1 00:00:41,842 --> 00:00:44,645 (扉が開く音) 2 00:00:47,514 --> 00:00:52,352 《ターニャ:転職する人の気分が 嫌というほど よくわかる》 3 00:00:52,352 --> 00:00:54,855 ((ルーデルドルフ:イルドアの制圧…。 4 00:00:54,855 --> 00:00:59,359 最高統帥府は 真剣に検討を始めおったわ)) 5 00:00:59,359 --> 00:01:03,864 《ジリ貧を避けようと 無謀な大博打を望む上層部。 6 00:01:03,864 --> 00:01:06,533 ジリ貧どころかドカ貧だ。 7 00:01:06,533 --> 00:01:11,705 上が白昼夢を見ての戦争だと? つきあいきれん。 8 00:01:11,705 --> 00:01:14,541 問題は 抜け方か。 9 00:01:14,541 --> 00:01:19,546 存在Xが あざ笑うような結末は 受け入れがたい。 10 00:01:19,546 --> 00:01:23,550 さりとて 犠牲の羊もごめん被る。 11 00:01:23,550 --> 00:01:26,954 さて どうしたものか…》 12 00:03:08,355 --> 00:03:10,357 (レルゲン)検討の結果です。 13 00:03:10,357 --> 00:03:13,694 (レルゲン)やはり イルドア侵攻に 成算はありません。 14 00:03:13,694 --> 00:03:18,865 開戦劈頭 戦略的奇襲の第一撃に 全てを賭し➡ 15 00:03:18,865 --> 00:03:22,702 国境部にて 敵野戦軍主力を撃滅。 16 00:03:22,702 --> 00:03:26,873 もって 電撃的な進撃で イルドア北部を制圧。 17 00:03:26,873 --> 00:03:29,876 これで限界です。 18 00:03:29,876 --> 00:03:32,546 (ルーデルドルフ)全てが 非現実的なまでに➡ 19 00:03:32,546 --> 00:03:35,649 我がほうに都合よく運んで だな? 20 00:03:35,649 --> 00:03:39,319 はい 極度に楽観的な想定でも➡ 21 00:03:39,319 --> 00:03:42,656 兵力は イルドア北部に拘束されます。 22 00:03:42,656 --> 00:03:47,994 (ルーデルドルフ)イルドアの無力化により 南方の兵力を東部へ投入など➡ 23 00:03:47,994 --> 00:03:51,998 夢のまた夢か。 はい。 24 00:03:51,998 --> 00:03:56,002 だが すでに 兵力が 拘束されているではないか。 25 00:03:56,002 --> 00:03:59,005 イルドアの不義理によってだ。 26 00:03:59,005 --> 00:04:02,843 東部で苦労する ゼートゥーアのアホへ➡ 27 00:04:02,843 --> 00:04:05,679 種銭を作ってやりたいのだが。 28 00:04:05,679 --> 00:04:11,685 お言葉ですが イルドア国境部からの 兵力削減は 厳しいかと…。 29 00:04:11,685 --> 00:04:13,854 わかっている。 30 00:04:13,854 --> 00:04:16,356 連中は 徹底した風見鶏だ。 31 00:04:16,356 --> 00:04:19,860 同盟国としての 友情をうたっておきながら➡ 32 00:04:19,860 --> 00:04:24,531 南方軍撤兵の際は 受け入れを徹底拒否。 33 00:04:24,531 --> 00:04:27,200 ええい いまいましい! 34 00:04:27,200 --> 00:04:32,873 イルドアは中立国として どこまでも 国家理性に忠誠なのでしょう。 35 00:04:32,873 --> 00:04:34,808 (立ち上がる音) 36 00:04:34,808 --> 00:04:38,812 帝国が拮抗状態を保つ限りは よい隣人だな。 37 00:04:38,812 --> 00:04:44,151 だが もし 我々が 弱りきったら? 38 00:04:44,151 --> 00:04:46,486 その瞬間 やつらは どう出る? 39 00:04:46,486 --> 00:04:49,823 失礼ですが イルドア流なら➡ 40 00:04:49,823 --> 00:04:54,161 実力行使よりも先に 口舌かと。 41 00:04:54,161 --> 00:04:56,329 イルドアとは話せる。 42 00:04:56,329 --> 00:04:59,332 ならば 対話で 活路を見いだしうるわけだ。 43 00:04:59,332 --> 00:05:01,334 はい。 