上った奥は…。 90 00:06:48,008 --> 00:06:51,611 フェイリス王女の寝室》 91 00:06:55,682 --> 00:06:59,953 《そう 私との婚約は 妹との禁断の恋を➡ 92 00:06:59,953 --> 00:07:03,790 カムフラージュするための ものだったのだ。 93 00:07:03,790 --> 00:07:07,961 禁忌を知った私は まず婚約を破棄され➡ 94 00:07:07,961 --> 00:07:11,464 翌日には えん罪で投獄。 95 00:07:11,464 --> 00:07:15,802 次の日に裁判が終わり その翌日 処刑が決まった。 96 00:07:15,802 --> 00:07:18,471 罪状は 王女毒殺未遂。 97 00:07:18,471 --> 00:07:20,974 王太子と その妹の名誉を守るための➡ 98 00:07:20,974 --> 00:07:23,310 迅速かつ 完璧な口封じ。 99 00:07:23,310 --> 00:07:26,012 そして 逃れようとした末路が…》 100 00:07:28,148 --> 00:07:30,817 《落ち着け これは夢か? 101 00:07:30,817 --> 00:07:33,653 それとも あっちが夢か? 102 00:07:33,653 --> 00:07:37,490 死んだはずの父と母が 生きていて➡ 103 00:07:37,490 --> 00:07:40,493 私が若返っている。 104 00:07:40,493 --> 00:07:42,996 ありえないし 訳もわからない。 105 00:07:42,996 --> 00:07:46,100 でも もしかして 今なら やり直せる? 106 00:07:46,100 --> 00:07:51,004 とにかく 今は過去に戻ったのだと 想定して動こう。 107 00:07:51,004 --> 00:07:55,008 前回は 確か目が合った直後 その場で求婚された。 108 00:07:55,008 --> 00:07:57,344 しかし 今回は テラスに出た今の時点で➡ 109 00:07:57,344 --> 00:08:01,948 すでに 記憶どおりではない。 あれ? これって もしかして…》 110 00:08:01,948 --> 00:08:03,950 もう解決した? 111 00:08:03,950 --> 00:08:06,953 ジル姫! 出た~! 112 00:08:06,953 --> 00:08:10,623 出た? い… いえ なんでもございませんですわよ。 113 00:08:10,623 --> 00:08:13,793 《もしかして 目が合った時点で 遅かったのか? 114 00:08:13,793 --> 00:08:18,131 平常心 平常心》 あなたが サーヴェル家のジル姫だな。 115 00:08:18,131 --> 00:08:21,634 大事な話がある。 116 00:08:21,634 --> 00:08:23,803 驚かずに聞いてほしい。 117 00:08:23,803 --> 00:08:27,807 一目見て…。 ああ なんてこと! 118 00:08:27,807 --> 00:08:31,811 お父様とお母様が 心配しているに違いありませんわ。 119 00:08:31,811 --> 00:08:35,014 失礼! 《ここは 逃げねば》 120 00:08:37,150 --> 00:08:39,652 《あれで諦めなかったら どうしよう。 121 00:08:39,652 --> 00:08:43,656 すでに 恋人がいるって 子どもの私は無理があるし…。 122 00:08:43,656 --> 00:08:46,659 王太子が手を引く相手じゃないと 意味がない。 123 00:08:46,659 --> 00:08:50,997 そんな男 そうそう転がってるわけ…》 124 00:08:50,997 --> 00:08:53,500 蛇? うわっ! 125 00:08:53,500 --> 00:08:58,338 ジル姫 ジル姫! どうして逃げる? あなたに大事な話がある! 126 00:08:58,338 --> 00:09:01,608 《どうしよう… どうしたらいい?》 127 00:09:01,608 --> 00:09:03,610 うっ…。 《万が一の場合は➡ 128 00:09:03,610 --> 00:09:07,113 巻き込んだ責任を取る。 幸せにする。 129 00:09:07,113 --> 00:09:10,784 とにかく この場を切り抜けねば!》 130 00:09:10,784 --> 00:09:13,453 私 この方に 一目ぼれしました! 131 00:09:13,453 --> 00:09:16,456 この方を 一生かけて幸せにします! 132 00:09:16,456 --> 00:09:18,458 うっ…。 