1 00:00:05,005 --> 00:00:10,010 ♬~ 2 00:00:10,010 --> 00:00:15,315 (ターニャ)あははは…! 3 00:00:19,686 --> 00:00:23,523 《イルドアの不義理に対する 友好的な観光旅行。 4 00:00:23,523 --> 00:00:28,328 正直 威圧だが 誰も死なない 楽でマシな仕事だ》 5 00:00:34,535 --> 00:00:37,371 《パリッと 糊の効いた袖。 6 00:00:37,371 --> 00:00:39,706 きれいに磨かれた ブーツ。 7 00:00:39,706 --> 00:00:42,376 きちんと折り目のついた襟。 8 00:00:42,376 --> 00:00:46,046 ここまで整えられた軍服は ずいぶんと久しいな。 9 00:00:46,046 --> 00:00:51,551 あげく 私の小さな身長に ぶしつけな視線か…》 10 00:00:58,725 --> 00:01:03,664 《なぜだ? 空は こんなに 晴れやかだというのに。 11 00:01:03,664 --> 00:01:09,670 落ち着かん。 なんなんだ? この居心地の悪さは…》 12 00:02:56,877 --> 00:02:59,212 (足音) 13 00:02:59,212 --> 00:03:01,715 失礼いたします。 14 00:03:06,319 --> 00:03:09,656 《そんなところに置いたら 振動で…。 15 00:03:09,656 --> 00:03:12,159 揺れない? 16 00:03:12,159 --> 00:03:18,498 帝国では考えられん。 保線状況が こうも違うか? 17 00:03:18,498 --> 00:03:21,835 平和の配当は かくも巨大か。 18 00:03:21,835 --> 00:03:26,339 平和万歳 羨ましいかぎりだ。 19 00:03:29,509 --> 00:03:32,679 《はぁ~! パンの中のパン…。 20 00:03:32,679 --> 00:03:36,516 製粉された 白い小麦を使ったやつ。 21 00:03:36,516 --> 00:03:40,520 帝都では Kパンすら 数量制限されているというのに。 22 00:03:40,520 --> 00:03:42,856 カランドロ大佐は まだか? 23 00:03:42,856 --> 00:03:45,525 餌を前に お預けの嫌がらせなど➨ 24 00:03:45,525 --> 00:03:47,527 鬼畜にも劣る!》 25 00:03:47,527 --> 00:03:49,529 んっ…。 26 00:03:53,366 --> 00:03:56,536 あ~…。 27 00:03:56,536 --> 00:03:58,538 (カランドロ)デグレチャフ中佐。 28 00:03:58,538 --> 00:04:02,809 これは 大佐殿。 すまないな 待たせてしまった。 29 00:04:02,809 --> 00:04:05,812 軍の官僚連中が 諸君の予定を➨ 30 00:04:05,812 --> 00:04:08,482 歓迎会で 埋め尽くそうとしていてな。 31 00:04:08,482 --> 00:04:11,651 我々が そこまでの 人気者だったとは…。 32 00:04:11,651 --> 00:04:15,322 お外に出すのも 惜しむほど友情を深めたいと? 33 00:04:15,322 --> 00:04:18,825 なに マシな旅を私が用意した。 34 00:04:18,825 --> 00:04:21,161 東部で世話になった縁だ。 35 00:04:21,161 --> 00:04:25,165 自由で有意義で 平和な観光旅行を約束する。 36 00:04:25,165 --> 00:04:31,004 いやはや 大佐殿のお言葉は 含蓄が豊富でいらっしゃいます。 37 00:04:31,004 --> 00:04:35,842 この穏やかな太陽は 人を詩人にも 雄弁家にも➨ 38 00:04:35,842 --> 00:04:38,011 音楽家にも至らしめるのだ。 39 00:04:38,011 --> 00:04:42,849 人間だけでなく イルドアの自然も 太陽が大好きでね。 40 00:04:42,849 --> 00:04:45,852 日差しを 目いっぱいに浴びた レモンや➨ 41 00:04:45,852 --> 00:04:50,357 ブラッドオレンジの芳醇な香りにも 我が国の歴史が刻まれて…。 