1 00:00:36,837 --> 00:00:41,842 ♬~ 2 00:00:41,842 --> 00:00:47,147 (ターニャ)あははは…! 3 00:00:51,518 --> 00:00:55,355 《イルドアの不義理に対する 友好的な観光旅行。 4 00:00:55,355 --> 00:01:00,160 正直 威圧だが 誰も死なない 楽でマシな仕事だ》 5 00:01:06,366 --> 00:01:09,202 《パリッと 糊の効いた袖。 6 00:01:09,202 --> 00:01:11,538 きれいに磨かれた ブーツ。 7 00:01:11,538 --> 00:01:14,207 きちんと折り目のついた襟。 8 00:01:14,207 --> 00:01:17,878 ここまで整えられた軍服は ずいぶんと久しいな。 9 00:01:17,878 --> 00:01:23,383 あげく 私の小さな身長に ぶしつけな視線か…》 10 00:01:30,557 --> 00:01:35,495 《なぜだ? 空は こんなに 晴れやかだというのに。 11 00:01:35,495 --> 00:01:41,501 落ち着かん。 なんなんだ? この居心地の悪さは…》 12 00:03:28,708 --> 00:03:31,044 (足音) 13 00:03:31,044 --> 00:03:33,547 失礼いたします。 14 00:03:38,151 --> 00:03:41,488 《そんなところに置いたら 振動で…。 15 00:03:41,488 --> 00:03:43,990 揺れない? 16 00:03:43,990 --> 00:03:50,330 帝国では考えられん。 保線状況が こうも違うか? 17 00:03:50,330 --> 00:03:53,667 平和の配当は かくも巨大か。 18 00:03:53,667 --> 00:03:58,171 平和万歳 羨ましいかぎりだ。 19 00:04:01,341 --> 00:04:04,511 《はぁ~! パンの中のパン…。 20 00:04:04,511 --> 00:04:08,348 製粉された 白い小麦を使ったやつ。 21 00:04:08,348 --> 00:04:12,352 帝都では Kパンすら 数量制限されているというのに。 22 00:04:12,352 --> 00:04:14,688 カランドロ大佐は まだか? 23 00:04:14,688 --> 00:04:17,357 餌を前に お預けの嫌がらせなど➡ 24 00:04:17,357 --> 00:04:19,359 鬼畜にも劣る!》 25 00:04:19,359 --> 00:04:21,361 んっ…。 26 00:04:25,198 --> 00:04:28,368 あ~…。 27 00:04:28,368 --> 00:04:30,370 (カランドロ)デグレチャフ中佐。 28 00:04:30,370 --> 00:04:34,641 これは 大佐殿。 すまないな 待たせてしまった。 29 00:04:34,641 --> 00:04:37,644 軍の官僚連中が 諸君の予定を➡ 30 00:04:37,644 --> 00:04:40,313 歓迎会で 埋め尽くそうとしていてな。 31 00:04:40,313 --> 00:04:43,483 我々が そこまでの 人気者だったとは…。 32 00:04:43,483 --> 00:04:47,154 お外に出すのも 惜しむほど友情を深めたいと? 33 00:04:47,154 --> 00:04:50,657 なに マシな旅を私が用意した。 34 00:04:50,657 --> 00:04:52,993 東部で世話になった縁だ。 35 00:04:52,993 --> 00:04:56,997 自由で有意義で 平和な観光旅行を約束する。 36 00:04:56,997 --> 00:05:02,836 いやはや 大佐殿のお言葉は 含蓄が豊富でいらっしゃいます。 37 00:05:02,836 --> 00:05:07,674 この穏やかな太陽は 人を詩人にも 雄弁家にも➡ 38 00:05:07,674 --> 00:05:09,843 音楽家にも至らしめるのだ。 39 00:05:09,843 --> 00:05:14,681 人間だけでなく イルドアの自然も 太陽が大好きでね。 40 00:05:14,681 --> 00:05:17,684 日差しを 目いっぱいに浴びた レモンや➡ 41 00:05:17,684 --> 00:05:22,189 ブラッドオレンジの芳醇な香りにも 我が国の歴史が刻まれて…。 