1 00:00:38,605 --> 00:00:44,778 ♬~ 2 00:00:44,778 --> 00:00:46,780 (ゼートゥーア)約束の紅茶だ。 3 00:00:48,949 --> 00:00:51,952 (ターニャ)これはこれは よいセンスですね。 4 00:00:51,952 --> 00:00:55,122 イルドアの友人からですか? 5 00:00:55,122 --> 00:00:58,625 (ゼートゥーア)同盟国の友情に感謝だな。 6 00:00:58,625 --> 00:01:01,962 今のところはだが…。 7 00:01:01,962 --> 00:01:04,798 改めて救援に感謝する。 8 00:01:04,798 --> 00:01:07,634 さすがだな デグレチャフ中佐。 9 00:01:07,634 --> 00:01:11,805 主攻の援護としては これ以上にない戦果だ。 10 00:01:11,805 --> 00:01:15,309 肉壁として将兵を すり潰したまでのことです。 11 00:01:15,309 --> 00:01:17,477 己の才覚ではありません。 12 00:01:17,477 --> 00:01:21,315 ひいては それを命じた 人間の責任と? 13 00:01:21,315 --> 00:01:25,152 面白い嫌味だ。 小官の立場としては➡ 14 00:01:25,152 --> 00:01:28,655 形式的儀礼を尊重し 沈黙すべきかと。 15 00:01:28,655 --> 00:01:33,260 フンッ 相変わらずだな。 貴官は 揺らぐことがない。 16 00:01:33,260 --> 00:01:36,430 自分を信じておりますので。 17 00:01:36,430 --> 00:01:39,766 《いつだって我が道を行くのだ。 18 00:01:39,766 --> 00:01:44,104 存在Xのような輩に 運命を委ねるより➡ 19 00:01:44,104 --> 00:01:47,274 己の自己決定権を信ずる…。 20 00:01:47,274 --> 00:01:51,445 それが 近代人としての 矜持に他ならない》 21 00:01:51,445 --> 00:01:56,450 優雅な時間に 水を差すようで悪いが 凶報だ。 22 00:01:56,450 --> 00:01:59,953 アンドロメダが頓挫した。 23 00:01:59,953 --> 00:02:04,624 な 南部諸都市を抜けなかったと? 24 00:02:04,624 --> 00:02:06,626 それ以前の問題だ。 25 00:02:06,626 --> 00:02:10,464 ヨセフグラードまでは 電撃的に進軍しえたが➡ 26 00:02:10,464 --> 00:02:13,133 以降は 補給が破綻。 27 00:02:13,133 --> 00:02:15,135 連邦軍にも防備を固められた。 28 00:02:15,135 --> 00:02:17,304 攻勢限界だ。 29 00:02:17,304 --> 00:02:20,641 では 目標の資源地帯は…。 30 00:02:20,641 --> 00:02:23,343 (ゼートゥーア)とても届かんよ。 31 00:04:10,784 --> 00:04:15,789 驚きです。 あの ルーデルドルフ閣下がしくじるとは。 32 00:04:15,789 --> 00:04:19,626 肝心の物動が 間に合わなかったのだろう。 33 00:04:19,626 --> 00:04:22,629 鉄道部は よくやっていたようだが…。 34 00:04:22,629 --> 00:04:26,133 やはり 物そのものが 足りませんか。 35 00:04:26,133 --> 00:04:28,935 足りんのだろうな。 36 00:04:31,471 --> 00:04:35,742 (ゼートゥーア)兵士はおろか 糧食も砲弾も ままならんようだ。 37 00:04:35,742 --> 00:04:38,745 これまでは 私が戦務として➡ 38 00:04:38,745 --> 00:04:41,248 無い袖を振ってでも やりくりしていたのだが…。 39 00:04:41,248 --> 00:04:44,084 閣下が東部に来られたのは➡ 40 00:04:44,084 --> 00:04:47,754 最高統帥府との軋轢が 原因だと伺いました。 41 00:04:47,754 --> 00:04:49,756 ああ…。 42 00:04:49,756 --> 00:04:52,926 本国は 現実を知らないのでしょうか? 43 00:04:52,926 --> 00:04:54,928 中佐…。 (椅子から立ち上がる音) 44 00:04:54,928 --> 00:04:59,332 帝国は勝利依存症なのだ。 悲しいほどにな。 45 00:05:01,268 --> 00:05:05,605 我々は 内なる課題に 勝利せねばならない。 