1 00:03:29,143 --> 00:03:31,646 呉の水軍大都督 周瑜は 2 00:03:31,646 --> 00:03:36,317 玄徳軍の軍師 孔明の知略を恐れ 罠を仕掛けた 3 00:03:36,317 --> 00:03:39,987 3日で10万本の矢を作れと 命ぜられた孔明は 4 00:03:39,987 --> 00:03:45,393 一命を懸け敵陣に接近して 見事に目的を果たした 5 00:03:45,393 --> 00:03:50,998 さらに孔明は火攻めを提案し 周瑜と意見の一致を見た 6 00:03:50,998 --> 00:03:56,598 孔明への殺意を捨てた周瑜は 共に曹操打倒を誓ったのである 7 00:04:04,545 --> 00:04:07,448 曹操は周瑜の策略に対抗するべく 8 00:04:07,448 --> 00:04:12,853 蔡和と蔡中の2人を呼びつけ ある密命を与えようとしていた 9 00:04:12,853 --> 00:04:15,623 蔡和と蔡中は 周瑜の策略にかかって 10 00:04:15,623 --> 00:04:20,327 命を落とした水軍大都督 蔡瑁のイトコであった 11 00:04:20,327 --> 00:04:24,165 呉の水軍を破るには こちらから人を送り込み 12 00:04:24,165 --> 00:04:28,669 よく敵の内情を探ってから 計略を立てねばならぬ 13 00:04:28,669 --> 00:04:31,305 仰せのとおりと存じます 14 00:04:31,305 --> 00:04:35,576 お主たちは内通して首を斬られた 蔡瑁のイトコ 15 00:04:35,576 --> 00:04:40,481 内通した一族であれば 敵に降伏しても当然のこと 16 00:04:40,481 --> 00:04:42,883 誰も疑わぬであろう 17 00:04:42,883 --> 00:04:46,754 蔡瑁の汚名挽回のよい機会だ 18 00:04:46,754 --> 00:04:52,359 成功の暁には両名とも 重く取り立てるが どうだ? 19 00:04:52,359 --> 00:04:54,859 我ら両名 謹んでお受けいたします 20 00:04:56,831 --> 00:05:00,735 うむ 心変わりいたすでないぞ 21 00:05:00,735 --> 00:05:04,472 我らの家族は この荊州に とどめてあります 22 00:05:04,472 --> 00:05:07,007 誓って心変わりいたしません 23 00:05:07,007 --> 00:05:09,910 よし 500の兵を与える 24 00:05:09,910 --> 00:05:12,510 直ちに船を出せ はっ! 25 00:05:20,554 --> 00:05:22,957 蔡和 蔡中と申したな 26 00:05:22,957 --> 00:05:25,659 蔡瑁の一族か? はっ! 27 00:05:25,659 --> 00:05:29,130 曹操に首を斬られた蔡瑁の イトコです 28 00:05:29,130 --> 00:05:34,034 蔡瑁の仇を討たんと そろって参上いたしました 29 00:05:34,034 --> 00:05:37,938 何とぞ降伏を認め 先陣にお加えください 30 00:05:37,938 --> 00:05:42,309 うむ 蔡瑁殿を斬られた無念は よく分かる 31 00:05:42,309 --> 00:05:45,513 お主たちの けなげな志が 気に入った 32 00:05:45,513 --> 00:05:49,049 よろしい 我が軍に加えよう ははっ! 33 00:05:49,049 --> 00:05:52,586 手柄を立てるがよい 期待しておるぞ 34 00:05:52,586 --> 00:05:55,289 甘寧 そなたの指揮下に 組み入れる 35 00:05:55,289 --> 00:05:57,792 丁重に扱えよ はあ… 36 00:05:57,792 --> 00:06:00,094 何をボヤボヤしてる! 37 00:06:00,094 --> 00:06:03,094 降伏してきた客人だぞ はい! 38 00:06:06,600 --> 00:06:11,105 周瑜殿 あの2人 本心からの降伏ではありません 39 00:06:11,105 --> 00:06:13,374 家族も連れてきてはおらぬし 40 00:06:13,374 --> 00:06:18,846 本心であることが分からんか あれは曹操を憎んでいる顔だ 41 00:06:18,846 --> 00:06:22,683 私には分かる うん そうに決まった 42 00:06:22,683 --> 00:06:25,085 そのように疑い深くては 43 00:06:25,085 --> 00:06:27,685 天下の英傑を集めることは できんぞ 44 00:06:34,295 --> 00:06:38,165 どうも分からん 何を考えているのか… 45 00:06:38,165 --> 00:06:41,001 降伏してきた者たちの ことですかな? 