42 00:05:22,189 --> 00:05:24,891 《いいかげんにしろ! メシは まだか!》 43 00:05:30,530 --> 00:05:33,133 さて 歓迎の宴だ。 44 00:05:33,133 --> 00:05:35,635 何がいいかな? お好みは? 45 00:05:35,635 --> 00:05:38,638 拝見いたします。 46 00:05:38,638 --> 00:05:42,642 《食堂車にして この品数とはな。 47 00:05:42,642 --> 00:05:46,813 帝都では デデ肉焼き 一択だというのに…》 48 00:05:46,813 --> 00:05:50,317 ちなみに オススメは海鮮料理だな。 49 00:05:50,317 --> 00:05:55,655 コース料理の定番とは違うが ここは 下手な港以上の品ぞろえだ。 50 00:05:55,655 --> 00:05:58,325 本当に うまい魚は貴重だよ。 51 00:05:58,325 --> 00:06:01,161 食べられるときに 堪能するにかぎる。 52 00:06:01,161 --> 00:06:06,499 では メインをあえて… この魚のマリネにいたします。 53 00:06:06,499 --> 00:06:09,336 おお 素晴らしい選択だ。 54 00:06:09,336 --> 00:06:13,340 ところで 前哨戦も 期待が高まるのですが。 55 00:06:13,340 --> 00:06:18,845 ああ 前菜なら… 軽い 牛肉のタルタルは どうだね? 56 00:06:18,845 --> 00:06:23,683 帝国式とは違うやもしれんが こちらも 牛肉には自信がある。 57 00:06:23,683 --> 00:06:25,685 では そちらを。 58 00:06:25,685 --> 00:06:29,356 《ふんっ 果たして どれだけのものか? 59 00:06:29,356 --> 00:06:32,158 この身をもって 確かめさせてもらおう》 60 00:06:40,467 --> 00:06:42,802 《あぁっ…!》 61 00:06:42,802 --> 00:06:46,106 さて 貴官の感想が楽しみだ。 62 00:06:50,477 --> 00:06:53,480 《ふっ パッと見はシンプルな…》 63 00:06:57,317 --> 00:06:59,986 《うぅ~ うまい! 64 00:06:59,986 --> 00:07:02,989 感動的なまでに 濃縮された うまみだ! 65 00:07:02,989 --> 00:07:06,826 肉の甘さを引き立てる ほのかに刺激的な スパイスなど➡ 66 00:07:06,826 --> 00:07:08,828 まずい タルタルにありがちな➡ 67 00:07:08,828 --> 00:07:12,165 胡椒で生臭さを ごまかす小細工とは別次元! 68 00:07:12,165 --> 00:07:15,335 くず肉のブルストに慣れた舌では 卒倒しそうだぞ! 69 00:07:15,335 --> 00:07:19,139 イルドアの肉 恐るべし》 70 00:07:22,509 --> 00:07:26,346 《パンチのある前菜のあとに 軽めの ポタージュ…。 71 00:07:26,346 --> 00:07:30,950 メニューの構成に若干の疑問を 抱かざるをえないが果たして》 72 00:07:32,952 --> 00:07:35,955 《この 鼻に抜ける 爽やかな香りと甘み! 73 00:07:35,955 --> 00:07:37,957 これは ズッキーニか! 74 00:07:37,957 --> 00:07:41,628 初夏を感じさせる 新鮮な旬の野菜に加え➡ 75 00:07:41,628 --> 00:07:44,798 タルタルにも負けぬ うまみを下支えする ブイヨン! 76 00:07:44,798 --> 00:07:50,303 シンプルな一品だからこそ 感じられる丁寧な仕事だ。 77 00:07:50,303 --> 00:07:52,305 はぁ~!》 78 00:07:55,642 --> 00:07:58,478 《合間に供される やや軽めの炭酸水。 