46 00:05:05,605 --> 00:05:09,943 そのためには 悪い手管を覚える必要もあろう。 47 00:05:09,943 --> 00:05:13,947 閣下 それは…。 48 00:05:13,947 --> 00:05:16,950 東方に専念するためには➡ 49 00:05:16,950 --> 00:05:20,120 西側での戦いにも 勝たねばなるまい。 50 00:05:20,120 --> 00:05:25,458 西側というと 西方航空戦のことでしょうか? 51 00:05:25,458 --> 00:05:30,630 それよりは 少しばかり東側だな。 52 00:05:30,630 --> 00:05:32,899 《ああ やはりか…。 53 00:05:32,899 --> 00:05:36,236 味方を撃つのだけは 勘弁願いたいのだが…》 54 00:05:36,236 --> 00:05:38,238 (ポットを置く音) 55 00:05:38,238 --> 00:05:43,043 ひとつ 貴官も 共犯者になってくれたまえ。 56 00:05:45,579 --> 00:05:50,250 僭越ながら 小官は帝国軍の軍人です。 57 00:05:50,250 --> 00:05:53,920 合法的な命令に 服従する義務を負った➡ 58 00:05:53,920 --> 00:05:56,423 軍事機構の一員にすぎません。 59 00:05:56,423 --> 00:05:59,092 義務は 裏切れません。 60 00:05:59,092 --> 00:06:03,930 そこからの逸脱は 結果的に 帝室と祖国に対する反逆であり➡ 61 00:06:03,930 --> 00:06:06,099 小官は 義務を果たします。 62 00:06:06,099 --> 00:06:12,272 否定も肯定もせずか…。 63 00:06:12,272 --> 00:06:14,774 大変 素晴らしい! 64 00:06:14,774 --> 00:06:16,776 よもや違う返答であれば➡ 65 00:06:16,776 --> 00:06:20,280 撃たねばならなかったが…。 66 00:06:20,280 --> 00:06:24,885 フッ… 貴官は 何か 勘違いをしているようだ。 67 00:06:26,953 --> 00:06:29,789 まぁよい。 まずは本国を…。 68 00:06:29,789 --> 00:06:33,393 帝国の現状を 目の当たりにしたまえ。 69 00:06:42,068 --> 00:06:44,404 (汽笛) 70 00:06:44,404 --> 00:06:46,406 やったぞ! 休暇だ 休暇! ヒュ~! 71 00:06:49,075 --> 00:06:51,077 ふぅ…。 72 00:06:51,077 --> 00:06:53,747 (レルゲン)デグレチャフ中佐! よくぞ戻った! 73 00:06:53,747 --> 00:06:57,417 大佐殿 お戻りになられていたのですか? 74 00:06:57,417 --> 00:07:01,254 レルゲン戦闘団が 休暇で帝都に戻るのだ。 75 00:07:01,254 --> 00:07:03,590 私がいても おかしくはあるまい。 76 00:07:03,590 --> 00:07:05,925 おっしゃるとおりで。 77 00:07:05,925 --> 00:07:10,597 戦闘団諸君! 此度の休暇は 保養地を手配した! 78 00:07:10,597 --> 00:07:13,099 (歓声) 79 00:07:13,099 --> 00:07:16,269 中佐 少しいいか? 80 00:07:16,269 --> 00:07:20,106 ヴァイス少佐 休暇証明書と クーポンの配布を。 81 00:07:20,106 --> 00:07:23,610 セレブリャコーフ中尉は車の手配を。 (2人)はっ! 82 00:07:23,610 --> 00:07:27,113 (ヴァイス)これより 休暇証明書とクーポンを配布する! 83 00:07:27,113 --> 00:07:29,449 各員 並べ! 84 00:07:29,449 --> 00:07:31,952 信のおける部下でありますが。 85 00:07:31,952 --> 00:07:35,388 必要が それを求める。 86 00:07:35,388 --> 00:07:38,558 取り急ぎ 三点ほど伝えておく。 はっ。 87 00:07:38,558 --> 00:07:42,729 第一に 参謀本部と最高統帥府は➡ 88 00:07:42,729 --> 00:07:48,068 東部における大規模作戦の 責任問題で荒れている。 89 00:07:48,068 --> 00:07:51,404 軍は またしても 不可能を期待されているのだ。 90 00:07:51,404 --> 00:07:54,074 今すぐ 戦争を終わらせろ。 