44 00:05:01,334 --> 00:05:06,339 とはいえ 最悪に備えるのも 参謀将校の務め。 45 00:05:06,339 --> 00:05:08,675 和戦両様だな。 46 00:05:08,675 --> 00:05:13,180 和 戦 どちらに重きを? 47 00:05:15,515 --> 00:05:18,185 (ルーデルドルフ)我々に残された 時間のなかで➡ 48 00:05:18,185 --> 00:05:22,355 外交的努力に 最大限 傾注するしかあるまい。 49 00:05:22,355 --> 00:05:25,025 だらだらと交渉している間に➡ 50 00:05:25,025 --> 00:05:28,028 前線の将兵が どれほど血を流すか? 51 00:05:28,028 --> 00:05:31,198 無駄にできる時間など 皆無だ。 52 00:05:31,198 --> 00:05:33,200 ごもっともです。 53 00:05:33,200 --> 00:05:36,803 可及的速やかに 出口が必要だ。 54 00:05:36,803 --> 00:05:41,474 外務省に コンラートという 新任の参事官がいる。 55 00:05:41,474 --> 00:05:44,144 外務省も体制を一新だ。 56 00:05:44,144 --> 00:05:46,146 協力して 事に当たれ。 57 00:05:46,146 --> 00:05:49,149 はっ 直ちに。 58 00:05:49,149 --> 00:05:51,484 我々の時間は有限だ。 59 00:05:51,484 --> 00:05:54,387 だからこそ 心して取り組んでほしい。 60 00:06:01,328 --> 00:06:03,330 急な呼び出しで すまんな。 61 00:06:03,330 --> 00:06:05,832 いえ 状況が状況ですので。 62 00:06:05,832 --> 00:06:08,335 外務省へのレクだが➡ 63 00:06:08,335 --> 00:06:10,337 外交的である必要はないぞ。 64 00:06:10,337 --> 00:06:12,939 遠慮無用だ。 はっ。 65 00:06:17,844 --> 00:06:20,347 本日は お招きいただき 感謝しております。 66 00:06:20,347 --> 00:06:23,016 コンラート参事官殿。 67 00:06:23,016 --> 00:06:25,518 はじめまして レルゲン大佐。 68 00:06:25,518 --> 00:06:28,688 っと… そちらのお嬢さんは? 69 00:06:28,688 --> 00:06:30,857 (レルゲン)ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐です。 70 00:06:30,857 --> 00:06:33,793 現場をよく知る人間として 同席を。 71 00:06:33,793 --> 00:06:36,630 銀翼突撃持ちの英雄ですよ。 72 00:06:36,630 --> 00:06:39,466 ああ これは とんだ失礼を。 73 00:06:39,466 --> 00:06:41,635 いえ お気になさらず。 74 00:06:41,635 --> 00:06:45,305 我々は 帝国という 国家のしもべです。 75 00:06:45,305 --> 00:06:48,608 共に よい仕事ができることを 願っていますよ。 76 00:06:50,644 --> 00:06:52,646 では 率直に。 77 00:06:52,646 --> 00:06:57,651 この戦争には勝てますか? 直截にお答えいただきたい。 78 00:06:57,651 --> 00:07:01,655 《直截とはいえ 犠牲が全て無駄だったと➡ 79 00:07:01,655 --> 00:07:03,657 勝てないとは…》 80 00:07:03,657 --> 00:07:05,659 無理です 勝てません。 81 00:07:05,659 --> 00:07:08,161 これ以上は不毛と 断言してもよろしい。 82 00:07:08,161 --> 00:07:11,831 あまりに悲観的では? 83 00:07:11,831 --> 00:07:14,000 完全な勝利をご希望で? 84 00:07:14,000 --> 00:07:16,670 ならば 詐欺師にでも お尋ねください。 85 00:07:16,670 --> 00:07:20,840 知性ある軍人ならば 誰でも小官と同意見かと。 86 00:07:20,840 --> 00:07:24,344 その年で 全軍と かたるかね? 87 00:07:24,344 --> 00:07:29,182 外見はともかく デグレチャフ中佐は 確かな実績を持つ➡ 88 00:07:29,182 --> 00:07:33,954 優秀な軍人です。 