42 00:04:50,357 --> 00:04:53,059 《いいかげんにしろ! メシは まだか!》 43 00:04:58,698 --> 00:05:01,301 さて 歓迎の宴だ。 44 00:05:01,301 --> 00:05:03,803 何がいいかな? お好みは? 45 00:05:03,803 --> 00:05:06,807 拝見いたします。 46 00:05:06,807 --> 00:05:10,810 《食堂車にして この品数とはな。 47 00:05:10,810 --> 00:05:14,981 帝都では デデ肉焼き 一択だというのに…》 48 00:05:14,981 --> 00:05:18,485 ちなみに オススメは海鮮料理だな。 49 00:05:18,485 --> 00:05:23,824 コース料理の定番とは違うが ここは 下手な港以上の品ぞろえだ。 50 00:05:23,824 --> 00:05:26,493 本当に うまい魚は貴重だよ。 51 00:05:26,493 --> 00:05:29,329 食べられるときに 堪能するにかぎる。 52 00:05:29,329 --> 00:05:34,668 では メインをあえて… この魚のマリネにいたします。 53 00:05:34,668 --> 00:05:37,504 おお 素晴らしい選択だ。 54 00:05:37,504 --> 00:05:41,508 ところで 前哨戦も 期待が高まるのですが。 55 00:05:41,508 --> 00:05:47,013 ああ 前菜なら… 軽い 牛肉のタルタルは どうだね? 56 00:05:47,013 --> 00:05:51,851 帝国式とは違うやもしれんが こちらも 牛肉には自信がある。 57 00:05:51,851 --> 00:05:53,853 では そちらを。 58 00:05:53,853 --> 00:05:57,524 《ふんっ 果たして どれだけのものか? 59 00:05:57,524 --> 00:06:00,327 この身をもって 確かめさせてもらおう》 60 00:06:08,635 --> 00:06:10,971 《あぁっ…!》 61 00:06:10,971 --> 00:06:14,274 さて 貴官の感想が楽しみだ。 62 00:06:18,645 --> 00:06:21,648 《ふっ パッと見はシンプルな…》 63 00:06:25,485 --> 00:06:28,154 《うぅ~ うまい! 64 00:06:28,154 --> 00:06:31,157 感動的なまでに 濃縮された うまみだ! 65 00:06:31,157 --> 00:06:34,995 肉の甘さを引き立てる ほのかに刺激的な スパイスなど➨ 66 00:06:34,995 --> 00:06:36,997 まずい タルタルにありがちな➨ 67 00:06:36,997 --> 00:06:40,333 胡椒で生臭さを ごまかす小細工とは別次元! 68 00:06:40,333 --> 00:06:43,503 くず肉のブルストに慣れた舌では 卒倒しそうだぞ! 69 00:06:43,503 --> 00:06:47,307 イルドアの肉 恐るべし》 70 00:06:50,677 --> 00:06:54,514 《パンチのある前菜のあとに 軽めの ポタージュ…。 71 00:06:54,514 --> 00:06:59,119 メニューの構成に若干の疑問を 抱かざるをえないが果たして》 72 00:07:01,121 --> 00:07:04,124 《この 鼻に抜ける 爽やかな香りと甘み! 73 00:07:04,124 --> 00:07:06,126 これは ズッキーニか! 74 00:07:06,126 --> 00:07:09,796 初夏を感じさせる 新鮮な旬の野菜に加え➨ 75 00:07:09,796 --> 00:07:12,966 タルタルにも負けぬ うまみを下支えする ブイヨン! 76 00:07:12,966 --> 00:07:18,471 シンプルな一品だからこそ 感じられる丁寧な仕事だ。 77 00:07:18,471 --> 00:07:20,473 はぁ~!》 78 00:07:23,810 --> 00:07:26,646 《合間に供される やや軽めの炭酸水。 