91 00:07:54,074 --> 00:07:56,409 素晴らしい勝利で… と。 92 00:07:56,409 --> 00:08:00,580 ならば 東部の空を 徹底して確保し得なければ…。 93 00:08:00,580 --> 00:08:02,582 (レルゲン)それが第二の点だ。 94 00:08:02,582 --> 00:08:06,753 西方の航空情勢は 著しく悪化している。 95 00:08:06,753 --> 00:08:11,758 東部どころか 南方大陸からの 撤兵も検討されるほどだ。 96 00:08:11,758 --> 00:08:15,929 それほどまでに…。 最後に ひとつ…。 97 00:08:15,929 --> 00:08:19,432 首都空襲をやってもらうことに なるやもしれん。 98 00:08:21,434 --> 00:08:23,770 ロンディニウムの直撃でありますか? 99 00:08:23,770 --> 00:08:25,939 いや 違う。 100 00:08:25,939 --> 00:08:28,108 では モスコーに再度? 101 00:08:28,108 --> 00:08:30,610 違うのだ 中佐。 102 00:08:30,610 --> 00:08:33,213 目標は…。 103 00:08:33,213 --> 00:08:42,889 ♬~ 104 00:08:42,889 --> 00:08:46,059 いや やめておこう。 105 00:08:46,059 --> 00:08:49,562 鉄槌作戦では 劇的な勝利を収めた。 106 00:08:49,562 --> 00:08:54,267 私は イルドアによる 講和交渉の一端を担っていたが…。 107 00:08:56,903 --> 00:08:59,906 あれは 本命だった。 108 00:08:59,906 --> 00:09:02,242 軍が用意した停戦案を➡ 109 00:09:02,242 --> 00:09:04,744 政治家どもが 認めさえすればな…。 110 00:09:08,915 --> 00:09:11,418 《やはり 現状を変えるには➡ 111 00:09:11,418 --> 00:09:15,422 政治家連中の目を 覚ますしかないのか》 112 00:09:22,095 --> 00:09:24,764 (ノック) 113 00:09:24,764 --> 00:09:29,102 デグレチャフ中佐です。 復命のため参上いたしました。 114 00:09:29,102 --> 00:09:31,104 (ルーデルドルフ)久しいな 中佐。 115 00:09:31,104 --> 00:09:33,373 壮健そうで何よりだ。 116 00:09:33,373 --> 00:09:35,375 閣下もお変わりないようで。 117 00:09:35,375 --> 00:09:40,380 (ルーデルドルフ)フンッ 余計な仕事は 増えていくばかりだがな。 118 00:09:40,380 --> 00:09:44,050 東部での奮戦 ご苦労だった。 119 00:09:44,050 --> 00:09:48,555 いえ 閣下におかれましても アンドロメダでは 大変なご苦労を。 120 00:09:48,555 --> 00:09:51,558 儀礼的な挨拶は よせ。 121 00:09:51,558 --> 00:09:55,228 いかなる理由があろうと しくじった事実は変わるまい。 122 00:09:55,228 --> 00:09:58,398 そこでだ 前線からの忌憚なき➡ 123 00:09:58,398 --> 00:10:01,901 意見具申を頼む。 はっ。 124 00:10:01,901 --> 00:10:04,904 最低限 戦線整理は やり遂げました。 125 00:10:04,904 --> 00:10:08,741 ですが 小手先です。 小康状態の保全では➡ 126 00:10:08,741 --> 00:10:12,579 確実を意味しえません。 長期的展望のもと➡ 127 00:10:12,579 --> 00:10:14,581 不可避な決心こそが…。 待て。 128 00:10:14,581 --> 00:10:17,417 私は ゼートゥーアと違う。 129 00:10:17,417 --> 00:10:20,253 悠長な議論を偏愛する 悪癖はない。 130 00:10:20,253 --> 00:10:24,424 結論だ。 結論を先に言いたまえ。 131 00:10:24,424 --> 00:10:28,261 閣下 小官は 一介の魔導中佐にすぎません。 132 00:10:28,261 --> 00:10:32,365 参謀課程を経ているとはいえ 野戦勤務が長すぎるため…。 133 00:10:34,434 --> 00:10:37,337 結論か退室か 選べ。 134 00:10:39,272 --> 00:10:42,609 では お言葉に 甘えさせていただきます。 