1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 ⚟(チャイム) 2 00:00:06,006 --> 00:00:09,009 ⚟(チャイム) 3 00:00:09,009 --> 00:00:11,011 (私)<わたしは罪な男である> 4 00:00:11,011 --> 00:00:14,014 <門前には 1人の女が求愛に来ている> 5 00:00:14,014 --> 00:00:18,018 <長年 語学の友人であった彼女と 一線 越えても よいものか> 6 00:00:18,018 --> 00:00:20,020 <これほど わたしに アタックしてきた魅力的な人が➡ 7 00:00:20,020 --> 00:00:22,022 かつて いただろうか?> 8 00:00:22,022 --> 00:00:25,025 <しかし わたしの目の前には 別の女がいる> 9 00:00:25,025 --> 00:00:27,027 <ある男の元から やって来たという彼女は➡ 10 00:00:27,027 --> 00:00:29,029 多くを語らない> 11 00:00:29,029 --> 00:00:31,031 <さらに わたしは頭の片隅で➡ 12 00:00:31,031 --> 00:00:34,034 もう一人の女に 思いを はせてみる> 13 00:00:36,036 --> 00:00:38,038 <彼女は今も とある場所で わたしのことを➡ 14 00:00:38,038 --> 00:00:42,042 今か今かと 待ちわびているのだ> 15 00:00:42,042 --> 00:00:44,044 <神よ! モテる男は罪なのですか?> 16 00:00:44,044 --> 00:00:46,046 <わたしは どうすれば?> 17 00:00:46,046 --> 00:00:48,048 ⚟(ノック) (羽貫)出てきて! 18 00:00:48,048 --> 00:00:50,050 (ジョニー)早く決めろ! 19 00:00:50,050 --> 00:00:53,053 (私)うっ…。 20 00:00:53,053 --> 00:00:55,055 <ドアの外には 色っぽい羽貫さん> 21 00:00:55,055 --> 00:00:57,057 <下宿には 無口で かれんな香織さん> 22 00:00:57,057 --> 00:00:59,993 <カフェで待っているのは まだ見ぬ 文通相手の景子さん> 23 00:00:59,993 --> 00:01:04,998 <桃色遊戯の達人でないならば 誰か一人に 絞らねばならぬ!> 24 00:01:04,998 --> 00:01:08,001 ならば! ならばぁ~! 25 00:01:08,001 --> 00:01:10,003 わたしは景子さんを選ぶ! 26 00:01:10,003 --> 00:01:12,005 何で!? 27 00:01:12,005 --> 00:01:14,007 <わたしは肉欲には負けぬ!> 28 00:01:14,007 --> 00:01:16,009 <わたしが今 すべきことは 虚飾を取り払い➡ 29 00:01:16,009 --> 00:01:18,011 ありのままの自分を さらけ出すことだ!> 30 00:01:18,011 --> 00:01:21,014 <景子さん! 待っていてくれ!> 31 00:01:21,014 --> 00:01:31,024 ♬~ 32 00:02:56,043 --> 00:02:59,046 <当時 ぴかぴかの大学一回生の わたしの目の前には➡ 33 00:02:59,046 --> 00:03:01,982 ばら色の キャンパスライフへの扉が 無数に開かれていた> 34 00:03:01,982 --> 00:03:03,984 <しかし 1つのサークルに 身を捧げるということは➡ 35 00:03:03,984 --> 00:03:05,986 ともすれば 大学生活を 丸ごと棒に振るということにも➡ 36 00:03:05,986 --> 00:03:07,988 なりかねない。 リスクは分散すべし> 37 00:03:07,988 --> 00:03:09,990 <複数のサークルに参加して 多角的な➡ 38 00:03:09,990 --> 00:03:11,992 ばら色の キャンパスライフを送るのだ> 39 00:03:13,994 --> 00:03:15,996 <もともと インドア派である わたしは➡ 40 00:03:15,996 --> 00:03:17,998 読書を通じて 出会いを求める> 41 00:03:19,100 --> 00:03:23,003 <本は海! 活字の大海原に 今こそ 船出するのだ> 42 00:03:23,003 --> 00:03:26,006 <人生の波が 風が 悲しみの雨 苦難の嵐➡ 43 00:03:26,006 --> 00:03:30,010 絶望のサルガッソ 出会いと別れの リアス式海岸> 44 00:03:35,015 --> 00:03:37,017 <希望の朝日> 45 00:03:39,019 --> 00:03:41,021 <そして ある日 1そうの小舟と出合う> 46 00:03:41,021 --> 00:03:44,024 <その舟には 黒髪の乙女が…> 47 00:03:51,031 --> 00:03:54,034 <静かだ。 読書というものは そもそもが 一人旅である> 48 00:03:54,034 --> 00:03:58,038 <しかし これは あまりにも 静か過ぎるではないか> 49 00:03:58,038 --> 00:04:02,042 <これでは 恋も芽生えない。 『太平洋ひとりぼっち』だ> 50 00:04:05,979 --> 00:04:09,983 (小津)毎度 おおきに。➡ 51 00:04:09,983 --> 00:04:11,985 これ よかったら 読んでみてください。➡ 52 00:04:11,985 --> 00:04:13,987 愚にも付かぬ 青春小説ですが➡ 53 00:04:13,987 --> 00:04:16,990 あなたの 反面教師代わりに どうぞ。 54 00:04:16,990 --> 00:04:18,992 やかましい! 