1 00:00:05,839 --> 00:00:12,012 ♬~ 2 00:00:12,012 --> 00:00:14,014 (ゼートゥーア)約束の紅茶だ。 3 00:00:16,183 --> 00:00:19,186 (ターニャ)これはこれは よいセンスですね。 4 00:00:19,186 --> 00:00:22,356 イルドアの友人からですか? 5 00:00:22,356 --> 00:00:25,859 (ゼートゥーア)同盟国の友情に感謝だな。 6 00:00:25,859 --> 00:00:29,196 今のところはだが…。 7 00:00:29,196 --> 00:00:32,032 改めて救援に感謝する。 8 00:00:32,032 --> 00:00:34,868 さすがだな デグレチャフ中佐。 9 00:00:34,868 --> 00:00:39,039 主攻の援護としては これ以上にない戦果だ。 10 00:00:39,039 --> 00:00:42,542 肉壁として将兵を すり潰したまでのことです。 11 00:00:42,542 --> 00:00:44,711 己の才覚ではありません。 12 00:00:44,711 --> 00:00:48,548 ひいては それを命じた 人間の責任と? 13 00:00:48,548 --> 00:00:52,386 面白い嫌味だ。 小官の立場としては➨ 14 00:00:52,386 --> 00:00:55,889 形式的儀礼を尊重し 沈黙すべきかと。 15 00:00:55,889 --> 00:01:00,494 フンッ 相変わらずだな。 貴官は 揺らぐことがない。 16 00:01:00,494 --> 00:01:03,664 自分を信じておりますので。 17 00:01:03,664 --> 00:01:07,000 《いつだって我が道を行くのだ。 18 00:01:07,000 --> 00:01:11,338 存在Xのような輩に 運命を委ねるより➨ 19 00:01:11,338 --> 00:01:14,508 己の自己決定権を信ずる…。 20 00:01:14,508 --> 00:01:18,679 それが 近代人としての 矜持に他ならない》 21 00:01:18,679 --> 00:01:23,684 優雅な時間に 水を差すようで悪いが 凶報だ。 22 00:01:23,684 --> 00:01:27,187 アンドロメダが頓挫した。 23 00:01:27,187 --> 00:01:31,858 な 南部諸都市を抜けなかったと? 24 00:01:31,858 --> 00:01:33,860 それ以前の問題だ。 25 00:01:33,860 --> 00:01:37,698 ヨセフグラードまでは 電撃的に進軍しえたが➨ 26 00:01:37,698 --> 00:01:40,367 以降は 補給が破綻。 27 00:01:40,367 --> 00:01:42,369 連邦軍にも防備を固められた。 28 00:01:42,369 --> 00:01:44,538 攻勢限界だ。 29 00:01:44,538 --> 00:01:47,874 では 目標の資源地帯は…。 30 00:01:47,874 --> 00:01:50,577 (ゼートゥーア)とても届かんよ。 31 00:03:38,018 --> 00:03:43,023 驚きです。 あの ルーデルドルフ閣下がしくじるとは。 32 00:03:43,023 --> 00:03:46,860 肝心の物動が 間に合わなかったのだろう。 33 00:03:46,860 --> 00:03:49,863 鉄道部は よくやっていたようだが…。 34 00:03:49,863 --> 00:03:53,366 やはり 物そのものが 足りませんか。 35 00:03:53,366 --> 00:03:56,169 足りんのだろうな。 36 00:03:58,705 --> 00:04:02,976 (ゼートゥーア)兵士はおろか 糧食も砲弾も ままならんようだ。 37 00:04:02,976 --> 00:04:05,979 これまでは 私が戦務として➨ 38 00:04:05,979 --> 00:04:08,482 無い袖を振ってでも やりくりしていたのだが…。 39 00:04:08,482 --> 00:04:11,318 閣下が東部に来られたのは➨ 40 00:04:11,318 --> 00:04:14,988 最高統帥府との軋轢が 原因だと伺いました。 41 00:04:14,988 --> 00:04:16,990 ああ…。 42 00:04:16,990 --> 00:04:20,160 本国は 現実を知らないのでしょうか? 43 00:04:20,160 --> 00:04:22,162 中佐…。 (椅子から立ち上がる音) 44 00:04:22,162 --> 00:04:26,566 帝国は勝利依存症なのだ。 悲しいほどにな。 45 00:04:28,502 --> 00:04:32,839 我々は 内なる課題に 勝利せねばならない。 