133 00:09:21,961 --> 00:09:23,963 《あれ?》 134 00:09:23,963 --> 00:09:27,967 (ハディス)いいだろう では 君を妻に。 135 00:09:27,967 --> 00:09:30,470 《この声 聞き覚えが…》 136 00:09:30,470 --> 00:09:33,473 お嬢さん 君の名前は? 137 00:09:33,473 --> 00:09:36,976 ジッ… ジル・サーヴェル。 138 00:09:36,976 --> 00:09:40,480 ああ サーヴェル辺境領の姫君か。 139 00:09:40,480 --> 00:09:42,482 どうりで 魔力が高い。 140 00:09:42,482 --> 00:09:46,486 それに 幼くとも 確かな目をお持ちのようだ。 141 00:09:46,486 --> 00:09:49,289 この僕に 自ら求婚してくるとは。 142 00:09:52,992 --> 00:09:55,829 《ジル:王太子といえど 簡単に手が出せない。 143 00:09:55,829 --> 00:09:58,331 そういう意味で 直感的に選んだ相手は➡ 144 00:09:58,331 --> 00:10:00,500 非常に正しかった。 145 00:10:00,500 --> 00:10:05,171 しかし 人生の選択としては この上なく間違っていた。 146 00:10:05,171 --> 00:10:09,676 なぜなら この男は 6年後の未来➡ 147 00:10:09,676 --> 00:10:15,014 この国を圧倒的な力と狂気で 火の海に沈めた最大の敵➡ 148 00:10:15,014 --> 00:10:18,017 隣国の呪われた皇帝…》 149 00:10:22,021 --> 00:10:27,126 このハディス・テオス・ラーヴェ あなたの求婚をお受けしよう。 150 00:10:29,195 --> 00:10:31,531 不安に思うことはない。 151 00:10:31,531 --> 00:10:34,367 僕は妻に ひざまずくと決めている。 152 00:10:34,367 --> 00:10:37,203 きれいな紫水晶の目をした姫君。 153 00:10:37,203 --> 00:10:40,206 どうか 僕を幸せにしておくれ。 154 00:10:40,206 --> 00:10:43,042 うっ うっ うっ うっ…。 155 00:10:43,042 --> 00:10:46,045 うぅっ! うぅ…。 156 00:10:48,047 --> 00:10:50,049 ああ ああ…。 157 00:10:55,722 --> 00:11:00,493 んっ んっ… ああ んっ…。 158 00:11:00,493 --> 00:11:02,495 あっ! 159 00:11:02,495 --> 00:11:06,100 ハァハァ…。 160 00:11:06,100 --> 00:11:09,002 ここは…。 161 00:11:09,002 --> 00:11:11,504 王宮の客間? 162 00:11:17,844 --> 00:11:20,513 (ハディス)ああ よかった。 (ドアの開く音) 163 00:11:20,513 --> 00:11:26,019 気分は どうかな? ああ… はい。 大丈夫です。 164 00:11:34,527 --> 00:11:37,197 もう一度 求婚してほしい。 165 00:11:37,197 --> 00:11:40,366 はい? 166 00:11:40,366 --> 00:11:42,535 これが夢じゃないと確かめたい。 167 00:11:42,535 --> 00:11:46,339 《な… なんだか 6年後と だいぶ印象が…》 168 00:11:50,543 --> 00:11:54,714 ⦅1人残らず殺せ。 子どもも女も関係ない。 169 00:11:54,714 --> 00:11:57,717 あの女の眷属など 生かす価値もない。 170 00:11:57,717 --> 00:12:01,321 簡単には殺すな。 母親の前で 目をえぐれ。 171 00:12:01,321 --> 00:12:03,489 兄弟で殺し合わせろ。 172 00:12:03,489 --> 00:12:07,660 希望も愛も夢も絆も すべて! 何一つ残すな。 173 00:12:07,660 --> 00:12:10,163 俺が そうされたようにだ。 174 00:12:10,163 --> 00:12:13,166 やめろ! こちらの負けを認めよう。 175 00:12:13,166 --> 00:12:16,369 矛を収め 早々に兵を引き揚げられよ。 176 00:12:19,672 --> 00:12:21,674 うっ! 177 00:12:21,674 --> 00:12:25,678 敗残兵が なぜ命じる? 178 00:12:25,678 --> 00:12:29,515 どうしても 誰かをいたぶりたいなら 私を…。 