55 00:04:20,994 --> 00:04:23,997 <古本屋で購入したものだが もういらないから 読めという> 56 00:04:23,997 --> 00:04:27,000 <その内容は 愚にも付かぬ 青春小説であったが➡ 57 00:04:27,000 --> 00:04:30,003 最後のページに 美しい筆跡で 住所と名前が書いてあった> 58 00:04:30,003 --> 00:04:32,005 <どうやら 元の持ち主らしい> 59 00:04:32,005 --> 00:04:34,007 <樋口 景子さんという その女性のことが➡ 60 00:04:34,007 --> 00:04:36,009 妙に気になった> 61 00:04:36,009 --> 00:04:38,011 <何を 隠そう わたしは かねてより文通に➡ 62 00:04:38,011 --> 00:04:40,013 憧れていたのである。 いつの日か思いがけぬ➡ 63 00:04:40,013 --> 00:04:42,015 好機を得て 典雅な文通が したいなぁと夢見て➡ 64 00:04:42,015 --> 00:04:44,017 わたしは うずうずしていた> 65 00:04:44,017 --> 00:04:46,019 <この思いを 以前 小津に漏らしたとき> 66 00:04:46,019 --> 00:04:48,021 (小津)それで 見知らぬ女性に 卑猥な言葉を送りつけて➡ 67 00:04:48,021 --> 00:04:50,023 興奮するんでしょう。 68 00:04:50,023 --> 00:04:53,026 まったく 手の付けられない エロなんだから困ってしまう。 69 00:04:53,026 --> 00:04:56,029 この桃色筆まめ野郎! 70 00:04:56,029 --> 00:04:58,031 <…と 散々 変態 呼ばわりされた> 71 00:04:58,031 --> 00:04:59,966 <しかし これは 絶好の機会とみた> 72 00:04:59,966 --> 00:05:01,968 <これこそ 天の采配ではないのか?> 73 00:05:01,968 --> 00:05:03,970 <見知らぬ女性と 文通を開始する千載一遇の➡ 74 00:05:03,970 --> 00:05:06,973 大好機ではないのか!? とはいえ 唐突に手紙を➡ 75 00:05:06,973 --> 00:05:09,976 送りつけるのは無粋。 さもなくば 変態である> 76 00:05:09,976 --> 00:05:12,979 <そこで わたしは 美しくかつ この変態的所業を補って➡ 77 00:05:12,979 --> 00:05:15,982 余りあるほどに誠実さに あふれた 便せんを購入し➡ 78 00:05:15,982 --> 00:05:18,985 実に当たり障りのない 内容の手紙を書いた> 79 00:05:18,985 --> 00:05:21,988 <唐突に手紙を送りつける非礼を まず 丁寧にわび➡ 80 00:05:21,988 --> 00:05:23,990 自分が まじめに学業に励む 学生であることを➡ 81 00:05:23,990 --> 00:05:25,992 さらりと書き添え 読み終えた小説について➡ 82 00:05:25,992 --> 00:05:28,995 褒めるでもなく けなすでもない感想を書き加え➡ 83 00:05:28,995 --> 00:05:30,997 あえて 返信が欲しいなどとは 一言も書かなかった> 84 00:05:30,997 --> 00:05:34,000 <あまり長々と書くと 変態が におい立つので➡ 85 00:05:34,000 --> 00:05:37,003 推敲に推敲を重ねて 便せん1枚半に まとめあげた> 86 00:05:45,011 --> 00:05:48,014 <この風紀紊乱の世で 見ず知らずの他人から➡ 87 00:05:48,014 --> 00:05:50,016 送ってよこした手紙に 返事をするのは➡ 88 00:05:50,016 --> 00:05:53,019 相当な決意を必要とする。 蝶よ花よと育てられた➡ 89 00:05:53,019 --> 00:05:55,021 深窓のご令嬢であれば なおのことだ> 90 00:05:55,021 --> 00:05:57,023 <もし 返事が来なくても 傷つかないようにと➡ 91 00:05:57,023 --> 00:05:59,025 わたしは覚悟していた> 92 00:06:05,966 --> 00:06:08,969 (景子)「拝啓 お手紙 ありがとうございます」 93 00:06:08,969 --> 00:06:10,971 <その手紙には 景子さん自身のことが➡ 94 00:06:10,971 --> 00:06:12,973 控えめにつづられ 彼女が麗しの➡ 95 00:06:12,973 --> 00:06:15,976 黒髪の乙女であることが 読み取れた> 96 00:06:15,976 --> 00:06:17,978 <どんぴしゃだ!> 97 00:06:17,978 --> 00:06:19,980 <こうして 嘘のように簡単な きっかけから➡ 98 00:06:19,980 --> 00:06:23,984 われわれの 2年間にわたる 文通の火ぶたが切られたのだ> 99 00:06:25,986 --> 00:06:27,988 「一足 先に 夏が やって来たような➡ 100 00:06:27,988 --> 00:06:29,990 蒸し暑い日々が 続いていますね」 101 00:06:29,990 --> 00:06:32,993 「わたしの下宿は なかなか 風が通らないので➡ 102 00:06:32,993 --> 00:06:35,996 余計 暑いです」 103 00:06:35,996 --> 00:06:39,100 (景子)「葵祭が終わったと思ったら 急に蒸し暑くなってきましたね」➡ 104 00:06:39,100 --> 00:06:45,005 「梅雨入りの前に 夏の飛び地へ 迷い込んだような気がします」➡ 105 00:06:45,005 --> 00:06:47,007 「大学で自由に 勉強できるということは➡ 106 00:06:47,007 --> 00:06:49,009 とても 素晴らしいことだと思います」➡ 107 00:06:49,009 --> 00:06:53,013 「大学では どんな研究を なさっているのですか?」 