79 00:07:58,478 --> 00:08:00,480 泥水に慣れた口には➡ 80 00:08:00,480 --> 00:08:05,819 ミネラルの甘さが忌々しいほどに 感じ取れる》 81 00:08:05,819 --> 00:08:09,155 さぁ 次は 肝心のメインだ。 82 00:08:09,155 --> 00:08:12,826 新鮮な魚のマリネは 絶品だよ。 83 00:08:12,826 --> 00:08:17,664 食べ慣れていないと少しばかり 味のクセが強いとは思うがね。 84 00:08:17,664 --> 00:08:21,000 《ふんっ なにが 食べ慣れていないとだ。 85 00:08:21,000 --> 00:08:23,169 こちとら 元来は日本人。 86 00:08:23,169 --> 00:08:26,473 魚料理に対する評価は厳しいぞ》 87 00:08:30,510 --> 00:08:32,512 《わぁ…》 88 00:08:38,451 --> 00:08:41,287 《魚のうまみの 限界すら超えた何か…。 89 00:08:41,287 --> 00:08:44,958 言葉で形容することさえ 軽薄に感じる。 90 00:08:44,958 --> 00:08:48,962 そして この 爽やかな酸味のソースは…。 91 00:08:48,962 --> 00:08:50,964 そうか…。 92 00:08:50,964 --> 00:08:53,867 これこそが イルドアの誇る…》 93 00:09:02,976 --> 00:09:08,148 どうかな? 見るからに ご満足いただけたようだが。 94 00:09:08,148 --> 00:09:12,986 生まれて初めて 降伏という単語が 頭をよぎりました。 95 00:09:12,986 --> 00:09:17,991 完敗です。 ははっ 帝国の 銀翼持ちを降伏させるか。 96 00:09:17,991 --> 00:09:23,329 貴官らは銃で戦い シェフは 包丁さばきで戦うというわけだ。 97 00:09:23,329 --> 00:09:25,665 いやはや 文化的でいらっしゃる。 98 00:09:25,665 --> 00:09:28,501 とはいえ 砲弾の前の平等も➡ 99 00:09:28,501 --> 00:09:30,670 悪い体験ではなかったでしょう。 100 00:09:30,670 --> 00:09:34,774 また いつでも 我々の塹壕に歓迎いたしますが。 101 00:09:34,774 --> 00:09:38,945 そうだな… また 観戦武官を手配するときは➡ 102 00:09:38,945 --> 00:09:40,947 世話になるよ。 103 00:09:40,947 --> 00:09:43,616 《観戦武官か…。 104 00:09:43,616 --> 00:09:45,785 味方としての参戦はもとより➡ 105 00:09:45,785 --> 00:09:49,289 敵になる気も 皆無だからこその言葉だ。 106 00:09:49,289 --> 00:09:52,792 大戦は 完全に他人事か? 107 00:09:52,792 --> 00:09:57,297 平和で文化的で なによりも豊かな世界からの➡ 108 00:09:57,297 --> 00:10:01,134 観察者気取りか。 なるほど…》 109 00:10:01,134 --> 00:10:03,136 これは いらだてる。 110 00:10:05,138 --> 00:10:08,975 《いかんな 私としたことが…。 111 00:10:08,975 --> 00:10:12,979 他人に嫉妬など 非生産的の極みだろうに》 112 00:10:24,491 --> 00:10:28,661 空気が明るいですな。 なに? 113 00:10:28,661 --> 00:10:32,165 戦没者を嘆く必要がなし。 114 00:10:32,165 --> 00:10:35,668 死者への負債がない世界は なんとも…。 115 00:10:38,338 --> 00:10:42,175 改めて 首都にようこそ! デグレチャフ中佐! 116 00:10:42,175 --> 00:10:46,379 同盟国の友人を 歓迎させていただくよ! 117 00:10:50,517 --> 00:10:54,020 こちらは? 入国査証と身分証明書。 118 00:10:54,020 --> 00:10:57,690 あとは イルドア参謀本部からの 小切手です。 