179 00:12:29,515 --> 00:12:34,187 捕虜になってやる。 ご立派なことだ 軍神令嬢。 180 00:12:34,187 --> 00:12:38,191 だが 後悔することになるぞ。 じきに なぜ 自分がと➡ 181 00:12:38,191 --> 00:12:41,394 醜く泣き叫ぶ…。 私に 二言はない! 182 00:12:46,032 --> 00:12:50,370 興が削がれた。 全軍 引け。 (ジル)待て!⦆ 183 00:12:50,370 --> 00:12:53,539 うっ うぅ…。 (ハディス)どうして返事をしない? 184 00:12:53,539 --> 00:12:57,210 あっ! まだ具合が悪いのかい? 185 00:12:57,210 --> 00:12:59,412 ⦅ハハハハ…⦆ 186 00:13:01,814 --> 00:13:05,652 えっ あっ いえ…。 まだ無理はしないほうがいい。 187 00:13:05,652 --> 00:13:08,488 横になるか それとも 何か食べられるかな? 188 00:13:08,488 --> 00:13:11,491 それに… アハッ! 189 00:13:11,491 --> 00:13:14,994 うわっ! 起きているなら靴を。 190 00:13:14,994 --> 00:13:16,996 足元が冷えるだろう? 191 00:13:16,996 --> 00:13:19,499 じ… 自分で できますので! 192 00:13:19,499 --> 00:13:22,502 皇帝陛下に そんなまね…。 遠慮しなくていい。 193 00:13:22,502 --> 00:13:24,671 じっとして。 あっ…。 194 00:13:24,671 --> 00:13:28,841 ほら できたよ。 うっ! 195 00:13:28,841 --> 00:13:31,344 《女子扱いって こういう感じなのか。 196 00:13:31,344 --> 00:13:34,180 耐性と戦歴が 圧倒的に不足している》 (ノック) 197 00:13:34,180 --> 00:13:37,850 失礼する! ジル嬢 話を聞かせてもらおうか。 198 00:13:37,850 --> 00:13:41,187 君は 何を考えている? 私の話から逃げたあげく…。 199 00:13:41,187 --> 00:13:45,191 ジェラルド王子 こんな小さい子を いきなり質問攻めにするなんて➡ 200 00:13:45,191 --> 00:13:49,529 無粋だよ。 ラーヴェ皇帝 なぜ こちらに? 201 00:13:49,529 --> 00:13:52,865 婚約者が倒れたら 心配するのは当然じゃないか。 202 00:13:52,865 --> 00:13:55,368 あなたと彼女は 婚約などしていない。 203 00:13:55,368 --> 00:13:57,370 両親も認めないでしょう。 204 00:13:57,370 --> 00:14:00,306 それに 彼女と婚約するのは私です。 205 00:14:00,306 --> 00:14:02,975 そう内々に 話が決まっていたのだから。 206 00:14:02,975 --> 00:14:04,977 《うえっ! 初耳だぞ》 207 00:14:04,977 --> 00:14:08,147 ⦅ジル 選ばれるといいわね。 うんうん⦆ 208 00:14:08,147 --> 00:14:12,151 《貴族的な回りくどい言い回しが 伝わっていなかったのかも》 209 00:14:12,151 --> 00:14:14,153 隣国が 我が国の事情に踏み込むのは➡ 210 00:14:14,153 --> 00:14:16,656 ご遠慮願いたい。 内政干渉だ。 211 00:14:16,656 --> 00:14:21,661 内政干渉? ただ 君がフラれて 悔しいという話だろ? 212 00:14:21,661 --> 00:14:23,996 ここでは ゆっくり話もできそうにないね。 213 00:14:23,996 --> 00:14:25,998 行こうか。 バカなことを。 214 00:14:25,998 --> 00:14:28,000 行かせるわけがないだろう! 215 00:14:28,000 --> 00:14:30,503 勝てない相手に刃向かうのは 愚かだ。 216 00:14:30,503 --> 00:14:32,672 君と僕とでは 格が違う。 217 00:14:32,672 --> 00:14:34,674 (ジェラルド)これ以上 私を侮辱する気なら…。 218 00:14:34,674 --> 00:14:36,676 下がれ。 219 00:14:36,676 --> 00:14:38,678 くっ…。 220 00:14:40,847 --> 00:14:43,516 うっ…。 僕らは失礼するよ。 221 00:14:43,516 --> 00:14:45,852 お招きありがとう。 