46 00:04:32,839 --> 00:04:37,177 そのためには 悪い手管を覚える必要もあろう。 47 00:04:37,177 --> 00:04:41,181 閣下 それは…。 48 00:04:41,181 --> 00:04:44,184 東方に専念するためには➨ 49 00:04:44,184 --> 00:04:47,354 西側での戦いにも 勝たねばなるまい。 50 00:04:47,354 --> 00:04:52,692 西側というと 西方航空戦のことでしょうか? 51 00:04:52,692 --> 00:04:57,864 それよりは 少しばかり東側だな。 52 00:04:57,864 --> 00:05:00,133 《ああ やはりか…。 53 00:05:00,133 --> 00:05:03,470 味方を撃つのだけは 勘弁願いたいのだが…》 54 00:05:03,470 --> 00:05:05,472 (ポットを置く音) 55 00:05:05,472 --> 00:05:10,277 ひとつ 貴官も 共犯者になってくれたまえ。 56 00:05:12,813 --> 00:05:17,484 僭越ながら 小官は帝国軍の軍人です。 57 00:05:17,484 --> 00:05:21,154 合法的な命令に 服従する義務を負った➨ 58 00:05:21,154 --> 00:05:23,657 軍事機構の一員にすぎません。 59 00:05:23,657 --> 00:05:26,326 義務は 裏切れません。 60 00:05:26,326 --> 00:05:31,164 そこからの逸脱は 結果的に 帝室と祖国に対する反逆であり➨ 61 00:05:31,164 --> 00:05:33,333 小官は 義務を果たします。 62 00:05:33,333 --> 00:05:39,506 否定も肯定もせずか…。 63 00:05:39,506 --> 00:05:42,008 大変 素晴らしい! 64 00:05:42,008 --> 00:05:44,010 よもや違う返答であれば➨ 65 00:05:44,010 --> 00:05:47,514 撃たねばならなかったが…。 66 00:05:47,514 --> 00:05:52,118 フッ… 貴官は 何か 勘違いをしているようだ。 67 00:05:54,187 --> 00:05:57,023 まぁよい。 まずは本国を…。 68 00:05:57,023 --> 00:06:00,627 帝国の現状を 目の当たりにしたまえ。 69 00:06:09,302 --> 00:06:11,638 (汽笛) 70 00:06:11,638 --> 00:06:13,640 やったぞ! 休暇だ 休暇! ヒュ~! 71 00:06:16,309 --> 00:06:18,311 ふぅ…。 72 00:06:18,311 --> 00:06:20,981 (レルゲン)デグレチャフ中佐! よくぞ戻った! 73 00:06:20,981 --> 00:06:24,651 大佐殿 お戻りになられていたのですか? 74 00:06:24,651 --> 00:06:28,488 レルゲン戦闘団が 休暇で帝都に戻るのだ。 75 00:06:28,488 --> 00:06:30,824 私がいても おかしくはあるまい。 76 00:06:30,824 --> 00:06:33,159 おっしゃるとおりで。 77 00:06:33,159 --> 00:06:37,831 戦闘団諸君! 此度の休暇は 保養地を手配した! 78 00:06:37,831 --> 00:06:40,333 (歓声) 79 00:06:40,333 --> 00:06:43,503 中佐 少しいいか? 80 00:06:43,503 --> 00:06:47,340 ヴァイス少佐 休暇証明書と クーポンの配布を。 81 00:06:47,340 --> 00:06:50,844 セレブリャコーフ中尉は車の手配を。 (2人)はっ! 82 00:06:50,844 --> 00:06:54,347 (ヴァイス)これより 休暇証明書とクーポンを配布する! 83 00:06:54,347 --> 00:06:56,683 各員 並べ! 84 00:06:56,683 --> 00:06:59,185 信のおける部下でありますが。 85 00:06:59,185 --> 00:07:02,622 必要が それを求める。 86 00:07:02,622 --> 00:07:05,792 取り急ぎ 三点ほど伝えておく。 はっ。 87 00:07:05,792 --> 00:07:09,963 第一に 参謀本部と最高統帥府は➨ 88 00:07:09,963 --> 00:07:15,302 東部における大規模作戦の 責任問題で荒れている。 89 00:07:15,302 --> 00:07:18,638 軍は またしても 不可能を期待されているのだ。 90 00:07:18,638 --> 00:07:21,308 今すぐ 戦争を終わらせろ。 