135 00:10:42,609 --> 00:10:46,112 勝利への道筋が見えぬのです。 136 00:10:46,112 --> 00:10:50,450 現場からでは 上層部の 戦争指導が理解できません。 137 00:10:50,450 --> 00:10:53,786 どのように戦争を 終わらせるつもりでしょうか? 138 00:10:53,786 --> 00:10:58,458 その具体案は? 敵野戦軍の撃滅でしょうか? 139 00:10:58,458 --> 00:11:01,127 それとも 要衝の占領でしょうか? 140 00:11:01,127 --> 00:11:03,796 目指すべき ゴールは? 141 00:11:03,796 --> 00:11:08,635 帝国が追求すべき国家目標は 一体どこにあるのでしょう? 142 00:11:08,635 --> 00:11:11,304 勝利だ。 143 00:11:11,304 --> 00:11:14,641 勝利? 我々は 戦争を終わらせるために➡ 144 00:11:14,641 --> 00:11:16,643 どのような勝利を求められて…。 145 00:11:16,643 --> 00:11:20,647 勝利だ。 それ以上でも それ以下でもない。 146 00:11:20,647 --> 00:11:25,818 それでは 軍は 勝利とだけ 命じられているのですか? 147 00:11:25,818 --> 00:11:27,820 そのとおり。 148 00:11:27,820 --> 00:11:32,659 さよう で ありますか? 149 00:11:32,659 --> 00:11:35,595 つまり 最高統帥府は➡ 150 00:11:35,595 --> 00:11:39,599 目指すべき実質的な ゴールすら 策定しえないと。 151 00:11:39,599 --> 00:11:43,269 そのとおり。 そんな馬鹿なことが…? 152 00:11:43,269 --> 00:11:45,271 そのとおり。 153 00:11:45,271 --> 00:11:49,275 やめるという選択肢を 捨て去った アホどもがいなければ➡ 154 00:11:49,275 --> 00:11:52,946 とうの昔に 終わっている戦争なのだがな。 155 00:11:52,946 --> 00:11:56,282 嘆けど 祈れど 変わらずだ。 156 00:11:56,282 --> 00:12:00,119 レルゲン大佐殿も かなり 憔悴しておられました。 157 00:12:00,119 --> 00:12:03,957 いかにして 後方に 現実を理解させるべきか。 158 00:12:03,957 --> 00:12:07,627 貴官は 少し 思い違いをしているようだ。 159 00:12:07,627 --> 00:12:09,629 これは アレだな。 160 00:12:09,629 --> 00:12:13,132 木を見て森を見ずというやつか? 161 00:12:13,132 --> 00:12:17,470 中佐 最高統帥府の政治屋連中も➡ 162 00:12:17,470 --> 00:12:21,474 しょせんは 国民感情を恐れる 生身の人間にすぎん。 163 00:12:21,474 --> 00:12:25,979 連中も マグマのような世論に 溶かされたくはないのだ。 164 00:12:25,979 --> 00:12:27,981 世論… ですか。 165 00:12:27,981 --> 00:12:32,151 ああ 幼いながらに生粋の軍人。 166 00:12:32,151 --> 00:12:35,588 人生の大半を 最前線で過ごしてきた貴官には➡ 167 00:12:35,588 --> 00:12:38,925 実感が湧かぬかもな。 168 00:12:38,925 --> 00:12:43,763 ふむ… 貴官は 今の帝都を肌で感じ➡ 169 00:12:43,763 --> 00:12:47,600 身をもって 祖国の世論を 知る必要があるようだ。 170 00:12:47,600 --> 00:12:49,936 明日 15時…。 (ペンを走らせる音) 171 00:12:49,936 --> 00:12:52,105 中央駅前の広場に来い。 172 00:12:52,105 --> 00:12:57,277 その際の用意は従兵にさせる。 173 00:12:57,277 --> 00:13:01,114 (ウーガ)ルーデルドルフ閣下が そのようなことを…? 174 00:13:01,114 --> 00:13:03,783 ええ 少々 意外でした。 175 00:13:03,783 --> 00:13:06,619 以前の豪胆さは健在でしたが➡ 176 00:13:06,619 --> 00:13:09,288 なんというか その…。 177 00:13:09,288 --> 00:13:11,290 (ウーガ)閣下のおっしゃることの 一端は➡ 178 00:13:11,290 --> 00:13:13,793 すでに貴官の目の前にもある。 