79 00:07:26,646 --> 00:07:28,648 泥水に慣れた口には➨ 80 00:07:28,648 --> 00:07:33,987 ミネラルの甘さが忌々しいほどに 感じ取れる》 81 00:07:33,987 --> 00:07:37,324 さぁ 次は 肝心のメインだ。 82 00:07:37,324 --> 00:07:40,994 新鮮な魚のマリネは 絶品だよ。 83 00:07:40,994 --> 00:07:45,832 食べ慣れていないと少しばかり 味のクセが強いとは思うがね。 84 00:07:45,832 --> 00:07:49,169 《ふんっ なにが 食べ慣れていないとだ。 85 00:07:49,169 --> 00:07:51,338 こちとら 元来は日本人。 86 00:07:51,338 --> 00:07:54,641 魚料理に対する評価は厳しいぞ》 87 00:07:58,678 --> 00:08:00,680 《わぁ…》 88 00:08:06,619 --> 00:08:09,456 《魚のうまみの 限界すら超えた何か…。 89 00:08:09,456 --> 00:08:13,126 言葉で形容することさえ 軽薄に感じる。 90 00:08:13,126 --> 00:08:17,130 そして この 爽やかな酸味のソースは…。 91 00:08:17,130 --> 00:08:19,132 そうか…。 92 00:08:19,132 --> 00:08:22,035 これこそが イルドアの誇る…》 93 00:08:31,144 --> 00:08:36,316 どうかな? 見るからに ご満足いただけたようだが。 94 00:08:36,316 --> 00:08:41,154 生まれて初めて 降伏という単語が 頭をよぎりました。 95 00:08:41,154 --> 00:08:46,159 完敗です。 ははっ 帝国の 銀翼持ちを降伏させるか。 96 00:08:46,159 --> 00:08:51,498 貴官らは銃で戦い シェフは 包丁さばきで戦うというわけだ。 97 00:08:51,498 --> 00:08:53,833 いやはや 文化的でいらっしゃる。 98 00:08:53,833 --> 00:08:56,669 とはいえ 砲弾の前の平等も➨ 99 00:08:56,669 --> 00:08:58,838 悪い体験ではなかったでしょう。 100 00:08:58,838 --> 00:09:02,942 また いつでも 我々の塹壕に歓迎いたしますが。 101 00:09:02,942 --> 00:09:07,113 そうだな… また 観戦武官を手配するときは➨ 102 00:09:07,113 --> 00:09:09,115 世話になるよ。 103 00:09:09,115 --> 00:09:11,785 《観戦武官か…。 104 00:09:11,785 --> 00:09:13,953 味方としての参戦はもとより➨ 105 00:09:13,953 --> 00:09:17,457 敵になる気も 皆無だからこその言葉だ。 106 00:09:17,457 --> 00:09:20,960 大戦は 完全に他人事か? 107 00:09:20,960 --> 00:09:25,465 平和で文化的で なによりも豊かな世界からの➨ 108 00:09:25,465 --> 00:09:29,302 観察者気取りか。 なるほど…》 109 00:09:29,302 --> 00:09:31,304 これは いらだてる。 110 00:09:33,306 --> 00:09:37,143 《いかんな 私としたことが…。 111 00:09:37,143 --> 00:09:41,147 他人に嫉妬など 非生産的の極みだろうに》 112 00:09:52,659 --> 00:09:56,830 空気が明るいですな。 なに? 113 00:09:56,830 --> 00:10:00,333 戦没者を嘆く必要がなし。 114 00:10:00,333 --> 00:10:03,837 死者への負債がない世界は なんとも…。 115 00:10:06,506 --> 00:10:10,343 改めて 首都にようこそ! デグレチャフ中佐! 116 00:10:10,343 --> 00:10:14,547 同盟国の友人を 歓迎させていただくよ! 117 00:10:18,685 --> 00:10:22,188 こちらは? 入国査証と身分証明書。 118 00:10:22,188 --> 00:10:25,859 あとは イルドア参謀本部からの 小切手です。 