91 00:07:21,308 --> 00:07:23,643 素晴らしい勝利で… と。 92 00:07:23,643 --> 00:07:27,814 ならば 東部の空を 徹底して確保し得なければ…。 93 00:07:27,814 --> 00:07:29,816 (レルゲン)それが第二の点だ。 94 00:07:29,816 --> 00:07:33,987 西方の航空情勢は 著しく悪化している。 95 00:07:33,987 --> 00:07:38,992 東部どころか 南方大陸からの 撤兵も検討されるほどだ。 96 00:07:38,992 --> 00:07:43,163 それほどまでに…。 最後に ひとつ…。 97 00:07:43,163 --> 00:07:46,666 首都空襲をやってもらうことに なるやもしれん。 98 00:07:48,668 --> 00:07:51,004 ロンディニウムの直撃でありますか? 99 00:07:51,004 --> 00:07:53,173 いや 違う。 100 00:07:53,173 --> 00:07:55,342 では モスコーに再度? 101 00:07:55,342 --> 00:07:57,844 違うのだ 中佐。 102 00:07:57,844 --> 00:08:00,447 目標は…。 103 00:08:00,447 --> 00:08:10,123 ♬~ 104 00:08:10,123 --> 00:08:13,293 いや やめておこう。 105 00:08:13,293 --> 00:08:16,796 鉄槌作戦では 劇的な勝利を収めた。 106 00:08:16,796 --> 00:08:21,501 私は イルドアによる 講和交渉の一端を担っていたが…。 107 00:08:24,137 --> 00:08:27,140 あれは 本命だった。 108 00:08:27,140 --> 00:08:29,476 軍が用意した停戦案を➨ 109 00:08:29,476 --> 00:08:31,978 政治家どもが 認めさえすればな…。 110 00:08:36,149 --> 00:08:38,651 《やはり 現状を変えるには➨ 111 00:08:38,651 --> 00:08:42,655 政治家連中の目を 覚ますしかないのか》 112 00:08:49,329 --> 00:08:51,998 (ノック) 113 00:08:51,998 --> 00:08:56,336 デグレチャフ中佐です。 復命のため参上いたしました。 114 00:08:56,336 --> 00:08:58,338 (ルーデルドルフ)久しいな 中佐。 115 00:08:58,338 --> 00:09:00,607 壮健そうで何よりだ。 116 00:09:00,607 --> 00:09:02,609 閣下もお変わりないようで。 117 00:09:02,609 --> 00:09:07,614 (ルーデルドルフ)フンッ 余計な仕事は 増えていくばかりだがな。 118 00:09:07,614 --> 00:09:11,284 東部での奮戦 ご苦労だった。 119 00:09:11,284 --> 00:09:15,789 いえ 閣下におかれましても アンドロメダでは 大変なご苦労を。 120 00:09:15,789 --> 00:09:18,792 儀礼的な挨拶は よせ。 121 00:09:18,792 --> 00:09:22,462 いかなる理由があろうと しくじった事実は変わるまい。 122 00:09:22,462 --> 00:09:25,632 そこでだ 前線からの忌憚なき➨ 123 00:09:25,632 --> 00:09:29,135 意見具申を頼む。 はっ。 124 00:09:29,135 --> 00:09:32,138 最低限 戦線整理は やり遂げました。 125 00:09:32,138 --> 00:09:35,975 ですが 小手先です。 小康状態の保全では➨ 126 00:09:35,975 --> 00:09:39,813 確実を意味しえません。 長期的展望のもと➨ 127 00:09:39,813 --> 00:09:41,815 不可避な決心こそが…。 待て。 128 00:09:41,815 --> 00:09:44,651 私は ゼートゥーアと違う。 129 00:09:44,651 --> 00:09:47,487 悠長な議論を偏愛する 悪癖はない。 130 00:09:47,487 --> 00:09:51,658 結論だ。 結論を先に言いたまえ。 131 00:09:51,658 --> 00:09:55,495 閣下 小官は 一介の魔導中佐にすぎません。 132 00:09:55,495 --> 00:09:59,599 参謀課程を経ているとはいえ 野戦勤務が長すぎるため…。 133 00:10:01,668 --> 00:10:04,571 結論か退室か 選べ。 134 00:10:06,506 --> 00:10:09,843 では お言葉に 甘えさせていただきます。 