108 00:06:53,013 --> 00:06:56,016 「研究というほど 大それたものでは ないのですが➡ 109 00:06:56,016 --> 00:06:59,019 農学を専攻しております」 110 00:06:59,019 --> 00:07:00,954 「科学とは興味深い世界です」 111 00:07:00,954 --> 00:07:02,956 「生半可なことでは 全てを見渡すことが➡ 112 00:07:02,956 --> 00:07:05,959 できなくなったのが 残念に思われますが➡ 113 00:07:05,959 --> 00:07:07,961 だからこそ 今のわたしたちの生活が➡ 114 00:07:07,961 --> 00:07:11,965 あるわけなので ぜいたくは いえません」 115 00:07:11,965 --> 00:07:14,968 (景子)「すてきな勉強を なさっているのですね」➡ 116 00:07:14,968 --> 00:07:17,971 「わたしの方は この間 日本に3年いた講師の方が➡ 117 00:07:17,971 --> 00:07:19,973 帰国することになって その送別会が➡ 118 00:07:19,973 --> 00:07:22,976 御池通のアイリッシュパブで 開かれました」➡ 119 00:07:22,976 --> 00:07:24,978 「わたしは お酒が飲めないのですけれども➡ 120 00:07:24,978 --> 00:07:29,983 白身魚の揚げ物が とても おいしゅうございました」 121 00:07:29,983 --> 00:07:32,986 「アイリッシュパブへは 行ったことがないのですが➡ 122 00:07:32,986 --> 00:07:34,988 一度 行ってみたいものです」 123 00:07:34,988 --> 00:07:36,990 「英国の文化には とても 興味があります」 124 00:07:36,990 --> 00:07:38,992 「いつか本場で わたしの語学が➡ 125 00:07:38,992 --> 00:07:41,995 どれほど通用するのかを 試してみたく思っています」 126 00:07:41,995 --> 00:07:44,998 「父の仕事の都合で 幼少期はニューヨークで過ごし➡ 127 00:07:44,998 --> 00:07:49,002 マイルス・デイビス マジック・ジョンソン(古いですね)に➡ 128 00:07:49,002 --> 00:07:52,005 憧れて育ち スケートも そこで覚えました」 129 00:07:52,005 --> 00:07:54,007 「そのころの体験を生かして 今は インカレサークルで➡ 130 00:07:54,007 --> 00:07:56,009 英会話を教えています」 131 00:07:56,009 --> 00:07:58,011 「わたしの経験が少しでも➡ 132 00:07:58,011 --> 00:08:01,948 学生の彼らの 役に立てばと思っています」 133 00:08:01,948 --> 00:08:03,950 (景子)「海外生活を なさっていたんですね」➡ 134 00:08:03,950 --> 00:08:05,952 「わたしの憧れです」➡ 135 00:08:05,952 --> 00:08:07,954 「ただ あまり 勉強に根を詰め過ぎると➡ 136 00:08:07,954 --> 00:08:11,958 体に良くありません。 ご無理なさらぬよう」 137 00:08:11,958 --> 00:08:13,960 「ご心配 ありがとうございます。 おっしゃるとおり➡ 138 00:08:13,960 --> 00:08:16,963 できるだけ 運動は するようにしています」 139 00:08:16,963 --> 00:08:19,966 「実は息抜きがてら アクション俳優も たしなんでいます」 140 00:08:19,966 --> 00:08:21,968 「子供っぽいと 笑われるかもしれませんが➡ 141 00:08:21,968 --> 00:08:23,970 ヒーローものの番組です」 142 00:08:23,970 --> 00:08:25,972 「鍛えた体を 生かす機会を得ると同時に➡ 143 00:08:25,972 --> 00:08:27,974 子供たちに 夢を与えることができる➡ 144 00:08:27,974 --> 00:08:30,977 なかなか やりがいのある仕事です」 145 00:08:30,977 --> 00:08:33,980 「正義は勝つと 子供たちに教えたい」 146 00:08:33,980 --> 00:08:37,984 (子供たち)♬「そーれ そーれ モチグマン」➡ 147 00:08:37,984 --> 00:08:41,988 ♬「誰も倒さず 誰も傷つけず」➡ 148 00:08:41,988 --> 00:08:46,993 ♬「いつの間にか もめ事 鎮め」➡ 149 00:08:46,993 --> 00:08:48,995 ♬「だけど 強いし」 150 00:08:48,995 --> 00:08:50,997 あっ! モチグマンを助けろ! 151 00:08:50,997 --> 00:08:54,000 あらら。 どうしたの?➡ 152 00:08:54,000 --> 00:08:57,003 お姉さんを かどわかそうとした 悪者たちね。 153 00:08:57,003 --> 00:08:59,939 さあ! みんなで 改心させよう! 154 00:08:59,939 --> 00:09:03,943 (子供たち)改心しろ! 改心しろ! 改心しろ!➡ 155 00:09:03,943 --> 00:09:06,946 改心しろ! 改心しろ! 改心しろ! 156 00:09:06,946 --> 00:09:09,949 見て! 逃げてくぞ! 157 00:09:09,949 --> 00:09:12,952 よかった よかった! 158 00:09:12,952 --> 00:09:15,955 (子供たち)ありがとう! モチグマン! 