1 00:03:29,469 --> 00:03:32,305 荊州を席巻した丞相 曹操は 2 00:03:32,305 --> 00:03:36,142 最後の大国 呉を下そうと画策していた 3 00:03:36,142 --> 00:03:40,079 曹操の追撃から逃れ 窮地を脱した劉備玄徳は 4 00:03:40,079 --> 00:03:43,750 孔明を呉の孫権のもとに派遣した 5 00:03:43,750 --> 00:03:45,685 玄徳軍の起死回生には 6 00:03:45,685 --> 00:03:50,623 曹操と呉の孫権の対決こそ 不可欠であったのである 7 00:03:50,623 --> 00:03:54,027 孔明は呉の降伏派を舌戦で退け 8 00:03:54,027 --> 00:03:57,327 ついに孫権説得へとこぎつけた 9 00:04:13,880 --> 00:04:16,316 孔明殿 お願いがございます 10 00:04:16,316 --> 00:04:19,152 殿のお気持ちは 降伏に傾いております 11 00:04:19,152 --> 00:04:23,523 殿にお会いになっても 曹操軍100万 大将1000などとは 12 00:04:23,523 --> 00:04:26,192 くれぐれも おっしゃらないでいただきたい 13 00:04:26,192 --> 00:04:28,795 心配ご無用 お任せください 14 00:04:28,795 --> 00:04:30,795 ああ 15 00:04:35,101 --> 00:04:38,401 諸葛亮孔明殿を お連れいたしました 16 00:04:40,606 --> 00:04:43,706 よう参られた 孔明軍師殿 17 00:04:46,279 --> 00:04:49,182 貴公のことは 魯粛から聞いておったが 18 00:04:49,182 --> 00:04:53,553 こうして会えたのは 誠にうれしい さあ 19 00:04:53,553 --> 00:04:55,553 恐れ入ります 20 00:04:58,191 --> 00:05:02,061 先頃 玄徳殿は新野の城において 21 00:05:02,061 --> 00:05:05,298 曹操と大合戦をやられたそうだが 22 00:05:05,298 --> 00:05:10,770 孔明軍師殿は 敵方をよく観察されたであろう 23 00:05:10,770 --> 00:05:13,072 玄徳軍は少数 24 00:05:13,072 --> 00:05:16,876 新野の小城では 兵糧も乏しゅうございます 25 00:05:16,876 --> 00:05:19,545 大合戦などとは とても 26 00:05:19,545 --> 00:05:24,484 ふむ この孫権 自尊心が強いと見た 27 00:05:24,484 --> 00:05:29,622 並の論法では説き伏せられぬ 少し怒らせるのが得策 28 00:05:29,622 --> 00:05:33,192 それで曹操の軍勢は どれほどかな? 29 00:05:33,192 --> 00:05:36,095 兵馬と水軍 合わせて100万あまり 30 00:05:36,095 --> 00:05:38,664 あの… それは 31 00:05:38,664 --> 00:05:42,268 敵方が大げさに 言いふらしておる数であろう 32 00:05:42,268 --> 00:05:45,638 いいえ 曹操の本隊60万 33 00:05:45,638 --> 00:05:49,242 それに投降した袁紹の兵60万 34 00:05:49,242 --> 00:05:51,277 荊州の兵30万 35 00:05:51,277 --> 00:05:54,080 総計150万は下りますまい 36 00:05:54,080 --> 00:05:56,382 恐ろしい数だな 37 00:05:56,382 --> 00:06:00,319 では曹操配下の 大将は どれほどかな? 38 00:06:00,319 --> 00:06:05,057 歴戦の大将 2000をはるかに超えるでしょう 39 00:06:05,057 --> 00:06:09,562 2000もか 曹操は荊州を平らげたが 40 00:06:09,562 --> 00:06:12,498 更に野心を持っておると 思われるか? 