135 00:10:09,843 --> 00:10:13,346 勝利への道筋が見えぬのです。 136 00:10:13,346 --> 00:10:17,684 現場からでは 上層部の 戦争指導が理解できません。 137 00:10:17,684 --> 00:10:21,020 どのように戦争を 終わらせるつもりでしょうか? 138 00:10:21,020 --> 00:10:25,692 その具体案は? 敵野戦軍の撃滅でしょうか? 139 00:10:25,692 --> 00:10:28,361 それとも 要衝の占領でしょうか? 140 00:10:28,361 --> 00:10:31,030 目指すべき ゴールは? 141 00:10:31,030 --> 00:10:35,869 帝国が追求すべき国家目標は 一体どこにあるのでしょう? 142 00:10:35,869 --> 00:10:38,538 勝利だ。 143 00:10:38,538 --> 00:10:41,875 勝利? 我々は 戦争を終わらせるために➨ 144 00:10:41,875 --> 00:10:43,877 どのような勝利を求められて…。 145 00:10:43,877 --> 00:10:47,881 勝利だ。 それ以上でも それ以下でもない。 146 00:10:47,881 --> 00:10:53,052 それでは 軍は 勝利とだけ 命じられているのですか? 147 00:10:53,052 --> 00:10:55,054 そのとおり。 148 00:10:55,054 --> 00:10:59,893 さよう で ありますか? 149 00:10:59,893 --> 00:11:02,829 つまり 最高統帥府は➨ 150 00:11:02,829 --> 00:11:06,833 目指すべき実質的な ゴールすら 策定しえないと。 151 00:11:06,833 --> 00:11:10,503 そのとおり。 そんな馬鹿なことが…? 152 00:11:10,503 --> 00:11:12,505 そのとおり。 153 00:11:12,505 --> 00:11:16,509 やめるという選択肢を 捨て去った アホどもがいなければ➨ 154 00:11:16,509 --> 00:11:20,179 とうの昔に 終わっている戦争なのだがな。 155 00:11:20,179 --> 00:11:23,516 嘆けど 祈れど 変わらずだ。 156 00:11:23,516 --> 00:11:27,353 レルゲン大佐殿も かなり 憔悴しておられました。 157 00:11:27,353 --> 00:11:31,191 いかにして 後方に 現実を理解させるべきか。 158 00:11:31,191 --> 00:11:34,861 貴官は 少し 思い違いをしているようだ。 159 00:11:34,861 --> 00:11:36,863 これは アレだな。 160 00:11:36,863 --> 00:11:40,366 木を見て森を見ずというやつか? 161 00:11:40,366 --> 00:11:44,704 中佐 最高統帥府の政治屋連中も➨ 162 00:11:44,704 --> 00:11:48,708 しょせんは 国民感情を恐れる 生身の人間にすぎん。 163 00:11:48,708 --> 00:11:53,212 連中も マグマのような世論に 溶かされたくはないのだ。 164 00:11:53,212 --> 00:11:55,215 世論… ですか。 165 00:11:55,215 --> 00:11:59,385 ああ 幼いながらに生粋の軍人。 166 00:11:59,385 --> 00:12:02,822 人生の大半を 最前線で過ごしてきた貴官には➨ 167 00:12:02,822 --> 00:12:06,159 実感が湧かぬかもな。 168 00:12:06,159 --> 00:12:10,997 ふむ… 貴官は 今の帝都を肌で感じ➨ 169 00:12:10,997 --> 00:12:14,834 身をもって 祖国の世論を 知る必要があるようだ。 170 00:12:14,834 --> 00:12:17,170 明日 15時…。 (ペンを走らせる音) 171 00:12:17,170 --> 00:12:19,339 中央駅前の広場に来い。 172 00:12:19,339 --> 00:12:24,510 その際の用意は従兵にさせる。 173 00:12:24,510 --> 00:12:28,348 (ウーガ)ルーデルドルフ閣下が そのようなことを…? 174 00:12:28,348 --> 00:12:31,017 ええ 少々 意外でした。 175 00:12:31,017 --> 00:12:33,853 以前の豪胆さは健在でしたが➨ 176 00:12:33,853 --> 00:12:36,522 なんというか その…。 177 00:12:36,522 --> 00:12:38,524 (ウーガ)閣下のおっしゃることの 一端は➨ 178 00:12:38,524 --> 00:12:41,027 すでに貴官の目の前にもある。 