発言こそ 物騒かつ極端ではありますが。 89 00:07:33,954 --> 00:07:37,791 なるほど 私も頭が固い。 90 00:07:37,791 --> 00:07:40,293 ちなみに 根拠は? 91 00:07:40,293 --> 00:07:42,629 帝国軍は強力ですが➡ 92 00:07:42,629 --> 00:07:47,133 世界を単独で殴り殺せるほど 強力ではありません。 93 00:07:47,133 --> 00:07:49,803 協商連合と共和国は 退けましたが➡ 94 00:07:49,803 --> 00:07:54,641 連邦や連合王国は 依然として 我々に牙をむき続け➡ 95 00:07:54,641 --> 00:07:58,144 合州国参戦の可能性も 無視できません。 96 00:07:58,144 --> 00:08:00,981 いやはや敵だらけです。 97 00:08:00,981 --> 00:08:03,483 これでは 勝ちきれません。 98 00:08:03,483 --> 00:08:07,821 出口なきジリ貧と評すのが 論理的必然では? 99 00:08:07,821 --> 00:08:10,990 はぁ… 出口。 100 00:08:10,990 --> 00:08:14,494 それを あなたは 外交に望むのですな。 101 00:08:14,494 --> 00:08:17,831 勝利できぬ軍の恥を さらすようですが➡ 102 00:08:17,831 --> 00:08:22,168 まさしく損切に入るべき段階です。 103 00:08:22,168 --> 00:08:26,339 野戦帰りの軍人さんが そこまで言えるとは。 104 00:08:26,339 --> 00:08:31,344 レルゲン大佐 我らが帝国軍の教育は 大したものですな。 105 00:08:31,344 --> 00:08:34,948 《この化け物は 勝手に育ったのだが…》 106 00:08:34,948 --> 00:08:38,451 しかし 中佐 損切と言っても➡ 107 00:08:38,451 --> 00:08:40,787 守るべきラインはあるだろう。 108 00:08:40,787 --> 00:08:44,090 軍の肌感覚では どこまで受容できるのだ? 109 00:08:46,459 --> 00:08:50,463 《正直 何と答えたものか…。 110 00:08:50,463 --> 00:08:53,133 あいにく 現場ですら 意見が異なる。 111 00:08:53,133 --> 00:08:55,468 肌感覚と言われても…。 112 00:08:55,468 --> 00:08:58,805 ああも鬱屈した世論ほどではない。 113 00:08:58,805 --> 00:09:03,309 だが 軍ほど 死者への負債に 引きずられる集団も まれだ。 114 00:09:03,309 --> 00:09:07,814 かといって グダグダと時間を 浪費した挙句の降伏も…。 115 00:09:07,814 --> 00:09:11,151 国家さえも滅びうるのだ。 116 00:09:11,151 --> 00:09:13,653 その自覚があれば➡ 117 00:09:13,653 --> 00:09:16,656 たいていのことは 損切できるはずだが…》 118 00:09:16,656 --> 00:09:19,993 しょせん 小官は 野戦将校です。 119 00:09:19,993 --> 00:09:24,330 戦略次元の視座からの提言には おのずと制約が…。 120 00:09:24,330 --> 00:09:27,500 中佐 そこをあえて頼む。 121 00:09:27,500 --> 00:09:30,336 たたき台を作ってもらえないか。 122 00:09:30,336 --> 00:09:32,338 大佐殿? 123 00:09:32,338 --> 00:09:35,942 最高統帥府からの要望は 願望のホッチキス。 124 00:09:35,942 --> 00:09:39,446 ですが 参謀本部ですら まとまりません。 125 00:09:39,446 --> 00:09:43,850 (コンラート)フッ フハハハ…。 126 00:09:47,787 --> 00:09:49,956 ふぅ…。 127 00:09:49,956 --> 00:09:54,794 奇遇ですね 我々も我々で 一枚岩とは程遠い。 128 00:09:54,794 --> 00:09:58,131 なっ… つ つまり行政も➡ 129 00:09:58,131 --> 00:10:00,133 誰も音頭を取れていない? 130 00:10:00,133 --> 00:10:02,302 ふぅ…。 131 00:10:02,302 --> 00:10:07,640 くだらない派閥争いに 信念のないポピュリズム…。 