41 00:06:12,498 --> 00:06:14,934 今 国境に兵を連ね 42 00:06:14,934 --> 00:06:17,837 長江に軍船を浮かべて うかがうのは 43 00:06:17,837 --> 00:06:20,740 疑いもなく この呉を狙っているからです 44 00:06:20,740 --> 00:06:26,345 では聞こう 呉としては 戦うがよいか 降伏したがよいか 45 00:06:26,345 --> 00:06:29,182 おお 46 00:06:29,182 --> 00:06:32,852 その前に ひと言 お聞き願いたいことがあります 47 00:06:32,852 --> 00:06:34,787 申してみよ 48 00:06:34,787 --> 00:06:40,593 もし孫権殿が玄徳軍と同盟して 曹操軍と戦うおつもりなら 49 00:06:40,593 --> 00:06:42,528 ただちに反撃すべきです 50 00:06:42,528 --> 00:06:44,864 さもなくば文官たちの意見に従い 51 00:06:44,864 --> 00:06:49,068 曹操にひざまずいて 降伏する方がよろしいでしょう 52 00:06:49,068 --> 00:06:52,939 事態は迫っております 猶予はなりませぬ 53 00:06:52,939 --> 00:06:54,941 言われるとおりだが 54 00:06:54,941 --> 00:06:58,110 では なぜ玄徳殿は降伏せんのか 55 00:06:58,110 --> 00:07:02,348 我が主人 玄徳は 漢帝国の血筋を受けるお方 56 00:07:02,348 --> 00:07:05,618 人々は その人徳を慕って 集まっております 57 00:07:05,618 --> 00:07:08,521 ひと時 敗れようとも 逆賊 曹操ごときに 58 00:07:08,521 --> 00:07:12,959 ひざまずいて降伏など できようはずがありません 59 00:07:12,959 --> 00:07:16,759 何?私には降伏を勧めておいて 60 00:07:19,599 --> 00:07:23,803 孔明殿 何と無礼なことを ハハハ… 61 00:07:23,803 --> 00:07:26,305 何がおかしゅうござる? 62 00:07:26,305 --> 00:07:29,809 孫権殿の 度量の狭さがおかしかったのです 63 00:07:29,809 --> 00:07:32,178 いや 敵の数ばかりを気にされて 64 00:07:32,178 --> 00:07:35,681 勝つことを考えぬのが おかしかったのです 65 00:07:35,681 --> 00:07:38,017 では 勝てる策があると? 66 00:07:38,017 --> 00:07:40,286 ある 敵の100万など 67 00:07:40,286 --> 00:07:43,990 アリの群れに過ぎぬ ひとひねりでござる 68 00:07:43,990 --> 00:07:45,958 ほう 孔明殿 69 00:07:45,958 --> 00:07:48,828 いま一度 殿を説得してまいります 70 00:07:48,828 --> 00:07:50,828 しばらくお待ちを 71 00:08:02,174 --> 00:08:05,444 さあ 一献を干されよ 72 00:08:05,444 --> 00:08:07,914 ありがとうございます 73 00:08:07,914 --> 00:08:10,316 孔明殿はさすがに軍師 74 00:08:10,316 --> 00:08:14,186 私を怒らせて 腹を探るつもりであったな? 75 00:08:14,186 --> 00:08:17,056 恐れ入ります ところで 76 00:08:17,056 --> 00:08:21,928 曹操が目の敵と狙っておるのは 私と玄徳殿となった 77 00:08:21,928 --> 00:08:24,764 玄徳殿は一度 敗れておるが 78 00:08:24,764 --> 00:08:28,768 私と共に 戦うことができるであろうか 79 00:08:28,768 --> 00:08:32,838 夏口に関羽将軍の水軍1万 80 00:08:32,838 --> 00:08:36,509 江夏の劉キ殿の兵馬1万 81 00:08:36,509 --> 00:08:39,345 それに呉の兵力が10万 82 00:08:39,345 --> 00:08:41,647 曹操軍は100万 83 00:08:41,647 --> 00:08:44,447 戦いは数で決するものでは ありません 84 00:08:47,119 --> 00:08:51,724 曹操軍は遠路からの出陣で 疲れ切っております 85 00:08:51,724 --> 00:08:55,595 いかに強い弓でも 遠くなれば力を失い 86 00:08:55,595 --> 00:08:59,465 薄い絹さえ 刺し通すことは無理です 87 00:08:59,465 --> 00:09:01,701 うむ まして 88 00:09:01,701 --> 00:09:05,104 曹操の本隊は 水上の戦いに慣れておらず 89 00:09:05,104 --> 00:09:08,374 荊州の降伏した兵は うわべで従っているだけ 90 00:09:08,374 --> 00:09:10,376 士気がまったくありません 91 00:09:10,376 --> 00:09:12,578 そう言われれば確かに 92 00:09:12,578 --> 00:09:16,983 今 玄徳軍と呉の兵軍が 結束してあたれば 93 00:09:16,983 --> 00:09:20,720 曹操軍を打ち破ることは 火を見るより明らかです 94 00:09:20,720 --> 00:09:23,322 うむ 申されるとおりだ 95 00:09:23,322 --> 00:09:28,928 我が軍の周囲を固め 共に曹操軍を討ち滅ぼそう 96 00:09:28,928 --> 00:09:32,798 孔明軍師殿 今後とも力を貸してほしい 97 00:09:32,798 --> 00:09:36,535 命にかえて お尽くしいたします 98 00:09:36,535 --> 00:09:38,535 うむ 99 00:09:42,708 --> 00:09:45,611 孫権 いまだ決断つかず 100 00:09:45,611 --> 00:09:47,911 もう ひと押しせねばならぬか 101 00:09:49,982 --> 00:09:52,985 孔明の舌先に だまされてはなりませぬ 102 00:09:52,985 --> 00:09:55,488 落ち目の玄徳をかばうため 103 00:09:55,488 --> 00:09:59,692 我らを利用しようと しているのです 104 00:09:59,692 --> 00:10:02,662 今 兵馬を出すのは たきぎを背負わせて 105 00:10:02,662 --> 00:10:05,031 火の中へ投げ込むようなものです 106 00:10:05,031 --> 00:10:09,402 殿 我らの言葉を お取り上げください 107 00:10:09,402 --> 00:10:11,402 お願いいたします 108 00:10:21,013 --> 00:10:25,251 父上 兄上 私は どうしたらよいのか 109 00:10:25,251 --> 00:10:27,653 ただ迷うばかりです 110 00:10:27,653 --> 00:10:29,653 孫権殿 111 00:10:33,526 --> 00:10:35,528 義姉上 112 00:10:35,528 --> 00:10:38,898 まだお休みに なられなかったのですか 113 00:10:38,898 --> 00:10:41,400 あなたのことが気になりまして 114 00:10:41,400 --> 00:10:44,236 亡き夫… いえ あなたの兄上 115 00:10:44,236 --> 00:10:47,139 孫策の遺言を お忘れではありますまい 116 00:10:47,139 --> 00:10:50,042 え?兄上の? 117 00:10:50,042 --> 00:10:55,414 ええ あなたが迷われた時のことを 考えて おっしゃられたのです 118 00:10:55,414 --> 00:10:58,250 国内のことは張昭に聞け 119 00:10:58,250 --> 00:11:02,455 国外の大事は 周瑜と相談するようにと 120 00:11:02,455 --> 00:11:04,455 周瑜… 121 00:11:07,426 --> 00:11:09,562 周瑜… そうだ 122 00:11:09,562 --> 00:11:13,132 周瑜なら きっと力になってくれる 123 00:11:13,132 --> 00:11:16,102 呉の水軍大都督 周瑜公瑾は 124 00:11:16,102 --> 00:11:20,873 ハ陽湖での水軍訓練より 急きょ 柴桑城へ帰還した 125 00:11:20,873 --> 00:11:24,777 周瑜は孫権の兄 孫策とは 義兄弟の仲であり 126 00:11:24,777 --> 00:11:29,582 妻 小喬は 孫策の妻 大喬の妹であった 127 00:11:29,582 --> 00:11:32,485 24歳で中郎将となった英才で 128 00:11:32,485 --> 00:11:37,890 その美ぼうから 「美周郎」と呼ばれていた 129 00:11:37,890 --> 00:11:40,693 周瑜の帰還を知った和戦両派は 130 00:11:40,693 --> 