179 00:12:41,027 --> 00:12:45,698 んっ? ウーガ中佐殿 これは…。 180 00:12:45,698 --> 00:12:48,201 最近 はやりのハーブティーだ。 181 00:12:48,201 --> 00:12:50,203 健康には いいらしい。 182 00:12:52,205 --> 00:12:54,207 うぇ!? 183 00:12:54,207 --> 00:12:56,542 健康志向を否定はしませんが➨ 184 00:12:56,542 --> 00:13:00,480 文明人としては カフェインを欲するところですね。 185 00:13:00,480 --> 00:13:02,482 お待たせいたしました。 186 00:13:04,484 --> 00:13:07,153 《デデ肉に Kパン…》 187 00:13:07,153 --> 00:13:10,490 味のいいことで知られた この食堂が➨ 188 00:13:10,490 --> 00:13:12,825 まさか このような状況とは…。 189 00:13:12,825 --> 00:13:19,666 前線を支えるため 後方は今や すべてが まがい物だ。 190 00:13:19,666 --> 00:13:24,671 いやはや 総力戦とは 恐ろしいものであります… なっ。 191 00:13:24,671 --> 00:13:29,008 ですが しょせんは 穏やかな労苦です。 192 00:13:29,008 --> 00:13:33,613 戦時下ともなれば それくらいは 甘受してもらうほかありますまい。 193 00:13:36,349 --> 00:13:41,187 中佐 ひとつ貴官に提案がある。 194 00:13:41,187 --> 00:13:46,025 悪くとってほしくはないが 貴官には少しばかり➨ 195 00:13:46,025 --> 00:13:48,861 人間の感情を汲んでもらいたい。 196 00:13:48,861 --> 00:13:54,701 平たく言えば 人間としての 当たり前をやってもらいたいのだ。 197 00:13:54,701 --> 00:13:59,972 それは 小官の人間性に対する 疑義でありますか? 198 00:13:59,972 --> 00:14:02,308 貴官の人格を けなす意図は皆無だ! 199 00:14:02,308 --> 00:14:04,310 わかってほしい! 200 00:14:06,312 --> 00:14:12,318 ただ 貴官は物事の理非に対し 即決を求めすぎる。 201 00:14:12,318 --> 00:14:16,322 挙句 できぬ輩を否定しすぎる。 202 00:14:16,322 --> 00:14:18,825 感情というのは頑強だ。 203 00:14:18,825 --> 00:14:20,827 こじれた それを解きほぐすには➨ 204 00:14:20,827 --> 00:14:23,496 どうしようもなく 時間がかかるものだ。 205 00:14:23,496 --> 00:14:30,002 お気持ちはわかります。 しかし 必要が理性を求めます。 206 00:14:30,002 --> 00:14:33,506 断固たる意志の欠如は 機会損失と同義であり➨ 207 00:14:33,506 --> 00:14:35,675 妨げでしかありえません。 208 00:14:35,675 --> 00:14:39,846 それだ… その精神が理解できん。 209 00:14:39,846 --> 00:14:43,683 皆が皆 貴官と同じように 生きられるわけではない。 210 00:14:43,683 --> 00:14:47,019 私とて いい年をした大人だ。 211 00:14:47,019 --> 00:14:50,690 参謀将校としての 規律訓練も受けた。 212 00:14:50,690 --> 00:14:56,696 にもかかわらず 今の私は… 幼子のように➨ 213 00:14:56,696 --> 00:15:00,633 泣き出したくてたまらない。 214 00:15:00,633 --> 00:15:03,636 中佐殿…。 私は➨ 215 00:15:03,636 --> 00:15:08,141 参謀将校という 怪物であり続けることができん。 216 00:15:08,141 --> 00:15:10,977 きっと 娘が生まれたときからだ。 217 00:15:10,977 --> 00:15:14,814 正直 後方勤務を 勧めてもらったこと➨ 218 00:15:14,814 --> 00:15:16,816 心より感謝している。 219 00:15:16,816 --> 00:15:20,653 軍人の私でさえ この有様だが…。 220 00:15:20,653 --> 00:15:24,323 貴官も 明日には 目の当たりにすることだろう。 221 00:15:24,323 --> 00:15:29,328 疲れ切った帝国を。 