222 00:14:45,852 --> 00:14:48,521 《ただの威圧感だけで…》 223 00:14:48,521 --> 00:14:52,525 うっ… 化け物め! 224 00:14:54,527 --> 00:14:59,866 驚かせてすまなかった。 大丈夫 君に手出しはさせない。 225 00:14:59,866 --> 00:15:02,969 とはいえ ジェラルド王子が あれで諦めるとも思えない。 226 00:15:02,969 --> 00:15:04,971 ハァ… しかたないか。 227 00:15:04,971 --> 00:15:07,306 愛って困難を伴うって 本で読んだし。 228 00:15:07,306 --> 00:15:10,977 あ… 愛? 《ちょっと待て この男 まさか》 229 00:15:10,977 --> 00:15:13,146 君の魔力は 安定していないようだから➡ 230 00:15:13,146 --> 00:15:15,148 船で移動しよう。 231 00:15:15,148 --> 00:15:18,317 えっ…。 心配ない。 魔力で飛ばせば 数時間で➡ 232 00:15:18,317 --> 00:15:20,319 ラーヴェ帝国の領土に入るよ。 233 00:15:20,319 --> 00:15:23,990 えっ… え~! 234 00:15:23,990 --> 00:15:26,159 アハッ! うん。 235 00:15:26,159 --> 00:15:29,829 うぅ…。 236 00:15:29,829 --> 00:15:34,167 なぜ 女子用の服が…。 いや 考えるのはやめよう。 237 00:15:34,167 --> 00:15:37,003 とりあえず あの男から 逃れられたことは幸運だった。 238 00:15:37,003 --> 00:15:40,673 ⦅ふ~ん⦆ このまま済むわけないだろうな。 239 00:15:40,673 --> 00:15:44,510 お父様とお母様 大丈夫だろうか? (ノック) 240 00:15:44,510 --> 00:15:46,512 (ハディス)入っていいかな? 241 00:15:51,684 --> 00:15:55,188 うっ うぅ…。 242 00:15:55,188 --> 00:15:57,690 あっ…。 243 00:15:57,690 --> 00:15:59,892 うぅ…。 244 00:16:04,130 --> 00:16:06,466 ありがとうございます 陛下。 245 00:16:06,466 --> 00:16:09,969 口直しには これを。 246 00:16:09,969 --> 00:16:13,639 《ジル:ケーキが光ってる。 こんなの見たことない!》 247 00:16:13,639 --> 00:16:16,843 こ… これ 頂いても? もちろんどうぞ。 248 00:16:18,978 --> 00:16:24,984 《ものすっごくおいしい! 生きてて よかった。 ハッ!》 249 00:16:24,984 --> 00:16:28,321 お… 恐れながら お聞きしたいことが。 250 00:16:28,321 --> 00:16:30,990 陛下は この婚約について➡ 251 00:16:30,990 --> 00:16:32,992 どこまで 本気でいらっしゃいますか? 252 00:16:32,992 --> 00:16:36,662 どこまでとは? 私は その… 年齢的に…。 253 00:16:36,662 --> 00:16:39,832 理想的だ。 254 00:16:39,832 --> 00:16:42,001 それでいて 高い魔力も持っている。 255 00:16:42,001 --> 00:16:44,670 まさに 僕が追い求めてきた 理想の女性だよ。 256 00:16:44,670 --> 00:16:46,672 しかも 僕に求婚してくるなんて…。 257 00:16:46,672 --> 00:16:49,175 そ… それって 僕を好きだってことだよな。 258 00:16:49,175 --> 00:16:51,677 余裕を持つなら あと2~3歳は 下でもよかったが➡ 259 00:16:51,677 --> 00:16:55,514 贅沢は言わないよ。 僕の完璧な幸せ家族計画は➡ 260 00:16:55,514 --> 00:16:57,516 これくらいで揺るぎはしない! 261 00:16:57,516 --> 00:17:01,954 《こ… これは まさか本物の…》 262 00:17:01,954 --> 00:17:04,290 子どものざれ言を真に受けて➡ 263 00:17:04,290 --> 00:17:07,126 誘拐までやらかす 変態だったなんて…。 264 00:17:07,126 --> 00:17:09,128 ざれ言? 265 00:17:09,128 --> 00:17:12,131 つまり求婚は ウソだったということか? 266 00:17:12,131 --> 00:17:14,467 いや まさか… そんなバカな。 