46 00:06:41,001 --> 00:06:43,404 あれ もうご存じで? 47 00:06:43,404 --> 00:06:46,841 蔡瑁のイトコ 蔡和と蔡中のことです 48 00:06:46,841 --> 00:06:50,845 周瑜殿は すっかり信用して 味方に引き入れましたぞ 49 00:06:50,845 --> 00:06:54,582 何とも軽々しい ははは… 50 00:06:54,582 --> 00:06:58,018 何がおかしゅうござる? 51 00:06:58,018 --> 00:07:01,722 周瑜殿に担がれた あなたが おかしかったのです 52 00:07:01,722 --> 00:07:03,657 担がれた? 53 00:07:03,657 --> 00:07:09,230 長江を挟み 膠着状態にある今 何とか決戦の糸口をつかもうと 54 00:07:09,230 --> 00:07:12,766 曹操が蔡和と蔡中を 送り込んだのです 55 00:07:12,766 --> 00:07:15,502 周瑜殿は それを見抜き 逆に利用して 56 00:07:15,502 --> 00:07:17,538 2人に内通させるつもりです 57 00:07:17,538 --> 00:07:20,307 ははあ!なるほど 58 00:07:20,307 --> 00:07:23,644 それにしても この私までも… 59 00:07:23,644 --> 00:07:28,482 敵を欺くには まず味方からと 申すではありませんか 60 00:07:28,482 --> 00:07:33,087 うーん さすがは孔明殿の慧眼 61 00:07:33,087 --> 00:07:36,590 恐れ入りました ははは… 62 00:07:36,590 --> 00:07:41,590 この先の周瑜殿の手を楽しみに まずは一献 63 00:07:43,931 --> 00:07:47,501 その日 三江口にある 先鋒水軍隊より 64 00:07:47,501 --> 00:07:49,701 黄蓋将軍が到着した 65 00:07:52,706 --> 00:07:55,609 黄蓋将軍は孫家三代に仕える 66 00:07:55,609 --> 00:07:59,380 武勇の誉れ高い 忠節の老将であった 67 00:07:59,380 --> 00:08:05,185 黄蓋は密かな決意を胸に 大都督 周瑜との会見に臨んだ 68 00:08:05,185 --> 00:08:09,690 曹操の水軍は大軍 まともに戦っても勝ち目はない 69 00:08:09,690 --> 00:08:12,893 だと申して ただ いたずらに時を過ごせば 70 00:08:12,893 --> 00:08:15,496 敵は訓練を重ね強力になる 71 00:08:15,496 --> 00:08:18,699 我がほうは少数ゆえ不利だ 72 00:08:18,699 --> 00:08:20,634 黄蓋将軍 73 00:08:20,634 --> 00:08:24,505 そう申される以上 何か策があってのこと 74 00:08:24,505 --> 00:08:28,475 もちろん! 火攻めしかありますまい 75 00:08:28,475 --> 00:08:32,046 それを誰に? 誰でもござらぬ 76 00:08:32,046 --> 00:08:33,981 わしの考えじゃ 77 00:08:33,981 --> 00:08:38,218 その策は私も考えていたことです 78 00:08:38,218 --> 00:08:41,221 ほお 周瑜殿も 79 00:08:41,221 --> 00:08:46,093 こちらから誰かを降伏させ 敵陣へ送り込むのです 80 00:08:46,093 --> 00:08:51,565 確かな策じゃ しかし 本心から曹操が信じるかの? 81 00:08:51,565 --> 00:08:55,903 蔡和と蔡中という武将が 降伏してきています 82 00:08:55,903 --> 00:08:59,173 もちろん曹操が送り込んだ回し者 83 00:08:59,173 --> 00:09:03,911 この2人を信用させ 内通させようと考えています 84 00:09:03,911 --> 00:09:08,082 周瑜殿は既にそこまで 考えておられたのか 85 00:09:08,082 --> 00:09:10,050 さすがは大都督 86 00:09:10,050 --> 00:09:13,988 ただ こちらから降伏する者を 誰にするか 87 00:09:13,988 --> 00:09:17,491 それ相当の武将でなければ ならんが… 88 00:09:17,491 --> 00:09:20,160 この わしでは役不足かな? 