119 00:10:57,690 --> 00:11:01,528 (カランドロ)ガスマン閣下のご厚意で 機密費から ひねり出した。 120 00:11:01,528 --> 00:11:04,697 さすがに 上限なしとはいかんがね。 121 00:11:04,697 --> 00:11:06,699 《私が上に掛け合っても➡ 122 00:11:06,699 --> 00:11:10,537 せいぜい ジャガイモくらいしか 確保できんだろうに。 123 00:11:10,537 --> 00:11:13,706 どうにも 惨めなことだ》 124 00:11:13,706 --> 00:11:18,378 ご厚意に感謝します。 我が部隊一同 大いに飲み➡ 125 00:11:18,378 --> 00:11:21,381 食らうと思いますが 差し支えないでしょうか? 126 00:11:21,381 --> 00:11:24,050 もちろんだ。 諸君らが➡ 127 00:11:24,050 --> 00:11:26,719 航空用ガソリンでも がぶ飲みしないかぎりな。 128 00:11:26,719 --> 00:11:28,721 ガソリン? 129 00:11:28,721 --> 00:11:32,992 あっ あぁ… 因果を レルゲン大佐から聞いていないのか? 130 00:11:32,992 --> 00:11:34,994 帝国は友人だ。 131 00:11:34,994 --> 00:11:37,830 友人が 燃料事情に 困窮していると聞けば➡ 132 00:11:37,830 --> 00:11:42,335 よき同盟国として 貢献の一つもするものさ。 133 00:11:42,335 --> 00:11:46,839 共に血を流すかわりに 燃料を流すというわけですか。 134 00:11:46,839 --> 00:11:49,676 ご配慮に御礼申し上げます。 135 00:11:49,676 --> 00:11:55,848 機会があれば 皆さまのご支援を 広く触れて回りましょう。 136 00:11:55,848 --> 00:11:59,185 勘弁してくれ! たとえ公然の秘密でも➡ 137 00:11:59,185 --> 00:12:01,521 秘密は秘密なのだ。 138 00:12:01,521 --> 00:12:03,523 帝国の敵にはにらまれ➡ 139 00:12:03,523 --> 00:12:07,527 帝国軍人は ほとんど 感謝しない支援ですかな? 140 00:12:07,527 --> 00:12:09,696 我々なりの誠意さ。 141 00:12:09,696 --> 00:12:11,864 貴国と仲よくやりたいのだ。 142 00:12:11,864 --> 00:12:14,200 風見鶏ですまないがね。 143 00:12:14,200 --> 00:12:19,872 誰の敵でもないということは 誰の友でもないと申しますが。 144 00:12:19,872 --> 00:12:22,875 中佐 恨み言はやめてくれ。 145 00:12:22,875 --> 00:12:25,378 イルドアは あくまで厳正中立だ。 146 00:12:25,378 --> 00:12:29,048 よき隣人でありたいと 願うばかりのな。 147 00:12:29,048 --> 00:12:31,985 《イルドアは 正しい。 148 00:12:31,985 --> 00:12:35,488 戦争から距離を取れるならば 取るべきだ。 149 00:12:35,488 --> 00:12:37,824 ただ 悲しむべきことに➡ 150 00:12:37,824 --> 00:12:42,161 彼らが本心から 戦争を望まないとしても…。 151 00:12:42,161 --> 00:12:45,365 いや すべては仮定か》 152 00:12:48,835 --> 00:12:52,839 《そのあとは 大いに騒ぎ 大いに飲み…。 153 00:12:52,839 --> 00:12:57,677 にぎやかな イルドア滞在は あっという間に過ぎた。 154 00:12:57,677 --> 00:13:01,180 旅程の延長を希望する 部下が出てくるのも➡ 155 00:13:01,180 --> 00:13:03,182 当然だろう》 156 00:13:08,855 --> 00:13:12,025 (ヴィーシャ)中佐殿 いかがされましたか? 157 00:13:12,025 --> 00:13:15,528 案ずるな 大事ない。 