132 00:10:07,640 --> 00:10:10,643 (コンラート)前任者たちによって 幾重にも凝り固められた➡ 133 00:10:10,643 --> 00:10:15,648 しがらみをほどく時間は もはや残されてはいないか…。 134 00:10:15,648 --> 00:10:18,818 ならば いっそ 逆で行きましょう! 135 00:10:18,818 --> 00:10:22,322 我々で 既成事実を 積み上げてしまうのです。 136 00:10:22,322 --> 00:10:26,659 イルドアと軍同士の交渉で 実務レベルのすり合わせを。 137 00:10:26,659 --> 00:10:29,329 前回 それは頓挫しました。 138 00:10:29,329 --> 00:10:33,500 そして 条件を釣り上げるべく 更に勝利せよと…。 139 00:10:33,500 --> 00:10:37,504 だから今に至る。 お忘れですか? 140 00:10:37,504 --> 00:10:41,841 私は 前任者がクビになったおかげで ここにいます。 141 00:10:41,841 --> 00:10:46,179 結果が欲しいのは どこの組織も同じですよ。 142 00:10:46,179 --> 00:10:48,515 つまり? ふぅ…。 143 00:10:48,515 --> 00:10:51,518 私のほうで ささやきましょう。 144 00:10:51,518 --> 00:10:55,855 これ以上 悪化すれば 更に責任問題だと。 145 00:10:55,855 --> 00:10:58,191 厳密に言えば 違法では…。 146 00:10:58,191 --> 00:11:01,194 大佐殿 軍が➡ 147 00:11:01,194 --> 00:11:04,864 国家の外交方針に容喙するのは 明白な違反です。 148 00:11:04,864 --> 00:11:08,701 しかし 軍が国会に助言するのは 義務であり➡ 149 00:11:08,701 --> 00:11:12,038 あくまでも 試案と たたき台として提示し➡ 150 00:11:12,038 --> 00:11:14,040 ご理解いただくことは…。 (コンラート)フフ…。 151 00:11:14,040 --> 00:11:18,711 ハハハ… さよう。 152 00:11:18,711 --> 00:11:21,881 官僚の ささやかな 手練手管ですからなぁ。 153 00:11:21,881 --> 00:11:25,051 外交とは 内交でもあります。 154 00:11:25,051 --> 00:11:29,889 内部の調整なくしては どんな外交も頓挫します。 155 00:11:29,889 --> 00:11:31,891 なんとしても 出口を。 156 00:11:31,891 --> 00:11:35,161 そのためには 屈辱的な譲歩すらも➡ 157 00:11:35,161 --> 00:11:39,365 ご提案いただく必要があることを ご理解いただきたい。 158 00:11:43,503 --> 00:11:46,005 論外だ! 話にならん。 159 00:11:46,005 --> 00:11:48,174 これは我が軍が出すべき 条件ではない! 160 00:11:48,174 --> 00:11:50,343 降伏でもするつもりかね! 161 00:11:50,343 --> 00:11:54,847 こんな素案が流出すれば それだけで国内は大荒れだぞ! 162 00:11:54,847 --> 00:11:58,685 戦死者に何と言うのだ! 帝国軍の名誉を何と心得る!? 163 00:11:58,685 --> 00:12:00,887 国辱だ! 敗北主義者め! 164 00:12:02,855 --> 00:12:07,193 現下においては あらゆる艱難辛苦を甘受し➡ 165 00:12:07,193 --> 00:12:10,530 耐えがたき譲歩すらも 必要悪と受忍し➡ 166 00:12:10,530 --> 00:12:14,200 出口を目指す勇を 振るわねばなりません。 167 00:12:14,200 --> 00:12:17,203 前方への脱出が必要なのです。 168 00:12:17,203 --> 00:12:21,708 我々は勝ち取るのです。 出口を 平和を! 169 00:12:21,708 --> 00:12:26,879 大佐 軍は 名誉ある出口以外を くぐることが許されん! 170 00:12:26,879 --> 00:12:31,050 国軍の尊厳にかかわる! 戦没将兵に面目が立つのか! 171 00:12:31,050 --> 00:12:33,987 帝室に これで 顔向けできるのかね!? 172 00:12:33,987 --> 00:12:37,824 勝利なき出口など 空虚でしかあるまい! 