89 00:09:20,160 --> 00:09:24,565 ええっ?将軍が! いや それはできませぬ 90 00:09:24,565 --> 00:09:27,201 この呉にとっては最高の功労者 91 00:09:27,201 --> 00:09:30,104 それこそ我が殿に どんな咎めを… 92 00:09:30,104 --> 00:09:34,308 わしも老いた 最後のご奉公じゃ 93 00:09:34,308 --> 00:09:36,910 わしがやらねば誰がやる? 94 00:09:36,910 --> 00:09:39,847 頼む 周瑜殿 やらせてくれ 95 00:09:39,847 --> 00:09:45,285 曹操を信じさせるために 苦しい手も打たねばならぬかと… 96 00:09:45,285 --> 00:09:47,785 元より覚悟してござる 97 00:10:00,667 --> 00:10:02,667 黄蓋殿… 98 00:10:11,045 --> 00:10:14,381 翌日 周瑜は水軍全軍に通達し 99 00:10:14,381 --> 00:10:18,585 幹部武将を緊急に招集 軍議を開いた 100 00:10:18,585 --> 00:10:24,892 その中に降伏した蔡和 蔡中 そして孔明の姿もあった 101 00:10:24,892 --> 00:10:29,797 曹操は20万の水軍と 100万の軍勢を布陣させている 102 00:10:29,797 --> 00:10:33,667 今 この大軍に攻撃をかけても 勝利は難しい 103 00:10:33,667 --> 00:10:37,805 そこで各々の軍団は 3ヵ月分の兵糧を受け取り 104 00:10:37,805 --> 00:10:40,407 来る合戦に備えることにする 105 00:10:40,407 --> 00:10:42,407 待たれい! 106 00:10:45,646 --> 00:10:49,316 黄蓋将軍 何か異議があると申すか? 107 00:10:49,316 --> 00:10:54,254 おう 大都督ともあろう者が 何たる弱腰 108 00:10:54,254 --> 00:10:57,925 3ヵ月分の兵糧が 3年分に増えようが 109 00:10:57,925 --> 00:11:01,361 そんなことは何の役に立とう 何? 110 00:11:01,361 --> 00:11:04,665 今 曹操に時を与えれば 勝ち目はない 111 00:11:04,665 --> 00:11:07,434 3ヵ月も のほほんと 待機するくらいなら 112 00:11:07,434 --> 00:11:10,437 今のうちに 降参したほうがいいわ! 113 00:11:10,437 --> 00:11:12,637 黙れ 黄蓋! 114 00:11:17,411 --> 00:11:21,048 私は孫権様から 降伏を口にする者は 115 00:11:21,048 --> 00:11:23,951 斬って捨てよと 命令されているのだ 116 00:11:23,951 --> 00:11:27,721 だまらっしゃい! この黄蓋 老いたりとはいえ 117 00:11:27,721 --> 00:11:30,624 この呉の国三代に仕えてきた者 118 00:11:30,624 --> 00:11:36,163 貴様ごとき青二才の独断に 任せられるか! 119 00:11:36,163 --> 00:11:39,433 私は殿に命じられた 全軍の指揮者だ 120 00:11:39,433 --> 00:11:41,368 背く者は許さん 121 00:11:41,368 --> 00:11:44,468 黄蓋の首を斬れ!斬れ! 122 00:11:49,743 --> 00:11:53,080 黄蓋将軍は殿の信任も厚い 重臣です 123 00:11:53,080 --> 00:11:55,482 打ち首だけは 思いとどまってください 124 00:11:55,482 --> 00:11:58,452 軍議に背くか!