159 00:09:15,955 --> 00:09:17,957 (ため息) 160 00:09:19,959 --> 00:09:21,961 ありがとう! 子供たち。 161 00:09:21,961 --> 00:09:23,963 (子供)誰? (子供)きしょ~い。 162 00:09:23,963 --> 00:09:25,965 (子供)変態じゃないの? 163 00:09:25,965 --> 00:09:28,968 (景子)「素晴らしい活動だと 思います」➡ 164 00:09:28,968 --> 00:09:30,970 「実は わたしも 子供を元気づける➡ 165 00:09:30,970 --> 00:09:32,972 ヒーローは 大好きなのです」➡ 166 00:09:32,972 --> 00:09:36,976 「わたしこそ 子供っぽくて お恥ずかしいのですが」 167 00:09:36,976 --> 00:09:38,978 <手紙が届くたび 景子さんの人柄が➡ 168 00:09:38,978 --> 00:09:40,980 垣間 見えてくる。 それは まさしく➡ 169 00:09:40,980 --> 00:09:42,982 わたしの理想というべき 女性像であった> 170 00:09:42,982 --> 00:09:44,984 <いきおい わたしも自分のことを➡ 171 00:09:44,984 --> 00:09:46,986 なるべく良く 思われるように書いた> 172 00:09:46,986 --> 00:09:48,988 <多少 美化したところもあるが これは むしろ➡ 173 00:09:48,988 --> 00:09:50,657 しゃれた演出と いうべきであろう> 174 00:09:50,657 --> 00:09:52,992 何か最近 にやにやしてますね。 175 00:09:52,992 --> 00:09:54,994 何か有意義なことでも? 176 00:09:54,994 --> 00:09:57,997 有意義も有意義だ。 お前に関係ないことだが。 177 00:09:57,997 --> 00:09:59,999 あらら。 あなたらしくもない。 178 00:09:59,999 --> 00:10:02,001 おおかた 見ず知らずの女性と➡ 179 00:10:02,001 --> 00:10:04,003 文通でもしてるんでしょう。 なぜ それを! 180 00:10:04,003 --> 00:10:07,006 図星ですね。 まぁ 根性なしの あなたには➡ 181 00:10:07,006 --> 00:10:10,009 文通という手段は ぴったりかもしれませんが。 182 00:10:10,009 --> 00:10:11,678 わたしは お前が考えているような➡ 183 00:10:11,678 --> 00:10:13,346 ふらちなことはせん! 184 00:10:13,346 --> 00:10:15,014 またまた。 僕には分かっています。 185 00:10:15,014 --> 00:10:17,016 あなたの半分は エロで できている。 186 00:10:17,016 --> 00:10:20,019 今にも会いたくて もんもんとしてるくせに。 187 00:10:20,019 --> 00:10:22,021 お前には分かるまい! 188 00:10:22,021 --> 00:10:24,023 これは プラトニックな関係なんだ! 189 00:10:24,023 --> 00:10:26,025 <とは いったものの わたしは文通以外にも➡ 190 00:10:26,025 --> 00:10:29,028 2人の女性と 親交を深めていた> 191 00:10:29,028 --> 00:10:31,030 (羽貫)もっと気持ちに 身を任せればいいのに。 192 00:10:31,030 --> 00:10:34,033 <羽貫さんの英語は 気持ちに身を 任せ過ぎであったが➡ 193 00:10:34,033 --> 00:10:38,037 きちんと 先生に伝わる 驚異のソウルトーク達人である> 194 00:10:38,037 --> 00:10:41,040 (羽貫)へぇ。 小津君 同回生なんだ。 スモールワールドね。➡ 195 00:10:41,040 --> 00:10:44,043 わたしの歯医者の クランケさんなのよ。 196 00:10:44,043 --> 00:10:47,046 あいつの おせっかいには 散々と迷惑を掛けられました。 197 00:10:47,046 --> 00:10:49,048 でしょうね。 それが 趣味だもん。 198 00:10:49,048 --> 00:10:52,051 そのくせ 自分のことは 秘密にするでしょ。 199 00:10:52,051 --> 00:10:54,053 わたしは あいつの 下宿も知らんのですよ。 200 00:10:54,053 --> 00:10:56,055 何度 聞いても言わん。 201 00:10:56,055 --> 00:10:58,057 あら。 わたしは行ったことあるよ。 202 00:10:58,057 --> 00:11:00,994 本当ですか? うん。 浄土寺のね➡ 203 00:11:00,994 --> 00:11:02,996 白川通から ちょっと 入った所にある➡ 204 00:11:02,996 --> 00:11:04,998 砂糖菓子みたいな マンション。 205 00:11:04,998 --> 00:11:08,001 小津君 ご両親から たんまり もらってるらしいのよ。 206 00:11:08,001 --> 00:11:10,003 どこまでも腹の立つやつ。 207 00:11:10,003 --> 00:11:13,006 <気さくに話す 羽貫さんは 年上で すてきな歯科衛生士> 208 00:11:13,006 --> 00:11:16,009 <教室の後 毎回 カフェで お茶するように なっていた> 209 00:11:19,012 --> 00:11:21,014 <そして ヒーローショーが きっかけとなり➡ 210 00:11:21,014 --> 00:11:23,016 ある女性の 世話をすることに> 211 00:11:23,016 --> 00:11:26,019 (城ヶ崎)紹介しよう。 