173 00:12:37,824 --> 00:12:42,495 前の条件よりも悪化しましたな。 174 00:12:42,495 --> 00:12:45,164 (どよめき) 175 00:12:45,164 --> 00:12:48,334 (ルーデルドルフ)時間と機会を 浪費するたびに➡ 176 00:12:48,334 --> 00:12:51,504 帝国が得られる条件は 悪化していく。 177 00:12:51,504 --> 00:12:54,507 時間は我々の味方ですかな? 178 00:12:54,507 --> 00:12:56,843 我々は負けていない。 179 00:12:56,843 --> 00:12:59,178 世界に認めさせましょう。 180 00:12:59,178 --> 00:13:03,182 我々こそは 世界に冠たる帝国軍だ。 181 00:13:03,182 --> 00:13:06,352 同時に 認めましょう。 182 00:13:06,352 --> 00:13:11,658 世界を相手取るには いくぶん力が及ばなかったと。 183 00:13:13,860 --> 00:13:16,362 (ルーデルドルフ)我々の拳は 傷だらけですが➡ 184 00:13:16,362 --> 00:13:18,865 まだ世界を殴り飛ばせる。 185 00:13:18,865 --> 00:13:22,535 しかし 殴り殺すには 力が足りません。 186 00:13:22,535 --> 00:13:25,872 振り上げた拳を収め損なわば➡ 187 00:13:25,872 --> 00:13:30,376 世界を殴り殺すまで 戦うはめになる。 188 00:13:30,376 --> 00:13:33,212 残された時間は有限です。 189 00:13:33,212 --> 00:13:38,484 だからこそ 出口を探すべきでは ありませんかな? 190 00:13:38,484 --> 00:13:40,820 世界を相手取る前に➡ 191 00:13:40,820 --> 00:13:44,323 抗う努力のひとつも 行うべきでしょう。 192 00:13:50,997 --> 00:13:54,333 外交とは 無から有を生み出す という点で➡ 193 00:13:54,333 --> 00:13:57,003 錬金術に似ています。 194 00:13:57,003 --> 00:13:59,672 肝心なのは 信用という素材。 195 00:13:59,672 --> 00:14:01,841 その原則は…。 196 00:14:01,841 --> 00:14:06,846 正当性と等価交換。 あるいは 両者がそう信じること。 197 00:14:06,846 --> 00:14:10,516 戦争が究極の現実だとすれば➡ 198 00:14:10,516 --> 00:14:13,352 外交は究極の非現実です。 199 00:14:13,352 --> 00:14:17,356 見ているものが同じでも 解釈が往々にして異なる。 200 00:14:17,356 --> 00:14:20,193 折り合うのは たやすくありません。 201 00:14:20,193 --> 00:14:23,529 譲歩が譲歩と 受け止められないこともある。 202 00:14:23,529 --> 00:14:28,201 だからこそ 大胆な譲歩が必要ですが…。 203 00:14:28,201 --> 00:14:33,206 賠償の要求放棄 事実上の白紙講和…。 204 00:14:33,206 --> 00:14:37,643 今 帝国が出せる 最高の条件ですな。 205 00:14:37,643 --> 00:14:40,146 軍は 本当に承認を? 206 00:14:42,148 --> 00:14:44,817 ええ。 207 00:14:44,817 --> 00:14:47,820 ゴールが見えましたな。 208 00:14:56,162 --> 00:15:00,666 <帝国軍は 戦争の終わらせ方を 明確に意識し➡ 209 00:15:00,666 --> 00:15:02,668 2つの攻勢に転じる。 210 00:15:02,668 --> 00:15:05,838 苦戦を強いられた 東部戦線だったが➡ 211 00:15:05,838 --> 00:15:10,843 ゼートゥーア将軍の指導により 大胆な機動戦を敢行。 212 00:15:10,843 --> 00:15:16,015 作戦次元の鮮烈な勝利でもって 帝国の強さを誇示。 213 00:15:16,015 --> 00:15:19,685 西方では ロメール将軍の発案により➡ 214 00:15:19,685 --> 00:15:23,856 連合王国本土への 奇襲による直撃を試行。 215 00:15:23,856 --> 00:15:27,193 敵国世論を狙う 政治的な攻勢であった。 