119 00:10:25,859 --> 00:10:29,696 (カランドロ)ガスマン閣下のご厚意で 機密費から ひねり出した。 120 00:10:29,696 --> 00:10:32,866 さすがに 上限なしとはいかんがね。 121 00:10:32,866 --> 00:10:34,868 《私が上に掛け合っても➨ 122 00:10:34,868 --> 00:10:38,705 せいぜい ジャガイモくらいしか 確保できんだろうに。 123 00:10:38,705 --> 00:10:41,875 どうにも 惨めなことだ》 124 00:10:41,875 --> 00:10:46,546 ご厚意に感謝します。 我が部隊一同 大いに飲み➨ 125 00:10:46,546 --> 00:10:49,549 食らうと思いますが 差し支えないでしょうか? 126 00:10:49,549 --> 00:10:52,218 もちろんだ。 諸君らが➨ 127 00:10:52,218 --> 00:10:54,888 航空用ガソリンでも がぶ飲みしないかぎりな。 128 00:10:54,888 --> 00:10:56,890 ガソリン? 129 00:10:56,890 --> 00:11:01,160 あっ あぁ… 因果を レルゲン大佐から聞いていないのか? 130 00:11:01,160 --> 00:11:03,163 帝国は友人だ。 131 00:11:03,163 --> 00:11:05,999 友人が 燃料事情に 困窮していると聞けば➨ 132 00:11:05,999 --> 00:11:10,503 よき同盟国として 貢献の一つもするものさ。 133 00:11:10,503 --> 00:11:15,008 共に血を流すかわりに 燃料を流すというわけですか。 134 00:11:15,008 --> 00:11:17,844 ご配慮に御礼申し上げます。 135 00:11:17,844 --> 00:11:24,017 機会があれば 皆さまのご支援を 広く触れて回りましょう。 136 00:11:24,017 --> 00:11:27,353 勘弁してくれ! たとえ公然の秘密でも➨ 137 00:11:27,353 --> 00:11:29,689 秘密は秘密なのだ。 138 00:11:29,689 --> 00:11:31,691 帝国の敵にはにらまれ➨ 139 00:11:31,691 --> 00:11:35,695 帝国軍人は ほとんど 感謝しない支援ですかな? 140 00:11:35,695 --> 00:11:37,864 我々なりの誠意さ。 141 00:11:37,864 --> 00:11:40,033 貴国と仲よくやりたいのだ。 142 00:11:40,033 --> 00:11:42,368 風見鶏ですまないがね。 143 00:11:42,368 --> 00:11:48,041 誰の敵でもないということは 誰の友でもないと申しますが。 144 00:11:48,041 --> 00:11:51,044 中佐 恨み言はやめてくれ。 145 00:11:51,044 --> 00:11:53,546 イルドアは あくまで厳正中立だ。 146 00:11:53,546 --> 00:11:57,216 よき隣人でありたいと 願うばかりのな。 147 00:11:57,216 --> 00:12:00,153 《イルドアは 正しい。 148 00:12:00,153 --> 00:12:03,656 戦争から距離を取れるならば 取るべきだ。 149 00:12:03,656 --> 00:12:05,992 ただ 悲しむべきことに➨ 150 00:12:05,992 --> 00:12:10,330 彼らが本心から 戦争を望まないとしても…。 151 00:12:10,330 --> 00:12:13,533 いや すべては仮定か》 152 00:12:17,003 --> 00:12:21,007 《そのあとは 大いに騒ぎ 大いに飲み…。 153 00:12:21,007 --> 00:12:25,845 にぎやかな イルドア滞在は あっという間に過ぎた。 154 00:12:25,845 --> 00:12:29,349 旅程の延長を希望する 部下が出てくるのも➨ 155 00:12:29,349 --> 00:12:31,351 当然だろう》 156 00:12:37,023 --> 00:12:40,193 (ヴィーシャ)中佐殿 いかがされましたか? 157 00:12:40,193 --> 00:12:43,696 案ずるな 大事ない。 