香織だ。➡ 212 00:11:26,019 --> 00:11:28,021 香織は とても エレガントな女性だ。➡ 213 00:11:28,021 --> 00:11:30,023 丁重に接してほしい。➡ 214 00:11:30,023 --> 00:11:34,027 じゃあ 留守をよろしく頼む。 変な気 起こすなよ! 215 00:11:34,027 --> 00:11:36,029 <依頼主の 城ヶ崎氏に言わせると➡ 216 00:11:36,029 --> 00:11:38,031 わたしは 筋金入りの 安全パイだということだった> 217 00:11:38,031 --> 00:11:40,033 <彼女の髪は 奇麗に なでつけられ➡ 218 00:11:40,033 --> 00:11:42,035 きちんと 上品な服を着ていた> 219 00:11:42,035 --> 00:11:44,037 <とても人形とは思えない。 この美しさに➡ 220 00:11:44,037 --> 00:11:47,040 城ヶ崎氏が 夢中になるのも 分からぬではなかった> 221 00:11:50,043 --> 00:11:53,046 小津君 お酒 飲まないよね。 羽貫さんは? 222 00:11:53,046 --> 00:11:56,049 迷惑 掛けちゃうから 親しい人としか飲まないの。 223 00:11:56,049 --> 00:11:59,052 介抱など わたしが いくらでもして差し上げますよ。 224 00:11:59,052 --> 00:12:00,987 大変よ。 225 00:12:00,987 --> 00:12:02,989 《親しい人か…》 226 00:12:02,989 --> 00:12:04,991 《わたしは まだ そのカテゴリーに入っていない》 227 00:12:04,991 --> 00:12:06,993 《いや! いつの日か 羽貫さんと➡ 228 00:12:06,993 --> 00:12:10,997 山崎蒸留所のウイスキーを たるごと飲み干すのだ!》 229 00:12:10,997 --> 00:12:13,100 ⚟(ノック) あっ? 230 00:12:13,100 --> 00:12:16,002 (城ヶ崎)臭いな お前んち。 231 00:12:16,002 --> 00:12:19,005 <古くから続く 自虐的代理代理戦争の戦いで➡ 232 00:12:19,005 --> 00:12:22,008 敵が 城ヶ崎氏の下宿に 無断で忍び込み 隠しカメラで➡ 233 00:12:22,008 --> 00:12:24,010 城ヶ崎氏が 香織さんを めでているシーンを撮って➡ 234 00:12:24,010 --> 00:12:26,012 暴露上映したという> 235 00:12:26,012 --> 00:12:29,015 お前の玉では そんなこと できんだろうが➡ 236 00:12:29,015 --> 00:12:31,017 俺の下宿は どうにも物騒だ。 237 00:12:31,017 --> 00:12:34,020 香織を ここで しばらく預かっといてくれ。 238 00:12:34,020 --> 00:12:39,025 香織 ごめんね。 薄汚い所だけど しばらくの辛抱だから。 239 00:12:39,025 --> 00:12:43,029 <突然の同棲生活が始まった> 240 00:12:43,029 --> 00:12:45,031 <恋愛すごろくが そうした展開を見せる一方で➡ 241 00:12:45,031 --> 00:12:48,034 景子さんとの手紙の やり取りも 順調に続いていた> 242 00:12:48,034 --> 00:12:50,036 <文通には 2つの鉄則がある> 243 00:12:50,036 --> 00:12:53,039 <一つは 必ず 手書きの手紙であるということ> 244 00:12:53,039 --> 00:12:55,041 <そして もう一つは どんなことがあっても➡ 245 00:12:55,041 --> 00:12:57,043 たとえ 地獄の釜が開こうとも 世界の終わりが来ようとも➡ 246 00:12:57,043 --> 00:12:59,045 相手に会ってはいけない ということである> 247 00:12:59,045 --> 00:13:00,980 <とはいえ 相手のことが 気になってしまうのも➡ 248 00:13:00,980 --> 00:13:03,983 また 人情である。 彼女は どんな女性であろう?> 249 00:13:03,983 --> 00:13:05,985 <どんな服を着て どんな家に住み どんなふうに歩き➡ 250 00:13:05,985 --> 00:13:07,987 どんな姿を しているのであろう?> 251 00:13:07,987 --> 00:13:09,989 <もっと知りたい> 252 00:13:11,991 --> 00:13:13,660 <わたしは 一度だけ➡ 253 00:13:13,660 --> 00:13:15,995 彼女の住所に 足を向けたことがある> 254 00:13:15,995 --> 00:13:17,997 <魔が差したのだ…> 255 00:13:24,003 --> 00:13:29,008 (明石)何をしているのですか!? あっ! ああ… すみません。 256 00:13:29,008 --> 00:13:31,010 《明石さんではないか!》 