267 00:17:14,467 --> 00:17:19,138 一応 確認する。 結婚する気があるのか ないのか。 268 00:17:19,138 --> 00:17:21,307 どっちだ? はっきりしてくれ。 269 00:17:21,307 --> 00:17:24,110 うぅ…。 270 00:17:29,982 --> 00:17:33,486 ごめんなさい! 実は 事情がございまして! 271 00:17:33,486 --> 00:17:35,821 求婚は ウソです。 272 00:17:35,821 --> 00:17:39,325 ハァ… ラーヴェ 笑ってないで出てこい。 273 00:17:42,328 --> 00:17:45,164 (ラーヴェ)キャハハハ! だから言っただろ! 274 00:17:45,164 --> 00:17:50,169 俺が見えて 若くて 初対面で求婚されましたぁ? 275 00:17:50,169 --> 00:17:52,338 そんなん 訳ありに決まってんだろ! 276 00:17:52,338 --> 00:17:56,842 それを浮かれて真に受けちゃって この恋愛音痴皇て…。 ハハハハ…。 277 00:17:56,842 --> 00:17:59,345 今日の夕食は竜神の串焼きだ。 278 00:17:59,345 --> 00:18:01,280 《竜神? 279 00:18:01,280 --> 00:18:04,617 まさか じゃあ あの言い伝えは…。 280 00:18:04,617 --> 00:18:07,787 愛と大地の女神 クレイトス。 281 00:18:07,787 --> 00:18:10,790 ことわりと天空の竜神 ラーヴェ。 282 00:18:10,790 --> 00:18:13,459 神話から建国まで 人間を巻き込んだ➡ 283 00:18:13,459 --> 00:18:16,963 千年にも及んだという 争いの歴史。 284 00:18:16,963 --> 00:18:20,299 クレイトス王国は 魔術大国の側面を持ち➡ 285 00:18:20,299 --> 00:18:23,302 大半の国民が 魔力を持って生まれる。 286 00:18:23,302 --> 00:18:26,806 一方 ラーヴェ帝国では 魔力を持つ者は少ないが➡ 287 00:18:26,806 --> 00:18:29,642 クレイトスにはない竜が生まれる》 288 00:18:29,642 --> 00:18:33,145 翼の生えた太い蛇! 最近 痩せました。 289 00:18:33,145 --> 00:18:36,816 《神話をまるっきりの迷信とは 思ってはいなかったが➡ 290 00:18:36,816 --> 00:18:39,652 まさか まだ神が存在するとは…》 291 00:18:39,652 --> 00:18:42,321 やあ お嬢ちゃん 昨日は どうも。 292 00:18:42,321 --> 00:18:45,825 竜神 ラーヴェ? 293 00:18:45,825 --> 00:18:49,328 俺が見えてしゃべれる。 条件は ぴったりだよな。 294 00:18:49,328 --> 00:18:51,831 ハディス お前 19だっけ? 295 00:18:51,831 --> 00:18:55,668 このくらいの差 珍しくもない。 常識の範囲内だ。 296 00:18:55,668 --> 00:18:59,505 はい? 僕の母は16で 40の父と 夫婦になった。 297 00:18:59,505 --> 00:19:02,942 しかし お… お世継ぎの問題とか。 世継ぎ? 298 00:19:02,942 --> 00:19:06,946 で… 出会ったばかりで そんな話なんて どうかと思うな。 299 00:19:06,946 --> 00:19:09,782 いいかい? そういうことは順序が大切なんだ。 300 00:19:09,782 --> 00:19:12,284 話をしたり 一緒にお茶を飲んだり➡ 301 00:19:12,284 --> 00:19:15,788 お互いを わかり合う時間が必要だって。 302 00:19:15,788 --> 00:19:17,790 本には そう書いてあった。 303 00:19:17,790 --> 00:19:20,793 やっぱ 本を読ませただけだと偏るね。 304 00:19:20,793 --> 00:19:24,463 失礼ですが 外見と中身が 合ってなさすぎませんか? 305 00:19:24,463 --> 00:19:28,300 外見と中身が違う… か。 306 00:19:28,300 --> 00:19:33,139 つまり 僕は 期待外れだったということか。 307 00:19:33,139 --> 00:19:35,641 求婚は 本当にウソだったんだな。 308 00:19:35,641 --> 00:19:39,645 すみません むしろ 本気にされるとは思っておらず…。 