158 00:12:43,696 --> 00:12:47,867 はぁ… ですが 気落ちなさっているようですし。 159 00:12:47,867 --> 00:12:51,671 なに 少しばかり考え事をな。 160 00:12:54,874 --> 00:12:57,710 やはり 本物はいいな。 161 00:12:57,710 --> 00:13:00,146 私も買い込みました。 162 00:13:00,146 --> 00:13:03,316 イルドア軍の小切手でしたので 遠慮なく。 163 00:13:03,316 --> 00:13:07,320 それに イルドア側のご配慮で チョコや白砂糖も。 164 00:13:07,320 --> 00:13:09,989 お土産 たくさんです。 165 00:13:09,989 --> 00:13:15,328 彼らと同じくらい 我が参謀本部の 気前がよければと思うよ。 166 00:13:15,328 --> 00:13:18,164 かなわぬ夢だとわかっているが。 167 00:13:18,164 --> 00:13:21,501 お料理 おいしかったですもんね。 168 00:13:21,501 --> 00:13:27,840 それに なんというか 色が豊かでした。 169 00:13:27,840 --> 00:13:30,043 ああ まったくだ。 170 00:13:32,345 --> 00:13:37,016 ところで中尉 赤ワインと白ワインは どちらが好みだね? 171 00:13:37,016 --> 00:13:39,686 へっ ワインでありますか? 172 00:13:39,686 --> 00:13:43,856 手土産を買い込みすぎた。 なんなら副長らと空けてこい。 173 00:13:43,856 --> 00:13:47,026 よろしいのですか? ありがとうございます! 174 00:13:47,026 --> 00:13:49,529 (鼻歌) 175 00:13:51,531 --> 00:13:53,533 (レールがきしむ音) 176 00:13:53,533 --> 00:13:59,205 《レールのきしみ具合で 国境越えを実感か…。 177 00:13:59,205 --> 00:14:02,709 同じ世界の国ながら こうまで異なるとは…》 178 00:14:05,144 --> 00:14:08,848 《やはり 次を考えるべきなのか?》 179 00:14:22,328 --> 00:14:25,331 《次を考えながらも…。 180 00:14:25,331 --> 00:14:27,500 V-2運用の報告書や➨ 181 00:14:27,500 --> 00:14:31,504 イルドア滞在時の見聞記を 提出せねばならない。 182 00:14:31,504 --> 00:14:34,006 次を考えながらも…。 183 00:14:34,006 --> 00:14:36,008 慣習には縛られる。 184 00:14:36,008 --> 00:14:40,847 組織人としての挨拶回りや お土産配りは欠かせない》 185 00:14:40,847 --> 00:14:45,518 はっ? メーベルト大尉と トスパン中尉が拘束? 186 00:14:45,518 --> 00:14:48,187 (レルゲン)されていた… が正解だ。 187 00:14:48,187 --> 00:14:51,190 貴官の留守中の出来事なのだが。 188 00:14:53,192 --> 00:14:55,194 ⸨メーベルト:せめて 警告射撃の許可を! 189 00:14:55,194 --> 00:14:58,531 近づかれてしまっては 砲兵部隊だけでは対処が…。 190 00:14:58,531 --> 00:15:01,634 ☎️待て! 現在 相手の所属を確認中だ。 191 00:15:01,634 --> 00:15:03,636 軽率な行動は…。 (トスパン)大尉殿! 192 00:15:03,636 --> 00:15:05,638 (トスパン)船団より魔導師! 193 00:15:05,638 --> 00:15:08,307 襲撃隊列で 急速接近中! 敵です! 194 00:15:08,307 --> 00:15:10,810 だから言っただろうに! 195 00:15:10,810 --> 00:15:12,979 トスパン中尉 友軍魔導師は!? 196 00:15:12,979 --> 00:15:16,482 出ていません。 