甘寧 下がれ 125 00:11:58,452 --> 00:12:02,689 口答えは罪なれど 黄蓋将軍も年でございます 126 00:12:02,689 --> 00:12:07,361 何とか見逃しのほどを 周瑜殿 私からもお願い申す 127 00:12:07,361 --> 00:12:11,961 死罪は国のためにもならず 曹操が喜ぶだけですぞ 128 00:12:19,273 --> 00:12:24,178 皆がそれほど申すならば 命だけは許そう 129 00:12:24,178 --> 00:12:29,478 だが規律に背いた罪は消えん 百たたきにして謹慎を命ずる 130 00:12:35,455 --> 00:12:40,093 32 33 131 00:12:40,093 --> 00:12:45,566 34 35 132 00:12:45,566 --> 00:12:51,371 36 37 133 00:12:51,371 --> 00:12:57,177 38 39 134 00:12:57,177 --> 00:13:03,951 40 41 42 135 00:13:03,951 --> 00:13:09,223 43 44 136 00:13:09,223 --> 00:13:14,728 45 46 137 00:13:14,728 --> 00:13:19,633 47 48 138 00:13:19,633 --> 00:13:22,633 49… うわー! 139 00:13:35,616 --> 00:13:39,219 孔明殿 少し薄情では ありませんかな 140 00:13:39,219 --> 00:13:42,155 何のことです? また おとぼけを 141 00:13:42,155 --> 00:13:46,093 黄蓋将軍は 苦痛で うめいておりますぞ 142 00:13:46,093 --> 00:13:50,197 客人の あなたなら黄蓋将軍の 弁護のひと言ぐらいは… 143 00:13:50,197 --> 00:13:54,868 ははは… 魯粛殿 私をからかっては いけません 144 00:13:54,868 --> 00:13:59,740 何と!私は今まで孔明殿を からかったことなど ありませんぞ 145 00:13:59,740 --> 00:14:04,077 では周瑜殿の芝居だったと 気がつかなかったのですか? 146 00:14:04,077 --> 00:14:06,013 芝居? さよう 147 00:14:06,013 --> 00:14:09,650 私が出る幕ではありません ははあ… 148 00:14:09,650 --> 00:14:13,020 黄蓋将軍に降伏の申し入れをさせ 149 00:14:13,020 --> 00:14:16,323 それを蔡和と蔡中に 通報させるのが 150 00:14:16,323 --> 00:14:18,659 周瑜殿の目的です 151 00:14:18,659 --> 00:14:22,129 曹操を欺く苦肉の策です 152 00:14:22,129 --> 00:14:25,032 苦肉の策 なるほど 153 00:14:25,032 --> 00:14:28,902 私が知っていたとは 決して周瑜殿には言わぬことです 154 00:14:28,902 --> 00:14:31,805 承知しました 苦肉の策と分かれば 155 00:14:31,805 --> 00:14:34,474 私も口外はできません 156 00:14:34,474 --> 00:14:38,774 私も周瑜殿の仕打ちに不満だと 伝えておくのがいいでしょう 157 00:14:50,524 --> 00:14:54,394 周瑜殿 いつになく ご立腹であったが なぜでござる 158 00:14:54,394 --> 00:14:56,396 それより兵士たちの様子は? 159 00:14:56,396 --> 00:14:59,700 はあ 誰もが 不平を漏らしております 160 00:14:59,700 --> 00:15:02,736 うむ それで孔明の様子は? 161 00:15:02,736 --> 00:15:06,606 周瑜殿は薄情者だと 申しておりました 162 00:15:06,606 --> 00:15:11,311 そうか 今度こそ 孔明を出し抜いたぞ 163 00:15:11,311 --> 00:15:13,313 ええっ? 164 00:15:13,313 --> 00:15:18,618 実は黄蓋将軍を敵に贈るための策 165 00:15:18,618 --> 00:15:23,457 打たれる将軍よりも 私のほうが痛む思いだった 166 00:15:23,457 --> 00:15:25,826 そうであったか 167 00:15:25,826 --> 00:15:30,626 それにしても孔明殿の 思慮の深さには恐れ入ったわい 168 00:15:34,534 --> 00:15:36,970 おいたわしい 将軍は大都督に 169 00:15:36,970 --> 00:15:40,574 何か恨まれることでも おありだったのですか? 170 00:15:40,574 --> 00:15:42,876 いや 別に 171 00:15:42,876 --> 00:15:46,747 うーむ ではもしや 苦肉の策では? 