00:11:43,295 入れかわり 立ちかわり屋敷を訪ね 131 00:11:43,295 --> 00:11:46,198 周瑜にそれぞれの立場を主張した 132 00:11:46,198 --> 00:11:50,069 だが 周瑜は結論を述べずに 体よく帰した 133 00:11:50,069 --> 00:11:55,975 次いで 孔明の兄 諸葛瑾が訪問していた 134 00:11:55,975 --> 00:11:59,675 粗茶です どうぞ お手数かけます 135 00:12:01,680 --> 00:12:06,852 花の二喬 おうわさどおりの お美しい奥方ですな 136 00:12:06,852 --> 00:12:11,190 ところで この問題は 弟の孔明が使者として来ており 137 00:12:11,190 --> 00:12:14,093 私からは 申し上げがたいことなのです 138 00:12:14,093 --> 00:12:16,662 周瑜殿に任せるしかありません 139 00:12:16,662 --> 00:12:20,499 いや ぜひ貴公のご意見を お聞きしたい 140 00:12:20,499 --> 00:12:24,370 領民の安泰を考え 降伏するのがよいかと 141 00:12:24,370 --> 00:12:28,641 それで周瑜殿には… 私にも考えがあります 142 00:12:28,641 --> 00:12:31,041 殿の前で お話しいたそう 143 00:12:34,446 --> 00:12:37,349 孔明から 何の連絡もないのが気になる 144 00:12:37,349 --> 00:12:39,952 孫権に買収されたんじゃ ないでしょうね? 145 00:12:39,952 --> 00:12:42,922 張飛 孔明は そのような男ではない 146 00:12:42,922 --> 00:12:46,292 向こうには兄貴の 諸葛瑾殿がいるからな 147 00:12:46,292 --> 00:12:50,029 兄弟の情にほだされて ついフラフラってこともね 148 00:12:50,029 --> 00:12:52,898 おっ 兄貴 久しぶり 149 00:12:52,898 --> 00:12:56,769 お前も元気そうで 結構だな 張飛 150 00:12:56,769 --> 00:12:58,704 ご無沙汰しておりました 151 00:12:58,704 --> 00:13:01,073 関羽 よく来た 152 00:13:01,073 --> 00:13:03,542 兄貴 水軍の様子はどうだ? 153 00:13:03,542 --> 00:13:05,911 今のうちに うんとしごいておけよ 154 00:13:05,911 --> 00:13:09,648 殿 その水軍の間者からの報告です 155 00:13:09,648 --> 00:13:11,584 うむ 156 00:13:11,584 --> 00:13:14,486 ハ陽湖で呉の水軍訓練の 指揮を執っていた 157 00:13:14,486 --> 00:13:17,156 水軍大都督 周瑜が 158 00:13:17,156 --> 00:13:23,062 緊急の用件で呼び戻され 柴桑城へ帰還したそうです 159 00:13:23,062 --> 00:13:25,297 周瑜が帰還 160 00:13:25,297 --> 00:13:29,168 殿 呉が動きましたぞ 161 00:13:29,168 --> 00:13:31,168 うむ 162 00:13:34,607 --> 00:13:37,507 孔明 頼むぞ 163 00:13:45,584 --> 00:13:48,420 申し上げます 孔明が 164 00:13:48,420 --> 00:13:51,423 呉へひそかに渡っているとの 知らせがありました 165 00:13:51,423 --> 00:13:53,626 何?孔明が? 166 00:13:53,626 --> 00:13:58,564 はい 恐らく孫堅をたきつけ 我らと戦わせる腹でしょう 167 00:13:58,564 --> 00:14:02,768 うむ 徐庶を呼べ はっ 168 00:14:02,768 --> 00:14:06,739 孔明め 先を越して余計なことを 169 00:14:06,739 --> 00:14:08,941 お呼びとのことで 170 00:14:08,941 --> 00:14:11,844 うむ 孔明が呉へ行ったというが 171 00:14:11,844 --> 00:14:14,747 その真意を どう解釈するか 172 00:14:14,747 --> 00:14:18,751 孫権との同盟を図るのは 明らかです 