158 00:13:15,528 --> 00:13:19,699 はぁ… ですが 気落ちなさっているようですし。 159 00:13:19,699 --> 00:13:23,503 なに 少しばかり考え事をな。 160 00:13:26,706 --> 00:13:29,542 やはり 本物はいいな。 161 00:13:29,542 --> 00:13:31,978 私も買い込みました。 162 00:13:31,978 --> 00:13:35,148 イルドア軍の小切手でしたので 遠慮なく。 163 00:13:35,148 --> 00:13:39,152 それに イルドア側のご配慮で チョコや白砂糖も。 164 00:13:39,152 --> 00:13:41,821 お土産 たくさんです。 165 00:13:41,821 --> 00:13:47,160 彼らと同じくらい 我が参謀本部の 気前がよければと思うよ。 166 00:13:47,160 --> 00:13:49,996 かなわぬ夢だとわかっているが。 167 00:13:49,996 --> 00:13:53,332 お料理 おいしかったですもんね。 168 00:13:53,332 --> 00:13:59,672 それに なんというか 色が豊かでした。 169 00:13:59,672 --> 00:14:01,874 ああ まったくだ。 170 00:14:04,177 --> 00:14:08,848 ところで中尉 赤ワインと白ワインは どちらが好みだね? 171 00:14:08,848 --> 00:14:11,517 へっ ワインでありますか? 172 00:14:11,517 --> 00:14:15,688 手土産を買い込みすぎた。 なんなら副長らと空けてこい。 173 00:14:15,688 --> 00:14:18,858 よろしいのですか? ありがとうございます! 174 00:14:18,858 --> 00:14:21,361 (鼻歌) 175 00:14:23,362 --> 00:14:25,365 (レールがきしむ音) 176 00:14:25,365 --> 00:14:31,037 《レールのきしみ具合で 国境越えを実感か…。 177 00:14:31,037 --> 00:14:34,540 同じ世界の国ながら こうまで異なるとは…》 178 00:14:36,976 --> 00:14:40,680 《やはり 次を考えるべきなのか?》 179 00:14:54,160 --> 00:14:57,163 《次を考えながらも…。 180 00:14:57,163 --> 00:14:59,332 V-2運用の報告書や➡ 181 00:14:59,332 --> 00:15:03,336 イルドア滞在時の見聞記を 提出せねばならない。 182 00:15:03,336 --> 00:15:05,838 次を考えながらも…。 183 00:15:05,838 --> 00:15:07,840 慣習には縛られる。 184 00:15:07,840 --> 00:15:12,678 組織人としての挨拶回りや お土産配りは欠かせない》 185 00:15:12,678 --> 00:15:17,350 はっ? メーベルト大尉と トスパン中尉が拘束? 186 00:15:17,350 --> 00:15:20,019 (レルゲン)されていた… が正解だ。 187 00:15:20,019 --> 00:15:23,022 貴官の留守中の出来事なのだが。 188 00:15:25,024 --> 00:15:27,026 ((メーベルト:せめて 警告射撃の許可を! 189 00:15:27,026 --> 00:15:30,363 近づかれてしまっては 砲兵部隊だけでは対処が…。 190 00:15:30,363 --> 00:15:33,466 ☎待て! 現在 相手の所属を確認中だ。 191 00:15:33,466 --> 00:15:35,468 軽率な行動は…。 (トスパン)大尉殿! 192 00:15:35,468 --> 00:15:37,470 (トスパン)船団より魔導師! 193 00:15:37,470 --> 00:15:40,139 襲撃隊列で 急速接近中! 敵です! 194 00:15:40,139 --> 00:15:42,642 だから言っただろうに! 195 00:15:42,642 --> 00:15:44,811 トスパン中尉 友軍魔導師は!? 196 00:15:44,811 --> 00:15:48,314 出ていません。 