179 00:13:13,793 --> 00:13:18,464 んっ? ウーガ中佐殿 これは…。 180 00:13:18,464 --> 00:13:20,967 最近 はやりのハーブティーだ。 181 00:13:20,967 --> 00:13:22,969 健康には いいらしい。 182 00:13:24,971 --> 00:13:26,973 うぇ!? 183 00:13:26,973 --> 00:13:29,308 健康志向を否定はしませんが➡ 184 00:13:29,308 --> 00:13:33,246 文明人としては カフェインを欲するところですね。 185 00:13:33,246 --> 00:13:35,248 お待たせいたしました。 186 00:13:37,250 --> 00:13:39,919 《デデ肉に Kパン…》 187 00:13:39,919 --> 00:13:43,256 味のいいことで知られた この食堂が➡ 188 00:13:43,256 --> 00:13:45,591 まさか このような状況とは…。 189 00:13:45,591 --> 00:13:52,432 前線を支えるため 後方は今や すべてが まがい物だ。 190 00:13:52,432 --> 00:13:57,437 いやはや 総力戦とは 恐ろしいものであります… なっ。 191 00:13:57,437 --> 00:14:01,774 ですが しょせんは 穏やかな労苦です。 192 00:14:01,774 --> 00:14:06,379 戦時下ともなれば それくらいは 甘受してもらうほかありますまい。 193 00:14:09,115 --> 00:14:13,953 中佐 ひとつ貴官に提案がある。 194 00:14:13,953 --> 00:14:18,791 悪くとってほしくはないが 貴官には少しばかり➡ 195 00:14:18,791 --> 00:14:21,627 人間の感情を汲んでもらいたい。 196 00:14:21,627 --> 00:14:27,467 平たく言えば 人間としての 当たり前をやってもらいたいのだ。 197 00:14:27,467 --> 00:14:32,739 それは 小官の人間性に対する 疑義でありますか? 198 00:14:32,739 --> 00:14:35,074 貴官の人格を けなす意図は皆無だ! 199 00:14:35,074 --> 00:14:37,076 わかってほしい! 200 00:14:39,078 --> 00:14:45,084 ただ 貴官は物事の理非に対し 即決を求めすぎる。 201 00:14:45,084 --> 00:14:49,088 挙句 できぬ輩を否定しすぎる。 202 00:14:49,088 --> 00:14:51,591 感情というのは頑強だ。 203 00:14:51,591 --> 00:14:53,593 こじれた それを解きほぐすには➡ 204 00:14:53,593 --> 00:14:56,262 どうしようもなく 時間がかかるものだ。 205 00:14:56,262 --> 00:15:02,769 お気持ちはわかります。 しかし 必要が理性を求めます。 206 00:15:02,769 --> 00:15:06,272 断固たる意志の欠如は 機会損失と同義であり➡ 207 00:15:06,272 --> 00:15:08,441 妨げでしかありえません。 208 00:15:08,441 --> 00:15:12,612 それだ… その精神が理解できん。 209 00:15:12,612 --> 00:15:16,449 皆が皆 貴官と同じように 生きられるわけではない。 210 00:15:16,449 --> 00:15:19,786 私とて いい年をした大人だ。 211 00:15:19,786 --> 00:15:23,456 参謀将校としての 規律訓練も受けた。 212 00:15:23,456 --> 00:15:29,462 にもかかわらず 今の私は… 幼子のように➡ 213 00:15:29,462 --> 00:15:33,399 泣き出したくてたまらない。 214 00:15:33,399 --> 00:15:36,402 中佐殿…。 私は➡ 215 00:15:36,402 --> 00:15:40,907 参謀将校という 怪物であり続けることができん。 216 00:15:40,907 --> 00:15:43,743 きっと 娘が生まれたときからだ。 217 00:15:43,743 --> 00:15:47,580 正直 後方勤務を 勧めてもらったこと➡ 218 00:15:47,580 --> 00:15:49,582 心より感謝している。 219 00:15:49,582 --> 00:15:53,419 軍人の私でさえ この有様だが…。 220 00:15:53,419 --> 00:15:57,089 貴官も 明日には 目の当たりにすることだろう。 221 00:15:57,089 --> 00:16:02,094 疲れ切った帝国を。 