帝都の現実というものを…。 222 00:15:33,332 --> 00:15:38,337 《まさか 戦没者の式典に 呼び出されるとは…。 223 00:15:38,337 --> 00:15:41,340 私や閣下も軍装で並べば➨ 224 00:15:41,340 --> 00:15:43,342 悪い意味で目立っただろう。 225 00:15:43,342 --> 00:15:46,179 喪服を用意してもらって 助かったな》 226 00:15:46,179 --> 00:15:58,191 ♬(ラッパ) 227 00:15:58,191 --> 00:16:00,293 (ルーデルドルフ)見えんか? 228 00:16:00,293 --> 00:16:03,129 そ その 私の身長では…。 229 00:16:03,129 --> 00:16:07,800 場所が場所だ。 担ぐわけにもいかんしな。 230 00:16:07,800 --> 00:16:12,305 失礼 できれば この子にも。 231 00:16:16,309 --> 00:16:19,312 (ルーデルドルフ)彼らを見たまえ。 232 00:16:19,312 --> 00:16:22,481 あの手の棺は 遺体が入っていない。 233 00:16:22,481 --> 00:16:25,651 重そうに担ぐ演技だとしても➨ 234 00:16:25,651 --> 00:16:29,155 なんとまぁ ひどいものだ。 235 00:16:29,155 --> 00:16:32,325 歪とは このことか。 236 00:16:32,325 --> 00:16:38,164 ああ 病人と若造が 死者の棺を担ぐ。 237 00:16:38,164 --> 00:16:42,668 この光景こそが 帝国の現状を正しく物語る。 238 00:16:44,670 --> 00:16:47,840 だが それとは違う物語もある。 239 00:16:47,840 --> 00:16:50,843 人々の顔を よく見てみろ。 240 00:17:02,121 --> 00:17:34,487 ♬~ 241 00:17:34,487 --> 00:17:38,658 ここにあるのは 歪んだ日常。 242 00:17:38,658 --> 00:17:45,164 非日常であるべきものが 日常と化して久しい壊れた平穏。 243 00:17:45,164 --> 00:17:48,501 (2人)狂気は 後方まで 染み込んでいる。 244 00:17:48,501 --> 00:17:51,337 人間性をすり潰されるのは…。 245 00:17:51,337 --> 00:17:54,340 最前線だけと思っていないか? 246 00:17:54,340 --> 00:17:59,845 世界の理性は粉砕され 混沌は増すばかりだ。 247 00:17:59,845 --> 00:18:02,949 ゆえに 超越的な存在を…。 248 00:18:02,949 --> 00:18:05,451 信仰を求める。 249 00:18:05,451 --> 00:18:11,791 (存在X)誰もが皆 恐れているのだ。 250 00:18:11,791 --> 00:18:15,795 ♬(ラッパ) 251 00:18:18,464 --> 00:18:23,636 (ルーデルドルフ)今や帝都の住人にとって 戦没者の棺も日常と化した。 252 00:18:23,636 --> 00:18:30,142 ゼートゥーアのやつであれば 死の普遍化 とでも言っただろうな。 253 00:18:30,142 --> 00:18:33,479 しかし 希望を見いだすことも できましょう。 254 00:18:33,479 --> 00:18:35,481 なに? 255 00:18:35,481 --> 00:18:38,317 人々が 過度に 感情的でないのは➨ 256 00:18:38,317 --> 00:18:41,654 まだ 国家理性を宿している 証拠であります。 257 00:18:41,654 --> 00:18:45,825 我々も 近代人である以上は 自由意志に基づき➨ 258 00:18:45,825 --> 00:18:47,827 論理的な話し合いを進めれば…。 259 00:18:47,827 --> 00:18:50,663 (ルーデルドルフ)貴様 アホか。 は…? 260 00:18:50,663 --> 00:18:55,334 アホだな 貴様。 もう少し頭を使え。 261 00:18:55,334 --> 00:18:58,337 そして 常識を取り戻せ。 262 00:18:58,337 --> 00:19:02,608 怒りというのは 限度を超えると 平坦になるものだ。 263 00:19:02,608 --> 00:19:06,946 沸騰しきった人間ほど 案外 落ち着いて見える。 264 00:19:06,946 --> 00:19:09,448 叫べるうちは声に出る。 