173 00:14:18,751 --> 00:14:20,986 やはり そう見るか 174 00:14:20,986 --> 00:14:23,889 わしは敗残の玄徳など恐れはせぬ 175 00:14:23,889 --> 00:14:27,226 よし 一気に双方とも たたいてやる 176 00:14:27,226 --> 00:14:30,996 しかし それは 孫権が同意してのことです 177 00:14:30,996 --> 00:14:32,932 何? 178 00:14:32,932 --> 00:14:37,403 孫権はここまで包囲されて 勝ち目があると考えるでしょうか 179 00:14:37,403 --> 00:14:42,007 うむ では孫堅は 同盟を断るというか 180 00:14:42,007 --> 00:14:46,178 恐らく いましばらく 様子を見られては? 181 00:14:46,178 --> 00:14:51,750 いや 時が経てば孔明の策を 助けるのみ 丞相 攻撃を 182 00:14:51,750 --> 00:14:55,621 今の呉など丞相のひと声で 簡単に壊滅できます 183 00:14:55,621 --> 00:15:00,059 孫権が降伏の使者を出すまで 待てれるがよろしいでしょう 184 00:15:00,059 --> 00:15:04,563 うむ 戦わずに勝てるなら それに越したことはない 185 00:15:04,563 --> 00:15:06,563 よし 待とう 186 00:15:12,104 --> 00:15:16,642 周瑜殿 殿は城内の 和戦両論に迷われ 187 00:15:16,642 --> 00:15:19,378 貴公の決断を待っておるのだが 188 00:15:19,378 --> 00:15:22,047 そのことなら既に決している 189 00:15:22,047 --> 00:15:25,384 曹操に刃向えば逆賊だ 190 00:15:25,384 --> 00:15:27,386 では 降伏すると? 191 00:15:27,386 --> 00:15:30,155 三代で築き上げた この国を 192 00:15:30,155 --> 00:15:33,692 むざむざと曹操ごとき者に 渡すなど 193 00:15:33,692 --> 00:15:36,628 貴殿は この国を守る 責任者であろうが 194 00:15:36,628 --> 00:15:41,767 領民を戦火から守ることが この国を守ることになりましょう 195 00:15:41,767 --> 00:15:45,170 貴殿は この国第一の武勇ある将軍 196 00:15:45,170 --> 00:15:48,674 しかも鍛え抜かれた 大水軍があるではないか 197 00:15:48,674 --> 00:15:52,544 曹操などに負けはせぬ 198 00:15:52,544 --> 00:15:56,148 もう決めたのだ 明日 殿にお目通りし 199 00:15:56,148 --> 00:16:00,019 降伏の使者を曹操の元へ遣わす 200 00:16:00,019 --> 00:16:04,590 何という情けないことを フフフ… 201 00:16:04,590 --> 00:16:07,192 孔明殿 何を笑いなさる 202 00:16:07,192 --> 00:16:09,128 いや これは失礼 203 00:16:09,128 --> 00:16:13,132 なに 魯粛殿が あまりにも時勢にうといので 204 00:16:13,132 --> 00:16:15,734 何?私が時勢にうといと? 205 00:16:15,734 --> 00:16:20,305 いかにも 周瑜殿が 曹操に降伏されようというのは 206 00:16:20,305 --> 00:16:22,875 もっともなことです 孔明殿 207 00:16:22,875 --> 00:16:26,145 この国に来た目的をお忘れか 208 00:16:26,145 --> 00:16:30,015 周瑜殿の意見に賛成したまでです 209 00:16:30,015 --> 00:16:33,485 曹操に逆らった者は ことごとく敗れております 210 00:16:33,485 --> 00:16:36,155 我が主人 玄徳もしかりです 211 00:16:36,155 --> 00:16:38,724 周瑜殿には愛する妻もおられ 212 00:16:38,724 --> 00:16:42,494 水軍大都督の地位もあるのです 213 00:16:42,494 --> 00:16:46,231 降伏すれば 今のまま 安泰な立場でいられるのです 214 00:16:46,231 --> 00:16:50,102 さすがは軍師 私の心を分かっておられる 215 00:16:50,102 --> 00:16:52,471 ええい 何てことを 216 00:16:52,471 --> 00:16:55,174 我が殿を曹操に売ろうというのか 217 00:16:55,174 --> 00:16:57,843 魯粛殿 落ち着きなされ 218 00:16:57,843 --> 00:17:00,279 そこで手がある 何? 219 00:17:00,279 --> 00:17:03,682 降伏せずに 曹操を退散させる手です 220 00:17:03,682 --> 00:17:06,585 ほう 聞かせてもらいましょう 221 00:17:06,585 --> 00:17:12,524 簡単なことです 2人の人間を 小舟で曹操の元へ送れば 222 00:17:12,524 --> 00:17:17,129 100万の軍勢は たちどころに引き上げるでしょう 223 00:17:17,129 --> 00:17:19,398 その2人とは? 224 00:17:19,398 --> 00:17:23,268 隆中の田舎に 住んでいたころの話ですが 225 00:17:23,268 --> 00:17:26,238 この呉の国の喬公という者に 226 00:17:26,238 --> 00:17:28,440 大喬 小喬という 227 00:17:28,440 --> 00:17:31,276 2人の娘がいるという うわさでした 228 00:17:31,276 --> 00:17:34,913 これが絶世の美女で 魚は水に隠れ 229 00:17:34,913 --> 00:17:38,613 月は光を失い 花も恥じらうばかりとか 230 00:17:40,752 --> 00:17:44,323 この美女たちに目をつけたのが 曹操です 231 00:17:44,323 --> 00:17:48,827 ショウ河のほとりに 銅雀台と 呼ばれる豪華な宮殿を建てて 232 00:17:48,827 --> 00:17:51,163 ここへ大喬と小喬 233 00:17:51,163 --> 00:17:54,563 つまり二喬を住まわせるのが 曹操の夢とか 234 00:17:56,969 --> 00:18:01,773 その夢をかなえてやれば 曹操も退散するでしょう 235 00:18:01,773 --> 00:18:05,110 孔明殿 その証拠がおありか? 236 00:18:05,110 --> 00:18:07,045 立派にあります 237 00:18:07,045 --> 00:18:09,548 曹操も文才がありますが 238 00:18:09,548 --> 00:18:12,351 その血を受けたのか 三男の曹植が作った 239 00:18:12,351 --> 00:18:14,753 銅雀台の譜の一節に 240 00:18:14,753 --> 00:18:16,688 「二喬を東南に取り」 241 00:18:16,688 --> 00:18:20,592 「とこしえに これと共にあるを楽しむ」とある 242 00:18:20,592 --> 00:18:22,592 実に美文です 243 00:18:25,364 --> 00:18:27,364 は! 244 00:18:29,835 --> 00:18:32,871 おのれ 曹操 許さん 245 00:18:32,871 --> 00:18:37,042 どうなされました? たかが娘2人を犠牲にするだけで 246 00:18:37,042 --> 00:18:41,713 呉が安泰ならば… 大喬とは亡き孫策殿の奥方 247 00:18:41,713 --> 00:18:44,316 小喬とは私の妻のことでござる 248 00:18:44,316 --> 00:18:47,219 ああ… これは何ということを 249 00:18:47,219 --> 00:18:49,721 つゆ知らず お許しください 250 00:18:49,721 --> 00:18:52,124 孔明殿に罪はない 251 00:18:52,124 --> 00:18:56,395 私の妻を狙っている 盗っ人 曹操が許せん 252 00:18:56,395 --> 00:18:58,397 断じて生かしてはおかん 253 00:18:58,397 --> 00:19:00,966 では曹操と? 