257 00:13:31,010 --> 00:13:33,012 《わたしと 気付かなかったであろうか》 258 00:13:33,012 --> 00:13:35,014 <明石さんは わたしの1つ下の学年であり➡ 259 00:13:35,014 --> 00:13:37,016 小津と同じ 工学部である> 260 00:13:37,016 --> 00:13:39,018 <なぜ 下鴨幽水荘の2階に居す➡ 261 00:13:39,018 --> 00:13:41,020 師匠と呼ばれる 人物の元へ出入りし➡ 262 00:13:41,020 --> 00:13:43,022 小津のような男と つるむ羽目になったのか➡ 263 00:13:43,022 --> 00:13:45,024 問い詰めてみたいと思っていた> 264 00:13:45,024 --> 00:13:47,026 <そんなこんなで このまま 景子さんとは➡ 265 00:13:47,026 --> 00:13:50,029 プラトニックな関係が 続くのかと思われたが…> 266 00:13:50,029 --> 00:13:53,032 (景子)「前略 すっかり 春めいてまいりましたね」➡ 267 00:13:53,032 --> 00:13:56,035 「わたしたちが こうして 手紙の やり取りを始めてから➡ 268 00:13:56,035 --> 00:13:58,037 もう 2年になります」➡ 269 00:13:58,037 --> 00:14:00,973 「つきましては あなたに お伝えしたいことがあります」➡ 270 00:14:00,973 --> 00:14:03,976 「よければ 一度 お目に かかれませんでしょうか?」 271 00:14:03,976 --> 00:14:05,978 ヒャッホー! 272 00:14:05,978 --> 00:14:07,980 <彼女を 本気にさせてしまったのは➡ 273 00:14:07,980 --> 00:14:09,982 わたしの 文才の たまものであろう> 274 00:14:09,982 --> 00:14:11,984 <ことごとく 罪な男である> 275 00:14:11,984 --> 00:14:13,986 <しかし 彼女には会えない> 276 00:14:13,986 --> 00:14:16,989 <この2年間で 手紙の中の わたしは 独り歩きし➡ 277 00:14:16,989 --> 00:14:18,991 現実の わたしを 大きく引き離していた> 278 00:14:18,991 --> 00:14:21,994 <いつか 景子さんと会う暁には 手紙に沿うように➡ 279 00:14:21,994 --> 00:14:23,996 自らを高めている 予定だったのだが➡ 280 00:14:23,996 --> 00:14:26,999 いつしか すっかり 絵空事になってしまっていた> 281 00:14:26,999 --> 00:14:30,002 (ジョニー)いけるぜ~! 282 00:14:33,005 --> 00:14:35,007 《景子さんを 幻滅させることはできない》 283 00:14:35,007 --> 00:14:38,010 《わたしは 嘘をつき過ぎた。 合わす顔がない…》 284 00:14:38,010 --> 00:14:41,013 《しかし 彼女は勇気を出して 「会いたい」と書いてくれたのだ》 285 00:14:41,013 --> 00:14:43,015 《男の わたしが ぐずぐずしていて どうする》 286 00:14:43,015 --> 00:14:46,018 《今からでも遅くない。 わたしは 手紙の中のわたしに なるのだ!》 287 00:14:46,018 --> 00:14:48,020 そうだ やってみせる! 288 00:14:48,020 --> 00:14:51,023 そして 彼女にふさわしい男に なるのだ! 289 00:14:53,025 --> 00:14:54,694 <しかし ハードルは あまりにも高過ぎた> 290 00:14:54,694 --> 00:14:56,362 <何故 わたしは あのようなことを➡ 291 00:14:56,362 --> 00:14:58,030 書いたのだろうか> 292 00:14:58,030 --> 00:15:00,967 <景子さんからは 日々 催促の手紙が届いたが➡ 293 00:15:00,967 --> 00:15:02,969 はぐらかし続けるしかなかった> 294 00:15:02,969 --> 00:15:04,971 どう? 今日 飲みに行かない? 295 00:15:04,971 --> 00:15:07,974 《とうとう 羽貫さんから 飲みに誘われた》 296 00:15:07,974 --> 00:15:10,977 《親しい間柄という お墨付きを もらったということだ》 297 00:15:10,977 --> 00:15:12,979 《しかし!》 298 00:15:12,979 --> 00:15:14,981 今日は ちょっと リポートがあるので…。 299 00:15:14,981 --> 00:15:16,983 そっか…。 300 00:15:16,983 --> 00:15:19,986 うん。 リポート頑張ってね。 301 00:15:19,986 --> 00:15:31,998 ♬~ 302 00:15:31,998 --> 00:15:33,100 <この待ち合わせが 今夜なのだ> 303 00:15:33,100 --> 00:15:37,003 <そして さらに 今日は 香織さんの最後の日でもある> 304 00:15:37,003 --> 00:15:40,006 <先日 城ヶ崎氏が 香織さんを 引き取りに来ると言った> 305 00:15:40,006 --> 00:15:42,008 <わたしたちは 引きはがされてしまうのだ> 306 00:15:42,008 --> 00:15:46,012 わたしのことを 忘れてしまうかな…。 307 00:15:46,012 --> 00:15:48,014 <3人の女性から 同時に決断を迫られている> 308 00:15:48,014 --> 00:15:51,017 <これまでの2年間 考えてみれば 何と 甘い生活だったのか> 309 00:15:51,017 --> 00:15:52,685 <ここへ来て とうとう➡ 310 00:15:52,685 --> 00:15:55,021 全てがクライマックスを 迎えようとしている> 311 00:15:55,021 --> 00:15:58,024 <羽貫さんと飲みに行くか。 香織さんを連れて逃げるか> 312 00:15:58,024 --> 00:15:59,959 <景子さんに会って 全てを さらけ出すか> 313 00:15:59,959 --> 00:16:01,961 <八面六臂の達人でなければ➡ 314 00:16:01,961 --> 00:16:04,964 誰か一人に 絞らなければならない> 315 00:16:04,964 --> 00:16:09,969 《きもくても こうして 毎日 誘ってくれる男が いいのかな》 316 00:16:09,969 --> 00:16:11,971 <あれでは エロ歯科医の毒牙に 落ちてしまいかねない➡ 317 00:16:11,971 --> 00:16:13,973 気配であった> 318 00:16:13,973 --> 00:16:15,975 羽貫さんは 心のよりどころが 欲しかったに違いない! 