帝都の現実というものを…。 222 00:16:06,098 --> 00:16:11,103 《まさか 戦没者の式典に 呼び出されるとは…。 223 00:16:11,103 --> 00:16:14,106 私や閣下も軍装で並べば➡ 224 00:16:14,106 --> 00:16:16,108 悪い意味で目立っただろう。 225 00:16:16,108 --> 00:16:18,945 喪服を用意してもらって 助かったな》 226 00:16:18,945 --> 00:16:30,957 ♬(ラッパ) 227 00:16:30,957 --> 00:16:33,059 (ルーデルドルフ)見えんか? 228 00:16:33,059 --> 00:16:35,895 そ その 私の身長では…。 229 00:16:35,895 --> 00:16:40,566 場所が場所だ。 担ぐわけにもいかんしな。 230 00:16:40,566 --> 00:16:45,071 失礼 できれば この子にも。 231 00:16:49,075 --> 00:16:52,078 (ルーデルドルフ)彼らを見たまえ。 232 00:16:52,078 --> 00:16:55,248 あの手の棺は 遺体が入っていない。 233 00:16:55,248 --> 00:16:58,417 重そうに担ぐ演技だとしても➡ 234 00:16:58,417 --> 00:17:01,921 なんとまぁ ひどいものだ。 235 00:17:01,921 --> 00:17:05,091 歪とは このことか。 236 00:17:05,091 --> 00:17:10,930 ああ 病人と若造が 死者の棺を担ぐ。 237 00:17:10,930 --> 00:17:15,434 この光景こそが 帝国の現状を正しく物語る。 238 00:17:17,436 --> 00:17:20,606 だが それとは違う物語もある。 239 00:17:20,606 --> 00:17:23,609 人々の顔を よく見てみろ。 240 00:17:34,887 --> 00:18:07,253 ♬~ 241 00:18:07,253 --> 00:18:11,424 ここにあるのは 歪んだ日常。 242 00:18:11,424 --> 00:18:17,930 非日常であるべきものが 日常と化して久しい壊れた平穏。 243 00:18:17,930 --> 00:18:21,267 (2人)狂気は 後方まで 染み込んでいる。 244 00:18:21,267 --> 00:18:24,103 人間性をすり潰されるのは…。 245 00:18:24,103 --> 00:18:27,106 最前線だけと思っていないか? 246 00:18:27,106 --> 00:18:32,611 世界の理性は粉砕され 混沌は増すばかりだ。 247 00:18:32,611 --> 00:18:35,715 ゆえに 超越的な存在を…。 248 00:18:35,715 --> 00:18:38,217 信仰を求める。 249 00:18:38,217 --> 00:18:44,557 (存在X)誰もが皆 恐れているのだ。 250 00:18:44,557 --> 00:18:48,561 ♬(ラッパ) 251 00:18:51,230 --> 00:18:56,402 (ルーデルドルフ)今や帝都の住人にとって 戦没者の棺も日常と化した。 252 00:18:56,402 --> 00:19:02,908 ゼートゥーアのやつであれば 死の普遍化 とでも言っただろうな。 253 00:19:02,908 --> 00:19:06,245 しかし 希望を見いだすことも できましょう。 254 00:19:06,245 --> 00:19:08,247 なに? 255 00:19:08,247 --> 00:19:11,083 人々が 過度に 感情的でないのは➡ 256 00:19:11,083 --> 00:19:14,420 まだ 国家理性を宿している 証拠であります。 257 00:19:14,420 --> 00:19:18,591 我々も 近代人である以上は 自由意志に基づき➡ 258 00:19:18,591 --> 00:19:20,593 論理的な話し合いを進めれば…。 259 00:19:20,593 --> 00:19:23,429 (ルーデルドルフ)貴様 アホか。 は…? 260 00:19:23,429 --> 00:19:28,100 アホだな 貴様。 もう少し頭を使え。 261 00:19:28,100 --> 00:19:31,103 そして 常識を取り戻せ。 262 00:19:31,103 --> 00:19:35,374 怒りというのは 限度を超えると 平坦になるものだ。 263 00:19:35,374 --> 00:19:39,712 沸騰しきった人間ほど 案外 落ち着いて見える。 264 00:19:39,712 --> 00:19:42,214 叫べるうちは声に出る。 