こちらの防御陣地は…。 197 00:15:48,314 --> 00:15:50,983 くそっ! 砲撃準備を打ち切れ! 198 00:15:50,983 --> 00:15:52,985 近接戦闘 用意! 199 00:15:52,985 --> 00:15:54,987 ☎ 200 00:15:54,987 --> 00:15:58,491 ☎砲台! なぜ砲撃が始まらない? 201 00:15:58,491 --> 00:16:00,493 ☎敵舟艇の接近を許すな! 202 00:16:00,493 --> 00:16:04,330 通信不通! 爾後 独断専行する! 203 00:16:04,330 --> 00:16:06,332 近接戦闘継続!)) 204 00:16:06,332 --> 00:16:11,003 私の部下が提言した予防策を 聞き流したあげく➡ 205 00:16:11,003 --> 00:16:13,005 危機対応には 茶々入れ。 206 00:16:13,005 --> 00:16:16,175 軍務とは 現実に 対処することだとばかり➡ 207 00:16:16,175 --> 00:16:20,346 思っておりましたが… 他人の幻想を満たすことだとは➡ 208 00:16:20,346 --> 00:16:22,515 夢想だにしえませんでした。 209 00:16:22,515 --> 00:16:25,518 貴官が憤るのも道理だな。 210 00:16:25,518 --> 00:16:27,687 こんな横暴は許されん。 211 00:16:27,687 --> 00:16:31,524 こちらで 憲兵司令部にねじ込んで 釈放済みだ。 212 00:16:31,524 --> 00:16:34,627 感謝申し上げます。 とはいえ➡ 213 00:16:34,627 --> 00:16:37,964 セクショナリズムに 想像力の欠如。 214 00:16:37,964 --> 00:16:40,800 東部での教訓が 活かされないだけでなく➡ 215 00:16:40,800 --> 00:16:44,136 優秀で誠実な士官ほど 報われないとなると➡ 216 00:16:44,136 --> 00:16:46,806 小官としても さすがに…。 217 00:16:46,806 --> 00:16:48,975 そう言ってくれるな 中佐。 218 00:16:48,975 --> 00:16:52,979 詫びではないが 貴官らに叙勲の話も出ている。 219 00:16:52,979 --> 00:16:55,481 期待してくれてかまわない。 220 00:16:55,481 --> 00:16:57,483 それは光栄ですが…。 221 00:16:57,483 --> 00:17:02,154 お情けのメダルばかり ぶら下げても しかたありますまい。 222 00:17:02,154 --> 00:17:05,992 そうだな… 願わくは平時を迎え➡ 223 00:17:05,992 --> 00:17:08,995 勝利こそを 子孫らへ自慢したいものだ。 224 00:17:08,995 --> 00:17:11,664 大佐殿は ご結婚のめどが? 225 00:17:11,664 --> 00:17:15,334 開戦前に そろそろ という話はあったが…。 226 00:17:15,334 --> 00:17:19,505 戦争が終わったならば 少しばかり考えるとも。 227 00:17:19,505 --> 00:17:21,507 それはそれは。 228 00:17:21,507 --> 00:17:25,678 いずれにせよ どうにか ケリをつけたいものです。 229 00:17:25,678 --> 00:17:29,682 うまくいけば 戦後の印税生活も 約束されていますので。 230 00:17:29,682 --> 00:17:32,285 印税生活? 231 00:17:32,285 --> 00:17:35,955 ルーデルドルフ閣下が 小官の絵本を書いてくださると。 232 00:17:35,955 --> 00:17:38,958 絵本だと? あの閣下が? 233 00:17:38,958 --> 00:17:42,628 小官を主人公にした 閣下肝煎りの絵本です。 234 00:17:42,628 --> 00:17:45,298 なかなか 面白いとは思いませんか? 235 00:17:45,298 --> 00:17:49,135 ふっ そうなれば 本当に愉快だな。 