こちらの防御陣地は…。 197 00:15:16,482 --> 00:15:19,152 くそっ! 砲撃準備を打ち切れ! 198 00:15:19,152 --> 00:15:21,154 近接戦闘 用意! 199 00:15:21,154 --> 00:15:23,156 ☎️ 200 00:15:23,156 --> 00:15:26,659 ☎️砲台! なぜ砲撃が始まらない? 201 00:15:26,659 --> 00:15:28,661 ☎️敵舟艇の接近を許すな! 202 00:15:28,661 --> 00:15:32,498 通信不通! 爾後 独断専行する! 203 00:15:32,498 --> 00:15:34,500 近接戦闘継続!⸩ 204 00:15:34,500 --> 00:15:39,172 私の部下が提言した予防策を 聞き流したあげく➨ 205 00:15:39,172 --> 00:15:41,174 危機対応には 茶々入れ。 206 00:15:41,174 --> 00:15:44,343 軍務とは 現実に 対処することだとばかり➨ 207 00:15:44,343 --> 00:15:48,514 思っておりましたが… 他人の幻想を満たすことだとは➨ 208 00:15:48,514 --> 00:15:50,683 夢想だにしえませんでした。 209 00:15:50,683 --> 00:15:53,686 貴官が憤るのも道理だな。 210 00:15:53,686 --> 00:15:55,855 こんな横暴は許されん。 211 00:15:55,855 --> 00:15:59,692 こちらで 憲兵司令部にねじ込んで 釈放済みだ。 212 00:15:59,692 --> 00:16:02,795 感謝申し上げます。 とはいえ➨ 213 00:16:02,795 --> 00:16:06,132 セクショナリズムに 想像力の欠如。 214 00:16:06,132 --> 00:16:08,968 東部での教訓が 活かされないだけでなく➨ 215 00:16:08,968 --> 00:16:12,305 優秀で誠実な士官ほど 報われないとなると➨ 216 00:16:12,305 --> 00:16:14,974 小官としても さすがに…。 217 00:16:14,974 --> 00:16:17,143 そう言ってくれるな 中佐。 218 00:16:17,143 --> 00:16:21,147 詫びではないが 貴官らに叙勲の話も出ている。 219 00:16:21,147 --> 00:16:23,649 期待してくれてかまわない。 220 00:16:23,649 --> 00:16:25,651 それは光栄ですが…。 221 00:16:25,651 --> 00:16:30,323 お情けのメダルばかり ぶら下げても しかたありますまい。 222 00:16:30,323 --> 00:16:34,160 そうだな… 願わくは平時を迎え➨ 223 00:16:34,160 --> 00:16:37,163 勝利こそを 子孫らへ自慢したいものだ。 224 00:16:37,163 --> 00:16:39,832 大佐殿は ご結婚のめどが? 225 00:16:39,832 --> 00:16:43,503 開戦前に そろそろ という話はあったが…。 226 00:16:43,503 --> 00:16:47,673 戦争が終わったならば 少しばかり考えるとも。 227 00:16:47,673 --> 00:16:49,675 それはそれは。 228 00:16:49,675 --> 00:16:53,846 いずれにせよ どうにか ケリをつけたいものです。 229 00:16:53,846 --> 00:16:57,850 うまくいけば 戦後の印税生活も 約束されていますので。 230 00:16:57,850 --> 00:17:00,453 印税生活? 231 00:17:00,453 --> 00:17:04,123 ルーデルドルフ閣下が 小官の絵本を書いてくださると。 232 00:17:04,123 --> 00:17:07,126 絵本だと? あの閣下が? 233 00:17:07,126 --> 00:17:10,796 小官を主人公にした 閣下肝煎りの絵本です。 234 00:17:10,796 --> 00:17:13,466 なかなか 面白いとは思いませんか? 235 00:17:13,466 --> 00:17:17,303 ふっ そうなれば 本当に愉快だな。 