172 00:15:46,747 --> 00:15:49,049 それを知っておられたか 173 00:15:49,049 --> 00:15:54,454 やはり 大都督は日頃から 将軍を尊敬していましたからな 174 00:15:54,454 --> 00:15:57,924 それが あの仕打ち 納得できぬことです 175 00:15:57,924 --> 00:16:01,661 わしは呉の三代に仕え 恩顧を被ってきた 176 00:16:01,661 --> 00:16:05,232 だが 何の恩返しもできずに 老いさらばえた 177 00:16:05,232 --> 00:16:07,467 そこで苦肉の策を… 178 00:16:07,467 --> 00:16:11,238 聞き届けてくれた大都督に 感謝こそすれ 179 00:16:11,238 --> 00:16:14,708 恨む筋合いなど毛頭ござらぬ 180 00:16:14,708 --> 00:16:16,710 よく打ち明けてくれました 181 00:16:16,710 --> 00:16:20,947 将軍の忠誠に引き換え 私は恥じ入るばかりです 182 00:16:20,947 --> 00:16:24,584 いやあ 打ち明けたのも お主を信じたから 183 00:16:24,584 --> 00:16:28,355 お主でなければ できぬ仕事がある 184 00:16:28,355 --> 00:16:33,055 わしの降伏状じゃ 曹操の元へ届けてほしい 185 00:16:35,495 --> 00:16:37,998 喜んでお引き受けいたします 186 00:16:37,998 --> 00:16:41,635 たとえ一命に懸けても必ず 187 00:16:41,635 --> 00:16:44,538 この国の命運は これで決まる 188 00:16:44,538 --> 00:16:48,538 頼む カン沢殿 はい! 189 00:17:12,566 --> 00:17:16,102 おい こらこら!どこへ行く? 夜釣りに来ただーな 190 00:17:16,102 --> 00:17:19,639 釣りだ?こんな所に 魚などおらぬぞ 191 00:17:19,639 --> 00:17:23,577 大物が釣れるだよ 曹操ってのがな! 192 00:17:23,577 --> 00:17:27,380 何!怪しい奴め 敵の間者だな 193 00:17:27,380 --> 00:17:31,651 そのとおり 呉の参謀 カン沢と申す 194 00:17:31,651 --> 00:17:34,955 こりゃあ驚いた 大物がかかったぞ 195 00:17:34,955 --> 00:17:37,055 捕らえろ! 196 00:17:42,696 --> 00:17:47,934 カン沢 そのほうが呉の有力な 参謀であることは聞いておる 197 00:17:47,934 --> 00:17:51,271 この夜更け 何用あって 忍んで参った? 198 00:17:51,271 --> 00:17:56,109 ふふふ… 丞相曹操は 世の英傑を求むること 199 00:17:56,109 --> 00:17:59,813 水を求むる砂漠の 旅人のごとしと聞いていたが 200 00:17:59,813 --> 00:18:03,216 これは見損なった 何? 201 00:18:03,216 --> 00:18:06,953 黄蓋将軍も とんだうわさを信じたもんだ 202 00:18:06,953 --> 00:18:11,758 黄蓋将軍… あの呉の老将軍のことか? 203 00:18:11,758 --> 00:18:14,961 さよう 周瑜に大恥をかかされ 204 00:18:14,961 --> 00:18:17,864 憤懣やるかたなく 丞相へ すがろうとして 205 00:18:17,864 --> 00:18:21,301 私を遣わされたのだが 愚かなことであった 206 00:18:21,301 --> 00:18:25,205 丞相 黄蓋は 呉の三代に仕えた名将です 207 00:18:25,205 --> 00:18:31,711 聞いておる おそらく 水軍の中枢を指揮しているはず 208 00:18:31,711 --> 00:18:35,482 カン沢 その証拠があるのか? 209 00:18:35,482 --> 00:18:38,351 重ね重ねの雑言 お許しください 210 00:18:38,351 --> 00:18:42,122 これも丞相の心を 推し量らんがため 211 00:18:42,122 --> 00:18:44,622 黄蓋の密書にございます 212 00:19:00,140 --> 00:19:04,678 確かに恥辱を受けた 黄蓋の怒りは分かる 213 00:19:04,678 --> 00:19:08,381 食糧と武器を 船で献上するとあるが 214 00:19:08,381 --> 00:19:14,020 カン沢 これが苦肉の策でなくて 何だと申す 215 00:19:14,020 --> 00:19:17,891 わしの目は だませぬぞ 甘く見るな! 