265 00:19:09,448 --> 00:19:14,286 だが どん底に落ち 声が出なくなってからは…。 266 00:19:14,286 --> 00:19:19,125 つまり 閣下は この静けさこそが危ういと? 267 00:19:19,125 --> 00:19:24,964 ああ 帝都はもはや 爆発寸前の 火薬庫のようだ。 268 00:19:24,964 --> 00:19:29,802 帝国という国そのものが 煉獄にある。 269 00:19:29,802 --> 00:19:36,142 中佐 火のついた世論は怖いぞ。 化け物以上だ。 270 00:19:36,142 --> 00:19:39,812 《確かに世論を軽んずれば➨ 271 00:19:39,812 --> 00:19:43,816 たとえ戦争が終わったとて 混乱は避けられないだろうな。 272 00:19:43,816 --> 00:19:48,654 いつの時代も 世論とは不可解なものだが…。 273 00:19:48,654 --> 00:19:52,491 ならば尚のこと 我々は 為すべきことを➨ 274 00:19:52,491 --> 00:19:55,995 為さねばなりません。 平和のために。 275 00:19:55,995 --> 00:20:01,167 フッ そこまでの平和愛好家だとは 知らなかった。 276 00:20:01,167 --> 00:20:03,502 臆病者ですので。 277 00:20:03,502 --> 00:20:06,672 臆病者? 貴様が? 278 00:20:06,672 --> 00:20:10,676 驚いたな 何かの童話になるほどだ。 279 00:20:10,676 --> 00:20:15,514 ぜひ 参謀本部のご出版で 印税を期待させてください。 280 00:20:15,514 --> 00:20:18,350 フッ 印税ときたか。 281 00:20:18,350 --> 00:20:21,353 いいとも 約束してやる。 282 00:20:21,353 --> 00:20:23,856 無事に戦後を迎えたら➨ 283 00:20:23,856 --> 00:20:27,026 貴様の告白を 絵本にして出してやろう。 284 00:20:27,026 --> 00:20:29,695 なんとも光栄極まりません。 285 00:20:29,695 --> 00:20:33,532 タイトルは… そうだな? 286 00:20:33,532 --> 00:20:38,537 『臆病者の英雄』でどうだ? 287 00:20:38,537 --> 00:20:51,350 ♬~ 288 00:20:54,386 --> 00:20:56,388 ひどい戯言だな…。 289 00:20:56,388 --> 00:21:00,326 プロパガンダとは 信じさせるものだろうに。 290 00:21:00,326 --> 00:21:09,001 《誰もが夢を見たがっている。 偉大な祖国の偉大な勝利を。 291 00:21:09,001 --> 00:21:12,104 正直 頭がおかしくなりそうだ》 292 00:21:20,179 --> 00:21:25,017 ⸨皆が皆 貴官と同じように 生きられるわけではない。 293 00:21:25,017 --> 00:21:29,188 アホだな 貴様。 もう少し 頭を使え。 294 00:21:29,188 --> 00:21:32,191 そして 常識を取り戻せ⸩ 295 00:21:32,191 --> 00:21:37,530 《いや おかしいのは私のほうか? 296 00:21:37,530 --> 00:21:42,368 これまでは 後方での文化的な 生活を望んでいたが…。 297 00:21:42,368 --> 00:21:47,373 今の帝国に生きる以上 望みは叶うまい》 298 00:21:47,373 --> 00:21:51,377 よくも こんな世界に 放り込んでくれたな。 299 00:21:51,377 --> 00:21:55,581 クソッタレの存在Xめ! 300 00:23:26,171 --> 00:23:28,173 (3人)わぁ~! 301 00:23:28,173 --> 00:23:33,512 な… なんだ コレは? 302 00:23:33,512 --> 00:23:36,682 ルーデルドルフ閣下から 孫と出かけるような衣装を➨ 303 00:23:36,682 --> 00:23:38,684 見繕うようにと伺いまして➨ 304 00:23:38,684 --> 00:23:41,020 とっておきの服を ご用意しました! 305 00:23:41,020 --> 00:23:45,357 出かける先は 戦没者の式典と聞いていたが? 306 00:23:45,357 --> 00:23:47,359 あらぁ…。 307 00:23:47,359 --> 00:23:51,030 (3人)それなら…。 こちらはいかがですか? 308 00:23:51,030 --> 00:23:54,133 却下で。 (3人)えぇ~!