216 00:15:27,193 --> 00:15:33,032 しかし 敵艦隊主力との 偶発的遭遇により 作戦は頓挫。 217 00:15:33,032 --> 00:15:35,802 情報漏れも疑われる。 218 00:15:35,802 --> 00:15:37,804 完璧な成功ではない。 219 00:15:37,804 --> 00:15:42,642 しかし 帝国としては 確かな手応えを得ていた。 220 00:15:42,642 --> 00:15:44,977 帝国は願ったのだ。 221 00:15:44,977 --> 00:15:46,979 実力を示せば➡ 222 00:15:46,979 --> 00:15:51,384 対話の席に 相手を 引きずり出せるであろう… と> 223 00:16:25,852 --> 00:16:28,020 (カランドロ)ガスマン閣下が おびえておりましたよ。 224 00:16:28,020 --> 00:16:31,023 (カランドロ)またうるさいのが来ると。 225 00:16:31,023 --> 00:16:33,292 閣下には恐縮ですが➡ 226 00:16:33,292 --> 00:16:36,963 当分は 親しく おつきあいを させていただくかと。 227 00:16:36,963 --> 00:16:41,300 ほう まるで 外交官を相手にしているようだ。 228 00:16:41,300 --> 00:16:43,636 私は軍人です。 229 00:16:43,636 --> 00:16:47,306 祖国の必要が それを命じるのでしょう。 230 00:16:47,306 --> 00:16:51,644 それでは 直截に お伺いさせていただきましょう。 231 00:16:51,644 --> 00:16:54,947 あなた方の提示できる条件は? 232 00:16:57,483 --> 00:16:59,685 《決定打を用意した》 233 00:17:05,825 --> 00:17:10,329 無賠償 無併合 民族自決➡ 234 00:17:10,329 --> 00:17:12,498 この三本軸を。 235 00:17:12,498 --> 00:17:17,503 それは どうでしょう… 本当に賠償なしで➡ 236 00:17:17,503 --> 00:17:19,505 まとまると お考えですか? 237 00:17:19,505 --> 00:17:21,674 ご不安 ごもっとも。 238 00:17:21,674 --> 00:17:24,677 しかし 帝国は 甘んじて受け入れます。 239 00:17:24,677 --> 00:17:27,680 あっ… 失礼。 240 00:17:27,680 --> 00:17:31,183 今 受け入れると おっしゃいましたか? 241 00:17:31,183 --> 00:17:34,453 ええ 我々は 受け入れる用意がある。 242 00:17:34,453 --> 00:17:38,624 ね… 念のため 整理させていただきたい。 243 00:17:38,624 --> 00:17:41,127 ご提示いただいた無賠償とは➡ 244 00:17:41,127 --> 00:17:44,630 帝国に対する 請求の拒否ではなく➡ 245 00:17:44,630 --> 00:17:48,968 帝国が請求しないという理解で 間違いありませんか? 246 00:17:48,968 --> 00:17:51,971 そのとおりですが…。 247 00:17:51,971 --> 00:18:00,313 貴国が 賠償を払う意思は ないのですね? 248 00:18:00,313 --> 00:18:03,115 賠償ですと? 我々が? 249 00:18:09,488 --> 00:18:13,492 バッ バカな! 我々が請求を放棄するのですぞ! 250 00:18:13,492 --> 00:18:17,663 これほどの妥協ですら 不十分だとおっしゃるのですか? 251 00:18:17,663 --> 00:18:23,669 つまり 帝国領土の譲渡は お考えではないと? 252 00:18:25,838 --> 00:18:27,840 レルゲン大佐➡ 253 00:18:27,840 --> 00:18:33,612 貴国の提案では 正直 挑発と受け取られるでしょうな。 254 00:18:33,612 --> 00:18:36,115 い いったい どこが…。 255 00:18:36,115 --> 00:18:38,451 賠償も領土割譲も拒否。 256 00:18:38,451 --> 00:18:42,655 交戦諸国からしてみれば 露骨な挑発です。 257 00:18:46,626 --> 00:18:51,630 帝国にとっては 和を乞う 屈辱的な提案さえも➡ 258 00:18:51,630 --> 00:18:57,470 第三者にとって 傲岸不遜そのものだと? 259 00:18:57,470 --> 00:19:02,375 見ている世界が違いすぎる…。 