216 00:19:17,891 --> 00:19:21,695 こやつの首を斬れ 斬って捨てい 217 00:19:21,695 --> 00:19:25,565 待たれい その密書の どこが不審だと申される? 218 00:19:25,565 --> 00:19:28,134 首を斬る前に聞かせてやる 219 00:19:28,134 --> 00:19:33,273 黄蓋が降伏するとぬかしながら なぜ その日を記しておらぬ? 220 00:19:33,273 --> 00:19:36,676 ははは… 何がおかしい? 221 00:19:36,676 --> 00:19:39,212 これが笑わずにおられるか 222 00:19:39,212 --> 00:19:41,648 丞相は兵法の書を読みあさり 223 00:19:41,648 --> 00:19:44,451 優れた文才もあると 聞いておったが 224 00:19:44,451 --> 00:19:47,253 よくも ぬけぬけと ほざいたもんだ 225 00:19:47,253 --> 00:19:51,124 何? これほど無学とは思わなかったわ 226 00:19:51,124 --> 00:19:53,960 早いこと兵をまとめて 引き揚げるがいい! 227 00:19:53,960 --> 00:19:56,296 わしを無学と言うのか 228 00:19:56,296 --> 00:19:58,531 おう!策略も知らず 229 00:19:58,531 --> 00:20:01,434 物の道理も わきまえぬ者は 無学であろう 230 00:20:01,434 --> 00:20:03,803 申せ!その訳を! 231 00:20:03,803 --> 00:20:08,441 黄蓋将軍ほどの人物が 呉を裏切るのだ 失敗は許されん 232 00:20:08,441 --> 00:20:11,745 期限を決め その時に 何かの支障でも起きれば 233 00:20:11,745 --> 00:20:15,482 丞相は信じますまい うーむ 234 00:20:15,482 --> 00:20:18,385 こういうことは慎重に慎重を重ね 235 00:20:18,385 --> 00:20:21,287 時を見て決行するのが 常識でござる 236 00:20:21,287 --> 00:20:25,225 それを分からぬ丞相を 無学と申して何が悪い! 237 00:20:25,225 --> 00:20:31,025 ふん さすがは呉の参謀カン沢 道理にかなっておる 238 00:20:38,705 --> 00:20:43,576 カン沢 喜んで黄蓋将軍と そなたを迎えよう 239 00:20:43,576 --> 00:20:48,048 おお!お聞き届けのほど かたじけのうございます 240 00:20:48,048 --> 00:20:52,452 今宵は わしと共に飲もう 明日は呉へ戻り 241 00:20:52,452 --> 00:20:56,322 黄蓋将軍と 内通の打ち合わせをするのだ 242 00:20:56,322 --> 00:20:58,322 はっ! 243 00:21:02,128 --> 00:21:05,832 問答の最中 蔡和からの書状が届きました 244 00:21:05,832 --> 00:21:08,268 これで曹操も信じたようです 245 00:21:08,268 --> 00:21:10,336 危ないところであったな 246 00:21:10,336 --> 00:21:13,106 カン沢殿の弁舌のおかげじゃ 247 00:21:13,106 --> 00:21:16,042 痛い思いをしたが ムダ骨ではなかった 248 00:21:16,042 --> 00:21:20,847 あとは甘寧と謀り 蔡和たちに 手はずを整えさせましょう 249 00:21:20,847 --> 00:21:24,147 うむ もうひと押し 頼む 250 00:21:32,859 --> 00:21:35,595 何が大都督だ あいつは許せん 251 00:21:35,595 --> 00:21:38,565 ああ 黄蓋将軍が 気の毒でならぬわ 252 00:21:38,565 --> 00:21:41,434 わしはもう あいつの下で 働くのが嫌になった 253 00:21:41,434 --> 00:21:45,405 わしもだ 曹操は多少の罪を許し 254 00:21:45,405 --> 00:21:49,442 有能な部下には恩賞を与えて 用いるというぞ 255 00:21:49,442 --> 00:21:54,647 それでこそ丞相だ 黄蓋将軍と落ちるか 256 00:21:54,647 --> 00:21:57,550 わしも それを考えていたのだが… 257 00:21:57,550 --> 00:22:00,987 うん?