319 00:16:15,975 --> 00:16:17,977 あれでは あのエロ歯科医の 誘いにも没落しかねない! 320 00:16:17,977 --> 00:16:19,979 これは 緊急事態である。 危機的状況を➡ 321 00:16:19,979 --> 00:16:22,982 みすみす放ってはおけない。 取りあえず お婆に相談だ! 322 00:16:22,982 --> 00:16:24,984 (老婆)はい 6,000円。 323 00:16:33,993 --> 00:16:36,996 覚悟を決めた。 本当の自分を見てもらうのだ! 324 00:16:36,996 --> 00:16:39,999 ハァ ハァ…。 325 00:16:39,999 --> 00:16:42,001 ⚟(老婆)誰か お捜しですかね? 326 00:16:42,001 --> 00:16:45,004 お婆! あんた さっきも! 好機は もう すでに➡ 327 00:16:45,004 --> 00:16:47,006 あなたの目の前に ぶら下がってございます。 328 00:16:49,008 --> 00:16:51,344 (ジョニー)家だ 家しかないぜ。 奇襲しろ~! 329 00:16:51,344 --> 00:16:55,014 バカな! 文通相手の 自宅を訪ねるなど 言語道断。 330 00:16:55,014 --> 00:16:58,017 最悪のルール違反ではないか。 断じて できない! 331 00:17:00,953 --> 00:17:02,955 いっけ~! ヒャッホー! 332 00:17:02,955 --> 00:17:05,958 《ルールとは 破るものだ》 333 00:17:05,958 --> 00:17:08,628 《あの 306号室に 景子さんが住んでいる》 334 00:17:08,628 --> 00:17:10,296 《わたしは ありのままの わたしで➡ 335 00:17:10,296 --> 00:17:12,965 景子さんに ぶつかってみせる!》 336 00:17:12,965 --> 00:17:14,967 あっ…。 337 00:17:14,967 --> 00:17:16,969 <そのとき わたしが見た景子さんは➡ 338 00:17:16,969 --> 00:17:18,971 とても不気味な顔をしていた> 339 00:17:18,971 --> 00:17:20,973 <不摂生をしているらしく 月の裏側から来た➡ 340 00:17:20,973 --> 00:17:22,975 人間のような顔をしている> 341 00:17:22,975 --> 00:17:24,977 <他人の不幸を請い願うような 不吉な笑みを浮かべていて➡ 342 00:17:24,977 --> 00:17:26,979 妖怪ぬらりひょんと いうべきだろう> 343 00:17:26,979 --> 00:17:28,981 <まるで もう 小津である> 344 00:17:28,981 --> 00:17:30,983 <小津と うり二つである。 むしろ 小津そのものである> 345 00:17:30,983 --> 00:17:32,985 <小津 本人である!> 346 00:17:32,985 --> 00:17:35,988 <わたしの頭の中に導き出された 結論を のみ込むには➡ 347 00:17:35,988 --> 00:17:37,990 多大な精神の力を必要とした> 348 00:17:37,990 --> 00:17:39,992 <想像を絶する苦さに 耐えるために➡ 349 00:17:39,992 --> 00:17:41,994 わたしは 升 1杯の角砂糖を欲した> 350 00:17:41,994 --> 00:17:43,996 <樋口 景子さんは存在しない> 351 00:17:43,996 --> 00:17:45,998 <わたしは 2年もの間 小津と文通していたのだ> 352 00:17:45,998 --> 00:17:49,001 <これ以上 残酷な 締めくくりはあるまい> 353 00:17:49,001 --> 00:17:52,004 ああ…。 ⚟(明石)先輩 先輩ですね? 354 00:17:52,004 --> 00:17:55,007 明石さん…。 だましていて ごめんなさい! 355 00:17:57,009 --> 00:17:59,946 申し訳ないですが わたしも 文通に加担していました。 356 00:17:59,946 --> 00:18:03,950 小津先輩に頼まれて 代筆していたんです。 357 00:18:03,950 --> 00:18:07,954 心苦しく思っていたものの なかなか 言いだせなくて…。 358 00:18:07,954 --> 00:18:11,958 何と 明石さんであったか。 そうなんです。 すみません。 359 00:18:11,958 --> 00:18:13,960 しかし 悪いのは 全て小津だろ? 360 00:18:13,960 --> 00:18:17,964 いいえ。 小津先輩は 途中で飽きてしまわれて➡ 361 00:18:17,964 --> 00:18:19,966 たまに いたずらを 企画されるだけで…。 362 00:18:19,966 --> 00:18:21,968 フェードアウトするのも 忍びなく思い➡ 363 00:18:21,968 --> 00:18:25,972 わたしが 景子さんを引き継いで 手紙を書いていたのです。 364 00:18:25,972 --> 00:18:27,640 そうであったか。 365 00:18:27,640 --> 00:18:29,976 景子さんのキャラクターを つかむのには苦労しました。 366 00:18:29,976 --> 00:18:32,979 何せ 小津先輩は 先輩の好みを熟知されてて➡ 367 00:18:32,979 --> 00:18:34,981 それに合わせて 設定を考えられてましたから。 