236 00:17:17,303 --> 00:17:20,473 私に コーヒーの一杯でも おごってくれたまえ。 237 00:17:20,473 --> 00:17:24,477 ええ 喜んで。 238 00:17:24,477 --> 00:17:26,979 《次を考えながらも…》 239 00:17:32,652 --> 00:17:36,322 《いや 考える時間がない! まさに ブラックな職場で➨ 240 00:17:36,322 --> 00:17:39,492 転職活動すらも ままならない 状況そのもの! 241 00:17:39,492 --> 00:17:41,661 私は 一体どうすれば…》 242 00:17:41,661 --> 00:17:43,996 (ロメール)デグレチャフ中佐。 243 00:17:43,996 --> 00:17:45,998 ロメール閣下! 244 00:17:45,998 --> 00:17:49,302 おう 中佐 世話になったな。 245 00:17:53,005 --> 00:17:56,175 え~…。 246 00:17:56,175 --> 00:17:58,678 ああっ! 閣下…。 247 00:17:58,678 --> 00:18:00,613 少々 過ぎませんか? 248 00:18:00,613 --> 00:18:03,449 帝都には 重点がない。 249 00:18:03,449 --> 00:18:06,452 しらふでは空気も吸えん。 250 00:18:06,452 --> 00:18:08,454 えぇ…。 251 00:18:08,454 --> 00:18:10,623 現実はどこだね? 252 00:18:10,623 --> 00:18:13,125 現実への出口は どこにある? 253 00:18:13,125 --> 00:18:15,628 前線帰りの本音ですな。 254 00:18:15,628 --> 00:18:18,297 後方の幻想を満たせないだけで➨ 255 00:18:18,297 --> 00:18:22,802 現場の我々が 面罵される。 不条理の極みです。 256 00:18:22,802 --> 00:18:24,804 ふんっ! 257 00:18:24,804 --> 00:18:29,642 人は見たいものだけを見て 見たいものしか見つけない。 258 00:18:29,642 --> 00:18:35,481 それは ルーデルドルフ閣下とて 同じだろうて! 259 00:18:35,481 --> 00:18:37,650 中佐! 260 00:18:37,650 --> 00:18:42,555 見えるものだけが すべてと思うなよ。 261 00:18:57,837 --> 00:19:00,639 (ルーデルドルフ)活躍のほどは 聞いている。 262 00:19:04,276 --> 00:19:07,446 現状は… よくない。 263 00:19:07,446 --> 00:19:11,784 しかし 小康状態は 確保し得ているかと思うのですが。 264 00:19:11,784 --> 00:19:15,955 東部を ゼートゥーアが 固めてくれている分➨ 265 00:19:15,955 --> 00:19:18,124 よくも悪くも… な。 266 00:19:18,124 --> 00:19:20,292 何か 情勢に変化が? 267 00:19:20,292 --> 00:19:25,297 最高統帥府には 夢があるそうでな。 268 00:19:25,297 --> 00:19:27,967 夢… でありますか? 269 00:19:27,967 --> 00:19:32,638 新領土 巨額の 戦時賠償獲得の夢だ。 270 00:19:32,638 --> 00:19:37,476 戦争で 血を流し過ぎた分を 補填したいそうだ。 271 00:19:37,476 --> 00:19:40,479 同じ世界の話とは思えません。 272 00:19:40,479 --> 00:19:42,481 どのようにして 国内を説得するかを➨ 273 00:19:42,481 --> 00:19:44,483 考慮すべきでは? 274 00:19:44,483 --> 00:19:47,153 軍が 政治に容喙せよと? 275 00:19:47,153 --> 00:19:50,156 現状においては 避けがたいかと。 276 00:19:50,156 --> 00:19:54,326 政治が語りたいならば 退役してからにしたまえ。 