聞いたな 貴様ら! 生かしておけん! 258 00:22:00,987 --> 00:22:04,624 お待ちください 我らの本心 お聞きください 259 00:22:04,624 --> 00:22:08,928 何?本心? でたらめを言うと たたき斬るぞ 260 00:22:08,928 --> 00:22:14,100 実は我々は丞相の命令を受け 偽って降伏してきたのです 261 00:22:14,100 --> 00:22:16,836 まことか それは? はい 262 00:22:16,836 --> 00:22:21,936 将軍たちが丞相の元に下るのなら 喜んで手引きいたします 263 00:22:25,545 --> 00:22:30,316 カン沢の言葉を信じた蔡中は 投降の手はずを記した密書を 264 00:22:30,316 --> 00:22:33,686 曹操の元に 届けることにしたのである 265 00:22:33,686 --> 00:22:37,290 これが黄蓋と 周瑜の仕組んだ罠だとは 266 00:22:37,290 --> 00:22:39,990 蔡中は知るよしもなかった 267 00:22:50,470 --> 00:22:54,974 あの密書が曹操へ届く 苦肉の策も成功ですな 268 00:22:54,974 --> 00:22:58,474 うむ これで曹操の首が取れる 269 00:23:01,447 --> 00:23:05,685 切り札は切られたか 乗るでしょうか 曹操は? 270 00:23:05,685 --> 00:23:09,485 いや あとひと手 やはり… 271 00:23:12,458 --> 00:23:17,230 黄蓋将軍の降伏の船は舳先に 青い竜の旗 272 00:23:17,230 --> 00:23:19,165 青い竜の旗… 273 00:23:19,165 --> 00:23:23,570 うむ 食糧を満載した船を 連ねてくるそうだ 274 00:23:23,570 --> 00:23:26,573 土産も持参とは 念の入ったことですね 275 00:23:26,573 --> 00:23:30,710 黄蓋ほどの大物なら 敵陣の弱点も熟知しているはず 276 00:23:30,710 --> 00:23:33,479 重要な情報が手に入ります 277 00:23:33,479 --> 00:23:38,451 黄蓋様様ですな こりゃ楽しみだ 278 00:23:38,451 --> 00:23:41,521 どうも気になる はっ? 279 00:23:41,521 --> 00:23:43,523 黄蓋将軍ともあろう者が 280 00:23:43,523 --> 00:23:46,359 そう やすやすと 降伏するであろうか 281 00:23:46,359 --> 00:23:51,959 もしや蔡和と蔡中が寝返り 呉に下ったのではあるまいか? 282 00:23:54,100 --> 00:23:56,903 そのご懸念 もっともだと存じます 283 00:23:56,903 --> 00:23:59,672 私が密かに探って参りましょう 284 00:23:59,672 --> 00:24:04,644 おお!先に周瑜を訪ねた蒋幹殿 打ってつけの役目です 285 00:24:04,644 --> 00:24:07,413 行ってくれるか 蒋幹? 286 00:24:07,413 --> 00:24:10,216 はい 敵の地理は 見てきております 287 00:24:10,216 --> 00:24:12,952 先の失策 挽回のためにも… 288 00:24:12,952 --> 00:24:16,289 うむ 頼む はっ! 289 00:24:16,289 --> 00:24:20,226 黄蓋の一世一代の 苦肉の策であった 290 00:24:20,226 --> 00:24:24,130 文字どおり 我が身を苦しめての策であった 291 00:24:24,130 --> 00:24:27,500 だが曹操は一抹の疑惑を抱き 292 00:24:27,500 --> 00:24:30,436 蒋幹を呉に密航させた 293 00:24:30,436 --> 00:24:34,274 謀略と謀略の 際どい駆け引きが渦を巻き 294 00:24:34,274 --> 00:24:40,274 長江を血に染める大決戦の時は 刻一刻と近づいていた 295 00:26:07,700 --> 00:26:11,704 幻の霊鳥 鳳雛 その名はホウ統士元 296 00:26:11,704 --> 00:26:17,110 曹操軍壊滅を目指し 天才軍師 ホウ統がついに登場した 297 00:26:17,110 --> 00:26:21,080 次回 アニメ三国志 「鳳雛連環の計」 298 00:26:21,080 --> 00:26:24,280 幻影の崩壊が始まる