265 00:19:42,214 --> 00:19:47,053 だが どん底に落ち 声が出なくなってからは…。 266 00:19:47,053 --> 00:19:51,891 つまり 閣下は この静けさこそが危ういと? 267 00:19:51,891 --> 00:19:57,730 ああ 帝都はもはや 爆発寸前の 火薬庫のようだ。 268 00:19:57,730 --> 00:20:02,568 帝国という国そのものが 煉獄にある。 269 00:20:02,568 --> 00:20:08,908 中佐 火のついた世論は怖いぞ。 化け物以上だ。 270 00:20:08,908 --> 00:20:12,578 《確かに世論を軽んずれば➡ 271 00:20:12,578 --> 00:20:16,582 たとえ戦争が終わったとて 混乱は避けられないだろうな。 272 00:20:16,582 --> 00:20:21,420 いつの時代も 世論とは不可解なものだが…。 273 00:20:21,420 --> 00:20:25,257 ならば尚のこと 我々は 為すべきことを➡ 274 00:20:25,257 --> 00:20:28,761 為さねばなりません。 平和のために。 275 00:20:28,761 --> 00:20:33,933 フッ そこまでの平和愛好家だとは 知らなかった。 276 00:20:33,933 --> 00:20:36,268 臆病者ですので。 277 00:20:36,268 --> 00:20:39,438 臆病者? 貴様が? 278 00:20:39,438 --> 00:20:43,442 驚いたな 何かの童話になるほどだ。 279 00:20:43,442 --> 00:20:48,280 ぜひ 参謀本部のご出版で 印税を期待させてください。 280 00:20:48,280 --> 00:20:51,117 フッ 印税ときたか。 281 00:20:51,117 --> 00:20:54,120 いいとも 約束してやる。 282 00:20:54,120 --> 00:20:56,622 無事に戦後を迎えたら➡ 283 00:20:56,622 --> 00:20:59,792 貴様の告白を 絵本にして出してやろう。 284 00:20:59,792 --> 00:21:02,461 なんとも光栄極まりません。 285 00:21:02,461 --> 00:21:06,298 タイトルは… そうだな? 286 00:21:06,298 --> 00:21:11,303 『臆病者の英雄』でどうだ? 287 00:21:11,303 --> 00:21:24,116 ♬~ 288 00:21:27,153 --> 00:21:29,155 ひどい戯言だな…。 289 00:21:29,155 --> 00:21:33,092 プロパガンダとは 信じさせるものだろうに。 290 00:21:33,092 --> 00:21:41,767 《誰もが夢を見たがっている。 偉大な祖国の偉大な勝利を。 291 00:21:41,767 --> 00:21:44,870 正直 頭がおかしくなりそうだ》 292 00:21:52,945 --> 00:21:57,783 ((皆が皆 貴官と同じように 生きられるわけではない。 293 00:21:57,783 --> 00:22:01,954 アホだな 貴様。 もう少し 頭を使え。 294 00:22:01,954 --> 00:22:04,957 そして 常識を取り戻せ)) 295 00:22:04,957 --> 00:22:10,296 《いや おかしいのは私のほうか? 296 00:22:10,296 --> 00:22:15,134 これまでは 後方での文化的な 生活を望んでいたが…。 297 00:22:15,134 --> 00:22:20,139 今の帝国に生きる以上 望みは叶うまい》 298 00:22:20,139 --> 00:22:24,143 よくも こんな世界に 放り込んでくれたな。 299 00:22:24,143 --> 00:22:28,347 クソッタレの存在Xめ! 300 00:23:58,938 --> 00:24:00,939 (3人)わぁ~! 301 00:24:00,939 --> 00:24:06,278 な… なんだ コレは? 302 00:24:06,278 --> 00:24:09,448 ルーデルドルフ閣下から 孫と出かけるような衣装を➡ 303 00:24:09,448 --> 00:24:11,450 見繕うようにと伺いまして➡ 304 00:24:11,450 --> 00:24:13,786 とっておきの服を ご用意しました! 305 00:24:13,786 --> 00:24:18,123 出かける先は 戦没者の式典と聞いていたが? 306 00:24:18,123 --> 00:24:20,125 あらぁ…。 307 00:24:20,125 --> 00:24:23,796 (3人)それなら…。 こちらはいかがですか? 308 00:24:23,796 --> 00:24:26,899 却下で。 (3人)えぇ~!