236 00:17:49,135 --> 00:17:52,305 私に コーヒーの一杯でも おごってくれたまえ。 237 00:17:52,305 --> 00:17:56,309 ええ 喜んで。 238 00:17:56,309 --> 00:17:58,811 《次を考えながらも…》 239 00:18:04,483 --> 00:18:08,154 《いや 考える時間がない! まさに ブラックな職場で➡ 240 00:18:08,154 --> 00:18:11,324 転職活動すらも ままならない 状況そのもの! 241 00:18:11,324 --> 00:18:13,492 私は 一体どうすれば…》 242 00:18:13,492 --> 00:18:15,828 (ロメール)デグレチャフ中佐。 243 00:18:15,828 --> 00:18:17,830 ロメール閣下! 244 00:18:17,830 --> 00:18:21,133 おう 中佐 世話になったな。 245 00:18:24,837 --> 00:18:28,007 え~…。 246 00:18:28,007 --> 00:18:30,509 ああっ! 閣下…。 247 00:18:30,509 --> 00:18:32,445 少々 過ぎませんか? 248 00:18:32,445 --> 00:18:35,281 帝都には 重点がない。 249 00:18:35,281 --> 00:18:38,284 しらふでは空気も吸えん。 250 00:18:38,284 --> 00:18:40,286 えぇ…。 251 00:18:40,286 --> 00:18:42,455 現実はどこだね? 252 00:18:42,455 --> 00:18:44,957 現実への出口は どこにある? 253 00:18:44,957 --> 00:18:47,460 前線帰りの本音ですな。 254 00:18:47,460 --> 00:18:50,129 後方の幻想を満たせないだけで➡ 255 00:18:50,129 --> 00:18:54,633 現場の我々が 面罵される。 不条理の極みです。 256 00:18:54,633 --> 00:18:56,636 ふんっ! 257 00:18:56,636 --> 00:19:01,474 人は見たいものだけを見て 見たいものしか見つけない。 258 00:19:01,474 --> 00:19:07,313 それは ルーデルドルフ閣下とて 同じだろうて! 259 00:19:07,313 --> 00:19:09,482 中佐! 260 00:19:09,482 --> 00:19:14,387 見えるものだけが すべてと思うなよ。 261 00:19:29,668 --> 00:19:32,471 (ルーデルドルフ)活躍のほどは 聞いている。 262 00:19:36,108 --> 00:19:39,278 現状は… よくない。 263 00:19:39,278 --> 00:19:43,616 しかし 小康状態は 確保し得ているかと思うのですが。 264 00:19:43,616 --> 00:19:47,787 東部を ゼートゥーアが 固めてくれている分➡ 265 00:19:47,787 --> 00:19:49,955 よくも悪くも… な。 266 00:19:49,955 --> 00:19:52,124 何か 情勢に変化が? 267 00:19:52,124 --> 00:19:57,129 最高統帥府には 夢があるそうでな。 268 00:19:57,129 --> 00:19:59,799 夢… でありますか? 269 00:19:59,799 --> 00:20:04,470 新領土 巨額の 戦時賠償獲得の夢だ。 270 00:20:04,470 --> 00:20:09,308 戦争で 血を流し過ぎた分を 補填したいそうだ。 271 00:20:09,308 --> 00:20:12,311 同じ世界の話とは思えません。 272 00:20:12,311 --> 00:20:14,313 どのようにして 国内を説得するかを➡ 273 00:20:14,313 --> 00:20:16,315 考慮すべきでは? 274 00:20:16,315 --> 00:20:18,984 軍が 政治に容喙せよと? 275 00:20:18,984 --> 00:20:21,987 現状においては 避けがたいかと。 276 00:20:21,987 --> 00:20:26,158 政治が語りたいならば 退役してからにしたまえ。 