277 00:19:54,326 --> 00:19:58,998 退役させていただけるのであれば 即刻 文民として➨ 278 00:19:58,998 --> 00:20:00,100 議会でも目指しますが。 279 00:20:00,100 --> 00:20:04,170 貴官は 肝心の政治に疎いようだな。 280 00:20:04,170 --> 00:20:08,841 参政権には年齢制限がある。 知らんのかね? 281 00:20:08,841 --> 00:20:10,843 失礼いたしました。 282 00:20:10,843 --> 00:20:14,847 あまりにも年配の人間が だらしないもので つい…。 283 00:20:14,847 --> 00:20:19,051 現状では手詰まりです。 284 00:20:23,856 --> 00:20:29,695 閣下 我々は言うべきを伝える 義務があります! 285 00:20:29,695 --> 00:20:36,368 イルドアの制圧… 最高統帥府は 真剣に検討を始めおったわ。 286 00:20:36,368 --> 00:20:39,538 イルドア? 制圧? 287 00:20:39,538 --> 00:20:41,707 南方の懸案を処理すれば➨ 288 00:20:41,707 --> 00:20:44,543 南方方面軍から 相当の戦力を➨ 289 00:20:44,543 --> 00:20:48,547 東部に転用可能になるだろう という話だ。 290 00:20:48,547 --> 00:20:52,384 無茶です。 イルドア全土を 一撃で制圧しないかぎり➨ 291 00:20:52,384 --> 00:20:55,221 南方方面軍は 泥沼にはまります。 292 00:20:55,221 --> 00:20:57,923 戦略的奇襲に成功したところで…。 293 00:21:01,327 --> 00:21:06,832 《イルドアの連中 戦争への覚悟と 備えがあるのか? 294 00:21:06,832 --> 00:21:11,337 いかん 今なら作戦次元では やれるかもしれない。 295 00:21:11,337 --> 00:21:15,341 戦略的には 愚行も愚行だが…》 296 00:21:15,341 --> 00:21:17,510 ふぅ~。 297 00:21:17,510 --> 00:21:21,847 中佐 所詮 検討だ。 298 00:21:21,847 --> 00:21:25,851 成算なしとなれば 上には それを説明すれば済む。 299 00:21:25,851 --> 00:21:28,521 気にしすぎるな。 300 00:21:28,521 --> 00:21:32,358 とはいえ 活路が欲しいのも事実だ。 301 00:21:32,358 --> 00:21:37,363 イルドアの連中 そろそろ 役立ってほしいものだがな。 302 00:23:09,822 --> 00:23:14,493 イルドア持ちだとはいえ 少々 買い過ぎたかもしれないですね。 303 00:23:14,493 --> 00:23:18,998 はっ! もし このパンパンの背嚢を 中佐殿に見られたら…。 304 00:23:18,998 --> 00:23:21,667 ⸨さすがに その量は やり過ぎだぞ。 305 00:23:21,667 --> 00:23:23,669 人の金をなんだと思っている? 306 00:23:23,669 --> 00:23:25,838 もっ 申し訳ありません!⸩ 307 00:23:25,838 --> 00:23:28,173 えぇ…。 セレブリャコーフ中尉。 308 00:23:28,173 --> 00:23:30,175 はひっ! (足音) 309 00:23:32,177 --> 00:23:34,847 イルドアでの滞在が 今日までだと思うと➨ 310 00:23:34,847 --> 00:23:36,849 名残惜しいな。 311 00:23:36,849 --> 00:23:38,851 そ そうですね。 312 00:23:38,851 --> 00:23:42,354 えっ…。 んっ? どうしたのかね? 313 00:23:42,354 --> 00:23:45,524 いや なんでも…。 そうか。 314 00:23:45,524 --> 00:23:49,361 さぁ 我らが愛する帝国に戻るぞ! 315 00:23:49,361 --> 00:23:51,363 はい!