309 00:19:39,645 --> 00:19:43,149 そうだな。 どうかしていた。 わかっていたんだ。 310 00:19:43,149 --> 00:19:46,318 膨大な魔力を持っていて 僕みたいな男を好いてくれる➡ 311 00:19:46,318 --> 00:19:50,156 若い女の子なんて 都合よく現れるはずがない。 312 00:19:50,156 --> 00:19:53,659 軽々しく こいつに 求婚なんてするからだぞ。 313 00:19:53,659 --> 00:19:56,829 この借りは いずれ なんらかの形で返そう。 314 00:19:56,829 --> 00:20:02,668 君の名前は忘れない サーヴェル辺境領 決して忘れない。 315 00:20:02,668 --> 00:20:05,504 決してだ。 《どういう意味で?》 316 00:20:05,504 --> 00:20:08,674 (ハディス)君は ちゃんとクレイトスに帰すよ。 317 00:20:08,674 --> 00:20:11,844 《ジル:怒とうの展開で 忘れていたが➡ 318 00:20:11,844 --> 00:20:15,681 戻って待つのは 腐れシスコンと人生終了》 319 00:20:15,681 --> 00:20:17,683 (ハディス)うれしかったよ。 320 00:20:17,683 --> 00:20:22,855 一生かけて幸せにするなんて 言われたのは初めてで。 321 00:20:22,855 --> 00:20:25,524 ひとときの夢でも ありがとう。 322 00:20:25,524 --> 00:20:29,361 《何をやってるんだ 私は。 323 00:20:29,361 --> 00:20:32,531 責任は取ると決意して 求婚したんだろう? 324 00:20:32,531 --> 00:20:37,203 利用するために求婚し 不要になったら捨てる? 325 00:20:37,203 --> 00:20:40,706 それじゃ まるで 自分が されたことと同じじゃないか》 326 00:20:43,876 --> 00:20:48,881 《うん。 それに この皇帝は悪い男じゃ…》 327 00:20:48,881 --> 00:20:53,219 残りのケーキは お土産に持って帰るといい。 328 00:20:53,219 --> 00:20:55,221 前言撤回いたします! 329 00:20:55,221 --> 00:20:59,391 陛下! 私でよければ結婚してください。 330 00:20:59,391 --> 00:21:02,328 何をまた 突然言いだすんだ? 331 00:21:02,328 --> 00:21:04,497 君は 本気ではなかったんだろう? 332 00:21:04,497 --> 00:21:07,500 これから本気にしてまいります。 責任は取ります。 333 00:21:07,500 --> 00:21:11,337 やめてくれ。 そうやって また僕を惑わそうとするのは。 334 00:21:11,337 --> 00:21:13,339 それに 責任だなんて…。 335 00:21:13,339 --> 00:21:15,674 ⦅後悔することになるぞ⦆ 336 00:21:15,674 --> 00:21:18,677 うっ… 私に 二言はない! 337 00:21:18,677 --> 00:21:23,015 あっ…。 改めて お詫びいたします。 338 00:21:23,015 --> 00:21:25,851 もう誓いをたがえたりしません。 339 00:21:25,851 --> 00:21:30,356 あなたを必ず更生… いえ 幸せにいたします。 340 00:21:30,356 --> 00:21:32,558 生涯をかけて! 341 00:23:15,327 --> 00:23:18,831 (ラーヴェ)おっ 薬湯か? 僕の紫水晶のためにね。 342 00:23:18,831 --> 00:23:22,001 ん~ やめといたほうが いいと思うけどな。 343 00:23:22,001 --> 00:23:24,169 どうして? だってよ➡ 344 00:23:24,169 --> 00:23:26,672 あんなに都合のいい条件が そろった相手だぜ? 345 00:23:26,672 --> 00:23:30,009 絶対 結婚や~めたとか 言ってくるって。 346 00:23:30,009 --> 00:23:34,513 僕は ただ 船酔い止めになればと 思っただけだよ。 347 00:23:34,513 --> 00:23:38,851 それに こんな僕を 好きになってくれたことが➡ 348 00:23:38,851 --> 00:23:42,855 何より うれしいから。 まあ せいぜい うまく口説けよ。 349 00:23:42,855 --> 00:23:46,859 くど くど くど… 口説く? く… くど… くく…。 350 00:23:46,859 --> 00:23:49,061 ハァーア。