戦う 254 00:19:00,966 --> 00:19:04,469 私はハ陽湖を発った時から そう決心していた 255 00:19:04,469 --> 00:19:08,941 孔明殿の真の心を探るつもりで わざと反対したまで 256 00:19:08,941 --> 00:19:11,009 それを聞いて安心しました 257 00:19:11,009 --> 00:19:16,209 孔明殿 曹操打倒に お力をお貸しくだされ 258 00:19:20,452 --> 00:19:22,955 ご決心は真実とみました 259 00:19:22,955 --> 00:19:26,455 この孔明 最善の力を尽くしましょう 260 00:19:36,935 --> 00:19:40,639 お召しにより 昨日 ハ陽湖より馳せ参じました 261 00:19:40,639 --> 00:19:43,008 周瑜 待ちかねたぞ 262 00:19:43,008 --> 00:19:45,043 既に話は聞いておろうが 263 00:19:45,043 --> 00:19:48,947 和戦両論 入り乱れ いまだ決着がつかぬ 264 00:19:48,947 --> 00:19:51,250 そなたの考えを申せ 265 00:19:51,250 --> 00:19:53,986 降伏を主張したのは 誰でございますか? 266 00:19:53,986 --> 00:19:56,186 張昭たち文官だ 267 00:19:58,890 --> 00:20:03,662 張昭殿 降伏を主張される 根拠をお聞かせくだされ 268 00:20:03,662 --> 00:20:06,698 言うまでもないこと 曹操と戦うには 269 00:20:06,698 --> 00:20:09,101 水軍同士の合戦となるはず 270 00:20:09,101 --> 00:20:12,304 しかるに荊州の水軍を得た 曹操軍は 271 00:20:12,304 --> 00:20:14,573 我が国に倍する力じゃ 272 00:20:14,573 --> 00:20:17,409 とてもかなうものではない 273 00:20:17,409 --> 00:20:21,013 今は降伏して 先々の大計を立てるべきと 274 00:20:21,013 --> 00:20:25,217 それは机上の空論というもの 通用はせん 275 00:20:25,217 --> 00:20:28,887 ならばどうする 周瑜 276 00:20:28,887 --> 00:20:30,856 殿は父君 孫堅 277 00:20:30,856 --> 00:20:34,259 兄君 孫策にも勝る武勇の持ち主 278 00:20:34,259 --> 00:20:38,130 逆賊 曹操に 降伏する筋合いはございません 279 00:20:38,130 --> 00:20:41,230 堂々と曹操と戦うべきです 280 00:20:44,970 --> 00:20:47,239 勝てる自信はあるか? 281 00:20:47,239 --> 00:20:51,239 はい 曹操軍には 4つの弱点があります 282 00:20:53,378 --> 00:20:56,682 1つ 北方からうかがう 敵があること 283 00:20:56,682 --> 00:20:59,484 2つ 馬を船に換える不利がある 284 00:20:59,484 --> 00:21:02,487 3つ 冬を迎えて馬草のないこと 285 00:21:02,487 --> 00:21:06,258 4つ 風土に慣れず 病に倒れる 286 00:21:06,258 --> 00:21:10,128 かように 千に一つの勝ち目もありません 287 00:21:10,128 --> 00:21:13,031 それがしに先鋒 数千を お与えください 288 00:21:13,031 --> 00:21:17,336 ただちに出陣し 曹操を 打ち破ってご覧に入れます 289 00:21:17,336 --> 00:21:19,336 殿 ご決断を 290 00:21:33,118 --> 00:21:37,618 二度と降伏を口にする者は かくのごとく切って捨てるぞ 291 00:21:54,072 --> 00:21:56,108 西北の風 292 00:21:56,108 --> 00:21:58,108 冬の風 293 00:22:00,579 --> 00:22:06,218 こちらと聞いて参ったのですが お一人で何を? 294 00:22:06,218 --> 00:22:08,954 気まぐれに 馬を飛ばしただけです 295 00:22:08,954 --> 00:22:10,956 開戦と決まりましたかな 296 00:22:10,956 --> 00:22:13,625 出陣と決定です 297 00:22:13,625 --> 00:22:18,196 孔明殿 曹操打倒の策 ここでお聞かせ願いたい 298 00:22:18,196 --> 00:22:20,832 まだ その時ではありますまい 299 00:22:20,832 --> 00:22:24,269 え?