277 00:20:26,158 --> 00:20:30,830 退役させていただけるのであれば 即刻 文民として➡ 278 00:20:30,830 --> 00:20:32,832 議会でも目指しますが。 279 00:20:32,832 --> 00:20:36,001 貴官は 肝心の政治に疎いようだな。 280 00:20:36,001 --> 00:20:40,673 参政権には年齢制限がある。 知らんのかね? 281 00:20:40,673 --> 00:20:42,675 失礼いたしました。 282 00:20:42,675 --> 00:20:46,679 あまりにも年配の人間が だらしないもので つい…。 283 00:20:46,679 --> 00:20:50,883 現状では手詰まりです。 284 00:20:55,688 --> 00:21:01,527 閣下 我々は言うべきを伝える 義務があります! 285 00:21:01,527 --> 00:21:08,200 イルドアの制圧… 最高統帥府は 真剣に検討を始めおったわ。 286 00:21:08,200 --> 00:21:11,370 イルドア? 制圧? 287 00:21:11,370 --> 00:21:13,539 南方の懸案を処理すれば➡ 288 00:21:13,539 --> 00:21:16,375 南方方面軍から 相当の戦力を➡ 289 00:21:16,375 --> 00:21:20,379 東部に転用可能になるだろう という話だ。 290 00:21:20,379 --> 00:21:24,216 無茶です。 イルドア全土を 一撃で制圧しないかぎり➡ 291 00:21:24,216 --> 00:21:27,052 南方方面軍は 泥沼にはまります。 292 00:21:27,052 --> 00:21:29,755 戦略的奇襲に成功したところで…。 293 00:21:33,159 --> 00:21:38,664 《イルドアの連中 戦争への覚悟と 備えがあるのか? 294 00:21:38,664 --> 00:21:43,169 いかん 今なら作戦次元では やれるかもしれない。 295 00:21:43,169 --> 00:21:47,173 戦略的には 愚行も愚行だが…》 296 00:21:47,173 --> 00:21:49,341 ふぅ~。 297 00:21:49,341 --> 00:21:53,679 中佐 所詮 検討だ。 298 00:21:53,679 --> 00:21:57,683 成算なしとなれば 上には それを説明すれば済む。 299 00:21:57,683 --> 00:22:00,352 気にしすぎるな。 300 00:22:00,352 --> 00:22:04,190 とはいえ 活路が欲しいのも事実だ。 301 00:22:04,190 --> 00:22:09,195 イルドアの連中 そろそろ 役立ってほしいものだがな。 302 00:23:41,654 --> 00:23:46,325 イルドア持ちだとはいえ 少々 買い過ぎたかもしれないですね。 303 00:23:46,325 --> 00:23:50,829 はっ! もし このパンパンの背嚢を 中佐殿に見られたら…。 304 00:23:50,829 --> 00:23:53,499 ((さすがに その量は やり過ぎだぞ。 305 00:23:53,499 --> 00:23:55,501 人の金をなんだと思っている? 306 00:23:55,501 --> 00:23:57,670 もっ 申し訳ありません!)) 307 00:23:57,670 --> 00:24:00,005 えぇ…。 セレブリャコーフ中尉。 308 00:24:00,005 --> 00:24:02,007 はひっ! (足音) 309 00:24:04,009 --> 00:24:06,679 イルドアでの滞在が 今日までだと思うと➡ 310 00:24:06,679 --> 00:24:08,681 名残惜しいな。 311 00:24:08,681 --> 00:24:10,683 そ そうですね。 312 00:24:10,683 --> 00:24:14,186 えっ…。 んっ? どうしたのかね? 313 00:24:14,186 --> 00:24:17,356 いや なんでも…。 そうか。 314 00:24:17,356 --> 00:24:21,193 さぁ 我らが愛する帝国に戻るぞ! 315 00:24:21,193 --> 00:24:23,195 はい!