368 00:18:34,981 --> 00:18:36,983 <確かに わたしにとって 景子さんは➡ 369 00:18:36,983 --> 00:18:38,985 はまり過ぎるほど 理想の女性であった> 370 00:18:38,985 --> 00:18:40,987 <まさか 小津が作り出した ものだったとは> 371 00:18:40,987 --> 00:18:42,989 待ち合わせに来られなかったので もしかすると➡ 372 00:18:42,989 --> 00:18:46,993 ここへ訪ねてくるかもしれない と思って 張っていました。 373 00:18:46,993 --> 00:18:48,661 ああ…。 374 00:18:48,661 --> 00:18:50,997 わたし 先輩に 助けられたことがあるんです。 375 00:18:50,997 --> 00:18:53,100 「もちぐまんショー」のこと 覚えてますか? 376 00:18:53,100 --> 00:18:56,002 あれは 君だったのか…。 377 00:18:56,002 --> 00:18:59,005 わたしは まだ高校生でした。 378 00:18:59,005 --> 00:19:02,942 あのとき 先輩は とてもカッコ良かったです。 379 00:19:02,942 --> 00:19:06,946 あれは 着ぐるみを着ていたから できたのであって…。 380 00:19:06,946 --> 00:19:08,948 ホントの わたしは…。 381 00:19:08,948 --> 00:19:10,950 文通は それなりに楽しかったのです。 382 00:19:10,950 --> 00:19:13,953 確かに 先輩は ちょっと見えっ張りでしたが➡ 383 00:19:13,953 --> 00:19:16,956 わたしも嘘をついていたので そこは おあいこですね。 384 00:19:16,956 --> 00:19:18,958 あっ? 385 00:19:20,960 --> 00:19:23,963 これは 5人組なのですが 1匹なくしてしまって。 386 00:19:23,963 --> 00:19:26,298 モチグマンは 本当に好きなのです。 387 00:19:26,298 --> 00:19:28,000 お恥ずかしいですが。 388 00:19:29,969 --> 00:19:33,973 《好機は いつでも目の前に ぶら下がってございます》 389 00:19:47,987 --> 00:19:49,989 (ジョニー)何で 真っすぐ 帰ってきちゃったんだ!?➡ 390 00:19:49,989 --> 00:19:51,991 いい感じだったじゃねえか!➡ 391 00:19:51,991 --> 00:19:54,994 あのまま デートに誘っちまえば よかったのに! 392 00:19:56,996 --> 00:19:58,998 勘違いするな。 明石さんは あくまでも➡ 393 00:19:58,998 --> 00:20:02,001 モチグマンが好きなだけだ。 わたしではない。 394 00:20:02,001 --> 00:20:06,005 ちぇ~! ちぎれて飛んでいきてえよ~! 395 00:20:21,020 --> 00:20:23,022 <小津め! 考えてみれば➡ 396 00:20:23,022 --> 00:20:25,024 景子さんといい 羽貫さん 香織さんといい➡ 397 00:20:25,024 --> 00:20:27,026 ひょっとして わたしは 小津の手のひらの上で➡ 398 00:20:27,026 --> 00:20:28,694 踊らされている だけではないのか!?> 399 00:20:28,694 --> 00:20:30,362 <あの 腐れ妖怪め!> 400 00:20:30,362 --> 00:20:32,031 <他人の不幸をおかずに 飯が3杯 食えるという男だ> 401 00:20:32,031 --> 00:20:35,034 <思えば この2年 やつは散々 わたしを おかずとして➡ 402 00:20:35,034 --> 00:20:37,036 うまい飯を むさぼり食ってきたに 違いない!> 403 00:20:37,036 --> 00:20:39,038 <万死に値する男だ! コーヒーひきにかけて➡ 404 00:20:39,038 --> 00:20:40,706 粉々にしてやる!> 405 00:20:40,706 --> 00:20:43,042 <1人で丸ごとのカステラを 黙々と食べるという行為が➡ 406 00:20:43,042 --> 00:20:46,045 かえって わたしの孤独地獄を深め わたしは カステラを➡ 407 00:20:46,045 --> 00:20:49,048 もぐもぐやりながら 悪鬼の形相となった> 408 00:20:52,051 --> 00:20:54,720 <そうだ 勘違いするな。 わたしが ほれたのは➡ 409 00:20:54,720 --> 00:20:57,056 あくまで 小津の作り上げた 景子さんなのだ> 410 00:20:57,056 --> 00:20:59,725 <断じて明石さんではない。 論点を すり替えてはならぬ> 411 00:20:59,725 --> 00:21:02,661 <人恋しさに任せて 刹那的に 相手を欲しがるなど言語道断> 412 00:21:02,661 --> 00:21:04,330 <結局 わたしは 小津と➡ 413 00:21:04,330 --> 00:21:06,332 どこまでも落ちていく 運命なのだ> 414 00:21:06,332 --> 00:21:09,001 <そう思うと なぜか不思議と ほっとしてしまう わたしがいた> 415 00:21:09,001 --> 00:21:13,005 <恋の表彰台は似合わない。 わたしは これでいい…> 416 00:21:13,005 --> 00:21:15,007 わけがない! いかなる手を使っても➡ 417 00:21:15,007 --> 00:21:17,009 表彰台に登りたい! 418 00:21:26,018 --> 00:21:36,028 ♬~