260 00:19:05,978 --> 00:19:09,482 カランドロ大佐 貴官も ご承知でしょう。 261 00:19:09,482 --> 00:19:13,986 こたびの戦争は 協商連合の越境行為が契機。 262 00:19:13,986 --> 00:19:16,989 そうだ 始めたのは連中だ。 263 00:19:16,989 --> 00:19:21,327 帝国は挑まれた戦いで 自分を守ったにすぎない。 264 00:19:21,327 --> 00:19:23,662 水掛け論でしょう それは。 265 00:19:23,662 --> 00:19:28,334 例えば 始めに宣戦布告したのは 帝国でしたな。 266 00:19:28,334 --> 00:19:30,669 始めに撃ったのも帝国だ。 267 00:19:30,669 --> 00:19:33,172 バカな! 越境侵犯に対し➡ 268 00:19:33,172 --> 00:19:36,108 当然の自衛権を 行使したまでのことで…。 269 00:19:36,108 --> 00:19:39,111 ええ 帝国の正義ですな。 270 00:19:39,111 --> 00:19:44,116 ですが 違う立場からの正義も ありましょう。 271 00:19:44,116 --> 00:19:47,787 なっ…。 帝国が相当な譲歩を申し出て➡ 272 00:19:47,787 --> 00:19:51,957 初めて 交渉の基礎ができると 理解していただきたい。 273 00:19:51,957 --> 00:19:55,127 相手方は そこまで強硬です。 274 00:19:55,127 --> 00:20:00,299 この条件を蹴ってでも 戦争を続けたいと? 275 00:20:00,299 --> 00:20:03,803 失礼ですが 流れた血が多すぎる。 276 00:20:03,803 --> 00:20:07,907 向こうは向こうで 手ぶらでは終われないのですよ。 277 00:20:09,975 --> 00:20:11,977 だから続ける… と。 278 00:20:17,983 --> 00:20:20,653 平和の回復という大義のもと➡ 279 00:20:20,653 --> 00:20:26,492 交戦国同士が歩み寄ることは 不可能なのでしょうか。 280 00:20:26,492 --> 00:20:30,996 レルゲン大佐殿 あなたは誠実な軍人だ。 281 00:20:30,996 --> 00:20:35,401 それを踏まえて ひとつ 私見をよろしいだろうか。 282 00:20:37,670 --> 00:20:39,839 要するに…。 283 00:20:39,839 --> 00:20:43,676 帝国は強すぎる。 強すぎて怖い。 284 00:20:43,676 --> 00:20:47,179 怖いやつには滅んでいただきたい。 285 00:21:15,040 --> 00:21:19,545 《ただ待つだけの身というのも つらいものだな…》 286 00:21:39,832 --> 00:21:42,001 はぁ…。 (ノック) 287 00:21:42,001 --> 00:21:44,170 (ヴィーシャ)中佐殿 参謀本部より➡ 288 00:21:44,170 --> 00:21:47,173 封緘書類が届きました。 289 00:21:47,173 --> 00:21:50,176 くっ これでは…。 290 00:21:50,176 --> 00:21:53,179 (ゼートゥーア)ふっ… 状況は最悪。 291 00:21:53,179 --> 00:21:55,681 実に素晴らしいことだ。 292 00:21:55,681 --> 00:21:59,852 ふっ 出口は やはり作れる。 293 00:21:59,852 --> 00:22:04,190 バカな… これでは 我々に選択肢など…。 294 00:22:04,190 --> 00:22:06,192 もはや…。 295 00:22:10,029 --> 00:22:12,364 《ルーデルドルフ:時間がない…。 296 00:22:12,364 --> 00:22:17,203 まだ我々の拳は頑強だ。 297 00:22:17,203 --> 00:22:21,540 まだ世界は殴り飛ばせる。 298 00:22:21,540 --> 00:22:25,711 だが いずれは 仮にイルドアを攻めようにも…。 299 00:22:25,711 --> 00:22:28,881 出口には つながらない。 300 00:22:28,881 --> 00:22:31,383 だが 今 殴らなければ…。 301 00:22:31,383 --> 00:22:35,821 我々が殴る能力さえも 喪失してしまえば➡ 302 00:22:35,821 --> 00:22:40,926 世界は 帝国をどう遇する?》