我が主人 孫権が 決定したのです 300 00:22:24,269 --> 00:22:27,506 いや 一抹の不安を残している 301 00:22:27,506 --> 00:22:30,008 そんなこと あろうはずが… 302 00:22:30,008 --> 00:22:34,846 あります 敵の水軍の 強大さを恐れています 303 00:22:34,846 --> 00:22:37,649 その不安を取り除くことが 先決です 304 00:22:37,649 --> 00:22:39,618 うむ 305 00:22:39,618 --> 00:22:42,718 曹操打倒の策は その後です 306 00:22:52,130 --> 00:22:55,901 この夜分に何事だ? 307 00:22:55,901 --> 00:22:58,336 明日 出陣いたしますが 308 00:22:58,336 --> 00:23:01,373 殿のお覚悟は確かかと 309 00:23:01,373 --> 00:23:04,075 気がかりなのは敵の水軍 310 00:23:04,075 --> 00:23:06,978 え?やはり そのことが 311 00:23:06,978 --> 00:23:09,881 敵は水陸合わせて100万 312 00:23:09,881 --> 00:23:13,885 こちらは わずか10万 それだけが気になる 313 00:23:13,885 --> 00:23:17,022 殿 気がかりは無用です 314 00:23:17,022 --> 00:23:19,024 数に欺かれてはなりませぬ 315 00:23:19,024 --> 00:23:22,294 ひそかに放った 間者の報告によれば 316 00:23:22,294 --> 00:23:26,298 戦意のある者は曹操の本隊 15~16万に過ぎぬと 317 00:23:26,298 --> 00:23:29,534 ほう それだけか 318 00:23:29,534 --> 00:23:32,571 それも遠征で 疲れ果てている状態です 319 00:23:32,571 --> 00:23:34,773 何を恐れましょうや 320 00:23:34,773 --> 00:23:36,775 私が5万の軍勢をもって 321 00:23:36,775 --> 00:23:39,775 敵の本隊を 打ち破ってご覧に入れましょう 322 00:23:42,113 --> 00:23:45,083 うむ その意気で私の不安も消えた 323 00:23:45,083 --> 00:23:48,820 もう何も言うまい 頼むぞ 周瑜 324 00:23:48,820 --> 00:23:50,820 はい 325 00:23:54,593 --> 00:23:58,830 長年 仕えた私も 殿の心が読めなかった 326 00:23:58,830 --> 00:24:01,433 それを孔明は読み取っていた 327 00:24:01,433 --> 00:24:03,933 恐るべき孔明のけい眼 328 00:24:06,137 --> 00:24:10,976 呉の国を戦いに巻き込んだ孔明 その目的は歴然としている 329 00:24:10,976 --> 00:24:13,712 劉備玄徳を再起させること 330 00:24:13,712 --> 00:24:16,248 孔明 生かしてはおけん 331 00:24:16,248 --> 00:24:20,218 後々の災いを払うため 332 00:24:20,218 --> 00:24:25,423 孔明の策略は 呉の命運を背負う 若き英傑 周瑜さえも 333 00:24:25,423 --> 00:24:28,193 見事に欺き 驚がくさせた 334 00:24:28,193 --> 00:24:33,164 呉の存亡を懸けた戦いは その一歩を踏み出したのである 335 00:24:33,164 --> 00:24:36,034 だが孔明に対する周瑜の殺意は 336 00:24:36,034 --> 00:24:40,434 戦いの行く先に 怪しい影を投げかけていた 337 00:26:07,726 --> 00:26:10,028 孔明の智謀を恐れた周瑜は 338 00:26:10,028 --> 00:26:11,963 その暗殺を決意した 339 00:26:11,963 --> 00:26:13,965 周瑜の卑劣な策略に 340 00:26:13,965 --> 00:26:16,868 孔明の鮮やかな反撃が始まる 341 00:26:16,868 --> 00:26:20,672 次回 アニメ三国志 「周瑜の殺意」 342 00:26:20,672 --> 00:26:23,472 謀略の闇に英知が輝く